説明

生体情報測定装置

【課題】本発明は、生体情報測定装置に関するもので、測定誤差を抑制することを目的とする。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、センサ挿入口2およびこのセンサ挿入口2後方に配置したセンサ接続室7を有する本体ケース1と、この本体ケース1内の前記センサ接続室7に配置した接続部と、この接続部に接続した測定部と、この測定部に接続されるとともに、前記センサ接続室に配置した温度センサ8とを備え、前記本体ケース1の外表面に、前記接続部に接続された血糖値センサ5をセンサ挿入口2から本体ケース1外に排出する操作部3を配置するとともに、この操作部3には、前記センサ接続室7に配置したピストン10を連結した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、血液中から血糖値などの生体情報を測定する生体情報測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種、生体情報測定装置は、センサ挿入口およびこのセンサ挿入口後方に配置したセンサ接続室を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ接続室に配置した接続部と、この接続部に接続した測定部と、この測定部に接続されるとともに、前記センサ接続室に配置した温度センサとを備えた構成となっていた(なおこれに類似する先行文献としては、下記特許文献1が存在する)。
【0003】
すなわち、血糖値センサをセンサ挿入口から本体ケース内に挿入して測定部に電気的に接続し、この測定部で測定した測定値を、温度センサによって検出した検出温度によって補正し、血糖値を測定するようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/000114号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来例における課題は、本体ケース内の温度が上昇すると、上述した測定値の温度補正が適切に行われず、測定誤差が発生してしまう、ということであった。
【0006】
すなわち、生体情報測定器の本体ケースは、水や埃などが侵入するのを抑制するために、開口部は、前記センサ挿入口のみと、最小限のものとしており、その結果として、この本体ケース内は、測定場所である室温、あるいは外気温よりも高くなってしまうことがある。
【0007】
そして、この高くなってしまった温度で上述した測定値の温度補正を行うと、結論として、測定誤差が発生してしまうのであった。
【0008】
そこで、本発明は測定誤差を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そしてこの目的を達成するために本発明は、センサ挿入口およびこのセンサ挿入口後方に配置したセンサ接続室を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ接続室に配置した接続部と、この接続部に接続した測定部と、この測定部に接続されるとともに、前記センサ接続室に配置した温度センサとを備え、前記本体ケースの外表面に、前記接続部に接続された生体情報測定センサをセンサ挿入口から本体ケース外に排出する操作部を配置するとともに、この操作部には、前記センサ接続室に配置した換気手段を連結した構成とし、これにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明は、センサ挿入口およびこのセンサ挿入口後方に配置したセンサ接続室を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ接続室に配置した接続部と、この接続部に接続した測定部と、この測定部に接続されるとともに、前記センサ接続室に配置した温度センサとを備え、前記本体ケースの外表面に、前記接続部に接続された生体情報測定センサをセンサ挿入口から本体ケース外に排出する操作部を配置するとともに、この操作部には、前記センサ接続室に配置した換気手段を連結した構成としたものであるので、測定誤差を抑制することが出来る。
【0011】
すなわち、本発明においては、測定後の生体情報測定センサをセンサ挿入口から本体ケース外に排出すべく操作部を操作すると、それに連動して換気手段が駆動され、その結果として、この毎回の排出動作に連動し、センサ接続室の換気が行われることとなる。
【0012】
このため、温度センサを配置したセンサ接続室の温度は、検出環境である室温、または外気温と近似した状態とすることができ、この結果、温度センサで検出した検出温度で測定値を温度補正した場合には、測定誤差の小さいものとすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置の斜視図
【図2】同、断面図
【図3】同、断面図
【図4】同、断面図
【図5】同、断面図
【図6】同、断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1において、1は本体ケースで、この本体ケース1の先端側には、センサ挿入口2が設けられ、また、この本体ケース1の上面で、センサ挿入口2側には操作部3が配置され後方側には、表示部4が配置されている。
【0015】
すなわち、血糖値センサ(生体情報測定センサの一例)5の後方に設けた接続端子6を、センサ挿入口2から、その後方のセンサ接続室7に挿入し、その状態で、血糖値センサ5の前方に設けた点着部(図示せず)に血液を点着すれば、測定部(図示せず)で血糖値が測定され、表示部4に表示されるようになっている。
【0016】
図2は、上述したように、血糖値センサ(生体情報測定センサの一例)5の後方に設けた接続端子6を、センサ挿入口2から本体ケース1内のセンサ接続室7に挿入した状態を示している。この状態において、血糖値センサ5の接続端子6は、接続部(図示せず)に電気的、機械的に接続された状態となっており、この接続部を介して、接続端子6は、測定部(図示せず)に接続されている。
【0017】
また、この測定部には、センサ接続室7に配置した温度センサ8が接続されている。つまり、測定部で測定した血糖値を、温度センサ8で検出した検出温度によって補正し、その補正後の血糖値を表示部4に表示させるようになっている。
【0018】
以下、本実施形態における特徴点である血糖値センサ5の排出とセンサ接続室7の換気について説明する。
【0019】
前記センサ接続室7内において、操作部3の押出部9は、図2のごとく、血糖値センサ5の後端に当接されているので、測定後の血糖値センサ5をセンサ挿入口2から、図3、図4のごとく、本体ケース1外に排出する時には、操作部3を前方側へと操作する。すると、操作部3の押出部9によって血糖値センサ5は、図2〜図4のごとく、本体ケース1外へと押し出されることになる。
【0020】
このとき、これら図2〜図4から理解されるように、操作部3に連結したピストン10が外筒11内を前方へと移動させられる。前記外筒11の後方側のピストン室12には、2つの開閉弁13、14が連結されている。
【0021】
具体的には、開閉弁13は、本体ケース1の操作部3下方で、本体ケース1外とピストン室12内間に配置されたものであって、操作部3によって、ピストン10が前方に操作される時には、図3のごとく、開口するようになっている。また、開閉弁14は、本体ケース1内において、ピストン室12とセンサ接続室7間に配置されたものであり、上述したピストン10の前方への移動時には、閉口状態となっている。
【0022】
したがって、図2〜図4のごとく、操作部3をセンサ挿入口2側へと操作した時には、開閉弁13が開口し、図3のごとく、本体ケース1外の空気が、開閉弁13を介して、本体ケース1内に設けたセンサ接続室7のピストン室12に取り込まれることになる。
【0023】
一方、この血糖値センサ5の排出が完了した後に、操作部3を図3〜図5のごとく、センサ挿入口2とは反対側へと操作したときには、開閉弁13が閉口し、開閉弁14が開口するので、上記ピストン室12内に取り入れられた本体ケース1外の空気は、開閉弁14を介して、センサ接続室7に入り、これにより、温度センサ8部分が冷却されることになる。
【0024】
つまり、温度センサ8部分には、血糖値センサ5の排出のたびに本体ケース1外の空気が供給され、これにより、その本体ケース1外の空気で、温度センサ8は冷却されることになる。
【0025】
このため、温度センサ8は、本体ケース1外の温度、つまり、血糖値センサ5の測定部における温度と近似する温度を検出することになり、その結果、この温度センサ8が検出した検出温度による測定部の補正は、きわめて適切なものとなり、その結果として、測定誤差を小さくすることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように本発明は、センサ挿入口およびこのセンサ挿入口後方に配置したセンサ接続室を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ接続室に配置した接続部と、この接続部に接続した測定部と、この測定部に接続されるとともに、前記センサ接続室に配置した温度センサとを備え、前記本体ケースの外表面に、前記接続部に接続された生体情報測定センサをセンサ挿入口から本体ケース外に排出する操作部を配置するとともに、この操作部には、前記センサ接続室に配置した換気手段を連結した構成としたものであるので、測定誤差を抑制することが出来る。
【0027】
すなわち、本発明においては、測定後の生体情報測定センサをセンサ挿入口から本体ケース外に排出すべく操作部を操作すると、それに連動して換気手段が駆動され、その結果として、この毎回の排出動作に連動し、センサ接続室の換気が行われることとなる。
【0028】
このため、温度センサを配置したセンサ接続室の温度は、検出環境である室温、または外気温と近似した状態とすることができ、この結果、温度センサで検出した検出温度で測定値を温度補正した場合には、測定誤差の小さいものとすることができるものである。
【0029】
したがって、たとえば、血液中から血糖値などの生体情報を測定する生体情報測定装置として広く活用が期待できるものである。
【符号の説明】
【0030】
1 本体ケース
2 センサ挿入口
3 操作部
4 表示部
5 血糖値センサ
6 接続端子
7 センサ接続室
8 温度センサ
9 押出部
10 ピストン
11 外筒
12 ピストン室
13,14 開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ挿入口およびこのセンサ挿入口後方に配置したセンサ接続室を有する本体ケースと、この本体ケース内の前記センサ接続室に配置した接続部と、この接続部に接続した測定部と、この測定部に接続されるとともに、前記センサ接続室に配置した温度センサとを備え、
前記本体ケースの外表面に、前記接続部に接続された生体情報測定センサをセンサ挿入口から本体ケース外に排出する操作部を配置するとともに、この操作部には、前記センサ接続室に配置した換気手段を連結した生体情報測定装置。
【請求項2】
換気手段は、操作部に連結したピストンと、このピストン外周の外筒により構成した請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
本体ケースには、外筒内をピストンがセンサ挿入口側に移動するときに開口し、前記外筒内をピストンがセンサ挿入口とは反対側に移動するときに閉口する第1の開閉弁を設けた請求項2に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
本体ケース内には、外筒内をピストンがセンサ挿入口側に移動するときに閉口し、前記外筒内をピストンがセンサ挿入口とは反対側に移動するときに開口する第2の開閉弁を設けた請求項3に記載の生体情報測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−208054(P2012−208054A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75016(P2011−75016)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)