説明

生体適用液への選択的水素添加器具

【課題】生体適用液の特性を変えることなく、水素含有生体適用液を得ることができる選択的水素添加器具を提供する。
【解決手段】水素発生系収納器の排気口が、密閉容器の気相部へ保持されており、水素ガスは、前記密閉容器の前記気相部に送り込まれることを通じて該気相部内のガスを水素ガスに置換すると共に、気相内圧と水素ガス濃度を高め、この圧力をともなった高濃度水素ガスが、経時的に前記生体適用液内に溶け込み、高濃度水素含有生体適用液を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体適用液への選択的水素添加器具に係わる。
【背景技術】
【0002】
水素含有生体適用液を製造する方法として、家庭用電解水素水生成装置を用いる方法や水素発生剤として金属マグネシウムの金属片を生体適用液と接触させる方法が知られている(特開2007−167696)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−167696
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水素発生剤を用いて水素含有生体適用液を得ようとする場合、水素発生剤は、生体適用液に水素分子を溶存させる際に、その生体適用液の特性まで変化させてしまうことが多い。たとえば、水素発生剤が金属マグネシウムである場合、水素発生の際、以下の式(1)、(2)に従い、生体適用液にマグネシウムイオンを溶出させるとともに、そのpHをアルカリ側に傾ける。
【0005】
Mg+2HO→Mg(OH)2++H ・・・式(1)
Mg(OH)2+→Mg2++2OH ・・・式(2)
しかしながら、水素発生反応の前後で、自然的または人口的にすでに組成されている生体適用液の成分構成を変えてしまうことは基本的に望ましいことではない。成分の変化は茶やミネラルウォーターなど生体適用液の味を変えることに繋がる。
【0006】
したがって、生体適用液の成分構成は変えることのない水素含有生体適用液の製造器具が望まれている。
【0007】
食品衛生法上、食品と接触することが認められている添加物は「食品添加物」として公に認められているものだけである。
【0008】
ところが水素発生剤を用いて水素水をつくろうとした場合、水素発生剤であるマグネシウムや水素化物の類は、いずれも食品添加物として認められていないので、いずれも食品衛生法違反ということになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、水素発生剤を必須成分として水素水をつくる場合は、水素発生剤を含む水素発生系を食品(生体適用液)と完全に非接触にするため、プラスティック等の容器の中に、水素発生系を収納する必要がある。
【0010】
該水素発生系収納器には、水素ガスを排気するための排気口が設けられている。この排気口は密閉容器の上部気相部に位置するよう取付けられる(水の流入を避けるため)。
【0011】
密閉容器内の水素発生剤収納器の排気口よりの水素ガスは、密閉容器気相部に送り込まれることを通じて気相部内のガスを水素ガスに置換すると共に、気相内圧と水素ガス濃度を高める。
【0012】
この圧力をともなった高濃度水素ガスは、経時的に液体内に溶け込み、高濃度水素水を生成することで課題を解決する。
【0013】
または、金属マグネシウムなど水素発生剤を必須成分として含む水素発生系を、水素ガスを放出するが水を実質的に流入させない、および/または水素ガスを放出するが水を実質的に流出させない工夫を施されている気液分離部を有する水素気泡形成体に収容するとともに、水素気泡形成体内において水素発生剤と発生用水を反応させることを通じて、水素気泡形成体より発生した水素ガスを、水素発生反応に用いられた発生用水を実質的に生体適用液に流出させることなく、生体適用液を収容する密閉容器気相部に送り込み、水素含有生体適用液を得ることで課題を解決する。さらに、気相の高圧・高濃度水素ガスを密閉容器の振盪を通じて生体適用液に溶解させ、高濃度または過飽和水素含有生体適用液を得ることで課題を解決する。
【発明の効果】
【0014】
こうした手段を用いて、生体適用液に水素を供給することにより、生体適用液の特性を変えることなく、水素含有生体適用液を得ることができる。また、こうした手段を用いれば、家庭、職場、街中、店頭など場所を問わず、任意の飲料の香味を変化させることなく、簡単に高濃度水素飲料を製造することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本発明の一実施の形態に係る気液分離部を示す平面図および正面図である。
【図1B】本発明の一実施の形態に係る気液分離部を示す断面図である。
【図2】図1に示す気液分離部を水素気泡形成体に装着した選択的水素添加器具を示す正面図である。
【図3】図1に示す気液分離部を水素気泡形成体に装着した選択的水素添加器具の他例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0017】
本発明において生体適用液とは、本発明を用いて水素を溶存させられる対象である水または水溶液など生体に適用される液体である。生体適用液は、水のほか、飲料水、茶やコーヒーなど飲料を含む。生体適用液に水素を溶存させることで得られる水素含有生体適用液は、吸入(噴霧)、飲用、注射などを介して生体に適用されるがこれに限るものではない。水素含有生体適用液、及び高濃度または過飽和水素含有生体適用液の作用成分は水素であり、その作用は主として酸化ストレスの抑制であるがこれに限るものではない。
【0018】
本発明において水素発生剤とは、水素を発生させる物質である。水素よりイオン化傾向の高い金属、水素化金属を含む水素化化合物など、水と接触することで水素を発生させる物質は水素発生剤に含まれる。水との反応性の良さを考慮し、金属カルシウム、水素化カルシウム、金属マグネシウム、水素化マグネシウムなどは好適に用いられる。反応生成物の安全性などを考慮し、金属マグネシウムは特に好適に用いられる。
【0019】
本発明において発生用水とは、水素発生剤と接触することを通じて水素気泡形成体中に水素ガスを発生させる液である。こうした発生用水には、水道水、浄水、イオン交換水、精製水、純水、RO水などが含まれるが、これに限るものではない。上述の生体適用液自体を発生用水として用いることもできる。含有成分、硬度、液性の如何にかかわらず、水を含んでいる液体であれば本発明の発生用水として用いることができる。
【0020】
本発明の水素発生系収納器は、生体適用液から水素発生系を隔離するとともに、水素発生系収納器内で発生した水素ガスを、水素発生系収納器の排気口を介して生体適用液に送り届けることを特徴とする。水素発生系収納器を含む本発明の器具は、それが収容される密閉容器とは別個の装置として、あるいは密閉容器に事前に組み込まれた構造部として、密閉容器に収容されうる。
【0021】
本発明の水素気泡形成体は、生体適用液から水素発生系を隔離するとともに、水素気泡形成体内で発生した水素ガスを、水素気泡形成体の気液分離部を介して生体適用液に送り届けることを特徴とする。水素気泡形成体を含む本発明の器具は、それが収容される密閉容器とは別個の装置として、あるいは密閉容器に事前に組み込まれた構造部として、密閉容器に収容されうる。
【0022】
こうした気液分離部は、たとえば、弁(逆止弁やボール弁を含む)やガス透過膜などを部品や材料として含むことで、水素発生系と発生用水との接触反応により発生した水素ガスを放出するとともに、発生用水を実質的に流出させない、および/または生体適用液を流入させない工夫を施されていることを特徴とする。
【0023】
こうした工夫として、たとえば、気液分離部に弁を設けて、生体適用液の水素気泡形成体への流入を防止する工夫が含まれる。こうすることで、水素気泡形成体へ流入した水が、振盪時などに再度生体適用液へ流出してしまうことを防止しつつ、水素気泡形成体内で形成された水素ガスを生体適用液へ放出させることができる。より詳しくは、こうした気液分離部に設けられた弁は、水素気泡形成体の内部と外部を隔てるとともに、水素発生系と発生用水の反応により水素気泡形成体の内部に発生する水素ガスのガス圧によって押し開けられることで水素ガスを水素気泡形成体の外部に排気する一方、排気後には重力あるいは水素気泡形成体外部の水圧などを通じて自然的または人工的に閉じる開閉式の弁であり、水素ガスの排気時以外は、水素気泡形成体の外部にある生体適用液を水素気泡形成体の内部に実質的に流入させないことを特徴とする。
【0024】
図1は、こうした開閉式の弁を用いた気液分離部の例である。ここで気液分離部は、開閉式の弁(a)、及び弁がそこに組み合わされるプラスティック性の凹状部品(b)から構成されている。開閉式の弁は、笠上の頭部(a−1)より一本の軸部(a−2)が伸びつつ、軸部の途中に軸部を取り囲む輪状の突起物(a−3)が加工されている。また、凹状部品は、その底面の中心部に開いている中心の穴(b−1)を取り囲むようにさらに扇状の穴(b−2)が三つ開いている一方、底面の周縁部には弁の頭部を引っ掛ける縁(b−3)が残されている。この底面は弁の頭部(a−1)を丁度収まる程度の面積であり、弁の頭部(a−1)を収容したとき、上述の中心部に開いている中心の穴(b−1)を通じて弁の軸(a−2)が通過するが、軸部を取り囲む輪状の突起物(a−3)はそのサイズのため容易に通過することができない。しかし、凹状部品の底面の中心部に開いている中心の穴(b−1)を通過した軸部(a−2)を下方から強く引くことにより、弁の軸部を取り囲む輪状の突起物(a−3)は変形しながら底面の穴(b−1)を通過するため、弁(a)と凹状部品(b)を組み合わせることができる。
【0025】
水素気泡形成体の内部で発生した水素ガスのガス圧が高まると、凹状部品の底部に位置していた開閉式弁の頭部が押し開けられつつ水素ガスが排気されるが、軸部を取り囲む輪状の突起物が、凹状部品の底面中心部に開いている中心の穴に引っ掛かるため、排気時の水素ガス圧によっても開閉弁が凹状部品から外れることはない。
【0026】
またこのとき、さらに、水素気泡形成体に導入される発生用水の量を少なくしておくことで、水素ガスが弁から放出される際であっても、発生用水が生体適用液へ流出することは防止することができる。
【0027】
発生用水の使用量の目安としては、水素発生系を収容する水素気泡形成体に発生用水を導入した後、該水素発生系(水素発生系が後述の被覆材などに覆われている場合は、その被覆材ごと)を取り除いた場合、該水素気泡形成体に残存する発生用水の量は、10cc以下、好ましくは5cc以下、さらに好ましくは3cc以下、特に好ましくは1cc以下であることが望ましい。また、こうした余分な発生用水の流出を防止することを目的に、吸水ビーズ、イオン交換樹脂(後述されるような乾式イオン交換樹脂は吸水性が高くさらに好ましい)、吸水紙、ヒアルロン酸、ポリアクリル酸など吸水性のある物質や材料が、水素気泡形成体内や後述の被覆材などに含まれていることは望ましいことである。
【0028】
なお、水素気泡形成体の一部または全部をこうした気液分離部から構成することができる。水素気泡形成体に設けられる気液分離部以外の材質は、アクリル樹脂など水を透過すること少なく、また水に腐食されることの少ない材質であることが望ましい。
【0029】
また別の工夫として、たとえば、気液分離部に、水素気泡形成体へ水を流入させるが水素気泡形成体から水を流出させない、すなわち水の流出入を非可逆的に制御する水素ガス透過膜を設けることが含まれる。こうした気液分離部を有する水素含有生体適用液の製造器具を生体適用液に接触させることを通じて、気液分離部を介して生体適用液の一部が水素気泡形成体内に流入する。流入した生体適用液は、発生用水として、水素気泡形成体内の水素発生系と反応し水素ガスを発生させる。これにより、発生した水素ガスは気液分離部から生体適用液へ放出するが、膜に阻まれ、発生用水は生体適用液へ流出しない。
【0030】
また、本発明において、生体適用液と水素発生系の隔離に万全を期すため、水素発生系に含まれる水素発生剤などの固体成分を不織布など被覆材でさらに覆ってもよい。こうした被覆材は、水素ガスや水は透過するが、水素発生系やその反応残渣を透過させないことを特徴とする。こうした被覆材のポアサイズは、1000μm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは150μm以下、特に好ましくは50μm以下であることが望ましい。
【0031】
また、本発明の金属マグネシウムなど水素発生剤の平均粒径は、被覆材の外部へ透過することなく、かつ、微粒子化による活性の増大も期せるような粒径であることが望ましい。たとえば、水素発生剤の平均粒径は、3000μm以下、好ましくは1000μm以下、さらに好ましくは500μm以下、特に好ましくは250μm以下であることが望ましい。
【0032】
本発明の水素発生系は、水素発生剤のほか、金属イオン封鎖剤やpH調整剤など水素発生反応を促進する剤を含んでもよい。
【0033】
こうした金属イオン封鎖剤は、水に全くあるいはほとんど溶解せず、水素気泡形成体または被覆材の内部において金属イオンを吸着する性質を有する物質を生成する物質を含む。陽イオン交換樹脂など、不溶性または難溶性の金属イオン封鎖剤は好適に用いられる。なかでも、金属イオンの吸着とともに、水素イオン(H)を放出する、スルホン酸基を交換基とする酸性陽イオン交換樹脂またはカルボン酸基を交換基とする酸性陽イオン交換樹脂を含む、水素イオン型陽イオン交換樹脂は、pH調整剤としての機能も兼ねるため、さらに好ましい。
【0034】
本発明のpH調整剤は、クエン酸、アジピン酸、リンゴ酸、酢酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、塩酸、硫酸など水素イオン(H)を供給することで水酸化物イオン(OH)を抑制(中和または生成防止)する性質を有する物質、及び加水分解を受け不溶性の水酸化物を形成することで水酸化物イオンを除去する物質を含む。アルミニウムイオンを含む鉱石など、加水分解を受け不溶性の水酸化物を形成するpH調整剤は好適に用いられる。なかでも、硫酸アンモニウムアルミニウムなどのミョウバンは、加水分解を受け不溶性の水酸化アルミニウムを生成する一方、マグネシウムイオンやカルシウムイオンに対する金属イオン封鎖剤(凝集剤)としての機能も兼ねるため、さらに好ましい。
【0035】
上述のように、水素イオン型陽イオン交換樹脂やミョウバンは、一剤で金属イオン封鎖剤としての機能とpH調整剤としての機能を兼ねる好ましい物質である。
【0036】
また、水素発生剤の経時劣化を抑制するために、金属イオン封鎖剤やpH調整剤など水素発生系に含まれる物質の水和数や含水率は少ない方が好ましい。すなわち、水和数でいうと、3水和物以下、好ましくは2水和物以下、より好ましくは1水和物以下、特に好ましくは無水和物や無水物であることが望ましい。含水率でいうと、含水率40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下であることが望ましい。
【0037】
本発明において高濃度水素含有生体適用液とは、溶液の溶存水素濃度が0.1ppm以上、好ましくは1.0ppm以上である水素含有生体適用液を含む。本発明において過飽和水素含有生体適用液とは、常温常圧における溶解度以上の溶存水素濃度であることを含み、1.6ppm以上、2.0ppm以上、3.0ppm以上、4.0ppm以上、5.0ppm以上、6.0ppm以上、7.0ppm以上、8.0ppm以上、9.0ppm以上、10.0ppm以上の高濃度水素含有生体適用液を含む。
【0038】
なお、本発明の水素発生系を水素気泡形成体に収容してなる生体適用液への選択的水素添加器具は、生体適用液を収容する密閉容器において、生体適用液内、密閉容器空気層、または密閉容器外などに設置することができる。
【0039】
水素気泡形成体内で、水素発生系と発生用水の反応により発生した水素ガスは、水素気泡形成体の気液分離部を介して生体適用液を収容する密閉容器に放出されるとともに、高圧・高濃度の水素ガス相を形成する。なお、本発明の生体適用液への選択的水素添加器具を生体適用液中に設置した場合であっても、発生した水素分子のほとんどは生体適用液に溶解することなく、まずは密閉容器空気相へ移行することを出願人は発見した。
【0040】
さらにいえば、水素発生剤を水素気泡形成体に収容することなく剥き出しの状態で生体適用液中に投入する場合に比べて、水素発生剤を水素気泡形成体に収容して生体適用液中に設置する場合は、投入後に生体適用液に溶解する水素量はさらに少なくなることを出願人は発見した。
【0041】
すなわち、水素気泡形成体に収容されない水素発生剤より発生した水素分子が、生体適用液に直接溶解しながらクラスターあるいは微細気泡を形成していく一方、水素気泡形成体の気液分離部を介して水素分子が生体適用液に放出される場合、水素気泡形成体が水素ガスに対する一種のストッパーとして作用するため、水素分子は、気液分離部の内壁近傍に適量結集した後はじめて、水素ガス気泡として気液分離部より放出される。言い換えれば、生体適用液中に放出されるとき、水素分子は、すでにある程度の大きさを有する水素ガス気泡として放出される。
【0042】
このことは目視でも観察される。たとえば、本発明の生体適用液への選択的水素添加器具を、生体適用液を収容する密閉容器に設置し、容器を横に倒してそのまましばらく放置しておくと、水素気泡形成体内で発生した水素ガスが間歇的に気液分離部より水素気泡を放出させながら、水素ガス相の体積を次第に増大させていく。言い換えれば、放出される水素ガスの気泡サイズが大きいものであるため、それは水中を上昇し密閉容器の気相へと素早く移行してしまう。
【0043】
一般的に、水素分子に限らず、なんらかの産業用途を期してガス溶液を製造する当業者のあいだでは、ガスの気泡サイズを可能な限り小さくすることを通じて、気泡が気相へ赴く上昇速度を遅らせることこそが、高濃度のガス溶液を製造するためには重要であると考えられてきた。水素、酸素、またはオゾンを含む、諸産業用ガスのマイクロバブル化、さらにナノバブル化は、本願出願時において依然として、当業界の主要な技術課題の一つとして認識されている。
【0044】
他方、本発明者等は、家庭、職場、街中、店頭などを含むさまざまな場所で、消費者が使用時に高濃度水素含有生体適用液を得ようとする機会においては、飲料水、茶やコーヒーなど飲料を含む生体適用液を収容する密閉容器の生体適用液に水素分子を直接溶解させるよりも、まずは、密閉容器内に水素ガス相を形成するとともに容器内圧を高め、その後に密閉容器を適宜振盪することで気相の水素ガスを回収するほうがはるかに望ましいことを発見した。
【0045】
事実、本発明者等の実験では、金属マグネシウムである水素発生剤を、水素気泡形成体に収容することなく密閉容器内の生体適用液中に設置した場合、10分経過後の生体適用液の溶存水素濃度は約0.7ppmまで高まるにもかかわらず、その後に密閉容器を振盪しても溶存水素濃度は約0.9ppmまでしか上昇しない(約1.3倍)。一方、同量の金属マグネシウムである水素発生剤を、水素気泡形成体に収容して密閉容器内の生体適用液中に設置した場合、10分経過後の生体適用液の溶存水素濃度はわずか0.2ppmにしかならない反面、その後に密閉容器を振盪することで溶存水素濃度は約3.0ppmまで上昇する(約15倍)。
【0046】
したがって、水素含有生体適用液の溶存水素濃度を高めることを目的に、本発明の水素発生系と発生用水を水素気泡形成体に収容してなる生体適用液への選択的水素添加器具を、密閉容器に収容するとともに該密閉容器を適宜振盪することは望ましいことである。
【0047】
この場合、本発明の密閉容器とは、容器の内容物を大気に触れさせないよう工夫が施されている容器を含む。キャップ付きペットボトルやアルミボトルなど蓋付き容器は密閉容器に含まれる。密閉容器は、人が手に持って振盪しやすいように、ポータブルな形態と容量を備えていることが望ましい。2L以下、好ましくは1L以下、特に好ましくは0.5L以下の容量の密閉容器が望ましいがこれに限るものではない。
【0048】
密閉容器の材質として好ましいのは水素透過性が低い容器である。水素透過性が低いほど発生した水素を容器系外へ逃すことが少ない。
【0049】
本発明において密閉容器の水素透過性は次のように測定する。すなわち、特願2009−221567に記載される方法などを参考に、安定的にほぼ飽和濃度(20℃・1気圧で1.6ppm)を保つ水素溶存水を測定対象となる密閉容器内容積の20倍の体積で生成するとともに、浄水(藤沢市水道水を活性炭カラムに通して処理した活性炭処理水など)を満水充填した該密閉容器を該水素溶存水に5時間浸漬する。
【0050】
その後、該浄水の溶存水素濃度を測定し、溶存水素濃度が1000ppb以下、好ましくは500ppb以下、より好ましくは100ppb以下、特に好ましくは10ppb以下である密閉容器が本発明の水素透過性が低い容器に含まれる。
【0051】
密閉容器は、水素発生による内圧の上昇に耐えうる耐圧性能を有していることが望ましい。絶対圧力で0.11MPa、好ましくは0.4MPa、さらに好ましくは0.5MPa、特に好ましくは0.8MPaの内圧に耐えうる耐圧容器であることが望ましい。炭酸飲料用ペットボトルなどは好適に用いられる。密閉容器は、安全に開栓できるようキャップを開ける途中で圧力を逃がす機構(ベントスロット)を口部に備えていることが望ましい。
【0052】
本発明において振盪とは、密閉容器に物理的衝撃を与えることにより密閉容器内の生体適用液と気相の水素を接触させつつ、生体適用液中の溶存酸素など溶存ガスを水素ガスに置換することである。本発明の振盪は、手を用いた自然的振盪のほか機械を用いた人工的振盪が含まれる。振盪器、攪拌機、超音波発生装置などによる振盪はこうした人工的振盪に含まれる。
【0053】
また、密閉容器の気相へ水素ガスが一層蓄積されることを目的に、本発明の選択的水素添加器具を密閉容器に設置してから、1分経過した後、好ましくは2分経過した後、より好ましくは4分経過した後、さらに好ましくは8分経過した後、特に好ましくは10分経過した後に振盪を開始することが望ましい。
【0054】
なお、本発明の模範的な自然的振盪の例は次の通りである。すなわち、平均的体格を有する日本人30代男性が密閉容器中腹部を利手に保持し、手首のみを動かすことでキャップが手首上空に半円の弧を描くように、2往復/秒のペースで120往復振盪する。
【0055】
また、振盪時間は、高圧・高濃度水素ガスの生体適用液への溶解を促進させるため、自然的振盪で5秒以上、好ましくは10秒以上、より好ましくは15秒以上、さらに好ましくは30秒以上であることが望ましい。
【0056】
また、振盪のし易さを考慮し、生体適用液を充填した後も、密閉容器には容器容量の15%以下、好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下の容量でヘッドスペースが設けられることが望ましい。
【0057】
また、振盪は、本発明の生体適用液への選択的水素添加器具を生体適用液中に設置して振盪した際、生体適用液の溶存水素濃度を、振盪前の溶存水素濃度の2倍以上に増強する振盪であることが好ましく、好ましくは3倍以上、より好ましくは順に4倍以上、5倍以上、6倍以上、7倍以上、8倍以上、9倍以上であり、さらに好ましくは10倍以上に増強する振盪である。
【0058】
また、振盪前の密閉容器の内圧が大気圧以上の状態にあることは、1.6ppm以上の過飽和水素含有生体適用液など、より高濃度の水素含有生体適用液を得るためには好ましいことである。水素分子の生体適用液への溶解度は、発生する水素分子が密閉容器に負荷する内圧の上昇に伴い上昇し、時間の経過とともにやがて、常温・常圧下における溶解度を超える。後述の実施例などで、水素発生系を擁する密閉容器を一定時間放置する理由は、発生した水素ガスにより密閉容器を内側から加圧するためであり、さらには、密閉容器を加圧下で適宜振盪することにより、水素分子の水素含有生体適用液への溶解をさらに促進することができるからである。
【0059】
ところで、上述の水素イオン型陽イオン交換樹脂など、金属イオン封鎖能とpH調整能を有する不溶性の高分子物質は、金属マグネシウムなど、水素よりイオン化傾向の高い金属や水素化金属を含む水素発生剤と組み合わせられることで、水素発生、金属イオン封鎖、pH調整という三つの機能が密接に連関し合う、無駄のない水素発生系を構成することができる。以下、金属マグネシウムと水素イオン型陽イオン交換樹脂から構成される水素発生系を例に説明する。
【0060】
通常、金属マグネシウムが生体適用液と接触することで、以下の式(1)に従い、水素分子と水酸化マグネシウムが生成する。
【0061】
Mg+2HO→Mg(OH)2++H ・・・式(1)
その反応機構としては、金属マグネシウムから電子が放出される、
Mg→Mg2++2e・・・式(2)
と、
金属マグネシウムに由来する電子が、水分子を還元することによって水素分子と水酸化物イオンを生成する、
2HO+2e→2OH+H ・・・式(3)
および、金属マグネシウムに由来する電子が、水素イオンを還元することによって水素分子を生成する、
2H+2e→H・・・式(4)
という素反応が考えられる。
【0062】
ここで、金属マグネシウムに隣接して水素イオン型陽イオン交換樹脂が存在する場合、式(2)に従い放出されたマグネシウムイオンが、水素イオン型陽イオン交換樹脂に吸着されるとともに、水素イオン型陽イオン交換樹脂から水素イオンが放出される。したがって、式(2)に従い放出された電子は、水分子を還元するよりも優先的に、こうした近傍にある水素イオンを還元する。
【0063】
このように本発明の水素発生系においては、水酸化物イオンを生成する水素発生反応である式(3)に優先して、水酸化物イオンを生成しない水素発生反応である式(4)に従い水素を発生させる。したがって系内では、マグネシウムイオンと水酸化イオンが常に減少した状態に維持される傾向があるため、水素発生反応が促進されやすい。
【0064】
なお、本発明において生体適用液の成分構成は変えることのない状態とは、これに限るものではないが、たとえば生体適用液の全硬度やpHを変えないことが含まれる。
【0065】
ここで、生体適用液の全硬度を変えない状態とは、これに限るものではないが、たとえば以下のような状態が含まれる。
【0066】
すなわち、水道水を脱塩素処理して得られる、全硬度(Ca硬度+Mg硬度)が約55〜65ppmにある浄水(藤沢市水道水を活性炭カラムに通して処理して得られる浄水など)である生体適用液を約515cc充填した炭酸飲料用ペットボトル(口部までの満水充填で約530cc容量)の生体適用液中に本発明の非破壊的高濃度水素溶液の製造器具を設置し、ボトルを横に倒して10分間放置した後に模範的な自然的振盪(ペットボトル中腹部を利手に保持し、手首のみを左右に動かすことでキャップが手首上空に半円の弧を描くように、2往復/秒のペースで120往復する)を行った溶液の全硬度が、(原水の全硬度−25ppm)〜(原水の全硬度+25ppm)、好ましくは(原水の全硬度−15ppm)〜(原水の全硬度+15ppm)、特に好ましくは(原水の全硬度−10ppm)〜(原水の全硬度+10ppm)の範囲に収まっている状態などである。
【0067】
ここで、生体適用液のpHを変えない状態とは、これに限るものではないが、たとえば以下のような状態が含まれる。
【0068】
すなわち、水道水を脱塩素処理して得られる、pHが約7.0〜7.8にある浄水(藤沢市水道水を活性炭カラムに通して処理して得られる浄水など)である生体適用液を約515cc充填した炭酸飲料用ペットボトル(口部までの満水充填で約530cc容量)の生体適用液中に本発明の非破壊的高濃度水素溶液の製造器具を設置し、ボトルを横に倒して10分間放置した後に模範的な自然的振盪(ペットボトル中腹部を利手に保持し、手首のみを左右に動かすことでキャップが手首上空に半円の弧を描くように、2往復/秒のペースで120往復する)を行った溶液のpHが、(原水のpH−1.5)〜(原水のpH+1.5)、好ましくは(原水のpH−1.0)〜(原水のpH+1.0)、特に好ましくは(原水のpH−0.5ppm)〜(原水のpH+0.5)の範囲に収まっている状態などである。
【実施例】
【0069】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本願において特に断りがない場合は、各種物性値を計測するのに用いた各種計器類は、pHメーター(温度計含む)が、株式会社堀場製作所製のpHメーター(本体の型式『D−13』、同プローブの型式『9620−10D』)であり、DHメーター(溶存水素計) が、東亜ディーケーケー株式会社製のDHメーター(本体型式『DHDI−1』、同電極(プローブ)型式、『HE−5321』、同中継器型式『DHM−F2』)である。
【0070】
カルシウム硬度及びマグネシウム硬度は、水質分析計『DR/4000』(HACH社製)を用いてカルマガイト比色法により測定した。
【0071】
[実施例1](図2として図示する。)水素発生剤として金属マグネシウム(MG100:株式会社関東金属)300mg含み、さらに水素イオン型陽イオン交換樹脂(市販の強酸性イオン交換樹脂Hタイプ品である「DIAION Ion Exchange Resin SK1BH:Mitsubishi Chemical Corporation」を温熱乾燥したもの)1500mgを含む水素発生系(c−1)を不織布(プレシゼRegular C5160:旭化成株式会社)(c−2)に包みヒートシールした後、こうした不織布ごとアクリル樹脂製の筒状の水素気泡形成体(c−3)に収容した。水素気泡形成体のなかに不織布が湿る程度の量の発生用水(C−4)を垂らすとともに、水素気泡形成体の開口部を気液分離部(図1)で蓋をすることで、本発明の生体適用液への選択的水素添加器具を得た。
【0072】
次に、炭酸飲料用ペットボトル(口部までの満水充填で約530cc容量)に浄水(藤沢市水道水を活性炭カラムに通して処理した活性炭処理水)を約515cc充填した後、生体適用液への選択的水素添加器具をペットボトルの浄水中に設置した。
【0073】
その後ボトルを横に倒し、10分間放置した後、発明者の一人(平均的体格を有する日本人30代男性)がペットボトル中腹部を利手に保持し、手首のみを左右に動かすことでキャップが手首上空に半円の弧を描くように、2往復/秒のペースで120往復することで振盪した(合計60秒)。
【0074】
振盪前後の、内容液のpH、溶存水素濃度、カルシウム(Ca)硬度、マグネシウム(Mg)硬度を測定した。
【0075】
[実施例2](図3として図示する。)水素発生剤として金属マグネシウム(MG100:株式会社関東金属)300mg含み、さらに水素イオン型陽イオン交換樹脂(市販の強酸性イオン交換樹脂Hタイプ品である「DIAION Ion Exchange Resin SK1BH:Mitsubishi Chemical Corporation」を温熱乾燥したもの)1500mgを含む水素発生系(d−1)を不織布(プレシゼRegular C5160:旭化成株式会社)(d−2)に包みヒートシールした後、こうした不織布ごとアクリル樹脂製の筒状の水素気泡形成体(d−3)に収容した。水素気泡形成体のなかに不織布が湿る程度の量の水を垂らすとともに、図1で記載された気液分離部を筒状の水素気泡形成体に挿入し中腹部に丁度余地のないよう設置するとともに、気液分離部上方の、水素気泡形成体外壁の一部に水素ガス透過孔(d−4)を開け、本発明の生体適用液への選択的水素添加器具を得た。
【0076】
次に、炭酸飲料用ペットボトル(口部までの満水充填で約530cc容量)に浄水(藤沢市水道水を活性炭カラムに通して処理した活性炭処理水)を約515cc充填した後、器具をペットボトル口部に挿入しながら、水素気泡形成体の縁(へり)を口部に引掛け、器具が水中に沈まないようにしてキャップを閉めた。このとき、水素ガス透過孔は浄水の水位より上にある。
【0077】
その後10分間放置した後、発明者の一人(平均的体格を有する日本人30代男性)がペットボトル中腹部を利手に保持し、手首のみを左右に動かすことでキャップが手首上空に半円の弧を描くように、2往復/秒のペースで120往復することで振盪した(合計60秒)。
【0078】
振盪前後の、内容液のpH、溶存水素濃度、カルシウム(Ca)硬度、マグネシウム(Mg)硬度を測定した。
【0079】
[実施例3] 水素発生剤として金属マグネシウム(MG100:株式会社関東金属)300mg含み、さらにリンゴ酸(DL−リンゴ酸:扶桑化学工業株式会社)900mgを含む水素発生系を吸水紙とともに不織布(プレシゼRegular C5160:旭化成株式会社)に包みヒートシールした後、こうした不織布ごとアクリル樹脂製の筒状の水素気泡形成体に収容した。水素気泡形成体のなかに不織布が湿る程度の量の水を垂らすとともに、吸水紙でできた栓、及び実施例1で記載された気液分離部を、順に筒状の水素気泡形成体に挿入し中腹部に丁度余地のないよう設置するとともに、気液分離部上方の、水素気泡形成体外壁の一部に水素ガス透過孔を開け、本発明の生体適用液への選択的水素添加器具を得た。
【0080】
次に、炭酸飲料用ペットボトル(口部までの満水充填で約530cc容量)に浄水(藤沢市水道水を活性炭カラムに通して処理した活性炭処理水)を約515cc充填した後、器具をペットボトル口部に挿入しながら、水素気泡形成体の縁(へり)を口部に引掛け、器具が水中に沈まないようにしてキャップを閉めた。このとき、水素ガス透過孔は浄水の水位より上にある。
【0081】
その後10分間放置した後、発明者の一人(平均的体格を有する日本人30代男性)がペットボトル中腹部を利手に保持し、手首のみを左右に動かすことでキャップが手首上空に半円の弧を描くように、2往復/秒のペースで120往復することで振盪した(合計60秒)。
【0082】
振盪前後の、内容液のpH、溶存水素濃度、カルシウム(Ca)硬度、マグネシウム(Mg)硬度を測定した。
【0083】
[比較例1] 水素発生剤として金属マグネシウム300mg含み、さらに水素イオン型陽イオン交換樹脂(市販の強酸性イオン交換樹脂Hタイプ品である「DIAION Ion Exchange Resin SK1BH:Mitsubishi Chemical Corporation」を温熱乾燥したもの)1500mgを含む水素発生系を調製した。
【0084】
炭酸飲料用ペットボトル(口部までの満水充填で約530cc容量)に浄水(藤沢市水道水を活性炭カラムに通して処理した活性炭処理水)を約515cc充填した後、水素発生系をペットボトルの浄水中に直接投入した。
【0085】
その後10分間放置した後、発明者の一人(平均的体格を有する日本人30代男性)がペットボトル中腹部を利手に保持し、手首のみを左右に動かすことでキャップが手首上空に半円の弧を描くように、2往復/秒のペースで120往復することで振盪した(合計60秒)。
【0086】
振盪前後の、内容液のpH、溶存水素濃度、カルシウム(Ca)硬度、マグネシウム(Mg)硬度を測定した。
【0087】
[参考例1] 実施例と比較例で使用した浄水のpH、溶存水素濃度、カルシウム(Ca)硬度、マグネシウム(Mg)硬度を測定した。
【0088】
以下、表1としてそれらを記載する。
【0089】
【表1】

【符号の説明】
【0090】
a…弁
a−1…笠状の頭部
a−2…軸部
a−3…突起物
b…凹状部品
b−1…中心の穴
b−2…扇状の穴
b−3…縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素発生剤を必須成分として含む水素発生系を、排気口を有する水素発生系収納器に収容するとともに、該水素発生系収納器内において前記水素発生剤と発生用水を反応させることを通じて、該水素発生系収納器内に発生した水素ガスを、前記排気口を介して、生体適用液を収容する密閉容器に送り込むことで水素含有生体適用液を得ることを特徴とする、生体適用液への選択的水素添加器具において、
前記水素発生系収納器の前記排気口が、前記密閉容器の気相部へ保持されており、
前記水素ガスは、前記密閉容器の前記気相部に送り込まれることを通じて該気相部内のガスを水素ガスに置換すると共に、気相内圧と水素ガス濃度を高め、
この圧力をともなった高濃度水素ガスが、経時的に前記生体適用液内に溶け込み、高濃度水素含有生体適用液を生成することを特徴とする、生体適用液への選択的水素添加器具。
【請求項2】
水素発生剤を必須成分として含む水素発生系を、開閉式の弁を含む気液分離部を有する水素気泡形成体に収容するとともに、該水素気泡形成体内において前記水素発生剤と発生用水を反応させることを通じて、該水素気泡形成体内に発生した水素ガスを、前記気液分離部を介して、生体適用液を収容する密閉容器に送り込むことで水素含有生体適用液を得ることを特徴とする、生体適用液への選択的水素添加器具において、
前記開閉式の弁は、水素発生系と発生用水の反応により水素気泡形成体の内部に発生する水素ガスのガス圧によって押し開けられることで水素ガスを水素気泡形成体の外部に排気するが排気後には閉じることを特徴とする、生体適用液への選択的水素添加器具。
【請求項3】
水素発生剤を必須成分として含む水素発生系を、気液分離部を有する水素気泡形成体に収容するとともに、該水素気泡形成体内において前記水素発生剤と発生用水を反応させることを通じて、該水素気泡形成体内に発生した水素ガスを、前記気液分離部を介して、生体適用液を収容する密閉容器に送り込むことで水素含有生体適用液を得ることを特徴とする、生体適用液への選択的水素添加器具において、
前記気液分離部が水の流出入を非可逆的に制御する水素ガス透過膜を含むことにより、前記発生用水は、前記水素気泡形成体から実質的に流出しないことを特徴とする、生体適用液への選択的水素添加器具。
【請求項4】
請求項2または3に記載の生体適用液への選択的水素添加器具であって、前記水素気泡形成体の前記気液分離部が、前記密閉容器の空気層へ保持されていることを特徴とする、生体適用液への選択的水素添加器具。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載の生体適用液への選択的水素添加器具であって、該水素気泡形成体内に発生した水素ガスを、前記気液分離部を介して、生体適用液を収容する密閉容器に送り込むとともに、さらに該密閉容器を振盪し、高濃度水素含有生体適用液を得ることを特徴とする、生体適用液への選択的水素添加器具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の生体適用液への選択的水素添加器具であって、該水素発生系が、金属マグネシウム及び水素イオン型陽イオン交換樹脂を含むことを特徴とする、生体適用液への選択的水素添加器具。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−20962(P2012−20962A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159979(P2010−159979)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【特許番号】特許第4652479号(P4652479)
【特許公報発行日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(394021270)ミズ株式会社 (13)
【Fターム(参考)】