説明

球状頭部を有する軸状部品及びその製造方法

【課題】 パイプ材から球状頭部を有する中空の軸状部品を製造して、軽量化を図りながら、球状頭部と中空軸部との境界部分にくびれ部を容易にかつ精度よく形成すること。
【解決手段】 軸部11の一端に該軸部11よりも小径のくびれ部14を介して球状頭部13が一体に形成されてなる球状頭部を有する軸状部品であって、パイプ材からなる素材Aを用いて、中空軸部11とその一端に一体に形成されてなる中空の球状頭部13を圧造加工により形成する一方、該球状頭部13と中空軸部11との境界部分に転造加工により中空のくびれ部14を凹設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状頭部を有する軸状部品及びその製造方法、詳しくは、自動車のボールジョイントに使用されるボールスタッドなどのように軸部の一端に該軸部よりも小径のくびれ部を介して球状頭部が一体に形成されてなる球状頭部を有する軸状部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボールジョイントに使用されるボールスタッドは、その球状頭部がソケット内に支持され、かつ軸部がソケットの開口部から外方に突出されて揺動自在となされている。また、上記ボールスタッドの軸部の揺動角度を大きく確保するため、通常、ボールスタッドの軸部と球状軸部との間には、軸部及び球状頭部よりも小径の首溝部(くびれ部)が形成されている。
【0003】
そして、このボールスタッドの製造方法としては、中実素材を圧造加工により軸部と球状頭部とを有するボールスタッド本体を形成し、その後に、該ボールスタッド本体の軸部と球状軸部との間に上記首溝部を切削加工により別途形成したり、或いは軸部と球状頭部のみならず上記首溝部についても圧造工程で形成するようにしたものが知られている。
【特許文献】 特公平6−38970号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したボールスタッドの製造方法で成形されたボールスタッドは、いずれの場合も中実素材を圧造加工してボールスタッド本体を形成することから、軸部、頭部及び首溝部のすべてが中実、或いは少なくとも軸部及び首溝部が中実となっており、そのためボールスタッドの重量が必然的に重くなる問題を有していた。その上、上記したボールスタッドの製造方法でボールスタッド本体の首溝部を形成する場合、首溝部を切削加工により別途形成するものでは、圧造成形機による一貫した製造が行えず、その生産性が悪い問題があり、また、圧造加工により形成するものでは、首溝部に隣り合う軸部又は球状頭部部分、或いは首溝部に変形が生じて寸法精度が悪くなるといった問題があった。つまり、軸部と球状軸部との間に後から絞り加工により首溝部を形成する場合には、首溝部を形成するために絞り込まれた余分な肉が軸部又は球状軸部に移動し、軸部又は球状軸部に変形が生じて寸法精度が悪くなるし、また、予め首溝部の最小径部に合わせた柱状部を膨出させて所定径の中実軸部を形成するときに中実の首溝部も同時に形成するような場合には、首溝部に変形が生じて寸法精度が悪くなる問題を有するものであった。
【0005】
そこで本発明の目的は、パイプ材から球状頭部を有する中空の軸状部品を製造して、軽量化を図りながら、球状頭部と中空軸部との境界部分にくびれ部を容易にかつ精度よく形成することができる球状頭部を有する軸状部品及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、軸部の一端に該軸部よりも小径のくびれ部を介して球状頭部が一体に形成されてなる球状頭部を有する軸状部品であって、パイプ材からなる素材を用いて、中空軸部とその一端に一体に連通形成されてなる中空の球状頭部を形成する一方、該球状頭部と中空軸部との境界部分に転造加工により中空のくびれ部を凹設したことを特徴とする。
【0007】
また、本願の請求項2に記載の発明は、軸部の一端に該軸部よりも小径のくびれ部を介して球状頭部が一体に形成されてなる球状頭部を有する軸状部品の製造方法として、まず、軸部と同程度の外径を有するパイプ材からなる素材を一方向からダイスに押し込んで、中空軸部とその先端部に一体に連続しかつ中空軸部と同程度の肉厚を有する小径軸部とを備えてなる一次中間素材を形成し、次いで、一次中間素材の中空軸部の基端側を球状凹所を有するパンチにより据え込み加工して、中空軸部の基端側に中空軸部に連通し、かつ中空軸部と同程度の肉厚を有する中空の球状頭部を備えてなる二次中間素材を形成し、さらに、二次中間素材の球状頭部と中空軸部との境界部分を転造加工してその境界部分に中空軸部と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部を凹設してなる最終成形品を形成したことを特徴とする。
【0008】
また、本願の請求項2に記載の発明は、軸部の一端に該軸部よりも小径のくびれ部を介して球状頭部が一体に形成されてなる球状頭部を有する軸状部品の製造方法として、まず、軸部と同程度の外径を有するパイプ材からなる素材を一方向からダイスに押し込んで、中空軸部とその先端部に一体に連続しかつ中空軸部と同程度の肉厚を有する小径軸部とを備えてなる一次中間素材を形成し、次いで、一次中間素材の中空軸部の基端側に成形ピンを押し込むと共に据え込み加工して、断面U字状に拡管形成され、かつ中空軸部と同程度の肉厚を有する頭部を備えた二次中間素材を形成し、その後、二次中間素材の頭部内に球体を挿入した状態で、頭部とこれに続く中空軸部との境界部分を転造加工して、中空軸部と同程度の肉厚で球体を抱持した球状頭部を備えると共に、境界部分に中空軸部と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部を凹設してなる最終成形品を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記した構成によれば、球状頭部を有する軸状部品の軸部と球状頭部とくびれ部を中空に形成して軽量化を図ることができ、しかも球状頭部と中空軸部との境界部分に転造加工によりくびれ部を凹設するようにしたから、球状頭部と中空軸部に変形を与えたりすることがなく、中空軸部と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部を容易にかつ精度よく形成することができる。したがって、くびれ部において強度低下を生じるといったことがない。
【0010】
また、上記請求項2にした製造方法によれば、パイプ材よりなる素材から中空軸部の一端に該軸部よりも小径の中空くびれ部を介して中空の球状頭部が一体に形成された中空軸状部品を製造できて、軽量化を図ることができ、しかも、球状頭部と中空軸部との境界部分に転造加工によりくびれ部を凹設するようにしたから、球状頭部と中空軸部に変形を与えたりすることなく中空軸部と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部を容易にかつ精度よく形成することができる。したがって、くびれ部において強度低下を生じるといったことがない。
【0011】
また、上記請求項3にした製造方法によれば、パイプ材よりなる素材から中空軸部の一端に該軸部よりも小径の中空くびれ部を介して中空の球状頭部が一体に形成された中空軸状部品を製造できて、軽量化を図ることができ、しかも、断面U字状に拡管形成された頭部内に球体を挿入した状態で該頭部とこれに続く中空軸部との境界部分を転造加工して、中空軸部と同程度の肉厚で球体を抱持した球状頭部を備えると共に、境界部分に中空軸部と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部を凹設してなる最終成形品を形成するようにしたから、くびれ部の形成時に球状頭部と中空軸部に変形を与えることなく中空軸部と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部を容易にかつ精度よく形成することができる。したがって、くびれ部において強度低下を生じるといったことがない。その上、球状頭部を転造加工により形成するとき、たとえばゴム等の球体を同時に球状頭部内に内装して、球状頭部の開口部の閉鎖を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明に係る球状頭部を有するボールスタッド1を示し、該ボールスタッド1は、パイプ材からなる素材を用いて、中空軸部11と、中空軸部11の先端側に一体に連続しかつ中空軸部11と同程度の肉厚を有する小径軸部12と、中空軸部11の基端側に一体に形成されてなる中空軸部11と同程度の肉厚を有する中空の球状頭部13とを圧造加工により形成する一方、該球状頭部13と中空軸部11との境界部分に転造加工により中空軸部11と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部14を凹設してなるものである。
【0013】
上記した構成によれば、球状頭部13を有するボールスタッド1の軸部11と球状頭部13とくびれ部14をすべて中空に形成して軽量化を図ることができ、しかも、球状頭部13と中空軸部11との境界部分に転造加工により中空軸部11と同程度の肉厚を有するくびれ部14を凹設するようにしたから、球状頭部13と中空軸部11に変形を与えることなく、中空のくびれ部14を容易にかつ精度よく形成することができる。つまり、転造加工によりくびれ部14を凹設する場合、転造加工で発生する余分な肉は中空内部に自由に移動することができるので軸部11又は球状軸部13に移動することがなく、これにより従来のように軸部又は球状軸部に変形が生じて寸法精度が悪くなるといったことがない。したがって、くびれ部14において強度が低下が生じるといったことがない。
【0014】
図2は上記したボールスタッド1を製造する場合の実施の形態を示す。
【0015】
図2〜6は、上記ボールスタッド1をパイプ材から多段式圧造成形機により製造する場合の成形工程における変化を示している。図2に示すように、パイプ材を素材として用いるに際し、外径が求める軸状部品1の中空軸部11の外径と同程度のパイプ材を素材Aとして用いる。
【0016】
そして、まず、第1工程において、上記素材Aを一方向からダイス(図示せず)に押し込んで絞り加工を行う。これにより、図3に示すように中空軸部B1とその先端部に一体に連続しかつ中空軸部B1と同程度の肉厚を有する小径軸部B2とを備えてなる第1素材(一次中間素材)Bが形成される。
【0017】
次いで、第2工程において、第1中間素材Bの中空軸部B1の基端側に成形ピン(図示せず)を押し込むと共に据え込み加工する。これにより図4に示すように、中空軸部C1の基端側が断面U字状に拡管形成されて、中空軸部C1と同程度の肉厚を有する頭部C3を備えた第2素材Cが形成される。
【0018】
その後、第3工程において、第2素材Cの中空軸部C1の基端側を球状凹所を有するパンチ(図示せず)により据え込み加工する。これにより図5に示すように、中空軸部D1の基端側に中空軸部D1に連通し、かつ中空軸部D1と同程度の肉厚を有する中空の球状頭部D3を備えてなる第3素材(二次中間素材)Dが形成される。
【0019】
さらに、第4工程において、第3素材Dの球状頭部D3と中空軸部D1との境界部分を転造加工する。これにより図6に示すように球状頭部13と中空軸部11との境界部分に中空軸部11と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部14を凹設してなる最終成形品としてのボールスタッド1が形成される。このとき、転造加工により中空の球状頭部13と中空軸部11との境界部分のみが内方に押し込まれて中空のくびれ部14が形成されることから、球状頭部13と中空軸部11に変形を与えることなく中空のくびれ部14を容易にかつ精度よく形成することができる。つまり、転造加工によりくびれ部14を凹設する場合、転造加工で発生する余分な肉は中空内部に自由に移動することができるので軸部11又は球状軸部13に移動することがなく、また肉厚も均一状に保つことが可能となる。これにより従来のように軸部又は球状軸部に変形が生じて全体としての寸法精度が悪くなるといったことがない。なお、切削によりくびれ部を形成しようとした場合、くびれ部の肉厚が他の部分の肉厚よりも薄くなるので強度が低下する不具合が生じるので採用できない。
【0020】
以上のように、本発明の製造方法により球状頭部13を有するボールスタッド1を製造する場合には、パイプ材よりなる切断素材Aから中空軸部11の一端に該軸部11よりも小径の中空くびれ部14を介して中空の球状頭部13が一体に形成された中空のボールスタッド1を製造することができて、軽量化を図ることができる。しかも、球状頭部13と中空軸部11との境界部分に転造加工によりくびれ部14を凹設するようにしたから、球状頭部13と中空軸部11に変形を与えることなく、中空軸部11と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部14を容易にかつ精度よく形成することができる。したがって、くびれ部において強度低下を生じるといったことがない。
【0021】
なお、球状頭部13を圧造加工により形成した場合、素材の材質や球状頭部13の径或いは肉厚の幅などに応じて球状頭部13の頂部に開口孔aが残ることもあるが、閉鎖栓や蓋を嵌合するなど必要に応じて開口孔aを閉鎖すればよい。
【0022】
図7は、球状頭部D3の開口孔aを閉鎖する具体的な手段として、先に説明した実施の形態の第4工程において第3素材Dの球状頭部D3と中空軸部D1との境界部分を転造加工してくびれ部14を凹設する際、皿ボルト2を球状頭部D3の開口部aから中空軸部D1内に挿入して、その状態でくびれ部14の凹設と同時にくびれ部14で皿ボルト2の先端21部をカシメ止めし、最終的に球状頭部13の開口部aを閉鎖するようにしたものである。なお、この場合、第3工程において第3素材Dの球状頭部D3における開口孔aの口径が先の実施の形態のものに比べてやや大きく残るように形成する一方、第4工程においてくびれ部14を凹設する場合にやや広幅のくびれ部14を形成して、皿ボルト2の頭部22による閉鎖性とくびれ部14によるカシメ効果を高めるようになされている。
【0023】
図8は、球状頭部D3の開口部aを閉鎖する別の手段として、先に説明した実施の形態の第4工程において第3素材Dの球状頭部D3と中空軸部D1との境界部分を転造加工してくびれ部14を凹設する際、閉鎖ピン3を球状頭部D3の開口部aから中空軸部D1内に挿入してその挿入状態を維持したままくびれ部14の凹設と同時にくびれ部14で閉鎖ピン3の先端部31をカシメ止めして、球状頭部D3の開口部aを閉鎖するようにしたものである。なお、この場合にも、第3工程において、第3素材Dの球状頭部D3における開口孔aの口径が先の実施の形態のものに比べてやや大きく残るように形成する一方、第4工程においてくびれ部14を凹設する場合にやや広幅のくびれ部14を形成して、閉鎖ピン3による挿入性とくびれ部14によるカシメ効果を高めるようになされている。
【0024】
なお、上記した図7及び図8の実施の形態のものでは、第4工程において皿ボルト2又は閉鎖ピン3を球状頭部D3の開口部aから中空軸部D1内に予め挿入しておいて転造加工することによりくびれ部14の凹設と同時にくびれ部14で皿ボルト2又は閉鎖ピン3をカシメ止めするようにしたけれども、この他、たとえば、第4工程において皿ボルト2又は閉鎖ピン3を第3素材にD3に挿入しないで、上記した図7又は図8の実施の形態で示すような球状頭部13とくびれ部14とを転造加工又は圧造加工により形成し、その後に、後工程として先端部にローレット或いはセレーション等を形成したピン、又は皿ボルトの先端ねじ部に代えてローレット或いはセレーション等を形成したボルト状部材を上記球状頭部13の開口部aから中空軸部11内に嵌入固定して開口部を閉鎖するようにしてもよい。
【0025】
さらに、図9及び図10は、ボールスタッドを製造する場合の別の実施の形態を示す。
【0026】
この場合も、第2工程までは先に説明した実施の形態の場合と全く同様で、パイプ材を素材を用いて、同様の製造工程で第2素材Cが形成される。
【0027】
そして、第3工程において、図9に示すように第2素材Cの頭部C3内にゴム製の球体4を挿入し、その状態を維持したまま頭部C3とこれに続く中空軸部C1との境界部分を転造加工して、図10に示すように中空軸部11′と同程度の肉厚で球体4を抱持した球状頭部13′を備えると共に、球状頭部13′と中空軸部11′との境界部分に中空軸部11′と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部14′を凹設してなる最終成形品としてのボールスタッド1′が形成される。このとき、転造加工により頭部C3とこれに続く中空軸部C1との境界部分C4とが内方に押し込まれて球体4を抱持した球状頭部13′と中空のくびれ部14′とが形成されることから、球状頭部13′と中空軸部11′に変形を与えることなく中空のくびれ部14′が精度よく形成される。なお、球体4としては、ゴムに限定されるものではなく、たとえば鉄、アルミ、樹脂等の球体であってもよいことは勿論である。
【0028】
以上の製造方法により球状頭部13′を有するボールスタッド1′を製造する場合にも、パイプ材よりなる切断素材Aから中空軸部11′の一端に該軸部11′よりも小径の中空くびれ部14′を介して中空の球状頭部13′が一体に形成された中空のボールスタッド1′を製造することができて、軽量化を図ることができる。しかも、断面U字状に拡管形成された頭部C3内に球体4を挿入した状態で該頭部C3とこれに続く中空軸部C1との境界部分C4を転造加工して、中空軸部C1と同程度の肉厚で球体4を抱持した球状頭部13′を備えると共に、境界部分に中空軸部11′と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部14′を凹設してなる最終成形品を形成するようにしたから、くびれ部14′の形成時に球状頭部13′と中空軸部11′に変形を与えることなく、中空軸部11′と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部14′を容易にかつ精度よく形成することができる。したがって、くびれ部14′において強度低下を生じるといったことがない。その上、球状頭部13′を転造加工により形成するとき、ゴム等の球体4を同時に頭部内に内装することにより、球状頭部13′の開口部aの閉鎖を図ることができる。
【0029】
なお、上記した実施の形態において、小径軸部は特に形成しなくてもよい。小径軸部を形成する場合、たとえば小径軸部に歯部を形成したり、さらにはその小径軸部の先端部により小径の中空軸部を形成するようにしてもよい。
【0030】
また、上記した実施の形態では、ボールスタッドについて説明したけれども、何らボールスタッドに限定されるものではなく、たとえば球状頭部を有するねじ部品や球状頭部を有する歯付シャフトなどの部品及びその製造方法にも広く適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】 本発明に係るボールスタッドの一部切り欠き正面図である。
【図2】 本発明に係る製造方法で製造する軸状部品の製造課程におけるパイプ素材の縦断面図である。
【図3】 同第1工程で形成された第1素材の縦断面図である。
【図4】 同第2工程で形成された第2素材の縦断面図である。
【図5】 同第3工程で形成された第3素材の縦断面図である。
【図6】 同第4工程で形成された最終成形品の縦断面図である。
【図7】 別の実施の形態の第4工程で形成された最終成形品の縦断面図である。
【図8】 また別の実施の形態の第4工程で形成された最終成形品の縦断面図である。
【図9】 さらに別の製造方法における第3工程の準備状態を示す第2素材のの縦断面図である。
【図10】 同第3工程で形成された最終軸状部品の縦断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ボールスタッド(軸状部品)
1′ ボールスタッド(軸状部品)
11 中空軸部
11′ 中空軸部
12 小径軸部
12′ 小径軸部
13 球状頭部
13′ 球状頭部
14 くびれ部
14′ くびれ部
A 素材
B 第1素材(一次中間素材)
B1 中空軸部
B2 小径軸部
B3 球状頭部
B4 くびれ部
C 第2素材
C1 中空軸部
C2 小径軸部
C3 球状頭部
C4 くびれ部
D 第3素材(二次中間素材)
D1 中空軸部
D2 小径軸部
D3 球状頭部
D4 くびれ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部の一端に該軸部よりも小径のくびれ部を介して球状頭部が一体に形成されてなる球状頭部を有する軸状部品であって、パイプ材からなる素材を用いて、中空軸部とその一端に一体に連通形成されてなる中空の球状頭部を形成する一方、該球状頭部と中空軸部との境界部分に転造加工により中空のくびれ部を凹設したことを特徴とする球状頭部を有する軸状部品。
【請求項2】
軸部の一端に該軸部よりも小径のくびれ部を介して球状頭部が一体に形成されてなる球状頭部を有する軸状部品の製造方法であって、まず、軸部と同程度の外径を有するパイプ材からなる素材を一方向からダイスに押し込んで、中空軸部とその先端部に一体に連続しかつ中空軸部と同程度の肉厚を有する小径軸部とを備えてなる一次中間素材を形成し、次いで、一次中間素材の中空軸部の基端側を球状凹所を有するパンチにより据え込み加工して、中空軸部の基端側に中空軸部に連通し、かつ中空軸部と同程度の肉厚を有する中空の球状頭部を備えてなる二次中間素材を形成し、さらに、二次中間素材の球状頭部と中空軸部との境界部分を転造加工してその境界部分に中空軸部と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部を凹設してなる最終成形品を形成したことを特徴とする球状頭部を有する軸状部品の製造方法。
【請求項3】
軸部の一端に該軸部よりも小径のくびれ部を介して球状頭部が一体に形成されてなる球状頭部を有する軸状部品の製造方法であって、まず、軸部と同程度の外径を有するパイプ材からなる素材を一方向からダイスに押し込んで、中空軸部とその先端部に一体に連続しかつ中空軸部と同程度の肉厚を有する小径軸部とを備えてなる一次中間素材を形成し、次いで、一次中間素材の中空軸部の基端側に成形ピンを押し込むと共に据え込み加工して、断面U字状に拡管形成され、かつ中空軸部と同程度の肉厚を有する頭部を備えた二次中間素材を形成し、その後、二次中間素材の頭部部内に球体を挿入した状態で、頭部とこれに続く中空軸部との境界部分を転造加工して、中空軸部と同程度の肉厚で球体を抱持した球状頭部を備えると共に、境界部分に中空軸部と同程度の肉厚を有する中空のくびれ部を凹設してなる最終成形品を形成したことを特徴とする球状頭部を有する軸状部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−26733(P2006−26733A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236883(P2004−236883)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(597102266)株式会社ミナミダ (4)