画像処理システム,画像処理プログラムおよびプリンタドライバ
【課題】付加情報の設定の自由度が大きい画像処理システム,画像処理プログラムおよびプリンタドライバを提供すること。
【解決手段】フィルタ6は,設定ファイル61から付加画像プログラム7の参照先を得る。付加画像プログラム7は,付加画像作成用のコマンドを指示するものである。そして,フィルタ6は,付加画像プログラム7を取得し,実行部62にて付加画像プログラム7を実行する。これにより,付加画像プログラム7によって指示された付加画像が得られる。そして,フィルタ6は,画像合成部63にて,この付加画像をアプリケーション5から受け渡されるメイン画像と合成して合成画像を作成する。作成された合成画像はプリンタドライバ8に出力される。
【解決手段】フィルタ6は,設定ファイル61から付加画像プログラム7の参照先を得る。付加画像プログラム7は,付加画像作成用のコマンドを指示するものである。そして,フィルタ6は,付加画像プログラム7を取得し,実行部62にて付加画像プログラム7を実行する。これにより,付加画像プログラム7によって指示された付加画像が得られる。そして,フィルタ6は,画像合成部63にて,この付加画像をアプリケーション5から受け渡されるメイン画像と合成して合成画像を作成する。作成された合成画像はプリンタドライバ8に出力される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,画像を出力する機能を有する画像処理システム,画像処理プログラムおよびプリンタドライバに関する。さらに詳細には,画像データに付加情報を付して出力する画像処理システム,画像処理プログラムおよびプリンタドライバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,アプリケーションから出力される画像データにページ番号や日時等の付加情報を付加した画像を出力する機能を有する画像処理システムがある。例えば,複合機(MFP)では,スキャナで読み取った画像データに付加情報を合成して印刷するものがある。また,ファクシミリ(FAX)通信では,画像データのほかに,送信元情報や送信日時を合成してFAX送信を行うものがある。付加情報は,ヘッダ,フッタ,あるいはウォータマークとして画像に付加される。
【0003】
画像データに付加情報を合成する技術としては,例えば特許文献1に,アプリケーションとプリンタドライバとの間に仮想ドライバを組み込み,この仮想ドライバにて,アプリケーションから送られてくるデータに機械可読符号を付加した印刷データをプリンタドライバに出力する印刷システムが開示されている。
【特許文献1】特開平11−184657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,前記した従来のシステムでは,次のような問題があった。すなわち,付加情報の設定は,ドライバないし仮想ドライバによって提供されるダイアログによって行われる。そのため,設定可能な付加情報は,ダイアログによって制約される。例えば,奇数ページと偶数ページとで付加情報を変えたい場合や複数種類(例えば,コンフィデンシャルマークと社名)のウォータマークを重ねて印字したい場合であっても,ドライバ等から提供されるダイアログ中にそのような項目がなければ設定できない。従って,必ずしもユーザが所望する付加情報とならない。
【0005】
本発明は,前記した従来の印刷システムが有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,付加情報の設定の自由度が大きい画像処理システム,画像処理プログラムおよびプリンタドライバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされた画像処理システムは,アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,プログラムを実行し,付加画像のデータを入手する画像入手手段と,アプリケーションから受け渡されるメイン画像と付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,合成手段が生成した合成画像を出力する出力手段とを備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の画像処理システムは,プログラム取得手段が付加画像のデータを生成するプログラムを取得する。ここでいう「付加画像」は,メイン画像に付加される付加情報(ユーザ名,日時等)の画像であって,ヘッダ/フッタやウォータマーク等の形式で付加される。また,ここでいう「プログラム」は,付加画像作成用のコマンドを指示するものであればよく,例えばコマンドが記述されたスクリプトファイルであってもよいし,コマンドが機械語に変換された実行ファイルであってもよい。プログラムは,所望の付加画像が得られるものを,ユーザがあらかじめ用意する。そして,本システムでは,画像入手手段によってプログラムが実行され,プログラムによって指示された付加画像が得られる。そして,合成手段によって,この付加画像をメイン画像と合成して合成画像を作成する。
【0008】
すなわち,本発明の画像処理システムでは,ユーザが用意したプログラムを実行することで付加画像のデータを得る。プログラムは,ユーザによって提供されるものであり,プログラムを変更することによりページごとの画像の内容や,表示する情報などを自由に設定できる。そのため,ドライバから提供される設定項目以上の機能が利用可能であり,付加画像の自由度が高い。そして,入手した付加画像のデータをメイン画像と合成して合成画像を作成する。これにより,ユーザの所望する画像が得られる。
【0009】
また,本発明の画像処理システムは,アプリケーションからの画像出力指示を契機に,プログラム取得手段がプログラムを取得し,出力手段は合成画像をプリンタドライバに出力するとよりよい。すなわち,本発明の画像処理システムは,アプリケーションからの画像出力指示を契機に合成画像を作成し,その合成画像をプリンタドライバに送る構成であることから,アプリケーションとプリンタドライバとの間に存在することになる。そのため,本発明の画像処理システムは,アプリケーションおよびプリンタドライバから独立した構成(例えばフィルタ)とすることができ,汎用性が高い。
【0010】
また,本発明の画像処理システムは,プログラムにて第1ページ数分の付加画像が指示され,アプリケーションから受け渡されるメイン画像が付加画像よりもページ数が多い第2ページ数であった場合に,第1ページ数よりも後のメイン画像について付加画像を繰り返し付加する機能を備えるとよりよい。すなわち,付加画像とメイン画像とのページ数が一致しない場合(第1ページ数<第2ページ数)に,付加画像を繰り返し付加する繰り返しモードが選択できることで,合成画像の作成の自由度が向上する。
【0011】
また,本発明は,アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,プログラムを実行し,付加画像のデータを入手する画像入手手段と,アプリケーションから受け渡されるメイン画像と付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,合成手段が生成した合成画像を基にプリンタで処理可能な画像データを作成する作成手段と,画像データを出力する出力手段とを備えることを特徴とするプリンタドライバを含んでいる。
【0012】
また,本発明は,コンピュータを,アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,プログラムを実行し,付加画像のデータを入手する画像入手手段と,アプリケーションから受け渡されるメイン画像と付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,合成手段が生成した合成画像を出力する出力手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラムを含んでいる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば,付加情報の設定の自由度が大きい画像処理システム,画像処理プログラムおよびプリンタドライバが実現している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下,本発明にかかる画像処理システム,画像処理プログラムおよびプログラムを具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,UNIX(登録商標)系のOSが組み込まれたPCによって,メイン画像と付加画像との合成画像を形成する画像処理システム,画像処理プログラムおよびプログラムに本発明を適用したものである。
【0015】
[システム構成]
本形態の画像処理システム100は,図1に示すように,PC10と,プリンタ20とを備えている。本システム100では,PC10とプリンタ20とがプリンタケーブル40を介して直接接続されている。なお,図1では,PC10にプリンタ20が直接接続されているが,ネットワーク等を介してプリンタ20以外の画像形成装置にも接続可能であり,PC10には多数のプリンタドライバが組み込まれている。
【0016】
具体的に,PC10は,図2に示すように,各種演算処理を実行するCPU11(プログラム取得手段,画像入手手段,画像合成手段の一例)と,当該PC10の起動時にCPU11が行う起動処理のプログラム(BIOS)等を記憶したROM12と,CPU11が各種処理を行う際に一時的な記憶領域として利用されるRAM13と,各種のプログラムやデータを記憶したハードディスクドライブ(HDD)14とを有している。HDD14には,OSや,プリンタ20を制御するプリンタドライバや,ワープロ,表計算ソフト等の各種のアプリケーション,印刷システム(CUPS),シェルが組み込まれている。
【0017】
また,PC10は,キーボードやマウス等からなる操作部15と,液晶ディスプレイ等からなる表示部16と,CD−ROMドライブ等の他の情報機器との間で信号のやりとりを行うシリアルポートインターフェース17と,LAN,インターネット等のネットワークを介して信号のやりとりを行うネットワークインターフェース18,プリンタとの間で信号のやりとりを行うプリンタポートインターフェース19とを有している。
【0018】
PC10では,ユーザがPC10を操作し,PC10に組み込まれたアプリケーションを利用して文書,図,表,あるいは写真等の画像データを編集することが可能である。そして,このアプリケーションは,ユーザの指示に従って,Postscript形式の印刷データをプリンタ20に送信し,プリンタ20によって画像を出力することが可能である。
【0019】
すなわち,PC10では,アプリケーションの印刷機能によって印刷ジョブデータがプリンタドライバに対して送られる。プリンタドライバは,アプリケーションからの印刷ジョブデータに応じ,文書データや画像データをプリンタ20で印刷するために必要な印刷データを作成する。プリンタドライバが作成した印刷データは,プリンタポートインターフェース19を経由してプリンタ20へと送信される。プリンタ20は,印刷データに基づいて,ユーザが選択した用紙にユーザの所望の画像を形成する。
【0020】
[PCのソフトウェア構成]
続いて,PC10に組み込まれているソフトウェアの構成について,図3のブロック図を参照しつつ説明する。PC10は,アプリケーションから出力される画像(以下,「メイン画像」とする)に,付加情報となる画像(以下,「付加画像」とする)を合成する機能を備えている。
【0021】
本形態のPC10は,図3に示すように,アプリケーション5と,プリンタドライバ8と,フィルタ6と,付加画像プログラム7とを有している。アプリケーション5は,メイン画像を作成し,メイン画像の印字要求を出力する。フィルタ6は,アプリケーション5の出力したPostscriptデータにより表されるメイン画像と,そのメイン画像に重ね合わせる付加画像とを合成した合成画像を作成し,その合成画像をプリンタドライバ8に出力する。プリンタドライバ8は,通常はアプリケーション5が出力するPostscriptデータをプリンタ20の実装するPDLに変換するものであるが,本形態にあってはフィルタ6から受け渡された合成画像を基に印刷データを作成してプリンタ20に送信するように作用する。
【0022】
付加画像プログラム7は,付加画像を作成するためのスクリプトあるいはコマンドを記録するものである。付加画像プログラム7は,スクリプトファイルや実行ファイル,コマンドあるいはコマンドをパイプで接続したファイル等によって提供される。この付加画像プログラム7は,ユーザによって,あらかじめ,所望の付加画像を規定するコマンドないしプログラムが用意される。すなわち,付加画像プログラム7は,ユーザが作成および編集可能なものである。また,この付加画像プログラム7は,それを実行することにより,付加画像を記述するPostscriptファイルを出力するように記述されたものである。
【0023】
付加画像プログラム7の具体例として,文章上部にログイン名と印刷時間とを付加する付加画像を作成する場合には,次のようなコマンドとなる。
echo $(whoami) $(date) | a2ps -o-
上記スクリプト中の"echo","whoami","a2ps"はすべてUNIXの汎用コマンドあるいは汎用プログラムである。また,「|」は,その左側に記述されるコマンドあるいはプログラムの出力を,その右側に記述されるコマンドあるいはプログラムに渡すための処理を行うものであり,OSに実装されるシェルにより処理される。
【0024】
スクリプトの内容はユーザのニーズによって作成される。このほかのコマンドの例としては,次のようなものがある。
・ヘッダにログイン名,日時,PC名を記録
echo $(whoami) $(date) $(uname -n) | a2ps -o-
・ヘッダに特定ファイルの文字列を記録
a2ps filename -o-
・フッタに日時を記録
echo | a2ps -o- --footer=$(date)
【0025】
また,処理を一行で記述できない場合は,その一連の処理をテキストファイルで記述して,そのテキストファイルに実行権限を与えることにより,スクリプトファイルにすることもできる。また,コマンドスクリプト以外にも,C言語などで作成された実行可能ファイルを付加画像プログラムとすることができる。
【0026】
また,付加画像プログラム7は,単一のページの画像を生成するものである必要はなく,同一あるいは別の画像による複数のページのPostscriptデータを生成するものであってもよい。
【0027】
フィルタ6は,アプリケーション5が出力するPostscriptにより表されるメイン画像と,付加画像プログラム7を実行することにより生成されるPostscriptが表す付加画像とを合成した合成画像を作成し,その合成画像をプリンタドライバ8に出力するものである。フィルタ6は,図3に示したように,制御部60(プログラム取得手段の一例)と,設定ファイル61と,実行部62(画像入手手段の一例)と,画像合成部63(合成手段の一例)とを有している。
【0028】
制御部60は,フィルタ6の動作を制御するものである。具体的には,アプリケーション5が印字要求を受けた際に,印刷システム(CUPS)によって起動され,アプリケーション5から受け渡されるメイン画像を表すPostscriptデータを受け付ける。アプリケーション5から受け取ったメイン画像を表すPostscriptデータは,画像合成部63に引き渡される。また,制御部60は,設定ファイル61を読み出し,その設定内容を記憶する。
【0029】
設定ファイル61には,フィルタ6の各種設定が記録されている。具体的に本形態では,付加画像プログラム7のファイル名および保存先と,付加画像の重ね位置情報と,各種モードの設定とが記録されている。本形態では,設定可能なモードとして,付加画像を繰り返し付加する「繰り返しモード」と,付加画像のサイズを調節する「用紙調節モード」とがある。各モードの詳細は後述する。また,設定ファイル61には,さらに前記付加画像プログラム7を指定する領域がある。ユーザは,その用途に応じて設定ファイル61の所望のコマンドあるいはスクリプトあるいはプログラムを指定可能である。
【0030】
実行部62は,付加画像プログラム7を実行し,付加画像を作成するものである。具体的に本形態では,UNIX(登録商標)系のOSの機能であるシェルによって付加画像プログラム7を起動する。作成した付加画像は,画像合成部63に引き渡す。
【0031】
画像合成部63は,制御部60を介してアプリケーション5から受け渡されるメイン画像と,実行部62が作成した付加画像とを合成した合成画像を作成するものである。合成画像を作成する際には,設定ファイル61に設定された各種モードの設定内容に従ってメイン画像と付加画像とが組み合わされる。
【0032】
フィルタ6は,アプリケーション5が印字要求を受けた際に,印刷システム(CUPS)により起動され,合成画像を作成し,その合成画像をプリンタドライバ8に送る構成であることから,ソフトウェア構成上,アプリケーション5とプリンタドライバ8との間に存在する。つまり,フィルタ6は,アプリケーション5およびプリンタドライバ8から独立している。また,本実施例により合成される付加画像は,ユーザが要求に応じてプログラム,あるいはコマンドを組み込むことにより,任意の規則により合成可能である。つまり,プリンタドライバに予めビルドインされ,ダイアログにより設定可能な規則においてのみ画像を合成可能な従来の装置に比べ,汎用性が高い。
【0033】
[画像処理システムの動作]
続いて,本形態の画像処理システム100の動作について説明する。本形態の画像処理システム100では,フィルタ6によってメイン画像に付加画像を合成した合成画像が作成される。以下,このフィルタ6の動作について,図4および図5のフローチャートを参照しつつ説明する。なお,アプリケーション5およびプリンタドライバ8の処理は,従来と同様である。
【0034】
[フィルタの動作]
フィルタ6は,図4に示すように,起動されるとまず,プリンタ記述ファイルであるPPD(PostScript Printer Description)ファイルを参照し,プリンタドライバ8に設定されているデフォルト設定(解像度,用紙サイズ,用紙種別等)を読み出す(S101)。
【0035】
次に,アプリケーション5からメイン画像を取得する(S102)。アプリケーション5からは,PostScriptによって記述されたベクタグラフィックの画像データが受け渡される。そこで,S102の処理にて取得したメイン画像をラスタグラフィック(ビットマップ)の画像データに変換する(S103)。
【0036】
次に,設定ファイル61を読み出し(S104),付加画像プログラム7の参照先および各種モード設定を取得する。そして,付加画像プログラム7を実行部62によって起動する(S105)。すなわち,付加画像プログラム7に記録されているスクリプトあるいはコマンドあるいはプログラムを読み出し,実行部62にデータを引き渡す。実行部62は,OSに付属されるシェルを呼び出して,このスクリプトあるいはコマンドあるいはプログラムを実行する。これにより,付加画像が作成される。このとき,付加画像はPostscriptの画像データとして作成される。このPostscriptの画像は,後述するS107あるいはS111においてラスタライズされる。
【0037】
次に,用紙調節モードが設定されているか否かを判断する(S106)。用紙調節モードは,付加画像をメイン画像のサイズに調節するか否かを決定するモードである。例えば,図6に示すように,メイン画像31と,メイン画像31よりもサイズが小さい付加画像32とを合成する場合,用紙調節モードと非用紙調節モードとでは作成される合成画像に次のような違いがある。まず,用紙調節モードであれば,付加画像32がメイン画像31のサイズに合わせて拡大される。すなわち,図7に示すように,付加画像32の用紙サイズが調節され,拡大された付加画像がメイン画像と重ね合わせられ,合成画像33aが作成される。一方,非用紙調節モードであれば,付加画像32のサイズは調節されない。そのため,図8に示すように,S105の処理にて作成された付加画像が標準サイズのままメイン画像31に重ね合わせられ,合成画像33bが作成される。なお,図8は,付加画像の重ね位置情報として,左上寄せが設定されている。
【0038】
用紙調節モードが設定されている場合には(S106:YES),付加画像のサイズをメイン画像のサイズに合わせて拡大ないし縮小し,その後の付加画像をラスタグラフィックの画像データに変換する(S107)。そして,付加画像の重ね位置情報を,メイン画像と同位置に設定する(S108)。
【0039】
一方,用紙調節モードが設定されていない,すなわち非用紙調節モードの場合には(S106:NO),標準サイズのままの付加画像をラスタグラフィックの画像データに変換する(S111)。その後,付加画像の重ね位置情報を取得する(S112)。重ね位置情報は,付加画像をメイン画像に重ね合わせる位置を設定するデータであり,例えば,右寄せ,左寄せ,上寄せ,下寄せ,中央寄せが設定される。
【0040】
S107の処理後あるいはS112の処理後は,図5のフローチャートのS201の処理に移行する。なお,図4のフローチャート中,ラスタライズされたメイン画像の取得処理(S102からS103)と,ラスタライズされた付加画像の取得処理(S104からS108,S111からS112)とはどちらを先に行ってもよい。また,同時に実行可能であれば,両処理を並行して行ってもよい。
【0041】
図5のフローチャートに移行し,ラスタライズされたメイン画像の1ページ目と付加画像の1ページ目とを合成し,当該合成画像のテンポラリファイルを作成する(S201)。次に,メイン画像に次のページが有るか否かを判断する(S202)。
【0042】
メイン画像に次のページが有る場合には(S202:YES),付加画像に次のページが有るか否かを判断する(S203)。付加画像に次のページが有る場合には(S203:YES),S201の処理に戻り,次ページのメイン画像と次ページの付加画像とを合成する。
【0043】
一方,付加画像に次のページがない場合には(S203:NO),繰り返しモードが設定されているか否かを判断する(S204)。繰り返しモードは,付加画像のページ数がメイン画像のページ数よりも小さい場合に,付加画像を繰り返し付加するか付加画像の最終ページ以降は付加画像を付加しないかを決定するモードである。例えば,図9に示すように,4枚のメイン画像311,312,313,314と,2枚の付加画像321,322とを合成する場合,繰り返しモードと非繰り返しモードとでは作成される合成画像に次のような違いがある。まず,繰り返しモードであれば,付加画像の最終ページの後,次のページからは再び最初のページの付加画像が付加される。すなわち,図10に示すように,メイン画像313には付加画像321が付加され,メイン画像314には付加画像322が付加される。一方,非繰り返しモードであれば,付加画像の最終ページの後,次のページからは付加画像が付加されない。すなわち,図11に示すように,メイン画像313,314には付加画像321が付加されない。
【0044】
繰り返しモードが設定されている場合には(S204:YES),付加画像を先頭ページに戻し(S205),S201の処理に戻り,次ページのメイン画像と先頭ページの付加画像とを合成する。すなわち,メイン画像がなくなるまでS201からS205までの処理を繰り返す。
【0045】
一方,繰り返しモードが設定されていない,すなわち非繰り返しモードの場合には(S204:NO),メイン画像の残りのページの画像データについてのテンポラリファイルを作成する(S211)。これにより,残りのページについては,何も合成していない画像のテンポラリファイルが作成される。
【0046】
メイン画像の次のページがない,すなわち繰り返しモードですべてのページの合成画像のテンポラリファイルが作成された場合(S202:NO),あるいはS211でメイン画像の残りのページのテンポラリファイルを作成した後,それらテンポラリファイルをPostscriptの画像データに変換し(S212),変換後の画像データをプリンタドライバ8に出力する(S213)。つまり,プリンタドライバ8が認識可能なフォーマットに変換した後,そのデータをプリンタドライバ8に受け渡す。S213の処理後,本処理を終了する。
【0047】
[応用例]
続いて,画像処理システム100の応用例について説明する。本応用例では,プリンタドライバが画像合成機能を有している形態について説明する。本応用例では,プリンタドライバが画像合成機能を有していることから,アプリケーションとプリンタドライバとの間にフィルタは不要である。この点,フィルタが画像合成機能を有する実施の形態とは異なる。
【0048】
[プリンタドライバの動作]
以下,応用例のプリンタドライバの動作について説明する。本応用例は,実施の形態のフィルタ5の機能がプリンタドライバに組み込まれたものであり,メイン画像の取得およびラスタ変換,付加画像の取得およびラスタ変換,すなわち図4のフローチャートの動作は実施の形態と同様であり,説明を省略する。
【0049】
応用例のプリンタドライバは,メイン画像の取得およびラスタ変換,付加画像の取得およびラスタ変換,図12のフローチャートに移行し,メイン画像と付加画像との合成画像を作成する(S221)。そして,その合成画像の画像データをPDLコードに変換する(S222)。これにより,合成画像の印刷データが作成される。
【0050】
次に,メイン画像に次のページが有るか否かを判断する(S202)。メイン画像に次のページが有る場合には(S202:YES),付加画像に次のページが有るか否かを判断する(S203)。付加画像に次のページが有る場合には(S203:YES),S221の処理に戻り,次ページのメイン画像と次ページの付加画像とを合成する。
【0051】
一方,付加画像に次のページがない場合には(S203:NO),繰り返しモードが設定されているか否かを判断する(S204)。繰り返しモードが設定されている場合には(S204:YES),付加画像を先頭ページに戻し(S205),S221の処理に戻る。
【0052】
一方,繰り返しモードが設定されていない,すなわち非繰り返しモードの場合には(S204:NO),メイン画像の残りのページの画像データについてPDLコードに変換する(S223)。これにより,残りのページについては,何も合成していない印刷データが作成される。
【0053】
メイン画像の次のページがない,すなわち繰り返しモードですべてのページの合成画像がPDLコード化された場合(S202:NO),あるいはS223でメイン画像の残りのページがPDLコード化された後,それらPDLコード化された印刷データをプリンタ20に出力する(S224)。S224の処理後,不要となったファイルなどを削除(図示せず)した後に,本処理を終了する。
【0054】
以上詳細に説明したように本形態の画像処理システム100では,制御部60にて付加画像作成用の付加画像プログラム7を取得し,実行部62にて当該付加画像プログラム7を実行する。これにより,ユーザが所望する付加画像が得られる。すなわち,付加画像プログラム7は,ユーザによって提供されるものであり,付加画像プログラム7を変更することによりページごとの画像の内容や,表示する情報などを自由に設定できる。また,同一プログラムを指定してもその印刷時の時刻やユーザ名などによって表示内容を変えることも,そのように付加画像プログラム7をユーザが組むことにより可能である。そのため,多様な機能が利用可能であり,付加画像の自由度が高い。そして,画像合成部63にて,入手した付加画像をアプリケーション5から受け渡されるメイン画像と合成して合成画像を作成する。これにより,最終的にユーザの所望する画像が得られる。
【0055】
また,実施の形態の画像処理システム100は,用紙調節モード,繰り返しモード等の各種の設定が可能であり,各モードの設定に従って合成画像が作成される。すなわち,付加画像について多様な付加方法を設定することができ,合成画像の作成の自由度が高い。
【0056】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,画像形成装置としてはプリンタに限るものではなく,FAX,複合機等であってもよい。また,印刷制御装置としてはPCに限るものではなく,ワークステーション,携帯情報端末装置等であってもよい。また,画像形成システムは,画像形成装置と印刷制御装置とが別体になっているシステムに限るものではなく,一体となっているものであってもよい。
【0057】
また,実施の形態のPC10には,UNIX(登録商標)系のOSが組み込まれているが,これに限るものではない。例えば,Windows (登録商標)系等,その他のOSであっても適用可能である。
【0058】
また,付加画像の切り換えは,付加画像プログラム7の内容を編集することで可能であるが,これに限るものではない。例えば,フィルタ6は,付加画像プログラム7を複数用意し,設定ファイル61による付加画像プログラム7の参照先を編集することで,付加画像を容易に切り換えることができる。
【0059】
また,本実施の形態では,付加画像プログラム7を設定ファイル61にて指定するように構成しているが,プリンタドライバ8の設定ダイアログにてその付加画像プログラム7のコマンドやスクリプトファイル名をユーザに入力されるようにしてもよい。
【0060】
また,本実施の形態では,S105の処理において一括して全ページの付加画像を取得・ラスタライズしているが,S201の処理の直前で1ページごとに対象ページの画像を取り出すようにしてもよい。また,メイン画像においてもS103の処理において一括してラスタライズしているが,この場合もS201の処理の直前で1ページごとに行ってもよい。そのようにすることにより,テンポラリファイルの容量を大幅に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施の形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る画像処理システムを構成するPCの詳細を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る画像処理システムを構成するPCのソフト構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係るフィルタの動作を示すフローチャート(開始から付加画像作成まで)である。
【図5】実施の形態に係るフィルタの動作を示すフローチャート(合成画像作成から終了まで)である。
【図6】メイン画像と付加画像の一例(その1)を示す図である。
【図7】図6に示した画像を基に用紙調節モードで合成画像を作成したときのイメージを示す図である。
【図8】図6に示した画像を基に非用紙調節モードで合成画像を作成したときのイメージを示す図である。
【図9】メイン画像と付加画像の一例(その2)を示す図である。
【図10】図9に示した画像を基に繰り返しモードで合成画像を作成したときのイメージを示す図である。
【図11】図9に示した画像を基に非繰り返しモードで合成画像を作成したときのイメージを示す図である。
【図12】応用例に係るフィルタの動作を示すフローチャート(合成画像作成から終了まで)である。
【符号の説明】
【0062】
5 アプリケーション
6 フィルタ
7 付加画像プログラム
8 プリンタドライバ
10 PC
20 プリンタ
60 制御部
61 設定ファイル
62 実行部
63 画像合成部
100 画像処理システム
【技術分野】
【0001】
本発明は,画像を出力する機能を有する画像処理システム,画像処理プログラムおよびプリンタドライバに関する。さらに詳細には,画像データに付加情報を付して出力する画像処理システム,画像処理プログラムおよびプリンタドライバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,アプリケーションから出力される画像データにページ番号や日時等の付加情報を付加した画像を出力する機能を有する画像処理システムがある。例えば,複合機(MFP)では,スキャナで読み取った画像データに付加情報を合成して印刷するものがある。また,ファクシミリ(FAX)通信では,画像データのほかに,送信元情報や送信日時を合成してFAX送信を行うものがある。付加情報は,ヘッダ,フッタ,あるいはウォータマークとして画像に付加される。
【0003】
画像データに付加情報を合成する技術としては,例えば特許文献1に,アプリケーションとプリンタドライバとの間に仮想ドライバを組み込み,この仮想ドライバにて,アプリケーションから送られてくるデータに機械可読符号を付加した印刷データをプリンタドライバに出力する印刷システムが開示されている。
【特許文献1】特開平11−184657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,前記した従来のシステムでは,次のような問題があった。すなわち,付加情報の設定は,ドライバないし仮想ドライバによって提供されるダイアログによって行われる。そのため,設定可能な付加情報は,ダイアログによって制約される。例えば,奇数ページと偶数ページとで付加情報を変えたい場合や複数種類(例えば,コンフィデンシャルマークと社名)のウォータマークを重ねて印字したい場合であっても,ドライバ等から提供されるダイアログ中にそのような項目がなければ設定できない。従って,必ずしもユーザが所望する付加情報とならない。
【0005】
本発明は,前記した従来の印刷システムが有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,付加情報の設定の自由度が大きい画像処理システム,画像処理プログラムおよびプリンタドライバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされた画像処理システムは,アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,プログラムを実行し,付加画像のデータを入手する画像入手手段と,アプリケーションから受け渡されるメイン画像と付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,合成手段が生成した合成画像を出力する出力手段とを備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の画像処理システムは,プログラム取得手段が付加画像のデータを生成するプログラムを取得する。ここでいう「付加画像」は,メイン画像に付加される付加情報(ユーザ名,日時等)の画像であって,ヘッダ/フッタやウォータマーク等の形式で付加される。また,ここでいう「プログラム」は,付加画像作成用のコマンドを指示するものであればよく,例えばコマンドが記述されたスクリプトファイルであってもよいし,コマンドが機械語に変換された実行ファイルであってもよい。プログラムは,所望の付加画像が得られるものを,ユーザがあらかじめ用意する。そして,本システムでは,画像入手手段によってプログラムが実行され,プログラムによって指示された付加画像が得られる。そして,合成手段によって,この付加画像をメイン画像と合成して合成画像を作成する。
【0008】
すなわち,本発明の画像処理システムでは,ユーザが用意したプログラムを実行することで付加画像のデータを得る。プログラムは,ユーザによって提供されるものであり,プログラムを変更することによりページごとの画像の内容や,表示する情報などを自由に設定できる。そのため,ドライバから提供される設定項目以上の機能が利用可能であり,付加画像の自由度が高い。そして,入手した付加画像のデータをメイン画像と合成して合成画像を作成する。これにより,ユーザの所望する画像が得られる。
【0009】
また,本発明の画像処理システムは,アプリケーションからの画像出力指示を契機に,プログラム取得手段がプログラムを取得し,出力手段は合成画像をプリンタドライバに出力するとよりよい。すなわち,本発明の画像処理システムは,アプリケーションからの画像出力指示を契機に合成画像を作成し,その合成画像をプリンタドライバに送る構成であることから,アプリケーションとプリンタドライバとの間に存在することになる。そのため,本発明の画像処理システムは,アプリケーションおよびプリンタドライバから独立した構成(例えばフィルタ)とすることができ,汎用性が高い。
【0010】
また,本発明の画像処理システムは,プログラムにて第1ページ数分の付加画像が指示され,アプリケーションから受け渡されるメイン画像が付加画像よりもページ数が多い第2ページ数であった場合に,第1ページ数よりも後のメイン画像について付加画像を繰り返し付加する機能を備えるとよりよい。すなわち,付加画像とメイン画像とのページ数が一致しない場合(第1ページ数<第2ページ数)に,付加画像を繰り返し付加する繰り返しモードが選択できることで,合成画像の作成の自由度が向上する。
【0011】
また,本発明は,アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,プログラムを実行し,付加画像のデータを入手する画像入手手段と,アプリケーションから受け渡されるメイン画像と付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,合成手段が生成した合成画像を基にプリンタで処理可能な画像データを作成する作成手段と,画像データを出力する出力手段とを備えることを特徴とするプリンタドライバを含んでいる。
【0012】
また,本発明は,コンピュータを,アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,プログラムを実行し,付加画像のデータを入手する画像入手手段と,アプリケーションから受け渡されるメイン画像と付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,合成手段が生成した合成画像を出力する出力手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラムを含んでいる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば,付加情報の設定の自由度が大きい画像処理システム,画像処理プログラムおよびプリンタドライバが実現している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下,本発明にかかる画像処理システム,画像処理プログラムおよびプログラムを具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,UNIX(登録商標)系のOSが組み込まれたPCによって,メイン画像と付加画像との合成画像を形成する画像処理システム,画像処理プログラムおよびプログラムに本発明を適用したものである。
【0015】
[システム構成]
本形態の画像処理システム100は,図1に示すように,PC10と,プリンタ20とを備えている。本システム100では,PC10とプリンタ20とがプリンタケーブル40を介して直接接続されている。なお,図1では,PC10にプリンタ20が直接接続されているが,ネットワーク等を介してプリンタ20以外の画像形成装置にも接続可能であり,PC10には多数のプリンタドライバが組み込まれている。
【0016】
具体的に,PC10は,図2に示すように,各種演算処理を実行するCPU11(プログラム取得手段,画像入手手段,画像合成手段の一例)と,当該PC10の起動時にCPU11が行う起動処理のプログラム(BIOS)等を記憶したROM12と,CPU11が各種処理を行う際に一時的な記憶領域として利用されるRAM13と,各種のプログラムやデータを記憶したハードディスクドライブ(HDD)14とを有している。HDD14には,OSや,プリンタ20を制御するプリンタドライバや,ワープロ,表計算ソフト等の各種のアプリケーション,印刷システム(CUPS),シェルが組み込まれている。
【0017】
また,PC10は,キーボードやマウス等からなる操作部15と,液晶ディスプレイ等からなる表示部16と,CD−ROMドライブ等の他の情報機器との間で信号のやりとりを行うシリアルポートインターフェース17と,LAN,インターネット等のネットワークを介して信号のやりとりを行うネットワークインターフェース18,プリンタとの間で信号のやりとりを行うプリンタポートインターフェース19とを有している。
【0018】
PC10では,ユーザがPC10を操作し,PC10に組み込まれたアプリケーションを利用して文書,図,表,あるいは写真等の画像データを編集することが可能である。そして,このアプリケーションは,ユーザの指示に従って,Postscript形式の印刷データをプリンタ20に送信し,プリンタ20によって画像を出力することが可能である。
【0019】
すなわち,PC10では,アプリケーションの印刷機能によって印刷ジョブデータがプリンタドライバに対して送られる。プリンタドライバは,アプリケーションからの印刷ジョブデータに応じ,文書データや画像データをプリンタ20で印刷するために必要な印刷データを作成する。プリンタドライバが作成した印刷データは,プリンタポートインターフェース19を経由してプリンタ20へと送信される。プリンタ20は,印刷データに基づいて,ユーザが選択した用紙にユーザの所望の画像を形成する。
【0020】
[PCのソフトウェア構成]
続いて,PC10に組み込まれているソフトウェアの構成について,図3のブロック図を参照しつつ説明する。PC10は,アプリケーションから出力される画像(以下,「メイン画像」とする)に,付加情報となる画像(以下,「付加画像」とする)を合成する機能を備えている。
【0021】
本形態のPC10は,図3に示すように,アプリケーション5と,プリンタドライバ8と,フィルタ6と,付加画像プログラム7とを有している。アプリケーション5は,メイン画像を作成し,メイン画像の印字要求を出力する。フィルタ6は,アプリケーション5の出力したPostscriptデータにより表されるメイン画像と,そのメイン画像に重ね合わせる付加画像とを合成した合成画像を作成し,その合成画像をプリンタドライバ8に出力する。プリンタドライバ8は,通常はアプリケーション5が出力するPostscriptデータをプリンタ20の実装するPDLに変換するものであるが,本形態にあってはフィルタ6から受け渡された合成画像を基に印刷データを作成してプリンタ20に送信するように作用する。
【0022】
付加画像プログラム7は,付加画像を作成するためのスクリプトあるいはコマンドを記録するものである。付加画像プログラム7は,スクリプトファイルや実行ファイル,コマンドあるいはコマンドをパイプで接続したファイル等によって提供される。この付加画像プログラム7は,ユーザによって,あらかじめ,所望の付加画像を規定するコマンドないしプログラムが用意される。すなわち,付加画像プログラム7は,ユーザが作成および編集可能なものである。また,この付加画像プログラム7は,それを実行することにより,付加画像を記述するPostscriptファイルを出力するように記述されたものである。
【0023】
付加画像プログラム7の具体例として,文章上部にログイン名と印刷時間とを付加する付加画像を作成する場合には,次のようなコマンドとなる。
echo $(whoami) $(date) | a2ps -o-
上記スクリプト中の"echo","whoami","a2ps"はすべてUNIXの汎用コマンドあるいは汎用プログラムである。また,「|」は,その左側に記述されるコマンドあるいはプログラムの出力を,その右側に記述されるコマンドあるいはプログラムに渡すための処理を行うものであり,OSに実装されるシェルにより処理される。
【0024】
スクリプトの内容はユーザのニーズによって作成される。このほかのコマンドの例としては,次のようなものがある。
・ヘッダにログイン名,日時,PC名を記録
echo $(whoami) $(date) $(uname -n) | a2ps -o-
・ヘッダに特定ファイルの文字列を記録
a2ps filename -o-
・フッタに日時を記録
echo | a2ps -o- --footer=$(date)
【0025】
また,処理を一行で記述できない場合は,その一連の処理をテキストファイルで記述して,そのテキストファイルに実行権限を与えることにより,スクリプトファイルにすることもできる。また,コマンドスクリプト以外にも,C言語などで作成された実行可能ファイルを付加画像プログラムとすることができる。
【0026】
また,付加画像プログラム7は,単一のページの画像を生成するものである必要はなく,同一あるいは別の画像による複数のページのPostscriptデータを生成するものであってもよい。
【0027】
フィルタ6は,アプリケーション5が出力するPostscriptにより表されるメイン画像と,付加画像プログラム7を実行することにより生成されるPostscriptが表す付加画像とを合成した合成画像を作成し,その合成画像をプリンタドライバ8に出力するものである。フィルタ6は,図3に示したように,制御部60(プログラム取得手段の一例)と,設定ファイル61と,実行部62(画像入手手段の一例)と,画像合成部63(合成手段の一例)とを有している。
【0028】
制御部60は,フィルタ6の動作を制御するものである。具体的には,アプリケーション5が印字要求を受けた際に,印刷システム(CUPS)によって起動され,アプリケーション5から受け渡されるメイン画像を表すPostscriptデータを受け付ける。アプリケーション5から受け取ったメイン画像を表すPostscriptデータは,画像合成部63に引き渡される。また,制御部60は,設定ファイル61を読み出し,その設定内容を記憶する。
【0029】
設定ファイル61には,フィルタ6の各種設定が記録されている。具体的に本形態では,付加画像プログラム7のファイル名および保存先と,付加画像の重ね位置情報と,各種モードの設定とが記録されている。本形態では,設定可能なモードとして,付加画像を繰り返し付加する「繰り返しモード」と,付加画像のサイズを調節する「用紙調節モード」とがある。各モードの詳細は後述する。また,設定ファイル61には,さらに前記付加画像プログラム7を指定する領域がある。ユーザは,その用途に応じて設定ファイル61の所望のコマンドあるいはスクリプトあるいはプログラムを指定可能である。
【0030】
実行部62は,付加画像プログラム7を実行し,付加画像を作成するものである。具体的に本形態では,UNIX(登録商標)系のOSの機能であるシェルによって付加画像プログラム7を起動する。作成した付加画像は,画像合成部63に引き渡す。
【0031】
画像合成部63は,制御部60を介してアプリケーション5から受け渡されるメイン画像と,実行部62が作成した付加画像とを合成した合成画像を作成するものである。合成画像を作成する際には,設定ファイル61に設定された各種モードの設定内容に従ってメイン画像と付加画像とが組み合わされる。
【0032】
フィルタ6は,アプリケーション5が印字要求を受けた際に,印刷システム(CUPS)により起動され,合成画像を作成し,その合成画像をプリンタドライバ8に送る構成であることから,ソフトウェア構成上,アプリケーション5とプリンタドライバ8との間に存在する。つまり,フィルタ6は,アプリケーション5およびプリンタドライバ8から独立している。また,本実施例により合成される付加画像は,ユーザが要求に応じてプログラム,あるいはコマンドを組み込むことにより,任意の規則により合成可能である。つまり,プリンタドライバに予めビルドインされ,ダイアログにより設定可能な規則においてのみ画像を合成可能な従来の装置に比べ,汎用性が高い。
【0033】
[画像処理システムの動作]
続いて,本形態の画像処理システム100の動作について説明する。本形態の画像処理システム100では,フィルタ6によってメイン画像に付加画像を合成した合成画像が作成される。以下,このフィルタ6の動作について,図4および図5のフローチャートを参照しつつ説明する。なお,アプリケーション5およびプリンタドライバ8の処理は,従来と同様である。
【0034】
[フィルタの動作]
フィルタ6は,図4に示すように,起動されるとまず,プリンタ記述ファイルであるPPD(PostScript Printer Description)ファイルを参照し,プリンタドライバ8に設定されているデフォルト設定(解像度,用紙サイズ,用紙種別等)を読み出す(S101)。
【0035】
次に,アプリケーション5からメイン画像を取得する(S102)。アプリケーション5からは,PostScriptによって記述されたベクタグラフィックの画像データが受け渡される。そこで,S102の処理にて取得したメイン画像をラスタグラフィック(ビットマップ)の画像データに変換する(S103)。
【0036】
次に,設定ファイル61を読み出し(S104),付加画像プログラム7の参照先および各種モード設定を取得する。そして,付加画像プログラム7を実行部62によって起動する(S105)。すなわち,付加画像プログラム7に記録されているスクリプトあるいはコマンドあるいはプログラムを読み出し,実行部62にデータを引き渡す。実行部62は,OSに付属されるシェルを呼び出して,このスクリプトあるいはコマンドあるいはプログラムを実行する。これにより,付加画像が作成される。このとき,付加画像はPostscriptの画像データとして作成される。このPostscriptの画像は,後述するS107あるいはS111においてラスタライズされる。
【0037】
次に,用紙調節モードが設定されているか否かを判断する(S106)。用紙調節モードは,付加画像をメイン画像のサイズに調節するか否かを決定するモードである。例えば,図6に示すように,メイン画像31と,メイン画像31よりもサイズが小さい付加画像32とを合成する場合,用紙調節モードと非用紙調節モードとでは作成される合成画像に次のような違いがある。まず,用紙調節モードであれば,付加画像32がメイン画像31のサイズに合わせて拡大される。すなわち,図7に示すように,付加画像32の用紙サイズが調節され,拡大された付加画像がメイン画像と重ね合わせられ,合成画像33aが作成される。一方,非用紙調節モードであれば,付加画像32のサイズは調節されない。そのため,図8に示すように,S105の処理にて作成された付加画像が標準サイズのままメイン画像31に重ね合わせられ,合成画像33bが作成される。なお,図8は,付加画像の重ね位置情報として,左上寄せが設定されている。
【0038】
用紙調節モードが設定されている場合には(S106:YES),付加画像のサイズをメイン画像のサイズに合わせて拡大ないし縮小し,その後の付加画像をラスタグラフィックの画像データに変換する(S107)。そして,付加画像の重ね位置情報を,メイン画像と同位置に設定する(S108)。
【0039】
一方,用紙調節モードが設定されていない,すなわち非用紙調節モードの場合には(S106:NO),標準サイズのままの付加画像をラスタグラフィックの画像データに変換する(S111)。その後,付加画像の重ね位置情報を取得する(S112)。重ね位置情報は,付加画像をメイン画像に重ね合わせる位置を設定するデータであり,例えば,右寄せ,左寄せ,上寄せ,下寄せ,中央寄せが設定される。
【0040】
S107の処理後あるいはS112の処理後は,図5のフローチャートのS201の処理に移行する。なお,図4のフローチャート中,ラスタライズされたメイン画像の取得処理(S102からS103)と,ラスタライズされた付加画像の取得処理(S104からS108,S111からS112)とはどちらを先に行ってもよい。また,同時に実行可能であれば,両処理を並行して行ってもよい。
【0041】
図5のフローチャートに移行し,ラスタライズされたメイン画像の1ページ目と付加画像の1ページ目とを合成し,当該合成画像のテンポラリファイルを作成する(S201)。次に,メイン画像に次のページが有るか否かを判断する(S202)。
【0042】
メイン画像に次のページが有る場合には(S202:YES),付加画像に次のページが有るか否かを判断する(S203)。付加画像に次のページが有る場合には(S203:YES),S201の処理に戻り,次ページのメイン画像と次ページの付加画像とを合成する。
【0043】
一方,付加画像に次のページがない場合には(S203:NO),繰り返しモードが設定されているか否かを判断する(S204)。繰り返しモードは,付加画像のページ数がメイン画像のページ数よりも小さい場合に,付加画像を繰り返し付加するか付加画像の最終ページ以降は付加画像を付加しないかを決定するモードである。例えば,図9に示すように,4枚のメイン画像311,312,313,314と,2枚の付加画像321,322とを合成する場合,繰り返しモードと非繰り返しモードとでは作成される合成画像に次のような違いがある。まず,繰り返しモードであれば,付加画像の最終ページの後,次のページからは再び最初のページの付加画像が付加される。すなわち,図10に示すように,メイン画像313には付加画像321が付加され,メイン画像314には付加画像322が付加される。一方,非繰り返しモードであれば,付加画像の最終ページの後,次のページからは付加画像が付加されない。すなわち,図11に示すように,メイン画像313,314には付加画像321が付加されない。
【0044】
繰り返しモードが設定されている場合には(S204:YES),付加画像を先頭ページに戻し(S205),S201の処理に戻り,次ページのメイン画像と先頭ページの付加画像とを合成する。すなわち,メイン画像がなくなるまでS201からS205までの処理を繰り返す。
【0045】
一方,繰り返しモードが設定されていない,すなわち非繰り返しモードの場合には(S204:NO),メイン画像の残りのページの画像データについてのテンポラリファイルを作成する(S211)。これにより,残りのページについては,何も合成していない画像のテンポラリファイルが作成される。
【0046】
メイン画像の次のページがない,すなわち繰り返しモードですべてのページの合成画像のテンポラリファイルが作成された場合(S202:NO),あるいはS211でメイン画像の残りのページのテンポラリファイルを作成した後,それらテンポラリファイルをPostscriptの画像データに変換し(S212),変換後の画像データをプリンタドライバ8に出力する(S213)。つまり,プリンタドライバ8が認識可能なフォーマットに変換した後,そのデータをプリンタドライバ8に受け渡す。S213の処理後,本処理を終了する。
【0047】
[応用例]
続いて,画像処理システム100の応用例について説明する。本応用例では,プリンタドライバが画像合成機能を有している形態について説明する。本応用例では,プリンタドライバが画像合成機能を有していることから,アプリケーションとプリンタドライバとの間にフィルタは不要である。この点,フィルタが画像合成機能を有する実施の形態とは異なる。
【0048】
[プリンタドライバの動作]
以下,応用例のプリンタドライバの動作について説明する。本応用例は,実施の形態のフィルタ5の機能がプリンタドライバに組み込まれたものであり,メイン画像の取得およびラスタ変換,付加画像の取得およびラスタ変換,すなわち図4のフローチャートの動作は実施の形態と同様であり,説明を省略する。
【0049】
応用例のプリンタドライバは,メイン画像の取得およびラスタ変換,付加画像の取得およびラスタ変換,図12のフローチャートに移行し,メイン画像と付加画像との合成画像を作成する(S221)。そして,その合成画像の画像データをPDLコードに変換する(S222)。これにより,合成画像の印刷データが作成される。
【0050】
次に,メイン画像に次のページが有るか否かを判断する(S202)。メイン画像に次のページが有る場合には(S202:YES),付加画像に次のページが有るか否かを判断する(S203)。付加画像に次のページが有る場合には(S203:YES),S221の処理に戻り,次ページのメイン画像と次ページの付加画像とを合成する。
【0051】
一方,付加画像に次のページがない場合には(S203:NO),繰り返しモードが設定されているか否かを判断する(S204)。繰り返しモードが設定されている場合には(S204:YES),付加画像を先頭ページに戻し(S205),S221の処理に戻る。
【0052】
一方,繰り返しモードが設定されていない,すなわち非繰り返しモードの場合には(S204:NO),メイン画像の残りのページの画像データについてPDLコードに変換する(S223)。これにより,残りのページについては,何も合成していない印刷データが作成される。
【0053】
メイン画像の次のページがない,すなわち繰り返しモードですべてのページの合成画像がPDLコード化された場合(S202:NO),あるいはS223でメイン画像の残りのページがPDLコード化された後,それらPDLコード化された印刷データをプリンタ20に出力する(S224)。S224の処理後,不要となったファイルなどを削除(図示せず)した後に,本処理を終了する。
【0054】
以上詳細に説明したように本形態の画像処理システム100では,制御部60にて付加画像作成用の付加画像プログラム7を取得し,実行部62にて当該付加画像プログラム7を実行する。これにより,ユーザが所望する付加画像が得られる。すなわち,付加画像プログラム7は,ユーザによって提供されるものであり,付加画像プログラム7を変更することによりページごとの画像の内容や,表示する情報などを自由に設定できる。また,同一プログラムを指定してもその印刷時の時刻やユーザ名などによって表示内容を変えることも,そのように付加画像プログラム7をユーザが組むことにより可能である。そのため,多様な機能が利用可能であり,付加画像の自由度が高い。そして,画像合成部63にて,入手した付加画像をアプリケーション5から受け渡されるメイン画像と合成して合成画像を作成する。これにより,最終的にユーザの所望する画像が得られる。
【0055】
また,実施の形態の画像処理システム100は,用紙調節モード,繰り返しモード等の各種の設定が可能であり,各モードの設定に従って合成画像が作成される。すなわち,付加画像について多様な付加方法を設定することができ,合成画像の作成の自由度が高い。
【0056】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,画像形成装置としてはプリンタに限るものではなく,FAX,複合機等であってもよい。また,印刷制御装置としてはPCに限るものではなく,ワークステーション,携帯情報端末装置等であってもよい。また,画像形成システムは,画像形成装置と印刷制御装置とが別体になっているシステムに限るものではなく,一体となっているものであってもよい。
【0057】
また,実施の形態のPC10には,UNIX(登録商標)系のOSが組み込まれているが,これに限るものではない。例えば,Windows (登録商標)系等,その他のOSであっても適用可能である。
【0058】
また,付加画像の切り換えは,付加画像プログラム7の内容を編集することで可能であるが,これに限るものではない。例えば,フィルタ6は,付加画像プログラム7を複数用意し,設定ファイル61による付加画像プログラム7の参照先を編集することで,付加画像を容易に切り換えることができる。
【0059】
また,本実施の形態では,付加画像プログラム7を設定ファイル61にて指定するように構成しているが,プリンタドライバ8の設定ダイアログにてその付加画像プログラム7のコマンドやスクリプトファイル名をユーザに入力されるようにしてもよい。
【0060】
また,本実施の形態では,S105の処理において一括して全ページの付加画像を取得・ラスタライズしているが,S201の処理の直前で1ページごとに対象ページの画像を取り出すようにしてもよい。また,メイン画像においてもS103の処理において一括してラスタライズしているが,この場合もS201の処理の直前で1ページごとに行ってもよい。そのようにすることにより,テンポラリファイルの容量を大幅に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施の形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る画像処理システムを構成するPCの詳細を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る画像処理システムを構成するPCのソフト構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係るフィルタの動作を示すフローチャート(開始から付加画像作成まで)である。
【図5】実施の形態に係るフィルタの動作を示すフローチャート(合成画像作成から終了まで)である。
【図6】メイン画像と付加画像の一例(その1)を示す図である。
【図7】図6に示した画像を基に用紙調節モードで合成画像を作成したときのイメージを示す図である。
【図8】図6に示した画像を基に非用紙調節モードで合成画像を作成したときのイメージを示す図である。
【図9】メイン画像と付加画像の一例(その2)を示す図である。
【図10】図9に示した画像を基に繰り返しモードで合成画像を作成したときのイメージを示す図である。
【図11】図9に示した画像を基に非繰り返しモードで合成画像を作成したときのイメージを示す図である。
【図12】応用例に係るフィルタの動作を示すフローチャート(合成画像作成から終了まで)である。
【符号の説明】
【0062】
5 アプリケーション
6 フィルタ
7 付加画像プログラム
8 プリンタドライバ
10 PC
20 プリンタ
60 制御部
61 設定ファイル
62 実行部
63 画像合成部
100 画像処理システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,
前記プログラムを実行し,前記付加画像のデータを入手する画像入手手段と,
アプリケーションから受け渡されるメイン画像と前記付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,
前記合成手段が生成した合成画像を出力する出力手段とを備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載する画像処理システムにおいて,
アプリケーションからの画像出力指示を契機に,前記プログラム取得手段が前記プログラムを取得し,前記出力手段は前記合成画像をプリンタドライバに出力することを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する画像処理システムにおいて,
前記プログラム取得手段は,プログラム名およびそれの引数を規定した文字列を取得するものであり,
前記画像入手手段は,前記プログラムに前記引数を付与した状態で実行し,その出力する画像データを入手するものであることを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載する画像処理システムにおいて,
前記プログラム取得手段は,前記付加画像のデータを生成するためのシェルコマンド文字列を取得するものであり,
前記画像入手手段は,前記文字列をシェルに入力するとともに,その出力を入手するものであることを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載する画像処理システムにおいて,
前記プログラムにて第1ページ数分の付加画像が指示され,アプリケーションから受け渡されるメイン画像が付加画像よりもページ数が多い第2ページ数であった場合に,前記第1ページ数よりも後のメイン画像について前記付加画像を繰り返し付加する機能を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項6】
アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,
前記プログラムを実行し,前記付加画像のデータを入手する画像入手手段と,
アプリケーションから受け渡されるメイン画像と前記付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,
前記合成手段が生成した合成画像を基にプリンタで処理可能な画像データを作成する作成手段と,
前記画像データを出力する出力手段とを備えることを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項7】
コンピュータを,
アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,
前記プログラムを実行し,前記付加画像のデータを入手する画像入手手段と,
アプリケーションから受け渡されるメイン画像と前記付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,
前記合成手段が生成した合成画像を出力する出力手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項1】
アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,
前記プログラムを実行し,前記付加画像のデータを入手する画像入手手段と,
アプリケーションから受け渡されるメイン画像と前記付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,
前記合成手段が生成した合成画像を出力する出力手段とを備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載する画像処理システムにおいて,
アプリケーションからの画像出力指示を契機に,前記プログラム取得手段が前記プログラムを取得し,前記出力手段は前記合成画像をプリンタドライバに出力することを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する画像処理システムにおいて,
前記プログラム取得手段は,プログラム名およびそれの引数を規定した文字列を取得するものであり,
前記画像入手手段は,前記プログラムに前記引数を付与した状態で実行し,その出力する画像データを入手するものであることを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載する画像処理システムにおいて,
前記プログラム取得手段は,前記付加画像のデータを生成するためのシェルコマンド文字列を取得するものであり,
前記画像入手手段は,前記文字列をシェルに入力するとともに,その出力を入手するものであることを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載する画像処理システムにおいて,
前記プログラムにて第1ページ数分の付加画像が指示され,アプリケーションから受け渡されるメイン画像が付加画像よりもページ数が多い第2ページ数であった場合に,前記第1ページ数よりも後のメイン画像について前記付加画像を繰り返し付加する機能を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項6】
アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,
前記プログラムを実行し,前記付加画像のデータを入手する画像入手手段と,
アプリケーションから受け渡されるメイン画像と前記付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,
前記合成手段が生成した合成画像を基にプリンタで処理可能な画像データを作成する作成手段と,
前記画像データを出力する出力手段とを備えることを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項7】
コンピュータを,
アプリケーションから受け渡されるメイン画像に対する付加画像のデータを生成するためのプログラムを取得するプログラム取得手段と,
前記プログラムを実行し,前記付加画像のデータを入手する画像入手手段と,
アプリケーションから受け渡されるメイン画像と前記付加画像とを合成した合成画像を生成する合成手段と,
前記合成手段が生成した合成画像を出力する出力手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−289043(P2009−289043A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141060(P2008−141060)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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