説明

球打撃練習装置

【課題】グランド上に設置したティー上の球に対し、打撃練習を繰り返し行なう場合に、グランド上におけるティーの位置ずれの発生を抑制して、ティーの位置ずれの修正作業を少なくできるようにし、もって、打撃練習の効果を向上させる。
【解決手段】球打撃練習装置は、グランド2上に設置され、打撃される球4を、上端面に載置可能とするティー7と、打撃された球4を緩衝しつつ受け止める飛球防止膜状体8とを備える。ティー7は、グランド2上に設置される基台11と、基台11から上方に向かって突出し、突出端部の上端面に球を載置可能とするポスト12とを有する一方、膜状体8は、グランド2上に設置される膜状体フレーム19と、膜状体フレーム19に弛んだ状態で取り付けられる膜状体本体20とを有する。ティー7と膜状体8の膜状体フレーム19とを連結する連結体23を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野球やソフトボールの練習用として、所定高さに位置させた球をバットで打撃可能にさせるティーと、打撃された球が自由に遠くまで飛ぶことを防止する飛球防止膜状体とを備えた球打撃練習装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記ティーには、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、上記ティーは、グランド上に設置され、打撃される球を、その上端面に載置可能とするものであり、グランド上に設置される基台と、この基台から上方に向かって突出し、その突出端部の上端面に球を載置させるポストとを有している。
【0003】
一方、上記飛球防止膜状体には、従来、下記特許文献2に示されるものがある。この公報のものによれば、上記膜状体は、打撃された球を緩衝しつつ受け止めるものであり、グランド上に設置される膜状体フレームと、この膜状体フレームに取り付けられるネット製の膜状体本体とを有している。
【0004】
上記ティーと膜状体とによる球打撃練習装置を用いての練習者による球打撃練習時には、まず、上記ティーのポストの上端面に球を載置して、この球を所定高さに位置させる。練習者は、上記ティーの側方のグランド上に立ってバットを構える。そして、上記ティー上の球から眼が離れないようこの球をよく見た状態でバットを振ることにより、所望の打撃練習を行なう。この際、この球の打撃方向は、打撃された球が上記膜状体に向かう方向とされる。また、この打撃時、通常、上記ポストの上端部にはバットから衝撃力が与えられるが、この衝撃力は上記ポストが弾性的に屈曲することにより、ある程度緩和される。
【0005】
そして、上記のように打撃されて膜状体の膜状体本体に向かう球は、上記膜状体本体が緩衝しつつ受け止めて、この球が自由に遠くまで飛ぶことを防止する。また、この球は、その自重により上記膜状体本体の下部側に落下して集められる。
【0006】
上記打撃を所望回数繰り返し行なった場合、一旦、上記膜状体本体の下部側に集まった球や、膜状体で跳ね返って膜状体周りのグランド上に落下して散乱している球を集球して、その後の打撃練習に備えることとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2008−539967号公報
【特許文献2】特開2002−233602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記したようにティーのポスト上に載置した球をバットで打撃する場合、このバットから上記ポストの上端部に与えられる衝撃力は、前記したようにある程度緩和されるものの、この衝撃力により、上記ティーはグランド上を少しずつ位置ずれしがちとなる。このため、上記打撃を繰り返した場合には、上記ティーの位置ずれの合計寸法が徐々に大きくなり、上記膜状体に対するティーの相対位置が適正範囲から外れがちになる。そこで、これを防止するため、上記ティーの位置ずれを、ある期間毎に修正する作業が必要となる。しかし、このようなティーの位置ずれの修正作業は、上記打撃練習を大きく中断させることになるなど、この練習の効果を阻害するものであって、好ましくない。
【0009】
また、前記したように打撃された球は、通常、上記膜状体の膜状体本体が緩衝しつつ受け止めるが、打撃された球が膜状体で跳ね返ってグランド上に落下した場合、この球は、その慣性力で上記膜状体から大きく離れるまで転動するおそれがある。そして、この場合には、これら球の集球作業が煩雑になり、これも、上記打撃練習を大きく中断させることになるなど、この練習の効果を阻害するものであって、好ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、グランド上に設置したティー上の球に対し、打撃練習を繰り返し行なう場合に、グランド上におけるティーの位置ずれの発生を抑制して、このティーの位置ずれの修正作業を少なくできるようにし、もって、打撃練習の効果を向上させることである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、上記のように打撃された球が飛球防止膜状体で跳ね返ってグランド上に落下した場合に、この球が膜状体から大きく離れるまで転動することを防止して、これら球の集球作業が容易にできるようにし、もって、打撃練習の効果を向上させることである。
【0012】
請求項1の発明は、グランド2上に設置され、打撃される球4を、その上端面に載置可能とするティー7と、打撃された球4を緩衝しつつ受け止める飛球防止膜状体8とを備え、上記ティー7が、グランド2上に設置される基台11と、この基台11から上方に向かって突出し、その突出端部の上端面に球を載置可能とするポスト12とを有する一方、上記膜状体8が、グランド2上に設置される膜状体フレーム19と、この膜状体フレーム19に弛んだ状態で取り付けられる膜状体本体20,21とを有した球打撃練習装置において、
上記ティー7と膜状体8の膜状体フレーム19とを連結する連結体23を設けたことを特徴とする球打撃練習装置である。
【0013】
請求項2の発明は、上記連結体23が、グランド2の上面近傍に位置すると共に、この上面に沿って延びる左右一対の長尺材24,24を有したことを特徴とする請求項1に記載の球打撃練習装置である。
【0014】
請求項3の発明は、上記ティー7の基台11と、上記膜状体8の膜状体フレーム19の下端部における左右各端部とをそれぞれ上記長尺材24で連結したことを特徴とする請求項2に記載の球打撃練習装置である。
【0015】
請求項4の発明は、上記連結体23におけるティー7側の部分を、このティー7側から上記膜状体本体20の左右方向での中央部側に向かって延びるよう形成したことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の球打撃練習装置である。
【0016】
請求項5の発明は、上記ティー7と膜状体8とを上記連結体23により互いに連結したことにより、上記ティー7と膜状体8とをグランド2上にそれぞれ自立させたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の球打撃練習装置である。
【0017】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0018】
本発明による効果は、次の如くである。
【0019】
請求項1の発明は、グランド上に設置され、打撃される球を、その上端面に載置可能とするティーと、打撃された球を緩衝しつつ受け止める飛球防止膜状体とを備え、上記ティーが、グランド上に設置される基台と、この基台から上方に向かって突出し、その突出端部の上端面に球を載置可能とするポストとを有する一方、上記膜状体が、グランド上に設置される膜状体フレームと、この膜状体フレームに弛んだ状態で取り付けられる膜状体本体とを有した球打撃練習装置において、
上記ティーと膜状体の膜状体フレームとを連結する連結体を設けている。
【0020】
ここで、上記ティーのポスト上の球を練習者がバットで打撃する練習を繰り返し行なう場合、このバットから上記ティーのポストに与えられる衝撃力により、上記ティーはグランド上を少しずつ位置ずれしがちとなる。
【0021】
しかし、上記発明によれば、打撃時に、ティーに与えられる衝撃力は上記連結体を介し膜状体によっても支持されることから、グランド上におけるティーの位置ずれの発生が抑制される。また、仮に、ティーに位置ずれが生じたとしても、このティーと膜状体とは連結体により連結されているため、上記ティーと膜状体との相対位置は適正に保たれる。よって、ティーの位置ずれの修正作業を少なくでき、その分、打撃練習の効果の向上が達成される。
【0022】
また、上記したように、膜状体では膜状体フレームに膜状体本体を弛んだ状態で取り付けている。このため、打撃時に、ティーから連結体を介して上記膜状体の膜状体フレームに衝撃力が与えられるとき、この膜状体フレームに対し上記膜状体本体がわずかながらでも相対的に揺れることにより、上記衝撃力に基づくエネルギーが吸収されて、この衝撃力が緩和される。よって、上記ティーの位置ずれの発生が、より効果的に抑制されることから、これによっても、ティーの位置ずれの修正作業を少なくでき、その分、打撃練習の効果の向上が達成される。
【0023】
請求項2の発明は、上記連結体が、グランドの上面近傍に位置すると共に、この上面に沿って延びる左右一対の長尺材を有している。
【0024】
このため、打撃された球が膜状体で跳ね返ってグランド上に落下し、その慣性力で上記膜状体から離れるよう転動しようとしても、この転動は上記連結体の各長尺材により防止されて、上記球は左右長尺材の間のグランド上に集められる。よって、これら球の集球作業が容易かつ迅速にできることから、打撃練習の効果の向上が、より確実に達成される。
【0025】
請求項3の発明は、上記ティーの基台と、上記膜状体の膜状体フレームの下端部における左右各端部とをそれぞれ上記長尺材で連結している。
【0026】
このため、上記膜状体の膜状体フレームの左右幅寸法に応じて、上記左右長尺材の間の面積を、より大きくできる。よって、打撃された球が膜状体で跳ね返ってグランド上に落下するとき、上記球を左右長尺材の間に集めることが、より確実に達成できることから、打撃練習の効果の向上が、更に確実に達成される。
【0027】
請求項4の発明は、上記連結体におけるティー側の部分を、このティー側から上記膜状体本体の左右方向での中央部側に向かって延びるよう形成している。
【0028】
このため、上記したように連結体におけるティー側の部分が膜状体本体の左右方向での中央部側に向かって延びる分、上記ティーの側方におけるグランド上の面積を、より大きくできる。よって、練習者がティーの側方のグランド上に立ってティー上の球を打撃する際、足の動作範囲を、より広く採り得ることから、打撃練習の効果の向上が、更に確実に達成される。
【0029】
請求項5の発明は、上記ティーと膜状体とを上記連結体により互いに連結したことにより、上記ティーと膜状体とをグランド上にそれぞれ自立させている。
【0030】
このため、上記連結体の利用により、ティーと膜状体とを個別に自立させないで足りる分、球打撃練習装置の構成を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】平面図である。
【図2】側面図である。
【図3】斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の球打撃練習装置に関し、グランド上に設置したティー上の球に対し、打撃練習を繰り返し行なう場合に、グランド上におけるティーの位置ずれの発生を抑制して、このティーの位置ずれの修正作業を少なくできるようにし、もって、打撃練習の効果を向上させるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
【0033】
即ち、球打撃練習装置は、グランド上に設置され、打撃される球を、その上端面に載置可能とするティーと、打撃された球を緩衝しつつ受け止める飛球防止膜状体とを備える。上記ティーは、グランド上に設置される基台と、この基台から上方に向かって突出し、その突出端部の上端面に球を載置可能とするポストとを有する一方、上記膜状体は、グランド上に設置される膜状体フレームと、この膜状体フレームに弛んだ状態で取り付けられる膜状体本体とを有している。上記ティーと膜状体の膜状体フレームとを連結する連結体が設けられる。
【実施例】
【0034】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
【0035】
図において、符号1は、野球やソフトボールについての球打撃練習装置である。この球打撃練習装置1は、グランド2上の所望位置に設置され、かつ、球4を所定高さとなるよう載置させ、この球4を練習者5がバット6により打撃可能にさせるものである。なお、説明の便宜上、球4の打撃方向を前方(矢印Fr)とし、下記する左右とは、上記前方に向かっての方向をいうものとする。
【0036】
上記球打撃練習装置1は、グランド2上に設置され、打撃される球4を、その上端面に載置可能とするティー7と、打撃された球4を緩衝しつつ受け止めてこの球4が自由に遠くまで飛ぶことを防止する飛球防止膜状体8とを備えている。
【0037】
上記ティー7は、グランド2上に設置される基台11と、この基台11から上方に向かって鉛直方向に突出し、その突出端部の上端面に球4を載置可能とするポスト12と有している。
【0038】
具体的には、上記基台11は、平面視(図1)で上記ティー7のポスト12側から膜状体8側に向かって開くV字形状とされ、円形パイプ材の屈曲により形成されている。上記ポスト12は、互いに別体の上ポスト部材13と下ポスト部材14とを有している。この下ポスト部材14は円形パイプ材で形成され、上記基台11から上方に向けて突設されている。上記上ポスト部材13はゴム製の弾性材で構成され、その上端面に上記球4を載置させる球受部15が形成されている。上記下ポスト部材14の上部に上記上ポスト部材13の下部が上下に摺動可能に嵌入され、この上ポスト部材13の所望高さ位置で、この上ポスト部材13を上記下ポスト部材14に着脱可能に固着する固着具16が設けられている。そして、上記上ポスト部材13の高さ調整により、この上ポスト部材13上の球4につき、高さの位置調整が可能とされている。
【0039】
上記膜状体8は、グランド2上に設置される膜状体フレーム19と、この膜状体フレーム19の枠内を全体的に覆うようこの膜状体フレーム19に取り付けられる膜状体本体20と、上記膜状体フレーム19の上部から垂れ下がるよう設けられ、上記膜状体本体20よりも後方に位置する補助膜状体本体21とを有している。具体的には、上記膜状体フレーム19は円形パイプ材により正面視門形となるよう屈曲形成され、その下端部の左右各端部は、それぞれ上記グランド2の上面近傍に位置し、後方に向かって屈曲させられている。上記膜状体本体20はネット製で全体的に弛んだ状態で上記膜状体フレーム19に取り付けられる。また、上記補助膜状体本体21は布製で、上記したように垂れ下がることにより全体的に弛んだ形状とされている。
【0040】
上記ティー7と膜状体8の膜状体フレーム19とを連結する連結体23が設けられている。この連結体23は、グランド2の上面近傍に位置し、この上面に沿って延びる左右一対の長尺材24,24を有している。これら各長尺材24は、それぞれ円形パイプ材で形成され、ティー7側の各端部は、このティー7の基台11の各端部(前端部)に締結具25により着脱可能に固着され、膜状体8側の各端部は、上記膜状体フレーム19の下端部における左右各端部に締結具26により着脱可能に固着されている。
【0041】
上記の場合、連結体23のティー7側の端部は、このティー7のポスト12の下ポスト部材14に連結してもよい。
【0042】
上記連結体23の左右各長尺材24はそれぞれ直線的に延び、平面視(図1)で、上記ティー7側から膜状体8側に向かって開くハの字形状となるよう形成されている。
【0043】
上記連結体23の各長尺材24はそれぞれグランド2の上面に当接して、上記ティー7と膜状体8とを支持しており、これにより、これらティー7と膜状体8とは上記連結体23によってグランド2上に自立させられている。なお、グランド2の上面に上記ティー7と膜状体8とをそれぞれ当接させ、これら7,8を上記連結体23で連結して、上記ティー7と膜状体8とをそれぞれグランド2上に自立させてもよい。
【0044】
上記各締結具25,26を弛めれば、上記球打撃練習装置1は、ティー7、膜状体8、および連結体23の各長尺材24に分解されてコンパクトに収納可能とされる。
【0045】
上記球打撃練習装置1を用いての練習者5による球打撃練習時には、まず、上記ティー7のポスト12の上端面の球受部15に、各図中一点鎖線で示すように球4を載置して、この球4を所定高さに位置させる。練習者5は、上記ティー7の側方のグランド2上に立ってバット6を構える。そして、上記ティー7上の球4から眼が離れないようこの球4をよく見た状態でバット6を振ることにより、所望の打撃練習を行なう。この際、この球4の打撃方向は、打撃された球4が上記飛球防止膜状体8に向かう方向とされる。また、この打撃時、上記ポスト12の上端部にはバット6から衝撃力が与えられるが、この衝撃力は上記ポスト12の上ポスト部材13が弾性的に屈曲することにより、ある程度緩和される。
【0046】
そして、上記のように打撃されて膜状体8の膜状体本体20に向かう球4は、上記膜状体本体20が緩衝しつつ受け止めて、この球4が自由に遠くまで飛ぶことを防止する。また、この球4は、その自重により上記膜状体本体20の下部側に落下して集められる。
【0047】
上記打撃を所望回数繰り返し行なった場合、一旦、上記膜状体本体20の下部側に集まった球4や、膜状体8で跳ね返って膜状体8周りのグランド2上に落下して散乱している球4を集球して、その後の打撃練習に備えることとされる。。
【0048】
なお、上記ティー7と膜状体8とは、それぞれ個別にグランド2上に自立可能なものとしてもよい。また、上記基台11は板形状であってもよく、前後に長い一本の部材で形成してもよい。また、上記膜状体本体20を布製としてもよく、補助膜状体本体21をネット製としてもよく、この補助膜状体本体21は設けなくてもよい。また、上記連結体23の一部もしくは全部を弾性材で形成してもよい。
【0049】
また、上記した連結体23の構成に代えて、この連結体23を、図1,3中二点鎖線で示すようにしてもよい。即ち、上記連結体23の左右各長尺材24,24における上記ティー7側の部分は、このティー7側から膜状体8の膜状体本体20の左右方向での中央部側に向かって延びるよう形成され、つまり、上記基台11は、平面視(図1)で、上記ティー7のポスト12側から膜状体8側に向かって開くU字形状とされる。また、上記左右各長尺材24,24における膜状体8側の部分は、上記したように、平面視(図1)で、膜状体8側に向かって大きく開くハの字形状となるよう形成される。
【0050】
また、上記した連結体23の構成に代えて、この連結体23を、図1,3中三点鎖線で示すようにしてもよい。即ち、左右に延びて、上記膜状体8の膜状体フレーム19の下端部における左右各端部に不図示の締結具により着脱可能に連結される連結フレーム29が設けられる。上記連結体23の左右長尺材24,24は互いに平行となるよう前後方向に直線的に延びるよう設けられ、これら左右長尺材24,24の各前端部が上記連結フレーム29の左右方向での中央部に連結されている。なお、上記左右長尺材24,24は、これに代えて、一本の棒材や帯状材で形成してもよい。
【0051】
前記構成によれば、ティー7と飛球防止膜状体8の膜状体フレーム19とを連結する連結体23を設けている。
【0052】
ここで、上記ティー7のポスト12上の球4を練習者5がバット6で打撃する練習を繰り返し行なう場合、このバット6から上記ティー7のポスト12に与えられる衝撃力により、上記ティー7はグランド2上を少しずつ位置ずれしがちとなる。
【0053】
しかし、上記構成によれば、打撃時にティー7に与えられる衝撃力は上記連結体23を介し膜状体8によっても支持されることから、グランド2上におけるティー7の位置ずれの発生が抑制される。また、仮に、ティー7に位置ずれが生じたとしても、このティー7と膜状体8とは連結体23により連結されているため、上記ティー7と膜状体8との相対位置は適正に保たれる。よって、ティー7の位置ずれの修正作業を少なくでき、その分、打撃練習の効果の向上が達成される。
【0054】
また、上記したように、膜状体8では膜状体フレーム19に膜状体本体20,21を弛んだ状態で取り付けている。このため、打撃時に、ティー7のポスト12から連結体23を介して上記膜状体8の膜状体フレーム19に衝撃力が与えられるとき、この膜状体フレーム19に対し上記膜状体本体20,21がわずかながらでも相対的に揺れることにより、上記衝撃力に基づくエネルギーが吸収されて、この衝撃力が緩和される。よって、上記ティー7の位置ずれの発生が、より効果的に抑制されることから、これによっても、ティー7の位置ずれの修正作業を少なくでき、その分、打撃練習の効果の向上が達成される。
【0055】
また、前記したように、連結体23が、グランド2の上面近傍に位置すると共に、この上面に沿って延びる左右一対の長尺材24,24を有している。
【0056】
このため、打撃された球4が膜状体8で跳ね返ってグランド2上に落下し、その慣性力で上記膜状体8から離れるよう転動しようとしても、この転動は上記連結体23の各長尺材24により防止されて、上記球4は左右長尺材24,24の間のグランド2上に集められる。よって、これら球4の集球作業が容易かつ迅速にできることから、打撃練習の効果の向上が、より確実に達成される。
【0057】
また、前記したように、ティー7の基台11と、上記膜状体8の膜状体フレーム19の下端部における左右各端部とをそれぞれ上記長尺材24で連結している。
【0058】
このため、上記膜状体8の膜状体フレーム19の左右幅寸法に応じて、上記左右長尺材24,24の間の面積を、より大きくできる。よって、打撃された球4が膜状体8で跳ね返ってグランド2上に落下するとき、上記球4を左右長尺材24,24の間に集めることが、より確実に達成できることから、打撃練習の効果の向上が、更に確実に達成される。
【0059】
また、前記図1,3中二点鎖線で示したように、連結体23におけるティー7側の部分を、このティー7側から上記膜状体8の膜状体本体20の左右方向での中央部側に向かって延びるよう形成している。
【0060】
このため、上記したように連結体23におけるティー7側の部分が膜状体本体20の左右方向での中央部側に向かって延びる分、上記ティー7の側方におけるグランド2上の面積を、より大きくできる。よって、練習者5がティー7の側方のグランド2上に立ってティー7上の球4を打撃する際、足の動作範囲を、より広く採り得ることから、打撃練習の効果の向上が、更に確実に達成される。
【0061】
また、前記したように、上記ティー7と膜状体8とを上記連結体23により互いに連結したことにより、上記ティー7と膜状体8とをグランド2上にそれぞれ自立させている。
【0062】
このため、上記連結体23の利用により、ティー7と膜状体8とを個別に自立させないで足りる分、球打撃練習装置1の構成を簡単にできる。
【符号の説明】
【0063】
1 球打撃練習装置
2 グランド
4 球
5 練習者
6 バット
7 ティー
8 膜状体
11 基台
12 ポスト
19 膜状体フレーム
20 膜状体本体
21 補助膜状体本体
23 連結体
24 長尺材
25 締結具
26 締結具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グランド上に設置され、打撃される球を、その上端面に載置可能とするティーと、打撃された球を緩衝しつつ受け止める飛球防止膜状体とを備え、上記ティーが、グランド上に設置される基台と、この基台から上方に向かって突出し、その突出端部の上端面に球を載置可能とするポストとを有する一方、上記膜状体が、グランド上に設置される膜状体フレームと、この膜状体フレームに弛んだ状態で取り付けられる膜状体本体とを有した球打撃練習装置において、
上記ティーと膜状体の膜状体フレームとを連結する連結体を設けたことを特徴とする球打撃練習装置。
【請求項2】
上記連結体が、グランドの上面近傍に位置すると共に、この上面に沿って延びる左右一対の長尺材を有したことを特徴とする請求項1に記載の球打撃練習装置。
【請求項3】
上記ティーの基台と、上記膜状体の膜状体フレームの下端部における左右各端部とをそれぞれ上記長尺材で連結したことを特徴とする請求項2に記載の球打撃練習装置。
【請求項4】
上記連結体におけるティー側の部分を、このティー側から上記膜状体本体の左右方向での中央部側に向かって延びるよう形成したことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の球打撃練習装置。
【請求項5】
上記ティーと膜状体とを上記連結体により互いに連結したことにより、上記ティーと膜状体とをグランド上にそれぞれ自立させたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の球打撃練習装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−5938(P2013−5938A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140936(P2011−140936)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000134187)株式会社トーアスポーツマシーン (8)