説明

環境ストレス応答性プロモーター及びこれを用いた組織特異的遺伝子発現方法

【課題】環境ストレス応答性といった特徴及び所定の組織において特異的に機能し、所定の組織において特異的に遺伝子発現を誘導することが可能な環境ストレス応答性プロモーターを提供する。
【解決手段】以下の(a)、(b)又は(c)のDNAを含む環境ストレス応答性プロモーターの下流に任意の遺伝子を有する植物を準備する工程と、(a) 特定の塩基配列からなるDNA、(b) 特定の塩基配列において1若しくは複数の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNA、(c) 特定の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNA。上記植物を環境ストレス条件下で栽培する工程とを含み、上記環境ストレス応答性プロモーターの下流に位置する遺伝子を組織特異的に発現誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境ストレス応答性プロモーター及びこれを用いた組織特異的遺伝子発現方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物の生育は、乾燥、高塩濃度及び低温等の環境ストレスの影響を顕著に受ける。これらのストレスのうち乾燥又は水分欠乏が、植物の生育及び作物の生産にとって最も厳しい制限因子となる。乾燥ストレスは、植物に様々な生化学的及び生理学的な応答を引き起こす。
【0003】
植物体がこれら環境ストレスに曝された時に発現誘導するプロモーターを、全長cDNAマイクロアレイを用いて同定することが非特許文献1〜2に開示されている。また、特許文献1〜4にも各種環境ストレス応答性プロモーターや病害ストレス応答性プロモーターが開示されている。
【0004】
しかしながら、これら環境ストレス応答性プロモーターが如何なる組織において機能しうるかといった知見は得られておらず、また、環境ストレス応答性を有すると共に組織特異的に発現誘導するといったプロモーターは報告されていない。
【0005】
【非特許文献1】Seki M, Narusaka M, Ishida J, Nanjo T, Fujita M, Oono Y, Kamiya A, Nakajima M, Enju A, Sakurai T, Satou M, Akiyama K, Taji T, Yamaguchi-Shinozaki K, Carninci P, Kawai J, Hayashizaki Y, Shinozaki K (2002) Monitoring the expression profiles of 7000 Arabidopsis genes under drought, cold, and high-salinity stresses using a full-length cDNA microarray. Plant J 31: 279-292.
【非特許文献2】Seki M, Narusaka M, Abe H, Kasuga M, Yamaguchi-Shinozaki K, Carninci P, Hayashizaki Y, Shinozaki K (2001) Monitoring the expression pattern of 1300 Arabidopsis genes under drought and cold stresses using a full-length cDNA microarray. Plant Cell 13: 61-72.
【特許文献1】特願2004-161313号
【特許文献2】特願2001-309984号
【特許文献3】US10/495918
【特許文献4】特願2002-095389号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、環境ストレス応答性といった特徴及び所定の組織において特異的に機能する新規なプロモーターを提供するとともに、このプロモーターを用いて所定の組織において特異的に遺伝子発現を誘導する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成した本発明は以下を包含する。
(1)以下の(a)、(b)又は(c)のDNAを含む、環境ストレス応答性プロモーター。
【0008】
(a) 配列番号1、4〜8から選ばれるいずれかの塩基配列からなるDNA
(b) 配列番号1、4〜8から選ばれるいずれかの塩基配列において1若しくは複数の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNA
(c) 配列番号1、4〜8から選ばれるいずれかの塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNA
(2) 環境ストレスが低温ストレス、乾燥ストレス及び塩ストレスからなる群から選択される少なくとも1つである(1)記載のプロモーター。
(3) 茎葉組織及び/又は根組織において機能することを特徴とする(1)記載のプロモーター。
(4) (1)記載のプロモーターを含む発現ベクター。
【0009】
(5) (4)記載の発現ベクターに、さらに任意の遺伝子が組み込まれた発現ベクター。
(6) (4)又は(5)記載の発現ベクターを含む形質転換体。
(7) (4)又は(5)記載の発現ベクターを含むトランスジェニック植物。
(8) 植物が、植物体、植物器官、植物組織又は植物培養細胞である(7)記載のトランスジェニック植物。
(9) (7)又は(8)記載のトランスジェニック植物を培養又は栽培することを特徴とするストレス耐性植物の製造方法。
【0010】
(10) 以下の(a)、(b)又は(c)のDNAを含む環境ストレス応答性プロモーターの下流に任意の遺伝子を有する植物を準備する工程と、
(a) 配列番号1〜8から選ばれるいずれかの塩基配列からなるDNA
(b) 配列番号1〜8から選ばれるいずれかの塩基配列において1若しくは複数の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNA
(c) 配列番号1〜8から選ばれるいずれかの塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNA
上記植物を環境ストレス条件下で栽培する工程とを含み、
上記環境ストレス応答性プロモーターの下流に位置する遺伝子を組織特異的に発現誘導することを特徴とする組織特異的遺伝子発現方法。
(11) 環境ストレスが低温ストレス、乾燥ストレス及び塩ストレスからなる群から選択される少なくとも1つである(10)記載の組織特異的遺伝子発現方法。
(12) 上記遺伝子を茎葉組織及び/又は根組織において特異的に発現誘導する(10)記載の組織特異的遺伝子発現方法。
(13) 上記環境ストレス応答性プロモーターの下流に上記遺伝子を配置した発現カセットを上記植物に導入する工程を更に含む(10)記載の組織特異的遺伝子発現方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各種の環境ストレス応答性といった特徴を有するとともに、所定の組織特異的な遺伝子発現を誘導することができる新規なプロモーターを提供することができる。本発明に係るプロモーターを使用することによって、茎葉組織や根組織といった組織に特異的に所望の遺伝子を発現させることができる。したがって、本発明は、例えば環境ストレスに対してより強い耐性を示す作物といった所望の特性を有する分子育種への利用が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0013】
1.環境ストレス応答性プロモーター
本発明に係る環境ストレス応答性プロモーターは、環境ストレスが負荷されたときに下流に位置する遺伝子を転写させる機能を有している。ここで、「環境ストレス応答性プロモーターとして機能する」とは、所定の環境ストレス条件下にプロモーターをさらしたときに、RNAポリメラーゼがプロモーターに結合し、転写開始させる機能をいう。
【0014】
「環境ストレス」とは、一般には非生物的ストレスを意味し、例えば乾燥ストレス、低温ストレス、高塩濃度ストレス等をいう。「乾燥」とは水分が欠乏した状態を意味し、「低温」とはそれぞれの生物種の生活至適温度よりも低い温度にさらされた状態(例えばシロイヌナズナの場合-20〜+21℃の温度を継続的に1時間〜数週間さらすことをいう。また、「高塩濃度」とは、50mM〜600mMの濃度のNaClを継続的に0.5時間〜数週間処理したときの状態を意味する。これらの環境ストレスは、1種類のものを負荷してもよく、複数種類のものを負荷してもよい。
【0015】
特に、本発明に係る環境ストレス応答性プロモーターは、Seki et al. (2002) Plant Journal 31: 279-292において同定された乾燥・低温・塩ストレス誘導性遺伝子から選ばれた8個の遺伝子から単離されたものである。具体的には、表1に示す8個の遺伝子を選抜した
【0016】
【表1】

【0017】
本発明に係る環境ストレス応答性プロモーターは、上述した8個の遺伝子の上流に存在するシスエレメントであり、転写因子と結合して、その下流の遺伝子の転写を活性化する機能を有するものである。プロモーター領域の決定は、上述した遺伝子の塩基配列を解析し、データベース(GenBank/EMBL, ABRC)のゲノム情報をもとに、遺伝子解析用プログラムを用いて行われる。具体的には、本発明に係る環境ストレス応答性プロモーターの一例として決定した塩基配列を配列番号1〜8に示す。また、表2には、当該プロモーターの単離したクローン名と、応答性を示す環境ストレスの種類と、配列番号とを対応づけて記載する。
【0018】
【表2】

【0019】
但し、本発明のプロモーターが環境ストレス応答性プロモーターとして機能する限り、配列番号1〜8から選ばれるいずれかの塩基配列において1又は複数個、好ましくは1又は数個(例えば1〜10個、1〜5個)の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列を有するものでもよい。さらに、配列番号1〜8から選ばれるいずれかの塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNAも、本発明のプロモーターに含まれる。ここで、ストリンジェントな条件とは、ナトリウム濃度が25〜500mM、好ましくは25〜300mMであり、温度が42〜68℃、好ましくは42〜65℃である。より具体的には、5×SSC(83mM NaCl、83mMクエン酸ナトリウム)、温度42℃である。
【0020】
なお、プロモーター配列に変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant-K(TAKARA社製)やMutant-G(TAKARA社製))などを用いて、あるいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを用いて変異の導入が行われる。
【0021】
本発明の植物プロモーターは、配列番号1〜8のいずれかの塩基配列において、これらの3'末端に翻訳効率を上げる塩基配列などを付加したものや、プロモーター活性を失うことなく、その5'末端を欠失したものを含む。
【0022】
一旦本発明のプロモーターの塩基配列が確定されると、その後は化学合成によって、又はクローニングされたプローブを鋳型としたPCRによって、あるいは該塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさせることによって、本発明のプロモーターを得ることができる。さらに、部位特異的突然変異誘発法等によって本発明のプロモーターの変異型であって変異前のプロモーターと同等の機能を有するものを合成することもできる。
【0023】
2.発現ベクターの構築
本発明の発現ベクターは、適当なベクターに本発明のプロモーターを連結(挿入)することにより得ることができる。本発明のプロモーターを挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えばプラスミド、シャトルベクター、ヘルパープラスミドなどが挙げられる。
【0024】
プラスミド DNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pUC18、pUC19、pBluescript等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110、pTP5等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13、YCp50等)などが挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAP等)が挙げられる。さらに、レトロウイルス又はワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベクターを用いることもできる。
【0025】
ベクターに本発明のプロモーターを挿入するには、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、適当なベクター DNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する方法などが採用される。
【0026】
本発明においては、任意遺伝子を発現させるため、上記発現ベクターに、さらに当該任意遺伝子を挿入することができる。任意の遺伝子を挿入する手法は、ベクターにプロモーターを挿入する方法と同様である。任意の遺伝子は特に限定されるものではなく、例えば、植物に対して環境ストレス耐性を付与できるタンパク質をコードする遺伝子を挙げられる。
【0027】
本発明のプロモーターは、その3'末端にレポーター遺伝子、例えば、植物で広く用いられているGUS遺伝子を連結して用いれば、GUS活性を調べることでプロモーターの強さを容易に評価することができる。なお、レポーター遺伝子としては、GUS遺伝子以外にも、ルシフェラーゼ、グリーンフルオレセイントプロテインなども用いることができる。
【0028】
このように、本発明においては、様々なベクターを用いることができる。さらに、本発明のプロモーターに目的の任意遺伝子をセンス又はアンチセンス方向で接続したものを作製し、これをバイナリーベクターと呼ばれるpBI101(Clonetech社)などのベクターに挿入することができる。
【0029】
3.形質転換体の作製
本発明の形質転換体は、本発明の発現ベクターを宿主中に導入することにより得ることができる。ここで、宿主としては、プロモーター又は目的遺伝子、環境ストレス応答性転写因子を発現できるものであれば特に限定されるものではないが、植物が好ましい。宿主が植物である場合は、形質転換植物(トランスジェニック植物)は以下のようにして得ることができる。
【0030】
本発明において形質転換の対象となる植物は、植物体全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、種子等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、維管束等)又は植物培養細胞のいずれをも意味するものである。形質転換に用いられる植物としては、アブラナ科、イネ科、ナス科、マメ科等に属する植物(下記参照)が挙げられるが、これらの植物に限定されるものではない。
【0031】
アブラナ科:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)
ナス科:タバコ(Nicotiana tabacum)
イネ科:トウモロコシ(Zea mays) 、イネ(Oryza sativa)
マメ科:ダイズ(Glycine max)
【0032】
上記組換えベクターは、通常の形質転換方法、例えば電気穿孔法(エレクトロポレーション法)、アグロバクテリウム法、パーティクルガン法、PEG法等によって植物中に導入することができる。
【0033】
例えばエレクトロポレーション法を用いる場合は、パルスコントローラーを備えたエレクトロポレーション装置により、電圧500〜1600V、25〜1000μF、20〜30msecの条件で処理し、遺伝子を宿主に導入する。
【0034】
また、パーティクルガン法を用いる場合は、植物体、植物器官、植物組織自体をそのまま使用してもよく、切片を調製した後に使用してもよく、プロトプラストを調製して使用してもよい。このように調製した試料を遺伝子導入装置(例えばBio-Rad社のPDS-1000/He等)を用いて処理することができる。処理条件は植物又は試料により異なるが、通常は1000〜1800psi程度の圧力、5〜6cm程度の距離で行う。
【0035】
また、植物ウイルスをベクターとして利用することによって、目的遺伝子を植物体に導入することができる。利用可能な植物ウイルスとしては、例えば、カリフラワーモザイクウイルスが挙げられる。すなわち、まず、ウイルスゲノムを大腸菌由来のベクターなどに挿入して組換え体を調製した後、ウイルスのゲノム中に、これらの目的遺伝子を挿入する。このようにして修飾されたウイルスゲノムを制限酵素によって組換え体から切り出し、植物宿主に接種することによって、目的遺伝子を植物宿主に導入することができる。
【0036】
アグロバクテリウムのTiプラスミドを利用する方法においては、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属に属する細菌が植物に感染すると、それが有するプラスミドDNAの一部を植物ゲノム中に移行させるという性質を利用して、目的遺伝子を植物宿主に導入する。アグロバクテリウム属に属する細菌のうちアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)は、植物に感染してクラウンゴールと呼ばれる腫瘍を形成し、また、アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacteriumu rhizogenes)は、植物に感染して毛状根を発生させる。これらは、感染の際にTiプラスミド又はRiプラスミドと呼ばれる各々の細菌中に存在するプラスミド上のT-DNA領域(Transferred DNA)と呼ばれる領域が植物中に移行し、植物のゲノム中に組み込まれることに起因するものである。
【0037】
Ti又はRiプラスミド上のT-DNA領域中に、植物ゲノム中に組み込みたいDNAを挿入しておけば、アグロバクテリウム属の細菌が植物宿主に感染する際に目的とするDNAを植物ゲノム中に組込むことができる。
【0038】
形質転換の結果得られる腫瘍組織やシュート、毛状根などは、そのまま細胞培養、組織培養又は器官培養に用いることが可能であり、また従来知られている植物組織培養法を用い、適当な濃度の植物ホルモン(オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、アブシジン酸、エチレン、ブラシノライド等)の投与などにより植物体に再生させることができる。
【0039】
本発明のベクターは、上記植物宿主に導入するのみならず、大腸菌(Escherichia coli)等のエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属、又はシュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属に属する細菌、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等の酵母、COS細胞、CHO細胞等の動物細胞、あるいはSf9等の昆虫細胞などに導入して形質転換体を得ることもできる。大腸菌、酵母等の細菌を宿主とする場合は、本発明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると同時に、本発明のプロモーター、リボソーム結合配列、目的遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ましい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
【0040】
細菌への組換えベクターの導入方法は、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
【0041】
酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)などが用いられる。酵母への組換えベクターの導入方法は、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。
【0042】
動物細胞を宿主とする場合は、サル細胞COS-7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、マウスL細胞などが用いられる。動物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられる。
【0043】
昆虫細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞などが用いられる。昆虫細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法などが挙げられる。
【0044】
遺伝子が宿主に組み込まれたか否かの確認は、PCR法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブリダイゼーション法等により行うことができる。例えば、形質転換体からDNAを調製し、DNA特異的プライマーを設計してPCRを行う。PCRは、前記プラスミドを調製するために使用した条件と同様の条件で行われる。その後は、増幅産物についてアガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又はキャピラリー電気泳動等を行い、臭化エチジウム、SYBR Green液等により染色し、そして増幅産物を1本のバンドとして検出することにより、形質転換されたことを確認する。また、予め蛍光色素等により標識したプライマーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出することもできる。さらに、マイクロプレート等の固相に増幅産物を結合させ、蛍光又は酵素反応等により増幅産物を確認する方法も採用してもよい。
【0045】
4.植物の製造
本発明においては、上記形質転換植物細胞等から形質転換植物体に再生することができる。再生方法としては、カルス状の形質転換細胞をホルモンの種類、濃度を変えた培地へ移して培養し、不定胚を形成させ、完全な植物体を得る方法が採用される。使用する培地としては、LS培地、MS培地などが例示される。
【0046】
本発明に係る組織特異的遺伝子発現方法は、上記環境ストレス応答性プロモーターを挿入した発現ベクターを宿主細胞に導入して形質転換植物細胞を得て、該形質転換植物細胞から形質転換植物体を再生し、得られた形質転換植物体から植物種子を得て、該植物種子から植物体を生産する工程を含む。
【0047】
形質転換植物体から植物種子を得るには、例えば、形質転換植物体を発根培地から採取し、水を含んだ土を入れたポットに移植し、一定温度下で生育させて、花を形成させ、最終的に種子を形成させる。また、種子から植物体を生産するには、例えば、形質転換植物体上で形成された種子が成熟したところで、単離して、水を含んだ土に播種し、一定温度、照度下で生育させることにより、植物体を生産する。このようにして育種された植物においては、特に本発明に係る環境ストレス応答性プロモーターの下流に位置する遺伝子の発現を組織特異的に誘導することができる。
【0048】
本発明に係る環境ストレス応答性プロモーターと、特異的な誘導が可能な組織との関係を表3に示す。
【0049】
【表3】

【0050】
また、上述した各プロモーターは、負荷する環境ストレスの種類に応じて、特異的な発現を誘導する組織が異なるといった特徴を有している。具体的に、各プロモーターは、表4に示すような特徴を示す。
【0051】
【表4】

【0052】
表4に示したような特徴を有することから、表4に示したプロモーターと負荷する環境ストレスの種類との組合せにより、所望の遺伝子を所望の組織に所望の時期に発現させることができる。例えば、RAFL05-17-B13のプロモーター(配列番号1)の下流に遺伝子Aを配置した形質転換植物では、乾燥ストレスを負荷すると遺伝子Aを茎葉組織及び根組織に発現させることができ、塩ストレスを負荷すると遺伝子Aを茎葉組織に発現させることができる。このように当該形質転換植物においては、乾燥ストレスと塩ストレスとを異なる時期に負荷することによって、遺伝子Aを茎葉組織及び根組織に発現させる時期と遺伝子Aを根組織に発現させる時期とを調節することができる。以上のように、本発明に係る環境ストレス応答性プロモーターを用いることによって、様々な遺伝子を組織特異的に発現誘導することができる。
【実施例】
【0053】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【0054】
〔実施例1〕
本実施例では、各種環境ストレス負荷時における遺伝子発現量をマイクロアレイを用いて解析した。具体的には、Seki et al., "Monitoring the expression profiles of 7000 Arabidopsis genes under drought, cold, and high-salinity stresses using a full-length cDNA microarray." Plant J 31: 279-292 (2002)に記載されたマイクロアレイを使用して本論文と同様な方法によって解析を行った。
【0055】
なお、各種環境ストレスは、以下の条件で植物体に対して負荷した。すなわち、低温処理は、植物体の入ったプレートごと低温室(4℃)に入れることにより行った。乾燥処理は、植物体をピンセットで傷つけないようにはさみ、キムタオルの上で余分な水分を軽くとってから新しいプレートに並べ、ふたを開けた状態でクリーンベンチ内に並べ、放置し2時間後にふたをすることにより行った。塩ストレス処理は、MS培地(1%Sucrose、0.1%寒天、1mMルシフェリン入り)に250mM NaClを加えたものを、ピペットマンを使って植物体の根に200μl(1植物体あたり)かけることにより行った。ABA処理は、MS培地(1%Sucrose、0.1%寒天、1mMルシフェリン入り)に100μM ABAを加えたものを、ピペットマンを使って植物体の根に200μl(1植物体あたり)かけることにより行った。
【0056】
なお、環境ストレスを負荷する植物体としては、Murashige and Skoog塩、3% スクロース及び8% Bactoagerを含む発芽培地上で3週間栽培したシロイヌナズナ(columbia ecotype)を使用した。栽培条件は、チャンバー内の温度を22℃、16時間明期/8時間暗期となるように設定した。
【0057】
環境ストレス負荷処理後、又は環境ストレス負荷未処理の植物体からのtotal RNAの抽出はTRIZOL Reagent(Life Technologies社製)を使用し、mRNAの抽出はmRNA isolation kit(Militenyi Biotec Auburn社製)を使用した。また、上記論文に記載された方法に従って、Cy3 dUTP又はCy5 dUTP(Amersham Pharmacia)の存在下でそれぞれのmRNAサンプルの逆転写を行った。逆転写によって得られたcDNAを用いてマイクロアレイ解析を行った。マイクロアレイ解析におけるデータ解析は、Quantarray Version 2.0(GSI Lumonics社製)を用いた。
【0058】
その結果、表5に示すように、各環境ストレス応答性の発現パターンを示す遺伝子群を同定することができた。
【0059】
【表5】

【0060】
〔実施例2〕
実施例2では、実施例1で特定した環境ストレス応答性の発現パターンを示す遺伝子のプロモーター活性を検討した。具体的には、これら遺伝子からプロモーター領域を単離し、当該プロモーターの制御下でルシフェラーゼレポーター遺伝子を発現させる形質転換植物を作製し、ルシフェラーゼアッセイによって当該プロモーターの組織特異性を調べた。
組み換えベクターおよびトランスジェニック植物の作製プロトコール:
(1)組み換えベクターの作製
本実施例では、実施例1で特定した遺伝子について、PCR法によりプロモーター領域を含むDNA断片をそれぞれ回収した。PCR法においては、表6に示したプライマー・セットを使用した。
【0061】
【表6】

【0062】
また、増幅したDNA断片については全て定法に従って塩基配列を決定し、置換や欠失といった突然変異が導入されていないことを確認した。確認後、回収したDNA断片を、プロモーター解析用のベクター(pGreen系ベクター(Plant Molecular Biology 42: 819− 832, 2000)にGateway 組み換え配列(商品名:Gateway. Vector Conversion System、供給先;Invitrogen)及びルシフェラーゼレポーター遺伝子を導入したベクター)に、Gateway 組み換えシステムを用いて導入することにより、組み換えベクターを構築した。
【0063】
(2)トランスジェニック植物の作製
上記(1)で作製した組み換えベクターをアグロバクテリウム感染法により植物へ導入した。アグロバクテリウム感染法により遺伝子を導入する場合、目的の遺伝子コンストラクトを含むプラスミドを保有するアグロバクテリウムを植物に感染させる工程が必須であるが、これは減圧浸潤法により行った。すなわち、バーミキュライトとパーライトを等量ずつ合わせた土で生育させたシロイヌナズナの植物体に、(1)で作製した組み換えベクターを含むアグロバクテリウムの培養液にシロイヌナズナの植物体を浸し、これをデシケーターに入れバキュームポンプで65〜70 mmHgになるまで吸引後、5〜10分間室温に放置した。その後、鉢をトレーに移しラップで覆い湿度を保った。翌日ラップを取り、植物をそのまま生育させ種子を収穫した。
【0064】
次いで、上記(1)で作製した組み換えベクターを保有する個体を選択するために、種子を抗生物質ハイグロマイシンを加えたMS寒天培地に播種した。この培地で生育したシロイヌナズナを鉢に移し、生育させることにより、上記(1)で作製した組み換えベクターが導入されたトランスジェニック植物の種子を得た。
【0065】
(3)ルシフェラーゼアッセイのプロトコール
上記(2)で作製したトランスジェニック植物系統の種子をMS寒天培地に播種した。播種後10日目の植物体をルシフェラーゼアッセイに用いた。
【0066】
先ず、植物体に1mMルシフェリンスプレー(0.01%Triton-X入り)を全体にかかるように5回スプレーした。5分暗所に放置後、ARGUSを用いてルシフェラーゼの発光を測定した(0時間処理のアッセイ)。次に、各種環境ストレス負荷処理を(下記参照)を行った。低温処理は、植物体の入ったプレートごと低温室(4℃)に入れることにより行った。乾燥処理は、植物体をピンセットで傷つけないようにはさみ、キムタオルの上で余分な水分を軽くとってから、新しいプレートに並べ、ふたを開けた状態でクリーンベンチ内に並べ、放置し2時間後にふたをすることにより行った。塩ストレス処理は、MS培地(1%Sucrose、0.1%寒天、1mMルシフェリン入り)に250mM NaClを加えたものを、ピペットマンを使って植物体の根に200ul(1植物体あたり)かけることにより行った。ABA処理は、MS培地(1%Sucrose、0.1%寒天、1mMルシフェリン入り)に100uM ABAを加えたものを、ピペットマンを使って植物体の根に200ul(1植物体あたり)かけることにより行った。
【0067】
上述した各種環境ストレス負荷処理の後、2時間、5時間及び10時間後にARGUSシステム(浜松ホトニクス社製)を用いてルシフェラーゼの発光を測定した。なお、測定前に1mMルシフェリンスプレー(0.01%Triton-X入り)を全体にかかるように5回スプレーし、5分暗所に放置した。その結果を図1〜8に示した。
【0068】
図1に示すように、RAFL05-17-B13のプロモーターは、乾燥ストレスを負荷すると茎葉組織及び根組織において発現誘導することが明かとなった。また、RAFL05-17-B13のプロモーターは、塩ストレス或いは低温ストレスを負荷した時には茎葉組織において発現誘導することが明かとなった。さらに、RAFL05-17-B13のプロモーターは、ABAストレスを負荷した時には微弱ながらも茎葉組織において発現誘導することが明かとなった。このように、RAFL05-17-B13のプロモーターは、環境ストレスの種類に応じて発現誘導する組織が異なるといった興味深い特徴を示した。
【0069】
図2に示すように、RAFL05-18-I12のプロモーターは、乾燥ストレスを負荷すると茎葉組織及び根組織において発現誘導することが明かとなった。また、RAFL05-18-I12のプロモーターは乾燥ストレスを負荷した後、5時間で強い発現誘導活性を示すといった興味深い特徴を示した。
【0070】
図3に示すように、RAFL05-20-M16のプロモーターは、乾燥ストレス或いはABAストレスを負荷すると根組織において発現誘導することが明かとなった。また、RAFL05-20-M16のプロモーターは、乾燥ストレスを負荷した場合には約10時間後に根組織において発現誘導活性を示すのに対して、ABAストレスを負荷した場合には約2時間後から根組織における発現誘導活性を示すといった特徴を示した。
【0071】
図4に示すように、RAFL06-07-B19のプロモーターは、乾燥ストレスを負荷すると茎葉組織及び根組織において発現誘導することが明かとなった。また、RAFL06-07-B19のプロモーターは、ABAストレスを負荷すると根組織において発現誘導することが明かとなった。さらに、RAFL06-07-B19のプロモーターは、乾燥ストレスを負荷した後、約5時間では茎葉組織及び根組織に発現誘導するのに対して、約10時間では茎組織及び根組織における発現誘導活性は低下し、葉組織に発現誘導するといった特徴を示した。
【0072】
図5に示すように、RAFL06-16-J10のプロモーターは、乾燥ストレスを負荷すると茎葉組織において発現誘導することが明かとなった。また、RAFL06-16-J10のプロモーターは、乾燥ストレスを負荷した後、約2時間後から茎葉組織における発現誘導活性を示すが、約10時間後には活性が低下するといった特徴を示した。
【0073】
図6に示すように、RAFL07-08-I12のプロモーターは、乾燥ストレスを負荷すると茎葉組織において発現誘導することが明かとなった。また、RAFL07-08-I12のプロモーターは、乾燥ストレスを負荷した後、約2時間後から茎葉組織における発現誘導活性を示すが、約5時間後には活性が低下するといった特徴を示した。
【0074】
図7に示すように、RAFL09-07-M01のプロモーターは、塩ストレスを負荷すると茎葉組織及び根組織において発現誘導することが明かとなった。また、RAFL09-07-M01のプロモーターは、他のプロモーターと比較すると発現誘導活性自体が小さいといった特徴を示した。
【0075】
図8に示すように、RAFL08-17-O07のプロモーターは、ABAストレスを負荷すると根組織において発現誘導することが明かとなった。また、RAFL08-17-O07のプロモーターは、他のプロモーターと比較すると発現誘導活性自体が小さいといった特徴を示した。
【0076】
以上、図1〜8に示したように、実施例1で特定した環境ストレス応答性遺伝子のプロモーターは、それぞれ特徴的な発現誘導活性を示すものであった。本実施例で得られたプロモーターの発現誘導活性のパターンを適宜使用することによって、目的とする遺伝子を所望の時期、組織及び強度で発現させることができる。このように、実施例1で特定した環境ストレス応答性遺伝子のプロモーターは、植物体における遺伝子発現を組織特異的、及び/又は時期特異的に制御できる実験系を構築する際に有用なプロモーターであることが明かとなった。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】At1g01470(RAFL05-17-B13)のプロモーター+LUCトランスジェニック植物を用いたルシフェラーゼアッセイの結果を示す写真である。
【図2】At2g47770(RAFL05-18-I12)のプロモーター+LUCトランスジェニック植物を用いたルシフェラーゼアッセイの結果を示す写真である。
【図3】At2g46680(ATHB-7、RAFL05-20-M16)のプロモーター+LUCトランスジェニック植物を用いたルシフェラーゼアッセイの結果を示す写真である。
【図4】At3g11410(RAFL06-07-B19)のプロモーター+LUCトランスジェニック植物を用いたルシフェラーゼアッセイの結果を示す写真である。
【図5】At2g06050(RAFL06-16-J10)のプロモーター+LUCトランスジェニック植物を用いたルシフェラーゼアッセイの結果を示す写真である。
【図6】At2g26530(RAFL07-08-I12)のプロモーター+LUCトランスジェニック植物を用いたルシフェラーゼアッセイの結果を示す写真である。
【図7】At4g20830(RAFL09-07-M01)のプロモーター+LUCトランスジェニック植物を用いたルシフェラーゼアッセイの結果を示す写真である。
【図8】At2g29450(RAFL08-17-O07)のプロモーター+LUCトランスジェニック植物を用いたルシフェラーゼアッセイの結果を示す写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)、(b)又は(c)のDNAを含む、環境ストレス応答性プロモーター。
(a) 配列番号1、4〜8から選ばれるいずれかの塩基配列からなるDNA
(b) 配列番号1、4〜8から選ばれるいずれかの塩基配列において1若しくは複数の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNA
(c) 配列番号1、4〜8から選ばれるいずれかの塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNA
【請求項2】
環境ストレスが低温ストレス、乾燥ストレス及び塩ストレスからなる群から選択される少なくとも1つである請求項1記載のプロモーター。
【請求項3】
茎葉組織及び/又は根組織において機能することを特徴とする請求項1記載のプロモーター。
【請求項4】
請求項1記載のプロモーターを含む発現ベクター。
【請求項5】
請求項4記載の発現ベクターに、さらに任意の遺伝子が組み込まれた発現ベクター。
【請求項6】
請求項4又は5記載の発現ベクターを含む形質転換体。
【請求項7】
請求項4又は5記載の発現ベクターを含むトランスジェニック植物。
【請求項8】
植物が、植物体、植物器官、植物組織又は植物培養細胞である請求項7記載のトランスジェニック植物。
【請求項9】
請求項7又は8記載のトランスジェニック植物を培養又は栽培することを特徴とするストレス耐性植物の製造方法。
【請求項10】
以下の(a)、(b)又は(c)のDNAを含む環境ストレス応答性プロモーターの下流に任意の遺伝子を有する植物を準備する工程と、
(a) 配列番号1〜8から選ばれるいずれかの塩基配列からなるDNA
(b) 配列番号1〜8から選ばれるいずれかの塩基配列において1若しくは複数の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNA
(c) 配列番号1〜8から選ばれるいずれかの塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ環境ストレス応答性プロモーターとして機能するDNA
上記植物を環境ストレス条件下で栽培する工程とを含み、
上記環境ストレス応答性プロモーターの下流に位置する遺伝子を組織特異的に発現誘導することを特徴とする組織特異的遺伝子発現方法。
【請求項11】
環境ストレスが低温ストレス、乾燥ストレス及び塩ストレスからなる群から選択される少なくとも1つである請求項10記載の組織特異的遺伝子発現方法。
【請求項12】
上記遺伝子を茎葉組織及び/又は根組織において特異的に発現誘導する請求項10記載の組織特異的遺伝子発現方法。
【請求項13】
上記環境ストレス応答性プロモーターの下流に上記遺伝子を配置した発現カセットを上記植物に導入する工程を更に含む請求項10記載の組織特異的遺伝子発現方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−99634(P2008−99634A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−286326(P2006−286326)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【Fターム(参考)】