産業車両の手摺構造
【課題】手摺本来の機能を備えつつ、別の用途にも活用できる産業車両用手摺構造を提供する。
【解決手段】フォークリフトの手摺構造において、手摺本体部40と、これを車両本体のフロントピラー23に連結する第1、第2の連結部41、42とから手摺4を構成する。手摺本体部40は、下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bをジョイント部40jにより一体に連設することでS字状に構成されている。
【解決手段】フォークリフトの手摺構造において、手摺本体部40と、これを車両本体のフロントピラー23に連結する第1、第2の連結部41、42とから手摺4を構成する。手摺本体部40は、下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bをジョイント部40jにより一体に連設することでS字状に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフト等の産業車両の手摺構造に関し、詳細には、手摺本来の機能を確保しつつ別の用途にも活用できるようにするための構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
産業車両において、操作者が乗降の際に手で把持して体を支えるための手摺構造として、従来から種々のものが提案されている(意匠登録第1225032号公報および意匠登録第1225033号公報参照)。
【0003】
意匠登録第1225033号公報に記載のものでは、あくまで手摺としてのみ使用されており、また意匠登録第1225032号公報に示すものでは、手摺としての機能の他に、わずかにサイドミラーの支持部としての機能を付加しただけのものであって、手摺本来の機能の他に、手摺を十分に活用しているとはいえなかった。
【0004】
その一方、作業現場においては、操作者が手摺に磁石やクリップを装着するなどして、手摺にヘルメットや傘などを引っ掛けたり、吊るしたりすることが頻繁に行われている。ところが、この場合には、あくまで簡易的な保持具を用いて手摺に物を保持させており、保持させた物が走行中に外れたり、落下したりする危険性がある。
【0005】
このように、従来の手摺は、手摺としての機能しか有してなく、手摺本来の用途の他に別の用途にも活用できるような手摺の出現について業界内の要請がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、手摺本来の機能を備えつつ、別の用途にも活用できる産業車両用手摺構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る産業車両用手摺構造は、手摺本体部と、手摺本体部を当該産業車両の車両本体に連結するための連結部とを備えている。手摺本体部は、下凸状の第1の屈曲部と上凸状の第2の屈曲部とを一体に連設して構成されている。
【0008】
この場合には、手摺本体部を手摺として使用できるばかりでなく、下凸状の第1の屈曲部に傘や伝票等を引っ掛けたり、上凸状の第2の屈曲部にヘルメットを吊るしたりすることで、手摺本体部を別の用途にも活用できるようになる。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1において、第1および第2の屈曲部が同一の平面内に配設されている。
【0010】
請求項3の発明では、請求項1において、当該手摺構造が平面視三角形状に構成されている。
【0011】
この場合には、当該手摺構造全体の省スペース化が可能である。
【0012】
請求項4の発明では、請求項1において、当該手摺構造がS字状または逆S字状に構成されている。
【0013】
請求項5の発明では、請求項1において、第1の屈曲部が第1の平面内に配設され、第2の屈曲部が、第1の平面と交差する第2の平面内に配設されている。
【0014】
この場合には、当該手摺構造を、その連結部が連結される車両本体の支柱(例えばフォークリフトの場合にはフロントピラー)の外周に沿って配設できるので、さらに省スペース化が可能になる。
【0015】
請求項6の発明では、請求項5において、第1の屈曲部が第1の連結部を有し、第2の屈曲部が第2の連結部を有しており、第1の連結部が車両本体の支柱の第1の面に連結され、第2の連結部が支柱において第1の面と交差する第2の面に連結されている。
【0016】
請求項7の発明では、請求項1において、当該産業車両がフォークリフトである。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明に係る産業車両用手摺構造によれば、手摺本体部を、下凸状の第1の屈曲部およびを上凸状の第2の屈曲部一体に連設して構成するようにしたので、手摺本体部を手摺として使用できるばかりでなく、下凸状の第1の屈曲部に傘や伝票等を引っ掛けたり、上凸状の第2の屈曲部にヘルメットを吊るしたりすることで、手摺本体部を別の用途にも活用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例による手摺構造が採用されたフォークリフトの側面概略図である。
【図2】前記手摺構造(図1)の拡大図である。
【図3】図2の平面図である。
【図3A】図3のA−A線断面図である。
【図3B】図3のB−B線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例による手摺構造の拡大図である。
【図5】図4の平面図である。
【図5A】図5のA−A線断面図である。
【図5B】図5のB−B線断面図である。
【図6A】本発明の第3の実施例による手摺構造の拡大図であって、図6BのA矢視図である。
【図6B】本発明の第3の実施例による手摺構造の拡大図であって、図6AのB矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
ここでは、本発明がフォークリフトに適用された例について説明する。
〔第1の実施例〕
図1は、本発明の一実施例による手摺構造が採用されたフォークリフトを示している。同図において、フォークリフト1は、車体フレーム20および運転席21等を含む車両本体2と、車両本体2の前側に設けられたフォーク爪3aを有する作業装置3とを有している。運転席21の上方には、操作者の頭上をガードするヘッドガード22が設けられており、ヘッドガード22は、その前端側をフロントピラー23により、後端側をリアピラー24によりそれぞれ支承されている。フロントピラー23には、手摺(ハンドレール)4が設けられている。
【0020】
手摺4は、図2に示すように、フロントピラー23に沿って上下方向に間隔を隔てて配置されかつそれぞれフロントピラー23に連結される第1、第2の連結部41、42と、これらの連結部41、42間にS字状に配設された手摺本体部40とから構成されている。
【0021】
手摺本体部40は、下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bを有しており、第1、第2の屈曲部40a、40bは、これらを連結するジョイント部40cにより一体に連設されている(図3A、図3B参照)。また、第1の屈曲部40aの他端は、第1の連結部41の先端から下方に垂設された垂設部40eに連結されており、第2の屈曲部40bの他端は、第2の連結部42の先端から上方に延設された延設部40fに連結されている。S字状の手摺本体部40は、この例では、車両の前後方向に延びる同一の平面内に配設されている。
【0022】
第1、第2の連結部41、42は、図3に示すように、上方から見たときに、互いに交差する向きに配設されている。したがって、この例では、手摺4は、平面視三角形状に構成されている。
【0023】
このように、手摺4の手摺本体部40に下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bが設けられるので、手摺本体部40を単なる手摺として使用するだけでなく、下凸状の第1の屈曲部40aに傘の柄や伝票等を引っ掛けたり(図2参照)、上凸状の第2の屈曲部40bにヘルメットを吊るしたりすることで、手摺本体部40を別の用途にも活用できるようになる。また、この場合には、手摺4が平面視三角形状に構成されているので、手摺全体の省スペース化が可能である。なお、手摺4の平面視形状としては、三角形以外の形状であってもよい。
【0024】
〔第2の実施例〕
前記第1の実施例では、手摺本体部がS字状に構成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されず、手摺本体部は、逆S字状に構成されていてもよい。
【0025】
図4ないし図5Bは、本発明の第2の実施例による手摺構造を示している。なお、これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は、同一または相等部分を示している。
【0026】
手摺4は、図4に示すように、フロントピラー23に沿って上下方向に間隔を隔てて配置されかつそれぞれフロントピラー23に連結される第1、第2の連結部41、42と、これらの連結部41、42間に逆S字状に配設された手摺本体部40とから構成されている。
【0027】
手摺本体部40は、下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bを有しており、第1、第2の屈曲部40a、40bは、これらを連結するジョイント部40cにより一体に連設されている(図5A、図5B参照)。また、第1の屈曲部40aの他端は、第1の連結部41の先端から下方に垂設された垂設部40eに連結されており、第2の屈曲部40bの他端は、第2の連結部42の先端から上方に延設された延設部40fに連結されている。逆S字状の手摺本体部40は、この例では、車両の前後方向に延びる同一の平面内に配設されている。
【0028】
第1、第2の連結部41、42は、図5に示すように、上方から見たときに、互いに交差する向きに配設されており、手摺4は、平面視三角形状に構成されている。
【0029】
この場合においても、前記第1の実施例と同様に、手摺4の手摺本体部40に下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bが設けられるので、手摺本体部40を単なる手摺として使用するだけでなく、下凸状の第1の屈曲部40aに傘の柄や伝票等を引っ掛けたり、上凸状の第2の屈曲部40bにヘルメットを吊るしたりすることで、手摺本体部40を別の用途にも活用できるようになる。また、この場合には、手摺4が平面視三角形状に構成されているので、手摺全体の省スペース化が可能である。なお、手摺4の平面視形状としては、三角形以外の形状であってもよい。
【0030】
〔第3の実施例〕
前記第1、第2の実施例では、S字状または逆S字状の手摺本体部40が同一の平面内に配設された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
【0031】
図6Aおよび図6Bは、本発明の第3の実施例による手摺構造を示している。なお、これらの図において、前記第1、第2の実施例と同一符号は、同一または相等部分を示している。
【0032】
図6Aおよび図6Bに示すように、この第3の実施例では、第1の連結部41がフォークリフトのフロントピラー23の第1の面23aに連結されるとともに、第2の連結部42がフロントピラー23において第1の面23aと直交する第2の面23bに連結されている。すなわち、この場合には、手摺4の第1、第2の連結部41、42が矩形状のフロントピラー23の隣り合う各面23a、23bに連結されている。
【0033】
手摺本体部40の下凸状の第1の屈曲部40a、ジョイント部40jおよび垂設部40eは、車両の前後方向に延びる第1の平面内に配設されており、手摺本体部40の上凸状の第2の屈曲部40b、ジョイント部40jおよび延設部40fは、車両の幅方向に延びる第2の平面内に配設されている。これら第1、第2の平面は互いに直交している。
【0034】
この場合においても、前記第1、第2の実施例と同様に、手摺4の手摺本体部40に下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bが設けられるので、手摺本体部40を単なる手摺として使用するだけでなく、下凸状の第1の屈曲部40aに傘の柄や伝票等を引っ掛けたり、上凸状の第2の屈曲部40bにヘルメットを吊るしたりすることで、手摺本体部40を別の用途にも活用できるようになる。しかも、この場合には、手摺4が、フロントピラー23の外周面に沿って配設できるので、さらに省スペース化が可能である。
【0035】
なお、この第3の実施例においては、第1の連結部41が連結される第1の面23aと、第2の連結部42が連結される第2の面23bとは、必ずしも直交している必要はなく、単に鋭角でまたは鈍角で交差していてもよい。この場合でもあっても、手摺4を第1、第2の面23a、23bに沿って配設できるので、同様に省スペース化が可能である。
【0036】
〔他の適用例〕
前記各実施例では、本発明による手摺構造がフォークリフトに適用された例を示したが、本発明はフォークリフト以外の産業車両にも同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明は、フォークリフト等の産業車両に有用であり、とくに手摺構造に種々の用途が要求されるものに適している。
【符号の説明】
【0038】
1: フォークリフト(産業車両)
2: 車両本体
23: フロントピラー(支柱)
23a: 第1の面
23b: 第2の面
4: 手摺
40: 手摺本体部
40a: 第1の屈曲部
40b: 第2の屈曲部
41: 第1の連結部
42: 第2の連結部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】
【特許文献1】意匠登録第1225032号公報
【特許文献2】意匠登録第1225033号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフト等の産業車両の手摺構造に関し、詳細には、手摺本来の機能を確保しつつ別の用途にも活用できるようにするための構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
産業車両において、操作者が乗降の際に手で把持して体を支えるための手摺構造として、従来から種々のものが提案されている(意匠登録第1225032号公報および意匠登録第1225033号公報参照)。
【0003】
意匠登録第1225033号公報に記載のものでは、あくまで手摺としてのみ使用されており、また意匠登録第1225032号公報に示すものでは、手摺としての機能の他に、わずかにサイドミラーの支持部としての機能を付加しただけのものであって、手摺本来の機能の他に、手摺を十分に活用しているとはいえなかった。
【0004】
その一方、作業現場においては、操作者が手摺に磁石やクリップを装着するなどして、手摺にヘルメットや傘などを引っ掛けたり、吊るしたりすることが頻繁に行われている。ところが、この場合には、あくまで簡易的な保持具を用いて手摺に物を保持させており、保持させた物が走行中に外れたり、落下したりする危険性がある。
【0005】
このように、従来の手摺は、手摺としての機能しか有してなく、手摺本来の用途の他に別の用途にも活用できるような手摺の出現について業界内の要請がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、手摺本来の機能を備えつつ、別の用途にも活用できる産業車両用手摺構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る産業車両用手摺構造は、手摺本体部と、手摺本体部を当該産業車両の車両本体に連結するための連結部とを備えている。手摺本体部は、下凸状の第1の屈曲部と上凸状の第2の屈曲部とを一体に連設して構成されている。
【0008】
この場合には、手摺本体部を手摺として使用できるばかりでなく、下凸状の第1の屈曲部に傘や伝票等を引っ掛けたり、上凸状の第2の屈曲部にヘルメットを吊るしたりすることで、手摺本体部を別の用途にも活用できるようになる。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1において、第1および第2の屈曲部が同一の平面内に配設されている。
【0010】
請求項3の発明では、請求項1において、当該手摺構造が平面視三角形状に構成されている。
【0011】
この場合には、当該手摺構造全体の省スペース化が可能である。
【0012】
請求項4の発明では、請求項1において、当該手摺構造がS字状または逆S字状に構成されている。
【0013】
請求項5の発明では、請求項1において、第1の屈曲部が第1の平面内に配設され、第2の屈曲部が、第1の平面と交差する第2の平面内に配設されている。
【0014】
この場合には、当該手摺構造を、その連結部が連結される車両本体の支柱(例えばフォークリフトの場合にはフロントピラー)の外周に沿って配設できるので、さらに省スペース化が可能になる。
【0015】
請求項6の発明では、請求項5において、第1の屈曲部が第1の連結部を有し、第2の屈曲部が第2の連結部を有しており、第1の連結部が車両本体の支柱の第1の面に連結され、第2の連結部が支柱において第1の面と交差する第2の面に連結されている。
【0016】
請求項7の発明では、請求項1において、当該産業車両がフォークリフトである。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明に係る産業車両用手摺構造によれば、手摺本体部を、下凸状の第1の屈曲部およびを上凸状の第2の屈曲部一体に連設して構成するようにしたので、手摺本体部を手摺として使用できるばかりでなく、下凸状の第1の屈曲部に傘や伝票等を引っ掛けたり、上凸状の第2の屈曲部にヘルメットを吊るしたりすることで、手摺本体部を別の用途にも活用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例による手摺構造が採用されたフォークリフトの側面概略図である。
【図2】前記手摺構造(図1)の拡大図である。
【図3】図2の平面図である。
【図3A】図3のA−A線断面図である。
【図3B】図3のB−B線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例による手摺構造の拡大図である。
【図5】図4の平面図である。
【図5A】図5のA−A線断面図である。
【図5B】図5のB−B線断面図である。
【図6A】本発明の第3の実施例による手摺構造の拡大図であって、図6BのA矢視図である。
【図6B】本発明の第3の実施例による手摺構造の拡大図であって、図6AのB矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
ここでは、本発明がフォークリフトに適用された例について説明する。
〔第1の実施例〕
図1は、本発明の一実施例による手摺構造が採用されたフォークリフトを示している。同図において、フォークリフト1は、車体フレーム20および運転席21等を含む車両本体2と、車両本体2の前側に設けられたフォーク爪3aを有する作業装置3とを有している。運転席21の上方には、操作者の頭上をガードするヘッドガード22が設けられており、ヘッドガード22は、その前端側をフロントピラー23により、後端側をリアピラー24によりそれぞれ支承されている。フロントピラー23には、手摺(ハンドレール)4が設けられている。
【0020】
手摺4は、図2に示すように、フロントピラー23に沿って上下方向に間隔を隔てて配置されかつそれぞれフロントピラー23に連結される第1、第2の連結部41、42と、これらの連結部41、42間にS字状に配設された手摺本体部40とから構成されている。
【0021】
手摺本体部40は、下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bを有しており、第1、第2の屈曲部40a、40bは、これらを連結するジョイント部40cにより一体に連設されている(図3A、図3B参照)。また、第1の屈曲部40aの他端は、第1の連結部41の先端から下方に垂設された垂設部40eに連結されており、第2の屈曲部40bの他端は、第2の連結部42の先端から上方に延設された延設部40fに連結されている。S字状の手摺本体部40は、この例では、車両の前後方向に延びる同一の平面内に配設されている。
【0022】
第1、第2の連結部41、42は、図3に示すように、上方から見たときに、互いに交差する向きに配設されている。したがって、この例では、手摺4は、平面視三角形状に構成されている。
【0023】
このように、手摺4の手摺本体部40に下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bが設けられるので、手摺本体部40を単なる手摺として使用するだけでなく、下凸状の第1の屈曲部40aに傘の柄や伝票等を引っ掛けたり(図2参照)、上凸状の第2の屈曲部40bにヘルメットを吊るしたりすることで、手摺本体部40を別の用途にも活用できるようになる。また、この場合には、手摺4が平面視三角形状に構成されているので、手摺全体の省スペース化が可能である。なお、手摺4の平面視形状としては、三角形以外の形状であってもよい。
【0024】
〔第2の実施例〕
前記第1の実施例では、手摺本体部がS字状に構成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されず、手摺本体部は、逆S字状に構成されていてもよい。
【0025】
図4ないし図5Bは、本発明の第2の実施例による手摺構造を示している。なお、これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は、同一または相等部分を示している。
【0026】
手摺4は、図4に示すように、フロントピラー23に沿って上下方向に間隔を隔てて配置されかつそれぞれフロントピラー23に連結される第1、第2の連結部41、42と、これらの連結部41、42間に逆S字状に配設された手摺本体部40とから構成されている。
【0027】
手摺本体部40は、下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bを有しており、第1、第2の屈曲部40a、40bは、これらを連結するジョイント部40cにより一体に連設されている(図5A、図5B参照)。また、第1の屈曲部40aの他端は、第1の連結部41の先端から下方に垂設された垂設部40eに連結されており、第2の屈曲部40bの他端は、第2の連結部42の先端から上方に延設された延設部40fに連結されている。逆S字状の手摺本体部40は、この例では、車両の前後方向に延びる同一の平面内に配設されている。
【0028】
第1、第2の連結部41、42は、図5に示すように、上方から見たときに、互いに交差する向きに配設されており、手摺4は、平面視三角形状に構成されている。
【0029】
この場合においても、前記第1の実施例と同様に、手摺4の手摺本体部40に下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bが設けられるので、手摺本体部40を単なる手摺として使用するだけでなく、下凸状の第1の屈曲部40aに傘の柄や伝票等を引っ掛けたり、上凸状の第2の屈曲部40bにヘルメットを吊るしたりすることで、手摺本体部40を別の用途にも活用できるようになる。また、この場合には、手摺4が平面視三角形状に構成されているので、手摺全体の省スペース化が可能である。なお、手摺4の平面視形状としては、三角形以外の形状であってもよい。
【0030】
〔第3の実施例〕
前記第1、第2の実施例では、S字状または逆S字状の手摺本体部40が同一の平面内に配設された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
【0031】
図6Aおよび図6Bは、本発明の第3の実施例による手摺構造を示している。なお、これらの図において、前記第1、第2の実施例と同一符号は、同一または相等部分を示している。
【0032】
図6Aおよび図6Bに示すように、この第3の実施例では、第1の連結部41がフォークリフトのフロントピラー23の第1の面23aに連結されるとともに、第2の連結部42がフロントピラー23において第1の面23aと直交する第2の面23bに連結されている。すなわち、この場合には、手摺4の第1、第2の連結部41、42が矩形状のフロントピラー23の隣り合う各面23a、23bに連結されている。
【0033】
手摺本体部40の下凸状の第1の屈曲部40a、ジョイント部40jおよび垂設部40eは、車両の前後方向に延びる第1の平面内に配設されており、手摺本体部40の上凸状の第2の屈曲部40b、ジョイント部40jおよび延設部40fは、車両の幅方向に延びる第2の平面内に配設されている。これら第1、第2の平面は互いに直交している。
【0034】
この場合においても、前記第1、第2の実施例と同様に、手摺4の手摺本体部40に下凸状の第1の屈曲部40aおよび上凸状の第2の屈曲部40bが設けられるので、手摺本体部40を単なる手摺として使用するだけでなく、下凸状の第1の屈曲部40aに傘の柄や伝票等を引っ掛けたり、上凸状の第2の屈曲部40bにヘルメットを吊るしたりすることで、手摺本体部40を別の用途にも活用できるようになる。しかも、この場合には、手摺4が、フロントピラー23の外周面に沿って配設できるので、さらに省スペース化が可能である。
【0035】
なお、この第3の実施例においては、第1の連結部41が連結される第1の面23aと、第2の連結部42が連結される第2の面23bとは、必ずしも直交している必要はなく、単に鋭角でまたは鈍角で交差していてもよい。この場合でもあっても、手摺4を第1、第2の面23a、23bに沿って配設できるので、同様に省スペース化が可能である。
【0036】
〔他の適用例〕
前記各実施例では、本発明による手摺構造がフォークリフトに適用された例を示したが、本発明はフォークリフト以外の産業車両にも同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明は、フォークリフト等の産業車両に有用であり、とくに手摺構造に種々の用途が要求されるものに適している。
【符号の説明】
【0038】
1: フォークリフト(産業車両)
2: 車両本体
23: フロントピラー(支柱)
23a: 第1の面
23b: 第2の面
4: 手摺
40: 手摺本体部
40a: 第1の屈曲部
40b: 第2の屈曲部
41: 第1の連結部
42: 第2の連結部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】
【特許文献1】意匠登録第1225032号公報
【特許文献2】意匠登録第1225033号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業車両の手摺構造であって、
手摺本体部と、前記手摺本体部を当該産業車両の車両本体に連結するための連結部とを備え、
前記手摺本体部が、下凸状の第1の屈曲部および上凸状の第2の屈曲部を一体に連設して構成されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1および第2の屈曲部が同一の平面内に配設されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項3】
請求項1において、
当該手摺構造が、平面視三角形状に構成されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項4】
請求項1において、
前記手摺本体部が、S字状または逆S字状に構成されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項5】
請求項1において、
前記第1の屈曲部が第1の平面内に配設され、前記第2の屈曲部が、前記第1の平面と交差する第2の平面内に配設されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1の屈曲部が第1の連結部を有し、前記第2の屈曲部が第2の連結部を有しており、前記第1の連結部が車両本体の支柱の第1の面に連結され、前記第2の連結部が前記支柱において前記第1の面と交差する第2の面に連結されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項7】
請求項1において、
当該産業車両がフォークリフトである、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項1】
産業車両の手摺構造であって、
手摺本体部と、前記手摺本体部を当該産業車両の車両本体に連結するための連結部とを備え、
前記手摺本体部が、下凸状の第1の屈曲部および上凸状の第2の屈曲部を一体に連設して構成されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1および第2の屈曲部が同一の平面内に配設されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項3】
請求項1において、
当該手摺構造が、平面視三角形状に構成されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項4】
請求項1において、
前記手摺本体部が、S字状または逆S字状に構成されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項5】
請求項1において、
前記第1の屈曲部が第1の平面内に配設され、前記第2の屈曲部が、前記第1の平面と交差する第2の平面内に配設されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1の屈曲部が第1の連結部を有し、前記第2の屈曲部が第2の連結部を有しており、前記第1の連結部が車両本体の支柱の第1の面に連結され、前記第2の連結部が前記支柱において前記第1の面と交差する第2の面に連結されている、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【請求項7】
請求項1において、
当該産業車両がフォークリフトである、
ことを特徴とする産業車両の手摺構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【公開番号】特開2012−210858(P2012−210858A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77207(P2011−77207)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】
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