説明

生分解性高分子吸水ゲル及びその製造方法

【課題】水、塩水、血液等の成分に対する吸水速度や吸水性能に優れた生分解性高分子吸収ゲル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】セルロース誘導体及び/又はデンプン誘導体を水と良く練りペースト状とする工程と、該ペースト状態で放射線を照射してハイドロゲルを得る工程と、該ハイドロゲルの水溶性成分のゾルを除去する工程とを備える生分解性高分子吸収ゲルの製造方法により、セルロース誘導体及び/又はデンプン誘導体を用いた自己架橋型の生分解性ハイドロゲルにおける水溶性成分のゾルを除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てオムツ、布オムツ、生理用品等のように多量に水を吸収する用途に好適に使うことができ、かつ土壌中の微生物により生分解する環境に優しい生分解性高分子吸水ゲル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水を吸収するゲルには、ポリアクリル酸ソーダ、デンプンにアクリル酸をグラフト重合したもの、又はポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、アクリルアミド若しくはポリビニルピロリド水溶液を電離性放射線で照射し、橋かけ反応によって得られる吸水ゲルがある。また、ホルマリンやグルタルアルデヒドなどによる化学処理による橋かけによって得られる吸水ゲルもある。吸水ゲルは、農業、医療、衛生用品の分野で多量に使用されており、今後も生産量が増大していくことが予測されている。
【0003】
ポリアクリル酸ソーダなどのような水溶性ポリマーを橋かけして得られる吸水ゲルは、使い捨てオムツなどの衛生用品に広く使われている。しかし、幼児や病院で使った使い捨てオムツなどは、主に焼却処理により処分されている。濡れたオムツなどを焼却炉に入れると、燃焼温度が低下しダイオキシンの発生と炭素ガスの増加に繋がる。土壌中に埋没処理した場合は分解せず、長い時間滞留し、環境に負荷を与える。
【0004】
一方、デンプンやセルロースなどの誘導体に、ホルマリン、グルタルアルデヒド、エピクロルヒドリンなどの試薬を使い化学橋かけにより吸水剤を合成する方法がある。しかし、これらの化学物質は毒性が強く、作業現場の環境汚染と吸水剤中への残留といった問題がある。
【0005】
このため、環境に負荷を与えない材料による吸水材が求められている。土壌中の微生物によって分解・消化し、使用後の処理が容易な生分解性高分子は、環境低負荷型材料として注目されている。
【0006】
架橋剤を使用しない自己架橋型の生分解性セルロース吸水剤は、使用後の回収システムが構築できれば、コンポスト化により処分でき肥料となり資源として使うことのできる循環型材料になる。自己架橋型の生分解性セルロース誘導体を用いた吸水剤として、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)に水を添加して濃度が10%以上の糊(ペースト)状になるように良く練り、γ線を照射して得られるハイドロゲルを乾燥させた乾燥ゲルがある(特許文献1参照)。
【0007】
また、自己架橋型の生分解性デンプン誘導体を用いた吸収剤として、例えば、カルボキシメチルデンプン(CMS)とデンプンとをブレンドし、水と良く練り糊状のペースト状態で電離性放射線の照射によって得られる高吸収性デンプンゲルがある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−2703号公報
【特許文献2】特開2003−48997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1、2に記載されているゲルでは、水、塩水、血液等の成分に対する吸水速度や吸水性能が十分とはいえず、衛生用品等への実用化のためには、これら特性の改善が強く望まれていた。
【0009】
従って、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、水、塩水、血液等の成分に対する吸水速度や吸水性能に優れた生分解性高分子吸収ゲル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カルボキシメチルセルロースソジウム(CMC)及びカルボキシメチルデンプンソジウム(CMS)に夫々水を添加して濃度が10%以上の糊(ペースト)状になるように良く練り、γ線や電子線のような電離性放射線を照射した後、乾燥した乾燥ゲルにおいて、照射直後及び乾燥後のゲルを多量の水に漬け、橋かけしていないゾルと称する成分を水側に溶かし出して除去することにより、優れた吸水速度や吸水性能を呈するゲルが得られることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成させた。
【0011】
即ち、本発明の生分解性高分子吸水ゲルは、セルロース誘導体及び/又はデンプン誘導体を用いた自己架橋型の生分解性ハイドロゲルにおける水溶性成分のゾルを除去したことを特徴とする。
【0012】
前記セルロース誘導体は、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、若しくはこれらの混合物、又はこれらのアルカリ金属塩であることが好ましく、特に、カルボキシメチルセルロースソジウム(CMC)であることがより好ましい。
【0013】
前記デンプン誘導体は、カルボキシアルキルデンプン、ヒドロキシアルキルデンプン、アルキルデンプン、若しくはこれらの混合物、又はこれらのアルカリ金属塩であることが好ましく、特に、カルボキシメチルデンプンソジウム(CMS)であることがより好ましい。
【0014】
また、前記生分解性高分子吸収ゲルは、1グラムのゲル当たり300グラム以上の純水を吸収するものとすることができる。
【0015】
また、本発明の生分解性高分子吸水ゲルの製造方法は、セルロース誘導体及び/又はデンプン誘導体を水と良く練りペースト状とする工程と、該ペースト状態で放射線を照射してハイドロゲルを得る工程と、該ハイドロゲルの水溶性成分のゾルを除去する工程とを備えることを特徴とする。
【0016】
前記ゾルを除去する工程では、前記照射直後のハイドロゲル及び/又は該ハイドロゲルの水を除去した乾燥ゲルを100倍以上の多量の水に漬けて除去することができる。
【0017】
前記放射線を照射してハイドロゲルを得る工程では、放射線の照射の線量を0.1〜500kGyとすることができる。
【0018】
前記ペースト状とする工程では、置換度が共に0.01〜2.5であるカルボキシメチルセルロースソジウム(CMC)及びカルボキシメチルデンプンソジウム(CMS)を用いて水と良く練り、濃度が10%以上のペースト状とすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の生分解性高分子吸水ゲルによれば、水、塩水、血液等の成分に対する吸水速度や吸水性能に優れたものとなり、使い捨てオムツ、布オムツ、生理用品等のように多量に水を吸収する用途に好適に使うことができると共に、かつ土壌中の微生物により生分解するため、環境保全型の製品とすることができる。
【0020】
また、本発明の生分解性高分子吸水ゲルの製造方法によれば、水、塩水、血液等の成分に対する吸水速度や吸水性能に優れた生分解性高分子吸水ゲルを効率よく確実に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(セルロース誘導体)
本発明において、原料として使用するセルロース誘導体としては、カルボキシアルキルセルロース(A)、ヒドロキシアルキルセルロース(B)、アルキルセルロース(C)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0022】
(カルボキシアルキルセルロース(A))
カルボキシアルキルセルロース(A)としては、セルロースのヒドロキシル基の水素が、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基により置換されたもの等が挙げられる。好ましいカルボキシアルキルセルロース(A)は、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースである。特に、カルボキシメチルの置換度が0.01から2.5のものを好適に用いることができる。また、上記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシル基の20%以上、好ましくは40%以上をアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩とすることができる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。塩を形成する比率が上記範囲未満であると水と均一な混合物ないし水溶液が形成されにくくなる。塩を形成する比率の上限は特になく、100%塩を形成してもよい。
【0023】
(ヒドロキシアルキルセルロース(B))
ヒドロキシアルキルセルロース(B)としては、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースである。上記ヒドロキシアルキルセルロース(B)は、ヒドロキシル基の20%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上をアルカリ金属塩とすることができる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。塩を形成する比率が上記範囲未満であると水と均一な混合物ないし水溶液が形成されにくくなる。塩を形成する比率の上限は特になく、100%塩を形成してもよい。
【0024】
(アルキルセルロース(C))
アルキルセルロース(C)は、セルロースのヒドロキシル基の水素が、メチル基、エチル基、プロピル基により一部置換されたものであり、好ましいアルキルセルロース(C)は、メチルセルロース、エチルセルロースである。上記アルキルセルロース(C)は、残存するヒドロキシル基の40%以上、好ましくは50%以上をアルカリ金属塩とすることができる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。塩を形成する比率が上記範囲未満であると水と均一な混合物ないし水溶液が形成されにくくなる。塩を形成する比率の上限は特になく、100%塩を形成してもよい。
【0025】
(デンプン誘導体)
本発明において、原料として使用するデンプン誘導体としては、カルボキシアルキルデンプン(D)、ヒドロキシアルキルデンプン(E)、アルキルデンプン(F)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
(カルボキシアルキルデンプン(D))
カルボキシアルキルデンプン(D)は、トウモロコシ、コメ、ジャガイモ、タピオカ、サツマイモなどを原料としたデンプンをカルボキシメチル化、カルボキシエチル化、カルボキシプロピル化したものである。好ましいカルボキシアルキルデンプン(D)としては、カルボキシメチルデンプンである。特に、カルボキシメチルの置換度が0.01から2.5のものを好適に用いることができる。また、上記カルボキシアルキルデンプンのアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩であっても良く、アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。塩を形成する比率の上限は特になく、100%塩を形成してもよい。
【0027】
(ヒドロキシアルキルデンプン(E))
ヒドロキシアルキルデンプン(E)としては、好ましくは、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルセルデンプンである。また、上記ヒドロキシアルキルデンプン(E)のアルカリ金属塩であっても良く、アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。塩を形成する比率の上限は特になく、100%塩を形成してもよい。
【0028】
(アルキルデンプン(F))
アルキルデンプン(F)としては、好ましくは、メチルデンプン、エチルデンプンある。また、上記アルキルデンプン(F)のアルカリ金属塩であってもよく、アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。塩を形成する比率の上限は特になく、100%塩を形成してもよい。
【0029】
(水)
本発明の製造方法でペースト状とするために使用する水としては、市水、工業用水、脱気水、脱イオン水、ゲルろ過水、蒸留水等が挙げられ、好ましくは、酸素やイオンなどが含まれていないものである。
【0030】
(放射線)
次に、セルロース誘導体及び/又はデンプン誘導体のペースト試料に高エネルギー電離性放射線を照射することにより橋かけ反応が起こり、ハイドロゲルが得られる。ここで、放射線照射処理に使用される放射線源としては、α線、β線、γ線、X線、電子線、紫外線等を使用することができるが、コバルト60からのγ線、電子線、X線がより好ましい。中でも該γ線とか電子加速器の使用による電子線照射処理が橋かけ構造導入には便利である。
【0031】
電子加速器は厚物の照射ができる加速電圧1MeV以上の中エネルギーから高エネルギー電子加速器が最も好ましい。照射前の試料に圧力をかけフィルム状に加工すれば1MeV以下の低エネルギー電子加速器でも電子線が透過するため放射線橋かけによりハイドロゲルを得ることができる。照射中の酸素による橋かけへの影響はほとんどないが、照射中の水分の蒸発防止及び橋かけ密度の低下を抑制するため、ポリエステルなどのプラスティックフィルムなどにより上面をカバーして照射するのが望ましい。
【0032】
本発明において照射する放射線の量は、0.1〜500kGyであり、好ましくは0.5〜100kGyであり、さらに好ましくは5〜50kGyである。放射線の照射量が上記範囲未満では架橋せず、吸水性が不充分となり、上記範囲超では架橋が進みすぎ、吸水性が不充分となる。
【0033】
カルボキシメチルセルロースソジウム(CMC)のペースト状照射では、置換度が0.01〜2.5、ポリマー濃度が10〜60%の範囲で橋かけ反応が起きる。置換度が1.0付近のCMCでは橋かけの好ましいポリマー濃度は20%〜40%である。一方、置換度が2.0付近の好ましいポリマー濃度は40%〜60%である。
【0034】
(用途)
従来の高分子吸収体は尿のように塩を含むと、著しく吸収量が減るため改善が求められている。本発明のように、ゾル分を除いた吸収ゲルは、水や生理食塩水、血液を吸収しやすく、吸水速度も速いことから、使い捨てオムツなどの衛生用品などへの応用が期待できる。また、吸収量が増せば使用量が減り、衛生用品の薄型加工も可能となりコストの低減にも繋がる。
【0035】
また、これまでに製品化されてきた高分子吸収体はほとんどが石油を原料にしてできており、焼却処分では、温暖化の原因でもある炭酸ガスを増加させる。本発明の植物由来の材料は、燃やしても生成した炭酸ガスで同じ量の植物を生み、再生産できる資源循環型であるため、環境保全型の製品として今後の需要拡大が期待できる。
【実施例1】
【0036】
(吸水量の測定)
まず、置換度1.3のカルボキシメチルセルロースソジウム(CMC)粉末を濃度が20%になるように水に溶いてペースト状に加工し、γ線を5kGy照射した後、乾燥して水を除去し、乾燥ゲルを得た。この乾燥ゲルを純水、生理食塩水及び人血液に24時間漬けたときの最大吸水量を比較例として表1に示す。
なお、吸水量は、1gの乾燥ゲルに対してその乾燥ゲルが何倍の純水、生理食塩水、人血液の量を吸収できたかで表した。
【0037】
【表1】

【0038】
次に、比較例で照射により得たハイドロゲルの乾燥ゲルを多量(1000倍)の水に24時間漬け、ゾル分を除去し、試料全体が不溶成分から成るゲルを得た。このゲルを水、生理食塩水及び人血液中に24時間漬けたときの吸水量を実施例1として表2に示す。
【0039】
【表2】

【0040】
表1、2の結果より、ゾル分を除いた不溶成分からなるゲルは、ゾル分を除かないゲルと比較して、純水や血液を3倍以上も吸収しやくす、生理食塩水についても、ほぼ3倍程度吸収しやすいことが判明した。
【実施例2】
【0041】
(吸水速度の測定)
まず、置換度1.3のカルボキシメチルセルロースソジウム(CMC)粉末を濃度が20%になるように水に溶いでペースト状に加工し、γ線を5kGy照射した後、乾燥して水を除去し、乾燥ゲルを得た。この乾燥ゲルを純水、生理食塩水中に30、60、90分漬けたときの吸水量を比較例として表3に示す。
【0042】
【表3】

【0043】
次に、比較例で照射により得たハイドロゲルの乾燥ゲルを多量(1000倍)の水に24時間漬け、ゾル分を除去し、試料全体が不溶成分から成るゲルを得た。このゲルを水と生理食塩水に漬けたときの吸水量を実施例2として表4に示す。
【0044】
【表4】

【0045】
表3、4の結果より、ゾル分を除いた不溶成分からなるゲルは、ゾル分を除かないゲルと比較して、純水の吸収量が60分で4倍以上となることが分かる。また、生理食塩水については吸収速度が速く、30分でほぼ飽和状態に達することが判明した。
【産業上の利用の可能性】
【0046】
以上説明したようにゾル分を除いた吸収ゲルは、水や生理食塩水、血液を吸収しやすく、吸水速度も速いことから、使い捨てオムツなどの衛生用品などへの応用が期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース誘導体及び/又はデンプン誘導体を用いた自己架橋型の生分解性ハイドロゲルにおける水溶性成分のゾルを除去したことを特徴とする生分解性高分子吸収ゲル。
【請求項2】
前記セルロース誘導体は、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、若しくはこれらの混合物、又はこれらのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1記載の生分解性高分子吸収ゲル。
【請求項3】
前記セルロース誘導体は、カルボキシメチルセルロースソジウム(CMC)であることを特徴とする請求項1記載の生分解性高分子吸収ゲル。
【請求項4】
前記デンプン誘導体は、カルボキシアルキルデンプン、ヒドロキシアルキルデンプン、アルキルデンプン、若しくはこれらの混合物、又はこれらのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1記載の生分解性高分子吸収ゲル。
【請求項5】
前記デンプン誘導体は、カルボキシメチルデンプンソジウム(CMS)であることを特徴とする請求項1記載の生分解性高分子吸収ゲル。
【請求項6】
1グラムのゲル当たり300グラム以上の純水を吸収することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の生分解性高分子吸収ゲル。
【請求項7】
セルロース誘導体及び/又はデンプン誘導体を水と良く練りペースト状とする工程と、該ペースト状態で放射線を照射してハイドロゲルを得る工程と、該ハイドロゲルの水溶性成分のゾルを除去する工程とを備えることを特徴とする生分解性高分子吸収ゲルの製造方法。
【請求項8】
前記ゾルを除去する工程は、前記照射直後のハイドロゲル及び/又は該ハイドロゲルの水を除去した乾燥ゲルを100倍以上の多量の水に漬けて除去することを特徴とする請求項7記載の生分解性高分子吸収ゲルの製造方法。
【請求項9】
前記放射線を照射してハイドロゲルを得る工程は、放射線の照射の線量が0.1〜500kGyであることを特徴とする請求項7記載の生分解性高分子吸収ゲルの製造方法。
【請求項10】
前記ペースト状とする工程は、置換度が共に0.01〜2.5であるカルボキシメチルセルロースソジウム(CMC)及びカルボキシメチルデンプンソジウム(CMS)を用いて水と良く練り、濃度が10%以上のペースト状とすることを特徴とする請求項7記載の生分解性高分子吸収ゲルの製造方法。

【公開番号】特開2008−111027(P2008−111027A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294420(P2006−294420)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【Fターム(参考)】