説明

生物学的活性が増加したキメラ脂肪体プロGRF類似体

本発明は、生物学的活性が上昇したキメラ脂肪体−プロGRF類似体、それらの同化作用性(anabolic)薬剤としての応用、そして成長ホルモン欠損症の診断および治療における応用に関する。キメラ脂肪体−プロGRF類似体は、疎水性部分(末端)を含み、GRFに対して1またはいくつかの疎水性末端を結合することによるかあるいはGRFの化学合成において1またはいくつかのアミノ酸をシュードミセル残基により置換することによるかどちらかにより、調製することができる。本発明のGRF類似体は、生物分解性であり、非免疫原性であり、そして濃度が低い場合においても高い同化作用活性を示し、活性が延長していることを示す。

【発明の詳細な説明】
生物学的活性が増加したキメラ脂肪体プロGRF類似体 発明の背景 (a)発明の属する技術分野 本発明は、生物学的活性が増加しそして活性が延長したキメラ脂肪体ブロGRF類似体、それらの同化作用性(anabolic)薬剤としての応用、そして成長ホルモン欠損症の治療に関する。
(b)従来の技術の記述 脳下垂体から分泌される成長ホルモン(GH)あるいはソマトトロピンは、生物学的活性が若齢の生物の直線的成長に重要であるが、成熟した状態においても本来の姿(integrity)を維持するために重要である、ホルモンのファミリーを構成する。GHは末梢器官に対して成長因子(インスリン様成長因子−1あるいはIGF−1)、あるいはその受容体(上皮増殖因子あるいはEGF)の合成を刺激することにより、直接的にあるいは間接的に作用する。GHの直接的な作用は、抗インスリン性と呼ばれるタイプのものであり、その作用は脂肪組織のレベルでの脂肪融解に有利である。IGF−1(ソマトメジンc)の合成および分泌に対するその作用を介して、GHは軟骨および骨の成長(構造的成長)を刺激し、筋肉および皮膚を含む複数の末梢器官においてタンパク質合成および細胞増殖を刺激する。その生物学的活性を介して、GHは成人においてタンパク質同化作用状態を維持する際に関与し、そして傷害の後の組織再生現象において主要な働きをする。
加齢とともに起こるGH分泌の減少は、ヒト、および動物で示されており、生物の加齢を開始するあるいは加齢に関与する同化作用から異化作用へのシフトを引き起こしやすい。筋肉量の減少、脂肪組織の蓄積、骨の脱イオン化、加齢とともに見られる傷害後の組織再生能力の減少がGHの分泌の減少と相関している。
このようにGHは子供の直線的な成長のために絶対的に必要な、そして成人においてタンパク質の代謝を調節するための生理学的同化作用性薬剤である。
脳下垂体からのGHの分泌は、2種の視床下部性のペプチドであるソマトスタチンおよび成長ホルモン放出ホルモン(GRF)が主に調節している。ソマトスタチンはGHの分泌を阻害し、一方でGRFは促進する。
ヒトGHは、遺伝子工学により約10年間製造されてきた。最近までGHの使用法のほとんどは、子供の成長遅延に関するものであったが、現在では成人に対するGHの使用について研究されている。GHおよびGRFの薬理学的使用は以下の3種の主要なカテゴリーに分類することができる。
子供の成長 組換えヒト成長ホルモンでの治療は、下垂体性小人症、腎臓機能不全症、ターナー症候群そしてこびと症の子供において成長を刺激することが示された。組換えヒトGHは現在ではヨーロッパおよびアメリカ合衆国で、GH欠損症により引き起こされる子供の成長遅延のために、そして子供の腎臓機能不全症のために、“みなしご薬物”として販売されている。その他の使用に関しては、臨床的な試験研究が行われている。
成人および初老の患者に対する長期的治療 GHの分泌の減少により、加齢の際の体構造における変化が起こる。組換えヒトGHで1年間治療する予備的研究で、筋肉量の増加そして皮膚の厚さの増加、高齢の患者集団における骨密度の若干の増加を伴う脂肪量の減少が報告された。骨粗鬆症に関しては、最近の研究は組換えヒトGHが骨のイオン化を増加しないことを示唆し、閉経後の女性において骨の脱イオン化を阻害しうることを示唆する。さらにこの理論を示すための研究が現在進行中である。
成人および初老の患者に対する短期的治療 前臨床的研究および臨床的研究において、成長ホルモンは、タンパク質の同化作用や火傷の治癒、エイズや癌の治癒、けがの癒合および骨の癒合を刺激することが知られてきた。
GHおよびGRFについては、獣医薬理学的な使用についても企図している。GHおよびGRFの両方とも、脂肪組織の代わりに筋肉組織が蓄積しやすいことにより肥育期の間のブタの成長を刺激し、ウシにおいては乳の産生を増加し、そして動物の健康を危険にさらし得るような望ましくない副作用はいかなるものもなく、そして産生する肉あるいは乳にいかなる残存も見られない。ウシソマトトロピン(BST)は現在ではアメリカ合衆国において販売されている。
現在行われている臨床的研究のほとんどは、組換えGHで行っている。GRFは、ほとんどの事例において近い将来GHの使用に変わる運命にある第二世代の産物であると考えられている。これにより、GHそれ自体の使用を越えるの多数の利点がGRFの使用には存在する。
生理学的利点 成長ホルモン(GH)は、脳下垂体からパルス状に分泌され、この分泌のリズムは最適の生物学的作用のために不可欠なものである。分泌の本来の形式に対応したGHの投与を成功させることは困難である。GRFを遅速放出調製物として、あるいは点滴として持続的様式により投与した場合、GHの分泌が増加しその間そのパルス性は保たれる。
現在販売されている組換えGHは、22kDaの形であるが、一方でGRFは脳下垂体からより幅広い生物学的作用に関わるあらゆる化学的異性体の合成および分泌を誘導する。
GHによる治療により、結果として脳下垂体の内在性成長ホルモンの分泌の能力は減少し、そしてGRFに対するGHの反応は、このような治療の後微弱になる。一方、GRFによる治療ではこの欠点は存在せず、脳下垂体に対するその亢進作用は、通常の動物においてそして成長ホルモン細胞機能不全を伴う患者において脳下垂体の分泌能力を増加する。
経済的利点 遺伝子工学によるGHの産生は、臨床的に使用するためには非常に高価なものである。特に、使用した細菌株からの物質によるこれら商業的調製物のコンタミネーションについての危険性がある。これら細菌性のコンタミネーション物質は、患者において発熱性物質となり、そして結果として免疫誘起反応を起こしうる。組換え産物の精製は、以下に示す多数の連続的なクロマトグラフィー工程をにより効果的なものとなる。徹底的な純度の基準を設ければ、複数回の品質管理工程を行うことになる。
GRFの合成は、化学的な性格によるものである。その合成は固層中で効果的であり、そしてその精製は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して一回工程で行う。同様に結果として同一の生物学的作用を得るために投与すべきGRFの量はGHの量と比較してずっと少ない。
これらすべての利点にも関わらず、化学的に不安定であることを主要な理由として、GRFは未だに療法薬剤としては現在までのところ商業的になっていない。ヒトGRFは、以下の配列である44アミノ酸のペプチドである。


最小活性コア部分は、hGRF(1−29)NH2である。


多くのペプチドに関して、hGRF(1−29)NH2は血清中で急速に分解し、そしてその代謝物には残存する生物学的活性はない。酵素の作用、すなわちジペプチジルアミノペプチダーゼIV型の作用は、血液中で結果としてGRFのAla2−Asp3のペプチド結合を加水分解することがよく知られている。この加水分解は、文献で報告されている多くの研究の主題であった多数のネガティブな結果を引き起こしている。本質的にはこの加水分解により、生物学的活性が1/1000以下に減少する、特異的な活性を持つ切断したペプチドを形成することを誘導する。
子供および成人での臨床的研究から、天然のhGRF(1−44)NH2あるいは活性のあるhGRF(1−29)NH2断片は、組換えGHの活性に相当する効果を引き起こすほど活性はない。
多くのGRF類似体が記述されたが、しかしそれらはすべて異なるアミノ酸配列を有するかあるいは合成アミノ酸(D体)を含む改変GRFであるという欠点が存在する。これらGRF類似体は、潜在的には免疫原性を有し、そしてそれらをヒトに投与することにより免疫傷害性の問題や潜在的な副作用を引き起こすことができる。
ペプチド配列のC末端に疎水性の基、たとえば−NEt2で結合をすることにより、結果として特異的な活性を顕著に増加することができることはよく知られている。疎水性という用語においては、これらの結果はたとえば疎水基として小ペプチド類似体を合成する際に使用するラウロイル基の無効用を力説するMuranichi(S.Muranichi et al.,1991,Pharm.Res.,8:649−652)の研究など、最近の研究により否定される。このように、先行技術の否定的な研究からは、疎水性残基を使用することにより効果的なGRF類似体を見いだすという問題を処理することができない。
Gaudreauら(P.Gaudreau et al.,1992,J.Med.Chem.,35(10),:1864−1869)は、ラット脳下垂体受容体に対するアセチル−GRF(1−29)NH2、6−アミノヘキサノイル−GRF(1−29)NH2、そして8−アミノオクタノイル−GRF(1−29)NH2の親和性を記述している。この報告において、試験した脂肪酸−GRF組成物のどれも、hGRF(1−29)NH2それ自体よりも高い親和性を示さず、そして筆者らは“・・・hGRF(1−29)NH2のN末端の疎水性特性を増加するための改変は、受容体親和性を増加するためには適切なアプローチを構成しない。”と結論づけた。
Coyら(D.H.Coy et al.,1987,J.Med.Chem.,30:219−222)は、ラットモデルにおける、より特定的にはペントバルビタールナトリウムにより麻酔をしたラットにおける生物学的活性の増加を伴うアセチル−GRFペプチドについて記述している。培養ラット脳下垂体細胞によるin vitroでのGhの反応を同様に解析した。しかしながら、これらの著者らは、GRFのN末端領域に追加した2よりも長い炭素鎖(アセチル)を持つ脂肪酸−GRF類似体を合成しそして試験することはなかった。
今までに、記述されたGRF類似体のほとんどは、(Gaudreauらの類似体やCoyらの類似体を含め)ラットのモデルでin vitroかin vivoのどちらかで試験されてきた。ヒトとラットのGRF(1−29)NH2ははっきりと異なっているため、GRFの構造−活性関係は両方の種において異なる。そのため、ラットで得られた結果をヒトに対して外挿することはできない。
それゆえ、同化作用活性を増進し、そして活性が延長するようなGRF類似体を設計することが必要である。この活性の増加は、血清分解に対する抵抗性からおよび/または高アゴニストの特徴から結果として得られる。
ヒトおよび動物に持続的に注射する場合に免疫反応を阻害するために、同化作用活性を増加し、一方で生物分解性を残し、そして天然のGRFと構造的に近似するGRF類似体を提供することが非常に望ましい。
発明の概要 本発明の一つの目的は、生物分解性を有し、そして非免疫原性の新規のプロGRF類似体であって、生物学的活性が増加し活性が延長したものを提供することである。
本発明の別の目的は、ヒトおよび動物に持続的に投与したときにたとえばインスリン様成長因子−I(IGF−1)の濃度を実質的には上昇することができる、同化作用活性が増加しおよび活性が延長した、プロGRF類似体を提供することである。
本発明の別の目的は、さらなる生物学的な活性と、延長された活性をいずれかのプロGRF類似体に付与する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、同化作用の活性が増加しそして活性が延長した活性化プロGRF類似体を精製する方法を提供することである。
本発明は、キメラ脂肪体−GRF類似体を調製することに関する。これらのキメラ類似体は、疎水性部分(末端)を含み、1またはいくつかの疎水性末端をGRFに結合することによるかあるいは1またはいくつかのアミノ酸をシュードミセル残基により置換することによるかどちらかにより、プロGRFの化学合成において調製することができる。本発明によるプロGRF類似体は、以下において特徴づけられる: a)これらの類似体は亢進した生物学的活性を有している;特にそれらはヒトに非常に関連する動物モデルにおいて投与した場合に、GHおよびIGF−1の血中濃度を顕著に増加することができる。この特徴は、結果として患者に投与する活性亢進組成物の濃度を減少させることができるという点で特に有利であり、その結果治療効率を増進し、そして治療コストを減少することができる。
b)天然のアミノ酸および疎水性の代謝可能基質の両方を(たとえば脂肪酸など)、プロGRF類似体の化学合成のために使用する。完全に代謝可能な天然の基質のこのような使用は、潜在的な第二の効果、すなわち複数回の投与をする場合における効果を提供することを意図している。
c)それらの類似体は、限られた少ない濃度で高い生物学的活性を示す。
d)それらの類似体は、延長された長期間にわたって、高い生物学的活性を伴う活性を持ち続ける。
本発明による脂肪体の使用により、結果として先行技術の欠点すべてを克服するプロGRF類似体となる。本発明のプロGRF類似体は、生物分解性であり、非免疫原性であり、そして用量を減少しても同化作用活性が増加した状態を示し、そして活性が延長した状態である。さらに本発明は、GRFおよびその短縮されたまたは置換されたいずれかの類似体に関する。
予期しなかったことであるが、成長期ブタにおいて持続的に投与した場合に、N−ブチリルGRF(1−29)NH2あるいはN−オクタノイルGRF(1−29)NH2ではなくN−ヘキサノイルGRF(1−29)NH2が統計的に見てIGF−1の濃度を上昇させることを本発明の結果は示した。GRFのN末端領域にC4あるいはC8鎖の付加によりN−ヘキサノイル−GRF(C6−GRF)
と比較したときに生物学的活性の低い化合物しか得られなかったことを、本発明は示している。そのため、GRFの生物学的活性を増加するためにGRFに対して結合するための炭素鎖の最適な長さは、C5からC7であることが、本発明からわかる。GRFのN−アセチル化(C2鎖の付加)によりラットにおいて生物学的活性が増加することを示しそしてC2より長い炭素鎖を持つ化合物の活性を記載していないCoyらによる研究報告に基づいては、この結果は予期しなかった。
本発明の方法によれば、GRFあるいはその類似体のN末端部分あるいはC末端部分に1またはいくつかの疎水性末端を結合することによるか、あるいはGRFまたはその類似体の化学合成のいずれかの工程において1またはいくつかのシュードミセル残基を導入することによるかどちらかにより、これらの類似体を作成することができる。切断および精製の後、結果として得られた改変ペプチドは、非常に低い濃度で投与した場合に、高い生物学的な活性を有することが示される。
本発明によれば、生物学的活性が増加し、以下の一般式:A1−A2−Asp−Ala−Ile−Phe−Thr−A8−Ser−Tyr−Arg−Lys−Val−Leu−A15−Gln−Leu−A18−Ala−Arg−Lys−Leu−Leu−A24−Asp−Ile−A27−A28−Arg−A30を有する生物学的活性が増加したキメラ脂肪体−GRF類似体を提供し、 式中で、A2はValまたはAlaであり A15はAlaまたはGlyであり A24はGlnまたはHisであり A27はMet、IleまたはNleであり A28はSerまたはAspであり A30はいずれかのアミノアルキルカルボキシアミド−NH−(CH2n−CONH−であって、n=1から12までか、あるいは1から15残基のいずれかのアミノ酸配列であり、 A1はTyrまたはHisであり、A8はAsnまたはSerであり、そしてA18はSerまたはThrであり、その中でA1は以下の一般式Iの疎水性末端によるN−またはO−で結合されており:

式中で、Gはカルボニル、フォスフォニル、スルフリルあるいはスルフィニル基であってa=0または1であり、 Xは、酸素原子、イオウ原子、あるいはアミノ基(−NH−)であって、b=0または1であり、 R1、R2およびR3基は、同一あるいは別個のものであり、そしてヒドロキシル基、水素原子、そして低級直鎖アルキル基あるいは分岐アルキル基から選択され、 −(W=Y)−および−(W'=Y')−は、R5およびR6がHまたはC1−C4アルキルであるシスまたはトランスの二重結合−(CH=CR5)−および−(CH=CR6)−であって、dおよびf=0または1であり、 R4はヒドロキシル基、水素原子またはC5−C9アルキルであり、そして Zは酸素原子またはイオウ原子であって、h=0または1であり、 a、b、c、d、e、f、gおよびhは、同一または別個のものであり、そしてR4が水素であるときそれらはすべてが0ということはなく、a、b、c、d、e、f、gおよびhの和は、式Iの疎水性末端が5から8原子の(C、Oおよび/またはS)直鎖状の主鎖を有する様になる。
本発明の好ましいキメラ脂肪体プロGRF類似体は、以下の群から選択される: a)式中でA1は、式Iの疎水性末端により結合されたTyrまたはN−α位で結合されたHisであり、その中でaおよびbの両方が1であり、d、fおよびhのそれぞれは0であり、Gはカルボニルであり、Xは酸素原子であり、R1、R2、R3、R4は水素原子であり、そしてc+e+gの和が3、4、5または6である。
b)式中でA1は、式Iの疎水性末端により結合されたTyrまたはN−α位で結合されたHisであり、その中でaが1であり、b、d、fおよびhのそれぞれは0であり、Gはカルボニルであり、R1、R2、R3およびR4はヒドロキシル基であり、そしてc+e+gの和が4、5、6または7である。
c)式中でA1は、式Iの疎水性末端により結合されたTyrまたはN−α位で結合されたHisであり、その中でaが1であり、bおよびhのそれぞれは0であり、d+fの和が1であり、Gはカルボニルであり、R1、R2、R3およびR4は水素原子であり、そしてc+e+gの和が2、3、4または5である。
d)式中でA1は、式Iの疎水性末端により結合されたTyrまたはN−α位で結合されたHisであり、その中でaが1であり、bおよびhのそれぞれは0であり、d+fの和が2であり、Gはカルボニルであり、R1、R2、R3およびR4は水素原子であり、そしてc+e+gの和が0、1、2または3である。
そして e)式中でA1は、式Iの疎水性末端により結合されたTyrまたはN−α位で結合されたHisであり、その中でaが1であり、b、h、dおよびfのそれぞれは0であり、Gはカルボニルであり、R1、R2、R3およびR4は水素原子であり、そしてc+e+gの和が4、5、6または7である。
本発明の目的において、“疎水性末端”あるいは“Ht”という用語は、脂肪酸、脂肪アミン、脂肪アルコール、コレステロール誘導体などのいずれかの機能化された脂肪体を意味することを意図している。“シュードミセル残基”あるいは“Pr”という用語は、残基がスウィッターイオニック型(switterionic form)のミセル構造を形成しまたは取り入れうる様に設計された、側鎖を有するいずれかのαアミノ酸を意味することを意図している。
本発明により、活性成分として本発明のGRF類似体を、薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤と組み合わせて、成長ホルモンの放出を誘導するための薬学的処方を提供する。
本発明により、患者に対して効果的な量の本発明のGRF類似体を投与することを含む、前記患者における成長ホルモン濃度を増加する方法を提供する。
本発明により、患者に対して本発明のGRF類似体を投与し成長ホルモンの反応を測定することを含む、前記患者における成長ホルモン欠損症の診断のための方法を提供する。
本発明により、患者に対して効果的な量の本発明のGRF類似体を投与することを含む、前記患者における脳下垂体萎縮症または成長遅延の治療方法を提供する。
本発明により、患者に対して効果的な量の本発明のGRF類似体を投与することを含む、前記患者における傷害の癒合または骨の癒合についての治療方法を提供する。
本発明により、患者に対して効果的な量の本発明のGRF類似体を投与することを含む、前記患者における骨粗鬆症の治療方法を提供する。
本発明により、ヒトまたは動物に対して効果的な量の本発明のGRF類似体を投与することを含む、前記ヒトまたは動物におけるタンパク質同化作用(タンパク質節約効果を含む)を増進する方法を提供する。
本発明において、アミノ酸を、生化学命名法においてIUPAC−IUB委員会により推奨されている様にペプチド技術分野において一般的に受け入れられている慣習的な3文字省略表記により以下に示すように同定する。
アラニン Ala アルギニン Arg アスパラギン Asn アスパラギン酸 Asp システイン Cys グルタミン酸 Glu グリシン Gly ヒスチジン His ロイシン Leu リジン Lys メチオニン Met オルニチン Orn フェニルアラニン Phe プロリン Pro セリン Ser スレオニン Thr トリプトファン Trp チロシ Tyr D−チロシン tyr バリン Val “天然アミノ酸”という用語は、天然において生じ、または天然に生じるペプチドにおいてアミノ酸残基として取り込まれるアミノ酸を意味する。さらに省略形Nleは、ノルロイシンを意味することを意図している。
使用するその他の省略形は、TFA トリフルオロ酢酸HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾールDIC ジイソプロピルカルボジイミドDMF ジメチルフォルムアミドPip ピペリジンDMAP 4−ジメチルアミノピリジンBoc t−ブチルオキシカルボニルFmoc フルオレニルメチルオキシカルボニルBOP ベンゾトリアゾ−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロフォスフェートMe メチルHF フッ化水素酸NEt3トリエチルアミン、そしてTEAP トリエチルアンモニウムリン酸(緩衝液)
本明細書中で記述するすべてのペプチド配列は、一般的に受け入れられている慣習に従って記載し、その際N末端アミノ酸は左に、C末端アミノ酸は右に記載する。
図面の簡単な説明 図1は、皮下に注射したhGRF(1−29)NH2類似体のブタ血清IGF−1に対する効果についてのグラフである。
図2は、静脈注射をした4μg/kgのhGRF(1−29)NH2および4μg/kgの(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2(TT−01024)+類似体のブタ血清GHに対する効果の曲線である。
図3は、様々な濃度のhGRF(1−29)NH2対[ヘキセノイルトランス−3]0hGRF(1−29)NH2(TT−01024)の、I.V.投与後300分を通じてのGHの曲線下領域に対する効果を示すグラフである。(基礎的期間である−60分から0分までとの比較をした場合、**P<0.01および***P<0.001)
図4は、5μg/kgのhGRF(1−29)NH2および5μg/kgの(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2類似体のブタ血清GHに対する効果の曲線である。
図5は、様々な濃度のhGRF(1−29)NH2対[ヘキセノイルトランス−3]0hGRF(1−29)NH2(TT−01024)の、S.C.投与後420分を通じてのGHの曲線下領域に対する効果を示すグラフである。(基礎的期間である−60分から0分までとの比較をした場合、**P<0.01および***P<0.001)
発明の詳細な説明 本発明は、高活性であるが生物分解性であり非免疫原性であるキメラ脂肪体プロGRF類似体の新規なファミリーを生成するための、脂肪体、すなわちシュードミセル残基および/または疎水性末端を使用することに関する。
本発明により、脂肪体プロGRF類似体を: GRFまたはその類似体の一つのC末端および/またはN末端部分において、1またはいくつかの疎水性末端で結合することにより、または GRFまたはその類似体の一つを化学的に合成する際に、1またはいくつかのシュードミセルαアミノ酸誘導体(“シュードミセル残基”)を取り込むことにより、 化学的に合成することができる。
本発明により、GRFおよびその類似体を合成する際に架橋として使用するシュードミセル残基(Pr)の構造は、以下のように表すことができる:

式中、Wは−CO23、−PO33および−SO33からなる群から選択される基であり、 Q3は、水素原子、アンモニウムイオン、メンデレーエフの周期表の1A群の要素を含む群から選択される要素、あるいは以下の脂肪体、すなわちペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、またはそれらの飽和型から由来する機能的な基であり、 Q1は、アルケニル、アラルキル、アリールおよびアルキル(Cn12n1+1)(ここでn1は1から8までの数である)からなる群から選択される基である。Q1は、発明の範囲を限定するのではなく発明を説明するために提供する以下のリストから選択することができる:

式中、P1からP9は水素原子;メチル基;主要な脂肪族鎖、脂環式鎖または芳香族鎖を伴う機能的な疎水性末端を表し、以下のリスト、すなわち一般式(Cm2m2)で表される飽和脂肪酸であって、mが4から12までの数である直鎖あるいは分岐鎖;あるいはGross & Meienhofer(1981,The Peptides,vol.3,Academic Press:1−341)により記述されている、側鎖保護基、たとえばP1がベンジル基、ブロモ−2ベンジル、ジクロロ−2,6−ベンジルまたはt−ブチルであり、P2がベンジル基またはt−ブチルであり、P3がベンジル基、t−ブチル、トリチル、アセトアミドメチルあるいはベンズアミドメチルであり、P4がトリフルオロアセチル、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Z)あるいはフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)であり、P5はニトロ基、p−メトキシベンゼンスルホニル、メシチレンスルホニルあるいはペンタメチルクロマン(pentamethylcromane)であり、P6が水素という条件付きでP5およびP6がアダマンチルオキシカルボニルであり、P7がフェナシル基、ベンジルオキシメチルあるいはt−ブトキシメチルであり、P8がベンズヒドリル基、ジメトキシベンズヒドリル、トリチルあるいはキサンテニルでありうる、 nは0から6までの整数であり、 Yは以下の一般式で表され: Y=−A−Pz 式中、Aは二価のヘテロ原子であり、好ましくは酸素、イオウ、−NH−基あるいは−N(Me)−基であり、 Pzは、zが1から4までの整数である、前に定義したP1からP4までと同一であり、そして Q2が水素原子である。Q1がHまたは低級アルキルである場合、Q2はアルキル、、アルコキシ、アルケニル、アラルキルあるいはアリール基のいずれでもよい。これらの条件において、Q1として上記に定義したものと化学的同一性を有する。
(Q1)および(Q2)が結合している炭素原子は、L体またはD体である。
それらは不斉であるが、しかし(Q1)=(Q2)あるいは(W)=(Y)である場合には不斉ではない。
結合が1またはそれ以上の疎水性末端(Ht)非シュードミセルで構成されている場合においては、前記末端の構造全体は以下の様に表すことができる: (Ht):R−XOfQ5 式中、Rは分岐鎖または直鎖のアルキル基、アルケニル基、アリール基あるいはアラルキル基であり、そして一般式Cm2m2で表される飽和脂肪酸を含む代謝可能な脂肪体の群から由来することができ、好ましくはmが4から6までの整数であり、1不飽和あるいは多不飽和の脂肪酸、脂肪アミンおよびアルコールであり、 Xはリン原子、炭素原子あるいはイオウ原子であり、 fは1から3までの整数であり、 Q5は水素原子、アンモニウムイオンあるいはアルカリ金属イオンを表し、fが1から2の整数である場合にはQ5は以下の機能、すなわちXおよびfは上記で定義した通りであるアミノ(−NH−)、アルコール(−OH)、チオ(−SH)、あるいは酸(−XOfH)のうち少なくとも1つを有するという条件下で上記Rと同様に定義することができる。
化学的結合反応をよりよく行うために、酸型のもとで機能化された疎水性末端あるいはシュードミセル残基を使用することが好ましい。これらの条件下においては、結合反応は好ましくは固層中で(Merrifield R.B.,1963,J.Am.Chem.Soc.,85:2149;1964,J.Am.Chem.Soc.,86:304)、たとえば先行技術において既知の、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェート(B.Castro et al.,1975,Tetrahedron letters,Vol.14:1219)などの完全に活性な試薬を使用することにより行われる。
結合するべきシュードミセル残基は一般的にはマロン酸塩(malonic salt)、好ましくはジエチルアセトアミドメチルマロン酸のナトリウム塩と、アルキルハロゲン化物、アルケニルハロゲン化物、アリールハロゲン化物あるいはアラルキルハロゲン化物とを、たとえばジメチルフォルムアミドなどの極性溶媒中で、直接作用することにより調製する。この反応は通常は、続いて酸またはアルカリ加水分解を行い、そして結果として得られたラセミ混合物を分解(好ましくは酵素的に)する。
特定の条件においては、シュードミセル残基の調製物は、以下より構成される: a)第一の工程;すなわち、リジン、グルタミン酸あるいはアスパラギン酸などの機能化された側鎖を有するアミノ酸を直交する様式で保護すること、そしてサスリン型(sasrin type)の固体支持体上に接着すること(M.
Mergler et al.,1988,Peptides,Chemistry and Biology,Proceedings of the American peptide symposium,St.Louis,p.
259,G.R.Marshall,Ed.,Escom,leiden)、 b)第二の工程;すなわち、側鎖を特異的に脱保護すること、そして上述したように代謝可能な疎水性末端(Ht)を自由部位に結合すること。シュードミセル残基(Pr)は支持体−残基結合の切断(TFA/CH2Cl2)の後、精製工程を行うことにより得られる。
三機能性の遊離アミノ酸のαにおいて機能する酸とアミンを選択的に配合することにより、たとえば酢酸銅などの鉱物性起源を持つ薬剤を配合することにより、シュードミセル残基を調整することができる。これらの条件において、形成された複合体および前記末端をそのアシルハロゲン化物中であるいはその酸型またはアミン型中で直接作用することにより、凝縮薬剤の存在下で、代謝可能な疎水性末端の結合を行う。
結合をすべき疎水性末端が脂肪酸を含む場合には、結合をするという観点での活性化がin situで起こりうる。使用した合成ストラテジーにより、伝統的な脱保護条件下において、結合する直前にペプチド結合部位を遊離する(Gross & Meienhofer,1981,The Peptides,vol.3,Academic Press:1−341)。ついで疎水性末端(Ht)あるいはシュードミセル残基(Pr)は、有機溶媒、たとえばエーテル(テトラヒドロフラン)、脂肪族ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン)、ニトリル(アセトニトリル)あるいはアミド(ジメチルフォルムアミド)中で、結合試薬で濃縮する。
結合の動力学の観点では、好ましい反応温度は20から60℃である。使用した疎水性末端の疎水性が高ければ高いほど、結合反応時間は温度とは反比例して変化するがしかし0.1から24時間までの間でのみ変化する。
例示することができる実施例として、以下に記述するトリアシルリジン合成について疎水性脂肪酸末端の結合原理の全体を、概略的に説明する。


一般的なGRF類似体の合成工程は9050TMとペプチド合成機(Millipore Corporation,Milford,MA)上で、FmocストラテジーとMilliporeにより供給された合成回路を使用して、固層方法により行った。Fmocアミノ酸は、Bachem Californiaおよびその他の商業的供給源から購入した。カップリング方法としてBOP/HOBtを使用する連続的Fmoc化学は、はじめにFmoc−Pal−PEG樹脂(Millipore、カタログ番号:GEN 913383)にC末端カルボキシアミドを産生するために適用する。Fmocの脱保護反応は、DMF中20%のピペリジン溶液中で行った。合成が終了した後、樹脂をDMFとエーテルでよく洗浄し、乾燥させる。最終的な側鎖保護基およびペプチド−樹脂結合の切断は、Milliporeが供給している以下の混合物、すなわちTFA、水、フェノール、トリイソプロピルシラン(88:5:5:2)を含む手順を使用して行った。ついでペプチドを沈殿し、エーテルで洗浄し、乾燥する。逆相HPLC精製(バッファーA:TEAP2.5;バッファーB:A中で80%のCH3CN、ウォーターペップ4000、吸光度214nm、検出器モデル486、流速50ml/分、一般的な105分かけてBを25%から60%にする直線的密度勾配を使用する)に続き、脱塩工程(バッファーC:水中0.1%TFA、バッファーD:CH3CH/H2O(80:20)中で0.1%TFA)を行うことで、HPLC(ミレニウム/光ダイオードの連続検出)により概算すると単一性が97%以上であり、回収率が10−30%であるペプチドを得ることができる。
本発明により、GRF類似体の産生についての前臨床的モデルとして価値のあるため、試験動物種としてブタを選択した。実際ヒトおよびブタのGRF(1−29)NH2は構造的に100%の相同性を有し、そして生理学的なGH分泌のパターンも両種でほとんど同一である。
さらに、GRF類似体の活性は、その急性的なGH放出の活性よりもIGF−1の血中濃度を顕著に増加することができることにより測定した。実際、GHまたはGRFに誘導されたGHの同化作用活性および治癒効果がIGF−1の合成および分泌が増加することにより媒介されていることが知られている。そのため、GRFに誘導されたIGF−1の増加を測定することは、治療効率のもっともよい指標となる。
本発明は、発明の範囲を限定するのではなく発明を説明するために提供する以下の実施例を参照することにより、より容易に理解することができる。
実施例I [ブチリル0]、[オクタノイル0]−、[ヘキサノイル0]−、[ヘキサノイル30]、 [ヘキサノイル0,30]、HGRF(1−29)NH2および[ヘキサノイル0
HGRF(1−44)NH2対HGRF(1−29)NH2の反復投与の、 ブタ血清IGF−1濃度に対する効果 これらの実験の目的は、GRF類似体の同化作用性薬剤としての可能性を評価することである。GHの分泌あるいはGRFで誘導されたGHの分泌は、インスリン様成長因子I(IGF−1)の合成と分泌を増加することを介して、同化作用活性を発揮し、結果として循環血中IGF−1濃度を増加させることが知られている。GRF類似体処置に対する同化作用性反応の強度は、ブタにおいてIGF−1の濃度の上昇と比例していることが、以前に示された(Dubreuil P.et al.,1990,J.Anim.Sci.,68:1254−1268)。
それゆえ、脂肪酸プロGRF類似体の同化作用活性を研究するためには、ブタにおいて反復皮下投与により引き起こされるIGF−1濃度を増加させる能力を評価した。
実験1 26頭のランドレース種×ヨークシャー種の去勢オスブタ(体重40−45kg)を、4実験群にランダムに分けた: 1−hGRF(1−29)NH2(20μg/kg、n=7)
2−[オクタノイル0]hGRF(1−29)NH2(20μg/kg、n=6)
3−[ヘキサノイル0]hGRF(1−29)NH2(20μg/kg、n=6)
4−[ブチリル0]hGRF(1−29)NH2(20μg/kg、n=7)
それぞれの動物は、4日間連続してBIDを皮下に投与した(1日2回)。それぞれの日の朝のその日の最初の注射の前に、そしてその日の最後の注射の後に血液サンプルを採取し、IGF−1の測定に供した。
実験2 40頭のランドレース種×ヨークシャー種の去勢オスブタ(体重40−45kg)を、5実験群にランダムに分けた: 1−塩類溶液(n=8)
2−hGRF(1−29)NH2(40μg/kg、n=8)
3−[ヘキサノイル0]hGRF(1−29)NH2(10μg/kg、n=8)
4−[ヘキサノイル0]hGRF(1−29)NH2(20μg/kg、n=8)
5−[ヘキサノイル0]hGRF(1−29)NH2(40μg/kg、n=8)
それぞれの動物は、5日間連続してBIDを皮下に投与した(1日2回)。それぞれの日の朝のその日の最初の注射の前に、そしてその日の最後の注射の後に血液サンプルを採取し、IGF−1の測定に供した。
実験3 48頭のランドレース種×ヨークシャー種の去勢オスブタ(体重40−45kg)を、6実験群にランダムに分けた: 1−塩類溶液(n=8)
2−hGRF(1−44)NH2(30μg/kg、n=8)
3−[ヘキサノイル0]hGRF(1−44)NH2(30μg/kg、n=8)
4−[ヘキサノイル0]hGRF(1−29)NH2(20μg/kg、n=8)
5−[ヘキサノイル30]hGRF(1−29)NH2(20μg/kg、n=8)
6−[ヘキサノイル0,30]hGRF(1−29)NH2(20μg/kg、n=8)
選択した濃度は、hGRF(1−44)NH2類似体については30μg/kg、hGRF(1−29)NH2類似体については20μg/kgであり、それら濃度はモル数を基準とすると同一の濃度を示す。それぞれの動物は、5日間連続してBIDを皮下に投与した(1日2回)。それぞれの日の朝のその日の最初の注射の前に、そしてその日の最後の注射の後に血液サンプルを採取し、IGF−1の測定に供した。
IGF−I測定 ブタ血清中のIGF−1濃度は、以前に記載されているように(Abribat T.et al.,1993,J.Endocrinol.,39:583−589)ギ酸−アセトン抽出をした後、二抗体放射免疫アッセイを行うことで測定した。放射免疫アッセイの前に行う抽出は、内在性IGF−1結合タンパク質を除去するための必要な工程である。
統計的解析 どちらの実験においても、IGF−1のデータは変動の源として日数と処置(GRF類似体)を用いて、分散の二方向反復測定解析(two way repeated measure analysis)により解析した。複数比較法(multiple comparison procedures)を行った(スチューデント−ニューマンケウルス法(Student−Newman Keuls method))。P<0.05を統計的に有意として判断した。
結果 実験1 日数の顕著な効果(P=0.0004)および顕著な処置×日数相互作用(P=0.011)の両方とも存在し、これよりIGF−1濃度の増加は、試験した類似体に依存していることを示している(表1)。IGF−1の測定のための血液サンプルは、化合物をその日に最初に注射する前に毎日採取する。データは一群あたり6から7の値の平均±SEMとして示している。


複数の比較から、[ヘキサノイル0]hGRF(1−29)NH2がIGF−1濃度の上昇を誘起していることが示され、それは第4日目(29%、P<0.05)および第5日目(38%、P<0.05)で顕著であった。ヒトGRF(1−29)NH2は試験した濃度ではIGF−1濃度に対して効果を示さなかった。
実験2 日数の顕著な効果(P<0.0001)および顕著な処置×日数相互作用(P<0.0001)の両方とも存在し、これよりIGF−1濃度の増加は、試験した類似体に依存していることを示している(表2)。IGF−1の測定のための血液サンプルは、その日の最初の注射の前に毎日採取する。データは一群あたり8の値の平均±SEMとして示している。


複数の比較から、[ヘキサノイル0]hGRF(1−29)NH2の試験したすべての濃度でIGF−1濃度が上昇することが示された。10μg/kgの時には、IGF−1濃度は第5日目および第6日目(16から21%、P<0.05)で顕著に増加した。20μg/kgの時には、IGF−1濃度は第3、4、5、および第6日目(20から22%、P<0.05)で顕著に増加した。40μg/kgの時には、IGF−1濃度は第3、4、5、および第6日目(27から48%、P<0.05)で顕著に増加した。IGF−1濃度は塩類溶液で処置したブタ、およびhGRF(1−29)NH2で処置したブタにおいて一定のままであった。
最後に、第1日目から第6日目までのIGF−1濃度の増加は、[ヘキサノイル0]hGRF(1−29)NH2(△IGF−1=11.9+(2.77*濃度);r=0.68、P<0.0001)の濃度に依存していた。
実験3 日数の顕著な効果(P<0.0001)および顕著な処置×日数相互作用(P<0.0001)の両方とも存在し、これよりIGF−1濃度の増加は、試験した類似体に依存していることを示している(表3)。複数の比較から、ヘキサノイルの機能を有するGRFのN末端領域が分岐している類似体の活性が高いことが示された: [ヘキサノイル0]hGRF(1−29)NH2は、第5日目および第6日目に(28%および31%、P<0.05)IGF−1濃度が顕著に増加した。
[ヘキサノイル0,30]hGRF(1−29)NH2は、第4、5および第6日目に(32%、35%および43%、P<0.05)IGF−1濃度が顕著に増加した。
[ヘキサノイル0]hGRF(1−44)NH2は、第3、4、5および第6日目に(41%、54%、50%および61%、P<0.05)IGF−1濃度が顕著に増加した。
先にhGRF(1−29)NH2について示したように(実験1および実験2)、完全長のhGRF(1−44)NH2はIGF−1濃度に対してわずかしかまたは全く効果を示さなかった(第6日目には維持できなかった第5日目の顕著な効果を除く)。最後に、hGRF(1−29)NH2のC末端領域にヘキサノイル機能を結合することにより、hGRF(1−29)NH2と比較したときに活性が増加した類似体(第6日目でIGF−1濃度が21%増加した、P<0.05)を回収したが、[ヘキサノイル0]hGRF(1−29)NH2よりは活性が低かった。
ヒトGRF(1−29)NH2およびhGRF(1−44)NH2は、等モル濃度にするために、それぞれ20μg/kgおよび30μg/kgを注射した。
データは一群あたり8の値の平均±SEMとして示している。


結論 hGRF(1−29)NH2およびhGRF(1−44)NH2のどちらも、20から40μg/kgの範囲の濃度では、IGF−1濃度を修飾することができない。しかしながら、脂肪酸の結合により、GRFはより活性が高まり、そしてIGF−1分泌に対する活性が顕著に増加した類似体が得られた。脂肪酸の結合は、hGRF(1−29)NH2およびhGRF(1−44)NH2のどちらともの同化作用の活性を増進する効果があった。上記の結果から、使用する理想的な脂肪酸はヘキサン酸あるいは任意のC6脂肪誘導体であり、そして好ましくは最大限に活性の高い類似体を回収するためにGRFのN末端領域に結合すべきことが結論づけられた。
実施例II プロGRF類似体のブタIGF−1濃度に対する相対的効果 これは、単一の濃度のそれぞれの試験物質対塩類溶液を、5日間、1日2回皮下投与する処置である。この実験は、(アミノヘキサノイル)0hGRF(1−29)NH2、(ヘキシルフォルミエート(Hexylformiate))0hGRF(1−29)NH2、(ヘキセノイルトランス−2)0hGRF(1−29)NH2、(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2および(ムコノイル)0hGRF(1−29)NH2の効率を、(ヘキサノイル)0hGRF(1−29)NH2の効率と比較するために行われた。
試験した化合物すべては、GRF類似体の同一のファミリーに属している:それらは、分子の活性を増進するために設計された、天然のGRFおよび天然の脂肪酸との組み合わせである。
試験類似体の特定 TT−01015:(ヘキサノイル)0hGRF(1−29)NH2、塩類溶液中20μg/kg TT−01021:(アミノヘキサノイル)0hGRF(1−29)NH2、塩類溶液中20μg/kg TT−01022:(ヘキシルフォルミエート(Hexylformiate))0hGRF(1−29)NH2、塩類溶液中20μg/kg TT−01023:(ヘキセノイルトランス−2)0hGRF(1−29)NH2、塩類溶液中20μg/kg TT−01024:(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2、塩類溶液中20μg/kg TT−01025:(ムコノイル)0hGRF(1−29)NH2、塩類溶液中20μg/kg 試験物質の経路および頻度 投与:1日2回の皮下注射 試験系:ランドレース×ヨークシャーのブタ 動物の記載:購入時に体重が35kgの発育期去勢オスブタ56頭 食餌:商業的濃縮飼料(タンパク質含量18%)を、随意に給餌した。
実験計画:56頭のブタを、7実験群(1実験群あたりブタn=8)にランダムに分けた。それぞれの群は、1日2回以下の処置で皮下注射した(用量:3ml、皮下注射)。
群1:塩類溶液 2回/日 群2:TT−01015 20μg/kg2回/日 群3:TT−01021 20μg/kg2回/日 群4:TT−01022 20μg/kg2回/日 群5:TT−01023 20μg/kg2回/日 群6:TT−01024 20μg/kg2回/日 群7:TT−01025 20μg/kg2回/日 処置として第1日目から第5日目まで投与した。注射の直前にそれぞれの動物から血液サンプルを回収し、さらに第6日目にもう一度血液サンプルを採取した。
血液サンプルは凝固させ、血清を遠心分離で回収し、そしてIGF−1アッセイに供した。
結果は、第1日目(処置前濃度)から第6日目(5日間のGRFの投与後)
までのIGF−1濃度の上昇として定義される、D−IGF−1として図1に示した。試験した類似体すべての中で、ヘキサノイル−、ヘキシルフォルミエート−、ヘキセノイルトランス−2−、ヘキセノイルトランス−3−hGRF(1−29)NH2だけが6日間の実験期間を通じてIGF−1濃度を顕著に増加させ、一方でアミノヘキサノイル−およびムコノイル−hGRF(1−29)NH2は顕著には増加させなかった。hGRF(1−29)NH2は先のアッセイ(実施例1)と同一濃度、同一条件において、効果がないことを示したため、GRFのN末端領域にさらに様々なC6炭素鎖を付加することによりその生物活性を増加することが、これらの結果から示された。
実施例III (ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2対 hGRF(1−29)NH2の、ブタにおける血管内GH放出活性。
この実験は、プロGRF類似体である(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2による静脈内(I.V.)の急性GH放出活性をテストするために、ヒトに生理学的に近似したモデルにおいて、そしてhGRF(1−29)NH2の効果と比較することにより行われた。
(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2は、天然のhGRF(1−29)NH2および天然の脂肪酸と組合わさる。この研究は、複数の濃度で、1回の静脈内(I.V.)注射を行う研究であった。
試験類似体の特定 TT−01024:(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2、0.25μg/kg TT−01024:(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2、1μg/kg TT−01024:(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2、4μg/kg hGRF(1−29)NH2、0.25μg/kg hGRF(1−29)NH2、1μg/kg hGRF(1−29)NH2、4μg/kg 試験物質の経路および頻度 投与:静脈内の短時間注射 試験系:ランドレース×ヨークシャーのブタ 動物の記載:購入時に体重が35kgの発育期去勢オスブタ56頭 食餌:商業的濃縮飼料(タンパク質含量18%)を、随意に給餌した。
実験計画:56頭のブタ(4頭の予備のブタ)を、実験の前1週間以内にカニュレーション(カテーテルを頸静脈中に外科的に移植)した。第1日目と第7日目に、カニュレーションした動物は、7実験群(1実験群あたりブタn=4)
にランダムに分けた。
群1:塩類溶液 群2:TT−01024、 0.25μg/kg 群3:TT−01024、 1μg/kg 群4:TT−01024、 4μg/kg 群5:hGRF(1−29)NH2、 0.25μg/kg 群6:hGRF(1−29)NH2、 1μg/kg 群7:hGRF(1−29)NH2、 4μg/kg pGHアッセイのための血液サンプルはGRFの注射の1時間前から5時間後まで、20分ごとに採取し、さらに追加的に注射の10分後と30分後にも採取した(n=21サンプル)。血液サンプルは+4℃で凝固させた。血清は遠心分離により回収し、−20℃で保存しそしてpGHのアッセイに供した。
結果を図2および図3に示す。図2に示したように、hGRF(1−29)
NH2(4μg/kg)は、注射後およそ60分間継続する急速なGH放出を誘導した。対照的に、ヘキセノイルトランス−3−hGRF(1−29)NH2により同一の濃度でもっと長い時間、およそ260分間にわたってGH濃度が上昇した。さらに、最初の60分間のGH反応は穏やかであり、このことからこの類似体がプロGRFとして機能し、注射後数分間あるいは数時間のうちに血清中で切断されて天然のGRFに変化することが示唆される。様々な濃度のGRFおよびその類似体の、GHの曲線下領域(注射後0−300分)に対する効果を示した図3に示したように、hGRF(1−29)NH2は0.25あるいは1μg/kgの時には顕著な効果を示さなかったが、4μg/kgの時にはGHの分泌に対して顕著な効果を示した。一方、ヘキセノイルトランス−3−hGRF(1−29)NH2は試験した3濃度すべてにおいて顕著な反応を示した。まとめると、ヘキセノイルトランス−3−hGRF(1−29)NH2は、GH分泌に対して効果が増加したGRF類似体であることをこれらの結果は示しており、プロGRFとして機能することができ、血清中で酵素的分解から保護されていることを示唆している。
実施例IV (ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2対 hGRF(1−29)NH2の、ブタ皮下におけるGH放出活性。
この実験は、プロGRF類似体である(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2による皮下(S.C.)の急性GH放出活性をテストするために、ヒトに生理学的に近似したモデルにおいて、そしてhGRF(1−29)NH2の効果と比較することにより行われた。
試験類似体の特定 TT−01024:(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2、0.31μg/kg TT−01024:(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2、1.25μg/kg TT−01024:(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2、5μg/kg TT−01024:(ヘキセノイルトランス−3)0hGRF(1−29)NH2、20μg/kg hGRF(1−29)NH2、1.25μg/kg hGRF(1−29)NH2、5μg/kg hGRF(1−29)NH2、20μg/kg 試験物質の経路および頻度 投与:皮下の短時間注射 試験系:ランドレース×ヨークシャーのブタ 動物の記載:購入時に体重が35kgの発育期去勢オスブタ64頭 食餌:商業的濃縮飼料(タンパク質含量18%)を、随意に給餌した。
実験計画:36頭のブタ(4頭の予備のブタ)を、実験の前1週間以内にカニュレーション(カテーテルを頸静脈中に外科的に移植)した。第1日目と第7日目に、カニュレーションした動物は、8実験群(1実験群あたりブタn=4)
にランダムに分けた。
群1:塩類溶液 群2:TT−01024、 0.31μg/kg 群3:TT−01024、 1.25μg/kg 群4:TT−01024、 5μg/kg 群5:TT−01024、 20μg/kg 群6:hGRF(1−29)NH2、 1.25μg/kg 群7:hGRF(1−29)NH2、 5μg/kg 群8:hGRF(1−29)NH2、 20μg/kg pGHアッセイのための血液サンプルはGRFの注射の1時間前から7時間後まで、20分ごとに採取した(n=25サンプル)。血液サンプルは+4℃で凝固させた。血清は遠心分離により回収し、−20℃で保存しそしてpGHのアッセイに供した。
結果を図4および図5に示す。図4に示したように、hGRF(1−29)
NH2(5μg/kg)は、注射後の最初の60分間にGH放出を誘導した。一方、同一の濃度のヘキセノイルトランス−3−hGRF(1−29)NH2の注射により240分間持続したGH反応を誘導した。図5では、様々な濃度の試験したGRFの、実験時間を通じてのGHの曲線下領域(注射後0−420分)に対する効果を示した。この期間を通じて、hGRF(1−29)NH2はいずれかの試験した濃度においても顕著なGH反応を示さなかったが、一方、ヘキセノイルトランス−3−hGRF(1−29)NH2では5および20μg/kgの時にGH AUCの顕著な増加を示した。全体的に見ると、皮下に投与した場合でも、ヘキセノイルトランス−3−hGRF(1−29)NH2は、GH分泌に対して非常に効果的であることをこれらの結果は示唆している。
本発明はその特定の態様と組み合わせて記述されている一方、本発明はさらに改変することができることを理解すべきであり、そしてこの応用は発明の原理に従った発明のいずれかの変化、使用あるいは適用も一般的には含むことを意味し、本発明を含む技術分野内において既知のあるいは慣習的な実施において生ずるようなそしてこれまでに述べた、そして添付した請求の範囲に続く本質的な特徴に適用することができるような本発明の開示からの新しい方針などを含むものである。




【特許請求の範囲】
1. 下記の一般式を有する生物学的活性が増加したキメラ脂肪体−プロGRF類似体であって:A1−A2−Asp−Ala−Ile−Phe−Thr−A8−Ser−Tyr−Arg−Lys−Val−Leu−A15−Gln−Leu−A18−Ala−Arg−Lys−Leu−Leu−A24−Asp−Ile−A27−A28−Arg−A30 式中、A2はValまたはAlaであり A15はAlaまたはGlyであり A24はGlnまたはHisであり A27はMet、IleまたはNleであり A28はSerまたはAspであり A30は任意のアミノアルキルカルボキシアミド−NH−(CH2n−CONH−であって、n=1から12であるか、あるいはA30は1から15残基のいずれかのアミノ酸配列であり、 A1はTyrまたはHisであり;A8はAsnまたはSerであり、そしてA18はSerまたはThrであり、その中でA1は下記の一般式Iの疎水性末端によりN−またはO−で固定されており:

式中、Gはカルボニル、フォスフォニル、スルフリルあるいはスルフィニル基であってa=0または1であり、 Xは、酸素原子、イオウ原子、あるいはアミノ基(−NH−)であり、b=0または1であり、 基R1、R2およびR3は、同一あるいは別個のものであり、そしてヒドロキシル基、水素原子、および低級直鎖あるいは分岐アルキル基から選択され、 −(W=Y)−および−(W’=Y’)−は、R5およびR6がHまたはC1−C4アルキルであるシスまたはトランスの二重結合−(CH=CR5)−および−(CH=CR6)−であり、dおよびf=0または1であり、 R4はヒドロキシル基、水素原子またはC5−C9アルキルであり、そして Zは酸素原子またはイオウ原子であり、h=0または1であり、 ただしa、b、c、d、e、f、gおよびhは、同一または別個のものであり、そしてR4が水素であるときそれらはすべてが0ということはなく、a、b、c、d、e、f、gおよびhの和は、式Iの疎水性末端が5から8原子の(C、Oおよび/またはS)直鎖状の主鎖を有する、キメラ脂肪体−プロGRF類似体。
2. 式中、A1は、式Iの疎水性末端により結合されたTyrまたはN−α位で結合されたHisであり、その中でaおよびbの両方が1であり、d、fおよびhのそれぞれは0であり、Gはカルボニルであり、Xは酸素原子であり、R1、R2、R3、R4は水素原子であり、そしてc+e+gの和が3、4、5または6である、請求項1に記載のキメラ脂肪体−プロGRF類似体。
3. 式中、A1は、式Iの疎水性末端により結合されたTyrまたはN−α位で結合されたHisであり、その中でaが1であり、b、d、fおよびhのそれぞれは0であり、Gはカルボニルであり、R1、R2、R3およびR4はヒドロキシル基であり、そしてc+e+gの和が4、5、6または7である、請求項1に記載のキメラ脂肪体−プロGRF類似体。
4. 式中、A1は、式Iの疎水性末端により結合されたTyrまたはN−α位で結合されたHisであり、その中でaが1であり、bおよびhのそれぞれは0であり、d+fの和が1であり、Gはカルボニルであり、R1、R2、R3およびR4は水素原子であり、そしてc+e+gの和が2、3、4または5である、請求項1に記載のキメラ脂肪体−プロGRF類似体。
5. 式中、A1は、式Iの疎水性末端により結合されたTyrまたはN−α位で結合されたHisであり、その中でaが1であり、bおよびhのそれぞれは0であり、d+fの和が2であり、Gはカルボニルであり、R1、R2、R3およびR4は水素原子であり、そしてc+e+gの和が0、1、2または3である、請求項1に記載のキメラ脂肪体−プロGRF類似体。
6. 式中、A1は、式Iの疎水性末端により結合されたTyrまたはN−α位で結合されたHisであり、その中でaが1であり、b、h、dおよびfのそれぞれは0であり、Gはカルボニルであり、R1、R2、R3およびR4は水素原子であり、そしてc+e+gの和が4、5、6または7である、請求項1に記載のキメラ脂肪体−プロGRF類似体。
7. 活性成分として請求項1、2、3、4あるいは5に記載のGRF類似体を、薬学的に許容可能な担体、賦形剤あるいは希釈剤と組み合わせて含む、成長ホルモンの放出を誘導する薬学的処方剤。
8. 患者に対して効果的な量の請求項1、2、3、4あるいは5に記載のGRF類似体を投与することを含む、前記患者において成長ホルモンの濃度を増加する方法。
9. 患者に対して請求項1、2、3、4あるいは5に記載のGRF類似体を投与し、そして成長ホルモンの反応を測定することを含む、前記患者において成長ホルモン欠損症を診断する方法。
10. 患者に対して効果的な量の請求項1、2、3、4あるいは5に記載のGRF類似体を投与することを含む、前記患者において下垂体萎縮症あるいは成長遅滞を治療する方法。
11. 患者に対して効果的な量の請求項1、2、3、4あるいは5に記載のGRF類似体を投与することを含む、前記患者において傷害あるいは骨の癒合について治療する方法。
12. 患者に対して効果的な量の請求項1、2、3、4あるいは5に記載のGRF類似体を投与することを含む、前記患者において骨粗鬆症を治療する方法。
13. ヒトあるいは動物に対して効果的な量の請求項1、2、3、4あるいは5に記載のGRF類似体を投与することを含む、前記ヒトあるいは動物においてタンパク質の同化作用活性を増進する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表平11−505807
【公表日】平成11年(1999)5月25日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−535225
【出願日】平成8年(1996)5月22日
【国際出願番号】PCT/CA96/00327
【国際公開番号】WO96/37514
【国際公開日】平成8年(1996)11月28日
【出願人】
【氏名又は名称】セラテクノロジーズ・インコーポレーテッド