説明

生体硬さ計測装置

【課題】
医師の個人的技量に依存する触診における個人差を低減するために、生体内組織の硬さを定量的に評価することで、医師の個人的技量に依らずに、体内組織の状態(正常・異常)を的確に判断する。
【解決手段】
適当な硬さの非柔軟中空材料11a内に、それよりも柔らかい柔軟中実材料12aと薄肉板13aを挿入したセンサ先端部と、別の柔軟中実材料12bと薄肉板13bによって構成されるセンサ基部が、非柔軟中空材料11bによって固定された構造を有する硬さ計測センサ10を使用し、測定対象物30に静的に押し付けるだけで測定対象物の硬さを測定する。柔軟中実材料12aと12bの下部に挿入されている薄肉板13aと13bによってセンサ先端部の非柔軟中空材料11aとセンサ基部にかかる力をそれぞれ測定し、それらの力の比を利用して、センサの特性曲線から測定対象物30の硬さをヤング率によって定量的に推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬さの異なる柔軟中実材料および非柔軟中空材料を用いたセンサであって、生体内組織などの柔軟体に押し付けるだけで、該対象物の硬度を定量的に測定可能な生体硬さ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に生体組織は、正常時と異常時では硬さが異なる。そのような特徴を利用した診断方法が触診であり、現在も広く実施されている方法の一つである。たとえば、前立腺癌検診や乳癌検診における触診が代表的である。また、医師は触診において腫瘍などの病変部の検出を行うが、それと同時に正常部位と病変部位の境界、すなわち、病変部の範囲も検出しているといわれている。
【0003】
従来、触診技術は医師の個人的な技量であり、絶対的な評価方法は存在しなかった。そのため、症状次第では医師によって判断が異なることがあった。また、外科手術中などに生体組織硬さに関して迅速に正確な判断が要求される場合があるが、現在は触診と生検による判断が主流である。
【0004】
硬さ計測装置として、ブリネル硬度計やショア硬度計などが市販されているが、多くは金属材料の硬さ測定などに利用されるものであり、圧子を対象表面に押し付けたときのくぼみ量や鋼球を表面に落下させたときの跳ね返り高さによって硬さを計測するものである。これらの測定装置を体内で利用することは構造上困難あるいは不可能である。そのため、医学分野で利用可能な硬さ測定装置の開発が必要である。
【0005】
従来の硬さ計測装置としては、特許文献1のように、内視鏡との併用を想定したものが開示されている。これによれば、パルス状加圧空気を器官内壁に照射することで検査部位を振動させ、その振動をレーザ光のドップラー効果によって検査部位の振動状態を測定する方法である。この方法によれば、完全に非接触で計測を行うことが可能である。
【0006】
ところが、特許文献1の方法では必ず加圧空気を送給するための空気チューブが必要であり、センサ信号用の電気的または光学的ケーブルとあわせて内視鏡の機器挿入用に設けられた少ない穴を占有してしまうことが考えられる。
【0007】
さらに、特許文献2に記載の板ばねをセンシング部に備えたセンサでは、複数の探索子を使用しているために計測精度の向上は望めるが、小型化には不向きな構造であるといえる。また、探索子に装備された振動子によって生体に振動を与えるため、不要な負荷を生体に与えてしまう可能性がある。
【0008】
従来の硬さ計測装置では、センシング部を測定対象に複数回押し当てるあるいは測定対象に接触させた状態でセンシング部に振動を与えることにより硬さを計測する方法が多かった。そのため、計測対象に負荷を与えることになり、より低侵襲・非侵襲である計測の実現が望まれている。
【0009】
また、非侵襲計測の代表的な手法の一つにMRI(磁気共鳴映像法)がある。これは、非破壊で人体内の状態を観測することが可能である。しかしながら、装置が非常に大型かつ高価であり、容易に導入することは困難である。また、MRIでは体内の状態を断層画像として映し出すため、異変の検出は可能であっても具体的な硬さなどの情報を即時に得ることは困難である。
【0010】
【特許文献1】特開2003−310544号公報
【特許文献2】特開2004−261220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
生体組織硬さの判定において触診は有効な診断法であるが、個人的な技量に依存する方法であるため、同様の症状に対しても判断が異なる可能性がある。この個人差を解消するためには訓練が必要であり、ある程度の個人差を解消することは可能であるが、訓練のみですべての個人差を解消することは難しい。この難しさは、触診の結果を定量的に表現することができないことに起因している。
【0012】
一方、金属材料などの硬さを表す指標の一つにヤング率がある。これは材料の応力と歪を関係付ける材料固有の定数である。このように、材料固有の定数を用いて生体組織などの硬さを評価することができれば、前述したような医師間の個人差を十分に減らすことが可能である。すなわち、医師の個人差による判定の違いを可能な限り少なくし、定量的な硬さ指標を提示することで、生体内組織の状態(正常または異常)をより的確に判断する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
触診において医師が指を対象部位およびその周辺部に押し当てるように、センサを測定対象部位に押し当てることによって、該対象部位ならびに該対象部位の周辺領域の硬さを定量的に測定することができる装置である。
【0014】
対象物への一度の押付けによって該対象物の硬さを定量的に測定可能な生体組織硬さ計測装置であって、該硬さ計測装置の硬さ計測センサはセンサ先端部およびセンサ基部から構成されていて、センサ先端部は、柔軟中実材料が該柔軟中実材料よりも十分に硬い非柔軟中空材料内に挿入された部材と、前記部材において柔軟中実材料が非柔軟中空材料内部で固定されるための薄肉板と、該薄肉板の変形を検出するための曲げ変形検出手段と、によって構成され、センサ基部は、中実材料の一端が中空状に加工された非柔軟中空材料と、該非柔軟中空材料の端面を覆うように配置された薄肉板と、
該薄肉板の変形を検出するための曲げ変形検出手段と、によって構成され、前記センサ先端部と前記センサ基部が、前記非柔軟中空材料内に挿入された柔軟中実材料と同程度の硬さを有する柔軟中実材料を介して結合されていることを特徴とする。
【0015】
請求項1記載の生体硬さ計測装置において、前記センサ先端部の構成要素である非柔軟中空材料の中空部は、前記柔軟中実材料の断面と相似形状となる断面を有し、柔軟中実材料断面の中心軸と中空部の断面中心軸が一致するように加工されていて、センサ先端部の柔軟中実材料の断面中心軸が、前記非柔軟中空材料の断面中心軸と一致し、前記非柔軟中空材料の内壁に接触しないように柔軟中実材料が前記非柔軟中空材料の内部に配置されていて、前記測定対象物に接する前記センサ先端部の非柔軟中空材料の端面と柔軟中実材料の端面が同一平面内にあることを特徴とする。
【0016】
請求項1または請求項2記載の生体硬さ計測装置において、前記薄肉板に取り付けられた曲げ変形検出手段の出力信号が記録される記憶装置と、記録された信号に基づいて前記測定対象物の硬さを計算するための演算装置と、前記演算装置での解析結果を表示する表示装置と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によって提供される硬さ計測装置を使用することにより、従来は医師個人の感覚によって判断されていた生体硬さの程度を、定量的かつ正確に測定することが可能となる。さらに、ヤング率によって硬さの違いを検出できるセンサであるため、医師の触診と同様に、病変部範囲を明確にする手段としての利用も可能となる。
【0018】
また、たとえば内視鏡と本発明にかかる生体硬さ計測装置を併用することにより、生検の必要性の有無を迅速に判断するためのセンサとしての利用が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面にそって示す。
【0020】
図1は硬さ計測センサの断面図である。ただし、センサ先端部とセンサ基部に分離した図であり、実施の際には両者は結合された状態で使用される。図1は非柔軟材料として、たとえばアルミニウムなどの金属を中空状に加工した非柔軟中空材料11aおよび11bと、前記非柔軟材料よりも十分に柔らかい柔軟材料としてたとえばウレタンゴムなどの中実材料12aおよび12bと、前記非柔軟中空材料および前記柔軟中実材料を支えるたとえば銅板などの薄肉板13aおよび13bと、たとえばひずみゲージなどの曲げ変形検出手段14aおよび14bと、からなる。図1の硬さ計測センサの構成要素である非柔軟中空材料と柔軟中実材料は、柔軟材料よりも非柔軟材料のほうが固い材料であれば、非柔軟中空材料11aおよび11bと柔軟中実材料12aおよび12bは、アルミニウムとウレタンゴムに限らない。しかし、非柔軟中空材料としては測定対象物よりも十分に硬い材料を使用することが望ましい。また、柔軟中実材料12aおよび12bが固定される薄肉板13aおよび13bは、柔軟中実材料12aおよび12bのそれぞれにかかる荷重をによって曲げ変形が生じる厚さおよび材料であれば、銅板に限らない。さらに、非柔軟中空材料および柔軟中実材料の外形は円柱状に限らない。
【0021】
図1に示すセンサ先端部の非柔軟中空材料11aおよび柔軟中実材料12aを前記測定対象物30に均一に接触させることにより、柔軟中実材料12aの断面にかかる荷重を薄肉板13aで受けて、曲げ変形検出手段14aによって薄肉板13aの曲げが計測される。一方、非柔軟中空材料11aおよび柔軟中実材料12a全体にかかる荷重を、センサ基部の柔軟中実材料12bによって受けて、薄肉板13bを伝わって曲げ変形検出手段14bによって薄肉板13bの曲げが計測される。
【0022】
非柔軟中空材料11aおよび11b内部に固定されて、柔軟中実材料12aおよび12bが固定される薄肉板13aおよび13bの片面に曲げ変形検出手段14aおよび14bが備えられたとき、曲げ変形検出手段14aおよび14bの動作に支障がないように、前記非柔軟中空材料11aおよび11b内には適度な空間が確保されている。このとき、非柔軟中空材料11aは、柔軟中実材料と結合されるため、貫通しない程度に加工されているものが好適である。また、非柔軟中空材料11bは、薄肉板13bおよび曲げ変形検出手段が格納されて、硬さ計測センサ10の動作に支障がない程度に中空状に加工されていれば、貫通していなくても構わない。
【0023】
図2は、測定対象物のヤング率を横軸に、曲げ変形検出手段14aおよび14bを介して得られた電圧信号の比を縦軸としたときの生体硬さ計測センサの特性曲線を、センサ先端部の柔軟中実材料の硬さを変えて表示した一例である。センサ先端部の柔軟中実材料12aの硬さによって特性曲線が異なる。適当な硬さの柔軟中実材料12aを基準とし、該柔軟中実材料よりも硬い柔軟中実材料を使用すると硬い対象物のヤング率を計測することができる。一方、前記柔軟中実材料よりも柔らかい柔軟中実材料を使用すると、柔らかい対象物のヤング率を測定することができる。
【0024】
図3は、硬さ計測センサ10を測定対象物30に押し当てた図である。該硬さ計測センサ10を該測定対象物30に押し付けることにより、測定対象物30は硬さ計測センサ10の非柔軟中空材料11aおよび柔軟中実材料12aの両方から力を受ける。非柔軟中空材料11aと柔軟中実材料12aのそれぞれの断面積、柔軟中実材料12aの高さ、測定対象物30および柔軟中実材料のそれぞれの変位量より、非柔軟中空材料11aにかかる力および柔軟中実材料12aにかかる力が得られ、力の比が得られる。
【0025】
硬さ計測の基本式を導出するにあたり、以下の記号を定義する。
【0026】
【数1】

【0027】
非柔軟中空材料11aにかかる荷重は、測定対象物30の変位量に着目し、フックの法則により数式2のように表される。
【0028】
【数2】

【0029】
同様に、柔軟中実材料12aが受ける荷重は、該柔軟中実材料12aの変位量に着目し、フックの法則により数式3のように表される。
【0030】
【数3】

【0031】
さらに、柔軟中実材料部12aが測定対象物30に接している領域での該測定対象物30の変位量に着目して数式3を表現すると数式4のようになる。
【0032】
【数4】

【0033】
数式2乃至数式4を変形することにより、硬さ計測センサ10のセンサ基部が受ける力とセンサ先端部の柔軟中実材料12aが受ける力の比は数式5のように表される。
【0034】
【数5】

【0035】
薄肉板の曲げ変形検出手段14aおよび14bとしては、たとえばひずみゲージが好適である。ひずみゲージの出力電圧は荷重の大きさに比例するため、数式5に記載の力の比は、曲げ変形検出手段14aおよび14bで検出した電圧の比と等価となり、図2の特性曲線における縦軸の値を測定することができるので、対象の硬さ(ヤング率)を推定することが可能である。
【0036】
以上に記載のヤング率推定手順は、図4の生体硬さ計測装置20に示すように、曲げ変形検出手段14aおよび14bによって計測された信号を記録するための記憶装置21と、それらの信号に基づいて、数式5に示す力の比を計算するための演算装置22と、前記演算装置によって計算された結果を表示するための表示装置23と、によって構成される。
【0037】
硬さ計測センサ10における曲げ変形検出手段14aおよび14bで計測された信号は、通信手段40を介して前記記憶装置21に記録される。該通信手段40は有線または無線のいずれで実現することも可能であるが、実用的には無線で実現されることがより好適である。
【0038】
図5は、曲げ変形検出手段14aおよび14bによって検出された電位変化の例である。前記演算装置22において曲げ変形検出手段14aの平均的な電位差と、曲げ変形検出手段14bの平均的な電位差と、が計算され、両者の比が計算される。
【0039】
以上のようにして本発明にかかる生体硬さ計測装置20によって対象物の硬さを正確に測定するためには、測定対象物30がセンサ先端部10aの非柔軟中空材料11a断面および柔軟中実材料12a断面に均等に接するようにセンサ先端部が加工されていることが必要である。たとえば、非柔軟中空材料断面と柔軟中実材料断面とが同一平面上にあるように加工されていなければならない。
【実施例】
【0040】
非柔軟中空材料11aおよび11bとしてアルミニウムの円筒材料を、柔軟中実材料12aおよび12bとしてウレタンゴムの円柱材料を、薄肉板13aおよび13bとして銅円板を、曲げ変形検出手段14aおよび14bとしてひずみゲージを用いたときの硬さ計測の実施例を示す。硬さ測定の対象として、生体組織の硬さと類似した硬さをもつシリコンゴムを使用したときの例である。
【0041】
本発明にかかる生体硬さ計測装置20によって硬さ測定を実施すると、硬さ計測センサ10に取り付けられた2枚のひずみゲージ14aおよび14bから、たとえば図5のような出力信号が得られる。ひずみゲージからの出力値がほぼ0の状態で、硬さ計測センサ10が柔軟対象物に押し付けられた瞬間にセンサ先端部10aのアルミニウム円筒部およびセンサ先端部10aのウレタンゴム円柱部を介して薄肉板に曲げ変形が生じ、その曲げを各ひずみゲージが電圧変化として検出する。ひずみゲージ14bはセンサ基部のウレタンゴム円柱部12bを介してセンサ先端部のアルミニウム円筒部11aおよびウレタンゴム円柱部11aにかかる力の合力を受けるため、ひずみゲージ14aの出力と同じあるいはそれよりも大きくなる。生体硬さ計測センサ10を数秒間押し付けた後、該生体硬さ計測センサ10を測定対象物30から離した瞬間に曲げ変形検出手段14aおよび14bからの出力は接触前の状態に戻る。ひずみゲージ14aと14bのそれぞれにおいて、最大出力値(平均値)と最小出力値(平均値)の差を出力電圧とする。これらの比が特性曲線の縦軸に相当するので、縦軸の値と曲線の交点から柔軟な測定対象物のヤング率が求められる。
【0042】
図6はヤング率が既知である5種類の材料を測定対象として、荷重を変化させて硬さ測定を実施したときの電圧比を図示した結果である。図6のように、得られた出力電圧の比およびそのときの柔軟な測定対象物のヤング率をプロットすると、生体硬さ計測センサ10への荷重の大きさに関わらず、特性曲線とほぼ一致しており、柔軟な測定対象物のヤング率を推定することができる。図6は、荷重の大きさを変えて測定対象物のヤング率を測定した結果である。荷重を400g、500g、600gとしたときの電圧信号の比を図示している。図6において、測定対象物のヤング率は既知であるため、既知のヤング率に対して電圧信号の比を図示している。
【0043】
図7は、図6に示した結果における真のヤング率と推定したヤング率の相関を示したものであり、本発明にかかる生体硬さ計測装置20の精度を示す図である。本実施例では、荷重を500g(4.90N)としたときの相関関数を示している。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明にかかる生体硬さ計測装置を用いることにより、硬さの度合いを評価基準とし、剛体でない対象物であれば、様々な分野での利用が期待できる。
【0045】
本発明は体内での使用に限らず、たとえば、眼圧測定への応用も期待できる。現在は主として緑内障の診断に眼球内圧を測定しており、接触方式と非接触方式の2つがある。ところが、非接触方式では測定精度などの問題点も指摘されている。本発明にかかるセンサを使用することで、荷重に依らない硬さ計測を実現でき、この分野での利用も十分期待できる。
【0046】
また、健康機器としての利用も可能である。たとえば、個人で継続的に使用することで、肩などの特定部位の凝り具合を自分で経過観察することへも応用可能である。
【0047】
整形外科の分野における利用も考えられる。たとえば、関節軟骨の術後経過観察手段として、関節鏡とよばれるカメラを挿入する方法がとられているが、本発明にかかる硬さセンサを利用することで、無侵襲の経過観察を実現できると考えられる。
【0048】
さらに、農学や土木の分野においては、耕地の土壌の硬さ測定や、土壌壁面の硬さ測定において利用することも期待できる。あるいは、農学の分野において、果樹や野菜の硬さ測定への利用も可能である。この場合、測定対象物への損傷をなくすために、非柔軟中空材料および柔軟中実材料の硬さを適切に選択した上で、本発明にかかる硬さ計測装置を構成することも必要である。
【0049】
本発明にかかる生体硬さ計測装置を使用できるのは医師に限らず、個人での使用も十分に可能である。この利点を生かすことにより、患者個人が在宅で経過観察を実施することができ、その結果を定期的に医師に送信することによって通院回数を減らすことも可能であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】硬さ計測センサの断面図。
【図2】硬さ計測センサの特性曲線を示す図。
【図3】センサ全体にかかる力と対象物の硬さの理論的な関係を示す図。
【図4】生体硬さ計測装置の全体図。
【図5】ひずみゲージの出力信号の例。
【図6】ひずみゲージの出力信号から求めた力の比と対象物のヤング率の関係を示す図。
【図7】真のヤング率と推定したヤング率の相関を示す図。
【符号の説明】
【0051】
10・・・硬さ計測センサ
10a・・・センサ先端部
10b・・・センサ基部
11a・・・非柔軟中空材料
11b・・・非柔軟中空材料
12a・・・柔軟中実材料
12b・・・柔軟中実材料
13a・・・薄肉板
13b・・・薄肉板
14a・・・曲げ変形検出手段
14b・・・曲げ変形検出手段
20・・・生体硬さ計測装置
21・・・記憶装置
22・・・演算装置
23・・・表示装置
30・・・測定対象物
40・・・通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物への一度の押付けによって該対象物の硬さを定量的に測定可能な生体組織硬さ計測装置であって、該硬さ計測装置の硬さ計測センサはセンサ先端部およびセンサ基部から構成されていて、センサ先端部は、柔軟中実材料が、該柔軟中実材料よりも十分に硬い非柔軟中空材料内に挿入された部材と、前記部材において柔軟中実材料が非柔軟中空材料内部で固定されるための薄肉板と、該薄肉板の変形を検出するための曲げ変形検出手段と、によって構成され、センサ基部は、中実材料の一端が中空状に加工された非柔軟中空材料と、該非柔軟中空材料の端面を覆うように配置された薄肉板と、該薄肉板の変形を検出するための曲げ変形検出手段と、によって構成され、前記センサ先端部と前記センサ基部が、前記非柔軟中空材料内に挿入された柔軟中実材料と同程度の硬さを有する柔軟中実材料を介して結合されていることを特徴とする生体硬さ計測装置。
【請求項2】
請求項1記載の生体硬さ計測装置において、前記センサ先端部の構成要素である非柔軟中空材料の中空部は、前記柔軟中実材料の断面と相似形状となる断面を有し、柔軟中実材料断面の中心軸と中空部の断面中心軸が一致するように加工されていて、センサ先端部の柔軟中実材料の断面中心軸が、前記非柔軟中空材料の断面中心軸と一致し、前記非柔軟中空材料の内壁に接触しないように柔軟中実材料が前記非柔軟中空材料の内部に配置されていて、前記測定対象物に接する前記センサ先端部の非柔軟中空材料の端面と柔軟中実材料の端面が同一平面内にあることを特徴とする生体硬さ計測装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の生体硬さ計測装置において、前記薄肉板に取り付けられた曲げ変形検出手段の出力信号が記録される記憶装置と、記録された信号に基づいて前記測定対象物の硬さを計算するための演算装置と、前記演算装置での解析結果を表示する表示装置と、を備えていることを特徴とする生体硬さ計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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