説明

生ゴミ脱臭処理

【課題】 本発明は、簡単な構成により、容易に而も完全に臭気を脱臭することができるようにした生ゴミ脱臭装置又は生ゴミ脱臭処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 順次に連続して接続されたミストフィルタ12,ブロアー13,逆流防止弁14,オゾンフィルタ15,バクテリアフィルターを含む送風ポンプ16,竹炭などから成る活性炭フィルタ17及び酸化チタンを含む光触媒フィルタ18から構成されており、生ゴミ処理装置からの臭気が順次に導入されることにより、前記光触媒フィルタ18から脱臭された空気が排出されるように、生ゴミ脱臭装置10又は生ゴミ処理装置20と一体的な生ゴミ脱臭処理装置30を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば市販の生ゴミ処理装置で発生する臭気を脱臭する生ゴミ脱臭装置及び生ゴミ処理器と一体な生ゴミ脱臭処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような生ゴミ脱臭装置は、生ゴミ処理で発生する例えばトリメチルアミン,硫化メチル,アンモニア,二硫化メチル等を主成分とする臭気を脱臭するものであって、多数のものが存在し、例えば特許文献1及び2に示すように、構成されている。
即ち、特許文献1によれば、生ゴミ脱臭装置は、順にオゾンフィルタ,光触媒フィルタ,活性炭フィルタから構成されており、オゾンフィルタで発生するオゾンにより臭気の粒子を酸化させると共に、光触媒フィルタにて光触媒による殺菌作用や酸化作用等により脱臭を行ない、さらに活性炭フィルタで臭気の粒子を吸着除去して、脱臭を行なうようになっている。
また、特許文献2によれば、生ゴミ脱臭装置は、順に活性炭フィルタ,光触媒フィルタ及びオゾンフィルタから構成されており、同様にして生ゴミで発生する臭気の脱臭を行なうようになっている。
【特許文献1】特開2003−329277号公報
【特許文献2】特開平11−047635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような特許文献1及び2に開示されている生ゴミ脱臭装置においては、オゾンフィルタ,光触媒フィルタ及び活性炭フィルタにより、順次は異なるものの、それぞれ酸化,吸着や殺菌等の作用により、脱臭を行なうようになっている。
しかしながら、このような生ゴミ脱臭装置における脱臭方法では、オゾンフィルタ,光触媒フィルタ及び活性炭フィルタによる脱臭に関して、順序は考慮されておらず、相互に関連して脱臭効果を高めるように構成されてもいないことから、何れも完全に脱臭を行なうことは困難であった。
なおまた、従来の生ゴミ処理装置においては、生ゴミ投入時の初期に生ずる臭気についての解決手段が見られなかった。
【0004】
本発明は、以上の点から、簡単な構成により、生ゴミ投入時の初期に生ずる臭気を排除し、更に生ゴミ処理の終期についても容易に而も完全に臭気を脱臭することができるようにした生ゴミ脱臭装置及び生ゴミ処理器と一体な生ゴミ脱臭処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、本発明によれば、順次に連続して接続されたミストフィルタ,ブロアー,逆流防止弁,オゾンフィルタ,バクテリアフィルタを含む送風ポンプ,竹炭などから成る活性炭フィルタ及び酸化チタンを含む光触媒フィルタから構成されており、
生ゴミ処理器からの臭気が順次に導入されることにより、前記光触媒フィルタから脱臭された空気が排出されることを特徴とする、生ゴミ脱臭装置により、達成される。
【0006】
上記目的は、本発明によればさらに、生ゴミ処理器と一体的に形成され、順次に連続して接続されたミストフィルタ,ブロアー,逆流防止弁,オゾンフィルタ,バクテリアフィルタを含む送風ポンプ,竹炭などから成る活性炭フィルタ及び酸化チタンを含む光触媒フィルタから構成されており、
生ゴミ処理器からの臭気が順次に導入されることにより、前記光触媒フィルタから脱臭された空気が排出されることを特徴とする、生ゴミ脱臭処理装置により、達成される。
【0007】
本発明による生ゴミ脱臭処理装置は、好ましくは、生ゴミ投入口に臭気強制排除装置が付与されている。
【0008】
本発明による生ゴミ脱臭処理装置は、好ましくは、前記臭気強制排除装置がエアースクリーンから成る。
【0009】
本発明による生ゴミ脱臭処理装置は、好ましくは、前記臭気強制排除装置がブロアーから成る。
【発明の効果】
【0010】
上記構成によれば、生ゴミ投入口にエアースクリーン又はブロアーから成る臭気強制排除装置により、生ゴミ投入時の臭気がカットされ、生ゴミ処理装置からの臭気が順次にミストフィルタ,ブロアー,逆流防止弁,オゾンフィルタ,バクテリアフィルタを含む送風ポンプ,竹炭などから成る活性炭フィルタ及び酸化チタンを含む光触媒フィルタに導入されることにより、ミストフィルタで臭気中に含まれるオイルミスト等のガス状物質及び水分が凝縮され、油滴または水滴として回収され、ブロアーにより逆流防止弁を介して強制的に送出される。この際、逆流防止弁が配置されていることにより、臭気の逆流が阻止されることになる。 続いて、ブロアーにより送出された臭気は、オゾンフィルタにて原子状態の酸素と化合することにより、臭気中に含まれる成分の一部が酸化されると共に、殺菌され得ることになる。
【0011】
次に、オゾンフィルタで部分的に酸化された臭気は、バクテリアフィルタを含む送風ポンプにより強制的に竹炭などから成る活性炭フィルタに送り込まれ、活性炭フィルタ内で、活性炭が有する微細孔による広大な表面積に基づいて、臭気の粒子の一部が吸着除去される。
その後、活性炭フィルタを通過した臭気は、酸化チタンを含む光触媒フィルタに導入され、光触媒の触媒作用により、臭気の成分が化学反応を起こすことにより、脱臭・殺菌が行なわれる。
【0012】
上記活性炭フィルタが、竹炭により構成されているので、竹炭が有する微細孔が細かく、その表面積が例えば1g中300乃至600平方mと非常に大きいことから、臭気の粒子に対する吸着・除去能力が非常に大きく、脱臭効果が向上することになる。
上記活性炭フィルタは、オゾンも吸着し、これを完全にシャットアウトすることとなる。
【0013】
上記送風ポンプが、バクテリアフィルタを含んでいるので、この送風ポンプにより臭気が活性炭フィルタに送り込まれる際に、バクテリアフィルタによって臭気中に含まれるバクテリアが除去されることになる。従って、バクテリアの活動によって新たに発酵等による臭気が発生することが阻止され得る。
【0014】
上記光触媒フィルタが、光触媒として、酸化チタンを含んでいるので、その表面に酸化力の強いOHラジカル基が発生することから、このOHラジカル基による臭気の成分の酸化によって、より効果的に脱臭が行なわれ得ることになる。
【0015】
このようにして、本発明による生ゴミ脱臭処理装置によれば、まずミストフィルタにより粗脱臭を行ない、次にオゾンフィルタにて一次脱臭を行ない、さらに活性炭フィルタで二次脱臭を行なった後、最後に光触媒フィルタにて三次脱臭を行なうようになっていると共に、途中に逆流防止弁が設けられていることにより、臭気の逆流が発生するようなことがなく、粗脱臭,一次脱臭,二次脱臭及び三次脱臭の順に、各構成要素が連携することによって、相互に効果的に確実に脱臭を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の好適な実施形態を図1を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明による生ゴミ脱臭装置の一実施形態の構成を示している。
図1において、生ゴミ処理器20の生ゴミ投入口(不図示)には、エアースクリーンから成る臭気強制排除装置(不図示)付与されている。生ゴミ脱臭装置10は、導入口11から順に、ミストフィルタ12と、ブロアー13と、逆流防止弁14と、オゾンフィルタ15と、送風ポンプ16と、活性炭フィルタ17と、光触媒フィルタ18と、排気口19と、から構成されている。
【0018】
上記ミストフィルタ12は、臭気中に含まれる例えばオイルミスト等のガス(ミスト)状の物質や水分(水蒸気)をフィルタ内部で凝結させて、油滴あるいは水滴として捕集して回収することにより、これらの物質を除去するようになっている。
これにより、上記ミストフィルタ12は、ブロアー13の吸引作用により導入口11から導入される臭気の粗脱臭を行なうようになっている。
【0019】
上記ブロアー13は、導入口11からミストフィルタ12を介して臭気を導入し、強制的に逆流防止弁14を介してオゾンフィルタ15内に送出するようになっている。
【0020】
上記逆流防止弁14は、ブロアー13により送り込まれてきた臭気を逆流させないようになっている。
【0021】
上記オゾンフィルタ15と、例えばオゾン発生器によりコロナ放電等を利用して人工的にオゾンを発生させ、原子状態の酸素原子を臭気の成分の一部と結合させて酸化させ殺菌することにより、当該成分の臭気を排除して、一次脱臭を行なう。
【0022】
上記送風ポンプ16は、オゾンフィルタ15にて一次脱臭された臭気を強制的に後述する活性炭フィルタ17に送り込むと共に、乾燥させるようになっている。
尚、上記送風ポンプ16は、内部にバクテリアフィルタを備えているので、これにより、送風ポンプ16により強制的に送出される際に、臭気は、バクテリアが除去され、清浄化されると共に、バクテリアの活動により新たに発酵等で発生する臭気が抑制され得ることになる。
【0023】
上記活性炭フィルタ17は、例えばヤシ殻活性炭,木炭,竹炭等の粒状,繊維状またはこれらの組合せから成る活性炭層によっても良い。これらが有する微細孔による広大な表面積に基づいて、臭気の粒子の一部を吸着保持して、臭気粒子の除去により、二次脱臭を行なう。
尚、上記活性炭フィルタ17は、木炭または竹炭が組み合わされて使用されても良い。例えば木炭は、1gあたり約120乃至300平方mの表面積の微細孔を有しており、また竹炭は、1gあたり約300乃至600平方mの表面積の微細孔を有している。これにより、木炭そして竹炭は、非常に大きな吸着能力を備えている。
【0024】
上記光触媒フィルタ18は、光を吸収して高エネルギー体となって、そのエネルギーを反応物質に与えて化学反応を起こす所謂光触媒を備えており、導入される臭気の成分の少なくとも一部と反応して、例えば酸化等の反応によって、臭気成分の三次脱臭を行なった後、脱臭した空気を排気口19から外部に排出するようになっている。
ここで、光触媒としては、半導体,金属錯体などが使用されても良い。本実施例においては、光触媒として二酸化チタンを使用しているので、光合成に似た触媒作用が起きることによって、二酸化炭素が還元され、脱臭・殺菌作用が生ずる。また、光触媒として酸化チタンを使用する場合には、表面に酸化力の強いOHラジカル基が生成されるので、このOHラジカル基によって、臭気の成分の一部が強力に酸化され、効果的に脱臭が行なわれる。
【0025】
本発明実施形態による生ゴミ脱臭装置10は、以上のように構成されており、導入口11を生ゴミ処理装置20の排気口に接続する。
【0026】
この状態から、本生ゴミ脱臭装置10を運転する、即ちブロアー13及びバクテリアフィルタを含む送風ポンプ16を駆動すると共に、オゾンフィルタ15及び酸化チタンを含む光触媒フィルタ18を作動させると、ブロアー13の吸引力によって、導入口11から生ゴミ処理装置で発生する臭気がミストフィルタ12を介して導入される。その際、臭気がミストフィルタ12を通過することにより、上記ミストフィルタ12によって、臭気中に含まれるガス(ミスト)状の物質や水分が凝結され、油滴あるいは水滴として捕集され、臭気から除去されて、粗脱臭が行なわれる。
【0027】
次に、ブロアー13により、臭気は、逆流防止弁14を介してオゾンフィルタ15に送り込まれる。その際、逆流防止弁14を通過した臭気は、ブロアー13側には逆流することがない。従って、脱臭が効果的に行なわれることになる。
そして、オゾンフィルタ15に送り込まれた臭気は、オゾンフィルタ15内のオゾン発生器で発生するオゾンにより、その成分の一部が原子状態の酸素原子と結合して酸化することにより、当該成分の臭気を排除されると共に、殺菌され、一次脱臭が行なわれる。
【0028】
続いて、送風ポンプ16により、臭気は竹炭などから成る活性炭フィルタ17に送り込まれる。その際、送風ポンプ16にバクテリアフィルタが備えられているので、臭気からバクテリアが除去されることになり、バクテリアの活動によって発酵等で発生する臭気が抑制されることになる。
そして、活性炭フィルタ17を通過する際に、臭気は、その粒子の一部が活性炭フィルタ17を構成する竹炭などから成る活性炭の微細孔の広大な表面積に基づいて、吸着保持され、臭気から除去される。これにより、二次脱臭が行なわれることになる。
【0029】
最後に、臭気は、前記送風ポンプ16による送出によって、光触媒フィルタ18に送り込まれ、酸化チタンを含む光触媒の触媒作用によって、その成分の一部の酸化等の反応によって、臭気成分の三次脱臭が行なわれ、脱臭された空気が排気口19から外部に排出される。
【0030】
このようにして、本発明による生ゴミ脱臭装置10によれば、生ゴミ処理装置から発生する臭気が、導入口11から導入され、順次にまずミストフィルタ12により粗脱臭が行なわれ、次にオゾンフィルタ15にて一次脱臭が行なわれ、さらに活性炭フィルタ17で二次脱臭が行なわれた後、最後に光触媒フィルタ18にて三次脱臭が行なわれると共に、途中に逆流防止弁14が設けられていることにより、臭気の逆流が発生するようなことがない。
従って、各構成要素12,14,15,17,18が互いに連携することによって、粗脱臭,一次脱臭,二次脱臭及び三次脱臭の順に、導入される臭気が脱臭されることにより、効果的に確実に脱臭が行なわれ得ることになる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
上述した実施形態においては、導入口11には生ゴミ処理装置の排気口からの臭気が導入されるようになっているが、これに限らず、他の臭気を発生する各種生ゴミ関連装置からの排気ガスが導入されるようにしてもよいことは明らかである。
これにより、例えば市販の生ゴミ処理装置等に対して、本生ゴミ脱臭装置を後付けで取り付けることにより、生ゴミ処理装置等で発生する臭気を容易に且つ効果的に脱臭することができる。
【0032】
以上述べたように、本発明によれば、簡単な構成により、容易に而も完全に臭気を脱臭することができるようにした、極めて優れた生ゴミ脱臭装置又は生ゴミ脱臭処理装置が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による生ゴミ脱臭装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0034】
10 生ゴミ脱臭装置
11 導入口
12 ミストフィルタ
13 ブロアー
14 逆流防止弁
15 オゾンフィルタ
16 送風ポンプ
17 活性炭フィルタ
18 光触媒フィルタ
19 排気口
20 生ゴミ処理装置
30 生ゴミ脱臭処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次に連続して接続されたミストフィルタ,ブロアー,逆流防止弁,オゾンフィルタ,バクテリアフィルタを含む送風ポンプ,竹炭などから成る活性炭フィルタ及び酸化チタンを含む光触媒フィルタから構成されており、
生ゴミ処理器からの臭気が順次に導入されることにより、前記光触媒フィルタから脱臭された空気が排出されることを特徴とする、生ゴミ脱臭装置。
【請求項2】
生ゴミ処理器と一体的に形成され、順次に連続して接続されたミストフィルタ,ブロアー,逆流防止弁,オゾンフィルタ,バクテリアフィルタを含む送風ポンプ,竹炭などから成る活性炭フィルタ及び酸化チタンを含む光触媒フィルタから構成されており、
生ゴミ処理器からの臭気が順次に導入されることにより、光触媒フィルタから脱臭された空気が排出されることを特徴とする、生ゴミ脱臭処理装置。
【請求項3】
前記生ゴミ脱臭処理装置において、生ゴミ投入口に臭気強制排除装置が付与されている特徴とする、請求項2に記載の生ゴミ脱臭処理装置。
【請求項4】
前記臭気強制排除装置がエアースクリーンから成ることを特徴とする、請求項3に記載の生ゴミ脱臭処理装置。
【請求項5】
前記臭気強制排除装置がブロアーから成ることを特徴とする、請求項3に記載の生ゴミ脱臭処理装置。

【図1】
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【公開番号】特開2006−142249(P2006−142249A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338273(P2004−338273)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(592022039)株式会社トネパ−ツ (4)
【Fターム(参考)】