生体情報測定装置
【課題】本発明は、たとえば、血液中から血糖値などの生体情報を測定する生体情報測定装置に関するもので、血液の浸入を検出することを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、センサ挿入口２を有する本体ケース１と、この本体ケース１内の前記センサ挿入口２に対応する部分に設けたセンサ接続部７と、このセンサ接続部７に接続した測定部１０とを備え、前記本体ケース１内のセンサ挿入口２とセンサ接続部７間に液体吸引部１２を設け、この液体吸引部１２は液体通路１３を介して液体浸入部１５に連通させ、この液体浸入部１５は前記本体ケース１の表面部に露出する液体浸入表示窓１４に対向させた。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、センサ挿入口２を有する本体ケース１と、この本体ケース１内の前記センサ挿入口２に対応する部分に設けたセンサ接続部７と、このセンサ接続部７に接続した測定部１０とを備え、前記本体ケース１内のセンサ挿入口２とセンサ接続部７間に液体吸引部１２を設け、この液体吸引部１２は液体通路１３を介して液体浸入部１５に連通させ、この液体浸入部１５は前記本体ケース１の表面部に露出する液体浸入表示窓１４に対向させた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、たとえば、血液中から血糖値などの生体情報を測定する生体情報測定装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のこの種、生体情報測定装置の構成は、センサ挿入口を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ挿入口に対応する部分に設けたセンサ接続部と、このセンサ接続部に接続した測定部とを備えた構成となっていた（例えば下記特許文献１）。
【０００３】
すなわち、血糖値センサを、センサ挿入口から本体ケース内に挿入して測定部に電気的に接続し、この測定部で血糖値を測定するようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】国際公開第２００５／０００１１４号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記従来例における課題は、血液がセンサ挿入口から本体ケースの内部に浸入した時に、この血液の浸入を検出できないことであった。
【０００６】
すなわち、血糖値の測定においては、血糖値センサを、センサ挿入口から本体ケース内に挿入して測定部に電気的に接続し、この状態で、血糖値センサの点着部に血液を点着して、前記測定部で血糖値を測定する。前記血液の点着時には、たとえば、測定者が注射器を用いて、注射器中に保持した血液を点着部に点着させる時がある。
【０００７】
この点着時に、誤ってピストンを強く押してしまうと、注射器からは大量の血液が点着部に対して射出されることとなり、この射出された大量の血液が、点着部から流れだして、血糖値センサの上面を伝ってセンサ挿入口まで到達し、このセンサ挿入口から本体ケース内部へと浸入してしまうことがある。
【０００８】
そして、血液が浸入した状態で本体ケースを放置してしまうと、衛生的に不適切な状態となってしまうのであった。
【０００９】
そこで本発明は、血液の浸入を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
そして、この目的を達成するために本発明は、センサ挿入口を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ挿入口に対応する部分に設けたセンサ接続部と、このセンサ接続部に接続した測定部とを備え、前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に液体吸引部を設け、この液体吸引部は液体通路を介して液体浸入部に連通させ、この液体浸入部は前記本体ケースの表面部に露出する液体浸入表示窓に対向させた構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【００１１】
以上のように本発明は、センサ挿入口を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ挿入口に対応する部分に設けたセンサ接続部と、このセンサ接続部に接続した測定部とを備え、前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に液体吸引部を設け、この液体吸引部は液体通路を介して液体浸入部に連通させ、この液体浸入部は前記本体ケースの表面部に露出する液体浸入表示窓に対向させた構成としたものであるので、本体ケース内部への血液の浸入を検出できる。
【００１２】
すなわち、本発明においては、センサ挿入口から本体ケース内部へと浸入してきた血液を、まず、前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に設けた液体吸引部によって、液体吸引部へと吸い込む。次に、この液体吸引部は、吸い込んだ血液を液体通路を介して液体浸入部へと導くこととする。
【００１３】
この液体浸入部は、液体浸入表示窓に対向配置させているので、その結果として、本体ケース内部への血液の浸入を、この液体浸入表示窓により、測定者が目視にて確認することができるものとなる。
【００１４】
したがって、血液が浸入した生体情報測定装置を、そのまま放置あるいは使用しつづけることがなく、衛生的に不適切な状態を回避することができる。なお、血液の浸入を確認した測定者は、その生体情報測定装置を、たとえばサービスセンターに送ると、このサービスセンターにて本体ケース内部が清掃され、これにより、生体情報測定装置は衛生的に適切な状態が維持されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置の斜視図
【図２】同、制御ブロック図
【図３】同、要部断面図
【図４】同、要部断面斜視図
【発明を実施するための形態】
【００１６】
図１において、１は本体ケースで、この本体ケース１の先端側には、センサ挿入口２が設けられ、また、この本体ケース１の上面で、センサ挿入口２側には操作部３が配置され、後方側には、表示部４が配置されている。
【００１７】
すなわち、長板形状の血糖値センサ（生体情報測定センサの一例）５の後方に設けた接続端子６を、センサ挿入口２から、その後方のセンサ接続部７（図３）に挿入し、その状態で、注射器８を用いて血糖値センサ５の前方に設けた点着部９に血液を点着すれば、図２の測定部１０で血糖値が測定され、図２の制御部１１を介して、表示部４に血糖値が表示されるようになっている。
【００１８】
図３は本実施形態の要部の断面図を示しており、上述したように、血糖値センサ（生体情報測定センサの一例）５の後方に設けた接続端子６を、センサ挿入口２から本体ケース１内のセンサ接続部７に挿入した状態を示している。この状態において、血糖値センサ５の接続端子６は、センサ接続部７に電気的、機械的に接続された状態となっており、このセンサ接続部７を介して、接続端子６は、図２の測定部１０に電気的に接続されている。なお、前記操作部３を操作することにより、本体ケース１から血糖値センサ５を排出できる構成としている。
【００１９】
また、本実施形態においては、本体ケース１内のセンサ挿入口２とセンサ接続部７間に液体吸引部１２を設けている。この液体吸引部１２は、図３、図４に示すごとく、上下面が開口した中空の板状立方体により構成されており、その前側面と後側面を所定間隔（たとえば１ミリ）で対向させ、この間隙により液体通路１３を形成している。
【００２０】
さらに、液体吸引部１２の上方には、中空の立方体を設け、その上面を、図１に示すごとく、液体浸入表示窓１４として本体ケース１の表面部に露出させるとともに、この液体浸入表示窓１４の下方の中空空間を液体浸入部１５としている。
【００２１】
そして、前記液体吸引部１２は、図３に示すごとく、液体通路１３を介して液体浸入部１５に連通させており、また、液体浸入部１５は、液体浸入表示窓１４に対向配置されているので、この液体浸入表示窓１４を介して、液体浸入部１５内の状態を、本体ケース１外から目視確認することができるようになっている。
【００２２】
なお、液体浸入部１５の後端側面には、通気孔１６を設けている。
【００２３】
また、液体浸入表示窓１４は、透明部材によって構成しており、測定者が本体ケース１の液体浸入表示窓１４を通して、液体浸入部１５内を確認できるものとしている。
【００２４】
図４は、本実施形態の要部を示す断面斜視図で、液体吸引部１２と液体浸入部１５の内部が見える状態としている。
【００２５】
図４において、液体吸引部１２の液体通路１３は、その通路全体を（多孔質体の一例として）綿１７で充填している。また、液体吸引部１２の上端部は、その内部の綿１７の上部を、液体浸入部１５内にまで延長して設けており、液体浸入部１５内に充填して設けた綿１７ａに接続している。
【００２６】
一方、液体吸引部１２の下端部は、血糖値センサ５の上面に対して、所定間隔（たとえば１ミリ）で対向配置させており、さらに、この液体吸引部１２下端部の一端側から他端側が、血糖値センサ５の一端側から他端側を覆うように設けている。
【００２７】
このため、図３に示すごとく、前記液体吸引部１２下端部と血糖値センサ５とにより形成される間隙部の開口面積（液体吸引部１２の開口面積）は、センサ挿入口２の開口面積よりも小さく形成されるものとなっている。
【００２８】
以上の説明により、本実施形態の構成が理解された所で、以下、その作用について説明する。
【００２９】
まず、図１に示すごとく、血糖値を測定する場合には、測定者は血糖値センサ５を、センサ挿入口２から本体ケース１内に挿入して測定部１０に電気的に接続し、たとえば、測定者が注射器８を用いて血糖値センサ５の点着部９に血液を点着させる。この時、誤って注射器８のピストン１８を強く押してしまうと、注射器８からは大量の血液が点着部９に対して射出されることとなる。そして、この射出された大量の血液は、点着部９から流れだし、血糖値センサ５の上面を伝ってセンサ挿入口２まで到達し、このセンサ挿入口２から本体ケース１内部へと浸入してしまうことがある。
【００３０】
この状態を図３を用いて説明する。図３において、血糖値センサ５の上面を伝ってセンサ挿入口２まで到達した血液は、センサ挿入口２から本体ケース１の内部へと浸入していき、液体吸引部１２に到達する。この時、血液は、液体吸引部１２の液体通路１３に充填された綿１７に接触することとなる。すると、多孔質体である綿１７は、ただちに血液の吸引を開始する。
【００３１】
この吸引された血液は、綿１７の毛細管現象によって液体通路１３に引き込まれていき、この液体通路１３を通って液体浸入部１５に到達する。なお、この液体浸入部１５には、上述のごとく、通気孔１６を設けているため、この通気孔１６を通して液体浸入部１５内の空気を排出することができる。従って、血液を液体浸入部１５の綿１７ａに、十分に引き込むことができるものとなっている。
【００３２】
すなわち、血液は、液体浸入部１５内の綿１７ａに引き込まれ、液体浸入表示窓１４を通して測定者が観察可能な状態となる。
【００３３】
その結果として、本体ケース１内部への血液の浸入を、測定者が目視にて確認できるものとなるのである。
【００３４】
その後、血液の浸入を確認した測定者が、本実施形態の生体情報測定装置をサービスセンターに送ると、このサービスセンターにて本体ケース１内部が清掃され、これにより、生体情報測定装置は衛生的に適切な状態が維持されることとなる。
【００３５】
さらに本実施形態においては、液体浸入部１５の容積を、液体通路１３の容積に比べて十分に大きなものとしている。このため、本体ケース１内部に浸入してくる血液を十分に引き込むことができる。
【００３６】
このため、センサ接続部７への血液の到達を効果的に防止することができるものとなっている。
【００３７】
これを今少し説明すると、たとえば、血液がセンサ接続部７に到達してしまうと、センサ接続部７内部に設けられた接続受け端子（図示せず）に血液が付着することになる。そして、ひとたび接続受け端子（図示せず）に血液が付着してしまうと、センサ接続部７内部の清掃は非常に困難なものとなる。
【００３８】
このため、本実施形態においては、液体浸入部１５の容積を、液体通路１３の容積に比べて十分に大きなものとし、この大型の液体浸入部１５に血液を十分に引き込むことにより、センサ接続部７への血液の到達を防止するのである。これにより、センサ接続部７への決定的なダメージを効果的に防止することができる。
【００３９】
さらに本実施形態においては、多孔質体である綿１７、綿１７ａを、有色系（たとえば、薄い青色）で構成している。
【００４０】
このため、血液以外の無色の液体が、本体ケース１の内部に浸入したとしても、血液の時と同様に、この液体を薄い青色をした綿１７、綿１７ａが吸い上げるのであるが、無色の液体を吸い上げた綿１７、綿１７ａは、薄い青色から濃い青色に変色することになる。
【００４１】
その結果として、血液以外の無色の液体の浸入も、液体浸入表示窓１４を通して測定者が目視にて確認できるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【００４２】
以上のように本発明は、センサ挿入口を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ挿入口に対応する部分に設けたセンサ接続部と、このセンサ接続部に接続した測定部とを備え、前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に液体吸引部を設け、この液体吸引部は液体通路を介して液体浸入部に連通させ、この液体浸入部は前記本体ケースの表面部に露出する液体浸入表示窓に対向させた構成としたものであるので、本体ケース内部への血液の浸入を検出できる。
【００４３】
すなわち、本発明においては、センサ挿入口から本体ケース内部へと浸入してきた血液を、まず、前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に設けた液体吸引部によって、液体吸引部へと吸い込む。次に、この液体吸引部は、吸い込んだ血液を液体通路を介して液体浸入部へと導くこととする。
【００４４】
この液体浸入部は、液体浸入表示窓に対向配置させているので、その結果として、本体ケース内部への血液の浸入を、この液体浸入表示窓により、測定者が目視にて確認することができるものとなる。
【００４５】
したがって、血液が浸入した生体情報測定装置を、そのまま放置あるいは使用しつづけることがなく、衛生的に不適切な状態を回避することができる。なお、血液の浸入を確認した測定者は、その生体情報測定装置を、たとえばサービスセンターに送ると、このサービスセンターにて本体ケース内部が清掃され、これにより、生体情報測定装置は衛生的に適切な状態が維持されることとなる。
【００４６】
したがって、たとえば、血液中から血糖値などの生体情報を測定する生体情報測定装置として、広く活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【００４７】
１ 本体ケース
２ センサ挿入口
３ 操作部
４ 表示部
５ 血糖値センサ
６ 接続端子
７ センサ接続部
８ 注射器
９ 点着部
１０ 測定部
１１ 制御部
１２ 液体吸引部
１３ 液体通路
１４ 液体浸入表示窓
１５ 液体浸入部
１６ 通気孔
１７ 綿
１７ａ 綿
１８ ピストン
【技術分野】
【０００１】
本発明は、たとえば、血液中から血糖値などの生体情報を測定する生体情報測定装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のこの種、生体情報測定装置の構成は、センサ挿入口を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ挿入口に対応する部分に設けたセンサ接続部と、このセンサ接続部に接続した測定部とを備えた構成となっていた（例えば下記特許文献１）。
【０００３】
すなわち、血糖値センサを、センサ挿入口から本体ケース内に挿入して測定部に電気的に接続し、この測定部で血糖値を測定するようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】国際公開第２００５／０００１１４号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記従来例における課題は、血液がセンサ挿入口から本体ケースの内部に浸入した時に、この血液の浸入を検出できないことであった。
【０００６】
すなわち、血糖値の測定においては、血糖値センサを、センサ挿入口から本体ケース内に挿入して測定部に電気的に接続し、この状態で、血糖値センサの点着部に血液を点着して、前記測定部で血糖値を測定する。前記血液の点着時には、たとえば、測定者が注射器を用いて、注射器中に保持した血液を点着部に点着させる時がある。
【０００７】
この点着時に、誤ってピストンを強く押してしまうと、注射器からは大量の血液が点着部に対して射出されることとなり、この射出された大量の血液が、点着部から流れだして、血糖値センサの上面を伝ってセンサ挿入口まで到達し、このセンサ挿入口から本体ケース内部へと浸入してしまうことがある。
【０００８】
そして、血液が浸入した状態で本体ケースを放置してしまうと、衛生的に不適切な状態となってしまうのであった。
【０００９】
そこで本発明は、血液の浸入を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
そして、この目的を達成するために本発明は、センサ挿入口を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ挿入口に対応する部分に設けたセンサ接続部と、このセンサ接続部に接続した測定部とを備え、前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に液体吸引部を設け、この液体吸引部は液体通路を介して液体浸入部に連通させ、この液体浸入部は前記本体ケースの表面部に露出する液体浸入表示窓に対向させた構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【００１１】
以上のように本発明は、センサ挿入口を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ挿入口に対応する部分に設けたセンサ接続部と、このセンサ接続部に接続した測定部とを備え、前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に液体吸引部を設け、この液体吸引部は液体通路を介して液体浸入部に連通させ、この液体浸入部は前記本体ケースの表面部に露出する液体浸入表示窓に対向させた構成としたものであるので、本体ケース内部への血液の浸入を検出できる。
【００１２】
すなわち、本発明においては、センサ挿入口から本体ケース内部へと浸入してきた血液を、まず、前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に設けた液体吸引部によって、液体吸引部へと吸い込む。次に、この液体吸引部は、吸い込んだ血液を液体通路を介して液体浸入部へと導くこととする。
【００１３】
この液体浸入部は、液体浸入表示窓に対向配置させているので、その結果として、本体ケース内部への血液の浸入を、この液体浸入表示窓により、測定者が目視にて確認することができるものとなる。
【００１４】
したがって、血液が浸入した生体情報測定装置を、そのまま放置あるいは使用しつづけることがなく、衛生的に不適切な状態を回避することができる。なお、血液の浸入を確認した測定者は、その生体情報測定装置を、たとえばサービスセンターに送ると、このサービスセンターにて本体ケース内部が清掃され、これにより、生体情報測定装置は衛生的に適切な状態が維持されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置の斜視図
【図２】同、制御ブロック図
【図３】同、要部断面図
【図４】同、要部断面斜視図
【発明を実施するための形態】
【００１６】
図１において、１は本体ケースで、この本体ケース１の先端側には、センサ挿入口２が設けられ、また、この本体ケース１の上面で、センサ挿入口２側には操作部３が配置され、後方側には、表示部４が配置されている。
【００１７】
すなわち、長板形状の血糖値センサ（生体情報測定センサの一例）５の後方に設けた接続端子６を、センサ挿入口２から、その後方のセンサ接続部７（図３）に挿入し、その状態で、注射器８を用いて血糖値センサ５の前方に設けた点着部９に血液を点着すれば、図２の測定部１０で血糖値が測定され、図２の制御部１１を介して、表示部４に血糖値が表示されるようになっている。
【００１８】
図３は本実施形態の要部の断面図を示しており、上述したように、血糖値センサ（生体情報測定センサの一例）５の後方に設けた接続端子６を、センサ挿入口２から本体ケース１内のセンサ接続部７に挿入した状態を示している。この状態において、血糖値センサ５の接続端子６は、センサ接続部７に電気的、機械的に接続された状態となっており、このセンサ接続部７を介して、接続端子６は、図２の測定部１０に電気的に接続されている。なお、前記操作部３を操作することにより、本体ケース１から血糖値センサ５を排出できる構成としている。
【００１９】
また、本実施形態においては、本体ケース１内のセンサ挿入口２とセンサ接続部７間に液体吸引部１２を設けている。この液体吸引部１２は、図３、図４に示すごとく、上下面が開口した中空の板状立方体により構成されており、その前側面と後側面を所定間隔（たとえば１ミリ）で対向させ、この間隙により液体通路１３を形成している。
【００２０】
さらに、液体吸引部１２の上方には、中空の立方体を設け、その上面を、図１に示すごとく、液体浸入表示窓１４として本体ケース１の表面部に露出させるとともに、この液体浸入表示窓１４の下方の中空空間を液体浸入部１５としている。
【００２１】
そして、前記液体吸引部１２は、図３に示すごとく、液体通路１３を介して液体浸入部１５に連通させており、また、液体浸入部１５は、液体浸入表示窓１４に対向配置されているので、この液体浸入表示窓１４を介して、液体浸入部１５内の状態を、本体ケース１外から目視確認することができるようになっている。
【００２２】
なお、液体浸入部１５の後端側面には、通気孔１６を設けている。
【００２３】
また、液体浸入表示窓１４は、透明部材によって構成しており、測定者が本体ケース１の液体浸入表示窓１４を通して、液体浸入部１５内を確認できるものとしている。
【００２４】
図４は、本実施形態の要部を示す断面斜視図で、液体吸引部１２と液体浸入部１５の内部が見える状態としている。
【００２５】
図４において、液体吸引部１２の液体通路１３は、その通路全体を（多孔質体の一例として）綿１７で充填している。また、液体吸引部１２の上端部は、その内部の綿１７の上部を、液体浸入部１５内にまで延長して設けており、液体浸入部１５内に充填して設けた綿１７ａに接続している。
【００２６】
一方、液体吸引部１２の下端部は、血糖値センサ５の上面に対して、所定間隔（たとえば１ミリ）で対向配置させており、さらに、この液体吸引部１２下端部の一端側から他端側が、血糖値センサ５の一端側から他端側を覆うように設けている。
【００２７】
このため、図３に示すごとく、前記液体吸引部１２下端部と血糖値センサ５とにより形成される間隙部の開口面積（液体吸引部１２の開口面積）は、センサ挿入口２の開口面積よりも小さく形成されるものとなっている。
【００２８】
以上の説明により、本実施形態の構成が理解された所で、以下、その作用について説明する。
【００２９】
まず、図１に示すごとく、血糖値を測定する場合には、測定者は血糖値センサ５を、センサ挿入口２から本体ケース１内に挿入して測定部１０に電気的に接続し、たとえば、測定者が注射器８を用いて血糖値センサ５の点着部９に血液を点着させる。この時、誤って注射器８のピストン１８を強く押してしまうと、注射器８からは大量の血液が点着部９に対して射出されることとなる。そして、この射出された大量の血液は、点着部９から流れだし、血糖値センサ５の上面を伝ってセンサ挿入口２まで到達し、このセンサ挿入口２から本体ケース１内部へと浸入してしまうことがある。
【００３０】
この状態を図３を用いて説明する。図３において、血糖値センサ５の上面を伝ってセンサ挿入口２まで到達した血液は、センサ挿入口２から本体ケース１の内部へと浸入していき、液体吸引部１２に到達する。この時、血液は、液体吸引部１２の液体通路１３に充填された綿１７に接触することとなる。すると、多孔質体である綿１７は、ただちに血液の吸引を開始する。
【００３１】
この吸引された血液は、綿１７の毛細管現象によって液体通路１３に引き込まれていき、この液体通路１３を通って液体浸入部１５に到達する。なお、この液体浸入部１５には、上述のごとく、通気孔１６を設けているため、この通気孔１６を通して液体浸入部１５内の空気を排出することができる。従って、血液を液体浸入部１５の綿１７ａに、十分に引き込むことができるものとなっている。
【００３２】
すなわち、血液は、液体浸入部１５内の綿１７ａに引き込まれ、液体浸入表示窓１４を通して測定者が観察可能な状態となる。
【００３３】
その結果として、本体ケース１内部への血液の浸入を、測定者が目視にて確認できるものとなるのである。
【００３４】
その後、血液の浸入を確認した測定者が、本実施形態の生体情報測定装置をサービスセンターに送ると、このサービスセンターにて本体ケース１内部が清掃され、これにより、生体情報測定装置は衛生的に適切な状態が維持されることとなる。
【００３５】
さらに本実施形態においては、液体浸入部１５の容積を、液体通路１３の容積に比べて十分に大きなものとしている。このため、本体ケース１内部に浸入してくる血液を十分に引き込むことができる。
【００３６】
このため、センサ接続部７への血液の到達を効果的に防止することができるものとなっている。
【００３７】
これを今少し説明すると、たとえば、血液がセンサ接続部７に到達してしまうと、センサ接続部７内部に設けられた接続受け端子（図示せず）に血液が付着することになる。そして、ひとたび接続受け端子（図示せず）に血液が付着してしまうと、センサ接続部７内部の清掃は非常に困難なものとなる。
【００３８】
このため、本実施形態においては、液体浸入部１５の容積を、液体通路１３の容積に比べて十分に大きなものとし、この大型の液体浸入部１５に血液を十分に引き込むことにより、センサ接続部７への血液の到達を防止するのである。これにより、センサ接続部７への決定的なダメージを効果的に防止することができる。
【００３９】
さらに本実施形態においては、多孔質体である綿１７、綿１７ａを、有色系（たとえば、薄い青色）で構成している。
【００４０】
このため、血液以外の無色の液体が、本体ケース１の内部に浸入したとしても、血液の時と同様に、この液体を薄い青色をした綿１７、綿１７ａが吸い上げるのであるが、無色の液体を吸い上げた綿１７、綿１７ａは、薄い青色から濃い青色に変色することになる。
【００４１】
その結果として、血液以外の無色の液体の浸入も、液体浸入表示窓１４を通して測定者が目視にて確認できるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【００４２】
以上のように本発明は、センサ挿入口を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ挿入口に対応する部分に設けたセンサ接続部と、このセンサ接続部に接続した測定部とを備え、前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に液体吸引部を設け、この液体吸引部は液体通路を介して液体浸入部に連通させ、この液体浸入部は前記本体ケースの表面部に露出する液体浸入表示窓に対向させた構成としたものであるので、本体ケース内部への血液の浸入を検出できる。
【００４３】
すなわち、本発明においては、センサ挿入口から本体ケース内部へと浸入してきた血液を、まず、前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に設けた液体吸引部によって、液体吸引部へと吸い込む。次に、この液体吸引部は、吸い込んだ血液を液体通路を介して液体浸入部へと導くこととする。
【００４４】
この液体浸入部は、液体浸入表示窓に対向配置させているので、その結果として、本体ケース内部への血液の浸入を、この液体浸入表示窓により、測定者が目視にて確認することができるものとなる。
【００４５】
したがって、血液が浸入した生体情報測定装置を、そのまま放置あるいは使用しつづけることがなく、衛生的に不適切な状態を回避することができる。なお、血液の浸入を確認した測定者は、その生体情報測定装置を、たとえばサービスセンターに送ると、このサービスセンターにて本体ケース内部が清掃され、これにより、生体情報測定装置は衛生的に適切な状態が維持されることとなる。
【００４６】
したがって、たとえば、血液中から血糖値などの生体情報を測定する生体情報測定装置として、広く活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【００４７】
１ 本体ケース
２ センサ挿入口
３ 操作部
４ 表示部
５ 血糖値センサ
６ 接続端子
７ センサ接続部
８ 注射器
９ 点着部
１０ 測定部
１１ 制御部
１２ 液体吸引部
１３ 液体通路
１４ 液体浸入表示窓
１５ 液体浸入部
１６ 通気孔
１７ 綿
１７ａ 綿
１８ ピストン
【特許請求の範囲】
【請求項１】
センサ挿入口を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ挿入口に対応する部分に設けたセンサ接続部と、このセンサ接続部に接続した測定部とを備え、
前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に液体吸引部を設け、この液体吸引部は液体通路を介して液体浸入部に連通させ、この液体浸入部は前記本体ケースの表面部に露出する液体浸入表示窓に対向させた生体情報測定装置。
【請求項２】
本体ケース内の液体浸入表示窓の下方に液体浸入部を対向して配置し、この液体浸入部には、通気孔を設けた請求項１に記載の生体情報測定装置。
【請求項３】
液体吸引部の開口面積は、センサ挿入口の開口面積よりも小さくした請求項１または２に記載の生体情報測定装置。
【請求項４】
液体浸入部内には、多孔質体を設けた請求項２または３に記載の生体情報測定装置。
【請求項５】
多孔質体の一部を、液体吸引部まで延長した請求項４に記載の生体情報測定装置。
【請求項６】
多孔質体は、有色系とした請求項４または５に記載の生体情報測定装置。
【請求項１】
センサ挿入口を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ挿入口に対応する部分に設けたセンサ接続部と、このセンサ接続部に接続した測定部とを備え、
前記本体ケース内のセンサ挿入口とセンサ接続部間に液体吸引部を設け、この液体吸引部は液体通路を介して液体浸入部に連通させ、この液体浸入部は前記本体ケースの表面部に露出する液体浸入表示窓に対向させた生体情報測定装置。
【請求項２】
本体ケース内の液体浸入表示窓の下方に液体浸入部を対向して配置し、この液体浸入部には、通気孔を設けた請求項１に記載の生体情報測定装置。
【請求項３】
液体吸引部の開口面積は、センサ挿入口の開口面積よりも小さくした請求項１または２に記載の生体情報測定装置。
【請求項４】
液体浸入部内には、多孔質体を設けた請求項２または３に記載の生体情報測定装置。
【請求項５】
多孔質体の一部を、液体吸引部まで延長した請求項４に記載の生体情報測定装置。
【請求項６】
多孔質体は、有色系とした請求項４または５に記載の生体情報測定装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１２−１８１０７４（Ｐ２０１２−１８１０７４Ａ）
【公開日】平成２４年９月２０日（２０１２．９．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−４３４７９（Ｐ２０１１−４３４７９）
【出願日】平成２３年３月１日（２０１１．３．１）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年９月２０日（２０１２．９．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年３月１日（２０１１．３．１）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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