説明

生体光計測装置

【課題】生体光計測装置の受信信号における最大電圧値検出時間を、従来よりも短くすることで、オペレータ及び被検体の負担を軽減する。
【解決手段】複数の光信号をそれぞれ異なる符号パターンにより強度変調をかけ、被検体に照射する。被検体を通過した光信号を電気信号に変換する。変換した電気信号を増幅部で増幅する。増幅された信号をデジタル信号に変換した後、符号パターンにそれぞれ対応する複数の光信号を分離する復号化を行う。このとき増幅部は、電気信号を符号パターンの符号長に対応する一周期分検出することにより、一周期における信号レベルを求め所定の電圧値まで増幅する。一定の符号長の符号パターンを用いているため、符号長に対応する一周期分検出することにより短時間で信号レベルを検出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近赤外光を生体に照射し、生体内部を通過或いは生体内部で反射した光を計測することにより、生体内部の血液循環、血行動態及びヘモグロビン量変化等を計測する生体光計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
臨床医学及び脳科学等の分野では、生体内部を簡便かつ生体に無害な方法で計測する装置が望まれている。このような要望に対し、生体光計測装置は、生体内部の血液循環、血行動態及びヘモグロビン量変化を、光計測により簡便に、被検体に対し低拘束、かつ、無侵襲で計測できる装置であり、臨床への応用が期待されている。
【0003】
また、頭部の広い領域の生体信号を得ることは、脳科学の分野で非常に大きな意味を持つ。生体光計測装置を使用して頭部の広い領域の生体信号を得るためには、多くのチャンネルが必要となる。従来、チャンネルごとに異なる周波数で変調をかけた光を照射し、受光した光信号からロックインアンプにより各チャンネルの信号を検出する方法が採用されている。しかしながら、クロストークを抑えるためには高精度のロックインアンプが必要となり、装置の規模が大きくなるという問題がある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
この問題を解決するために、Walsh符号あるいは擬似雑音符号(PN符号)を使用したスペクトル拡散変調方式が採用されている(例えば特許文献2、3参照)。この方式は、チャンネルごとに異なる符号パターンにより変調をかけた光を照射し、生体内部を通過した受光信号を相関演算により復号化する。これにより、照射位置ごとの光を分離して検出する。
【0005】
また、従来の周波数変調型の生体光計測装置では、複数の変調信号が混ざった状態の光信号を受信器で受信後、AD変換器へ入力する際、AD変換器でのビット間誤差を最小限に抑えるために、特許文献4のように入力電圧を一定時間モニタし、最大となる電圧値を受信器ごとに検出し、可変ゲインで一定電圧に調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−237194号公報
【特許文献2】特開2002−248104号公報
【特許文献3】特開2004−333344号公報
【特許文献4】特開2000−237194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の特許文献4のように、受信信号の最大電圧値を検出して、最大電圧地に応じて可変ゲインを設定する構成の場合、複数信号の重ね合わせにより信号のピーク位置が変化するため、長めの時間計測して最大電圧を検出する必要がある。計測チャンネルが増加し、重ね合わせられる光信号の数が増加するのに伴い、ピーク位置の変化量も大きくなるため、最大電圧の検出時間を長めに設定する必要が生じ、オペレータ及び被検体の負担が大きくなる。
【0008】
本発明の目的は、上記の課題を解決するためになされたものであり、受信信号における最大電圧値検出時間を、従来よりも短くすることで、オペレータ及び被検体の負担の軽減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によれば以下のような生体光計測装置が提供される。すなわち、複数の光信号をそれぞれ異なる符号パターンにより強度変調をかけ、被検体に照射する光照射部と、被検体を通過した光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、光電変換素子の出力信号を増幅する増幅部と、増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、AD変換器の出力信号を復号化し、符号パターンにそれぞれ対応する複数の光信号を分離する復号化部と、復号化した光信号を演算処理する信号処理部とを有する生体光計測装置であって、光照射部は、複数の符号パターンとして、符号長が一定のものを用いる。増幅部は、光電変換素子の出力信号を、符号パターンの符号長に対応する一周期分検出することにより、一周期における信号レベルを求め、求めた信号レベルを所定の電圧値まで増幅する。一定の符号長の符号パターンを用いているため、符号長に対応する一周期分検出することにより、その中に最大値が必ず含まれる。よって、短時間で信号レベルを検出できる。
【0010】
一周期は、符号長に信号の伝送速度を掛けた時間とする。
【0011】
増幅部の検出する前記信号レベルは、例えば最大電圧値とする。
【0012】
また、本発明の別の態様によれば、以下のような生体光計測装置が提供される。複数の光信号をそれぞれ異なる符号パターンにより強度変調をかけ、被検体に照射する光照射部と、被検体を通過した光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、光電変換素子の出力信号を増幅する増幅部と、増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、AD変換器の出力信号を復号化し、符号パターンにそれぞれ対応する光信号を分離する復号化部と、復号化した光信号を演算処理する信号処理部とを有する生体光計測装置であって、光照射部は、複数の符号パターンとして符号長が異なるものを用いる。増幅部は、光電変換素子の出力信号を、符号パターンの符号長のうち最長の符号長に対応する一周期分検出することにより一周期における信号レベルを求め、求めた信号レベルを所定の電圧値まで増幅する。異なる符号長の符号パターンを用いる場合であっても、最長の符号長に対応する一周期分検出することにより信号レベルを検出できる。
【0013】
複数の符号パターンのうち最長の符号長は、それよりも短い符号長の整数倍であることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、同期させた一定周期の異なる符号パターンで送信光を変調し、受信信号の信号レベルを検出する時間を符号パターンの1周期分とすることにより、最大値を検出することができる。よって、大幅な時間短縮が可能となり、オペレータ及び被検体の負担の軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の生体光計測装置の全体構成を説明するためのブロック図。
【図2】図1の生体光計測装置の一部の詳細構成を示すブロック図。
【図3】図2の光電変換素子10の電圧検出部26が検出する電圧波形と増幅後の波形を示す説明図。
【図4】比較例の異なる周波数で変調した信号波形を示す説明図。
【図5】本実施形態の異なる符号パターンによりスペクトル拡散した信号波形を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態の生体光計測装置について説明する。
【0017】
生体光計測装置は、近赤外光を生体に照射し、生体内部を通過或いは生体内部で反射した光(以下、単に通過光という)を生体の表面近傍からを検出し、生体内部の血液循環、血行動態及びヘモグロビン量変化等を計測する装置である。
【0018】
まず、生体光計測装置の概要について図1を用いて説明する。近赤外光を照射する光照射部1と、通過光を計測し、電気信号に変換する光計測部2と、光照射部1及び光計測部2の駆動を制御する制御部3とを備えている。
【0019】
光照射部1は、複数の信号をそれぞれに割り当てられた符号パターンを用いてスペクトル拡散するための変調回路を搭載したスペクトル拡散変調部4と、スペクトル拡散変調部4で生成されたスペクトル拡散信号を光信号に変換して出射する半導体レーザ5を備えている。半導体レーザ5の出力光は、光ファイバ6を伝搬し、その出射端から被検体7の所定の計測部位、例えば頭部の複数箇所に向けて照射される。
【0020】
なお、光ファイバ6の出射端は、被検体7に取り付けられたプローブホルダ8に固定され、これにより所定の複数の照射位置に配置され、所定の計測部位へ向けて光信号をそれぞれ照射する。また、プローブホルダ8には、1以上の検出用光ファイバ9の入射端が固定されている。被検体7の計測領域を通過した光は検出用光ファイバ9に入射し、これを伝搬する。
【0021】
なお、半導体レーザ5の光の波長は、生体内の注目物質の吸収波長に応じて選択する。たとえば、ヘモグロビン(Hb)と酸素化ヘモグロビンHbO の濃度を計測することにより、被検体の血液の酸素飽和度や血液量を計測する場合には600nm〜1400nmの波長範囲から1あるいは複数波長選択して用いる。また、半導体レーザ5の代わりに発光ダイオードを用いてもよい。
【0022】
光計測部2は、検出用光ファイバ9を伝搬した光信号を光量に対応する電気信号に変換するフォトダイオード等の光電変換素子10と、光電変換素子10からの電気信号を一定レベルの電圧値に増幅するアナログゲイン部11と、アナログゲイン部11で増幅された出力信号をデジタル信号に変換するAD変換器12とを備えている。
【0023】
光計測部2のAD変換器12の出力は、復調部13へ入力される。この復調部は、スペクトル拡散時に用いた符号パターンを用いて、AD変換器12の出力信号に相関処理を施し、それぞれの符号パターンに対応する受信信号を取り出す復号化処理を行う。この受信信号は、各光信号が通過した部位(計測部位)の生体情報(例えば、ヘモグロビン変化情報等)を含んでいる。
【0024】
制御部3は、信号処理部14を制御し、復調部13から出力された信号を演算処理させ、生体情報、例えば酸素化ヘモグロビン濃度変化、脱酸素化ヘモグロビン濃度変化、全ヘモグロビン濃度変化などをチャンネル(計測部位)毎に算出する。さらに、信号処理部14では、算出した生体情報を示すグラフやそれを被検体の二次元画像上にプロットした画像を作成し、表示部15に表示させる。制御部3に接続されている記憶部16には、信号処理部14の処理に必要なデータや処理結果が格納される。また、制御部3には、装置の動作に必要な種々の指令を入力するための入出力部17が備えられている。
【0025】
図2を用いて装置の各部の具体的な構成と動作についてさらに説明する。
【0026】
図2は、図1の光照射部1、光計測部2および復調部13を詳細に記載したものである。図2のスペクトル拡散変調部4では、所定の符号長の符号パターンを複数種類生成する。所定の符号長の符号パターンとしては、ここでは擬似乱数符号(PN符号:Pseudorandom Noise符号)の一種であるアダマール符号を用いる。符号長は、一例として128bitとする。信号の伝送速度を10.24kbit/secとした場合、送信される信号は、符号長/伝送速度=128/10.24×10=12.5msecの周期で繰り返される。
【0027】
図2では、半導体レーザ5を8個用いるため、スペクトル拡散変調部4は、8種類の符号パターンを生成し、この符号に対応して強度変調された上記伝送速度のアナログ信号を生成する。これを8個の半導体レーザ5に駆動信号として入力する。これにより、8個の半導体レーザ5には、それぞれスペクトル拡散変調部で生成された異なる符号パターンに対応して強度変調された光信号を出射する。
【0028】
本実施形態では酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの2種類を注目物質とするため、これらの吸収波長に対応する2種類の波長、例えば695nm及び830nmの光信号を計測部位に同時に照射する。8個の半導体レーザ5のうち4個の半導体レーザ51,53,55,57は発光波長695nm、残りの4個の半導体レーザ52,54,56,58は発光波長830nmとする。695nmの光信号と830nmの光信号を一組として4本のファイバ61,62、63、64に入射することにより、2つの光信号を重畳して被検体7まで伝搬して所定の計測部位へ向けてそれぞれ照射する。よって、被検体の4か所の計測部位(チャンネル)へ向けて、4本の光ファイバ6からそれぞれ2つの光信号が照射されるため、合計8個の光信号が被検体7に照射されることになる。
【0029】
なお、符号パターンはアマダール符号に限られるものではなく、M系列やGold符号などの他種の符号を用いることも可能である。また、擬似乱数符号だけでなく、Walsh符号を用いることも可能である。符号長も任意に設定できる。レーザ部の半導体レーザの個数については8個に限定されるものではなく、任意に増減が可能である。
【0030】
被検体へ照射された8個の光信号は、重畳された状態で光電変換素子10により検出され、電圧信号に変換される。図2では、光電変換素子は1個の場合を図示しているが、これに限定されるものではなく、検出用光ファイバ9を複数本用い、その入射端を複数箇所に配置することも可能である。これにより、さらに広い面積もしくは多チャンネルの計測が可能となる。
【0031】
光電変換素子10としてはアバランシェフォトダイオード(APD)を使用することが望ましいが、フォトダイオードや光電子増倍管(フォトマル)を使用した場合でも同様の結果が得られる。
【0032】
光電変換素子10から出力された電圧信号はアナログゲイン部11へ入力される。このアナログゲイン部11は、信号の最大値を検出する電圧検出部26と、信号電圧を増幅するアンプ27とを含む。電圧検出部26で検出した信号の最大値に応じて、アンプ27の増幅率を設定し、AD変換器12へ入力する信号電圧の最大値を一定にする。これにより、計測部位(チャンネル)ごとの光信号の光強度レベルのばらつきに関わらず、AD変換器でのビット間誤差を最小限に抑えることが可能となる。
【0033】
具体的には、図3に示すように、電圧検出部26は、スペクトル拡散変調部で生成された符号パターンの1符号長(128bit)に対応する1周期分の電圧信号(ここでは1周期=符号長/伝送速度=12.5msec)を読み込み、最大電圧値29を検出する。
【0034】
電圧検出部26から出力される最大電圧値29はアンプ27に入力される。アンプ27は、所定のプログラムにより最大電圧値29に応じてゲインを変更し、入力された最大電圧値29が所定値、例えば2Vとなるようにゲインを設定する。
【0035】
その後、2Vに設定された信号はAD変換器12に入力され、所定のサンプリング周期でサンプリングされ、その信号強度により0または1と判断され、デジタル信号へと変換される。このとき、アナログゲインにより各チャンネルの信号の最大電圧値29が所定値に揃えられているため、AD変換器12は、ビット間誤差を最小限に抑え、精度よくデジタル信号へ変換することができる。
【0036】
このように、本実施形態では、スペクトル拡散方式を用いることにより、符号長に対応する1周期の間、電圧値を検出することにより最大値を検出することができる。よって、検出時間は12.5msecとなり、従来の周波数変調を用いる比較例(検出時間1sec)と比較し、約1/80に短縮可能となり、オペレータおよび被検体の負担を軽減できる。
【0037】
これをさらに図4、図5を用いて具体的に説明する。図4および図5は横軸が時間、縦軸が電圧を示しており、いずれも2つの信号1,2の信号波形を示している。
【0038】
図4は比較例の周波数変調を用いる生体光計測装置の変調信号である。図4から明らかなように信号1の変調波形130と、信号2の変調波形131は、周波数が異なっている。周波数により信号1と信号2を区別し、ロックインアンプを用いることにより信号1および信号2をそれぞれ取り出すことができる。なお、点線132は、AD変換器28のサンプリング周期を示している。
【0039】
図4の周波数変調方式の場合、信号1の波形130と信号2の波形131は、変調周波数が異なるため、受信でのサンプリング周期132のどのタイミングで最大電圧となるかを予想することは難しい。そこで、従来の方法では、1sec程度の長い時間、信号のサンプリングを行い最大電圧を求める方法が用いられている。
【0040】
一方、図5は本実施形態のスペクトル拡散変調方式を採用した場合の変調信号である。信号1と信号2の符号パターンは異なるが、周期は符号長に対応しているため同期した128bitに固定されている。信号周波数もサンプリング周期42と同期している。このため、最大電圧値は1周期128bit分のデータ中に必ず発生する。そこで、本実施の形態では電圧検出部26において128bit分のデータに対応する1周期(12.5msec)を取り込むことにより、最大電圧値を求めることができる。よって、周波数変調方式の比較例と比べ、本実施形態の検出時間は約1/80に短縮される。
【0041】
AD変換器12によりデジタル信号に変換された受信信号は、図2のように復調部13により復号化される。復調部13は、CDMA復号化部30と、デジタルゲイン部31とRAM32とを備えている。CDMA復号化部30は、スペクトル拡散変調部4が8個の半導体レーザ5の駆動のために生成した8種類の符号パターンを、AD変換器12の出力信号とそれぞれ積算する。これにより、光学変換素子10が受光した8つの光信号の混合信号から、当該符号パターンに対応する8つの光信号をそれぞれ分離して取り出すことができる(復号化)。復号化された光信号は、デジタルゲイン31において、オペレータが設定する電圧値にそれぞれ増幅される。増幅後の信号データは、RAM32に格納される。
【0042】
制御部33は、RAM32に格納された8種類の信号データを読み出し、信号処理部14に公知の演算処理を実行させることにより、酸素飽和度や血流量等の所望のデータを求め、演算結果を表示部15に表示させる。また、必要に応じて、記憶部16に演算結果を格納する制御をおこなう。
【0043】
なお、ここでは電圧検出部26において最大値を検出したが、必ずしも最大値である必要はなく、最小値や平均値等を検出し、それを所定の電圧値にするようにアンプ27のゲインを設定することも可能である。この場合も、AD変換器12においてビット間誤差を最小限に抑えるという効果が得られる。
【0044】
上述の実施形態では、スペクトル拡散変調部が符号長一定の複数の符号パターンを生成する例について説明したが、必ずしも一定の符号パターンではなくてもよく、符号長が異なっていてもよい。符号長が異なる場合、電圧検出部26は、最長の符号長に対応する一周期の時間、すなわち最長の符号長×伝送速度を検出時間とする。なお、最長の符号長は、それよりも短い符号長の整数倍であることが望ましい。
【符号の説明】
【0045】
1…光照射部、2…光計測部、3…制御部、4…スペクトル拡散変調部、5…半導体レーザ、6…光ファイバ、7…被検体、8…プローブホルダ、9…検出用光ファイバ、10…光電変換素子、11…ゲイン、12…AD変換器、13…復調部、14…信号処理部、15…表示部、16…記憶部、17…入出力部、30…CDMA復号化部、31…デジタルゲイン、32…RAM、40…信号1、41…信号2、42…サンプリング周期、130…信号1、131…信号2、132…サンプリング周期。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光信号をそれぞれ異なる符号パターンにより強度変調をかけ、被検体に照射する光照射部と、前記被検体を通過した光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、光電変換素子の出力信号を増幅する増幅部と、増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、AD変換器の出力信号を復号化し、前記符号パターンにそれぞれ対応する複数の光信号を分離する復号化部と、復号化した光信号を演算処理する信号処理部とを有し、
前記光照射部は、複数の前記符号パターンとして、符号長が一定のものを用い、
前記増幅部は、前記光電変換素子の出力信号を、前記符号パターンの符号長に対応する一周期分検出することにより該一周期における信号レベルを求め、求めた信号レベルを所定の電圧値まで増幅することを特徴とする生体光計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体光計測装置において、前記一周期は、前記符号長に光信号の伝送速度を掛けた時間であることを特徴とする生体光計測装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生体光計測装置において、前記増幅部の検出する前記信号レベルは、最大電圧値であることを特徴とする生体光計測装置。
【請求項4】
複数の光信号をそれぞれ異なる符号パターンにより強度変調をかけ、被検体に照射する光照射部と、前記被検体を通過した光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、光電変換素子の出力信号を増幅する増幅部と、増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、AD変換器の出力信号を復号化し、前記符号パターンにそれぞれ対応する複数の光信号を分離する復号化部と、復号化した光信号を演算処理する信号処理部とを有し、
前記光照射部は、複数の前記符号パターンとして符号長が異なるものを用い、
前記増幅部は、前記光電変換素子の出力信号を、前記符号パターンの符号長のうち最長の符号長に対応する一周期分検出することにより該一周期における信号レベルを求め、求めた信号レベルを所定の電圧値まで増幅することを特徴とする生体光計測装置。
【請求項5】
請求項4に記載の生体光計測装置において、前記複数の符号パターンのうち最長の符号長は、それよりも短い符号長の整数倍であることを特徴とする生体光計測装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の生体光計測装置において、前記一周期は、前記符号長に光信号の伝送速度を掛けた時間であることを特徴とする生体光計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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