説明

生体組織洗浄方法および生体組織洗浄装置

【課題】容器内に収容される生体組織の量にかかわらず、適正に洗浄することができ、細胞に与えるダメージを抑え、かつ、短時間で効率的に生体組織を洗浄する。
【解決手段】容器内に収容された洗浄すべき生体組織の量に基づいて、必要な量の洗浄液の送液に要する送液時間を算出する送液時間算出ステップS3と、容器内に洗浄液を供給する送液ステップS5と、容器内の生体組織と洗浄液との混合液を攪拌する攪拌ステップS8とを備え、該攪拌ステップS8は、送液時間算出ステップS3において算出された送液時間が、生体組織を洗浄するための洗浄液との攪拌に要する攪拌時間より長い場合に、容器内への洗浄液の供給開始後、送液時間算出ステップS3において算出された送液時間から、攪拌時間を差し引いた時間の経過後に攪拌を開始する生体組織洗浄方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体組織洗浄方法および生体組織洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生体組織から細胞を分離するために、生体から採取されてきた生体組織を洗浄液によって洗浄することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。この洗浄方法では、容器内に生体組織を収容し、該生体組織を洗浄するために必要十分な洗浄液を容器内に送液し終えた後に、これら生体組織と洗浄液との混合液を容器ごと振動させて攪拌している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/012480号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の洗浄方法では、洗浄液の送液終了を待って攪拌を開始しているので、洗浄液の送液に要する時間と攪拌に要する時間の和の時間だけ1サイクルごとに必要となり、複数サイクル繰り返す場合には、洗浄処理が長時間に及ぶという不都合がある。また、洗浄液の送液と混合液の攪拌とを同時に行うことも考えられるが、洗浄に必要な洗浄液の量は容器内に収容されている生体組織の量に依存するので、この場合には、生体組織の量に依存して攪拌不足となったり攪拌過剰となったりする不都合がある。攪拌不足の場合には、洗浄が十分に行われずに不純物が残ってしまうことになり、攪拌過剰の場合には、生体組織を構成する細胞に過剰のダメージを与えてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、容器内に収容される生体組織の量にかかわらず、適正に洗浄することができ、細胞に与えるダメージを抑え、かつ、短時間で効率的に生体組織を洗浄することができる生体組織洗浄方法および生体組織洗浄装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、容器内に収容された洗浄すべき生体組織の量に基づいて、必要な量の洗浄液の送液に要する送液時間を算出する送液時間算出ステップと、前記容器内に洗浄液を供給する送液ステップと、前記容器内の生体組織と洗浄液との混合液を攪拌する攪拌ステップとを含み、該攪拌ステップは、前記送液時間算出ステップにおいて算出された送液時間が、前記生体組織を洗浄するための洗浄液との攪拌に要する攪拌時間より長い場合に、前記容器内への洗浄液の供給開始後、前記送液時間算出ステップにおいて算出された送液時間から、前記攪拌時間を差し引いた時間の経過後に攪拌を開始する生体組織洗浄方法を提供する。
【0007】
本発明によれば、送液時間算出ステップにおいて、洗浄すべき生体組織の量に応じた必要量の洗浄液の送液時間が算出され、送液時間が攪拌時間より長い場合にはまず、送液ステップにおいて容器内への洗浄液の送液が開始される。そして、送液開始からの時間が、送液時間から攪拌時間を差し引いた時間だけ経過したときに攪拌ステップによって容器内の混合液の攪拌が開始され、必要な攪拌時間だけ攪拌される。攪拌時間は、予め定められていてもよいし、生体組織の量に応じて定めてもよい。
【0008】
これにより、生体組織が十分に洗浄されるまで混合液の攪拌が行われ、容器への洗浄液の供給が終了した時点で攪拌も終了する。すなわち、容器内に貯留されている洗浄液の量が少ない内に攪拌を開始することにより、生体組織と洗浄液との混合液を効率よく攪拌して生体組織を効率よく洗浄することができる。また、生体組織の量にかかわらず、洗浄液の供給終了と同時に洗浄を終了でき、細胞にダメージを与えることなく、短時間で生体組織の適正な洗浄を行うことができる。
【0009】
上記発明においては、容器内に収容された洗浄すべき生体組織の量を測定する組織量測定ステップと、前記送液時間算出ステップにより算出された前記送液時間と前記攪拌時間とを比較する比較ステップとを含み、前記攪拌ステップは、前記比較ステップにおいて前記送液時間が前記攪拌時間より短いと判定された場合に、前記容器内への洗浄液の供給開始と同時に前記混合液の攪拌を開始することが好ましい。
このようにすることで、生体組織の量が少ない場合においても、最短時間で適正な洗浄を行うことができる。
【0010】
また、本発明は、洗浄すべき生体組織を収容する容器と、該容器内に必要な量の洗浄液を送液する送液部と、前記容器内に収容された生体組織と送液された洗浄液との混合液を攪拌する攪拌部と、前記容器内に収容された生体組織の量に基づいて、前記送液手段による必要な量の洗浄液の送液に要する送液時間を算出する送液時間算出部と、該送液時間算出部により算出された送液時間に基づいて、前記攪拌部を制御する制御部とを備え、該制御部は、前記混合液の攪拌に要する攪拌時間とを比較し、前記送液時間が前記攪拌時間より長い場合に、前記送液部による前記容器内への洗浄液の供給開始後、前記送液時間から前記攪拌時間を差し引いた時間の経過後に、前記混合液の攪拌を開始するよう前記攪拌部を制御する生体組織洗浄装置を提供する。
【0011】
本発明によれば、送液時間算出部において、洗浄すべき生体組織の量に応じた必要量の洗浄液の送液時間が算出され、制御部において、送液時間が攪拌時間より長いと判定された場合には、送液部が作動させられて洗浄液の容器への送液が開始される。そして、制御部は、送液開始からの時間が、送液時間から攪拌時間を差し引いた時間だけ経過したときに攪拌部を作動させて容器内の混合液の攪拌が開始し、必要な攪拌時間だけ攪拌する。攪拌時間は、予め定められていてもよいし、生体組織の量に応じて定めてもよい。
【0012】
これにより、生体組織が十分に洗浄されるまで混合液の攪拌が行われ、容器への洗浄液の供給が終了した時点で攪拌も終了する。すなわち、容器内に貯留されている洗浄液の量が少ない内に攪拌を開始することにより、生体組織と洗浄液との混合液を効率よく攪拌して生体組織を効率よく洗浄することができる。また、生体組織の量にかかわらず、洗浄液の供給終了と同時に洗浄を終了でき、細胞にダメージを与えることなく、短時間で生体組織の適正な洗浄を行うことができる。
【0013】
上記発明においては、前記容器内に収容された洗浄すべき生体組織の量を測定する組織量測定部を備え、前記制御部は、前記送液時間が前記攪拌時間より短い場合に、前記容器内への洗浄液の供給開始と同時に前記混合液の攪拌を開始するよう前記攪拌部を制御することとしてもよい。
このようにすることで、生体組織の量が少ない場合においても、最短時間で適正な洗浄を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容器内に収容される生体組織の量にかかわらず、適正に洗浄することができ、細胞に与えるダメージを抑え、かつ、短時間で効率的に生体組織を洗浄することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る生体組織洗浄装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の生体組織洗浄装置の制御装置を示すブロック図である。
【図3】図1の生体組織洗浄装置における洗浄回数と不純物の残存率との関係を、攪拌時間をパラメータとして示すグラフを示す図である。
【図4】図1の生体組織洗浄装置を用いた生体組織洗浄方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係る生体組織洗浄装置1および生体組織洗浄方法について図面を参照して、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織洗浄装置1は、図1に示されるように、生体組織および洗浄液を含む混合液を収容可能な洗浄容器2と、該洗浄容器2に対して洗浄液を供給する洗浄液供給部(送液部)3と、洗浄容器2を振動させて混合液を攪拌する攪拌機構(攪拌部)4と、洗浄容器2内で発生した塵埃や血球成分を含む廃液を排出する廃液排出部5と、制御装置6とを備えている。
【0017】
洗浄容器2は有底円筒状に形成され、その下部に、洗浄容器2内に投入される生体組織の重量を計測する重量計7を備えている。
洗浄液供給部3は、洗浄液を貯留する洗浄液容器8と、該洗浄液容器8と洗浄容器2とを接続するチューブ9と、該チューブ9を介して洗浄液容器8から洗浄容器2へと洗浄液を送るポンプ10とを備えている。
【0018】
攪拌機構4は、洗浄容器2を搭載して固定する略水平な載置台11と、該載置台11を偏心した鉛直軸線回りに並進回転運動させる駆動系12とを備えている。
廃液排出部5は、廃液を収容する廃液容器13と、該廃液容器13と洗浄容器2とを接続するチューブ14と、該チューブ14を介して洗浄容器2から廃液容器13へと洗浄液を送るポンプ15とを備えている。
【0019】
制御装置6は、図2に示されるように、重量計7により測定された生体組織の重量に基づいて必要な洗浄液の量を算出する洗浄液量算出部16と、攪拌機構4により生体組織を洗浄するのに必要な攪拌時間を記憶する記憶部17と、洗浄液量算出部16により算出された量の洗浄液を洗浄液容器8から洗浄容器2へと送液するのに要する送液時間を算出する送液時間算出部18とを備えている。また、制御装置6は、送液時間算出部18により算出された送液時間と、記憶部17に記憶されている攪拌時間との大小関係を比較し、比較結果に基づいて攪拌機構4を作動させるタイミングを調節する制御部19を備えている。
【0020】
ここで、記憶部17に記憶されている生体組織の攪拌時間について説明する。
図3に示す例は、攪拌時間を15sec〜60secの間で異ならせたときの洗浄回数と不純物、例えば、血球成分の残存率との関係を示している。この図3によれば、攪拌時間が15secあるいは30secと短い場合には、洗浄回数を増やさなければ不純物の残存率を低下させることができないが、45secあるいは60secのように長くすると少ない洗浄回数でも不純物の残存率を低下させることができることがわかる。
【0021】
また、攪拌時間が45secの場合と60secの場合とを比較すると、両者ともに同等の結果が得られており、攪拌時間は長ければよいのではなく、一定時間以上攪拌すれば結果は同じであることがわかる。長い攪拌時間は細胞にダメージを与えるので、本実施形態では、例えば、攪拌時間として45secを選択する。
【0022】
制御部19は、送液時間が攪拌時間より長い場合には、洗浄液供給部3による洗浄液の供給開始から計時して、送液時間から攪拌時間を差し引いた時間の経過後に攪拌機構4を作動させるようになっている。
また、制御部19は、送液時間が攪拌時間以下の場合には、洗浄液供給部3による洗浄液の供給開始と同時に攪拌機構4を作動させるようになっている。
【0023】
このように構成された本実施形態に係る生体組織洗浄装置1を用いた生体組織洗浄方法について以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織洗浄方法は、図4に示されるように、洗浄容器2に洗浄すべき生体組織を収容して、重量計7により生体組織の重量を測定し(ステップS1)、測定された重量の生体組織を洗浄するのに必要な洗浄液の量を洗浄液量算出部16により算出し(ステップS2)、算出された必要量の洗浄液を洗浄液容器8から洗浄容器2に供給し終えるのに要する送液時間を送液時間算出部18により算出する(ステップS3)。
【0024】
また、本実施形態に係る生体組織洗浄方法は、ステップS3において算出された送液時間と、記憶部17に記憶されている攪拌時間とを制御部19において比較する(ステップS4)。該ステップS4における比較の結果、送液時間が攪拌時間より長い(E>0)場合に、制御部19は、洗浄液の供給を開始し(ステップS5)、洗浄液の供給開始からの時間を計時する(ステップS6)。そして、計時された時間が送液時間から攪拌時間を差し引いた時間Eだけ経過したか否かを判定し(ステップS7)、時間Eが経過した時点で攪拌機構4による攪拌を開始させる(ステップS8)。
【0025】
この後に、制御部19は、記憶部17に記憶されている攪拌時間が経過したか否かを判定し(ステップS9)、攪拌時間が経過した時点で攪拌および送液を終了させる(ステップS10)。制御部19は、さらに、洗浄容器2内の混合液を、例えば、10分間静置して、脂肪組織と洗浄液とに層分離させる(ステップS11)。そして、制御部19は廃液排出部5を作動させて、洗浄容器2の下層に分離した洗浄液を廃液容器13へと排出する(ステップS12)。
さらに、制御部19は、予め定められた繰り返し回数だけ、ステップS5〜S12を繰り返す(ステップS13)。
【0026】
一方、ステップS4における比較の結果、送液時間が攪拌時間以下(E≦0)場合には、制御部19が、洗浄液供給部3の作動による洗浄液の供給と、攪拌機構4の作動による攪拌とを同時に開始させる(ステップS14)。そして、洗浄液の供給開始からの時間を計時し(ステップS15)、送液時間が経過したか否かを判定し(ステップS16)、送液時間が経過した場合には送液を終了する(ステップS17)。その後、攪拌時間が経過したか否かを判定し(ステップS18)、攪拌時間が経過した場合には攪拌を終了する(ステップS19)。
【0027】
そして、制御部19は、洗浄容器2内の混合液を、例えば、10分間静置して、脂肪組織と洗浄液とに層分離させ(ステップS20)、廃液排出部5を作動させて、洗浄容器2の下層に分離した洗浄液を廃液容器13へと排出する(ステップS21)。さらに、制御部19は、予め定められた繰り返し回数だけ、ステップS14〜S21を繰り返す(ステップS22)。
【0028】
本実施形態に係る生体組織洗浄装置1および生体組織洗浄方法によれば、必要量の洗浄液の洗浄容器2内への供給を待つことなく、攪拌を開始するので、洗浄に要する時間を短縮することができるという利点がある。
例えば、洗浄液の送液速度が100mL/minであり、洗浄すべき生体組織、例えば、脂肪組織と同量の洗浄液を供給する場合には、例えば、脂肪組織が500mLの場合には、洗浄液の送液時間は5minとなり、脂肪組織が1000mLの場合には、洗浄液の送液時間は10minとなる。
【0029】
本実施形態によれば、送液時間が攪拌時間より長い場合には、送液途中において攪拌が開始されて送液の終了と同時に攪拌が終了するので、送液終了後に攪拌を開始する場合と比較して、1サイクル毎に攪拌時間分の時間を短縮することができる。特に、本実施形態においては生体組織洗浄方法においては、複数サイクル繰り返されるので、全洗浄処理に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、送液時間が攪拌時間より長い場合には、送液途中において攪拌が開始されるので、洗浄液量が少ない状態で攪拌が行われることになり、生体組織を効率的に洗浄することができるという利点がある。
【0031】
さらに、本実施形態に係る生体組織洗浄方法によれば、送液時間の全体にわたって攪拌を行うのではなく、最大限の洗浄効果を発揮できる短い攪拌時間にわたって攪拌を行うので、洗浄のサイクル数を低減することができ、細胞にかかるダメージを低減して細胞の健全性を維持することができるという利点がある。
【0032】
また、本実施形態に係る生体組織洗浄方法によれば、送液時間が攪拌時間以下の場合には、送液と攪拌とが同時に開始されるので、送液終了後に攪拌を開始する場合と比較して、1サイクル毎に送液時間分の時間を短縮することができる。この場合においても、最大限の洗浄効果を発揮できる短い攪拌時間にわたって攪拌を行うので、洗浄不足となることを防止して、清浄な生体組織を得ることができるという利点がある。
【0033】
なお、本実施形態においては、生体組織として脂肪組織を例示したが、これに限定されるものではなく、他の生体組織を洗浄する場合に適用することにしてもよい。
また、攪拌機構4として、洗浄容器2を固定する載置台11を並進回転運動させるものを例示したが、これに代えて、洗浄容器2を鉛直面内において揺動させる方式のものやその他の方式のものを採用してもよい。
【0034】
また、本実施形態においては、攪拌時間を記憶部17に記憶しておくこととしたが、これに代えて、重量計7により測定された生体組織の重量に応じて、適正な攪拌時間を算出、あるいは、選択することにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 生体組織洗浄装置
2 洗浄容器(容器)
3 洗浄液供給部(送液部)
4 攪拌機構(攪拌部)
7 重量計(組織量測定部)
18 送液時間算出部
19 制御部
S1 組織量測定ステップ
S3 送液時間算出ステップ
S4 比較ステップ
S5 送液ステップ
S8 攪拌ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に収容された洗浄すべき生体組織の量に基づいて、必要な量の洗浄液の送液に要する送液時間を算出する送液時間算出ステップと、
前記容器内に洗浄液を供給する送液ステップと、
前記容器内の生体組織と洗浄液との混合液を攪拌する攪拌ステップとを含み、
該攪拌ステップは、前記送液時間算出ステップにおいて算出された送液時間が、前記生体組織を洗浄するための洗浄液との攪拌に要する攪拌時間より長い場合に、前記容器内への洗浄液の供給開始後、前記送液時間算出ステップにおいて算出された送液時間から、前記攪拌時間を差し引いた時間の経過後に攪拌を開始する生体組織洗浄方法。
【請求項2】
容器内に収容された洗浄すべき生体組織の量を測定する組織量測定ステップと、
前記送液時間算出ステップにより算出された前記送液時間と前記攪拌時間とを比較する比較ステップとを含み、
前記攪拌ステップは、前記比較ステップにおいて前記送液時間が前記攪拌時間より短いと判定された場合に、前記容器内への洗浄液の供給開始と同時に前記混合液の攪拌を開始する請求項1に記載の生体組織洗浄方法。
【請求項3】
洗浄すべき生体組織を収容する容器と、
該容器内に必要な量の洗浄液を送液する送液部と、
前記容器内に収容された生体組織と送液された洗浄液との混合液を攪拌する攪拌部と、
前記容器内に収容された生体組織の量に基づいて、前記送液手段による必要な量の洗浄液の送液に要する送液時間を算出する送液時間算出部と、
該送液時間算出部により算出された送液時間に基づいて、前記攪拌部を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記混合液の攪拌に要する攪拌時間とを比較し、前記送液時間が前記攪拌時間より長い場合に、前記送液部による前記容器内への洗浄液の供給開始後、前記送液時間から前記攪拌時間を差し引いた時間の経過後に、前記混合液の攪拌を開始するよう前記攪拌部を制御する生体組織洗浄装置。
【請求項4】
前記容器内に収容された洗浄すべき生体組織の量を測定する組織量測定部を備え、
前記制御部は、前記送液時間が前記攪拌時間より短い場合に、前記容器内への洗浄液の供給開始と同時に前記混合液の攪拌を開始するよう前記攪拌部を制御する請求項3に記載の生体組織洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−187560(P2010−187560A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33041(P2009−33041)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】