説明

生ごみ処理装置

【課題】 処理槽内容物の含水率測定および含水率制御の信頼性を高めることを可能とした生ごみ処理装置を提供する。
【解決手段】 含水率測定において、処理槽内容物3を撹拌しながら処理槽内容物3と水分保持媒体14との間で水分移動を行わせ、水分保持媒体14の含水率から処理槽内容物3の含水率を算定するよう構成した。また含水率推移標準パターンと含水率測定データとの照合に基づき含水率を制御するように構成した。さらに含水率推移特性との照合により含水率測定の異常検出を行うように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ごみの廃棄処理方法として、微生物を用いて分解処理する生ごみ処理装置に関し、特に、有機物である生ごみを好気的雰囲気で微生物により分解処理する生ごみ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭や学校や病院やその他各種施設などから排出される食品廃棄物、食品製造・加工業、昼食・外食産業から排出される食品廃棄物など、いわゆる生ごみの廃棄処理の方法の一つとして、微生物の有機物分解作用を利用した生ごみ分解処理方法があり、これを応用した生ごみ処理装置が実用化されている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
【0003】
以下、図5により、従来の生ごみ処理装置について説明する。図5は従来の生ごみ処理装置の構成図である。
図5に示すように、生ごみ処理装置31は、処理槽32、処理槽内容物33、この処理槽内容物33を撹拌する撹拌機構34、この撹拌機構34に連結し、撹拌機構34を駆動するモータ35、外部の空気を取り込み、この取り込んだ空気をヒータで加熱して処理槽32に送り込む熱風発生器36、処理槽32内の空気を生ごみ処理装置31の外部に排出する排気ファン37、生ごみ処理装置31を制御する制御部38、および含水率センサ39から主に構成される。
【0004】
以下、図5を用いて、従来の生ごみ処理装置31の作用を説明する。生ごみの分解に用いる微生物は、微生物の生育環境を保持するため、例えば、木チップのような微生物定着基材に定着させて用いる。生ごみ処理装置31を用いて生ごみを分解処理する場合は、予め処理槽32に微生物を定着させた微生物定着基材(以下、菌床と称する)を入れておき、ここに処理対象物である生ごみを投入し、両者を撹拌機構34により撹拌する。撹拌機構34はそれに接続されているモータ35の駆動力により撹拌羽根34aを回転させて処理槽内容物33を撹拌する。従って、分解処理過程においては、処理槽32の中には、生ごみ、菌床、および分解により生成された生成物から構成される混合物が存在しており、以下、これを、処理槽内容物33と呼称する。
【0005】
一般に生ごみ処理装置31では、微生物による生ごみの分解の効率を高め、かつ、維持するために、例えば、好気性微生物の生育環境を適正に維持する必要がある。この好気性微生物の生育環境因子の中でも特に重要なものに、酸素、水分、温度などがある。このため、好気性微生物の生育環境因子である処理槽内容物33中の酸素量と水分量の目安の一つとして処理槽内容物33全体の平均的な含水率を用いることができる。この処理槽内容物33のように、木チップのような、微小な孔隙を多数有する物質が含まれる場合、その物質の含水率から物質に含まれる水分量や空気(酸素)量が推定できる。
したがって、処理槽内容物33の含水率を制御することにより微生物の生育環境を制御でき、これにより生ごみの分解効率の向上を図ることができる。
処理槽内容物33への酸素の供給については、熱風発生器36を用いて外部の空気を取り込み、これを処理槽32の内部に送り込むことにより処理槽内容物33に供給する。
【0006】
処理槽内容物33への水分供給については、生ごみに含まれている水分、生ごみの分解により生成される水分がある。それでも不足する場合は、外部から水分を補給する方法が取られる。
また、処理槽内容物33の水分を減少させる場合は、処理槽内容物33から発する水蒸気を排気ファン37により、処理槽32から外部に排気することにより行っている。
【0007】
処理槽内容物33への温度の供給については、熱風発生器36で外気をヒータで加熱し、加熱した空気を処理槽32の内部へ送り込み、処理槽内容物33を加温することにより調整している。
【0008】
制御部38は、生ごみ処理装置31が機能するように装置全体を制御している。すなわち、モータ35、熱風発生器36、排気ファン37等を制御することにより、処理槽内容物33の撹拌量、酸素供給量、加熱量、排気・除湿量の調整を行い、微生物の生育環境に適した環境を維持し生ごみの分解促進を制御している。
【0009】
次に、処理槽内容物33の含水率を適正に保つための制御について説明する。
処理槽内容物33の含水率を適正に保つための制御には、まず、処理槽内容物33の含水率を知る必要があり、一般的には処理槽内容物33の含水率を含水率センサ39を用いて測定する方法が用いられている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
含水率を測定する含水率センサ39として、処理槽内容物33に測定端子を差し込み、処理槽内容物33の電気抵抗や静電容量あるいは熱抵抗等を測定する方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
【0011】
また、制御部38は、一定時間間隔で、含水率センサ39を用いて処理槽内容物33の含水率を測定し、得られた含水率データが所望の値より高い場合は、排気ファン37の排気風量を上げるように制御し、これにより処理槽32内の除湿能力を高め、処理槽内容物33の含水率を低減させるように制御する。一方、得られた含水率データが所望の値より低い場合は、制御部38は排気ファン37の排気風量を下げたり、一時停止するなどの制御を行い、処理槽内容物33の含水率の低下を抑制するように制御する。
【特許文献1】特開2003−320357号公報(段落番号「0012」〜「0014」、図1)
【特許文献2】特開平8−173943号公報(段落番号「0008」〜「0021」、図3)
【非特許文献1】「(株)ケミテック 生ごみ処理装置 製品カタログ2004年」(株)ケミテック、2004年
【非特許文献2】Fedro S. Zazueta and Jiannong Xin 「Soil Moisture Sensors」Bulletin 292, Florida Cooperative Extension Service, IFAS, University of Florida. April 1994
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記従来技術においては、以下に述べる3つの課題がある。以下、具体的に説明する。
第一の課題は、含水率測定の信頼性に関する課題である。生ごみ処理装置31における処理槽内容物33は、生ごみ、菌床、および微生物分解により生成される生成物からなる不均質な混合物で、微生物の分解作用により時間経過と共に物質変化を起こしている。
【0013】
通常、このような混合物は、混合物中に含まれる粘着物質により粘着性を持っていて、撹拌されると大小様々な塊を形成し、この塊の内部や、塊と塊との間には大小さまざまな空隙が存在している構造となっている。
【0014】
また、処理槽内容物33は、通常、分解を促進させるため撹拌機構34により、常時または間欠的に撹拌されており、処理槽内容物33の塊は、この撹拌により、崩壊、形成を繰り返している。それに伴い、塊の構成物質や塊の構造・形状は変化している。なお、形成された塊の含水率は、それを構成する物質の種類やその構成比に依存している。
【0015】
このような状況下で、処理槽内容物33の含水率を含水率センサ39を用いて測定する場合、撹拌により処理槽内容物33と含水率測定端子との接触状態が常に変化しているため、測定タイミングにおいて常に測定条件が正しく保たれている保証がない。
すなわち、含水率センサ39と測定対象物との間の測定条件、例えば、接触面積、接触圧力、接触面における空隙の多寡、などが撹拌に伴い変化するため、含水率測定において、常に所与の測定条件を満たして測定することが困難な状況にあり、所与の測定条件を満たさない場合には、正しい含水率の測定ができない。すなわち、誤測定をしてしまうという課題があり、含水率測定に対する信頼性の問題があった。
【0016】
また、処理槽内容物33の塊の特性は、それぞれ塊を構成する物質の含水率に依存するため、処理槽内容物33の撹拌が充分でない場合は、それぞれの塊を構成する物質(菌床や生ごみ細片など)の特性の影響が強く作用し、塊ごとの含水率のバラツキが大きい。例えば、処理槽内容物33中には、菌床、野菜や魚類等の細片があって、その中のある塊は魚の骨が大部分を占めるような場合は、その塊の含水率は、処理槽内容物33全体の平均的な含水率とは異なることがある。
このような処理槽内容物33全体の平均的な含水率とは異なる含水率を有する塊が、含水率センサ39の測定端子の周辺に偏在している場合は、含水率測定は、測定端子周辺の測定対象物の特性の影響を受けて、処理槽内容物33全体の平均的な含水率からかけ離れた値を測定するという問題があった。
この場合もやはり、処理槽内容物33全体の平均的な含水率を測定する目的からは誤測定となり含水率測定の信頼性を低下させるという問題があった。
【0017】
このように、生ごみ処理装置31において、処理槽内容物33の物質特性や撹拌動作に起因する含水率測定の信頼性に関する問題があった。
【0018】
第2の課題は、処理槽内容物33の含水率制御の信頼性に関する課題である。以下に具体的にその課題を説明する。処理槽内容物33の含水率を測定し、その含水率データに基づき、処理槽内容物33の含水率を適正範囲になるよう制御する含水率制御において、前記したように、含水率測定の信頼性が低く、誤った測定データとなるケースがある場合には、その誤った測定データを用いて処理槽内容物33の含水率の適正化のための制御を行うと、処理槽内容物33の含水率が適正値に向かわずに、適正値から遠のくという危険があり、含水率制御における信頼性を低下させるという問題があった。
【0019】
さらに、含水率測定データによる含水率制御において、次のような問題があった。すなわち、処理槽内容物33の適正な含水率は、投入される生ごみの成分や生ごみに含まれている水分量や投入量により変動する。したがって、生ごみ処理装置31に投入される生ごみの内容やその量により含水率が変動して、含水率制御が難しいという問題があった。
【0020】
第3の課題は、含水率測定における異常データ測定に関する課題である。以下に具体的にその課題を説明する。通常は、含水率測定端子周辺の処理槽内容物33は、撹拌により処理槽内容物33の特定部分に固定されることはなく、常に、含水率測定端子周辺の処理槽内容物33は、移動して入れ替わっている。しかし、処理槽内容物33の物質の粘着性と固化条件によって含水率測定端子に処理槽内容物33の一部が固着して固化してしまうことがある。このように、含水率測定端子の表面およびその周辺を処理槽内容物33の固化物質が覆ってしまった場合は、含水率測定端子周辺に固化した処理槽内容物33の物質特性の影響を受けて、処理槽内容物33全体の平均的な含水率とは異なる含水率測定を行うという問題があった。
【0021】
そこで、本発明は、前記課題を解決するために創案したものであり、処理槽内容物の含水率測定および含水率制御の信頼性を高めることを可能とした生ごみ処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を解決する本発明のうち請求項1に記載の発明は、処理槽内容物(3)として、生ごみ、菌床、分解生成物等の不均質な混合物を分解処理する生ごみ処理装置(1)であって、前記処理槽内容物(3)を撹拌する撹拌手段(4)と、前記処理槽内容物(3)との間で水分の移動を行う水分保持媒体(14)と、この水分保持媒体(14)の含水率を測定する含水率測定手段(13)と、この含水率測定手段(13)から得られる前記水分保持媒体(14)の含水率データに基づき前記処理槽内容物(3)の含水率を算定する含水率算定論理手段(9)とを備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項1に記載の発明によれば、処理槽内容物が常時または間欠的に撹拌されていて、水分保持媒体と処理槽内容物との間の物理的な接触条件、すなわち、水分保持媒体との接触面積、接触圧力、接触面における空隙の多寡などが撹拌動作により変動しても、処理槽内容物と水分保持媒体との間の重力や毛管現象による水分移動により、時間の経過と共に水分保持媒体は処理槽内容物と水分平衡状態に推移してゆく。
水分保持媒体はケーシングで機械的に保護されているので、撹拌動作に影響されずに機械的に静的な状態を保つことができ、水分保持媒体の含水率を測定する測定条件を所与の測定条件に保つことができる。
【0024】
さらに、処理槽内容物の塊ごとに持っている含水率のばらつきについても、撹拌により、処理槽内容物の塊の崩壊、形成を繰り返すことにより、処理槽内容物の塊が持つ含水率は処理槽全体の平均的な含水率に平準化されてゆき、かつ、処理槽内容物の大部分が水分保持媒体近傍に順次移動し、水分保持媒体との間で水分移動を行うため、水分保持媒体の含水率は処理槽内容物全体の平均的な含水率に近づく。このことにより、前記構成によれば、処理槽内容物の物質特性や撹拌による含水率測定条件への影響を抑制し、処理槽内容物全体の平均的な含水率の測定に対して信頼性の高い測定が可能となる。
【0025】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の生ごみ処理装置(1)であって、前記処理槽内容物(3)の含水率を制御する含水率制御手段(7)と、前記含水率算定論理手段(9)から得られる前記含水率データと含水率推移標準パターン(16)とを照合した結果に基づき前記含水率制御手段(7)を制御する制御手段(8)とを備えたことを特徴とする。
【0026】
請求項2に記載の発明によれば、含水率制御に用いる処理槽内容物の含水率測定データとしては含水率算定論理手段から信頼性の高い測定データが得られる。また、制御手段においては、この含水率測定データと含水率推移標準パターンとの部分的照合により処理槽内容物の含水率を制御することにより、生ごみ投入の変動の影響を抑えた含水率制御を実現している。これにより、処理槽内容物の含水率制御の信頼性を高めることが可能となる。
【0027】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の生ごみ処理装置(1)であって、前記含水率算定論理手段(9)からの前記含水率測定データを時系列に記録した含水率時系列データと、この含水率時系列データと含水率推移特性を示す含水率推移標準パターン(16)とを照合した結果に基づき含水率異常検出を行う含水率異常検出論理手段(11)とを備えたことを特徴とする。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、含水率異常検出論理手段において、含水率算出論理手段から得られた含水率測定データを処理槽内容物の含水率推移特性を示す含水率推移標準パターンとを照合すると、その照合の結果、含水率測定データが含水率推移特性と異なる結果を示した場合は、処理槽内容物の含水率測定データに異常があったと判断し、この含水率測定データを破棄する。
これにより、処理槽内容物の含水率異常の検出が可能となり、含水率測定の信頼性を高め、処理槽内容物の含水率制御の信頼性をより高めることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、処理槽内容物の含水率測定において、処理槽内容物の物質特性や撹拌動作による含水率測定への影響を抑制し、処理槽内容物全体の平均的な含水率を測定する目的に対して信頼性の高い含水率測定を可能とする。
【0030】
請求項2に記載の発明によれば、処理槽内容物の含水率の適正化制御において、請求項1に記載の発明により得られる高信頼の含水率測定データを用いることにより、かつ、含水率推移標準パターンとの部分的な照合による含水率制御により、処理槽内容物の物質特性や撹拌動作による影響を抑制し、かつ、生ごみ投入の変動の影響を抑制した信頼性の高い含水率制御を可能とする。
【0031】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、請求項1に記載の発明により得られる処理槽内容物の含水率測定データと、含水率推移特性を示す含水率推移標準パターンとの照合により含水率測定の異常を検出し、異常な含水率測定データを排除することによりさらに含水率制御の信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る生ごみ処理装置の構成図を示し、図2は、図1の構成図の一部を詳細に示す部分構成図である。
図1に示すように、生ごみ処理装置1は、処理槽2、処理槽内容物3、この処理槽内容物3を撹拌する撹拌手段4、この撹拌手段4に連結しこの撹拌手段4を駆動するモータ5、外部の空気を取り込み、この取り込んだ空気をヒータで加熱して処理槽2に送り、処理槽内容物3に空気の供給を行うと共に、処理槽内容物3を加熱することができる熱風発生器6、処理槽2内の空気を生ごみ処理装置1の外部に排出する排気ファン7、生ごみ処理装置1全体を制御する制御手段8、および、図2に示すように、含水率算定論理手段9、水分保持体12と含水率測定手段13とを備えた含水率センサ10とから主に構成されている。
水分保持体12は、水分保持媒体14が、ケーシング15に封入されて構成されている。
なお、ここでいう排気ファン7が、特許請求の範囲に記載の含水率制御手段に相当する。
【0033】
次に、生ごみ処理装置1の動作を説明する。
含水率測定の動作、処理槽内容物3の含水率制御の動作、および含水率異常検出論理手段11(図1参照)の動作について順に説明する。
【0034】
[含水率測定の動作]
図2に示すように、水分保持媒体14に用いる媒体としては、処理槽内容物3との間で水分移動効率が良く、かつ、処理槽内容物3と水分保持媒体14との間で水分平衡状態となったときに処理槽内容物3と同じ含水率を示すような材質のものを用いることが望ましい。そのような物質として、例えば、菌定着基材として用いた木チップの粉末がある。
【0035】
また、水分保持媒体14は、その物理形状、密度、含水率測定手段13との接触条件を保つために、ケーシング15に封入され一定圧力で保持されている。水分保持媒体14は、一方は含水率測定手段13と接しており、他方は、ケーシング15を通して、処理槽内容物3と接している。ケーシング15の材質は、例えば、網目のプラスチック素材が用いられており、ケーシング15を介して処理槽内容物3と水分保持媒体14とが物理的に接触するように作られている。したがって、水分保持媒体14と、その周辺にある処理槽内容物3との間では毛管現象や重力により水分移動が起こり、充分に水分移動が行われた時間経過後には、水分保持媒体14と処理槽内容物3との間では水分平衡状態となる。
【0036】
処理槽内容物3は、撹拌手段4により常時または間欠的に撹拌され、そのため処理槽内容物3の塊は崩壊と形成を繰り返す。これにより処理槽内容物3の個々の塊の含水率は、平準化されてゆき、時間経過と共に処理槽内容物3全体の平均的な含水率に近づいてゆく。さらに、処理槽内容物3は、撹拌により処理槽2の中を移動している。
したがって、水分保持媒体14には、処理槽内容物3の塊が次から次と移動してきて、水分保持媒体14と接触することになる。そして、撹拌動作を充分な時間行うことにより、処理槽内容物のそれぞれの塊の含水率は処理槽内容物3全体の平均的な含水率に平準化されてゆくと共に、水分保持媒体14は、処理槽内容物3との水分移動を行うことになるので、水分保持媒体14は処理槽内容物3との間で水分平衡状態となる。
【0037】
また、含水率測定手段13の動作は次の通りである。含水率測定手段13は水分保持媒体14の含水率を測定するものである。水分保持媒体14に含まれる水分量の多寡を測定し含水率を得るものであるが、このような測定方法としては、熱抵抗方式や電気抵抗方式、静電容量方式などが利用できる。
【0038】
いずれの方式を用いた場合でも、測定端子面と測定対象となる媒体、この場合は水分保持媒体14との物理的な条件、すなわち、接触面積や接触圧、また、接触面に気泡が入らないことなど一定の測定条件を保たなければ、正しい測定値を得ることができない。
【0039】
本実施例では、測定対象となる水分保持媒体14は予めケーシング15に封入し、一定圧力で固定しておくことができるので、水分保持媒体14の粒度を揃え、封入時の水分保持媒体の密度や封入の圧力、測定端子との接触の状態を予め作り込んでおき、その状態を含水率測定時に保っておくことができる。
したがって、この実施例では、含水率測定時の含水率測定手段13とその測定対象となる水分保持媒体14との間を適正な測定条件に保った状態で測定可能となる。
【0040】
処理槽内容物3の含水率算定論理手段9は、含水率測定手段13で測定した水分保持媒体14の含水率から処理槽内容物3の含水率を算定する。
図3は含水率推移を表すグラフであり、含水率推移グラフを示すと共に標準的な含水率推移標準パターンを示している。
図3に示すように、含水率推移標準パターン16は、生ごみ分解における経過時間を横軸に、経過時間毎の含水率を縦軸にした場合の典型的な処理槽内容物3の含水率推移を表している。生ごみの投入17は、生ごみを投入したタイミングを、含水率増加期18は、処理槽内容物3の含水率が増加している期間を、含水率減少期19は、処理槽内容物3の含水率が減少している期間を示している。水分非平衡状態の水分保持媒体の含水率推移グラフ20は、水分保持媒体14と処理槽内容物3との間での水分移動の時間が充分でないため、まだ水分平衡状態に至っていないときの水分保持媒体14の含水率推移を表したものである。
【0041】
本願発明の生ごみ処理装置1においては、通常、処理槽内容物3の含水率推移は、図3に示すように、含水率推移標準パターン16のように示される。すなわち、図2に示すように、生ごみが投入される前の処理槽内容物3は、それ以前に投入された生ごみの分解を終えている段階では、処理槽内容物3中の成分としては、生ごみは分解作用を受けて殆ど減少しており、菌床が大部分を占めている。このときの処理槽内容物3の含水率は、処理槽内容物3の構成比率からほぼ菌床の含水率を示すことになる。好気性微生物による生ごみ分解においては、通気性を保つために、通常は、菌床の含水率は、生ごみの含水率よりも低く保たれている。このような状態のときに生ごみを処理槽2に投入すると、生ごみの含水率は菌床の含水率よりも高いので、処理槽内容物3全体の平均的な含水率は高くなる。その後、微生物による分解が進むにつれて、水分が生成されるので、処理槽内容物3の含水率は増加傾向を示す。さらに時間が経過し、水分生成のピークを過ぎると微生物分解による水分生成量の増加よりも、排気ファン7による除湿効果が勝り、処理槽内容物3の含水率は減少傾向に転ずる。
【0042】
処理槽内容物3の含水率は、通常、図3の含水率推移標準パターン16に示すように時間経過と共に変化している。この処理槽内容物3の含水率の変化する時間が、水分保持媒体14が水分平衡となる時間より長い場合は、水分保持媒体14の含水率は処理槽内容物3の含水率に追随し、水分保持媒体14の含水率と処理槽内容物3の含水率とは一致している。この場合は、水分保持媒体14の含水率を測定することにより、処理槽内容物3の含水率を得ることができる。
【0043】
また、処理槽内容物3の含水率の変化する時間が、水分保持媒体14を水分平衡とする時間とほぼ同程度かそれよりも短い場合は、水分保持媒体14は処理槽内容物3との間で水分平衡状態とはならずに、非平衡の状態で水分保持媒体14の含水率は推移する。
すなわち、処理槽内容物3の含水率の変化に遅れながら、水分保持媒体14の含水率は変化してゆく。水分非平衡状態での含水率推移グラフ20は、処理槽内容物3の含水率が含水率推移標準パターン16に示す含水率推移の場合の水分非平衡状態での水分保持媒体14の含水率推移を示している。
【0044】
含水率算定論理手段9では、次のようにして処理槽内容物3の含水率を算出する。
含水率算定論理手段9では、処理槽内容物3と水分保持媒体14とが水分平衡状態で測定する場合と、水分非平衡状態で測定する場合との2つのモードを持つ。水分平衡状態での測定モードの場合は、含水率測定手段13で測定した水分保持媒体14の含水率をそのまま処理槽内容物3の含水率として出力する。
【0045】
次に、処理槽内容物3と水分保持媒体14とが水分非平衡状態で測定するモードの場合の含水率算定論理を説明する。ある時刻tnに含水率測定手段13で測定した水分保持媒体14の含水率をAn%、そのときの処理槽内容物の含水率をBn%とする。また、その前の時刻tn-1に含水率測定手段13で測定した水分保持媒体14の含水率をAn-1%とし、そのときの処理槽内容物の含水率をBn-1%とする。

ΔAn=An−An-1
Δtn=tn−tn-1
ΔVn=ΔAn/Δtn
とすると、
ΔVn>0の場合は、図3に示すように、処理槽内容物3の含水率Bnは、水分保持媒体14の含水率Anに対して、Bn>Anの関係にあることがわかる。
また、同様に、ΔVn<0の場合は、Bn<Anの関係にあることがわかる。
したがって、含水率算定論理手段9は、含水率測定手段13からの水分保持媒体14の含水率測定データを得て、その時系列データから、処理槽内容物3の含水率Bnとして、
ΔVn>0の場合は、Bn=An+a(但し a>0)
ΔVn<0の場合は、Bn=An-a(但し a>0)
を出力する。aは含水率補正値である。
含水率補正値aは、簡便な方法としては、例えば、
a=|ΔVn|・α (但し、αは正の定数で実験で求めた値)
として決めることができる。あるいは、さらに簡便な方法としては、固定的な数値で近似しても良い。
以上の構成により、処理槽内容物3の物質の特性や撹拌などによる影響を抑え含水率測定の信頼性を向上させる効果を発揮する。
【0046】
次に、処理槽内容物3の含水率制御の動作について説明する。図4は、処理槽内容物の分解経過時間に対する含水率推移補正を表すグラフである。図4に示すように、ケースA21、ケースB22、ケースC23は、処理槽内容物3(図2参照)の生ごみ投入後の分解経過時間に対する含水率推移の3つのパターンを示している。
【0047】
分解期間24は、生ごみ投入後の生ごみの分解が進んでいる期間を示す。分解期間後の期間25は、生ごみの分解がほぼ終り、その後の期間(分解期間後の期間)を示している。含水率調整期間26は分解期間後の期間25にあって含水率調整期間を示す。適正含水率の範囲27の斜線部分は、含水率調整期間26における適正含水率範囲を示している。補正(イ)28、補正(ロ)29、補正(ハ)30は、それぞれ含水率推移補正(イ)、(ロ)、(ハ)を示す。
【0048】
適正含水率の範囲27の適正含水率は、生ごみの投入タイミング直前の処理槽内容物3の含水率とほぼ同程度の含水率を適正含水率の範囲として定めている。
ここで、図3に示す含水率推移標準パターン16は、本実施の形態に係る生ごみ処理装置1において、この装置1の処理能力の定格量である標準的な生ごみを投入したときに、最適な分解性能を発揮し、かつ、含水率推移が含水率調整期間26において適正含水率の範囲27内に収まるよう制御手段8が撹拌手段4、熱風発生器6、排気ファン7を制御した場合の含水率推移を示している。ここで標準的な生ごみというのは、例えば、代表的な生ごみである野菜、魚肉類、穀類等の重量構成比率を7:2:1に定めたものを指し、これにより、生ごみのたんぱく質、脂肪、炭水化物、灰分、水分等の成分構成を規定したものを意味している。また、動物の糞尿なども生ごみとして処理することも考えられ、特に、競馬場などで発生する大量の馬糞などの処理に適している。
【0049】
以上のように動作する本実施の形態に係る生ごみ処理装置1においては、定格量の標準的な生ごみの投入が繰り返されても、常に含水率推移標準パターン16が繰り返えされ、毎回、生ごみが投入される直前の含水率は、初回の生ごみ投入直前の含水率に戻っているので、処理槽内容物3の含水率が適性に保たれているということができる。
すなわち、含水率推移標準パターン16は、適正含水率推移パターンということができる。
【0050】
生ごみ処理装置1の実際の使用においては、生ごみの発生現場の事情により常に投入される生ごみの内容物が変わり、また、投入量も変動するのが実情である。投入される生ごみの内容や投入量によって含水率推移は、ケースA21に示す含水率推移より高くなったり、低くなったりする。含水率推移が高い場合の典型的な含水率推移パターンをケースB22に示す。また、逆に典型的な低い含水率推移パターンをケースC23に示す。
【0051】
生ごみの投入により、ケースB22に示す含水率推移が繰り返えされると、処理槽内容物3の含水率は段々高くなり、その結果、微生物の生育環境が悪化し、微生物の活性が低下し、生ごみ分解の性能が低下するようになる。また、ケースC23に示す含水率推移を繰り返す場合も、処理槽内容物の含水率が低下しすぎ、同様に生ごみ分解の性能が低下する。したがって、ケースB22、ケースC23に示す含水率推移は好ましくない含水率推移ということができる。
【0052】
生ごみの投入の結果、ケースB22に示す含水率推移となった場合でも、含水率調整期間26において、含水率が適正含水率の範囲27に入るよう補正(イ)28に示すような含水率推移補正を行うと、生ごみ投入直前の含水率に戻り、このような生ごみ投入を繰り返しても、処理槽内容物3の含水率は生ごみ投入直前の含水率が一定に維持されるので、適正な含水率推移パターンということができる。
すなわち、含水率推移がケースB22から含水率調整期間26内で補正(イ)28を行った含水率推移パターンは、適正含水率推移パターンである。
【0053】
また、生ごみの投入の結果、ケースC23に示す含水率推移となった場合でも、含水率調整期間26において、含水率が適正含水率範囲に入るよう補正(ロ)29あるいは補正(ハ)30に示すような含水率推移補正を行うことにより、含水率は生ごみ投入直前の含水率に戻るので、この場合も適正な含水率推移パターンということができる。
すなわち、ケースC23に示す含水率推移となった場合でも、含水率調整期間26において、含水率が適正含水率範囲に入るよう補正(ロ)29の含水率推移パターンや、ケースC23に示す含水率推移となった場合でも、含水率調整期間26において、含水率が適正含水率範囲に入るよう補正(ハ)30の含水率推移は、適正含水率推移パターンである。
【0054】
したがって、本発明の生ごみ処理装置3においては、投入される生ごみの内容や投入量の変動により含水率推移パターンが変動しても、含水率調整期間26の含水率を適正含水率範囲に入るよう含水率推移パターンを補正するように、撹拌手段4や熱風発生器6や排気ファン7などの含水率制御手段により制御することで適正な含水率を保つことができる。
【0055】
制御手段8は、図示していないがマイクロコンピュータ等によるプログラム制御機能を内蔵しており、プログラム制御により、モータ5、熱風発生器6、排気ファン7、含水率算定論理手段9、含水率センサ10、含水率異常検出論理手段11を制御している。
【0056】
制御手段8は生ごみが投入された時刻からの時間経過を計数している。また、制御手段8は、含水率調整期間26においては、一定時間間隔で、含水率算定論理手段9を制御して、処理槽内容物3の含水率データを得る。そのとき得られた含水率データが適正含水率の範囲27に収まっている場合、現在行っている含水率制御をそのまま継続する。
【0057】
また、得られた含水率データが適正含水率の範囲27よりも高い場合、制御手段8は、排気ファン7の排気風量を高め、処理槽内容物3の含水率が適正含水率の範囲27内に入るよう、補正(イ)28に示す含水率推移補正して含水率を制御する。
【0058】
また、制御手段8は、同様にして得られた含水率データが適正含水率の範囲27よりも低い場合、排気ファン7の排気風量を低くし処理槽内容物3の含水率を適正含水率の範囲27に維持するように、補正(ロ)29に示す含水率推移補正して含水率を制御する。
【0059】
処理槽内容物3の含水率推移が低すぎる場合には、制御手段8は排気風量の制御のみによるものだけではなく、図示していないが、水分補給手段を制御して処理槽内容物3に水分を供給する方法も有効である。このような場合の含水率推移は、補正(ハ)30に示す含水率推移補正となる。
【0060】
以上の構成によれば、測定した含水率データと含水率推移標準パターンとの部分的な照合、すなわち、含水率調整期間26における含水率推移パターンでの照合で処理槽内容物3の含水率を制御することにより処理槽内容物3の含水率を適正に保つことができ、投入される生ごみの内容や投入量の変動に対しても含水率制御を可能とし、その結果として含水率制御において信頼性を高める効果を発揮する。さらに、前記の信頼性の高い含水率測定手段13を用いることにより、さらに含水率制御の信頼性を高める効果を発揮する。
【0061】
次に、含水率異常検出論理手段11の動作について説明する。
含水率異常検出アルゴリズムは次の通りである。処理槽内容物3の含水率推移は、図3の含水率推移グラフ16に示すように推移する。すなわち、生ごみが投入された時点から(生ごみ分解前期)含水率が増加し、やがて含水率が極大となる(生ごみ分解中期)。含水率が極大となった後(生ごみ分解後期)は、含水率が減少してゆく。これが正常な生ごみ分解過程における含水率推移の特徴である。この特徴を整理すると以下のようにまとめることができる。この特徴を生ごみ分解における含水率推移特性と呼ぶことにする。
すなわち、含水率推移特性とは、
生ごみ分解前期;含水率増加傾向
生ごみ分解中期;含水率極大傾向(含水率一定傾向)
生ごみ分解後期;含水率減少傾向
したがって、これ以外の含水率推移の特性が表れた場合は、生ごみの分解過程に異常が発生したか、あるいは、含水率測定において、誤った測定を行っているかいずれかの状態が生じたと判断できる。いずれにおいても、処理槽内容物3の含水率測定において、異常が検出されたと判断することができる。
【0062】
含水率異常検出論理手段11は、図示していないが、マイクロコンピュータ等からなるプログラム制御機能を内蔵している。また、制御手段8の生ごみ投入からの時間経過の計数情報を読み取ることができ、生ごみ投入からの経過時間を知ることができる。
【0063】
前記のように、制御手段8の指示で一定時間間隔で処理槽内容物3の含水率測定が行われると、含水率異常検出論理手段11はその含水率測定データを含水率算定論理手段9から受け取り記録する。
【0064】
含水率異常検出論理手段11は、生ごみ投入経過時間tnに含水率算定論理手段9から、含水率測定データBnを受け取ると、そのデータを記録すると共に、その前の経過時間tn-1に測定した含水率測定データBn-1を記録メモリから読み出し、BnとBn-1の大小を比較する。
【0065】
正常な含水率推移においては、次のように分解経過時間tと含水率推移傾向ΔBは変化する。
すなわち、ΔBn=Bn−Bn-1とすると、含水率推移特性は次のように記述できる。
生ごみ分解前期;ΔBn>0
生ごみ分解中期;ΔBn≒0
生ごみ分解後期;ΔBn<0
【0066】
この含水率推移特性に従って処理槽内容物3の含水率が推移する場合は、次のような演算で、生ごみ分解前期、生ごみ分解中期、生ごみ分解後期を認識できる。
すなわち、生ごみ投入直後においては、
生ごみ投入直後の場合、 t1=生ごみ分解前期
生ごみ分解前期でかつ、ΔBi>0の場合、ti=生ごみ分解前期
生ごみ分解前期でかつ、ΔBi≒0の場合、ti=生ごみ分解中期
生ごみ分解中期でかつ、ΔBi≒0の場合、ti=生ごみ分解中期
生ごみ分解中期でかつ、ΔBi<0の場合、ti=生ごみ分解後期
生ごみ分解後期でかつ、ΔBi<0の場合、ti=生ごみ分解後期
【0067】
逆に、これ以外の含水率推移の傾向を示すと、生ごみ分解過程あるいは、含水率測定において、何らかの異常が生じたと判断する。
【0068】
したがって、含水率異常検出論理手段11は、含水率算定論理手段9から含水率測定データを受け取ると、ΔBn=Bn−Bn-1の演算を行い、前記の含水率推移特性と照合し、含水率推移特性と異なる傾向が検出された場合は、含水率測定データに異常があると判断する。また、前記の含水率測定データから、含水率の極大値、極小値が得られる。得られた含水率の極大値、極小値がそれぞれ許容範囲にあるか否かをチェックすることにより、含水率異常を検出することもできる。含水率異常検出論理手段11は含水率異常を検出すると含水率異常検出信号を制御手段8に出力する。
【0069】
制御手段8は、前記の処理槽内容物3の含水率制御において、含水率異常検出信号を受信すると、その含水率測定データを破棄し、異常な含水率測定データで含水率制御を行うことを防止すると共に、含水率異常検出の警報を発する。
【0070】
以上の構成によれば、水分保持媒体14に処理槽内容物3が固着し固化した場合や分解過程で異常が生じた場合など、種種の原因に基づいて、含水率異常を検出することができ、誤った含水率データに基づく含水率制御による適正含水率範囲からの逸脱を防止することができ、信頼性の高い含水率制御を可能とする効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態を示す生ごみ処理装置の構成図である。
【図2】図1に示す含水率センサ周辺の拡大した部分構成図である。
【図3】含水率推移を表すグラフである。
【図4】含水率推移補正を表すグラフである。
【図5】従来の生ごみ処理装置の構成図である。
【符号の説明】
【0072】
1 生ごみ処理装置
2 処理槽
3 処理槽内容物
4 撹拌手段
5 モータ
6 熱風発生器
7 排気ファン
8 制御手段
9 含水率算定論理手段
10 含水率センサ
11 含水率異常検出論理手段
12 水分保持体
13 含水率測定手段
14 水分保持媒体
15 ケーシング
16 処理槽内容物の含水率推移グラフ(含水率推移標準パターン)
17 生ごみの投入
18 含水率増加期
19 含水率減少期
20 水分非平衡状態での含水率推移グラフ
21 ケースA
22 ケースB
23 ケースC
24 分解期間
25 分解期間後の期間
26 含水率調整期間
27 適正含水率の範囲
28 補正(イ)
29 補正(ロ)
30 補正(ハ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽内容物(3)として、生ごみ、菌床、分解生成物等の不均質な混合物を分解処理する生ごみ処理装置(1)であって、
前記処理槽内容物(3)を撹拌する撹拌手段(4)と、
前記処理槽内容物(3)との間で水分の移動を行う水分保持媒体(14)と、
この水分保持媒体(14)の含水率を測定する含水率測定手段(13)と、
この含水率測定手段(13)から得られる前記水分保持媒体(14)の含水率データに基づき前記処理槽内容物(3)の含水率を算定する含水率算定論理手段(9)と
を備えたことを特徴とする生ごみ処理装置(1)。
【請求項2】
前記処理槽内容物(3)の含水率を制御する含水率制御手段(7)と、
前記含水率算定論理手段(9)から得られる前記含水率データと含水率推移標準パターン(16)とを照合した結果に基づき前記含水率制御手段(7)を制御する制御手段(8)と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の生ごみ処理装置(1)。
【請求項3】
前記含水率算定論理手段(9)からの前記含水率データを時系列に記録した含水率時系列データと、
この含水率時系列データと含水率推移特性を示す含水率推移標準パターン(16)とを照合した結果に基づき含水率異常検出を行う含水率異常検出論理手段(11)と
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生ごみ処理装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−281167(P2006−281167A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−108114(P2005−108114)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(305006521)
【出願人】(501388593)株式会社ケミテック (1)
【出願人】(591065549)福岡県 (121)
【Fターム(参考)】