説明

生体留置用ステント

【課題】体内管腔の屈曲部位においても均一拡張性に優れ、ステント留置後の再狭窄率の低い生体留置用ステントを提供する。
【解決手段】、両端を有する細長い管状体を形成し、前記細長い管状体は圧縮された第1の直径から第2の拡大された直径まで半径方向に拡張でき、第1端部セクション41、第2端部セクション42、第3中央部セクション43、第1端部セクション41と第3中央部セクション43との間の第4セクション44、および第2端部セクション42と第3中央部セクション43との間の第5セクション45を有し、第4セクション44の剛性が、第1端部セクション41の剛性より小さく、第3中央部セクション43の剛性より小さく、第5セクション45の剛性が、第2端部セクション42の剛性より小さく、第3中央部セクション43の剛性より小さいことを特徴とする生体留置ステントである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血管増殖過剰病の予防または治療方法およびそれに用いる医療用の生体留置用ステントに関する。
【関連出願の相互参照】
【0002】
日本国特許出願2005−293371号(2005年10月6日出願)の明細書、請求の範囲、図面および要約を含む全開示内容は、これら全開示内容を参照することによって本出願に合体される。
【背景技術】
【0003】
ステントとは、血管あるいは他の生体内管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その管腔サイズを維持するためにそこに留置する医療用具である。ステントは、1本の線状の金属もしくは高分子材料からなるコイル状のもの、金属チューブをレーザーによって切り抜いて加工したもの、線状の部材をレーザーによって溶接して組み立てたもの、複数の線状金属を織って作ったもの等がある。
【0004】
これらのステントは、バルーンによって拡張されるもの(バルーンエクスパンダブルタイプ)と、外部からの拡張を抑制する部材を取り除くことによって自ら拡張していくもの(セルフエキスパンダブルタイプ)とに分類することが出来る。バルーンエクスパンダブルタイプは、管内カテーテルの先端付近にバルーンのような拡張可能部材が取り付けられたもの(バルーンカテーテル)のバルーン部分に取り付けられ(マウント工程)、カテーテルを患者の体管腔内の治療部位へ進め、治療部位にてバルーンを膨張させ、これに伴ってステントを拡張させ留置する。次にバルーンを収縮させ、カテーテルを抜去する。バルーンを拡張する際には、広げようとする管状組織の状態やステントの機械的な強度によって拡張圧を調整して用いられる。
【0005】
ステントには、広げようとする管状組織に負けないだけの強度、激しく屈曲した管状組織内を進めて目的部位まで問題なく進めることができる柔軟性、管状組織内に留置する際および留置した後、管状組織に対してできるだけ障害を与えないための拡張後柔軟性、管状組織をより均一にカバーするための拡張均一性とデザインの細かさ、留置術中に術者がX線にて位置を確認することができるためのX線不透過性などの様々な性能が要求される。これらの要求を満たすことを目的として多数のステントデザインが提案されてきている。これらは例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0006】
近年、特に心臓や頚動脈の血管形成術に対してこれらのステントが多用されるようになってきており、ステント留置術により再狭窄の発生頻度を有意に低減することが示されているが、まだなお高い確率で再狭窄を引き起こしているのが現状である。例えば、心臓冠動脈を挙げると、ステント留置術を実施しても、約20から30%の頻度での再狭窄発生が報告されている。この再狭窄には生物学的な血管損傷、ステント留置による血管損傷からの誘発される場合もある。血管損傷から誘発される典型的な血管狭窄・再狭窄は内膜平滑筋細胞の増殖に起因していると考えられている。まず、血管損傷に続いて平滑筋細胞の増殖が開始され、次に平滑筋細胞が内膜へ移行する。次いで内膜における平滑筋細胞が、基質沈着を伴って増殖し、内膜肥厚を生じる。
【0007】
例えば特許文献3では、ステントに閉塞を制限する薬剤を被覆し、再狭窄率低減を狙う試みが提案されている。閉塞を制限する薬としては、抗凝固薬、抗血小板物質、抗痙薬、抗菌薬、抗腫瘍薬、抗微生物剤、抗炎症剤、抗物質代謝剤、免疫抑制剤、等の多数の薬剤が検討されている。免疫抑制剤に関して挙げると、シクロスポリン、タクロリムス(FK−506)、シロリムス(ラパマイシン)、マイコフェノレートモフェチル、およびそれらのアナログをステントに被覆し、再狭窄を低減する試みが提案されている。具体的な例では、例えば特許文献4では免疫抑制剤で知られるシロリムス(ラパマイシン)を被覆したステントが開示され、例えば特許文献5では抗腫瘍薬であるタキソール(パクリタクセル)を被覆したステントが開示されている。例えば特許文献6、および特許文献7では、タクロリムス(FK−506)を被覆したステントが開示されている。しかし、これらの薬剤被覆ステントであっても一定の割合でステント留置後の再狭窄が生じているのが現状であり、さらに再狭窄率を低減するために、そのベースとなるステントデザインの最適化が求められているのが現状である。
【0008】
ステントに要求される性能の一つに、拡張の均一性が挙げられる。ステントは常に均一拡張され、生体内管腔からの力を分散して受け止めることが要求されている。ステントが不均一に拡張された場合、荷重の集中によるステントの破断や破損、不均一に生体組織へ接触することから生じる生体組織への障害、等の問題が生じる。これらの問題は、ステント留置後の再狭窄へ大きな影響を与える。薬剤被覆ステントの場合には、薬剤を生体内管腔へ均一に移行させることが重要であり、従ってステントの拡張均一性はますます重要となっている。
【0009】
通常、ステントデザインは基本単位の連続から構成することが多く、均一に拡張されるべく設計されている。しかし実際の使用では、留置しようとする生体内管腔部位の激しい屈曲等により、不均一に拡張されることが多く、屈曲部においても均一に拡張されるステントデザインが求められているのが現状である。
【0010】
またステントには高い柔軟性が求められる。ステントは細く屈曲した血管に留置される場合も多く、このような場合には特にステントの柔軟性が重要となる。ステントが柔軟性に乏しい場合には、ステント留置された血管の部分は、心臓の拍動等により血管に常に大きな力が加えられることになる。逆にステントが柔軟であればそういった血管への刺激を最小限に止めることが可能となる。しかし、ステントの柔軟性を向上すべく軸方向のリンクの数を減らしたり、リンクを細くして柔軟性を上げるには限界がある。リンク数を減らせばステントが拡張されるときの均一性が低下し、リンクを細くすれば金属疲労による破壊やリンク部分の破断のリスクが増すことになる。
【特許文献1】日本国特許出願公開公報 特開平2−174859号明細書
【特許文献2】日本国特許出願公開公報 特開平6−181993号明細書
【特許文献3】日本国特許出願公開公報 特表平5−502179号明細書
【特許文献4】日本国特許出願公開公報 特開平6−9390号明細書
【特許文献5】日本国特許出願公開公報 特表平9−503488号明細書
【特許文献6】国際公開公報 第WO02/065947号明細書
【特許文献7】欧州特許公報 第1254674号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
これらの状況を鑑み本発明が解決しようとするところは、体内管腔の屈曲部位においても均一拡張性に優れた生体留置用ステントを提供することにあり、ステント留置後の再狭窄率の低い生体留置用ステントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明者は、ステントの軸方向において、必要な部分に必要な柔軟性を与えることが重要であり、ステント軸方向において柔軟性を変化させ、最も柔軟にすべき箇所はステント両端から一定距離離れた箇所であることであると知るに至った。
【0013】
本発明は、以下の1または複数の特徴を有する。
【0014】
(1)本発明の一つの特徴は、両端を有する細長い管状体を形成し、前記細長い管状体は圧縮された第1の直径から第2の拡大された直径まで半径方向に拡張でき、第1端部セクション、第2端部セクション、第3中央部セクション、前記第1端部セクションと第3中央部セクションとの間の第4セクション、および前記第2端部セクションと第3中央部セクションとの間の第5セクションを有し、前記第1〜第5のセクションの各々は、略波形要素を組み合わせることで形成され、相互に連結されており、前記第4セクションおよび前記第5セクションは、前記生体留置ステントの両端から、1.35mm〜3.75mmの位置のいずれかの部分を含むように配され、前記第4セクションの剛性が、前記第1端部セクションの剛性より小さく、前記第3中央部セクションの剛性より小さく、前記第5セクションの剛性が、前記第2端部セクションの剛性より小さく、前記第3中央部セクションの剛性より小さい、ことを特徴とする生体留置ステントである。
【0015】
(2)本発明の一つの特徴は、両端を有する細長い管状体を形成し、前記細長い管状体は圧縮された第1の直径から第2の拡大された直径まで半径方向に拡張でき、第1端部セクション、第2端部セクション、第3中央部セクション、前記第1端部セクションと第3中央部セクションとの間の第4セクション、および前記第2端部セクションと第3中央部セクションとの間の第5セクションを有し、前記第1〜第5のセクションの各々は、略波形要素を組み合わせることで形成され、相互に連結されており、前記第4セクションおよび前記第5セクションは、前記生体留置ステントの両端から、1.35mm〜3.75mmの位置のいずれかの部分を含むように配され、前記第4セクションの基本形状のストラットの断面積が、前記第1端部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、前記第3中央部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、前記第5セクションの基本形状のストラットの断面積が、前記第2端部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、前記第3中央部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さい、ことを特徴とする生体留置ステントである。
【0016】
(3)本発明の一つの特徴は、両端を有する細長い管状体を形成し体管内に移植するための長手方向に可撓性を有するステントであって、複数の円筒状要素を有し、前記円筒状要素は略波形要素から形成され、これら円筒状要素は半径方向に独立して拡張可能であり且つ共通の長手方向軸線でほぼ整合するように相互連結されており、前記細長い管状体は圧縮された第1の直径から第2の拡大された直径まで半径方向に拡張でき、第1端部セクション、第2端部セクション、第3中央部セクション、前記第1端部セクションと第3中央部セクションとの間の第4セクション、および前記第2端部セクションと第3中央部セクションとの間の第5セクションを有し、前記第4セクションおよび前記第5セクションは、前記生体留置ステントの両端から、1.35mm〜3.75mmの位置のいずれかの部分を含むように配され、第4セクションの前記略波形要素が、第1端部セクションの前記略波形要素より周あたり波数が多く、第3中央部セクションの前記略波形要素より周あたり波数が多く、第5セクションの前記略波形要素が、第2端部セクションの前記略波形要素より周あたり波数が多く、第3中央部セクションの前記略波形要素より周あたり波数が多い、ことを特徴とする生体留置ステントである。
【0017】
(4)本発明の一つの特徴は、(3)に記載の生体留置ステントであって、前記第4セクションの基本形状のストラットの断面積が、前記第1端部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、前記第3中央部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、前記第5セクションの基本形状のストラットの断面積が、前記第2端部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、前記第3中央部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さい、ことを特徴とする生体留置ステントである。
(5)本発明の一つの特徴は(1)〜(4)のいずれかに記載のステントであって、前記第4セクションおよび前記第5セクションの剛性が、前記第1端部セクション、前記第2端部セクション、前記第3中央部セクションのそれぞれの剛性の20%以上99%以下である。
【0018】
上記(1)〜(5)は、その一部または全部を組み合わせて実施可能である。上記を含む本発明のその他の特徴およびそれらの効果は、以下の実施形態および図面によって明らかにされる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、体内管腔の直線部位においても、屈曲部位においても従来と比較してステントが均一に拡張させることが可能となる。さらに、それによりステント留置後の再狭窄が生じにくいステントを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、一般に知られている生体留置用ステントの概略図を示す。
【図2】図2は、比較例1に対応する生体留置用ステントの展開図を示す。
【図3】図3は、実施例1のステントの展開図を示す。
【図4】図4は、実施例2のステントの展開図を示す。
【図5】図5は、実施例3のステントの展開図を示す。
【図6】図6は、実施例4のステントの展開図を示す。
【符号の説明】
【0021】
31 第1端部セクション
32 第2端部セクション
33 第3中央部セクション
34 第4セクション
35 第5セクション
41 第1端部セクション
42 第2端部セクション
43 第3中央部セクション
44 第4セクション
45 第5セクション
51 第1端部セクション
52 第2端部セクション
53 第3中央部セクション
54 第4セクション
55 第5セクション
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係るステントの実施形態について説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0023】
1.基本形状
本発明の実施形態としての生体内留置用ステントの展開図を、図4に例示する。図4は、後述の実施例1のステントに対応する。図5および図6も同様に実施例のステントに対応する。以下、説明の便宜上、実施形態として図4のみを参照して説明する。
【0024】
図4に示すステントは、両端を有する細長い管状体を形成し、前記細長い管状体は圧縮された第1の直径から第2の拡大された直径まで半径方向に拡張でき、第1端部セクション41、第2端部セクション42、第3中央部セクション43、第1端部セクション41と第3中央部セクション43の間の第4セクション44、および第2端部セクション42と第3中央部セクション43の間の第5セクション45を有し、ここで第4セクション44の剛性が、第1端部セクション41の剛性より小さく、第3中央部セクション43の剛性より小さく、第5セクション45の剛性が、第2端部セクション42の剛性より小さく、第3中央部セクション43の剛性より小さいことを特徴とする。
【0025】
本発明では、図4に示すようにステントセクションの基本形状が異なることで、ステントのセクションの剛性が異なることができる。基本形状が異なるとは、例えば形状に相違点が存在する場合や、形状は同じであるがそれらの幅や厚みがことなることにより実質的に異なる物性を発揮する場合などを含む概念である。
【0026】
2.セクションの剛性
図4に例示する第1端部セクション41、第2端部セクション42、第3中央部セクション43、第4セクション44、第5セクション45における剛性とは、それぞれのセクションでの、管状体の半径方向の圧縮に対する剛性である。それぞれのセクションでの剛性を比較するには、例えば、それぞれのセクションを構成する部分を取り出し、半径方向への圧縮強度を測定し、管状体の単位長さあたりに変換する。この単位長さあたりの圧縮強度により、それぞれのセクションの剛性を比較することができる。より詳細には、ステントの各セクションを、例えばレーザーカットまたは鋭利な刃物による物理的な切断によって取り出す。一定の長さを持った管(ステントの各セクション)で、当該管を平行な2面で圧縮し、例えば半径方向に30%圧縮した時にかかる荷重を各セクションの長さで除したものが「セクションの剛性(例えば、単位長さあたりの圧縮強度)」となる。圧縮強度の測定は、一般的に、オートグラフで行うことができる。
【0027】
1実施態様では、第4セクション44が、第1端部セクション41および第3中央部セクション43と比較して、曲げに対して高い柔軟性を有する構成、かつ、第5セクション45が、第2端部セクション42および第3中央部セクション43と比較して、曲げに対して高い柔軟性を有する構成、とすることで実現できる。
【0028】
曲げに対して高い柔軟性を有する構成とは、ステント軸方向に対する曲げを想定した時、一定の曲げを得るのにより小さな力で曲げることが可能である状態である。具体的には、ステント両端付近を支持した状態でステント中央部分に変位を与える曲げ試験を実施した時に、曲げを最初に生じる箇所または最も大きな曲げ変形を生じる箇所が第4セクション44(第5セクション45)であることを意味する。
【0029】
これは、例えばそれぞれのセクションを構成する基本形状を異なるものとする方法や、それぞれのセクションの形状は概ね同じであるがそれらを構成する要素の幅および/または厚みを異なるものとする方法で可能である。さらに、それぞれのセクションを全く同じ基本形状で構成し、さらにそれらを構成する要素の幅や厚みを同じとしても、第4セクション44と第3中央部セクション43の間および第5端部セクション42と第3中央部セクション43の間に設けられた接続部分を他の接続部分と比較して曲げに対して高い柔軟性を有する構成とすることで実現可能である。
【0030】
それぞれのセクションでの曲げに対する剛性を比較するには、測定を行いたいセクションの両端部付近を把持して、片端を固定し、他端に荷重を加える。荷重と変形量から曲げ剛性を測定できる。この際、把持される箇所と把持される箇所の間隔を統一する必要がある。
【0031】
3.各セクションの形状
第1端部セクション41、第2端部セクション42、第3中央部セクション43、第4セクション44および第5セクション45はさまざまな形状をとることができる。例えば、各セクションを波形要素を組み合わせることで形成し、相互に連結することで円筒形状に形成できる。各セクションを構成する形状は、各セクションそれぞれまったく別のデザインとすることも可能であり、また同じデザインとすることも可能である。各セクションを構成する要素の幅および/または厚みを異なるものとする方法で本発明の構成が実現可能である。
【0032】
「波形」とは、一般的な正弦波の形状に近いものを含む概念であり、波の形状が方形、三角形、のこぎり形となるものも含む。波形要素に含まれる全ての波の振幅、幅、形状を同一としてもよく、それらを相違させてもよい。
【0033】
4.ステント成形方法
ステント成形方法としては、通常ステントを作製する方法として知られるレーザー加工法、放電加工法、機械的な切削方法、エッチング方法などが可能である。またステント成形後に電解研磨等の各種研磨においてストラットの端部分を面取りすることは、当業者に一般的に知られており、本発明においても適用可能である。
【0034】
前記圧縮された第1の直径は目的の疾患により異なるが、通常約1.2mm以下、好ましくは約0.9mm以下となるように設定する。前記拡張された第2の直径は、患者体管腔の内径にあわせて選択されるもので、治療目的とする管腔により全く異なる。例えば心臓冠動脈を例に挙げると直径約2.0mm〜5.0mm程度に設定される。
【0035】
ステントの長さは、患者体管腔の治療しようとする部位の長さにより決まる。例えば、血管系では直径約7mm〜100mm程度のものが使用され、心臓冠動脈を例に挙げると直径約7〜40mm程度のものが使用される。
【0036】
5.セクションの長さおよび位置
第1端部セクション41、第2端部セクション42、第3中央部セクション43、第4セクション44および第5セクション45のそれぞれの軸方向長さは適宜決定されるが、第4セクション44および第5セクション45のステント端からの位置は、ステントの全長に関係なく概ね一定の位置にあることが望ましい。第4セクション44および第5セクション45はステント端部から約1.35mm〜3.75mmの位置のいずれかの部分を含むように配置されることが望ましく、約2.70〜3.55mmの位置を少なくとも含むように配置されることが最も好ましい。第4セクションおよび第5セクションはステント軸方向に約1.0mm〜3.0mmの長さに設計されることが好ましく、もっとも好ましいのは約1.0mm〜1.5mmの長さである。
【0037】
実施形態による、ステントが均一に拡張されるという上述の効果を奏する理由の一つは、第4セクション44および第5セクション45のそれぞれの位置および/または長さを上述のように設定することによる。具体的には、拡張する際に最初に収縮状態から開放されるステントの両端(すなわち、第1端部セクション41および第2端部セクション42)のたわみを、続いて収縮状態から開放される第4セクション44および第5セクション45のそれぞれが吸収・分散し、全体としてステントが不均一に拡張されることを防止しているものと考えられる。このような拡張に伴ってステント全体に生ずる可能性のあるたわみを吸収・分散するためのセクションの位置および長さは、本件発明者独自の着想によるものである。
【0038】
6.ステントのデザイン例
本発明の1実施態様は、第1端部セクション41、第2端部セクション42、第3中央部セクション43、第4セクション44および第5セクション45のそれぞれを波形状要素から形成する形態である。第1端部セクション、第2端部セクションおよび第3中央部セクションを形成する波形要素の波数と、第4セクションおよび第5セクションを形成する波形要素の波数とを異なるものとすることができる。例えば、第1端部セクション、第2端部セクションおよび第3中央部セクションを形成する波形要素は周あたりの波の数を6〜10、特に約8とし、かつ第4セクションおよび第5セクションを形成する波形要素は周あたり8〜12、特に約10とすることができ、周あたり約10の波を有する波形要素は、周あたり約8波を有する波形要素と比較して細くもしくは薄く作製することができる。
【0039】
また別の形態として、第1端部セクション41、第2端部セクション42および第3中央部セクション43を形成する波形要素は、周あたりの波の数を4〜8、特に約6とし、かつ第4セクション44および第5セクション45を形成する波形要素は周あたり6〜10、特に約8とすることも可能である。周あたり約8の波を有する波形要素は、周あたり約6波を有する波形要素と比較して細くもしくは薄く作製することができる。
【0040】
第4セクションおよび第5セクションを第1端部セクション、第2端部セクション、第3中央部セクションと比して柔軟な要素にすることが必要であり、その手段の例として第4セクションおよび第5セクションでの波数を多くする手法や、第4セクションおよび第5セクションを構成するストラットの幅を細くすることで実現できる。
【0041】
第4セクション(第5セクション)の剛性X1が、第1端部セクション(第2端部セクション)および第3中央部セクションのそれぞれの剛性Y1より小さいとは、例えば、剛性Y1に対する剛性X1が、上限として99%以下、または95%以下、または90%以下、または80%以下、または70%以下であり、下限として20%以上、または30%以上、または40%以上、または50%以上、または60%以上であることを含む概念である。
【0042】
第4セクション(第5セクション)の基本形状のストラットの断面積X2が、第1端部セクション(第2端部セクション)および第3中央部セクションのそれぞれの基本形状のストラットの断面積Y2より小さいとは、例えば、断面積値Y2に対する断面積値X2が、上限として99%以下、または95%以下、または90%以下、または80%以下、または70%以下であり、下限として20%以上、または30%以上、または40%以上、または50%以上、または60%以上であることを含む概念である。
【0043】
第4セクション(第5セクション)の波形要素の周当たり波数X3が、第1端部セクション(第2端部セクション)および第3中央部セクションのそれぞれの波形要素の周当たり波数Y3より少ないとは、例えば、波数X3と波数Y3との差が、上限として20以下、または15以下、または10以下、または8以下、または5以下であり、下限として1以上、または2以上、または3以上、または4以上、または5以上であることを含む概念である。
【0044】
7.構造材料
構造材料のために有用な金属材料は、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、イリジウム、酸化イリジウムマグネシウム、ニオブ、白金、タンタル、金、およびそれらの合金、並びに金メッキ合金鉄、白金メッキ合金鉄、コバルトクロミウム合金、および窒化チタン被覆ステンレス鋼を含む。好ましくは、本発明に係るステントは、適切な剛性かつ弾性を有する観点から、ステンレス鋼、Ni−Ti合金などのニッケル合金、Cu−Al−Mn合金、Co−Cr合金等の金属等またはこれらの組み合わせで作製が可能であり、例えば、JIS−G4303に規定される金属、もしくはISO5832−5、ISO5832−6、ISO5832−7で規定される金属等を使用することができる。
【実施例】
【0045】
以下に、本発明に係るステントの実施形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0046】
ステントを留置する方法の1つの例は、カテーテルの先端のバルーン部分に圧縮した状態で固定され、患者管腔内の治療部位へ進めて、バルーンを拡張することによりステントを拡張留置し、カテーテルを抜去することによる行われる。従って、ステントには圧縮された状態と、拡張された状態の2つの態様がある。圧縮された状態でステントをデリバリーし、拡張した状態で患者の管腔内へ留置される。以下に示す比較例および実施例のステントは、原材料となる金属の筒状チューブをレーザーカットによりステントデザインにカットし電解研磨を施すという、当業者には知られた製造方法にて作製した。
【0047】
(比較例1)
図1は、一般に知られている生体留置用ステントの例であって、斜め方向から見た概略図を示している。図1に記載の生体留置用ステントは複数の波が1周するセルが存在し、それらが略管状体に略整列して、両端を有する細長い管状体を形成している。
【0048】
図2は、比較例1に対応する、従来の技術による代表的な生体留置用ステントであって、両端を有する細長い管状体の展開図を示している。比較例1のステントは、複数の円筒形状要素から形成され、前記円筒形状要素は略波形要素から形成され、これらの円筒形状要素は半径方向に拡張可能であり且つ共通の長手方向軸線で、略波形要素の山部同士が部分的に連結されることで、ほぼ整合するように相互連結されている。すべての円筒形状要素は同形状要素であり、長手方向軸線で相互連結される。
【0049】
ステントのいずれの部分もストラットの幅130um、厚75um、ステント長さ17.45mm、作製時ステント外径1.80mmとし、ISO5832−7に規定される金属を用いて作製した。いずれの部分も1周あたりの波の数を8として作製した。
【0050】
(実施例1)
図3は、本発明の生体留置用ステントの1実施態様であって、両端を有する細長い管状体の展開図を示している。実施例1のステントは、複数の円筒形状要素から形成され、前記円筒形状要素は略波形要素から形成され、これらの円筒形状要素は半径方向に拡張可能であり且つ共通の長手方向軸線で、略波形要素の山部同士が部分的に連結されることで、ほぼ整合するように相互連結されている。第1端部セクション31、第2端部セクション32および第3中央部セクション33のそれぞれの波形状要素はストラットの幅130um、厚75umとし、第4セクション34および第5セクション35ではストラットの幅110um、厚75umとし、ステント長さ17.45mm、作製時ステント外径1.80mmとして作製した。第1端部セクション31、第2端部セクション32、第3中央部セクション33、第4セクション34および第5セクション35のいずれにおいても1周あたりの波の数を8として作製した。原材料となる金属はISO5832−7に規定される金属を用いて作製した。本実施例1において、第4セクション34および第5セクション35はステント両端からそれぞれ2.65mmから4.00mmの位置を占めるように配置されている。
【0051】
(実施例2)
図4は、本発明の生体留置ステントの1実施態様であって、両端を有する細長い管状体の展開図を示している。実施例2のステントは、複数の円筒形状要素から形成され、前記円筒形状要素は略波形要素から形成され、これらの円筒形状要素は半径方向に拡張可能であり且つ共通の長手方向軸線で、略波形要素の山部同士が部分的に連結されることで、ほぼ整合するように相互連結されている。
【0052】
図4は、本発明の生体留置ステントの1実施態様であって、両端を有する細長い管状体の展開図を示している。実施例2のステントは、複数の円筒形状要素から形成され、前記円筒形状要素は略波形要素から形成され、これらの円筒形状要素は半径方向に拡張可能であり且つ共通の長手方向軸線で、略波形要素の山部同士が部分的に連結されることで、ほぼ整合するように相互連結されている。
【0053】
第1端部セクション41、第2端部セクション42および第3中央部セクション43のそれぞれの波形状要素はストラットの幅130um、厚75umとし、第4セクション44および第5セクション45では、ストラットの幅110um、厚75umとし、ISO5832−7に規定される金属を用いてステント長さ18.40mm、作製時ステント外径1.80mmとして作製した。また、第4セクション44および第5セクション45はステント両端からそれぞれ、2.70mmから3.75mmの位置を占めるように配置されている。
【0054】
(実施例3)
図5は、本発明の生体留置ステントの1実施態様であって、両端を有する細長い管状体の展開図を示している。実施例3のステントは、複数の円筒形状要素から形成され、前記円筒形状要素は略波形要素から形成され、これらの円筒形状要素は半径方向に拡張可能であり且つ共通の長手方向軸線で、略波形要素の山部同士が部分的に連結されることで、ほぼ整合するように相互連結されている。
【0055】
図5に示すとおり、円筒形状要素は、第1端部セクション51、第2端部セクション52および第3中央部セクション53において、周あたり8波を有しており、第4セクション54および第5セクション55においては周あたり10波を有する形状とした。これらが長手方向軸線で相互連結される。第1端部セクション51、第2端部セクション52および第3中央部セクション53のそれぞれの波形状要素はストラットの幅130um、厚75umとし、第4セクション54および第5セクション55では、ストラットの幅110um、厚75umとし、ISO5832−7に規定される金属を用いてステント長さ18.00mmおよび作製時ステント外径1.80mmとして作製した。また、第4セクション54および第5セクション55はステント両端からそれぞれ、1.35mmから3.55mmの位置を占めるように配置されている。
【0056】
(実施例4)
図6は、本発明の生体留置ステントの1実施態様であって、両端を有する細長い管状体の展開図を示している。実施例4のステントは、複数の円筒形状要素から形成され、前記円筒形状要素は略波形要素から形成され、これらの円筒形状要素は半径方向に拡張可能であり且つ共通の長手方向軸線で、略波形要素の山部同士が部分的に連結されることで、ほぼ整合するように相互連結されている。
【0057】
図6に示すとおり、円筒形状要素は、第1端部セクション61、第2端部セクション62および第3中央部セクション63において、周あたり6波を有しており、第4セクション64および第5セクション65においては周あたり8波を有する形状とした。これらが長手方向軸線で相互連結される。第1端部セクション61、第2端部セクション62および第3中央部セクション63のそれぞれの波形状要素はストラットの幅130um、厚75umとし、第4セクション64および第5セクション65では、ストラットの幅110um、厚75umとし、ISO5832−7に規定される金属を用いてステント長さ18.40mmおよび作製時ステント外径1.80mmとして作製した。第4セクションおよび第5セクションはステント両端からそれぞれ、2.70mmから3.75mmの位置を占めるように配置されている。
【0058】
(評価)
上記比較例1および実施例1〜4について以下の評価を実施した。
まず、評価を行うステントをすべてバルーンカテーテルのバルーン部分に圧縮固定した。ここでバルーンカテーテルはラピットエクスチェンジ型バルーンカテーテルで定格拡張圧でのバルーン径3.0mm、バルーン部長さ20mmのものを使用した。次に模擬血管として、内径3.0mm、外径4.0mmのシリコン製チューブを用意した。
【0059】
上記模擬血管を直線の状態に配置し、それぞれのステントを模擬血管内で拡張させ模擬血管内に留置した。ステント留置は、バルーンを8atmの圧力で拡張し30秒維持した後、バルーン内の圧力を取り除き、バルーンを模擬血管内から抜去する手順で行った。次に、模擬血管内に留置されたステントのねじれを評価した。評価はステントの両端のねじれ角度を観察することで行い、ステント1周分を360度として角度で測定値を得た。なお、ねじれの向きは考慮に入れず絶対値で表した。各群についてそれぞれ3コのサンプルを用意し、各群のねじれ角度の平均を以下の表1に示した。
【0060】
【表1】

【0061】
いずれの実施例においても、比較例と比較してねじれ角度が小さく押さえられている結果となった。実施例の中で最もねじれ角度が大きい実施例1においても、ねじれ角度は5.6%となり、比較例1と比較して1.1%の低減、比較例から約16%のねじれ角度の低減が確認された。また最もねじれ角度の小さい実施例4では、ねじれ角度が2.2%となり、比較例1と比較して4.5%の低減、比較例から約67%のねじれ角度の低減が確認された。
【0062】
次に、模擬血管を90度曲がった状態に配置した。模擬血管の屈曲部では、模擬血管外径の屈曲内側を曲率半径10mmとなるようにした。それぞれのステントを模擬血管内で拡張させ模擬血管内に留置した。ステントは模擬血管の屈曲部分にステントの中央部分がくるように配置した。ステント留置は前述と同様にバルーンを8atmの圧力で拡張し30秒維持した後、バルーン内の圧力を取り除き、バルーンを模擬血管内から抜去する手順で行った。そして、模擬血管内に留置されたステントのねじれを評価した。評価はステントの両端のねじれ角度を観察することで行い、ステント1周分を360度として角度で測定値を得た。なお、ねじれの向きは考慮に入れず絶対値で表した。各群についてそれぞれ3コのサンプルを用意し、各群のねじれ角度の平均を以下の表2に示した。
【0063】
【表2】

【0064】
いずれの実施例においても、比較例と比較してねじれ角度が小さく押さえられている結果となった。実施例の中で最もねじれ角度が大きい実施例1においても、ねじれ角度は9.2%となり、比較例1と比較して2.9%の低減、比較例から約24%のねじれ角度の低減が確認された。また最もねじれ角度の小さい実施例4では、ねじれ角度が5.5%となり、比較例1と比較して6.6%の低減、比較例から約55%のねじれ角度の低減が確認された。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内留置用ステントであって、
両端を有する細長い管状体を形成し、
前記細長い管状体は圧縮された第1の直径から第2の拡大された直径まで半径方向に拡張でき、
第1端部セクション、第2端部セクション、第3中央部セクション、前記第1端部セクションと第3中央部セクションとの間の第4セクション、および前記第2端部セクションと第3中央部セクションとの間の第5セクションを有し、
前記第1〜第5のセクションの各々は、略波形要素を組み合わせることで形成され、相互に連結されており、
前記第4セクションおよび前記第5セクションは、前記生体留置ステントの両端から、1.35mm〜3.75mmの位置のいずれかの部分を含むように配され、
前記第4セクションの剛性が、前記第1端部セクションの剛性より小さく、前記第3中央部セクションの剛性より小さく、
前記第5セクションの剛性が、前記第2端部セクションの剛性より小さく、前記第3中央部セクションの剛性より小さい、
ことを特徴とする生体留置ステント。
【請求項2】
生体内留置用ステントであって、
両端を有する細長い管状体を形成し、
前記細長い管状体は圧縮された第1の直径から第2の拡大された直径まで半径方向に拡張でき、
第1端部セクション、第2端部セクション、第3中央部セクション、前記第1端部セクションと第3中央部セクションとの間の第4セクション、および前記第2端部セクションと第3中央部セクションとの間の第5セクションを有し、
前記第1〜第5のセクションの各々は、略波形要素を組み合わせることで形成され、相互に連結されており、
前記第4セクションおよび前記第5セクションは、前記生体留置ステントの両端から、1.35mm〜3.75mmの位置のいずれかの部分を含むように配され、
前記第4セクションの基本形状のストラットの断面積が、前記第1端部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、前記第3中央部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、
前記第5セクションの基本形状のストラットの断面積が、前記第2端部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、前記第3中央部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さい、
ことを特徴とする生体留置ステント。
【請求項3】
両端を有する細長い管状体を形成し体管内に移植するための長手方向に可撓性を有するステントであって、
複数の円筒状要素を有し、
前記円筒状要素は略波形要素から形成され、
これら円筒状要素は半径方向に独立して拡張可能であり且つ共通の長手方向軸線でほぼ整合するように相互連結されており、
前記細長い管状体は圧縮された第1の直径から第2の拡大された直径まで半径方向に拡張でき、
第1端部セクション、第2端部セクション、第3中央部セクション、前記第1端部セクションと第3中央部セクションとの間の第4セクション、および前記第2端部セクションと第3中央部セクションとの間の第5セクションを有し、
前記第4セクションおよび前記第5セクションは、前記生体留置ステントの両端から、1.35mm〜3.75mmの位置のいずれかの部分を含むように配され、
第4セクションの前記略波形要素が、第1端部セクションの前記略波形要素より周あたり波数が多く、第3中央部セクションの前記略波形要素より周あたり波数が多く、
第5セクションの前記略波形要素が、第2端部セクションの前記略波形要素より周あたり波数が多く、第3中央部セクションの前記略波形要素より周あたり波数が多い、
ことを特徴とする生体留置ステント。
【請求項4】
請求項3に記載の生体留置ステントであって、
前記第4セクションの基本形状のストラットの断面積が、前記第1端部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、前記第3中央部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、
前記第5セクションの基本形状のストラットの断面積が、前記第2端部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さく、前記第3中央部セクションの基本形状のストラットの断面積より小さい、
ことを特徴とする生体留置ステント。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のステントであって、
前記第4セクションおよび前記第5セクションの剛性が、前記第1端部セクション、前記第2端部セクション、前記第3中央部セクションのそれぞれの剛性の20%以上99%以下である、
ことを特徴とするステント。




【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−31684(P2013−31684A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221211(P2012−221211)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【分割の表示】特願2007−538782(P2007−538782)の分割
【原出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】