説明

画像処理装置、方法及びコンピュータプログラム

【課題】縦隔ROIを自動的に設定することにより、オペレータが手動で設定することによるばらつきをなくす。
【解決手段】画像データ記憶部11は、放射性医薬品を投与した被験者を撮影したRIプラナ画像の画像データを記憶する。縦隔基準位置検出部27は、RIプラナ画像における被験者の身体の中心線が含まれる、身体の中心領域を決定し、RIプラナ画像の画像データを用いて、被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブを生成する。さらに、身体の中心領域のプロファイルカーブに基づいて、被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置を特定する。縦隔ROI設定部29は、身体の中心線及び縦隔基準位置に基づいて、RIプラナ画像における縦隔ROIを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RIプラナ画像を処理する画像処理技術に関し、特に縦隔ROIを自動的に設定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
心筋などに集積する性質を有する放射性医薬品(以下、RI(Radio Isotope)薬剤と称する場合がある)として、MIBG(3−iodobenzylguanidine)、MIBI(technetium hexakis−2−methoxyisobutylisonitrile)、または塩化タリウム(thallium chloride)等がある。
【0003】
例えば、MIBGを被験者に投与した後、その被験者から放出された放射能を検出して得られるRIプラナ画像から、心臓領域の平均カウント値と縦隔領域の平均カウント値を比較した心/縦隔比(Heart/Mediastinum比、H/M比)が求まる。このH/M比は、心臓疾患を有する被験者の診断、重症度および予後評価に用いられている(非特許文献1〜3)。さらに、神経疾患でも、レビー小体病の鑑別を行う際に利用される(非特許文献4)。
【0004】
MIBIにおいては心筋からの洗い出しの定量により、虚血性心疾患、心不全、心サルコイドーシス等の心疾患における心筋傷害の評価に用いられる。その際にはRI薬剤投与後の第1の時間帯に撮影した早期像のカウント値と、第1の時間帯より後の第2の時間帯に撮像した後期像のカウント値から求まる、心筋から洗い出されたRI薬剤の割合を示す心筋洗い出し率(Washout rate、WR)が指標として用いられる。また、その他の放射性医薬品、例えば塩化タリウムにおいても、心筋への取り込みを測定するためにH/M比を診断に利用することがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】日本循環器学会、循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2003−2004年度合同研究班報告)「心臓核医学検査ガイドライン」、Circulation Journal Vol.69、Suppl.IV、1125−1202、2006
【非特許文献2】心不全と交感神経機能 病態生理から予後評価までの画像診断 「MIBG検査と定量法」、中嶋 憲一著、34−42、2002、メジカルビュー社
【非特許文献3】臨床で交感神経活動をどう評価するか−MIBGによる心疾患の交感神経イメージング−、福山 尚哉著、Heart View、14(8) 14−20、2010
【非特許文献4】特集 MIBG心筋シンチグラフィーと神経疾患「神経疾患におけるMIBG シンチグラフィーの位置づけ」、滝 淳一著、神経内科、64(6):585−592、2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、H/M比またはWRを算出するためには、RI(Radio Isotope)プラナ画像において心臓領域と縦隔領域を正確に特定する必要がある。そのため、従来は、オペレータがRIプラナ画像を目視して、その画像において心臓領域と思われる領域を心臓ROI(Region of Interest)で囲み、縦隔領域と思われる領域を縦隔ROIで囲む作業が行われている。
【0007】
このとき、心臓領域はカウント値が高いことなどから、オペレータによる心臓ROIの設定のばらつきはさほど問題とならない。これに対して、縦隔領域はカウント値が低いので、オペレータが目視で正しく縦隔ROIを設定することは難しく、さらに、縦隔ROIの位置がずれた場合のH/M比またはWRに与える影響は大きい。
【0008】
そこで、本発明の目的は、縦隔ROIを自動的に設定することにより、オペレータが手動で設定することによるばらつきをなくすことである。
【0009】
本発明の別の目的は、自動的に設定された縦隔ROIを用いてH/M比を算出することによって、オペレータが縦隔ROIを設定することなしに、H/M比を算出することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、自動的に設定された縦隔ROIを用いてWRを算出することによって、オペレータが縦隔ROIを設定することなしに、WRを算出することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一つの実施態様に従う画像処理装置は、放射性医薬品を投与した被験者を撮影したRI(Radio Isotope)プラナ画像の画像データを記憶する手段と、前記RIプラナ画像における前記被験者の身体の中心線が含まれる、前記被験者の身体の中心領域を決定する手段と、前記RIプラナ画像の画像データを用いて、前記被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブを生成する手段と、前記身体の中心領域のプロファイルカーブに基づいて、前記被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置を特定する手段と、前記被験者の身体の中心線、及び前記縦隔基準位置に基づいて、前記RIプラナ画像における縦隔ROIを設定する手段と、を有する。
【0012】
好適な実施形態では、前記放射性医薬品がMIBG(3−iodobenzylguanidine)であってもよい。
【0013】
好適な実施形態では、前記RIプラナ画像における前記被験者の左右の肺領域を含む胸部領域を特定し、前記胸部領域の前記RIプラナ画像の画像データを用いて、前記胸部領域のプロファイルカーブを生成する手段と、前記胸部領域のプロファイルカーブに基づいて、前記RIプラナ画像における被験者の身体の中心線を決定する手段と、をさらに備え、前記身体の中心領域を決定する手段は、前記被験者の身体の中心領域を前記中心線を決定する手段によって検出された被験者の身体の中心線を中心とした帯状領域としてもよい。
【0014】
好適な実施形態では、前記RIプラナ画像における前記被験者の身体の向きは、所定の基準方向の向きであり、前記中心線を決定する手段は、前記胸部領域のプロファイルカーブにおいて、左右の肺にそれぞれ対応する二つの極大値の間の極小値をとる位置、及び前記基準方向に基づいて前記身体の中心線を決定してもよい。
【0015】
好適な実施形態では、前記縦隔基準位置を特定する手段は、前記身体の中心領域のプロファイルカーブにおける最小値をとる位置を前記縦隔基準位置としてもよい。
【0016】
好適な実施形態では、前記縦隔ROIを設定する手段は、前記縦隔基準位置に基づいて、前記縦隔ROI内に前記中心領域の少なくとも一部が含まれるように設定してもよい。
【0017】
好適な実施形態では、前記RIプラナ画像における前記被験者の心臓領域を特定する心臓ROIを設定する手段と、前記心臓ROI内の画像データ及び前記縦隔ROI内の画像データに基づいて、心/縦隔比(H/M比)を算出する手段と、をさらに有していてもよい。
【0018】
好適な実施形態では、前記RIプラナ画像を表示装置に表示させる表示手段をさらに備え、前記心臓ROIを設定する手段は、オペレータの指示に従って、前記表示装置に表示されている前記RIプラナ画像における前記被験者の心臓領域を特定してもよい。
【0019】
本発明の一つの実施態様に従う画像処理装置は、放射性医薬品を投与した被験者を異なる時間帯に撮影したRI(Radio Isotope)プラナ画像の画像データを記憶する記憶手段と、前記RIプラナ画像における前記被験者の身体の中心線が含まれる、前記被験者の身体の中心領域を決定する中心領域決定手段と、前記RIプラナ画像の画像データを用いて、前記被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブを生成するプロファイルカーブ生成手段と、前記身体の中心領域のプロファイルカーブに基づいて、前記被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置を特定する縦隔基準位置特定手段と、前記被験者の身体の中心線、及び前記縦隔基準位置に基づいて、前記RIプラナ画像における縦隔ROIを設定する縦隔ROI設定手段と、前記RIプラナ画像における前記被験者の心臓領域を特定する心臓ROIを設定する心臓ROI設定手段と、前記記憶手段に前記被験者を異なる時間帯に撮影した第1及び第2のRIプラナ画像の画像データが記憶されているとき、前記心臓ROI設定手段により設定された第1及び第2のRIプラナ画像の心臓ROI内の画像データと、前記中心領域決定手段、前記プロファイルカーブ生成手段、前記縦隔基準位置特定手段、及び前記縦隔ROI設定手段の処理により設定された第1及び第2のRIプラナ画像の縦隔ROI内の画像データとに基づいて、心筋洗い出し率(WR)を算出する算出手段と、を有する。
【0020】
好適な実施形態では、前記中心領域決定手段が、前記第1のRIプラナ画像における前記被験者の身体の中心領域を決定し、前記プロファイルカーブ生成手段が、前記第1のRIプラナ画像における前記被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブを生成し、前記縦隔基準位置特定手段が、前記第1のRIプラナ画像における前記被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置を特定し、前記縦隔ROI設定手段が、前記第1のプラナ画像における被験者の身体の中心線、及び前記第1のプラナ画像における縦隔基準位置に基づいて、前記第1のRIプラナ画像における縦隔ROIを設定するととともに、前記第1のRIプラナ画像に設定された縦隔ROIの位置及び大きさに基づいて、前記第2のRIプラナ画像における縦隔ROIを設定するようにしてもよい。
【0021】
好適な実施形態では、前記中心領域決定手段が、前記第1及び第2のRIプラナ画像における前記被験者の身体の中心領域をそれぞれ決定し、前記プロファイルカーブ生成手段が、前記第1及び第2のRIプラナ画像における前記被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブをそれぞれ生成し、前記縦隔基準位置特定手段が、前記第1及び第2のRIプラナ画像における前記被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置をそれぞれ特定し、前記縦隔ROI設定手段が、前記第1のプラナ画像における被験者の身体の中心線、及び前記第1のプラナ画像における縦隔基準位置に基づいて、前記第1のRIプラナ画像における縦隔ROIを設定するととともに、前記第2のプラナ画像における被験者の身体の中心線、及び前記第2のプラナ画像における縦隔基準位置に基づいて、前記第2のRIプラナ画像における縦隔ROIを設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置1の全体構成を示す図である。
【図2】ROI設定画面100の一例を示す。
【図3】右端設定部22による右端設定処理の説明図である。
【図4】上端設定部23による上端設定処理の説明図である。
【図5】中心線決定部25による中心線の検出処理の説明図である。
【図6】縦隔基準位置検出部27による縦隔基準位置の検出処理の説明図である。
【図7】縦隔ROI設定部29による縦隔ROIの設定処理の説明図である。
【図8】画像処理装置1の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置8の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る画像処理装置について、図面を参照して説明する。
【0024】
第1の実施形態に係る画像処理装置は、特定のRI薬剤を投与した被験者を撮影したRIプラナ画像を処理して、H/M比を算出する。画像処理装置は、H/M比算出のため、RIプラナ画像の縦隔領域を自動的に検出して、縦隔ROIを設定する縦隔ROI設定装置を含む。
【0025】
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置1の全体構成を示す。同図に示すように、画像処理装置1は、画像処理装置本体10に入力装置2及び表示装置3が接続されている。画像処理装置本体10は、例えば、プロセッサ及びメモリを備えた汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明する画像処理装置本体10内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。このコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納することができる。
【0026】
画像処理装置本体10は、画像データ記憶部11と、画像調整部12と、心臓ROI設定部13と、縦隔ROI設定処理部20と、ROIデータ記憶部15と、H/M比算出部17とを備える。
【0027】
画像データ記憶部11は、MIBG(3−iodobenzylguanidine)を投与した被験者を撮影したRIプラナ画像の画像データを記憶する。このRIプラナ画像は、例えば、MIBGが投与された被験者を、図示しないRIプラナ画像の撮像装置を用いて撮像した2次元の画像である。画像の各画素値はRIのカウント値を示す。
【0028】
ここで、RIプラナ画像における被験者の身体の向きは、所定の基準方向の向きに調整されていてもよい。例えば、矩形のRIプラナ画像の横方向をX軸、縦方向をY軸としたとき、身体の中心線(正中線)がY軸と平行になるように設定されている。
【0029】
オペレータは、表示装置3にRIプラナ画像を表示させて、身体の中心線(正中線)がY軸と平行であるか否かを目視でチェックすることができる。身体の中心線(正中線)がY軸と平行でない場合は、オペレータによる入力装置2の操作に従って、画像調整部12が調整を行う。例えば、画像調整部12は、オペレータの指示に従い、画像の中心点、あるいは任意の点を中心に画像を回転移動させたり、平行移動させたりすることができる。
【0030】
心臓ROI設定部13は、RIプラナ画像における被験者の心臓領域を特定する心臓ROIを設定する。例えば、心臓ROI設定部13は、画像データ記憶部11に保存されている画像データを取得して、RIプラナ画像を含むROI設定画面を表示装置3に表示させる。そして、入力装置2を用いたオペレータの指示に従って、ROI設定画面において、そのRIプラナ画像における心臓領域を特定して心臓ROIを設定する。また、心臓ROI設定部13は、RIプラナ画像における心臓領域を自動的に検出して、心臓ROIを自動的に設定してもよいし、自動的に検出した心臓領域に心臓ROIを仮設定し、オペレータが仮設定された心臓ROIを調整して、本設定してもよい。
【0031】
ここで、ROI設定画面100の一例を図2に示す。同図に示すように、RIプラナ画像Gを含むROI設定画面100が表示装置3に表示されているとき、心臓ROI設定部13は、オペレータによる入力装置2の操作に従って、多角形で心臓領域を囲う心臓ROI5を設定する。または、オペレータが指定した位置にオペレータが指定した半径の円形ROIを表示させ、その後、オペレータの操作に従って、この円形ROIを移動及びまたは変形させて心臓領域を囲う心臓ROI5を設定してもよく、設定前にいずれかの方法を選択するようにしてもよい。ROI設定画面100における実行ボタン101が押されると、以下に説明する縦隔ROIの設定及びH/M比の算出処理が自動的に実行されるようにしてもよい。つまり、この場合、オペレータが心臓ROIを設定するだけで、それ以降の処理は自動的に実行される。
【0032】
図1に戻ると、縦隔ROI設定処理部20は、RIプラナ画像における被験者の縦隔領域を特定する縦隔ROIを設定する。
【0033】
縦隔ROI設定処理部20は、さらに、処理範囲設定部21と、中心線決定部25と、縦隔基準位置検出部27と、縦隔ROI設定部29とを備える。
【0034】
処理範囲設定部21は、縦隔ROIの設定処理において、RIプラナ画像の中の処理対象となる領域を限定するために処理範囲を設定する。処理範囲設定部21は、右端設定部22と上端設定部23とを有する。
【0035】
右端設定部22は、RIプラナ画像において、以降の処理の処理範囲を限定するための被験者の右端を設定する。例えば、右端設定部22は、被験者の肝臓の右端を検出するようにしてもよい。被験者の縦隔は肝臓よりも身体の中心側にあるので、以下の処理では検出した肝臓の右端よりも身体の中心側を処理範囲とする。
【0036】
右端設定部22による右端設定処理を、図3を用いて詳細に説明する。右端設定部22は、例えば、心臓ROI設定部13で設定された心臓ROI5の下端ないしは心臓ROI5のY軸方向の中心点など、心臓ROI5内のY軸方向の所定点より下部の領域A1の画像データを用いて、カウントプロファイルカーブP1を描き、カウントプロファイルカーブP1に基づいて被験者の肝臓の右端を検出する。
【0037】
カウントプロファイルカーブとは、2次元のRIプラナ画像の各画素をC(x,y)とすると、同じx(またはy)の一列(または一行)のすべてのカウント値Cを合計した値により描かれるプロファイルカーブである。この例では、心臓ROI5内のY軸方向の中心の高さ(心臓中心)51より下部の領域において、各xについてY軸方向のカウント値Cを合計した値によってカウントプロファイルカーブP1を生成する。
【0038】
右端設定部22は、例えば図3の例では、カウントプロファイルカーブP1の最大値となるx1よりも身体の外側(同図では左側)において、最大値の所定割合の値(たとえば20%)となるx2を肝臓の右端として検出する。これは、MIBGは肝臓にも集積する性質があるため、心臓よりも下部におけるカウントプロファイルカーブの最大値は肝臓と考えられるからである。以下、この肝臓の右端位置が処理範囲の右端52となる。
【0039】
なお、カウントプロファイルカーブには、スムージングをかけてもよい。これは、以下の処理でカウントプロファイルカーブを生成する場合も同様である。スムージングをかける前のカウントプロファイルカーブには局所的な極大値または極小値が存在することがあり、大局的な極大値または極小値を検出できないことがあるからである。
【0040】
上端設定部23は、RIプラナ画像において、処理範囲となる被験者の上端を設定する。
【0041】
上端設定部23による上端設定処理を、図4を用いて詳細に説明する。例えば、上端設定部23は、心臓ROI5のY軸方向の中心の高さ(心臓中心)51より上側に、心臓中心51から心臓ROI5のY軸方向の大きさのm倍(例えば2倍)の距離の位置に上端53を設定する。経験的に、縦隔はこの位置よりも下に存在するので、以下の処理ではこの上端位置53よりも下側領域を処理対象とする。
【0042】
図1に戻ると、中心線決定部25は、RIプラナ画像における被験者の身体の中心線を決定する。例えば、中心線決定部25は、RIプラナ画像の被験者の左右の肺領域を含む胸部領域を特定し、この領域の画像データを用いてカウントプロファイルカーブを生成し、このプロファイルカーブに基づいてRIプラナ画像における被験者の身体の中心線を決定してもよい。
【0043】
中心線決定部25による中心線の検出処理について、図5を参照して詳細に説明する。中心線決定部25は、同図において、心臓中心51と上端位置53との間の領域A2を処理対象とする。つまり、この領域A2は被験者の左右の肺領域を含む胸部領域である。中心線決定部25は、この領域A2のX軸方向のプロファイルカーブP2を生成する。この胸部領域のプロファイルカーブP2において、中心線決定部25は、左右の肺にそれぞれ対応する二つの極大値の間の極小値をとる位置を決定する。これは、MIBGは肺にも集積する性質があるためこれを利用した。そして、中心線決定部25は、この極小値をとる位置を通るY軸と平行な線を中心線55とする。中心線決定部25は、さらに、被験者の左端54を設定する。中心線決定部25は、例えば、中心線55からの距離が、右端52から中心線55までの距離と等距離になるように左端54を設定する。
【0044】
中心線決定部25は、これ以外の方法で中心線を決定してもよい。例えば、ROI設定画面100において、オペレータから中心位置として一点の指定を受け付け、受け付けた中心位置を通りY軸と平行な線を中心線としてもよいし、オペレータから中心位置として二点の指定を受け付け、その二点を通る線を中心線としてもよい。
【0045】
図1に戻ると、縦隔基準位置検出部27は、縦隔ROIを設定するための縦隔基準位置を決定する。例えば、縦隔基準位置検出部27は、RIプラナ画像の画像データを用いて、被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブを生成する。縦隔基準位置検出部27は、身体の中心領域のプロファイルカーブに基づいて、被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置を特定する。このとき、縦隔基準位置検出部27は、身体の中心領域のプロファイルカーブにおける最小値をとる位置を縦隔基準位置としてもよい。また、縦隔基準位置検出部27は、被験者の身体の中心領域を決定する際、RIプラナ画像における被験者の身体の中心線を用い、この中心線が含まれるように身体の中心領域を決定してもよい。
【0046】
縦隔基準位置検出部27による縦隔基準位置の検出処理について、図6を参照して詳細に説明する。縦隔基準位置検出部27は、例えば、中心線決定部25が定めた中心線55に基づいて、中心線55を含む中心領域A3を設定する。中心領域A3は、中心線55を中心とする帯状領域で、中心線からの距離が左右同じであってもよい。中心領域A3の幅は、例えば、中心線55から右端52との幅の所定割合(例えば20%)に定めてもよい。縦隔基準位置検出部27は、中心領域A3のY軸方向のカウントプロファイルカーブP3を生成する。そして、心臓中心51と上端位置53との間で、カウントプロファイルカーブP3の値が最小となるY軸方向の位置を縦隔基準位置57とする。これは、縦隔はMIBGが最も集積しにくく、カウント値が小さい領域だからである。なお、縦隔基準位置57は、ほぼ肺の上端の位置に対応する。
【0047】
縦隔ROI設定部29は、縦隔基準位置に基づいて、RIプラナ画像における縦隔ROIを設定する。縦隔ROI設定部29は、縦隔基準位置57に基づいて、中心領域A3の少なくとも一部を含むように縦隔ROIを設定するようにしてもよい。例えば、縦隔ROI設定部29は、X軸及びY軸に平行な辺を持つ矩形の縦隔ROIを、その上端が縦隔基準位置57と一致するように設定する。
【0048】
縦隔ROI設定部29による縦隔ROIの設定処理について、図7を参照して詳細に説明する。縦隔ROI設定部29は、心臓中心51と縦隔基準位置57の間の領域A4のX軸方向のプロファイルカーブP4を生成する。縦隔ROI設定部29は、プロファイルカーブP4の二つの極大値の間の極小値を縦隔ROI6の中心位置59とする。なお、この中心位置は、中心線決定部25が決定した中心線55を用いてもよい。縦隔ROI6のX軸方向の幅は、右端52から左端54までの距離の所定割合(例えば20%)の幅であり、縦隔ROI6のX軸方向の中心位置が中心位置59と一致するようにしてもよい。縦隔ROI6のY軸方向の幅は、心臓中心51から縦隔基準位置57までの距離の所定割合(例えば30%)の幅であり、その上端が縦隔基準位置57と一致するようにしてもよい。
【0049】
図1に戻ると、ROIデータ記憶部15は心臓ROI設定部13で設定された心臓ROI5を示す心臓ROIデータ及び縦隔ROI設定処理部20で設定された縦隔ROI6を示す縦隔ROIデータを記憶する。例えば、心臓ROIデータは、心臓ROIの閉曲線を構成する点の座標の集合であり、縦隔ROIデータは、矩形の縦隔ROIの頂点の座標の集合である。
【0050】
H/M比算出部17は、心臓ROI5内の画像データ及び縦隔ROI6内の画像データに基づいて、H/M比を算出する。例えば、H/M比算出部17は、心臓ROI5内のカウント値の平均値(ROI内のカウント値の総和をROI内の画素数で割った値、以下同じ)、及び縦隔ROI6内のカウント値の平均値を算出し、縦隔ROI6内のカウント値の平均値を分母として両者の比を算出する。H/M比算出部17が算出したH/M比は、表示装置3に表示させるようにしてもよい。
【0051】
次に、上述の構成を備えた画像処理装置1の処理手順について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0052】
まず、表示装置3にROI設定画面100が表示されているときに、オペレータの操作に従って心臓ROI設定部13がRIプラナ画像Gにおいて心臓ROIを設定する(S10)。心臓ROI設定部13は、心臓ROIデータをROIデータ記憶部15に保存する。
【0053】
心臓ROIの設定後、オペレータによって実行ボタン101が操作されるとH/M比算出処理が開始される(S12)。
【0054】
すなわち、右端設定部22がRIプラナ画像Gにおける被験者の右端を設定し、上端設定部23が処理範囲の上端を設定する(S14)。
【0055】
次に、中心線決定部25が、RIプラナ画像Gにおける被験者の胸部領域のカウント値の分布に従って、被験者の身体の中心線を検出する(S16)。さらに、縦隔基準位置検出部27がこの中心線を含む、被験者の身体の中心領域のカウント値の分布に従って、上下方向の縦隔基準位置を設定する(S18)。
【0056】
縦隔ROI設定部29が縦隔基準位置に基づいて、縦隔ROIを設定する(S20)。縦隔ROI設定部29は、縦隔ROIデータをROIデータ記憶部15に保存する。
【0057】
H/M比算出部17は、RIプラナ画像Gの画像データ、ROIデータ記憶部15の心臓ROIデータ及び縦隔ROIデータに基づいて、H/M比を算出する(S22)。ここで算出されたH/M比が表示装置3に表示出力される。
【0058】
これにより、オペレータがRIプラナ画像Gにおいて心臓ROIを設定すると、画像処理装置1が自動的に縦隔ROIを設定し、この縦隔ROIを用いて自動的にH/M比が算出される。その結果、縦隔ROIの位置設定のばらつきによるH/M比のばらつきを抑制することができる。つまり、オペレータによらず、安定的にH/M比を算出することができる。
【0059】
つぎに、第2の実施形態に係る画像処理装置について説明する。第2の実施形態に係る画像処理装置は、特定のRI薬剤を投与した被験者を異なる時間帯に撮影した複数のRIプラナ画像を処理して、WRを算出する。本実施形態の画像処理装置は、第1の実施形態の画像処理装置と同じ縦隔ROI設定装置を含む。以下の説明では、第1の実施形態の画像処理装置と同じ構成については、第1の実施形態と同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0060】
図9は、第2の実施形態に係る画像処理装置8の全体構成を示す。同図に示すように、画像処理装置8は、画像処理装置本体80に入力装置2及び表示装置3が接続されている。画像処理装置本体80は、例えば、プロセッサ及びメモリを備えた汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明する画像処理装置本体80内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。このコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納することができる。
【0061】
画像処理装置8は、画像データ記憶部11と、画像調整部12と、心臓ROI設定部13と、縦隔ROI設定処理部20と、ROIデータ記憶部15と、WR算出部19とを備える。WR算出部19は、特定のRI薬剤を投与した被験者を異なる時間帯に複数回撮像したプラナ画像を処理して、WRを算出する。
【0062】
例えば、画像データ記憶部11には、RI薬剤投与後の第1の時間帯に撮影したRIプラナ画像(早期像)と、第1の時間帯より後の第2の時間帯に撮像したRIプラナ画像(後期像)の画像データとが記憶されている。
【0063】
画像調整部12は、オペレータの指示に従い、早期像及び後期像を画像の中心点、あるいは任意の点を中心に画像を回転移動させたり、平行移動させたりする。これにより、例えば、オペレータの目視により、早期像及び後期像の被験者が完全に重なるように設定してもよい。
【0064】
縦隔ROI設定処理部20は、画像データ記憶部11に記憶されている早期像及び後期像の画像データに基づいて、それぞれの画像の縦隔ROIを設定する。例えば、縦隔ROI設定処理部20は、早期像及び後期像のそれぞれに対して、個別に第1の実施形態で説明した処理を施して、それぞれの画像の縦隔ROIを設定してもよい。
【0065】
心臓ROI設定部13は、画像データ記憶部11に記憶されている早期像及び後期像の画像データに基づいて、それぞれの画像の心臓ROIを設定する。例えば、心臓ROI設定部13は、早期像及び後期像のそれぞれに対して、個別にオペレータの指示に従って心臓ROIを設定してもよい。
【0066】
また、縦隔ROI設定処理部20及び心臓ROI設定部13は、早期像または後期像のいずれか一方について第1の実施形態において説明した手順で縦隔ROI及び心臓ROIを設定した後、他方の画像に対しては先に設定した縦隔ROI及び心臓ROIに基づいて設定するようにしてもよい。例えば、縦隔ROI設定処理部20及び心臓ROI設定部13が、早期像に対して第1の実施形態で説明した処理手順に従って心臓ROI及び縦隔ROIを設定すると、ここで設定された早期像内での心臓ROI及び縦隔ROIの位置及び大きさに基づいて、後期像内の同じ位置に同じ大きさの心臓ROI及び縦隔ROIを設定してもよい。このとき、さらに、画像調整部12によって心臓ROI及び縦隔ROIと後期像との位置関係を修正してもよい。
【0067】
WR算出部19は、早期像及び後期像の画像データに基づいて、早期像を撮影した時刻と後期像を撮影した時刻の間のWRを算出する。例えば、WR算出部19は、早期像及び後期像のそれぞれについて、心臓ROI5内のカウント値の平均値、及び縦隔ROI6内のカウント値の平均値を算出する。そして、早期像及び後期像の心臓ROI5内のカウント値の平均値、及び縦隔ROI6内のカウント値の平均値を用いて、公知の算出方法によってWRを算出する。
【0068】
これにより、オペレータが早期像または後期像のRIプラナ画像において心臓ROIを設定すると、画像処理装置が自動的に早期像および後期像について縦隔ROIを設定し、これらの縦隔ROIを用いて自動的にWRが算出される。その結果、縦隔ROIの位置設定のばらつきによるWRのばらつきを抑制することができる。
【0069】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【0070】
例えば、上述した実施形態ではRI薬剤としてMIBGを用いた場合を例にとって説明したが、本発明はMIBG以外のRI薬剤を用いた場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
11 画像データ記憶部
12 画像調整部
13 心臓ROI設定部
15 ROIデータ記憶部
17 H/M比算出部17
25 中心線決定部
27 縦隔基準位置検出部
29 縦隔ROI設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性医薬品を投与した被験者を撮影したRI(Radio Isotope)プラナ画像の画像データを記憶する手段と、
前記RIプラナ画像における前記被験者の身体の中心線が含まれる、前記被験者の身体の中心領域を決定する手段と、
前記RIプラナ画像の画像データを用いて、前記被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブを生成する手段と、
前記身体の中心領域のプロファイルカーブに基づいて、前記被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置を特定する手段と、
前記被験者の身体の中心線、及び前記縦隔基準位置に基づいて、前記RIプラナ画像における縦隔ROIを設定する手段と、を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記放射性医薬品がMIBG(3−iodobenzylguanidine)である、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記RIプラナ画像における前記被験者の左右の肺領域を含む胸部領域を特定し、前記胸部領域の前記RIプラナ画像の画像データを用いて、前記胸部領域のプロファイルカーブを生成する手段と、
前記胸部領域のプロファイルカーブに基づいて、前記RIプラナ画像における被験者の身体の中心線を決定する手段と、をさらに備え、
前記身体の中心領域を決定する手段は、前記被験者の身体の中心領域を前記中心線を決定する手段によって検出された被験者の身体の中心線を中心とした帯状領域とする、請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記RIプラナ画像における前記被験者の身体の向きは、所定の基準方向の向きであり、
前記中心線を決定する手段は、前記胸部領域のプロファイルカーブにおいて、左右の肺にそれぞれ対応する二つの極大値の間の極小値をとる位置、及び前記基準方向に基づいて前記身体の中心線を決定する、請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記縦隔基準位置を特定する手段は、前記身体の中心領域のプロファイルカーブにおける最小値をとる位置を前記縦隔基準位置とする、請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記縦隔ROIを設定する手段は、前記縦隔基準位置に基づいて、前記縦隔ROI内に前記中心領域の少なくとも一部が含まれるように設定する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記RIプラナ画像における前記被験者の心臓領域を特定する心臓ROIを設定する手段と、
前記心臓ROI内の画像データ及び前記縦隔ROI内の画像データに基づいて、心/縦隔比(H/M比)を算出する手段と、をさらに有する請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記RIプラナ画像を表示装置に表示させる表示手段をさらに備え、
前記心臓ROIを設定する手段は、オペレータの指示に従って、前記表示装置に表示されている前記RIプラナ画像における前記被験者の心臓領域を特定する、請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
放射性医薬品を投与した被験者を異なる時間帯に撮影したRI(Radio Isotope)プラナ画像の画像データを記憶する記憶手段と、
前記RIプラナ画像における前記被験者の身体の中心線が含まれる、前記被験者の身体の中心領域を決定する中心領域決定手段と、
前記RIプラナ画像の画像データを用いて、前記被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブを生成するプロファイルカーブ生成手段と、
前記身体の中心領域のプロファイルカーブに基づいて、前記被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置を特定する縦隔基準位置特定手段と、
前記被験者の身体の中心線、及び前記縦隔基準位置に基づいて、前記RIプラナ画像における縦隔ROIを設定する縦隔ROI設定手段と、
前記RIプラナ画像における前記被験者の心臓領域を特定する心臓ROIを設定する心臓ROI設定手段と、
前記記憶手段に前記被験者を異なる時間帯に撮影した第1及び第2のRIプラナ画像の画像データが記憶されているとき、前記心臓ROI設定手段により設定された第1及び第2のRIプラナ画像の心臓ROI内の画像データと、前記中心領域決定手段、前記プロファイルカーブ生成手段、前記縦隔基準位置特定手段、及び前記縦隔ROI設定手段の処理により設定された第1及び第2のRIプラナ画像の縦隔ROI内の画像データとに基づいて、心筋洗い出し率(WR)を算出する算出手段と、を有する画像処理装置。
【請求項10】
前記中心領域決定手段が、前記第1のRIプラナ画像における前記被験者の身体の中心領域を決定し、
前記プロファイルカーブ生成手段が、前記第1のRIプラナ画像における前記被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブを生成し、
前記縦隔基準位置特定手段が、前記第1のRIプラナ画像における前記被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置を特定し、
前記縦隔ROI設定手段が、前記第1のプラナ画像における被験者の身体の中心線、及び前記第1のプラナ画像における縦隔基準位置に基づいて、前記第1のRIプラナ画像における縦隔ROIを設定するととともに、前記第1のRIプラナ画像に設定された縦隔ROIの位置及び大きさに基づいて、前記第2のRIプラナ画像における縦隔ROIを設定する、請求項9記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記中心領域決定手段が、前記第1及び第2のRIプラナ画像における前記被験者の身体の中心領域をそれぞれ決定し、
前記プロファイルカーブ生成手段が、前記第1及び第2のRIプラナ画像における前記被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブをそれぞれ生成し、
前記縦隔基準位置特定手段が、前記第1及び第2のRIプラナ画像における前記被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置をそれぞれ特定し、
前記縦隔ROI設定手段が、前記第1のプラナ画像における被験者の身体の中心線、及び前記第1のプラナ画像における縦隔基準位置に基づいて、前記第1のRIプラナ画像における縦隔ROIを設定するととともに、前記第2のプラナ画像における被験者の身体の中心線、及び前記第2のプラナ画像における縦隔基準位置に基づいて、前記第2のRIプラナ画像における縦隔ROIを設定する、請求項9記載の画像処理装置。
【請求項12】
放射性医薬品を投与した被験者を撮影したRI(Radio Isotope)プラナ画像の画像データを記憶する記憶手段を備えた画像処理装置が行う画像処理方法であって、
前記RIプラナ画像における前記被験者の身体の中心線が含まれる、前記被験者の身体の中心領域を決定するステップと、
前記RIプラナ画像の画像データを用いて、前記被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブを生成するステップと、
前記身体の中心領域のプロファイルカーブに基づいて、前記被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置を特定するステップと、
前記縦隔基準位置に基づいて、前記RIプラナ画像における縦隔ROIを設定するステップと、を行う画像処理方法。
【請求項13】
放射性医薬品を投与した被験者を撮影したRI(Radio Isotope)プラナ画像の画像データを記憶する記憶手段を備えた画像処理装置が行う画像処理のためのコンピュータプログラムであって、
前記RIプラナ画像における前記被験者の身体の中心線が含まれる、前記被験者の身体の中心領域を決定するステップと、
前記RIプラナ画像の画像データを用いて、前記被験者の身体の中心領域のプロファイルカーブを生成するステップと、
前記身体の中心領域のプロファイルカーブに基づいて、前記被験者の身体における上下方向の縦隔基準位置を特定するステップと、
前記縦隔基準位置に基づいて、前記RIプラナ画像における縦隔ROIを設定するステップと、を前記画像処理装置に実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−78088(P2012−78088A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220474(P2010−220474)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000149837)富士フイルムRIファーマ株式会社 (54)
【Fターム(参考)】