説明

生産計画システム

【課題】複数の経営指標の目標値を満足する生産計画を立案する。
【解決手段】複数の生産・資材調達・販売拠点において、複数の製品の生産量・調達量・輸送手段を算出するにあたって、制約となる条件を線形計画問題に定式化する際に、各種の経営指標の目標値とその乖離値を制約条件に組み込み、前記線形計画問題の実行可能解から計算した経営指標と目標値との乖離を最小にする実行可能な生産計画を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線形計画法を用いた生産計画の立案を支援する生産計画システムに関する。本明細書が指すところの生産計画とは、資材の調達から生産、販売拠点への輸送、販売までの企業活動に関わる計画を指す。
【背景技術】
【0002】
製造業では、販売拠点からの販売計画を基に、各生産拠点において、生産能力や資材調達期間・量の制約条件の中で、実行可能な資材調達量・生産量と輸送手段を計画している。近年、資材の調達拠点や生産拠点、販売拠点は、国内だけでなく海外へと拡大してきており、1種の製品に関して複数の調達拠点・生産拠点・販売拠点が選択できるようになってきた。例えば、製品Aにおいて、資材をアジアから調達して日本で生産する方法と、日本で調達して米国で生産する方法などである。
【0003】
このような生産形態を成す製品の生産計画を、線形計画法を用いて立案する方法がいくつか提案されている。例えば、非特許文献1に、生産能力・部品調達量を制約条件として、目的関数を製造時間、段取時間、最大納期遅れ、合計納期遅れ、販売利益最大、平均在庫最小、納期遵守、効率稼動といった経営指標を各々最小にする生産計画を立案する方法が紹介されている。各目的の優先順位は、重み付けにより設定する。
【非特許文献1】日経デジタルエンジニアリング(1998年12月)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
経営指標を目的関数にする場合、複数の経営指標が同時に「最小(最大)」になることは難しい。例えば、従来技術の経営指標「合計納期遅れ」を最小にすると、線形計画のメカニズムにより、品種に関係なく納期の早い順に生産計画を立案してしまい、段取時間が必ずしも最小にならない。これは、経営指標にトレードオフ関係(負の相関)があるためである。トレードオフ関係にある指標は、同時に最小(最大)化するのではなく、双方の指標が意思決定者である生産計画担当者にとって望ましい値になればよい。望ましい値とは、生産計画担当者が目標としている「値」、例えば「在庫は10万円にしたい」といったようなあらかじめ与えることが可能な数値、もしくは「在庫は20万円以下にしたい」といった値の範囲である。従来技術では、経営指標をその目標値(もしくは範囲)に近づけるために変更可能なパラメータは重みだけなので、目標値に近づけるために、重みの数値をいくつに設定するかを経験的に知っていなければならない。経験的に知るためには、重みを調整しながら線形計画問題を解き、経営指標の値を確認する作業を繰り返す必要があるため、生産計画の立案に時間を要することがある。
【0005】
生産計画の立案が遅れると、資材調達や生産準備の着手、販売拠点に製品を供給する時期が遅くなり、製品を競合他社よりも早く顧客に納入することができない。
【0006】
本発明は上記のような問題を解決するためになされたもので、制約となる条件を線形計画問題に定式化する際に、各種の経営指標に対し、最低限達成したい値もしくはその範囲を考慮した生産計画を立案することを支援する生産計画システムを提供することを目的としている。
【0007】
本発明の他の目的は、生産計画を評価する経営指標に関し、在庫、利益、売上、原価、稼働率、販売拠点からの要求量充足率の他に、生産活動が生み出すキャッシュ、生産活動がキャッシュを生み出す効率を加え、前記経営指標の少なくとも1つ以上の組合せで制約条件を作成し、生産計画を立案することを支援する生産計画システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の生産計画システムは、資材の調達、製品の生産、販売拠点への製品の輸送、および製品の販売を含む企業活動において、資材調達計画、製品・半製品の生産計画、販売計画、輸送計画、および能力計画の中の少なくとも1つの計画をコンピュータにより作成する業務を支援するシステムであって、前記企業活動における部品・中間製品・製品の各在庫、入出庫の流れをモデル化して、そのモデルに基づいて作成された各種制約条件、各種経営指標の制約条件式:{実際の値(変数)=目標値(変数)+目標値との正の乖離(変数)−目標値との負の乖離(変数)}を記憶する記憶部と、ユーザが生産計画を立案するに際して、各種定数のデータとともに、考慮すべき前記制約条件および前記経営指標を選択した情報、並びに選択した経営指標の目標値、を受付ける入力部と、ユーザにより選択された経営指標の制約条件式を前記記憶部より読み出して、前記入力した目標値を前記読み出した制約条件式へ組み込み、各経営指標に対応する重み付け係数、および前記目標値に対して実際値がそれ以上、それ以下、若しくは一致するように最適化する選択を指示するフラグをユーザからの入力を前記入力部を介して受付け、 前記受付けた重み付け係数、およびフラグを前記正または負の乖離値を格納する各変数に乗じて、各乖離値の総和を最小化する目的関数を作成して、線形計画問題を解く演算処理部と、前記線形計画問題の解より、各経営指標の実際値を前記演算処理部が算出して、各経営指標の実際値を表形式、レーダーチャート形式、又は棒グラフ形式で比較して表示する表示部と、を備え、前記入力部は、ユーザが変更を希望する経営指標の選択、および/または経営指標の目標値の入力を受付け、前記演算処理部は、前記変更された入力情報に基づいて、制約条件式、目的関数を作成し直して、線形計画問題を再度解き、各経営指標の実際値を計算する処理を繰り返し、 前記入力部が、選択された全ての経営指標の実際値が許容し得る値であると判断したユーザの完了入力を受付けて、前記演算処理部が前記線形計画問題の最終最適解より、前記資材調達計画、前記製品・半製品の生産計画、前記販売計画、前記輸送計画および前記能力計画の中の少なくとも1つの計画を演算して、前記表示部が演算した計画を出力することを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の生産計画システムは、経営指標が、在庫、利益、売上、原価、稼働率、販売拠点からの要求量充足率、生産活動が生み出すキャッシュ、生産活動がキャッシュを生み出す効率のうち、少なくとも1つ以上の組合せであることを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の生産計画システムは、レーダーチャート形式、又は棒グラフ形式に各経営指標の実際値を表示する場合に、小さい値ほど良いと評価される経営指標値は、値の大きさに反比例して、レーダーチャートの座標値またはグラフの棒の長さを大きくして表示することを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の生産計画システムは、算出した経営指標の実際値と経営指標の過去の実績値とを、レーダーチャート形式、又は棒グラフ形式で、表示部に同時表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の生産・資材調達・販売拠点における、複数の製品の生産量・調達量・輸送手段を算出する際に、複数の経営指標の目標値を満足する実行可能な生産計画を迅速に算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明による生産計画方法では、販売拠点からの販売予定を基に、各拠点の生産能力や拠点間の輸送能力、部品制約に加え、在庫、利益、売上、原価、稼働率、販売拠点からの要求量充足率、生産活動が生み出すキャッシュ、生産活動がキャッシュを生み出す効率といった経営戦略の目標値を制約条件とする。そして、前記目標値との乖離を最小化する目的関数にして線形計画問題へと定式化する。
【0014】
本発明による生産計画方法を、複数の部品から中間製品を組み立て、複数の中間製品・部品から製品を組み立てる生産活動を一例にとり説明する。
【0015】
まず、部品制約・生産能力制約においては、部品・中間製品・製品の在庫に着目し、これを倉庫とみなして部品・中間製品・製品の区別なく、各期における倉庫への入出庫の流れをモデル化した。倉庫への入出庫フローを図1に示す。部品は、部品メーカー(調達拠点)101に発注し、調達リードタイム後に納入され、倉庫102へ入庫することで部品在庫となる。部品の倉庫102は、モデルの中では簡単のため、部品調達拠点にあるものとしたが、実際はどこにあっても構わない。中間製品は、必要な部品を部品の倉庫102よりそれぞれ出庫して、輸送リードタイム103後に必要としている生産拠点104に到着し、当該拠点の設備105にて生産され、倉庫106へ入庫することで中間製品在庫となる。製品は、必要な部品・中間製品を各々の倉庫102、106より出庫し、輸送リードタイム107後に必要としている生産拠点108に到着し、当該拠点の設備109にて生産され、倉庫110へ入庫することで製品在庫となる。製品在庫は、販売拠点の納期に間に合うように輸送リードタイム111を加味して出庫する。
【0016】
倉庫への入出庫に着目すると、部品・中間製品・製品とも入庫→倉庫→出庫という流れをとり、それぞれの数量は同一品目において互いに従属的である。また、各品目の出庫の数量は、それを所要する後続品目の入庫数量によって一意に決まり、各拠点における品目の期ごとの入庫数量は、中間製品・製品は当該生産拠点の設備での生産量、部品は部品メーカーへの発注残(入庫予定量)により決まる。
【0017】
つまり、部品の調達から販売拠点への納入までのプロセスは、各品目の入庫→倉庫→出庫プロセスの結合として線形計画問題に定式化できる。
【0018】
まず、
T :計画対象期間(期)
N :製品種
M :中間製品種
B :部品種
R :調達拠点数(=部品メーカー数とする)
P :生産拠点数(=設備数とする)
S :販売拠点数
E :輸送手段数
とおき、添字を
【0019】
【数1】

【0020】
とおく。1期〜T期における生産計画を立案したいときに必要となる定数は
【0021】
【数2】

【0022】
があげられる。変数を
【0023】
【数3】

【0024】
とする。なお、部品に関する入庫量Rが新たに発生する(発注残を除いた)部品の調達量を表し、中間製品・製品に関する入庫量Rが新たに発生する(仕掛量を除いた)各生産拠点での生産量を表す。
【0025】
<制約条件1>
品目iの拠点pにおけるt期在庫は、t-1期在庫にt-1期入庫とt-1期入庫予定(発注残または仕掛)を加え、t期出庫差し引いた量であるから、
【0026】
【数4】

【0027】
となる。これは、製品・中間製品・部品に共通である。
【0028】
<制約条件2>
品目jがt期に出庫する量は、後続品目( jを部品として生産する品目)iの「入庫予定×品目jの所要量」となる。ただし、品目jは中間製品もしくは部品、品目iは中間製品もしくは製品なので、
【0029】
【数5】

【0030】
となる。
【0031】
<制約条件3>
製品、中間製品iの入庫量と入庫予定量は、それを生産する設備の稼動可能時間により制約される。すなわち、設備pでt期に生産される製品、中間製品iは、設備pがt期に有する稼動可能時間以上生産できないので、iの入庫量は
【0032】
【数6】

【0033】
となる。残業を考慮する場合は、上記の代わりに
【0034】
【数7】

【0035】
としてもよい。残業に上限がある場合には、設備pでのt期上限残業時間(定数)をOMAX(p,t)とおき、制約条件
【0036】
(数8)
Opt≦OMAX(p,t) ,(p=R+1,...,R+P)(t=1,...,T)
を追加する。
【0037】
<制約条件4>
品目iのt期における入庫のために、当該品目に使用する部品の出庫(部品の場合は発注)が、輸送リードタイム+生産して入庫するまでのリードタイム(部品の場合は調達リードタイム)前に発生するが、それが過去の期ならば生産(発注)不可能であるので、
【0038】
【数9】

【0039】
となる。
【0040】
<制約条件5>
製品iの出庫は販売拠点に配分されるので、
【0041】
【数10】

【0042】
となる。
【0043】
<制約条件6>
販売拠点に配分される量は、販売予定量を上回らないので、
【0044】
【数11】

【0045】
となる。
【0046】
<制約条件7>
品目の出庫量は、輸送可能量により制約される。t期に設備pから設備p'へ輸送手段eで出庫する量は、輸送能力を上まわらないので、
【0047】
【数12】

【0048】
となる。
【0049】
次に、経営指標の目標値に関する制約条件を示す。
【0050】
経営指標は、在庫、利益、売上、原価、稼働率、販売拠点からの要求量充足率、生産活動が生み出すキャッシュ、生産活動がキャッシュを生み出す効率とし、それぞれの指標について、目標値を定数として制約条件に組み込む。ところが、経営指標の目標値を満足する生産計画が、必ずしも存在しないことがある。換言すれば、線形計画問題における実行可能領域が存在しないことがある。そのときに、「解なし」という計算結果を出したのでは、何が原因でそうなったのかわからない。そこで、本発明では、
実際の値(変数)=目標値+目標値との正の乖離(変数)−目標値との負の乖離(変数)
という式で記述する。例えば、在庫の目標値を50としたときは、
実際の値=50+目標値との正の乖離−目標値との負の乖離
となる。線形計画問題を解いた結果、在庫の目標値50に実行可能解が存在せず、結果として「実際の値」が40だった場合、制約条件上では、40=50+0−10となり、「=」の条件を満たすことになる。このように定式化することで、生産計画立案者が、次のアクション(トレードオフ関係にある経営指標の目標値を低くするなど)を意思決定しやすくできる。
【0051】
各経営指標の制約条件を以下に示す。
【0052】
<制約条件8:販売拠点からの要求量充足率>
販売拠点sからの品目iのt期販売予定量の充足目標値をGV1とすると、
【0053】
【数13】

【0054】
となる。
【0055】
<制約条件9:稼働率>
生産拠点pの稼働率目標値をGVp2とすると、
【0056】
【数14】

【0057】
となる。
【0058】
<制約条件10:生産活動がキャッシュを生み出す効率>
計画期間1〜T'(<T)期の生産活動により生み出されたキャッシュによって、
生産計画を評価する。
【0059】
製品とキャッシュとの関係を図2に示す。縦軸にキャッシュ(金額)、横軸に期間をとり、縦軸と交差する期を計画期(1期首)とする。矢印201は、ある製品1台が生産する過程を表しており、部品の調達を開始した時点tでは、その製品にキャッシュを投資していないが、発注リードタイム+輸送リードタイムだけ時間が経過した時点t'には、部品の単価+輸送コスト分を投資している。生産を続けていくにつれて、投資は増え、製品になって販売拠点へ配分した時点 t''に、その製品に関わるコスト(固定費除く)が決まる。仮に、販売拠点へ到着した瞬間にその製品を販売し現金回収できるものとすると、売上−コストがその製品の生み出したキャッシュとなる。この矢印は、計画期間に何本も走ることから、計画期からT’期までに投資したキャッシュは、202の長方形BDEHの面積と一致する(なお、厳密には、製品個々のコストが一定でないため長方形にならないが、理解を助けるために単純化した)。202の中には、T’期までに回収する投資207(四角形BCEH)と、T’期以降に製品を売るための先行投資203(三角形CDE)がある。先行投資203を回収するのはT'期以降である。逆に、矢印204の製品は、計画期以前に先行投資していたキャッシュがあり、計画期〜T’期の期間で回収するものもある。
【0060】
このように、計画期間の投資は、当該期間にキャッシュが回収される製品に関する投資と、次期のための先行投資とに大別される。投資は少ないほうがよいとされるが、その中でも需要変動がある製品において、不確実要素の高い次期のための先行投資203は少ない方がよい。そこで、少ない先行投資で多くのキャッシュを得ることが、生産計画のよさを測る経営指標となる。少ない先行投資で多くのキャッシュを得ることを、生産活動がキャッシュを生み出す効率として、205の通り計算する。
【0061】
分子は、1〜T’期のうち、売上(206:なお、売上も一定の額とは限らないが、202と同様に簡単のため長方形BDFGで表した)から、1〜T’期に投資したキャッシュ202(=207+203)を引いたもの、即ち、1〜T’期の生産活動により得たキャッシュ(四角形HEFG)を表す。分母は、先行投資203に滞留在庫(先行投資とみなす)を加えたものである。この計算により、先行投資1単位当りのキャッシュが算出できる。本発明では、これを生産活動がキャッシュを生み出す効率と定義する。
【0062】
この計算はROA(Return On Asset:資産対利益率)を生産活動に応用したものである。
【0063】
上記計算を定式化すると、分子が1〜T’期の生産活動により得たキャッシュ、即ち
【0064】
【数15】

【0065】
となり、分母がT'期時点での先行投資(在庫)
【0066】
【数16】

【0067】
となる。なお、この式の1行目は、各拠点に残っている部品数に部品単価を乗じたもので、製品、半製品は部品に換算している。部品単価は調達拠点により異なるため、平均値を用いた。Rjは、部品jを調達可能な調達拠点の集合である。2行目は生産拠点に残っている製品・半製品に製造コストと標準コストの和を乗じたものである。半製品(部品)jの設備p'における標準コストとは、半製品(部品)jを設備p'で製造し、部品として任意の生産拠点の設備pに輸送するまでにかかるであろう製造コストと輸送コストの平均値を指す。3行目は、各拠点へ輸送している製品量に製品の標準コスト(製品の標準コストには販売拠点への輸送コストを含めないので、輸送コストを加算)を乗じたものである。
【0068】
生産活動がキャッシュを生み出す効率を制約条件として定式化する場合には、先行投資を期ごとに算出した平均値を分母に用い、分子を1〜T期の生産活動により得たキャッシュとする。なぜなら、仮にT'期の先行投資(在庫)だけで評価すると、T'期以外の先行投資が多くなることがあり、所望の生産計画を得ることができない。また、T'=T期として当該計算を行なうと、T期以降の販売予定を計算対象にしていないために生産計画が作られず、先行投資がゼロになってしまう。
【0069】
以上により、生産活動がキャッシュを生み出す効率の制約条件10は、目標値をGV3とすると、
【0070】
【数17】

【0071】
となる。
【0072】
<制約条件11:売上>
販売拠点sの売上目標をGV4,sとすると、
【0073】
【数18】

【0074】
となる。
【0075】
<制約条件12:生産活動が生み出すキャッシュ>
先の、生産活動がキャッシュを生み出す効率の分子を経営指標の1つとする。
【0076】
この経営指標は、先行投資に関係なくキャッシュを多く得たいときに使用する。
【0077】
目標値をGV5とすると、式は
【0078】
【数19】

【0079】
となる。
【0080】
<制約条件13:利益>
利益目標をGV6とすると、
【0081】
【数20】

【0082】
となる。なお、利益とは、生産活動が生み出すキャッシュと異なり、売上からその製品に投資したコストと固定費を引いたもの、すなわち製品が生み出すキャッシュである。
【0083】
<制約条件14:原価>
原価目標をGV7とすると、
【0084】
【数21】

【0085】
となる。なお、原価は、キャッシュを生み出す効率の分子のうち、1〜T’期に投資したキャッシュにあたり、固定費は含まない。
【0086】
<制約条件15:在庫>
在庫目標をGV8とすると、
【0087】
【数22】

【0088】
となる。なお、在庫は、キャッシュを生み出す効率の分母にあたる。
【0089】
上記経営指標の制約条件8〜15は、経営目標を設定した時にのみ線形計画問題に組み込む。
【0090】
本発明では、目標を設定する際に、具体的な目標値に対し、実際の数値がそれ以上になって欲しいのか、以下か、一致かを選択する。もしくは、目標値ではなく、「最大」「最小」と設定してもよい。以下、これらの選択肢をフラグと呼ぶ。フラグに加え、重視したい経営指標に重みづけを行なう。
【0091】
経営目標をすべて設定したと仮定して、目的関数は
【0092】
【数23】

【0093】
となる。なお、F.はフラグであり、F+については、
目標値以上:−1
目標値以下:1
一致:1
最大:−A(A:適当な正の数)
最小:A
であり、F-については、
目標値以上:1
目標値以下:−1
一致:1
最大:A(A:適当な正の数)
最小:−A
である。また、Z.は各経営指標に関する重み付けである。
【0094】
次に、数1〜23に示す定式化に準じて、生産計画立案までの処理の流れを図3に示す。
【0095】
ステップ301にて、数2に相当する定数のデータと、経営指標の目標値を入力する。経営指標の目標値に関するデータは、「経営指標」「設定したか否かを判別する記号」「フラグ」「目標値」からなる。
【0096】
ステップ302にて、数3の非負条件、および数4〜22に示す線形計画問題を解く。経営指標に関わる制約条件8〜15および目的関数の各項は、「設定したか否かを判別する記号」を参照して、「設定した」経営指標に関するものだけを線形計画問題に加える。また、制約条件1〜7に関して、生産能力の制約を外したいならば制約条件3を外し、輸送能力の制約を外したいならば制約条件7を外してもよい。
【0097】
線形計画問題を解く手段としては、線形計画ソフトウエア・パッケージ、またはシンプレックス法、内点法などを適用すればよい。
【0098】
ステップ303にて、302で得られた最適解を生産計画へと変換し、CRTなどの表示手段に表示する。本発明では、以下の変数を生産計画とする。
【0099】
【数24】

【0100】
また、302で得られた最適解より、全ての経営指標の「実際の値」を計算してCRTなどの表示手段に表示する。経営指標の「実際の値」は、
【0101】
【数25】

【0102】
【数26】

【0103】
【数27】

【0104】
【数28】

【0105】
【数29】

【0106】
【数30】

【0107】
【数31】

【0108】
【数32】

【0109】
により計算する。生産計画や経営指標の表示形式は、表にしてもグラフにしても構わない。
【0110】
生産計画担当者は、CRTなどの表示手段から生産計画と経営指標を確認して、この生産計画で満足かの判断をする。よくない場合は、ステップ304にてキーボードなどの入力手段を介して経営指標の目標値を変更し、ステップ302以降の手順に戻る。
【0111】
このように、満足する生産計画が算出できるまでステップ302〜304を繰り返し実行するが、ステップ303にて生産計画と経営指標を表示することで、生産計画のよさを経営指標にて評価でき、かつ、トレードオフ関係にある経営指標があった場合でも、生産計画担当者が最低限満たしたい値を各経営指標の目標値に設定しておけば、その目標値を考慮して求解するため、早く満足する生産計画を得ることが可能となる。
【0112】
以上のステップ301〜304に関し、製品「PC」の生産計画の例にて具体的に手順を説明する。
【0113】
図4に製品「PC」の部品構成を示す。製品「PC」1単位は、中間製品「HDD」を1単位と、部品「CPU」を2単位使って生産する。また、中間製品「HDD」1単位は、部品「DISK」を1単位使って生産する。拠点は、図5に示すように、PCの販売拠点がM1、M2、M3の3拠点、PCの生産拠点がP1、P2の2拠点、HDDの生産拠点がP3の1拠点、CPU、DISKを調達する拠点がV1の1拠点である。図6に拠点間の輸送可能なルート・輸送手段ごとの輸送リードタイム・コストを示す。調達拠点から生産拠点、および生産拠点間の輸送ルート、および輸送手段は1通りであるが、生産拠点P1、P2から販売拠点M1,M2,M3への輸送手段は、最大2通りある。一方は飛行機での輸送、もう一方は船での輸送で、飛行機の輸送はリードタイムが船より短いが、輸送コストが高くなっている。輸送容量の制約は特にない。また、拠点全体での固定費は10である。
【0114】
このような基盤のもとで、1期から10期までの計画期間に、各販売拠点から10期にPCの販売予定量がそれぞれ100のケースを想定し、各生産拠点での生産計画を立案する。PCの売価は、M1で45、M2で30、M3で35とする。生産拠点M1、M2の稼動可能時間は各期で70づつ、M3の稼動可能時間は各期で300、各拠点での残業は不可とする。PC、HDDの各生産拠点での作業時間、リードタイム、及びコストは図7のようになっている。また、CPU、DISKの調達拠点V1での作業時間、リードタイム、単価、及び標準コストは図8のようになっている。0期末在庫、および発注残・仕掛入庫量はゼロとする。この例における意思決定のポイントは、部品から半製品までのモノの流れが1通りしかないため、PCの生産拠点と、生産拠点から販売拠点への輸送ルート、および輸送手段となる。
【0115】
まず、上記の具体例に基づいて、制約条件1〜6は以下の通り定式化する。なお、制約条件7は、輸送能力に制約がないため必要ない。
【0116】
<制約条件1>
【0117】
【数33】

【0118】
<制約条件2>
【0119】
【数34】

【0120】
<制約条件3>
【0121】
【数35】

【0122】
<制約条件4>
【0123】
【数36】

【0124】
<制約条件5>
【0125】
【数37】

【0126】
<制約条件6>
【0127】
【数38】

【0128】
経営指標の目標値に関する制約条件8〜15は、以下の通り定式化する。
【0129】
<制約条件8>
【0130】
【数39】

【0131】
<制約条件9>
【0132】
【数40】

【0133】
<制約条件10>
【0134】
【数41】

【0135】
<制約条件11>
【0136】
【数42】

【0137】
<制約条件12>
【0138】
【数43】

【0139】
<制約条件13>
【0140】
【数44】

【0141】
<制約条件14>
【0142】
【数45】

【0143】
<制約条件15>
【0144】
【数46】

【0145】
目的関数は、
【0146】
【数47】

【0147】
となる。
【0148】
1つ目の生産計画立案例(例題1)として、経営目標を販売拠点からの要求量充足100%だけで生産計画を立案する。制約条件は、1〜6に加え、8において、一例としてGV1=1とした。9〜15は使用しない。目的関数は、
【0149】
【数48】

【0150】
となる。この問題を解くと、一例として図9の解が得られ、要求量の充足率100%を満たしている。このように、制約条件と1つの経営目標だけでも、生産計画を立案することができる。ただし、要求量の充足率以外の経営指標に関する考慮はなされていないため、例えばP1からM2へ飛行機で輸送するルートは、1単位あたりの売上30に対してコストが31(部品単価+製造コスト+輸送コスト)なのにもかかわらず、60の輸送量となっている。参考までに、この生産計画がもたらす利益は2900、在庫は1666である。
【0151】
2つ目の生産計画立案例(例題2)として、図3に示す手順に従い、8つの経営指標の値を見ながら、生産計画を立案・修正していく方法をあげる。
【0152】
<ステップ301(1回目)>
経営目標を
・要求量の充足率100%
・利益最大
とする。ここでは、例題1で示した「要求量の充足率100%」の経営目標に加え、「利益最大」とする経営目標を考慮して、生産計画の立案・修正を求めるものとしている。
【0153】
<ステップ302(1回目)>
制約条件は、1〜6に加え、制約条件8において、GV1=1、制約条件13において、GV6=1とした。目的関数は、一例として、
【0154】
【数49】

【0155】
となる。この問題を解くと、一例として図10の解が得られる。各経営指標の値は図11の通りとなる。利益は3110と、先の例1よりも増えている。
【0156】
<ステップ303(1回目)>
結果を考察すると、利益を最大にするため、製造コストの安いP2でPCを生産し、輸送コストの安い船で輸送している。P2の設備可能時間の制約により、一部の作業がP1にて行われているものの、P1の稼働率が41%と低くなっている。また、船で輸送しているので、在庫が1678と多くなっている。
【0157】
<ステップ304>
次に、要求量充足率100%、P1,P2の稼働率を70%に保った上で、在庫金額の最小化を試みる。つまり、経営指標を
・要求量の充足率100%
・稼働率70%
・在庫最小
としてみる。ここでは、1回目の結果に基づき、「要求量の充足率100%」の経営目標に加え、「稼働率70%」及び「在庫最小」の経営目標も考慮した生産計画の立案・修正を行なうこととしている。
【0158】
<ステップ302(2回目)>
制約条件は、1〜6に加え、制約条件8において、GV1=1、制約条件9においてGV2=0.7、制約条件15において、GV8=1600とした。目的関数は、一例として、
【0159】
【数50】

【0160】
となる。この問題を解くと、一例として図12の解が得られる。各経営指標の値は図13の通りとなる。利益は2826と、1回目よりも減ったが、在庫は1595と減り、P1の稼働率が70%となった。
【0161】
<ステップ303(2回目)>
結果を考察すると、P1の稼働率を上げるために、P2の生産量をP1にシフトしている。また、在庫を減らすため、輸送リードタイムの長い船をやめ、飛行機へと輸送手段を切り替えている。要求量の不確実性が高い場合は2回目の生産計画の方がよい計画といえる。生産計画立案者は、在庫を多く抱えて生産活動を行うの危険や、利益が減る危険、稼働率のバランスなどを天秤にかけ、1回目と2回目の生産計画のよさを比較する。例えば、在庫の危険を回避するのであれば、このまま処理を終了し、1回目の方がよいのであれば、ステップ304にて1回目と同じ目標値、もしくは新たな目標値を設定し、ステップ302にて再計算すればよい。
【0162】
以上のように、複数の経営指標の目標値を設定し、ステップ302〜304を少なくとも1回以上繰り返すことで、複数の経営指標を考慮した生産計画を立案できる。
【0163】
ステップ303において、経営指標をCRTなどの表示手段で表示する例として、図11のような表形式の他に、図14に示すレーダーチャートや、図15に示す棒グラフで表記し、ステップ301で指定した経営目標値を点1401や線分1501のように表示してもよい。尚、図14,15は、例題2の1回目の結果を示すものである。レーダーチャートは、多角形1402の面積が大きいほど、棒グラフは棒の長さが長いほどよい指標であることを示している。そのため、在庫や原価など、小さいほどよい指標は、値の大きさに反比例してグラフの表示座標値を大きくする。このようにグラフで経営指標を示すと、目標値と実際の値との差異や、経営指標間のトレードオフ関係の理解を助ける。
【0164】
また、ステップ301〜303を繰り返し行うときには、図16や図17に示すように、前回の結果との差分を表示すると、前回の生産計画との比較が把握しやすい。図16の破線1601は、先の例題2の1回目、1602は例題2の2回目の結果を表示した例である。
【0165】
また、レーダーチャートやグラフ表示の際に、経営指標の現在または過去(1日前、1ヶ月前、1年前等)の実績値を併せて表示することで、生産計画立案における経営指標を変更する場合の参照値とすることができる。
【0166】
また、上記の実施の形態において、生産能力の制約条件や経営指標の目標値に関する制約条件は、記憶手段(図示せず)に蓄積されている。また、複数の生産拠点・調達拠点・販売拠点間の部品や製品の輸送関係に関する情報、各拠点でのコスト等に関する情報も、記憶手段(図示せず)に保持することができる。また、上記の制約条件下において、少なくとも1つの経営指標の目標値を達成する解を求める演算は、演算処理手段(図示せず)により行なう。
【0167】
また、本発明の実施形態として、ユーザの端末側から、複数の拠点間の輸送情報や、各拠点でのコスト等に関する情報をネットワークを介して送信し、ホストサーバ側に蓄積されている生産計画システムで演算処理をして経営指標の目標値を達成する解を算出し、処理結果をユーザ側の端末に送信する形態、もしくは別の実施形態として、ユーザの端末側から、経営指標の目標値情報をネットワークを介して送信し、ホストサーバ側に蓄積されている複数の拠点間の輸送情報や、各拠点でのコスト等に関する情報を用いて、ホストサーバ側に蓄積されている生産計画システムにて演算処理をして経営指標の目標値を達成する解を算出し、処理結果をユーザ側の端末に送信する形態は、いずれも本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】倉庫への入出庫フローを示す図である。
【図2】製品とキャッシュとの関係を示す図である。
【図3】生産計画立案までの処理の流れを示す図である。
【図4】生産計画立案例の部品構成を示す図である。
【図5】生産計画立案例の調達〜生産〜販売の流れを示す図である。
【図6】生産計画立案例の輸送ルート、輸送手段に関する情報を示す図である。
【図7】生産計画立案例の生産拠点に関する情報を示す図である。
【図8】生産計画立案例の調達拠点に関する情報を示す図である。
【図9】例題1で立案した生産計画の一部を示す図である。
【図10】例題2の1回目で立案した生産計画の一部を示す図である。
【図11】例題2の1回目で立案した生産計画の経営指標を示す図である。
【図12】例題2の2回目で立案した生産計画の一部を示す図である。
【図13】例題2の2回目で立案した生産計画の経営指標を示す図である。
【図14】例題2の1回目で立案した生産計画の経営指標をレーダーチャートで示した図である。
【図15】例題2の1回目で立案した生産計画の経営指標を棒グラフで示した図である。
【図16】例題2の2回目で立案した生産計画の経営指標をレーダーチャートで示した図である。
【図17】例題2の2回目で立案した生産計画の経営指標を棒グラフで示した図である。
【符号の説明】
【0169】
101…部品メーカー(調達拠点)、102…倉庫、103…輸送リードタイム、104…生産拠点、105…設備105、106…倉庫、107…輸送リードタイム、108…生産拠点、109…設備、110…倉庫、111…輸送リードタイム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
資材の調達、製品の生産、販売拠点への製品の輸送、および製品の販売を含む企業活動において、資材調達計画、製品・半製品の生産計画、販売計画、輸送計画、および能力計画の中の少なくとも1つの計画をコンピュータにより作成する業務を支援する生産計画システムであって、
前記企業活動における部品・中間製品・製品の各在庫、入出庫の流れをモデル化して、そのモデルに基づいて作成された各種制約条件、各種経営指標の制約条件式:{実際の値(変数)=目標値(変数)+目標値との正の乖離(変数)−目標値との負の乖離(変数)}を記憶する記憶部と、
ユーザが生産計画を立案するに際して、各種定数のデータとともに、考慮すべき前記制約条件および前記経営指標を選択した情報、並びに選択した経営指標の目標値、を受付ける入力部と、
ユーザにより選択された経営指標の制約条件式を前記記憶部より読み出して、前記入力した目標値を前記読み出した制約条件式へ組み込み、
各経営指標に対応する重み付け係数、および前記目標値に対して実際値がそれ以上、それ以下、若しくは一致するように最適化する選択を指示するフラグをユーザからの入力を前記入力部を介して受付け、
前記受付けた重み付け係数、およびフラグを前記正または負の乖離値を格納する各変数に乗じて、各乖離値の総和を最小化する目的関数を作成して、線形計画問題を解く演算処理部と、
前記線形計画問題の解より、各経営指標の実際値を前記演算処理部が算出して、各経営指標の実際値を表形式、レーダーチャート形式、又は棒グラフ形式で比較して表示する表示部と、を備え、
前記入力部は、ユーザが変更を希望する経営指標の選択、および/または経営指標の目標値の入力を受付け、
前記演算処理部は、前記変更された入力情報に基づいて、制約条件式、目的関数を作成し直して、線形計画問題を再度解き、各経営指標の実際値を計算する処理を繰り返し、
前記入力部が、選択された全ての経営指標の実際値が許容し得る値であると判断したユーザの完了入力を受付けて、前記演算処理部が前記線形計画問題の最終最適解より、前記資材調達計画、前記製品・半製品の生産計画、前記販売計画、前記輸送計画および前記能力計画の中の少なくとも1つの計画を演算して、前記表示部が演算した計画を出力することを特徴とする生産計画システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生産計画システムにおいて、
前記経営指標が、在庫、利益、売上、原価、稼働率、販売拠点からの要求量充足率、生産活動が生み出すキャッシュ、生産活動がキャッシュを生み出す効率のうち、少なくとも1つ以上の組合せであることを特徴とする生産計画システム。
【請求項3】
前記記憶部、および前記演算処理部をホストサーバ側に備え、ネットワークを介して接続されるユーザ端末側に前記入力部、および表示部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の生産計画システム。
【請求項4】
前記レーダーチャート形式、又は棒グラフ形式に各経営指標の実際値を表示する場合に、小さい値ほど良いと評価される経営指標値は、値の大きさに反比例して、レーダーチャートの座標値またはグラフの棒の長さを大きくして表示することを特徴とする請求項1に記載の生産計画システム。
【請求項5】
請求項1に記載の生産計画システムにおいて、
前記算出した経営指標の実際値と経営指標の過去の実績値とを、レーダーチャート形式、又は棒グラフ形式で、表示部に同時表示することを特徴とする生産計画システム。
【請求項6】
前記入力部が、選択された全ての経営指標の実際値が許容し得る値であると判断したユーザの完了入力を受付けて、前記演算処理部が前記線形計画問題の最終最適解より、前記資材調達計画、前記製品・半製品の生産計画、前記販売計画、前記輸送計画および前記能力計画の中の少なくとも1つの計画を演算して、前記表示部が演算した計画を出力する処理に換えて、
前記演算処理部が前記線形計画問題を解いた後、前記線形計画問題の解より、前記資材調達計画、前記製品・半製品の生産計画、前記販売計画、前記輸送計画および前記能力計画の中の少なくとも1つの計画を演算して、前記表示部が演算した計画を出力することを特徴とする請求項1に記載の生産計画システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−257664(P2007−257664A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153494(P2007−153494)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【分割の表示】特願2000−333532(P2000−333532)の分割
【原出願日】平成12年10月27日(2000.10.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)