説明

生体の電圧・電流測定方法

【課題】 高インピーダンスで不安定なターゲットである生体の安定した計測を行う。
【解決手段】 1〜数個のパルス電流を流し電圧波形の変化を調べ、問題無い場合のみ、再度1〜数個のパルス電流を流し、その直後にパルス電流を測定し、次に電圧を測定する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は医療の分野において健康状態のバロメーターとして電圧、電流、抵抗(電圧/電流)、を測定し健康状態の微妙で正確な判定をしようとするものである。
【背景技術】
【0002】
いままでは、直接、電圧を測定し、次にパルス電流を流し、電流を測定していたため、バラツキが大きかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
生体の電圧、電流は人により時間により、また部位により大きく変わる、その変化の上に計測値にバラツキがあると精度の高い判定が出来ないし、信頼性を疑われるものであった。この問題を解決するため、あるポイントにて、安定したデーターを得る方法を確立しようとするものである。
【発明が解決しようとする手段】
【0004】
上記の要望により、いろいろ調べると、このバラツキの原因は生体膜(例えば口腔内粘膜)の特性によることが大きいことが解った、試行錯誤して、上記のパルス操作をして、バラツキの少ない安定したデーターを得ることに成功した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
現在の実行機器レベルに沿って説明していく、図1において通常時はA領域で+1.5Vの電圧値になっている、図2のGND側プローブ2が口腔内粘膜に当てられ、接触側プローブ1が歯の金属部に当てられると、歯の電位に時間をかけて同化していき、B領域に移行していく、ある電圧値(ここでは+0.5V)になるとCPU18で計測開始プログラムが作動され、次にC領域に移る、ここで13μSec(t1)のパルス電流を2回流す、次にD領域に移行する、ここで電流を流したことによる電圧の振れ及び電圧値の安定性(振れ:3mV以下、安定性:10mV/Sec以下)の確認が出来た場合のみE領域に移行できる、もし600mSec間に安定性が確認出来ないと測定を中止する、安定性の確認が取れてE領域に移ると前回と同様13μSec(t1)のパルス電流を2回流す、その後、F領域に移り、20μSec(t2)のパルス電流を流してその値をCPU18で計測する、その後電圧値をCPU18で計測する、その後接触側プローブ1を部位から離すとA領域に移り、次の測定を待つ。ここでの数字はあくまでも、ある実際の製品での一例であり、他の部位(膜が厚いとか、場所及び種類が異なるとか)の計測の場合は数字が違ってくる。
【実施例】
【0006】
以下添付図に従がって実施例を説明する。図1は電圧のタイムチャートである。図2は製品の外形図である。図3は実際使用されている回路のブロック図である。
【0007】
図2において、口腔内で、歯と粘膜間の場合は、接触側プローブ1は歯の金属に接触され、GND側プローブ2は口腔内粘膜に接触され、歯と歯の間の場合は、プローブ1,2をそれぞれの歯に接触され、生体表面の皮膚の経絡間の測定の場合は各経絡ポイントに水を塗り、各プローブを接触する。経絡ポイントを見つけるためには各プローブを移動させ、連続変化している電圧表示LCD5の電圧値が急速に下がる位置をしらべる(例えば今まで1V以上の値であったものが50mV以下になるとか)、これは経絡間では抵抗値が極端に小さくなっているためである。この方法にて、小さな領域(ワンポイント)にて経絡の位置を測定できる。その時の電流値がある値を越える(1μA以上とか)とパルス電流測定をし、電流表示LCD4に電流値が、電圧表示LCD5に電圧値が固定的に表示される。ある値については自由に内部で設定できる。この製品は携帯用なっていて脱着コネクター3により容易にプローブ1,2側と本体ケース7側を分けられる。電源は電池BOX6内に乾電池が内蔵されている。
【0008】
図3は当製品の回路ブロックである。
端子8は接触側プローブ1と接続される。端子9はGND側プローブ2と接続される。GND側プローブ2を口腔内粘膜に、接触側プローブ1を歯の金属に当てると、プローブ間の電圧は電圧側増幅器12で電圧増幅され、絶対値回路13にて入力信号の符号(+−)に関わらず、+の値となる。次にフィルター14はアクティブ・フィルターであり、大きい、色々の周波数のノイズを除き、直流成分のみとする。この値をCPU18のd端子で電圧値を読む、入力信号の符号(+−)は符号判定回路19にてHI,LOWとしてCPU18のe端子より読み込まれる。次に電圧調整器15により、直前の+の入力信号は−の出力信号に変えられる。もし,CPU18のe端子が−の判定を示すならば、CPU18のc端子よりLOWが出力され、電圧調整器15の−出力値は相応の大きさの−出力値となり、符号に関わらず同じ電流値が流れるように調整してある。電流値を計測する場合は、CPU18の端子a及び端子fをHIにすると、接触側アナログ・スイッチ10及びGND側アナログ・スイッチ11がONになる。そうすると、GNDからGND側アナログ・スイッチ11を経てGND側プローブ2、口腔内粘膜、生体内、歯の金属、接触側プローブ1、接触側アナログ・スイッチ10、抵抗16、電圧調整器15の出力、と1方向に電流はながれる。抵抗16の両端子の電圧は、電流側増幅器17を経てCPU18のb端子より電流値として読まれる。
ここでは口腔内粘膜と歯の間の測定についてのべたが、歯と歯の間の測定や、生体表面の経絡間の測定などについても同様な流れである。また一般的には、歯は経絡の1種と考えられてる。
【発明の効果】
【0009】
以上の機能は高インピーダンスで不安定な要素の多い、少しでも電流を流せば系そのものが変わってしまうような、生体の計測には最適である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】今回発明された製品の電圧、電流の流れを示すタイムチャートの説明図である。
【図2】今回発明された製品の外形の説明図である。
【図3】今回使用した電子回路のブロック図である。
【符号の説明】
【0011】
1 接触側プローブ
2 GND側プローブ
3 脱着コネクター
4 電流表示LCD
5 電圧表示LCD
6 電池BOX
7 本体ケース
8 接触側端子
9 GND側端子
10 接触側アナログ・スイッチ
11 GND側アナログ・スイッチ
12 電圧側増幅器
13 絶対値回路
14 アナログ・フィルター
15 電圧調整器
16 抵抗
17 電流側増幅器
18 CPU
19 符号判定回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスにて生体の電圧・電流を測定する場合、まず1〜数個のパルス電流を流して、その後、電圧の値及び振れを測定し十分、安定したことを確認し、その後、再び1〜複数個のパルス電流を流し、電流及び電圧を測定する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−142494(P2008−142494A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357135(P2006−357135)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(507010751)
【Fターム(参考)】