説明

環境修復の工程およびシステムのための地形学

本発明は、汚染物質を含有する堆砂の、可能な選択的除去のための現場を調査する方法を包含する。該方法は、現場の堆砂帯の補正された汚染物質濃度を算出することを包含する。現場は好ましくは流路を含有する。また該方法は、補正された汚染物質濃度を基準と比較することにより、堆砂帯が修復を必要としているかどうかを判断することを包含していてもよい。また、本発明は少なくとも部分的にコンピュータで実施される、記載された方法を実行するためのシステムを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、汚染された堆砂の修復の領域、そしてより具体的には、修復されることになる現場の地形学に基づいた調査および修復に関する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
水域の環境修復は、しばしば汚染された堆砂を除去するという極めて経費を要し、時間を消費する工程である。従来の技術には、非常にたくさんの課題が存在する。歴史的には、浚渫または掘削法を使用して、修復現場の堆砂をすべて除去してきた。そのような方法は、最終的には効果的であるが、2つの主要な欠点を有する。
【0003】
第1は堆砂の過剰な除去である。高度に汚染された堆砂だけでなく、比較的汚染されていない堆砂も除去されることになる。浚渫または掘削された堆砂はすべて、まるでそれが汚染されていたように処理されなければならないため、堆砂の過剰な除去が処理費用の増大を導く。堆砂処理が修復の主要な費用の1つであるため、除去される堆砂の量を限定することが好ましい。
【0004】
第2は生息環境破壊である。浚渫または掘削方法はかなり不正確な手段であり、修復された区域の自然の特徴、天然の生息環境を著しく破壊することになる。これはとりわけ、小川、川、池および湖のような流路にあてはまる。区域全体を洗い流してむき出しにし、汚染された堆砂をすべて取り去る浚渫または掘削は、露天採鉱にたとえることができる。
【0005】
本発明はこれらの課題の1以上を克服する。
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
本発明は、汚染物質を含有する堆砂の可能な選択的除去のための現場を調査する方法を包含する。該方法は、現場の堆砂帯の補正された汚染物濃度を算出することを包含する。現場は好ましくは流路を含有する。また該方法は、補正された汚染物質濃度を基準と比較することにより、堆砂帯が修復を必要としているかどうかを判断することを包含していてもよい。また、本発明は少なくとも部分的にコンピュータに実施される、記載された方法を実行するためのシステムを包含する。
【0007】
発明の詳細な説明
本発明は、流路および周辺区域の修復中に除去されなければならない汚染された堆砂の量を最小限にするために役立ち、そしてさらにその現場から汚染物質を適切に除去する方法を包含する。堆砂の選択的な除去は修復費用を軽減し、自然環境に対する修復の影響を最小限にする。
【0008】
進行中の汚染が取り除かれた後、流路の修復を始めることができる。修復は一般に、流路自体から汚染物質を除去し、そしてまた将来流路が再汚染されないことを確実にするように計画される。これらの二重の目的を達成するために、本発明の方法は修復が必要な流路に沿った堆砂帯を同定することを包含する。堆砂帯は流路(たとえば、河道中、河岸上、高水敷上など)中に容認できない汚染物質レベルを含有するために修復が必要であってもよい。堆砂帯はまた、将来、流路に再導入される可能性がある汚染物質を含有しているために修復が必要であってもよい。
【0009】
堆砂帯の同定は堆砂がどこに堆積するか、および堆砂が関心のある流路内のどこで侵食されるかを特定することを包含していてもよい。地形学の原則を使用して、流路の堆積および侵食帯の両方を同定することができる。Dave Rosgenによる“Applied River Morphology”は、地形学の基礎的な背景を提供する。この教科書はそのまま参照として援用される。一態様において、堆積および侵食帯の同定は、異なる地点における流路の画像を時間の中で(in time)比較することを包含し;好ましくは、長年(たとえば、画像間で5〜20年間)にわたり記録されてきたいくつかの画像が比較される。より好ましくは、コンピュータによる使用を促進するために、画像はデジタル画像またはデジタル化された画像である。流路の大規模な状況を提供する航空画像が好ましい。
【0010】
できれば、航空写真を比較すると、流路が汚染の進行に従ってどのように変化してきたかを確認できる。たとえば河床に堆砂が堆積し、横に移動するため、または洪水のために、年月を経て小川および川は蛇行し、好ましい流れの型を作り出す。流路のそのような変化が、流路の堆積および侵食帯の同定に重要でありうる。現在流路の河道近くにない堆砂は、ある時期において近くにあってもよく、以前の堆積帯が現在の堆積帯から離れていてもよいことを意味する。
【0011】
画像を使用することに加え、流路および周辺区域の地形学データ(たとえば、地図)は堆砂帯を同定することに好適に使用される。たとえば、河道の勾配は、それが堆積帯または侵食帯のいずれにあるかを決めることができる。また、別のデータおよびデータ収集技術を使用して、流路の視覚調査のように、堆積帯を同定すること、流路の河道における堆砂の型を同定すること、および土壌特性の説明を補助することができる。洪水、侵食、または堆積のような類似のパラメーターに曝されてきた地表面では、土壌層位の推移は類似している。これらを総合して、集めた情報を地図に描き、堆積および侵食帯を説明するアウトプット(たとえば、地図、グラフまたはチャートなど)を生み出すことができる。同定のアウトプットは、具体的な媒体(たとえば、紙)または無形の媒体(たとえばコンピュータ可読媒体)の形状中にあってもよく、または修復現場に送られる情報(たとえばGPS受信機によって使用されることになる地図作製のための位置)としてでもよい。
【0012】
流路の堆積および侵食帯の同定の1つの成果は、実行される必要がある試料試験の量を限定する能力である。堆砂がどこで侵食され、堆積されるかを理解することにより、試験は汚染物質を含有している可能性のある堆砂に限定することができる。流路堆積環境を理解することにより、より少ない試験試料が使用される。堆積区域に主眼を置くことは、調査および修復の費用の削減に等しい。たとえば、侵食帯のいずれかの汚染物質は下流に洗い流されてしまっている可能性があるため、そこでは試験が必要でなくてもよい。
【0013】
堆積および侵食帯の同定の別の成果は、将来侵食される可能性がある堆砂を同定する能力である。将来の侵食は汚染物質を流路に再導入させる可能性がある。
堆砂帯の同定は、それぞれの堆砂帯の汚染物質の補正された濃度を算出することを包含していてもよい。具体的な地帯の補正された濃度は、既知の、または推定した汚染物質濃度(ppmで測定)、平方フィートで表した該地帯の面積、侵食因子、およびリスク低減因子を含む、いくつかの因子を組み入れる。
【0014】
ある地帯の汚染物質濃度は、関心のある堆砂を試験した試料によって知ることができる。あるいは、ある地帯の汚染物質濃度は推定してもよい。ある推定技術としては、プロクシ(proxy:代用となるもの)の使用が挙げられる。あるプロクシ地帯の汚染物質濃度は、類似の堆砂型、流路との類似の関係(たとえば、河道内、河岸または高水敷)、流路に対する類似の位置(たとえば、彎曲および蛇行への近接、河道勾配、河道幅など)に基づいて、推定された地帯に割り当てられる。柔らかい堆砂は、流路から沈殿し、流路に堆積している、緩やかな構造の無機/有機物質であり、高水位(bankfull)または洪水期放出条件下、流路中で容易に移動可能である。柔らかくない堆砂は、河床上に存在する、固まった無機/有機物質であり、高水位または洪水期放出条件下、流路中で容易に移動できない。ある好ましい態様では、0.5ppmの推定濃度が河道内、非柔軟堆砂帯に使用されてもよく、0.05ppmの推定濃度が、岩盤、河道または巨礫および大礫に使用されてもよい。推定、またはプロクシ濃度の使用は必要とするサンプリングの量を減らすため、その技術は好まれる。
【0015】
侵食因子は、将来のある時期に流路に堆砂が再導入されることになる可能性を定量化する。高い侵食因子は、堆砂が流路の河道中にあるか、または水と接触する可能性が高いことを示し、したがって流路を再汚染するリスクを増大させる。一方、低い侵食因子は、将来堆砂が水に再導入される機会が低いことを示す。
【0016】
侵食因子の割り当ては、問題になっている流路の地形学を考慮する。水に接する区域および比較的急な彎曲の外側にある区域の場合、侵食因子1(高)が使用される。これらの区域は流路の谷線が侵食されやすいため、最も高い侵食因子を有する。谷線は最も速い速度を有する流路の部分であり、直線流域では、流路の中央に置かれる。彎曲部では、谷線は彎曲の外側に押され、彎曲の外側に最大の侵食を引き起こす。
【0017】
より緩やかな彎曲の場合、谷線の最大限の力は彎曲の外側に対して適用されないため、侵食因子0.5(中)が使用される。侵食因子0.25(低)は河岸、彎曲の内側、および流路のかなりまっすぐな流域の高水敷に使用される;つまり洪水期中にこれらの区域に多少の侵食リスクが存在する。彎曲の内側は通常堆積帯であるが、控えめなものとしてここに包含される。最後に、流路から離れた区域、および流路中の保護された区域(たとえば、巨礫、詰枠、護岸、割栗石、蛇篭など)は、侵食因子0.01(非常に低い)が与えられる。また、巨礫、詰枠、護岸、割栗石、蛇篭、その他の技術によって保護されるような、ある種の河岸区域には、さらに低い侵食因子を使用してもよい。
【0018】
補正された濃度において考慮される別の因子は、リスク低減因子である。修復活動によって、所定の堆砂帯における汚染物質の試験または推定された濃度がずれることがある。これは、修復後に流路に汚染物質を再導入するリスクがある高水敷区域における堆砂にとりわけ該当する。
【0019】
理想的には、汚染されていない材料だけを使用して、汚染された堆砂を覆い、汚染物質濃度をゼロにする。しかし、層状であるために、リスク低減因子は以下のように適用される。2インチ未満の土壌カバーまたは割栗石が使用される場合、低減因子1(低減なし)が適用可能であり;土壌カバーが再導入のリスクの低減を提供しないと考えられることを意味する。2〜6インチの土壌カバーが使用された場合、リスク低減因子0.5(低い低減)が適用可能であり、再導入のリスクが半分になっていることを意味する。6インチ以上の土壌カバーまたは割栗石が使用された場合、リスク低減因子0.1(中等度の低減)が適用可能である。6インチ以上の土壌カバーまたは割栗石がジオテキスタイルと組み合わせて使用された場合、リスク低減因子0.01(高い低減)が適用可能である。たとえば、修復現場に進入するために構築された常設道路は汚染されていない土壌および/またはジオテキスタイルを使用し、著しい度合い(たとえば、0.01)で再導入のリスクを低減することができる。
【0020】
堆砂帯の典型的な、補正された濃度は以下の通りである。流路の河道中の地帯から採取された試料を試験した結果、濃度1.2ppmであった。該地帯は河道中にあったため、侵食因子1(高)が適用された。同様に、カバー土壌がこの地帯では使用されなかったため、リスク低減因子1が適用された。この例では、補正された濃度は出発濃度と同じである。別の例では、初期濃度2.6ppmの高水敷においてカバーされていない地域から採取された試料は侵食因子が0.1であり、リスク低減因子が0.1であるため、補正された濃度は0.026である。
【0021】
予想することができるように、堆砂中の汚染物質の有効量を定量化する場合、補正濃度の算出は流路の堆積および侵食特性を考慮する。適用可能な基準(たとえば、現場に特異的な必要条件、地方自治、州または連邦の法律、条例または規則など)に対して補正された濃度を標準化し、比較することを使用して、堆砂帯が修復される必要があるか、または十分に修復されているかどうかを判断することができる。
【0022】
また、堆砂帯の同定は、それぞれの堆砂帯の、補正された濃度および平方フィートで表された面積から、それぞれの地帯の面積‐濃度を算出することを包含してもよい。堆砂帯の面積はThiessenのポリゴン法を使用して得ることができる。面積‐濃度は、堆砂帯の表面における汚染物質の量を定量化し、堆砂帯における汚染物質の全体量を提供する。
【0023】
面積‐濃度の算出は以下の式に要約される。
C × EF × RAF × A = PA
式中:
C=試験された、または推定された濃度、
EF=侵食因子、
RAF=リスク低減因子、
A=堆砂帯の面積(sq.ft.)、および
PA=面積‐濃度(ppmsq.ft.)
面積‐濃度は、堆砂帯が除去される必要があるかを判断するため、または堆砂が十分に修復されているかどうかを判断するために、基準と比較することができる。
【0024】
堆砂帯の面積‐濃度の修復前の算出を使用して、堆砂を除去する価値があるかどうかを判断することができる。さらに、面積‐濃度の修復後の算出を使用して、修復が効果的であったかどうかを判断することができる。
【0025】
たとえば、隣接した堆砂帯の面積‐濃度を一緒にまとめて、具体的な流路の区画または流域の表面加重平均濃度(SWAC)を提供することができる。修復前および後のSWACを比較することは、その流域の修復事業の有効性を判断するか、または予想する1つの方法である。
【0026】
SWACは、流域の堆砂帯の合計した面積‐濃度を流域地帯の合計面積で割ることにより算出され、以下の式で表される:ΣPA/ΣA。
本明細書で検討される方法の一部またはすべての工程は、コンピュータシステムにより実行されるか、または補われてもよい。コンピュータシステムは、開示された方法の工程を実行するか、または開示されたシステムを稼働させるために必要であるか、または好ましくてよい、いずれか、またはすべての機能を実行するための、適切なコンピュータで実行可能な命令を包含することができる。コンピュータシステムは、コンピュータで実行可能な命令、コンピュータ可読媒体、およびコミュニケーション媒体を包含することができる。プログラムモジュール(たとえば、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造など)のような、コンピュータで実行可能な命令(たとえば、ソフトウェアおよびソフトウェアアップデート)は、1以上のコンピュータまたは他の装置によって実行されてもよく、具体的なタスクを実行するか、または具体的なアブストラクトデータタイプを実施させてもよい。プログラムモジュールのようなコンピュータで実行可能な命令は、種々のコンピュータ可読媒体上で実施されるか、またはそれらと提携していてもよい。コミュニケーション媒体は、典型的には、搬送波または別の転送機序のような、変調されたデータシグナル中にコンピュータで実行可能な命令を包含し、いずれかの情報送達媒体を含む。例としては、コミュニケーション媒体は有線ネットワークまたは直接有線接続のような有線媒体、およびアコースティック、RF赤外線、赤外線などのような無線媒体を包含するが、それらに限定されない。上記のいずれかの組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲に包含されるべきである。
【0027】
本発明の方法およびシステムは、ポリ塩化ビフェニル、殺虫剤、多環芳香族炭化水素、石油炭化水素、金属、またはいずれか別の有機、無機もしくは有機金属化合物等の多様な汚染物質に適切であり、それらはあるメカニズムまたは別のメカニズムにより堆砂と関連することになることがある。
【0028】
たとえば、汚染物質は1以上の以下のクラス由来の化合物を含んでいてもよい:アクリルアミド、アクリル酸およびそのエステル、アルデヒド、脂肪族イミン、アルカノールアミン、アルケン、アルキルベンゼン、アルミニウムおよびその化合物、アミノアゾベンゼン、アゾベンゼン、アンチモンおよびその化合物、ヒ素およびその化合物、アリールスルホン酸および塩、アリールホスフェート、アジド、無機物、ベンゼンポリカルボキシレート、ベンゾトリアゾール、ベリリウムおよびその化合物、ビフェニルオキシド、ホウ素およびその化合物、臭素化ジベンゾ−p−ダイオキシン、臭素化ジフェニルエーテル、臭素化芳香族化合物、ブロモベンゼン、ブロモクロロメタン、カドミウムおよびその化合物、クロロフルオロカーボン、クロロフルオロエチレン、塩素化ジベンゾフラン、塩素化パラフィン、塩素化ナフタレン、塩素化ジベンゾ−p−ダイオキシン、塩素化ベンゼン、クロロペンタジエン、クロロフェノール、クロロプロペン、クロロトルエン、クロムおよびその化合物、コバルトおよびその化合物、銅およびその化合物、クレオソート、環状アルケン、シクロペンタジエン、ジニトロフェノール、ジニトロトルエン、ジニトロクレゾール、エポキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エチルフルオロカーボン、フッ化物、グリコール、グリコールエーテル、グリシジルエーテル、ハロアルコール、ハロエタン、ハロエーテル、ハロメタン、ハロン、ハロエチレン、ハロ不飽和エタン、ヒドロクロロフルオロカーボン、鉄およびその化合物、インジウムおよびその化合物、無機塩素、無機硫黄、ケトン溶媒、鉛およびその化合物、リチウムおよびその化合物、マンガンおよびその化合物、メタロセン、メルカプタン、メルカプトベンゾチアゾール、メタクリル酸およびそのエステル、モリブデンおよびその化合物、メチルフルオロカーボン、メチルエチルベンゼン、ニッケルおよびその化合物、ニトロパラフィン、ニトロ芳香族化合物、ニトリル、ニコチンおよび塩、ニトロベンゼン、ニトロパラフィン、ニトロフェノール、ニトロトルエン、有機酸、有機無水物、有機過酸化物、有機シリコン化合物、有機ヒ素化合物、有機イソシアネート、有機鉛化合物、有機水銀、有機リン酸化合物、パラジウムおよびその化合物、殺虫剤、過フッ素化化合物(たとえば、過フッ素化炭素)、石油炭化水素、フタレートエステル、プラチナおよびその化合物、ポリ塩化ビフェノール、ポリ塩化ビフェニル、多環有機物質、ポリエチレングリコール、多核芳香族炭化水素、ポリプロピレングリコール、セレンおよびその化合物、シリコン、シロキサン、銀およびその化合物、テルルおよびその化合物、テトラメチルベンゼン、タリウムおよびその化合物、チオウレア、チタンおよびその化合物、トリクロロベンゼン、トリメチルベンゼン、トリニトロフェノール、ウランおよびその化合物、キシレノール、亜鉛およびその化合物、ならびにその組み合わせ。
【0029】
さらに、複数の成分または工程の機能または構造を合わせて、単一の成分または工程に一体化してもよいこと、または1工程または成分の機能または構造を複数の成分または工程に分割してもよいことは認められるであろう。本発明はすべてのこれらの組み合わせを企図する。特記しない限り、本明細書に示された種々の構造の規模および形状は本発明を限定することを意図せず、そして別の規模または形状もありうる。複数の構造成分または工程が単一の統合された構造または工程によって提供されてもよい。あるいは、単一の統合された構造または工程が複数の成分または工程に分割されてもよい。さらに、本発明の特徴が、説明された態様のただ1つに関連して記載されていてもよいが、いずれか特定の出願の場合、そのような特徴を別の態様の1以上の別の特徴と組み合わせてもよい。また、上記のことから、本明細書に特有の構造の組み立ておよびその稼働が、本発明に従った方法を構成することは理解されるであろう。
【実施例】
【0030】
表1は、図1に示された流路の高水敷区域の修復前のデータを示す。それぞれのポリゴン番号はそれぞれの試料IDのように、図1で表示される。表からわかるように、それぞれのポリゴンは汚染物質濃度、侵食因子、およびリスク低減因子を有する。これらから、補正された汚染物質濃度が算出される。ポリゴンの区域では、それぞれにポリゴンの面積濃度が算出される。SWACを決定するために、ポリゴンの合計した面積濃度を、ポリゴンの合計した面積で割る。この具体的な流路の区画の場合、修復前SWACは0.35である。
【0031】
【表1A】

【0032】
【表1B】

【0033】
表2は図2に示された流路の高水敷区域の修復後のデータを示す。表1のように、それぞれのポリゴン番号はそれぞれの試料IDのように、図2で表示される。
【0034】
【表2A】

【0035】
【表2B】

【0036】
この流路の高水敷区画の具体的な部分の場合、修復後SWACは0.15であり、従って、流路の該区画における汚染物質量の改善(すなわち、減少)を示唆する。
本明細書に提示された説明および図解は、他の当業者に本発明、その原則、およびその実際的適用を知らせることを意図する。当業者は、具体的な使用の必要条件に最もふさわしくてよいように、非常に多い形状における本発明を適合させ、利用することができる。したがって、説明されたような本発明の具体的な態様は、包括的であること、または本発明を限定することを意図しない。本発明の範囲は、したがって、上記の説明を参照することによって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲が権利を与える等価物の全範囲と一緒に、そのような特許請求の範囲を参照することにより限定されるべきである。特許出願および公開公報を含む、すべての項目および参考文献の開示はすべての目的に対して、参照として援用される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】補正された汚染物質濃度が算出された修復現場を示す。
【図2】修復後の汚染物質濃度が算出された修復現場を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路を含む現場において、1以上の堆砂帯の補正された汚染物質濃度を算出することを含む、汚染物質を含有する堆砂の可能な選択的除去のための現場を調査する方法。
【請求項2】
補正された汚染物質濃度と基準との比較により、1以上の堆砂帯が修復を必要とするかどうかを判断することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
基準が現場の必要条件、または地方自治、州もしくは連邦の法律、規則もしくは条例、およびその組み合わせである、請求項に記載の方法。
【請求項4】
1以上の堆砂帯の初めの汚染物質濃度を測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
初めの濃度を測定することが、初めの濃度を推定するか、または堆砂を試験することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
補正された濃度を算出することが、1以上の堆砂帯に侵食因子を割り当てることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
補正された濃度を算出することが、1以上の堆砂帯に侵食因子を割り当てることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
地形学の原則の適用により流路の堆積および侵食帯を同定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
堆積および侵食帯を同定することが、やがて区別される現場の画像を比較すること、その現場の地形学的特徴を分析すること、またはその組み合わせを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
流路のある区画の表面加重平均濃度を算出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
1以上の堆砂帯のどれが修復される必要があるかという判断に基づいて修復計画を企画することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
修復計画を考慮してその現場を修復することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
汚染物質がポリ塩化ビフェニルを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
地形学的原則の適用により、ある現場の流路の1以上の堆砂帯を同定して、流路内の堆積および侵食帯の位置を測定すること:
その現場の1以上の堆砂帯の補正された汚染物質濃度を算出すること;
補正された汚染物質濃度と基準との比較により、1以上の堆砂帯が修復を必要とするかどうかを判断すること;および
1以上の堆砂帯のどれが修復される必要があるかという判断に基づいて修復計画を企画することを含む、汚染物質を含有する堆砂の選択的除去のための、少なくとも部分的にコンピュータによって実行される方法。
【請求項15】
企画された修復計画を実行することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
修復計画の実行を同定することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
同定工程が、修復後の堆砂のサンプリング、修復されている1以上の堆砂帯の修復後に補正された汚染物質濃度を算出すること、またはその組み合わせを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
修復計画を企画する前に、流路のある区画の表面加重平均濃度を算出することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
同定工程が、修復後の堆砂サンプリング、修復されている1以上の堆砂帯の修復後に補正された汚染物質濃度を算出すること、流路のある区画の表面加重平均濃度を算出すること、またはその組み合わせを含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−530950(P2007−530950A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505197(P2007−505197)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/009907
【国際公開番号】WO2005/098420
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(506322363)アン・アーバー・テクニカル・サービシーズ (2)
【出願人】(506322374)アース・テック・インコーポレーテッド (1)