説明

画像再生装置、画像再生方法及びプログラム

【課題】一の表示領域に表示される複数の画像に関連する各種の情報を視認し易い態様で表示する。
【解決手段】画像再生装置100であって、表示領域内に複数の画像が個別に表示される画像表示領域を複数設定する領域設定部8bと、複数の画像の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する位置決定部8cと、各画像が配置される位置が決定された画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる再生制御部8fと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像再生装置、画像再生方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サムネイル画像等の複数の画像を所定の行列状に配置して一覧表示する画像再生方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−229291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一覧表示されるサムネイル画像とともにそのファイル名を表示するものも知られているが、ファイル名以外の他の情報を確認するためには、その都度、画像の一枚毎の表示に切り換えなければならなかった。
ここで、サムネイル画像を一覧表示する場合、画像の一枚毎の表示と同様に、各画像に各種の情報を重畳させて表示すると、各サムネイル画像の表示領域が小面積であるために、各種の情報を表す文字も小さくなり見難くなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、一の表示領域に表示される複数の画像に関連する各種の情報を視認し易い態様で表示することができる画像再生装置、画像再生方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の画像再生装置は、
複数の画像を所定の表示領域に一覧形式で表示する画像再生装置であって、前記複数の画像を記録する記録手段と、この記録手段に記録された前記複数の画像を取得する取得手段と、前記表示領域内に前記複数の画像が個別に表示される画像表示領域を複数設定する設定手段と、前記複数の画像の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、前記複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する決定手段と、この決定手段により各画像が配置される位置が決定された前記画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の画像再生方法は、
複数の画像を記録する記録手段を備え、前記複数の画像を所定の表示領域に一覧形式で表示する画像再生装置を用いた画像再生方法であって、前記記録手段に記録された前記複数の画像を取得する処理と、前記表示領域内に前記複数の画像が個別に表示される画像表示領域を複数設定する処理と、前記複数の画像の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、前記複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する処理と、各画像が配置される位置が決定された前記画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる処理と、を含むことを特徴としている。
【0008】
また、本発明のプログラムは、
複数の画像を記録する記録手段を備え、前記複数の画像を所定の表示領域に一覧形式で表示する画像再生装置のコンピュータを、前記記録手段に記録された前記複数の画像を取得する取得手段、前記表示領域内に前記複数の画像が個別に表示される画像表示領域を複数設定する設定手段、前記複数の画像の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、前記複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する決定手段、この決定手段により各画像が配置される位置が決定された前記画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる制御手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一の表示領域に表示される複数の画像に関連する各種の情報を視認し易い態様で表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を適用した一実施形態の画像再生装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像再生装置による事前設定処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1の画像再生装置による画像表示処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図3の画像表示処理に係る画像の一例を示す図である。
【図5】図4の画像の一部分を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施形態の画像再生装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態の画像再生装置100は、複数の画像の各々の撮像時の構え方向(縦撮り又は横撮り)及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、これら複数の画像が個別に表示される複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する。そして、画像再生装置100は、各画像が配置される位置が決定された画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる。
具体的には、画像再生装置100は、例えば、卓上に設置されるデジタルフォトフレーム等であり、図1に示すように、中央制御部1と、操作入力部2と、メモリ3と、記録媒体制御部4と、画像処理部5と、設定部6と、表示部7と、表示制御部8とを備えている。
【0013】
中央制御部1は、画像再生装置100の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部1は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、画像再生装置100用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0014】
操作入力部2は、ユーザにより所定操作される操作部(図示略)を有し、当該操作部の所定操作に応じて所定の操作信号を中央制御部1に出力する。
操作部は、例えば、数値、文字等を入力するためのデータ入力キー、選択や送り操作等を行うための上下左右移動キー、各種機能の実行を指示するための機能キー等によって構成されている。
なお、操作入力部2は、表示部7の表示パネルと一体となって設けられたタッチパネル(図示略)を有し、ユーザによる当該タッチパネルの所定操作に基づいて、数値や文字等の入力、データの選択や送り操作等を行うようにしても良い。
【0015】
メモリ3は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、各種のデータ等を一時保存するバッファメモリや、中央制御部1のCPUの作業領域となるワーキングメモリや、当該画像再生装置100の機能に係る各種プログラムやデータを格納するプログラムメモリ(何れも図示略)等を備えている。
【0016】
記録媒体制御部4は、記録媒体(記録手段)Mが着脱自在に構成され、装着された記録媒体Mからのデータの読み出しや記録媒体Mに対するデータの書き込みを制御する。
即ち、記録媒体制御部4は、所定の符号化方式(例えば、JPEG形式、モーションJPEG形式、MPEG形式等)に従って符号化された静止画像の画像データや複数のフレーム画像からなる動画像の画像データを記録媒体Mから読み出して画像処理部5に転送する。
記録媒体Mは、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されるが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0017】
静止画像の画像データは、例えば、Exif(Exchangeable Image File Format)形式の画像ファイルから構成され、静止画像の実データに当該画像に関連する関連情報D(図5(a)等参照)がタグ情報として付帯されている。
関連情報Dとしては、例えば、当該画像を撮像した日時に係る撮像日時情報、当該画像を撮像した撮像装置の構え方向(例えば、縦撮り、横撮り等)、ISO感度、ホワイトバランス、フォーカス方式等に係る撮像条件情報、当該画像を撮像した際の撮像モードに係るモード情報、当該画像を撮像した位置に係る撮像位置情報、当該画像に対して施された被写体切り抜き処理やアート変換処理等の画像処理の内容に係る画像処理情報、当該画像の撮像後に入力されたコメントに係るコメント情報等が挙げられる。
なお、関連情報Dとして例示した各種の情報は、一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0018】
また、被写体切り抜き処理とは、所定の背景内に被写体が含まれる画像から被写体の存する領域を切り抜く処理であるが、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
また、アート変換処理とは、所定の画像の視覚的効果、即ち、表示部7に表示された状態における表示態様を変化させる処理のことである。
アート変換処理としては、例えば、パステル鉛筆で書いたような視覚的効果を有する画像に加工する「パステル風」や、シルクスクリーン印刷したような視覚的効果を有する画像に加工する「シルクスクリーン風」や、油彩絵の具で描いたような視覚的効果を有する画像に加工する「油彩画風」等が挙げられるが、一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
なお、各種の視覚的効果を有する画像に加工する技術は、例えば、公知の画像処理関連のソフトウェアを用いた処理と略同様の処理によって実現され、HSV色空間における色相、彩度、明度などを変更したり各種のフィルタを用いることで行われるが、公知の技術であるので、詳細な説明を省略する。また、「○○風」とは、公知の画像処理関連のソフトウェアによって実現可能なアート変換処理が施された視覚的効果のことを言う。
【0019】
なお、動画像の画像データも、上記の静止画像と同様に、動画像の実データに当該画像に関連する関連情報が付帯されている。また、動画像の画像データは、当該動画像を構成する何れか一のフレーム画像を代表画像として構成されていても良い。
【0020】
画像処理部5は、記録媒体制御部4により記録媒体Mから読み出された表示対象に係る静止画像や動画像の画像データを対応する所定の符号化方式(例えば、JPEG形式、モーションJPEG形式、MPEG形式等)に従って復号して、表示制御部8に出力する。このとき、画像処理部5は、記録媒体Mから読み出された画像データを、例えば、表示部7の表示解像度等に基づいて所定サイズ(例えば、VGAサイズ等)に縮小して表示制御部8に出力しても良い。
【0021】
設定部6は、画像表示処理(後述)に係る各種情報を設定する事前設定処理(後述)を行う。具体的には、設定部6は、数指定部6aと、画像指定部6bを具備している。
【0022】
数指定部6aは、表示部7の表示画面(表示領域)7aに一度に表示される縮小画像Prの数を指定する。
即ち、数指定部6aは、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、表示画面7aに一覧形式で表示される縮小画像Prの数を指定する。具体的には、ユーザによる所定操作に基づいてユーザ所望の画像数の指定に係る指示が操作入力部2から出力されて中央制御部1のCPUに入力されると、当該CPUは、ユーザ所望の画像数の指定に係る指示を数指定部6aに出力する。数指定部6aは、中央制御部1のCPUから出力され入力された指示に基づいて、ユーザ所望の画像数を表示画面7aに一度に表示される縮小画像Prの数として指定する。
なお、数指定部6aは、例えば、デフォルトとして設定されている縮小画像Prの数や前回指定済みの縮小画像Prの数を自動的に指定するようにしても良い。
ここで、数指定部6aは、表示画面7aに一度に表示される画像P(縮小画像Pr)の数を指定する第1指定手段を構成している。
【0023】
画像指定部6bは、表示対象に係る画像Pを複数指定する。
即ち、画像指定部6bは、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、表示画面7aに表示される縮小画像Prに対応する画像Pを複数指定する。具体的には、ユーザによる所定操作に基づいてユーザ所望の複数の画像P、…の指定に係る指示が操作入力部2から出力されて中央制御部1のCPUに入力されると、当該CPUは、ユーザ所望の複数の画像P、…の指定に係る指示を画像指定部6bに出力する。
ここで、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づく複数の画像P、…の指定作業は、例えば、複数の画像ファイルが格納された一のフォルダを指定することで行われても良いし、ユーザ所望の画像Pを逐一指定することで行われても良い。
画像指定部6bは、中央制御部1のCPUから出力され入力された指示に基づいて、表示画面7aに一覧表示される複数の縮小画像Pr、…に対応する複数の画像P、…を指定する。
なお、画像指定部6bは、例えば、デフォルトとして設定されている複数の画像P、…や前回指定済みの複数の画像P、…を自動的に指定するようにしても良い。
ここで、画像指定部6bは、表示画面7aに表示される複数の画像P、…(縮小画像Pr、…)を指定する第2指定手段を構成している。
【0024】
表示部7は、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどから構成されている。そして、表示部7は、表示制御部8の制御下にて、記録媒体Mに記録されている所定の画像を表示画面7aに表示する。
【0025】
表示制御部8は、所定の画像や各種の情報等を表示部7に表示させる制御を行う。
即ち、表示制御部8は、表示対象の画像の画像データを表示部7に出力することで、当該画像データを表示部7の表示画面7aに表示させる制御を行う。具体的には、表示制御部8は、表示対象の複数の縮小画像Pr、…を表示部7の表示画面(表示領域)7aに一覧形式で表示させる。
ここで、一覧形式とは、ユーザが一度に複数の縮小画像Pr、…を視認可能な形式のことであり、例えば、複数の縮小画像Pr、…が所定間隔(例えば、等間隔等)を空けて所定の行列状に配置された形式(図4参照)等が挙げられる。なお、図4に示す複数の縮小画像Pr、…の一覧形式の表示態様は、一例であってこれに限られるものではなく、ユーザが一度に複数の縮小画像Pr、…を視認可能な形式であれば適宜任意に変更可能である。
【0026】
また、表示制御部8は、画像取得部8aと、領域設定部8bと、位置決定部8cと、寸法算出部8dと、速度算出部8eと、再生制御部8fを具備している。
【0027】
画像取得部8aは、表示対象に係る画像Pを取得する。
即ち、画像取得部8aは、記録媒体Mに記録されている画像のうち、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて画像指定部6bにより指定された複数の画像P、…の画像データを、表示対象に係る画像Pとして取得する。具体的には、画像取得部8aは、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて画像指定部6bにより指定されることで、記録媒体制御部4により記録媒体Mから読み出され画像処理部5により復号された複数の画像P、…の所定サイズの画像データを取得する。
ここで、画像取得部8aは、記録媒体Mに記録されている複数の画像P、…を取得する取得手段を構成している。
【0028】
領域設定部8bは、表示部7の表示画面7a内に画像表示領域Aを複数設定する。
即ち、領域設定部8bは、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて数指定部6aにより指定された一度に表示される縮小画像Prの数に応じて、各縮小画像Prを個別に表示するための画像表示領域Aを表示画面7a内に所定数設定する。具体的には、領域設定部8bは、数指定部6aにより指定された一度に表示される縮小画像Prの数(例えば、10個等)に応じて、当該数の縮小画像Prの配置の態様(例えば、5行2列等;図4参照)を決定する。そして、領域設定部8bは、表示画面7aの表示解像度(縦方向及び横方向の画素数)に基づいて、当該縮小画像Prの配置で表示可能な略正方形状の画像表示領域Aの一辺の画素数を算出して、算出された寸法(一辺の画素数)の複数の画像表示領域A、…を表示画面7a内にて仮想的に設定する。
なお、表示画面7a及び画像表示領域Aの縦方向及び横方向とは、例えば、当該画像再生装置100を表示画面7aが図4に示すような横長の向きとなるように配置した状態にて、上下方向及び左右方向と略平行な方向のことを言う。
また、画像表示領域Aの形状は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
このように、領域設定部8bは、表示画面7a内に複数の縮小画像Pr、…が個別に表示される画像表示領域Aを複数設定する設定手段を構成している。
【0029】
位置決定部8cは、複数の画像表示領域A、…内にて、画像取得部8aにより取得された複数の画像P、…に対応する縮小画像Pr、…がそれぞれ配置される位置を決定する。
即ち、位置決定部8cは、複数の画像表示領域A、…の各々について、複数の画像P、…の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、複数の画像表示領域A、…内にて複数の縮小画像Pr、…がそれぞれ配置される位置を決定する。具体的には、位置決定部8cは、複数の画像表示領域A、…内に配置される各縮小画像Prについて、当該縮小画像Prの原画像である画像Pを撮像した撮像装置の構え方向(例えば、縦撮り、横撮り等)と縦横の各画素数の比率(アスペクト比;例えば、4:3、3:2、16:9等)を取得する。そして、位置決定部8cは、取得された画像Pの縦横の各画素数の比率と画像表示領域Aの縦横の画素数とに基づいて、当該画像Pの画像データを縦方向及び横方向に所定の比率で縮小して、当該画像表示領域A内にて表示可能な寸法の縮小画像Prの画像データを生成する。ここで、縮小画像Prの寸法は、画像表示領域A内で当該縮小画像Prを表示可能な最大の寸法であるのが好ましい。
そして、位置決定部8cは、取得済みの画像Pの撮像時の構え方向に基づいて、画像表示領域A内にて縮小画像Prが配置される位置を決定する。具体的には、位置決定部8cは、画像表示領域A内にて各画像Pの撮像時の構え方向(例えば、「縦撮り」等)に略直交する方向(例えば、横方向等)の一側に寄せるように当該画像Pの縮小画像Prが配置される位置を決定する。例えば、位置決定部8cは、画像Pの撮像時の構え方向が「縦撮り」の場合、画像表示領域Aの横方向の何れか一側(例えば、図4における左側)に寄せるように縮小画像Prが配置される位置を決定する(図4参照)。また、例えば、位置決定部8cは、画像Pの撮像時の構え方向が「横撮り」の場合、画像表示領域Aの縦方向の何れか一側(例えば、図4における上側)に寄せるように縮小画像Prが配置される位置を決定する。
なお、画像Pの縦方向及び横方向とは、表示画面7a及び画像表示領域Aと同様に、例えば、当該画像再生装置100を表示画面7aが図4に示すような向きとなるように配置した状態にて、上下方向及び左右方向と略平行な方向のことを言う。
【0030】
このように、位置決定部8cは、複数の画像P、…の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、複数の画像表示領域A、…内にて当該複数の画像P、…(縮小画像Pr、…)がそれぞれ配置される位置を決定する決定手段を構成している。
【0031】
寸法算出部8dは、複数の画像表示領域A、…の各々について、関連情報Dの表示サイズを算出する。
即ち、寸法算出部8dは、各画像表示領域Aの縮小画像Prが配置されない非配置領域Bの長手方向に略直交する短手方向の画素数に基づいて、当該非配置領域Bに表示される関連情報Dの表示サイズを算出する。具体的には、寸法算出部8dは、各画像表示領域A内の縮小画像Prに隣接する略矩形状の非配置領域Bを特定し、この非配置領域Bの短手方向(例えば、図5(a)等における横方向)の画素数を算出する。そして、寸法算出部8dは、当該非配置領域Bに配置される各縮小画像Prに係る関連情報D、特に、例えば、撮像日時、撮像条件、撮像モード、撮像位置、画像処理の内容、コメント等に係る文字列の表示サイズ(文字のフォントのサイズ)を算出する。
つまり、各画像表示領域Aに配置される縮小画像Pr(画像P)の縦横の各画素数の比率(アスペクト比)に応じて非配置領域Bの大きさ(面積)及び関連情報Dの表示サイズが変化することとなり、例えば、アスペクト比が4:3の場合には文字のフォントのサイズが「8」となり、アスペクト比が3:2の場合にはフォントのサイズが「10.5」となり、アスペクト比が16:9の場合にはフォントのサイズが「10」となる。
【0032】
このように、寸法算出部8dは、画像表示領域Aの非配置領域Bの長手方向に略直交する短手方向の画素数に基づいて、当該非配置領域Bに表示される関連情報Dの表示サイズを算出する第1算出手段を構成している。
【0033】
速度算出部8eは、関連情報Dに係る文字列をスクロール表示させる速度を算出する。
即ち、速度算出部8eは、関連情報Dの内容を表す文字列の文字数に基づいて、当該文字列をスクロール表示させる速度を算出する。具体的には、例えば、撮像日時、撮像条件、撮像モード、撮像位置、画像処理の内容、コメント等に係る文字列が関連情報Dの表示内容として設定された場合、速度算出部8eは、当該文字列の文字数を取得して、この文字数と所定の閾値とを比較判定する。そして、速度算出部8eは、当該判定結果に応じて、当該文字列をスクロール表示させる速度、即ち、例えば、文字列を構成する一の文字が単位時間あたり所定方向に移動する画素数を算出する。
例えば、速度算出部8eは、文字列の文字数が所定の閾値よりも多い場合には、当該文字列をスクロール表示させる速度が基準速度に対して相対的に高速となるような速度を算出し、一方、文字列の文字数が所定の閾値以下の場合には、文字列をスクロール表示させる速度が基準速度に対して相対的に低速となるような速度を算出する。
なお、スクロール表示とは、所定の文字列を構成する全ての文字を、所定の文字数(例えば、5文字等)ずつ所定の一方向に移動させるような表示のことを言う(図5(a)〜図5(c)参照)。このとき、スクロール表示は、全ての文字を繰り返し循環させるような表示であっても良いし、全ての文字を表示後に所定位置で停止させるような表示であっても良い。
【0034】
このように、速度算出部8eは、関連情報Dに係る文字列の文字数に基づいて当該文字列をスクロール表示させる速度を算出する第2算出手段を構成している。
【0035】
再生制御部8fは、画像表示領域Aの非配置領域Bに、その長手方向に沿って関連情報Dを表示させる。
即ち、再生制御部8fは、位置決定部8cにより各縮小画像Prが配置される位置が決定された画像表示領域Aの略矩形状の非配置領域Bに、その長手方向に沿って当該縮小画像Prに関連する関連情報Dを表示させる。具体的には、再生制御部8fは、複数の画像表示領域A、…に表示されている縮小画像Prのうち、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて選択された一の縮小画像Prに係る画像表示領域Aの非配置領域Bにて、その長手方向に沿って関連情報Dをスクロール表示させる。
このとき、再生制御部8fは、寸法算出部8dにより算出された表示サイズ(例えば、フォントのサイズが「8」等)で関連情報Dに係る文字列を非配置領域Bに表示させても良い。また、再生制御部8fは、速度算出部8eにより算出された速度(例えば、「低速」等)で文字列をスクロール表示させても良い。
なお、関連情報Dに係る文字列の向きは、縦方向にスクロール表示する場合には縦書きとし、横方向にスクロール表示する場合には横書きとするのが好ましいが、日付情報や撮像条件等の数字や英字からなる関連情報Dを縦方向にスクロール表示する場合には読み易さを考慮して横書きのままとしても良い。
このように、再生制御部8fは、位置決定部8cにより各縮小画像Prが配置される位置が決定された画像表示領域Aの当該縮小画像Prが配置されない非配置領域Bに、その長手方向に沿って当該縮小画像Prに関連する関連情報Dを表示させる制御手段を構成している。
【0036】
また、再生制御部8fは、関連情報Dに含まれる画像処理情報に基づいて、画像処理の内容に対応する表示態様で関連情報Dを表示させても良い。
即ち、画像表示領域Aに表示される縮小画像Prの原画像に対して、例えば、画像処理としてアート変換処理が施されている場合には、再生制御部8fは、関連情報Dに係る文字列に対して同一のアート変換処理(例えば、「パステル風」等)を連想させるような視覚的効果を有する処理を施す。これにより、再生制御部8fは、アート変換処理(例えば、「パステル風」等)に対応する表示態様で関連情報Dを非配置領域Bに表示させる。具体的には、再生制御部8fは、例えば、関連情報Dに係る文字列を、画像処理としてのアート変換処理(例えば、「パステル風」等)の内容に対応するフォント(例えば、「丸文字」等)や色(例えば、「パステル風の色」等)で表示させる。
【0037】
同様に、再生制御部8fは、関連情報Dに含まれる画像処理情報に基づいて、画像処理の内容に対応する表示態様で非配置領域Bにおける関連情報Dの背景領域を表示させても良い。
即ち、上記と同様に、画像表示領域Aに表示される縮小画像Prの原画像に対して、例えば、画像処理としてアート変換処理が施されている場合には、再生制御部8fは、非配置領域Bにおける関連情報Dの背景領域に対して同一のアート変換処理(例えば、「パステル風」等)を連想させるような視覚的効果を有する処理を施す。
具体的には、再生制御部8fは、例えば、非配置領域Bの背景色として、画像処理としてのアート変換処理(例えば、「パステル風」等)の内容に対応する色(例えば、「パステル風の色」等)を指定して表示させる。また、再生制御部8fは、例えば、非配置領域Bの背景領域に、画像処理としてのアート変換処理(例えば、「パステル風」等)の内容に対応する画像、例えば、同一のアート変換処理が施された画像を記録媒体Mから取得して表示させる。
なお、再生制御部8fは、非配置領域Bにおける背景領域に加えて、画像表示領域Aの縮小画像Prの背景部分、即ち、画像表示領域Aにおける縮小画像Prの周囲に存する非配置領域B以外の3つの縁部分の表示態様を画像処理の内容に対応するものとしても良い。
【0038】
次に、画像再生装置100による事前設定処理について、図2を参照して説明する。
図2は、事前設定処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0039】
以下の事前設定処理は、画像表示処理に係る各種情報を設定する処理であり、画像表示処理に先だって所定のタイミングで行われる。即ち、事前設定処理は、ユーザによる操作入力部2の上下左右移動キーや各種機能キー等の所定操作に基づいて、複数の動作モードの中から事前設定処理モードが選択指示された場合に実行される。
【0040】
図2に示すように、先ず、設定部6の数指定部6aは、表示部7の表示画面7aに一覧形式で表示される画像P(縮小画像Pr)の数を指定する(ステップS1)。具体的には、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいてユーザ所望の画像数が指示されると、操作入力部2は当該指示を中央制御部1のCPUに出力する。当該CPUは、ユーザ所望の画像数の指定に係る指示を数指定部6aに出力し、数指定部6aは、ユーザ所望の画像数を表示部7の表示画面7aに一覧形式で表示される縮小画像Prの数として指定する。
【0041】
次に、設定部6の画像指定部6bは、表示対象の複数の画像P、…を指定する(ステップS2)。具体的には、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいてユーザ所望の複数の画像P、…が指示されると、操作入力部2は当該指示を中央制御部1のCPUに出力する。当該CPUは、ユーザ所望の複数の画像P、…の指定に係る指示を画像指定部6bに出力し、画像指定部6bは、表示画面7aに表示される複数の縮小画像Pr、…に対応する複数の画像P、…を指定する。
【0042】
次に、設定部6は、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、各画像P(縮小画像Pr)の関連情報Dとして表示される表示内容を設定する(ステップS3)。
ここで、関連情報Dの表示内容は、例えば、各縮小画像Pr毎に設定されても良いし、一覧形式で表示される複数の縮小画像Pr、…の全てに共通して設定されても良い。
【0043】
次に、設定部6は、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、再生制御部8fによりスクロール表示される関連情報Dの基準速度を設定する(ステップS4)。具体的には、設定部6は、例えば、「速め」、「普通」、「遅め」等の中からユーザにより選択された何れか一の速度を基準速度として設定する。
なお、「速め」は、「普通」に対して相対的に高速、一方、「遅め」は、「普通」に対して相対的に低速となっている。
【0044】
次に、中央制御部1のCPUは、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、事前設定処理の終了指示が入力されたか否かを判定する(ステップS5)。
ここで、終了指示が入力されていないと判定されると(ステップS5;NO)、設定部6は、処理をステップS1に戻し、それ以降の処理を逐次実行する。
一方、ステップS5にて、終了指示が入力されたと判定されると(ステップS5;YES)、中央制御部1のCPUは、設定部6による事前設定処理を終了させる。
【0045】
なお、上記の事前設定処理における、縮小画像Prの数の設定処理(ステップS1)、複数の画像P、…の設定処理(ステップS2)、関連情報Dの表示内容の設定処理(ステップS3)、スクロール表示の基準速度の設定処理(ステップS4)の順序は一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
また、ステップS4におけるスクロール表示の基準速度の設定処理の終了後、当該事前設定処理を終了させて、自動的に画像表示処理を実行させるような構成としても良い。
【0046】
次に、画像再生装置100による画像表示処理について、図3〜図5を参照して説明する。
図3は、画像表示処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。また、図5は、画像表示処理に係る縮小画像Prの一例を示す図である。また、図5(a)〜図5(c)は、図4の縮小画像Prの一部分を拡大して示す図であり、関連情報Dが図5(a)の状態から、図5(b)の状態を経て、図5(c)の状態となるようにスクロール表示する。
【0047】
以下の画像表示処理は、ユーザによる操作入力部2の上下左右移動キーや各種機能キー等の所定操作に基づいて、複数の動作モードの中から画像表示モードが選択指示された場合に実行される。
【0048】
図3に示すように、先ず、表示制御部8の領域設定部8bは、設定部6の数指定部6aにより指定済みの一覧形式で表示される縮小画像Prの数(例えば、10個等)を読み出して取得する(ステップS11)。
続けて、領域設定部8bは、当該一覧形式で表示される縮小画像Prの数に応じて、当該数の縮小画像Prの配置の態様(例えば、5行2列等;図4参照)を決定した後、各縮小画像Prに対応する略正方形状の画像表示領域Aを表示画面7a内に設定する(ステップS12)。具体的には、領域設定部8bは、表示画面7aの表示解像度に基づいて、当該縮小画像Prの配置で表示可能な略正方形状の画像表示領域Aの一辺の画素数を算出して、当該画素数を一辺の画素数とする複数の画像表示領域A、…を表示画面7a内にて仮想的に設定する。
【0049】
次に、画像取得部8aは、設定部6の画像指定部6bにより指定済みの全ての画像Pについて、記録媒体制御部4による記録媒体Mからの読み出しが終了したか否かを判定する(ステップS13)。
ここで、全ての画像Pの読み出しが終了していないと判定されると(ステップS13;NO)、記録媒体制御部4は、未だ読み出されていない何れか一の画像Pの画像データを記録媒体Mから読み出し、画像取得部8aは、記録媒体Mから読み出され画像処理部5により復号された画像Pの所定サイズの画像データを取得する(ステップS14)。
【0050】
次に、位置決定部8cは、画像取得部8aにより取得された画像Pの縦横の各画素数の比率(アスペクト比)を取得して、当該縦横の各画素数の比率と画像表示領域Aの縦横の画素数とに基づいて、当該画像Pの画像データを縦方向及び横方向に所定の比率で縮小して、当該画像表示領域A内にて表示可能な寸法の縮小画像Prの画像データを生成する(ステップS15)。
続けて、位置決定部8cは、処理対象の画像Pにタグ情報として付帯されている各種の関連情報Dの中に、設定部6により表示内容として設定済みの関連情報Dがあるか否かを判定する(ステップS16)。
ここで、表示内容として設定済みの関連情報Dがないと判定されると(ステップS16;NO)、表示制御部8は、処理をステップS13に戻し、それ以降の処理を逐次実行する。
一方、ステップS16にて、表示内容として設定済みの関連情報Dがあると判定されると(ステップS16;NO)、位置決定部8cは、処理対象の画像Pを撮像した撮像装置の撮像時の構え方向を取得して、当該撮像時の構え方向に基づいて、画像表示領域A内にて縮小画像Prが配置される位置を決定する(ステップS17)。
【0051】
次に、寸法算出部8dは、各画像表示領域A内に配置された縮小画像Prに隣接し、当該縮小画像Prが配置されない略矩形状の非配置領域Bを特定する(ステップS18)。続けて、寸法算出部8dは、特定された非配置領域Bの短手方向の画素数を算出した後、当該非配置領域Bに配置される関連情報D、即ち、表示内容として設定済みの関連情報D(例えば、コメント等)に係る文字列の表示サイズを算出する(ステップS19)。
【0052】
続けて、表示制御部8は、処理対象の画像Pにタグ情報として付帯され、表示内容として設定済みの関連情報Dを取得した後(ステップS20)、速度算出部8eは、当該関連情報Dに係る文字列の文字数に基づいて、当該文字列をスクロール表示させる速度を算出する(ステップS21)。具体的には、速度算出部8eは、文字列の文字数と所定の閾値との比較判定の結果に基づいて、設定部6により設定済みのスクロール表示の基準速度を基準として、当該文字列をスクロール表示させる際の速度を算出する。
【0053】
次に、再生制御部8fは、表示内容として設定済みの関連情報Dに、各種の画像処理の内容に係る画像処理情報が含まれているか否かを判定する(ステップS22)。
ここで、画像処理情報が含まれていないと判定されると(ステップS22;NO)、表示制御部8は、処理をステップS13に戻し、それ以降の処理を逐次実行する。
【0054】
一方、ステップS22にて、画像処理情報が含まれていると判定されると(ステップS22;YES)、再生制御部8fは、画像処理の内容に対応する関連情報Dの表示態様を決定する(ステップS23)。具体的には、再生制御部8fは、処理対象の画像Pに施されている画像処理(例えば、アート変換処理等)を連想させるような視覚的効果を、関連情報Dに係る文字列(例えば、文字のフォントの種類や色等)の表示態様として決定する。
続けて、再生制御部8fは、画像処理の内容に対応する非配置領域Bにおける関連情報Dの背景領域の表示態様を決定する(ステップS24)。具体的には、再生制御部8fは、処理対象の画像Pに施されている画像処理を連想させるような視覚的効果を、非配置領域Bにおける関連情報Dの背景領域(例えば、色や背景画像等)の表示態様として決定する。
その後、表示制御部8は、処理をステップS13に戻し、それ以降の処理を逐次実行する。
【0055】
そして、ステップS13にて、全ての画像Pの読み出しが終了したと判定されると(ステップS13;YES)、再生制御部8fは、表示部7の表示画面7a内に、複数の縮小画像Pr及び関連情報Dを一覧形式で表示させる(ステップS25;図4参照)。具体的には、再生制御部8fは、複数の画像表示領域A、…の各々の所定位置に複数の縮小画像Prをそれぞれ配置させるとともに、各画像表示領域Aの略矩形状の非配置領域Bに、その長手方向に沿って関連情報Dを配置させる。
このとき、再生制御部8fは、ステップS19にて寸法算出部8dにより算出された表示サイズで関連情報Dに係る文字列を非配置領域Bに表示させる。また、再生制御部8fは、関連情報Dの表示態様がステップS23にて決定された表示態様となるように、縮小画像Prと同一の画像処理を連想させるような視覚的効果を有する処理を当該関連情報Dに係る文字列に施して非配置領域Bに表示させる。さらに、再生制御部8fは、非配置領域Bにおける関連情報Dの背景領域の表示態様がステップS24にて決定された表示態様となるように、縮小画像Prと同一の画像処理を連想させるような視覚的効果を有する処理を背景領域に施して非配置領域Bに表示させる。
【0056】
その後、再生制御部8fは、ユーザにより指定された縮小画像Prと関連付けられている関連情報Dに係る文字列を非配置領域Bの長手方向に沿ってスクロール表示させる(ステップS26)。具体的には、表示画面7aに表示されている複数の縮小画像Prの中で、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて何れか一の縮小画像Prが指定されると、再生制御部8fは、当該縮小画像Prに係る画像表示領域Aの縁部をハイライト表示させるとともに(図4参照)、画像表示領域Aの非配置領域Bにて、その長手方向に沿って関連情報Dに係る文字列をスクロール表示させる(図5(a)〜図5(c)参照)。
このとき、再生制御部8fは、ステップS21にて速度算出部8eにより算出された速度で関連情報Dに係る文字列をスクロール表示させる。
【0057】
次に、中央制御部1のCPUは、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、画像表示処理の終了指示が入力されたか否かを判定する(ステップS27)。
ここで、終了指示が入力されていないと判定されると(ステップS27;NO)、表示制御部8は、処理をステップS25に戻し、それ以降の処理を逐次実行する。
一方、ステップS27にて、終了指示が入力されたと判定されると(ステップS27;YES)、中央制御部1のCPUは、表示制御部8による画像表示処理を終了させる。
【0058】
以上のように、本実施形態の画像再生装置100によれば、複数の画像P、…の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、複数の画像表示領域A、…内にて当該複数の画像P、…(縮小画像Pr、…)がそれぞれ配置される位置を決定するので、各画像Pの互いに直交する二方向の各画素数の比率を考慮して、画像表示領域A内にて当該画像Pの縮小画像Prをより大きく表示可能な寸法を設定することができるとともに、各画像Pの撮像時の構え方向を考慮して、縮小画像Prの一側にて画像表示領域Aの余白領域(非配置領域B)を最大限の大きさで確保することができる。特に、略正方形状の画像表示領域A内にて各縮小画像Pr(画像P)の撮像時の構え方向に略直交する方向の一側に寄せるように当該縮小画像Prが配置される位置を決定することにより、非配置領域Bの寸法をより大きくすることができる。
そして、各縮小画像Prが配置される位置が決定された画像表示領域Aの当該縮小画像Prが配置されない非配置領域Bに、その長手方向に沿って当該縮小画像Pr(画像P)に関連する関連情報Dを表示させるので、画像表示領域A内にて表示される縮小画像Prの一側に最大限の大きさで確保された非配置領域Bに関連情報Dをより大きく表示することができ、各画像Pの一枚毎の表示に切り換えることなく、当該関連情報Dを視認させ易くすることができる。このとき、関連情報Dを非配置領域Bの長手方向に沿ってスクロール表示させることで、関連情報Dを構成する文字列の長手方向の長さが非配置領域Bの同方向の長さよりも長い場合であっても、非配置領域Bには一度に所定数の文字を表示すれば良いので、関連情報Dの表示サイズをより大きくすることができる。また、非配置領域Bの短手方向の画素数を基準とすることで、当該非配置領域Bに表示される関連情報Dの表示サイズの算出を適正に行うことができ、算出された表示サイズで関連情報Dを非配置領域Bに表示することができる。
従って、表示部7の一の表示画面7aに表示される複数の縮小画像Pr、…の一覧性を低下させることなく、限られた表示領域を有効に活用して各画像Pに関連する各種の関連情報Dを視認し易い態様で表示することができる。
【0059】
また、表示画面7aに一度に表示される縮小画像Prの数を任意に指定して、当該縮小画像Prの数に応じて画像表示領域Aを表示画面7a内に所定数設定することができるので、複数の縮小画像Pr、…の一覧表示の態様をユーザ所望の態様に変更することができる。
さらに、表示画面7aに表示される表示対象に係る複数の画像P、…を任意に指定して、当該複数の画像P、…を処理対象として取得することができるので、ユーザ所望の複数の画像P、…に対応する縮小画像Prを表示画面7aに表示させることができる。
【0060】
また、関連情報Dに係る文字列の文字数に基づいて当該文字列をスクロール表示させる速度を算出して、算出された速度で文字列をスクロール表示させることができるので、文字列が相対的に短い場合にはスクロール表示の速度を基準速度に対して相対的に低速にすることで、当該文字列を視認者に視認させ易くすることができ、その一方で、文字列が相対的に長い場合にはスクロール表示の速度を基準速度に対して相対的に高速にすることで、当該文字列のスクロール表示をより短い時間で行うことができる。
【0061】
さらに、関連情報Dに、当該関連情報Dに係る画像Pに対する画像処理の内容に関連する画像処理情報が含まれている場合に、当該画像処理の内容に対応する表示態様で関連情報Dを表示させることで、視認者が関連情報Dを視認するだけで、当該関連情報Dと関連する画像Pに対して施されている画像処理の内容を視認者に把握させることができる。
同様に、画像処理の内容に対応する表示態様で画像表示領域Aの非配置領域Bにおける関連情報Dの背景領域を表示させることで、視認者が背景領域を視認するだけで、当該画像表示領域Aに表示されている縮小画像Prの原画像である画像Pに対して施されている画像処理の内容を視認者に把握させることができる。
【0062】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態にあっては、必ずしも数指定部6aや画像指定部6bを備える必要はなく、当該数指定部6aや画像指定部6bを備えるか否かは適宜任意に変更可能である。即ち、表示画面7aに一覧形式で表示される縮小画像Prの数や表示対象に係る複数の縮小画像Prは、予めデフォルトとして設定されていても良い。
【0063】
また、上記実施形態にあっては、記録媒体Mから表示対象となる所定の画像Pを取得するようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、所定の画像Pの取得方法は適宜任意に変更可能である。即ち、例えば、当該画像再生装置100と外部の情報通信機器とが所定の通信回線を介して情報通信可能に接続された状態で、当該情報通信機器から送信された所定の画像Pの画像データを受信して、当該画像データを取得するようにしても良い。
【0064】
さらに、画像再生装置100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではなく、適宜任意に変更することができる。
また、制御手段として、表示部7を制御する表示制御部8を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、画像P(縮小画像Pr)を表示する表示装置(図示略)と情報通信可能に接続して、当該表示装置に対して画像Pや関連情報Dのデータを出力して当該画像Pや関連情報Dを表示可能なものや、スクリーンや壁面(図示略)等に対して画像Pや関連情報Dのデータを投影して当該画像Pや関連情報Dを表示可能なものであれば如何なる構成であっても良い。
【0065】
加えて、上記実施形態にあっては、中央制御部1の制御下にて、表示制御部8の画像取得部8a、領域設定部8b、位置決定部8c、再生制御部8fが駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、中央制御部1のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリに、取得処理ルーチン、設定処理ルーチン、決定処理ルーチン、制御処理ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、取得処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、記録手段に記録された複数の画像P、…を取得する取得手段として機能させても良い。また、設定処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、表示領域内に複数の画像P、…が個別に表示される画像表示領域Aを複数設定する設定手段として機能させても良い。また、決定処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、複数の画像P、…の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、複数の画像表示領域A、…内にて当該複数の画像P、…がそれぞれ配置される位置を決定する決定手段として機能させても良い。また、制御処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、決定手段により各画像Pが配置される位置が決定された画像表示領域Aの当該画像Pが配置されない非配置領域Bに、その長手方向に沿って当該画像Pに関連する関連情報Dを表示させる制御手段として機能させても良い。
【0066】
同様に、第1算出手段、第1指定手段、第2指定手段、第2算出手段についても、中央制御部1のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
【0067】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
複数の画像を所定の表示領域に一覧形式で表示する画像再生装置であって、
前記複数の画像を記録する記録手段と、
この記録手段に記録された前記複数の画像を取得する取得手段と、
前記表示領域内に前記複数の画像が個別に表示される画像表示領域を複数設定する設定手段と、
前記複数の画像の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、前記複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する決定手段と、
この決定手段により各画像が配置される位置が決定された前記画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像再生装置。
<請求項2>
前記制御手段は、更に、
前記非配置領域に、その長手方向に沿って前記関連情報をスクロール表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
<請求項3>
前記非配置領域の長手方向に略直交する短手方向の画素数に基づいて、当該非配置領域に表示される前記関連情報の表示サイズを算出する第1算出手段を更に備え、
前記制御手段は、
前記第1算出手段により算出された表示サイズで前記関連情報を前記非配置領域に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像再生装置。
<請求項4>
前記表示領域に一度に表示される画像の数を指定する第1指定手段を更に備え、
前記設定手段は、
前記第1指定手段により指定された画像の数に応じて、所定数の前記画像表示領域を前記表示領域内に設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像再生装置。
<請求項5>
前記画像表示領域は、略正方形状の領域であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像再生装置。
<請求項6>
前記決定手段は、更に、
前記画像表示領域内にて各画像の撮像時の構え方向に略直交する方向の一側に寄せるように当該画像が配置される位置を決定することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像再生装置。
<請求項7>
前記関連情報は、当該関連情報に係る画像に対する画像処理の内容に関連する画像処理情報を含み、
前記制御手段は、
前記画像処理情報に基づいて、前記画像処理の内容に対応する表示態様で前記関連情報を表示させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像再生装置。
<請求項8>
前記制御手段は、更に、
前記画像処理情報に基づいて、前記画像処理の内容に対応する表示態様で前記非配置領域における前記関連情報の背景領域を表示させることを特徴とする請求項7に記載の画像再生装置。
<請求項9>
前記表示領域に表示される複数の画像を指定する第2指定手段を更に備え、
前記取得手段は、
前記第2指定手段により指定された前記複数の画像を取得することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の画像再生装置。
<請求項10>
前記関連情報に係る文字列の文字数に基づいて当該文字列をスクロール表示させる速度を算出する第2算出手段を更に備え、
前記制御手段は、
前記第2算出手段により算出された速度で前記文字列をスクロール表示させることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の画像再生装置。
<請求項11>
複数の画像を記録する記録手段を備え、前記複数の画像を所定の表示領域に一覧形式で表示する画像再生装置を用いた画像再生方法であって、
前記記録手段に記録された前記複数の画像を取得する処理と、
前記表示領域内に前記複数の画像が個別に表示される画像表示領域を複数設定する処理と、
前記複数の画像の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、前記複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する処理と、
各画像が配置される位置が決定された前記画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる処理と、
を含むことを特徴とする画像再生方法。
<請求項12>
複数の画像を記録する記録手段を備え、前記複数の画像を所定の表示領域に一覧形式で表示する画像再生装置のコンピュータを、
前記記録手段に記録された前記複数の画像を取得する取得手段、
前記表示領域内に前記複数の画像が個別に表示される画像表示領域を複数設定する設定手段、
前記複数の画像の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、前記複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する決定手段、
この決定手段により各画像が配置される位置が決定された前記画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0069】
100 画像再生装置
1 中央制御部
6 設定部
6a 数指定部
6b 画像指定部
7 表示部
8 表示制御部
8a 画像取得部
8b 領域設定部
8c 位置決定部
8d 寸法算出部
8e 速度算出部
8f 再生制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を所定の表示領域に一覧形式で表示する画像再生装置であって、
前記複数の画像を記録する記録手段と、
この記録手段に記録された前記複数の画像を取得する取得手段と、
前記表示領域内に前記複数の画像が個別に表示される画像表示領域を複数設定する設定手段と、
前記複数の画像の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、前記複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する決定手段と、
この決定手段により各画像が配置される位置が決定された前記画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
前記制御手段は、更に、
前記非配置領域に、その長手方向に沿って前記関連情報をスクロール表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項3】
前記非配置領域の長手方向に略直交する短手方向の画素数に基づいて、当該非配置領域に表示される前記関連情報の表示サイズを算出する第1算出手段を更に備え、
前記制御手段は、
前記第1算出手段により算出された表示サイズで前記関連情報を前記非配置領域に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記表示領域に一度に表示される画像の数を指定する第1指定手段を更に備え、
前記設定手段は、
前記第1指定手段により指定された画像の数に応じて、所定数の前記画像表示領域を前記表示領域内に設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像再生装置。
【請求項5】
前記画像表示領域は、略正方形状の領域であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像再生装置。
【請求項6】
前記決定手段は、更に、
前記画像表示領域内にて各画像の撮像時の構え方向に略直交する方向の一側に寄せるように当該画像が配置される位置を決定することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像再生装置。
【請求項7】
前記関連情報は、当該関連情報に係る画像に対する画像処理の内容に関連する画像処理情報を含み、
前記制御手段は、
前記画像処理情報に基づいて、前記画像処理の内容に対応する表示態様で前記関連情報を表示させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像再生装置。
【請求項8】
前記制御手段は、更に、
前記画像処理情報に基づいて、前記画像処理の内容に対応する表示態様で前記非配置領域における前記関連情報の背景領域を表示させることを特徴とする請求項7に記載の画像再生装置。
【請求項9】
前記表示領域に表示される複数の画像を指定する第2指定手段を更に備え、
前記取得手段は、
前記第2指定手段により指定された前記複数の画像を取得することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の画像再生装置。
【請求項10】
前記関連情報に係る文字列の文字数に基づいて当該文字列をスクロール表示させる速度を算出する第2算出手段を更に備え、
前記制御手段は、
前記第2算出手段により算出された速度で前記文字列をスクロール表示させることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の画像再生装置。
【請求項11】
複数の画像を記録する記録手段を備え、前記複数の画像を所定の表示領域に一覧形式で表示する画像再生装置を用いた画像再生方法であって、
前記記録手段に記録された前記複数の画像を取得する処理と、
前記表示領域内に前記複数の画像が個別に表示される画像表示領域を複数設定する処理と、
前記複数の画像の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、前記複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する処理と、
各画像が配置される位置が決定された前記画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる処理と、
を含むことを特徴とする画像再生方法。
【請求項12】
複数の画像を記録する記録手段を備え、前記複数の画像を所定の表示領域に一覧形式で表示する画像再生装置のコンピュータを、
前記記録手段に記録された前記複数の画像を取得する取得手段、
前記表示領域内に前記複数の画像が個別に表示される画像表示領域を複数設定する設定手段、
前記複数の画像の各々の撮像時の構え方向及び互いに直交する二方向の各画素数の比率の少なくとも一方に基づいて、前記複数の画像表示領域内にて当該複数の画像がそれぞれ配置される位置を決定する決定手段、
この決定手段により各画像が配置される位置が決定された前記画像表示領域の当該画像が配置されない非配置領域に、その長手方向に沿って当該画像に関連する関連情報を表示させる制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−77936(P2013−77936A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215937(P2011−215937)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】