説明

理美容装置

【課題】本発明はヘア処理やフェイシャル処理が的確に行なわれていることや、終了時間が近づいていることを施術者が確認することができ、且つヘア処理やフェイシャル処理中、客が退屈することなく施術を受けることができる理美容装置を目的とするものである。
【解決手段】ドライミストの温度調整機構を有するドライミスト噴霧装置15や温度調整機構を有する加温装置17や送風装置16を設けた理美容ヘッド2を備えた理美容装置1であって、前記理美容ヘッド2に温度調整機構による温度設定あるいは、各種施術や施術状況に応じて発光色を変化させたり、点滅させたりする多色発光ダイオード20を取り付け、発光色により装置の処理終了時間を事前に知ったり、ドライミスト温度や加温装置の温度を発光色により区別したり、客は多色発光ダイオードの光を受けて独特の雰囲気を味わうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ドライミストによる頭皮ケアや温風や冷風による各種ヘア処理、あるいはドライミストを噴霧しながら顔のマッサージを行なうフェイシャル処理等を行なう理美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、理美容装置を用いて行なうヘア処理やフェイシャル処理は、行なわれる施術や施術に必要とされる温度に応じてタイマーを適宜セットして終了時間を設定していた。これらの処理はアシスタントスタッフが担当施術者の指示により行なわれるが、担当施術者は他の客の施術を行なっているため、実際に指示通りに正しい処理が行なわれているか確認することができないという問題があるうえに、タイマーセットされた時間の終了が近づいていることを知ることができないので、施術中の客の処理完了とタイミングを合わせることが難しく、客の待ち時間が長くなるという問題がある。また、理容装置によるヘア処理中は雑誌等を読ませて客を退屈させないようにしているが、美容装置によるフェイシャル処理の場合は、本を読むことができないので、客は長い時間何もしないで過ごさねばならず退屈するという問題がある。
【0003】
なお、ヘアセット装置において、毛髪に特定波長の光を照射して毛髪の水分を光エネルギーを利用して蒸発させたり、毛髪におけるシスチン結合を光により切断したりするものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−33248号公報
【特許文献1】特開平10−262725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は装置によるヘア処理やフェイシャル処理が正しい設定で行なわれていることや、装置の作動停止時間が近づいていることを施術者が確認することができる理美容装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ドライミストの温度調整機構を有するドライミスト噴霧装置や温度調整機構を有する加温装置や送風装置を設けた理美容ヘッドを備えた理美容装置であって、前記理美容ヘッドに温度調整機構による温度設定あるいは、各種施術や施術状況に応じて発光色を変化させたり、点滅させたりする多色発光ダイオードを取り付けたことを特徴とするものである。
【0007】
なお、多色発光ダイオードがドライミスト噴霧口の周囲に複数配設されるものとしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、ドライミストの温度調整機構を有するドライミスト噴霧装置や温度調整機構を有する加温装置や送風装置を設けた理美容ヘッドを備えた理美容装置であって、前記理美容ヘッドに温度調整機構による温度設定あるいは、各種施術や施術状況に応じて発光色を変化させたり、点滅させたりする多色発光ダイオードを取り付けたことにより、施術者は多色発光ダイオードの色によりドライミスト噴霧装置や加温装置、送風装置の作動時間帯を発光色で色分けすることにより、装置の作動停止時間を予報できるので、停止タイミングに合わせて施術中の客の施術速度を速めたり遅らせたりして、装置による処置が完了した客を待たせることなく施術者により次の施術を施すことができる。また、ドライミスト噴霧装置のドライミスト温度や加温装置の温度を多色発光ダイオードの発光色により区別することにより、離れた所からでも温度設定を知ることができるので、例え、アシスタントスタッフが間違って温度設定を行なっても、直ちに修正することができる。さらに、装置によるヘア処理やフェイシャル処理中、客は点滅したり発光色を変化させたりする多色発光ダイオードにより施術中の時間を退屈することなく楽しく過ごすことができる。
【0009】
また、請求項2のように、多色発光ダイオードがドライミスト噴霧口の周囲に複数配設されることにより、発光色は雲状に広がるドライミストの無数の粒子に照射されて、雲状のドライミスト全体を光輝かせるので、客は光に包まれた雰囲気で施術を受けるので退屈することがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明装置の好ましい実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明装置に組み込まれるドライミスト発生装置の概略図である。
【図3】本発明装置の理美容ヘッドの拡大正面図である。
【図4】同じく理美容ヘッドの第2の実施例を示す拡大正面図である。
【図5】同じく理美容ヘッドの第3の実施例を示す拡大正面図である。
【図6】同じく理美容ヘッドの第4の実施例を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明装置の好ましい実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
1は理美容ヘッド2を多数取り付けた理美容装置であり、該理美容装置1の本体3にはドライミスト発生装置4が内蔵されている。また、理美容ヘッド2は本体3の前面に固定される後頭部処理用ヘッド5,5と、本体3の上部にアーム6を介して可動自在に取り付けられる頭頂部処理用ヘッド7,7と、本体3の両側面にアーム8を介して可動自在に取り付けられる頭側部処理用ヘッド9,9とからなる。
【0012】
10は本体3に取り付けられる脚であり、該脚10にはキャスタ11が取り付けられて理美容装置1を移動自在なものとしている。
【0013】
前記後頭部処理用ヘッド5,5と頭側部処理用ヘッド9,9にはドライミストの温度調整機構により温度調整自在なドライミスト噴霧装置15と、送風装置16と、温度調整機構により温度調整自在な加温装置17とが設けられ、頭頂部処理用ヘッド7,7には送風装置16と加温装置17とが設けられドライミスト噴霧装置15は設けられていない。これは頭頂部処理用ヘッド7,7を下向きに配置すると水滴の滴下が確実に防止できないためである。ドライミスト噴霧装置15は前記したドライミスト発生装置4に接続されている。
【0014】
なお、送風装置16は単独で作動させれば理美容ヘッド2は冷風を送風し、加温装置17と送風装置16を協働させることにより、理美容ヘッド2は低温から高温までの温風を適宜送風できる。加温装置17は遠赤外線ヒータよりなり、消費電力を可変として温度調整機構としている。
【0015】
また、前記ドライミスト噴霧装置15の噴霧口周囲には複数の多色発光ダイオード20が等間隔に配設されている。該多色発光ダイオード20は赤色、緑色、黄色の三原色の発光が可能な3つの発光チップより構成されるものであり、各発光チップは切替回路により給電が制御され、赤色、緑色、黄色の三原色による加色混合により発光色を自由に変化させたり、電流値を変化させたりパルス幅変調により光度を変化させたり、発光色を点滅させたりすることができる。また、ドライミスト噴霧装置15の噴霧口周囲に多色発光ダイオード20を配置させたのは、ドライミスト噴霧時、多色発光ダイオード20を点灯すると、雲状に噴霧されたドライミストの粒子に光が照射され、噴霧された雲状のドライミスト全体が色付き、客は光の中にいるような楽しい気分にさせるので施術中、客を退屈させることがない。
【0016】
また、各多色発光ダイオード20の発光色をドライミスト噴霧装置15と送風装置16、加温装置17毎に変えれば、どのような処置が理美容装置に行なわれているか施術者は知ることができる。また、温度調整機構によるドライミストの40℃から60℃までの設定や、加温装置17のワット数の設定に応じて異なる発光色や発光色毎の明度を変えることにより、アシスタントスタッフが施術者の指示通りの温度設定に基づいて処置を行なっているかを他の客の施術を行なっている施術者は確認することができるので施術の失敗を未然に防ぐことができる。さらに、ドライミスト噴霧装置15、送風装置16、加温装置17のタイマー設定時間を例えば初期から終期までを5段階とし、該5段階を発光色により色分けすることにより、施術者は装置の停止時間を逐一知ることができる、この予報に基づき処置中の客の施術速度を適宜変えることにより、装置の停止タイミングと施術完了タイミングを合わせることができるので、複数の担当する客を待たせることなく逐次施術を施すことができる。なお、装置のタイマー終期に近付くほど速く発光色が点滅するようにしてもよく、このようにすればより正確に停止時を報知することができる。
【0017】
なお、図3に示されるように、多色発光ダイオード20は4個としたり、図4に示されるように、6個としたり、図5に示されるように8個としてもよく、また、図6に示されるような、2個連のものでもよく、個数や形態は限定されない。また、配置位置も円形配置に限らず角形配置など自由に配置できることはいうまでもない。
【0018】
また、本体3内には図2に示されるようなドライミスト発生装置4が内蔵され、該ドライミスト発生装置4は前記後頭部処理用ヘッド5,5と頭側部処理用ヘッド9,9のドライミスト噴霧装置15とをフレキシブルチューブ16を介して接続してドライミストを供給できるようになっている。また、ドライミスト噴霧装置15のノズルは図6に示されるように上下枢動自在として客の所定部位にドライミストを集中的に噴霧できるようになっている。
【0019】
前記ドライミスト発生装置4は図2に示されるように、蒸気発生機構30とミスト発生機構31と混合器32とからなり、ミストと蒸気とを混合することにより髪や頭部、服等が濡れることのない微粒子よりなるドライミストを生成している。また、蒸気発生機構30は水蒸発用のヒータ30aを水タンク30b内に配設したものである。さらに、ミスト発生機構31はミスト発生用の超音波振動子31aを水タンク31b底部に配設したものである。また、混合器32は蒸気発生機構30から発生した蒸気とミスト発生機構31から発生したミストとを混合して微粒子よりなるドライミストを生成させるものである。また、40°から60°の温度調整は混合器32により蒸気とドライミストとの混合比率を変えることにより行なう。
【0020】
33は消費した減少水をミスト発生機構31の水タンク31bに補給する補給水タンク、34は発生したミストを送出する送風ファン、35は混合器32で生じた凝縮水を水タンク30b、31bに戻す戻し管である。
【0021】
このように構成されたものは、理美容装置1の送風装置16や加温装置17、ドライミスト噴霧装置15を用いて、冷風、低温風、高温風、40°から60°のドライミスト等を用いてパーマや髪染め、頭皮ケア、ヘアブロー等のヘア処理や、顔のマッサージを行なうフェイシャル処理等を行なうものであるが、各多色発光ダイオード20の発光色をドライミスト噴霧装置15と送風装置16、加温装置17毎に変えることにより、理美容装置に行なわれている処置を施術者は離れた位置からでも知ることができる。
【0022】
また、ドライミストの40°から60°まで設定や、加温装置17のワット数の設定に応じて異なる発光色を多色発光ダイオード20に発光させることにより、アシスタントスタッフが施術者の指示通りの温度設定に基づいて処置を行なっているかを他の客の施術を行なっている施術者は確認することができる。
【0023】
さらに、ドライミスト噴霧装置15、送風装置16、加温装置17のタイマー設定時間を例えば5段階に分け、5段階毎に異なる発光色に色分けすることにより、施術者に装置の停止する時間までを逐次報知できるので、複数の客を待たせることなく順次円滑に施術を施すことができるうえに、多色発光ダイオード20の発光色は雲状に噴霧されるドライミストに照射されることにより、朝焼けや夕焼け雲のごとき趣となるので、客は退屈することなく施術を受けることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 理美容装置
2 理美容ヘッド
3 本体
4 ドライミスト発生装置
5 後頭部処理用ヘッド
6 アーム
7 頭頂部処理用ヘッド
8 アーム
9 頭側部処理用ヘッド
10 脚
11 キャスタ
15 ドライミスト噴霧装置
16 送風装置
17 加温装置
20 多色発光ダイオード
30 蒸気発生機構
30a ヒータ
30b 水タンク
31 ミスト発生機構
31a 超音波振動子
31b 水タンク
32 混合器
33 補給水タンク
34 送風ファン
35 戻し管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライミストの温度調整機構を有するドライミスト噴霧装置や温度調整機構を有する加温装置や送風装置を設けた理美容ヘッドを備えた理美容装置であって、前記理美容ヘッドに温度調整機構による温度設定あるいは、各種施術や施術状況に応じて発光色を変化させたり、点滅させたりする多色発光ダイオードを取り付けたことを特徴とする理美容装置。
【請求項2】
多色発光ダイオードがドライミスト噴霧口の周囲に複数配設されることを特徴とする請求項1に記載の理美容装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate