説明

生態系に配慮された護岸構造及びそれに用いる護岸ブロック

【目的】 岸部を保護するとともに、水域の環境保全にも積極的に寄与する護岸構造を構築する。
【構成】 上下端が開放した箱型をなし、且つ水側に位置する側面部に切欠凹部17が形成された箱型護岸ブロック2を用いる。この箱型護岸ブロック2を、水路の長さ方向に連設状態に敷設し、且つ複数段にこれを積み上げて、上方に開放した空洞からなる収容空所32を並設状態に設ける。この収容空所32に、倒U字状をなす多孔質の魚巣形成用ブロック42を、その開口端部55を前記切欠凹部17に連通状態にして納設する。且つ該収容空所32に、該開口端部55を塞がないように栗石43を充填する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水域の生態系に配慮された護岸構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来における水路の護岸構造の一態様としては、図33に示すような、コ字枠状の支持枠aと横長の壁板bとを組み合わせた構造のものが実用に供されている。より詳しくは、該支持枠aを、水路底cに載設される底枠dの両端部に、岸部eを上方に延びる側枠f,fを立設し、且つ該側枠fを水路の長さ方向に所要間隔をおいて設置し、隣り合う支持枠の左右対向部に壁板bの両端部を固定して該壁板bを支持枠間に付設し、同様の要領により該壁板bを複数段に積み上げて護岸部gを形成するものであった。
【0003】又従来における水路の護岸構造の他の態様としては、図34に示すような、棒状の枠材hを井桁状に組んだ枠組iを積層して上方開放の収容空所jを形成し、この収容空所jを水路の長さ方向に並設状態に設け、各収容空所jに石kを充填した構造も提案されている。この護岸構造によるときは、収容空所に充填された石間に形成された空隙に泥や有機物が堆積してこれが微生物や藻の繁殖源となるために、これを栄養源として原生動物や水生昆虫等が凄息し、それを求めて魚類が集まって来ることを期待できる。このようなことから該構造は、水域の環境保全にもある程度は寄与できる利点を有するものとなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの護岸構造は、岸部分の保護(護岸)の面からは充分な機能を発揮するものであったが、特に前者の構造においては、水生動物の棲息や水生植物の繁殖面に関しての配慮が欠けており、水域の環境保全上問題があった。一方後者の構造は、前記のように、水域の環境保全にもある程度は寄与できる利点を有してはいたが、収容空所に充填された石間に形成された空隙は小さなものに限られて小魚の凄息が可能となるだけであり、又生息できる魚類の種類も限られることになって、環境保全の面からは未だ有効性に乏しいものであった。
【0005】本発明は、単に護岸機能を発揮するだけでなく水域の環境保全にも積極的に寄与しうる護岸構造の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。即ち本発明に係る護岸構造の一の態様は、上下端のうちの少なくとも上端が開放した箱形をなし、且つ側面部のうちの水側の面部に、切欠凹部(下方開放のもの又は上方開放のもの、以下同様)及び/又は貫通孔が設けられてなる、内部に空洞を有した箱形護岸ブロックを、護岸を構築すべき部分(水路岸や湖の岸等、以下同様)の長さ方向に連設状態に敷設して、上方に開放した空洞からなる収容空所を該長さ方向に並設状態に設ける。そして該収容空所(必ずしも全ての収容空所とは限らない)に、下方開放の凹部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、横方向や斜め方向に貫通した孔部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、及び横方向や斜め方向に開口した盲の空所を有する多孔質の魚巣形成用ブロックのうちの少なくとも一種を、その開口端部を箱形護岸ブロックの前記切欠凹部や貫通孔に連通状態にして納設し、且つ該収容空所に、魚巣形成用ブロックの開口端部を塞がないように石(栗石等)を充填したことを特徴とするものである。
【0007】前記収容空所は通常は、箱形護岸ブロックを複数段に積み上げることによって形成され、上下連通した空洞が収容空所とされる。
【0008】前記護岸構造において、石が充填されてなる収容空所の一部分を水側に張り出させ且つ該張り出し部における石層の上面を冠水面に略合致させるのも好ましい。その場合、箱形護岸ブロックの側面部のうちの、張り出し部を形成する部分に、切欠凹部及び/又は貫通孔を設けるのがよい。
【0009】前記各護岸構造において、箱形護岸ブロックの側面部のうちの、護岸を構築すべき部分の長さ方向の両端面部に切欠き凹部及び/又は貫通孔を設けるのがよい。
【0010】又本発明に係る護岸ブロックは、上下端のうちの少なくとも上端が開放した箱形をなし、且つ側面部のうちの水側の面部に、切欠凹部及び/又は貫通孔が設けられてなり、内部に空洞を有していることを特徴とするものである。該護岸ブロックにおいて、側面部のうちの水側の部分を、水側に張り出させるのがよい。このように張り出させる場合、該張り出し部の側面部に、切欠凹部及び/又は貫通孔が設けるのがよい。又側面部のうちの、護岸を構築すべき部分の長さ方向の両端面部に切欠凹部及び/又は貫通孔を設けるのがよい。
【0011】又本発明に係る護岸構造の他の態様は、矩形枠状又は正方形枠状をなすコンクリート製の枠部材を積層して構築した護岸構造であって、枠部材の一辺をなす枠部に他の枠部材の一辺をなす枠部が重ねられてなる組み構造部からなり、該枠部材が間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて、上方に開放した収容空所が形成され、該収容空所が、護岸を構築すべき部分の長さ方向に並設状態に設けられている。そして該収容空所(必ずしも全ての収容空所とは限らない)に、下方開放の凹部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、横方向や斜め方向に貫通した孔部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、及び、横方向や斜め方向に開口した盲の空所を有する多孔質の魚巣形成用ブロックのうちの少なくとも一種を、その開口端部を箱形護岸ブロックの前記切欠凹部や貫通孔に連通状態にして納設し、且つ該収容空所に、魚巣形成用ブロックの開口端部を塞がないように石(栗石等)を充填したことを特徴とするものである。
【0012】又本発明に係る護岸構造のその他の態様は、棒状をなすコンクリート製の棒部材を積層して構築した護岸構造であって、略平行して前後に配置された棒部材の一端部分の夫々に、略平行して前後に配置された他の棒部材の一端部分が重ねられてなる組み構造部からなり、或いは、略平行して配置された前後の棒部材の対向する端部分上に前後方向に延びる棒部材の端部分が重ねられて形成された井桁状の組み構造部からなり、該棒部材が、間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて、上方に開放した収容空所が形成され、該収容空所が、護岸を構築すべき部分の長さ方向に並設状態に設けられている。そして該収容空所(必ずしも全ての収容空所とは限らない)に、下方開放の凹部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、横方向や斜め方向に貫通した孔部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、及び、横方向や斜め方向に開口した盲の空所を有する多孔質の魚巣形成用ブロックのうちの少なくとも一種を、その開口端部を箱形護岸ブロックの前記切欠凹部や貫通孔に連通状態にして納設し、且つ該収容空所に、魚巣形成用ブロックの開口端部を塞がないように石(栗石等)を充填したことを特徴とするものである。
【0013】又本発明に係る護岸構造のその他の態様は、矩形枠状又は正方形枠状をなすコンクリート製の枠部材と棒状をなすコンクリート製の棒部材とを用いて、これらの部材を積層して構築した護岸構造であって、枠部材の一辺をなす枠部の前後の端部分の夫々に、略平行して前後に配置された棒部材の一端部分が重ねられてなる組み構造部からなり、該枠部材が、間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて形成された、上方に開放した収容空所と、前記棒部材が、間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて形成された、上方に開放した収容空所とが、護岸を構築すべき部分の長さ方向に並設状態に設けられている。そして該収容空所(必ずしも全ての収容空所とは限らない)に、下方開放の凹部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、横方向や斜め方向に貫通した孔部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、及び、横方向や斜め方向に開口した盲の空所を有する多孔質の魚巣形成用ブロックのうちの少なくとも一種を、その開口端部を箱形護岸ブロックの前記切欠凹部や貫通孔に連通状態にして納設し、且つ該収容空所に、魚巣形成用ブロックの開口端部を塞がないように石(栗石等)を充填したことを特徴とするものである。
【0014】又本発明に係る護岸構造のその他の態様は、矩形枠状又は正方形枠状をなすコンクリート製の枠部材と棒状をなすコンクリート製の棒部材とを用いて、これらの部材を積層して構築した護岸構造であって、枠部材の一辺をなす枠部に他の枠部材の一辺をなす枠部を重ねてなる組み構造部と、該枠部材の一辺をなす枠部の前後の端部分の夫々に、略平行して前後に配置された棒部材の一端部分が重ねられてなる組み構造部とを含むように、枠部材及び/又は棒部材が、間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて形成された、上方に開放した収容空所が、護岸を構築すべき部分の長さ方向に並設状態に設けられている。そして該収容空所(必ずしも全ての収容空所とは限らない)に、下方開放の凹部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、横方向や斜め方向に貫通した孔部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、及び、横方向や斜め方向に開口した盲の空所を有する多孔質の魚巣形成用ブロックのうちの少なくとも一種を、その開口端部を箱形護岸ブロックの前記切欠凹部や貫通孔に連通状態にして納設し、且つ該収容空所に、魚巣形成用ブロックの開口端部を塞がないように石(栗石等)を充填したことを特徴とするものである。
【0015】前記枠部材、棒部材を用いる護岸構造において、端部分相互の横移動を阻止するために、部材の端部分相互を、凹凸の嵌合による係合状態で積み重ねるのがよい。
【0016】
【作用】然して本発明に係る護岸構造によるときは、その護岸部が岸を保護する機能を発揮するのはもとより、次のように水域の環境保全にも積極的に寄与する。
【0017】即ち、収容空所の内部が、魚巣形成用ブロックの内部に存する小さな空隙や石間の比較的大きな空隙、及び、魚巣形成用ブロックの凹部や開口部或いは盲の空所によって形成された水側に開放した空隙(うろ)と、大小様々な空隙に分割される。そして、この収容空所の内部を水が流れ(水路の場合)或いは該内部が水に浸る(湖の場合)ことによって、前記空隙に泥や有機物が付着して微生物が繁殖することになる。このようなことから、この微生物による水質浄化が図られるだけでなく、この微生物等を栄養源として原生動物や水生昆虫、各種の水生動物が繁殖し、これが、魚介類にとっては良好な餌場となる。それ故、これらの空隙の大きさに応じて、多種の魚介類が集まり凄息することとなる。
【0018】特に、魚巣形成用ブロックの凹部や開口部、盲の空所が形成する空隙(うろ)は、自然界の河川における浮き石(川底に載った状態の石)の裏側の空間に近い状態のものであるため、このような空隙(うろ)は、そこを休息場所や隠れ場所とする水生昆虫類の絶好の棲息場となり、又魚介類にとっては豊富な餌場となる。そしてこの空隙(うろ)は、箱形護岸ブロックの切欠凹部が形成する開口や貫通孔、枠部材間の開口や棒部材間の開口、枠部材と棒部材との間の開口を介して水側に連通しており、且つ比較的広い空間を占めるため、比較的大きな魚介類を積極的に呼び込むことができ、この空隙(うろ)は魚巣としての機能を発揮することになる。
【0019】特に、石が充填されてなる収容空所の一部分を水側に張り出し状態とし、該張り出し部に形成された石層の上面を冠水面に略合致させた場合は、冠水したりしなかったりする環境を好む植物(水草等)や動物(水生昆虫や陸生昆虫等)の繁殖場をこの石層の上面部分に形成できることになる。又、この張り出し部の表側(即ち上流側)の側面部に形成された切欠凹部が形成する開口や貫通孔に、魚巣ブロックの開口端部が連通状態とされているときは、該開口や貫通孔を通して、収容空所や魚巣ブロック内に積極的に流水を導入させることができ、これによって、魚介類等の新たな凄息環境を形成できることとなる。又、この張り出し部の裏側(即ち下流側)に淀みを形成できることともなって、それに適応する魚介類等の棲息場を提供できる。このようなことから、この張り出し部は、自然界の河川や湖等の状態に一層近い護岸を形成せしめることとなる。
【0020】
【実施例】以下本発明の実施例を、水路の護岸構築に応用された場合を例にとり、図面に基づいて説明する。
【0021】第1実施例図1〜3において本発明に係る護岸構造は、コ字枠状の支持枠1とコンクリート製の箱形護岸ブロック2とを用いて構築されている。
【0022】該支持枠1は、図1〜2に示すように、水路のコンクリート基盤3に載設される底枠5の両端部に、岸部6を上方に延びる側枠7,7を外方に稍傾斜状態にして立設し、且つ該側枠7の内方部の両側に、上下方向に延びる係合突条9,9を突設して構成されており、水路の長さ方向に所要間隔をおいて設置されている。そして該基盤3上には、底枠5の上面10と略面一に、転圧された砂利層11が設けられ、水路底12が形成されている。
【0023】前記箱形護岸ブロック2には二種類2a,2bがある。その一の態様2aは、図2〜4に示すように、上下端13,15が開放した直方体状或いは立方体状(本実施例においては直方体状)なし、且つ、側面部16のうちの水側の面部16a、更に本実施例においては水路長さ方向の両端面部16b,16bにも、下方開放の切欠凹部17が設けられて、内部に空洞19を有している。又水側に位置する両コ─ナ部分には、前記係合突条9と嵌合しうる係合切欠部20が上下全長に亘って設けられている。そして、水路長さ方向の両端面部16b,16bの夫々の両側部位に、上下方向に貫通する挿通孔21が設けられている。そして該箱形護岸ブロック2は、図2に示すように、対応の挿通孔21を連通させ且つ空洞19を連通させて、他の箱形護岸ブロックの上面に載設可能である。
【0024】箱形護岸ブロックの他の態様のもの2bは、前記箱形護岸ブロック2aと略同様の構成であるが、図2〜3に示すように、その水側の部分が水側に張り出すように突出している点が大きく異なる。その張り出し部22の態様には各種のものがある。例えば、平面視で三角形状に張り出した図5に示すものや、同図に一点鎖線で示すように平面視で半円弧状に張り出すもの、又平面視で台形状に張り出した図6に示すもの、更には、平面視で四角形状に張り出した図7に示すものを挙げることができる。
【0025】そして上下端13,15が開放した箱形をなすこと、側面部のうちの水側の面部16a及び水路長さ方向の両端面部16b,16bに下方開放の切欠凹部17が設けられていること、又、水側に位置する両コ─ナ部分(張り出し部の基端部分)には前記係合突条9と嵌合しうる係合切欠部20が上下全長に亘って設けられていること、又水路長さ方向の両端面部16b,16bの夫々の両側部位に、上下方向に貫通する挿通孔21が設けられていること、そして該箱形護岸ブロックが、対応の挿通孔21を連通させ且つ空洞19を連通させて、他の箱形護岸ブロックの上面に載設可能であることについては、前記と同様構成である。なお、水側の面部16aが張り出している関係で、三角形状に張り出すものや台形状に張り出すものに付いては、その対向する二辺の夫々の面部23,23に下方開放の切欠凹部17が設けられている。又四角形状に張り出すものについては、張り出し部の先端面部26及び水路長さ方向の両端面部16b,16bに、下方開放の切欠凹部17が設けられている。
【0026】なお図8に示すように、前記切欠凹部に代えて、円形孔27aや楕円形孔27b、角形孔27c等の貫通孔27が設けられることもある。そして、前記各箱形護岸ブロックの切欠凹部17の深さや貫通孔27の直径は、後述のように収納空所に充填された栗石が、該切欠凹部17が形成する開口29(図2)や貫通孔27(図8)より飛び出ないように設定している。
【0027】然して、図2〜3に示すように、前記のように設置された隣り合う支持枠1,1の左右対向する係合突条9,9に、前記箱形護岸ブロック2の係合切欠部20,20を嵌合せしめて該箱形護岸ブロック2を水路底12に設置し、同様の要領によりこれを複数段(例えば2段)に積み上げる。この積み上げ部の上端31(図2)は、水路水に漬かるように設定する。この二段積みされた箱型護岸ブロックの空洞19,19の上下連通部が、上方開放の収容空所32を形成する。そして所要の支持枠1,1間には、図2〜3に示すように、張り出し部22を具える前記箱形護岸ブロック2を配置する。同図は、三角形状に張り出す箱形護岸ブロック2bを配置した場合を示すものであり、上方に開放した収容空所32が水路の長さ方向に並設状態に設けられ且つその収容空所の一部分32aが水側に張り出している。
【0028】そして、このように二段積みされた箱形護岸ブロック2,2の上下連通した挿通孔21に、例えば、図9に示すような、水路の基盤3に埋設固定されたインサート33に下端部分35が螺合された鉄筋棒36や、同図に一点鎖線で示すような、折曲した下端部分37が基盤3に埋設された鉄筋棒39が挿通せしめられ、これによって、該積み重ねられた箱形護岸ブロック2,2が前記基盤3に固定状態とされている。
【0029】このように二段積みされた箱形護岸ブロック2,2の空洞19,19の連通によって、上方に開放した収容空所32が水路の長さ方向に並設状態に設けられている(図3)。そしてこの収容空所32には、多孔質の魚巣用ブロック42が所要に納設されると共に該収容空所32に石(栗石)43が充填されている。
【0030】該魚巣用ブロック42としては、例えば次の3種類のものを用いることができる。その1つは図10〜11に示すように、全体がポーラスコンクートを以って一体形成された下方開放の比較的大きな凹部45を有する倒U字状やコ字状を呈するものを挙げることができる。又他の態様としては、図12に示すように、同様にポーラスコンクリートを以って一体形成された筒状(円筒状や楕円形状、角筒状等)をなす、横方向や斜め方向に貫通した(図面においては横方向に貫通したものが示されている)比較的大きな孔部46を有するものを挙げることができる。或いは図13に示すように、連結片47の下面部に、ポーラスコンクリートを以って形成された脚片49の複数をボルト固定し、必要に応じて該連結片47に、水生動物の出入り等のための透孔51を設けたものを挙げることができる。又その他の態様としては、図14に示すように、同様にポーラスコンクリートを以って一体形成されており横方向又は斜め方向に開口した(図面においては横方向に貫通したものが示されている)盲の空所52を有するものを挙げることができる。前記各魚巣用ブロックにおいて、その側面部や周面部に、図10〜14に一点鎖線で示すように、魚介類の出入り等のための開口部53が形成されることもある。
【0031】又魚巣用ブロック42の材質としては、前記ポーラスコンクリートの他、火山軽石等の各種の多孔質素材を採用することができる。又、前記凹部45や開口部46或いは盲の空所52の形態は、前記形状の他、各種のものに構成されうる。
【0032】これらの魚巣用ブロック42は、図2〜3に示すように、箱形護岸ブロック2の水側に位置する切欠凹部が形成する開口29や貫通孔27(図8)にその開口端部55を連通状態にして(即ち、開口29や貫通孔27を通して、魚巣用ブロックの形成する空隙(うろ)56への魚類の出入りを許すように)前記収容空所32に納設され、その開口端部55を塞がないように栗石43を充填している。この充填は、箱形護岸ブロックの切欠凹部が形成する開口29(図2)や貫通孔27より栗石が飛び出ないように、少なくとも該開口や貫通孔側には、大きめのものを配置して行う。図15〜16は、張り出し部22を有する箱形護岸ブロック2の形成する収容空所32に魚巣用ブロック42を、切欠凹部が形成する開口29にその開口端部55を連通状態にし、且つその開口端部55を塞がないように栗石43を充填した状態の他の態様を示すものである。なお図3、図15〜16 においては、魚巣用ブロック42の配置状態を明瞭に示すために、該魚巣用ブロックに被る栗石を省略して示している。
【0033】このように、収容空所32に魚巣用ブロック42及び栗石43が収容された後、その収容部の上面が、図1に示すように適宜防水シート57で被覆され、且つ図1〜2に示すように、岸部の高さに応じて、隣り合う支持枠1,1の左右対向する係合突条9,9に、横長の壁板59の両端の係合切欠凹部60,60を係合せしめて壁板59を支持枠間に付設し、同様の要領により壁板59を複数段に積み上げて護岸部61を形成する。なお、箱型護岸ブロック2と支持枠1の側枠7との固定は、アングル材等を用いた適宜の固定金具を用いて、これをボルト固定することにより行なうこともできる。
【0034】然してかかる護岸構造によるときには、図2に示すように、収容空所32の内部が、魚巣用ブロック42の内部に存する小さな空隙62や栗石間の比較的大きな空隙63、及び、魚巣用ブロックの凹部45や孔部46或いは盲の空所52によって形成された水側に開放した空隙(うろ)56と、大小様々な空隙に分割される。そして、この収容空所の内部が水に浸り、又内部を水が流れることによって、前記空隙に泥や有機物が付着して微生物が繁殖することになる。このようなことから、この微生物による水質浄化が図られるだけでなく、この微生物等を栄養源として原生動物や水生昆虫、各種の水生動物が繁殖し、これが、魚介類にとっては良好な餌場となる。それ故、これらの空隙の大きさに応じて、多種の魚介類が集まり凄息することとなる。
【0035】特に、魚巣用ブロックの凹部や孔部、盲の空所が形成する空隙(うろ)は、自然界の河川における浮き石(川底に載った状態の石)の裏側の空間に近い状態のものであるため、このような空隙(うろ)は、そこを休息場所や隠れ場所とする水生昆虫類の絶好の棲息場となり、又魚介類にとっては豊富な餌場となる。そしてこの空隙(うろ)は、箱形護岸ブロックの切欠凹部が形成する開口や貫通孔を介して水側に連通しており、且つ比較的広い空間を占めるため、比較的大きな魚介類を積極的に呼び込むことができ、この空隙(うろ)は魚巣としての機能を発揮することになる。
【0036】又、前記張出し部22に形成された栗石層の上面部分65(図1〜3)は、冠水したりしなかったりする環境を好む植物(水草等)や動物(水生昆虫や陸生昆虫等)の繁殖場となる。又、この張り出し部の表側(即ち上流側)に形成された切欠凹部が形成する開口や貫通孔に、魚巣ブロックの開口端部が連通状態とされているときは、該開口や貫通孔を通して、収容空所や魚巣ブロック内に積極的に流水(図3に矢印で示す)を導入させることができ、これによって、魚介類等の新たな凄息環境を形成できることとなる。又、この張り出し部の裏側(即ち下流側)66に淀みを形成できることともなって、それに適応する魚介類等の棲息場を提供できる。このようなことから、この張り出し部は、自然界の河川や湖等の状態に一層近い護岸を形成せしめることとなる。
【0037】第2実施例本発明に係る護岸構造の他の態様は、図17に示すような、矩形枠状や正方形枠状をなし且つ四隅に上下貫通する挿通孔67が設けられたコンクリート製の枠部材69と、図18に示すような、棒状をなし且つ端部分に上下貫通する挿通孔67が設けられたコンクリート製の棒部材70とを用いてなる組み構造部を積層状態にして構築するものである。なお該枠部材や棒部材の上下方向の厚さは、後述のように形成される上下の枠部間に、魚類の出入りを可能とする開口71(図20)が形成されるように、且つ充填された栗石43がこの開口を通して飛び出さないように設定される。
【0038】図19〜21は、本発明に係る護岸構造の他の実施例を示すものであり、前記一の枠部材69の一辺をなす枠部72に他の枠部材69の一辺をなす枠部72を重ねてなる図22に示すような第1の組み構造部73と、枠部材69の一辺をなす枠部72の前後の端部分75,75の夫々に、略平行して前後に配置された棒部材70,70の一端部分76,76を重ねてなる図23に示すような第2の組み構造部77とを含むように構築されている。そして、枠部材69と棒部材70とが上下方向に交互に積層状態で配列されて、上方に開放した収容空所32が形成されており、該収容空所32が水路長さ方向に並列状態に設けられている。なお前記した、第1の組み構造部73と第2の組み構造部77を含むとは、一つの枠部材又は棒部材が第1の組み構造部と第2の組み構造部に兼用して関係する状態を含み、図20に示すものは、兼用して関係する場合である。
【0039】そして上下連通した挿通孔67には、前記第1実施例におけると同様にして、図24に示すような、水路の基盤3に埋設固定されたインサート33に下端部分35が螺合された鉄筋棒36や、同図に一点鎖線で示すような折曲した下端部分37が基盤に埋設された鉄筋棒39が挿通せしめられ、これによって各部材が前記基盤に固定状態とされ、収容空所が強化されている。
【0040】そして各収容空所には、前記と同様構成の多孔質の魚巣用ブロック42が、その開口端部55を水側に向けて納設され、且つ該開口端部55を塞がないように収容空所32に栗石43を充填してなり、これらの充填によって護岸部61が構築されている(図19)。なお、前記積み上げた部材相互が位置ずれするのを防止するために、例えば図25に示すように、部材の端部分相互が凹部82と凸部83との嵌合によって積み重なるように構成してもよい。
【0041】なお図19、図21においては、土圧による護岸構造の安定性を向上させるため、護岸部をコ字枠状の支持枠85に支持させている。この支持枠85は、水路のコンクリート基盤3に載設される底枠86の両端部に、岸部上方に延びる側枠87,87を立設してなる。そして該支持枠85は、前記収容空所32の例えば両側に側枠87が位置し且つ該側枠背面89が収容空所の奥側の内面90と当接するように、前記基盤3上に水路長さ方向に並設されている。なお基盤3上には、底枠の上面91と略面一に、転圧された砂利層92が設けられ、水路底93が形成されている。従って、構築された護岸部61は該側枠87に支持されることとなり、土圧を受けても滑動する恐れがなく、護岸の安定が図られる。なお水捌けの良い地盤状態であるときは、このように構築された護岸部61の背面を、水は通すが砂の透過を阻止する濾布95或いは防水シートを以って覆い、岸側の土砂の埋め戻しを行なう。なお、土圧がそれほど加わらない場合には、前記支持枠は省略してもよい。
【0042】かかる護岸構造において、収容空所の内部が、魚巣用ブロックや栗石の充填によって、前記と同様に大小様々の空隙に分割され、収容空所の内部が水に浸り又内部を水が流れることによって該空隙に泥や有機物が付着して微生物が繁殖し、これによる水質浄化が図られること、そしてこれらの微生物を栄養源として原生動物や水生昆虫、水生動物が繁殖し、これが、魚介類に取っては良好な餌場となることについては、前記第1実施例に係る護岸構造と同様である。そして本実施例においては、枠部材や棒部材の厚さに相当する上下幅を有した開口71(図20)が水側に形成されるため、この開口71を通して魚類が、魚巣用ブロック42の形成する空隙(うろ)56に出入りできることとなり、この部分は魚巣としての機能を発揮することになる。
【0043】図26は、基礎コンクリートブロック96上に傾斜状態で、栗石43が充填されてなる収容空所32を形成して構築した護岸部61の他の態様を示すものである。
【0044】又図27は、前記第2の組み構造部77を含むように構成された収容空所の他の例を示し、枠部材69のみが間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて形成された、上方に開放した収容空所32aと、棒部材70のみが間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて形成された、上方に開放した収容空所32bとが、水路長さ方向に交互に配置されている。そして該収容空所には、前記と同様にして、魚巣用ブロックが納設され且つ栗石が収容される。
【0045】又図28は、第1の組み構造部73のみからなる収容空所を示し、全ての収容空所32は、枠部材69のみの積層によって形成されている。又図29は、第1の組み構造部73と第2の組み構造部77との組合せからなる護岸構造を示し、各収容空所32は、共に、上下端に枠部材69が配設され且つ中間には棒部材70が配置されている。
【0046】前記第1の組み構造部73と第2の組み構造部77を含む本発明に係る護岸構造は、前記実施例で挙げたものの他、これらの任意の組合せで構成されうる。
【0047】その他本発明に係る護岸構造は、図30に示すように、略平行して前後に配置された棒部材70,70の両端部分97,97の夫々に、ほぼ平行して前後に配置された他の棒部材70,70の両端部分97,97を重ねてなる第3の組み構造部99、或いは図31に示すような、略平行して配置された前後方向に延びる棒部材70,70に左右方向に延びる他の棒部材70,70を重ねて井桁状に形成した第4の組み構造部100を含むように構成されてもよい。更に本発明に係る護岸構造は、図32に示すような、枠部材69の一辺をなす枠部72に棒部材70を重ねてなる第5の組み構造部101を用い、これを上下方向に積重して、収容空所32を形成するごとく構成してもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明は以下の如き優れた効果を奏する。本発明に係る護岸構造によるときは、その護岸部が水路岸を保護する機能を発揮するのはもとより、次のように水域の環境保全にも積極的に寄与する。
【0049】■ 収容空所内に、魚巣用ブロック内部の小さな空隙や石間の空隙、及び、魚巣用ブロックの凹部や孔部或いは盲の空所によって形成された水側に開放した空隙(うろ)と、大小様々な空隙に分割される。そして、この収容空所の内部を水が流れ(水路の場合)或いは内部が水に浸る(湖の場合)ことによって、前記空隙に泥や有機物が付着して微生物が繁殖することになる。このようなことから、この微生物による水質浄化が図られるだけでなく、これを栄養源として原生動物や水生昆虫や各種の水生動物が繁殖し、魚介類にとっては良好な餌場となる。それ故、これらの空隙の大きさに応じて、多種の魚介類が集まり生息することとなる。
【0050】■ 特に、魚巣用ブロックの凹部や孔部、盲の空所が形成する空隙(うろ)は、自然界の河川における浮き石(川底に載った状態の石)の裏側の空間に近いものであるため、このような空隙(うろ)を休息場所や隠れ場所とする水生昆虫類の絶好の棲息場となり、魚介類にとっては豊富な餌場となる。そしてこの空隙(うろ)は、箱形護岸ブロックの切欠凹部が形成する開口や貫通孔、枠部材間の開口や棒部材間の開口、枠部材と棒部材との間の開口を介して水側に連通しており、且つ比較的広い空間を占めるため、比較的大きな魚介類を積極的に呼び込むことができ、この部分は魚巣としての機能を発揮することになる。
【0051】■ 特に、石が充填されてなる収容空所の一部分を水側に張り出し状態とし、該張り出し部に形成された石層の上面を冠水面に略合致させた場合は、冠水したりしなかったりする環境を好む植物(水草等)や動物(水生昆虫や陸生昆虫等)の繁殖場をこの石層の上面部分に形成できることになる。又、この張り出し部の表側(即ち上流側)の側面部に形成された切欠凹部が形成する開口や貫通孔に、魚巣ブロックの開口端部が連通状態とされているときは、該開口や貫通孔を通して、収容空所や魚巣ブロック内に積極的に流水を導入させることができ、これによって、魚介類等の新たな凄息環境を形成できることとなる。又、この張り出し部の裏側(即ち下流側)に淀みを形成できることともなって、それに適応する魚介類等の棲息場を提供できる。このようなことから、この張り出し部は、自然界の河川や湖等の状態に一層近い護岸を形成せしめることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る護岸構造を説明する断面図である。
【図2】その護岸構造を説明する斜視図である。
【図3】その護岸構造を説明する平面図である。
【図4】箱型護岸ブロックを説明する斜視図である。
【図5】箱型護岸ブロックの他の態様を説明する斜視図である。
【図6】箱型護岸ブロックのその他の態様を説明する斜視図である。
【図7】箱型護岸ブロックのその他の態様を説明する斜視図である。
【図8】箱型護岸ブロックのその他の態様をその使用状態において示す正面図である。
【図9】積み上げられた箱型護岸ブロックを基盤に一体化した状態を示す断面図である。
【図10】魚巣形成用ブロックを示す斜視図である。
【図11】魚巣形成用ブロックの他の態様を説明する斜視図である。
【図12】魚巣形成用ブロックのその他の態様を説明する斜視図である。
【図13】魚巣形成用ブロックのその他の態様を説明する斜視図である。
【図14】魚巣形成用ブロックのその他の態様を説明する側面図である。
【図15】収容空所の張り出し状態の他の態様を説明する平面図である。
【図16】収容空所の張り出し状態のその他の態様を、魚巣形成用ブロックの納設状態と併せて示す平面図である。
【図17】枠部材を示す斜視図である。
【図18】棒部材を示す斜視図である。
【図19】本発明に係る護岸構造の他の実施例を説明する断面図である。
【図20】図19に係る護岸構造を説明する斜視図である。
【図21】図19に係る護岸構造を説明する平面図である。
【図22】枠部材を組み合わせてなる組み構造部を示す斜視図である。
【図23】枠部材と棒部材を組み合わせてなる組み構造部を示す斜視図である。
【図24】枠部材と棒部材とを積み重ねて構築した収容空所を基盤に一定化した状態を示す断面図である。
【図25】部材の端部分相互を凹凸の嵌合よる係合状態で積み重ねた状態を示す断面図である。
【図26】本発明に係る護岸構造のその他の実施例を説明する断面図である。
【図27】収容空所のその他の態様を説明する斜視図である。
【図28】収容空所のその他の態様を説明する斜視図である。
【図29】収容空所のその他の態様を説明する斜視図である。
【図30】組み構造部のその他の態様を説明する斜視図である。
【図31】組み構造部のその他の態様を説明する斜視図である。
【図32】組み構造部のその他の態様を説明する斜視図である。
【図33】従来の護岸構造を説明する断面図である。
【図34】従来の護岸構造の他の態様を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 支持枠
2 箱型護岸ブロック
3 基盤
16 箱型護岸ブロックの側面部
17 切欠凹部
19 空洞
22 張り出し部
27 貫通孔
29 開口
32 収容空所
42 魚巣形成用ブロック
43 石
45 凹部
46 孔部
56 空隙
55 開口端部
69 枠部材
70 棒部材
73 組み構造部
77 組み構造部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下端のうちの少なくとも上端が開放した箱形をなし、且つ側面部のうちの水側の面部に、切欠凹部及び/又は貫通孔が設けられてなる、内部に空洞を有した箱形護岸ブロックを、護岸を構築すべき部分の長さ方向に連設状態に敷設して、上方に開放した空洞からなる収容空所を該長さ方向に並設状態に設け、又該収容空所に、下方開放の凹部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、横方向や斜め方向に貫通した孔部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、及び、横方向や斜め方向に開口した盲の空所を有する多孔質の魚巣形成用ブロックのうちの少なくとも一種を、その開口端部を箱形護岸ブロックの前記切欠凹部や貫通孔に連通状態にして納設し、且つ該収容空所に、魚巣形成用ブロックの開口端部を塞がないように石を充填したことを特徴とする生態系に配慮された護岸構造。
【請求項2】 上下端が開放した箱形護岸ブロックが複数段に積み上げられ、各箱形護岸ブロックの空洞が上下に連通して収容空所が形成されていることを特徴とする請求項1記載の生態系に配慮された護岸構造。
【請求項3】 石が充填されてなる収容空所の一部分が水側に張り出しており、該張り出し部に形成された石層の上面が冠水面に略合致するように設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の生態系に配慮された護岸構造。
【請求項4】 箱形護岸ブロックの側面部のうちの、張り出し部を形成する部分に、切欠凹部及び/又は貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項3記載の生態系に配慮された護岸構造。
【請求項5】 箱形護岸ブロックの側面部のうちの、護岸を構築すべき部分の長さ方向の両端面部に切欠凹部及び/又は貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の生態系に配慮された護岸構造。
【請求項6】 上下端のうちの少なくとも上端が開放した箱形をなし、且つ側面部のうちの水側の面部に、切欠凹部及び/又は貫通孔が設けられてなり、内部に空洞を有していることを特徴とする箱形護岸ブロック。
【請求項7】 側面部のうちの水側の部分が、水側に張り出すように突出していることを特徴とする請求項6記載の箱形護岸ブロック。
【請求項8】 側面部のうちの水側の部分が、水側に張り出すように突出しており、且つ該張り出し部の側面部に、切欠凹部及び/又は貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項6記載の箱形護岸ブロック。
【請求項9】 側面部のうちの、護岸を構築すべき部分の長さ方向の両端面部に切欠凹部及び/又は貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項6、7又は8記載の箱形護岸ブロック。
【請求項10】 矩形枠状又は正方形枠状をなすコンクリート製の枠部材を積層して構築した護岸構造であって、枠部材の一辺をなす枠部に他の枠部材の一辺をなす枠部が重ねられてなる組み構造部からなり、該枠部材が間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて、上方に開放した収容空所が形成され、該収容空所が、護岸を構築すべき部分の長さ方向に並設状態に設けられており、又該収容空所に、下方開放の凹部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、横方向や斜め方向に貫通した孔部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、及び、横方向や斜め方向に開口した盲の空所を有する多孔質の魚巣形成用ブロックのうちの少なくとも一種を、その開口端部を上下の枠部材間に形成された開口に連通させて納設し、且つ該収容空所に、魚巣形成用ブロックの開口端部を塞がないように石を充填したことを特徴とする生態系に配慮された護岸構造。
【請求項11】 棒状をなすコンクリート製の棒部材を積層して構築した護岸構造であって、略平行して前後に配置された棒部材の一端部分の夫々に、略平行して前後に配置された他の棒部材の一端部分が重ねられてなる組み構造部からなり、或いは、略平行して配置された前後の棒部材の対向する端部分上に前後方向に延びる棒部材の端部分が重ねられて形成された井桁状の組み構造部からなり、該棒部材が、間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて、上方に開放した収容空所が形成され、該収容空所が、護岸を構築すべき部分の長さ方向に並設状態に設けられており、又該収容空所に、下方開放の凹部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、横方向や斜め方向に貫通した孔部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、及び、横方向や斜め方向に開口した盲の空所を有する多孔質の魚巣形成用ブロックのうちの少なくとも一種を、その開口端部を上下の枠部材間に形成された開口に連通させて納設し、且つ該収容空所に、魚巣形成用ブロックの開口端部を塞がないように石を充填したことを特徴とする生態系に配慮された護岸構造。
【請求項12】 矩形枠状又は正方形枠状をなすコンクリート製の枠部材と棒状をなすコンクリート製の棒部材とを用いて、これらの部材を積層して構築した護岸構造であって、枠部材の一辺をなす枠部の前後の端部分の夫々に、略平行して前後に配置された棒部材の一端部分が重ねられてなる組み構造部からなり、該枠部材が、間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて形成された、上方に開放した収容空所と、前記棒部材が、間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて形成された、上方に開放した収容空所とが、護岸を構築すべき部分の長さ方向に並設状態に設けられており、又該収容空所に、下方開放の凹部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、横方向や斜め方向に貫通した孔部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、及び、横方向や斜め方向に開口した盲の空所を有する多孔質の魚巣形成用ブロックのうちの少なくとも一種を、その開口端部を上下の枠部材間に形成された開口に連通させて納設し、且つ該収容空所に、魚巣形成用ブロックの開口端部を塞がないように石を充填したことを特徴とする生態系に配慮された護岸構造。
【請求項13】 矩形枠状又は正方形枠状をなすコンクリート製の枠部材と棒状をなすコンクリート製の棒部材とを用いて、これらの部材を積層して構築した護岸構造であって、枠部材の一辺をなす枠部に他の枠部材の一辺をなす枠部を重ねてなる組み構造部と、該枠部材の一辺をなす枠部の前後の端部分の夫々に、略平行して前後に配置された棒部材の一端部分が重ねられてなる組み構造部とを含むように、枠部材及び/又は棒部材が、間隔をおいて上下方向に積層状態で配列されて形成された、上方に開放した収容空所が、護岸を構築すべき部分の長さ方向に並設状態に設けられており、又該収容空所に、下方開放の凹部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、横方向や斜め方向に貫通した孔部を有する多孔質の魚巣形成用ブロック、及び、横方向や斜め方向に開口した盲の空所を有する多孔質の魚巣形成用ブロックのうちの少なくとも一種を、その開口端部を上下の枠部材間に形成された開口に連通させて納設し、且つ該収容空所に、魚巣形成用ブロックの開口端部を塞がないように石を充填したことを特徴とする生態系に配慮された護岸構造。
【請求項14】 部材の端部分相互が、凹凸の嵌合による係合状態で重ねられて、端部分相互の横移動が阻止されていることを特徴とする請求項10、11、12又は13記載の生態系に配慮された護岸構造。

【図18】
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【図25】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図11】
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【図13】
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【図7】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図19】
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【図16】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図27】
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【図30】
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【図28】
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【図29】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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