説明

球を用いたボードゲームおよびその構造

【課題】年齢の異なる複数のプレイヤーが同時に使用でき、長期的に飽きることなく複数のゲーム盤面を選択できるボードゲーム方法およびその構造を提供する。
【解決手段】 複数のゲーム盤面デザインをロール状に巻き取ることが可能な素材に印刷したゲーム盤面シートを使用することにより、ゲームの習熟度やプレイヤーの年齢構成等に応じて、ゲーム盤面のデザインを選択できる構造のボードゲームを考案した。領域ごとに点数を配点したゲーム盤面上において、各プレイヤーが高得点に配点された領域を目指して、ビー玉あるいはプラスチック等でできた球を交互に打球し、複数個の球を各自打ち終わった後に、球の静止領域の配点の総得点を競い合うゲームであって、プレイヤーはゲーム開始前に様々な障害物を選択し、相手の打球の進路妨害を目的としてボードゲーム盤上に配置することができるルールとして構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球を用いたボードゲームおよびその構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボードゲームには各種のものがあり、とりわけ、既定の盤面および駒やカードを用いて、所定のルールで行うものは多種多様である。また、球を用いたボードゲームとしては、ビリヤードやピンボール、パチンコ等、比較的大型あるいは電気仕掛けのもの、あるいは子供向けの野球盤、サッカーゲーム等がある。
【0003】
しかしながら、従来のこれらのボードゲームは、ルールが複雑で、ルールを習熟するのに時間を要したり、幅広い年齢層のプレイヤーが同時に使用する上で困難なものが多い。球を用いたボードゲームにいたっては、大型なため家庭内で遊べなかったり、2人以上の複数のプレイヤーが参加できるボードゲームが少ないという問題がある。
【0004】
また、既定の単一の盤面しかもたないボードゲームは、何度か遊ぶうちに飽き足りて陳腐化してしまうことも多く、ボードゲームを飽きることなく長期にわたって家庭で使用できる工夫が必要である。
【特許文献1】特開2002-315861号公報
【非特許文献1】松田道弘著 「世界のゲーム辞典」東京堂出版 1989年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、子供から老人まで様々な年齢の人がルールを簡単に理解でき、家庭内において年齢の異なる複数のプレイヤーが同時に使用でき、かつ、スコアの暗算や指先の力加減で調整できる球の打球方法などを通して、子供の知育、老人のボケ防止に役立つ新規な遊びと、それを実行するためのボードゲームおよびプレイヤーの習熟度に応じて長期的に飽きることなく複数のゲーム盤面を選択できるボードゲーム構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に関わるボードゲーム方法は、図1のゲーム盤面デザイン例のように、領域ごとに異なる点数の配点を行われたゲーム盤面上において、各プレイヤーが、高得点に配点された領域を目指して、プレイヤー毎に色分けされたビー玉あるいはプラスチック等でできた球を交互に転がし、複数個の球を各自、転がし終わった後に、各自の球の静止位置領域の配点を演算し総得点を競い合うルールとする。
【0007】
また、この発明にかかるボードゲーム用具として、各プレーヤーは図2に示すような様々な大きさの打球具を選択使用できるルールとするとともに、ゲーム開始前に、各プレイヤーが図3に示すような様々な障害物を選択し、相手の球の妨害を目的としてボードゲーム盤上に配置することができるルールとする。プレイヤーはゲーム盤上周囲の壁に球を反射させたり、障害物を逆に利用したりして高得点領域を目指して打球する。
【0008】
単一のゲーム盤面デザインしか使用できないことに起因する、ゲームに対する飽きを防ぐため、複数のゲーム盤面のデザインをプラスチックシートや布地等ロール状に巻き取ることが可能な素材に印刷することにより、図1に示すように、ゲーム盤面シートの巻き取りにより、ゲームの習熟度やプレイヤーの年齢構成等に応じて、異なったデザインのゲーム盤面に更新することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のボードゲームでは、様々な年齢層のプレイヤーが簡単にかつ長期的に飽きることなくゲームを使用でき、家庭内における子供の知育目的や老人保健施設における遊戯具として、様々な環境で利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、この発明の実施の形態を図に基づき説明する。図1-3はこの発明のボードゲームに用いる用具を示すもので、図1は複数のゲーム盤面デザインを選択、変更できるボードゲーム本体、図2は各々のプレイヤーが使用する球打具、図3は各々のプレイヤーが設置する障害物を示す。
【0011】
図1に示されるボードゲーム本体は、プラスチックシートまたは布地等からなるゲーム盤面シート1とその手巻き機構2、ゲーム盤面周囲の球の反射枠3、およびそれらを保持する架台4からなる。ゲーム盤面は四角形以外に多数のプレイヤーがプレイすることを想定して、円形にしても良い。ゲーム盤面シートは5aおよび5bの穴を通って、2の手巻き機構で移動でき、シートがたるまないように反射枠3によりゲーム盤面架台4に押しつける構造となっている。反射枠3は、5a、5bに並列する側のみゲーム盤面架台4との間にゲーム盤面シート1を通す隙間が開いており、それ以外はゲーム盤面架台4に固定できる構造となっている。また、反射枠3は、図2に示されるようにゲーム盤面側に湾曲した形状をなし、球が滑らかに反射する構造となっている。ゲーム盤面シートの巻き取りにより、様々なデザインのゲーム盤面を選択できる。プレイヤーは6a?6cに示される打球地点から狙った方向に打球する。
【0012】
図2は、各角に設けられたゲーム盤面上の打球地点と反射枠、打球具および打球具を固定する方法を示している。打球具7a?7cは、位置エネルギーを利用して滑り台状の溝に球を滑らして転がす形状をしており、支柱部分を打球地点の反射枠3に設けられた複数の穴のうち、任意の一ヶ所に挿しこんで、任意の方向に滑り台を向けて球を転がすようになっている。狙う領域に応じて高さの異なる打球具を選択して使用する。
【0013】
図3に示される障害物は、うつ伏せにした皿状の形状であり、球がその中心に入ったら出ることのできない障害物8や、周囲にゴムを張った三角柱状の形状であり、球がゴムの張力により反射する障害物9、起毛したフェルト地等、摩擦力の大きな素材で作られ、ゴルフのバンカーのような形状であり、動いている球の速度が減速する障害物10、棒の中心に支点を設け、球が当たると水平に回転する障害物11等であり、それぞれゲーム盤面に接する底面に摩擦力の大きなゴムを張り、球が当たっても、その位置がずれない構造となっている。
【0014】
各々のプレイヤーは、自分の打球を高得点位置に導くため、あるいは相手の打球の進路を妨げるため、ゲーム開始前に順番に図3の障害物を選択し、任意の場所に設置する。障害物を設置した後、各プレイヤーは、狙う得点領域、障害物の配置等を考慮して、図2の打球具を選択し、所定の打球位置から高得点領域を目指して、順番に打球する。
【産業上の利用可能性】
【0015】
家庭内での子供の暗算能力の知育、老人保険施設等でのボケ防止目的、また身体を動かさずに遊べる遊戯具として、様々な年齢層、環境において利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ボードゲーム本体の構造を示した説明図である。
【図2】ボードゲームに使用する打球具と方法を示した説明図である。
【図3】ボードゲームに使用する障害物を示した説明図である。
【符号の説明】
【0017】
1 ゲーム盤面シート
2 ゲーム盤面シートの手巻き機構
3 ゲーム盤面周囲の球の反射枠
4 ゲーム盤面架台
5 ゲーム盤面シートの巻き取り口
6 ゲーム盤面上の打球地点
7 位置エネルギーを利用した打球具
8 皿状障害物
9 周囲にゴムを張った三角柱状障害物
10 起毛したフェルト状材料等でできたバンカー状障害物
11 回転体状障害物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤーが、ボード上に異なる点数ごとに配点された領域に向かって交互に自分の色の球を転がし、複数の球を転がしあった後に、それぞれ色の球が静止した領域の配点の総点数を競い合うボードゲームであって、各プレイヤーが様々な打球具を選択できるとともに、ゲームを開始する前に様々な障害物を選択し、ゲーム盤面上の希望の場所に設置することで、相手の球の妨害ができるボードゲーム方法。
【請求項2】
プラスチックシートや布地等、ロール状に巻くことのできる素材を使用したボードゲーム盤面であって、ゲーム盤面をロール状に巻き込んで移動することにより、複数のデザインのゲーム盤面を選択できるボードゲーム構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−101931(P2006−101931A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289242(P2004−289242)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(304009574)