説明

画像処理装置、方法及びプログラム

【課題】画像フィルタ処理をしている時、フィルタ処理において発生するエイリアシング効果をほとんど除去できると共に、計算量が大きくならないような補充サイズを確定することが可能な画像処理装置、方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本実施形態に係る画像処理装置は、画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する画像処理装置であって、周波数領域フィルタ処理が造り出すエイリアシング効果の空間領域上の変化を表す関数である周波数領域フィルタのエイリアシング効果関数を前記画像に基づいて取得するエイリアシング効果関数取得部と、前記エイリアシング効果関数に基づいて前記画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する補充サイズ確定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態はコンピュータ分野に関し、具体的には、画像フィルタ処理を行う際に、画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する画像処理装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理技術では、画像を平滑化するために、画像に対してフィルタ処理が行われる。
【0003】
一般的に、フィルタ処理は、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)を用いて画像を空間領域から周波数領域へ変換し、周波数領域において、フィルタ関数を用いて変換後の画像に対してフィルタリングを行う。具体的には、フィルタ処理は、フィルタ関数を画像上に作用させ、例えば、周波数領域においてフィルタ関数を画像関数と相乗させるように(空間領域において循環畳み込み(cyclic convolution)を行うことと等価である)フィルタ関数を画像上に作用させる。その後、フーリエ逆変換によりフィルタ処理後の画像を空間領域へ戻す変換を行う。これにより、画像を平滑化することができる。
【0004】
ここで、フィルタを用いて画像に対してフィルタ処理を行う場合、フィルタ処理においてフィルタにより画像上へ作用させる(空間領域において循環畳み込みを行うことと等価である)際に発生するエイリアシング効果(このようなエイリアシング効果は、実質的には、循環畳み込みを行う場合に画像の最後部と画像の最前部が隣接することによって、画像の最後部と画像の最前部とが相互干渉することで発生するものである)を回避するため、画像を拡張し、拡張した画像位置に対して合理的な画像値を補充(例えば、0の画像値を設定)することによって、エイリアシング効果を除去又は回避することができる。
【0005】
例えば、画像のフィルタ方向における長さをAとし、フィルタの長さをBとした場合、完全にエイリアシング効果を回避するためには、少なくともフィルタ方向において画像の処理が終了した位置から開始して画像の長さをA+B−1の長さまで拡張することが必要で、拡張した位置に対して合理的な画像値を補充する。例えば、補充サイズがB−1の画像拡張部分に対して0の画像値を設定した状況下で周波数領域においてフィルタ処理を行った場合、画像の最後部における画像値が0の画像位置では、画像の最前部に対して形成される干渉も0となり、これによってエイリアシング効果を回避できる。この他、例えば、画像のフィルタ方向における長さとフィルタの長さの両方をAとした場合、フィルタ方向において画像の処理が終了した位置から開始して画像を(2*A−1)の長さまで拡張することが必要で、このような状況下では、画像の補充サイズ(長さ)はA−1となる。
【0006】
通常のフィルタ処理では、フィルタサイズ(長さ)は、画像サイズと一致する場合が多い。そのため、上記のフィルタ処理において、サイズがほぼ2倍に拡張された画像(例えば、上記の2*A−1のサイズ)に対してフーリエ変換とフーリエ逆変換を行うことが必要となり、計算量が大きくなってしまう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Digital Image Processing By Gonzalez,2nd Edition 2002,Page 199,More on Periodicity:the Need for Padding
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、画像フィルタ処理をしている時、フィルタ処理において発生するエイリアシング効果をほとんど除去できると共に、計算量が大きくならないような補充サイズを確定することが可能な画像処理装置、方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る画像処理装置は、画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する画像処理装置であって、エイリアシング効果関数取得部と、補充サイズ確定部とを備える。エイリアシング効果関数取得部は、周波数領域フィルタ処理が造り出すエイリアシング効果の空間領域上の変化を表す関数である周波数領域フィルタのエイリアシング効果関数を前記画像に基づいて取得する。補充サイズ確定部は、前記エイリアシング効果関数に基づいて前記画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本実施形態の一例に基づく画像フィルタ処理を実施する場合に画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する方法を示す図である。
【図2】図2は、本実施形態の一例に基づく周波数領域フィルタのエイリアシング効果関数を得る処理を示すフロー図である。
【図3】図3は、本実施形態の一例に基づく、バターワースフィルタ(Butterworth filter)により得られたエイリアシング効果関数を示す図である。
【図4】図4は、本実施形態の一例に基づく、エイリアシング効果関数に基づいて補充サイズを確定する処理を示すフロー図である。
【図5】図5は、本実施形態の一例に基づく画像処理方法を示すフロー図である。
【図6】図6は、本実施形態の一例に基づくフィルタ処理を示す具体的フロー図である。
【図7】図7は、本実施形態の一例に基づく、画像の拡張が必要か否かを判断する処理を含む画像処理方法を示すフロー図である。
【図8】図8は、本実施形態の一例に基づく、補充サイズに基づいて画像の拡張が必要か否かを判断する処理を示すフロー図である。
【図9】図9は、本実施形態の一例に基づく、画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する補充サイズ確定装置を示す図である。
【図10】図10は、本実施形態の一例に基づく、エイリアシング効果関数取得部の構成を示す図である。
【図11】図11は、本実施形態の一例に基づく、補充サイズ確定部の構成を示す図である。
【図12】図12は、本実施形態に基づく画像処理装置の構成を示す図である。
【図13】図13は、本実施形態に基づく画像処理装置の構成を示す図である。
【図14】図14は、本実施形態に基づく一例の判断部を示す構成図である。
【図15】図15は、本実施形態の方法及び/又は装置を実現可能なコンピュータの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、本実施形態の基本的理解のために、その一例の概要について説明する。ただし、この概要は、本実施形態のキーワードや重要な部分を確定するものではなく、本実施形態の範囲を限定するものでもない。その目的は、単に、本実施形態の概念を簡潔に説明するためのものであり、その後に論述する更に詳細な説明の序章にすぎない。
【0012】
本実施形態は、画像フィルタ処理をする際に、フィルタ処理において発生するエイリアシング効果をほとんど除去できると共に、計算量が大きくならないような補充サイズを確定するための装置、方法及びプログラム、並びに、その装置、方法及び装置を利用して画像フィルタ処理を行う装置、方法及びプログラムを提供するものである。
【0013】
本実施形態では、採用したことのない長さの補充サイズ(例えば、上述のA−1又はB−1に至る長さの補充サイズ)により画像フィルタ処理を行うので、大きな計算量を伴わないで、フィルタ処理において発生するエイリアシング効果の画質に対する影響をほとんど除去できる。
【0014】
このため、本実施形態に係る画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する補充サイズ確定装置は、周波数領域フィルタの前記画像に対するエイリアシング効果関数を得るエイリアシング効果関数取得部と、前記エイリアシング効果関数に基づいて前記画像の補充サイズを確定する補充サイズ確定部とを備えたことを特徴とする。
【0015】
さらに、本実施形態に係る画像処理装置は、上記補充サイズ確定装置と、空間領域において前記補充サイズに基づいてフィルタ方向へ画像を拡張する画像拡張部と、拡張後の画像に対してフィルタリングを実行するフィルタ部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本実施形態に係る画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する補充サイズ確定方法は、周波数領域フィルタの該画像に対するエイリアシング効果関数を取得するステップと、前記エイリアシング効果関数に基づいて該画像の補充サイズを確定するステップとを含んだことを特徴とする。
【0017】
また、本実施形態に係る画像処理方法は、上記補充サイズ確定方法に基づいて補充サイズを確定するステップと、空間領域において前記補充サイズに基づいてフィルタ方向において画像を拡張するステップと、拡張後の画像に対してフィルタリングを実行するステップとを含んだことを特徴とする。
【0018】
更に、本実施形態は、更に少なくともコンピュータ読み取り可能な媒体形式のコンピュータプログラム製品を提供し、その上、上述方法を実現するためのコンピュータプログラムコードを提供する。
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について更に詳細に説明し、本発明の上記及びその他の効果について、更に説明していく。
【0020】
本実施形態は、以下の説明において理解を助けるため図面を参考にしながら説明する。図面において、同じ又は類似する技術特徴や各構成については、同じ又は類似する符号や表記を用いて説明する。これらの図面は、以下の詳細な説明も含めて、本実施形態の良好な実施例や本実施形態の原理や優位性についての解説のために更に例を挙げて説明するためのものである。
【0021】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の1つの図面又は1つの実施例において説明される構成や特徴は、1つ又は複数の他の図面又は実施例における構成や特徴と組み合わせることが可能である。なお、説明をわかりやすくするために、図面と説明において本実施形態と関係の無い内容や、当業者にとって既知の構成や処理に関する表示や説明については省略する。
【0022】
図1は、本実施形態の一例に基づく画像フィルタ処理を実施する場合に画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する方法を示す図である。
【0023】
図1に示すように、ステップS102において、エイリアシング効果関数を取得する。
【0024】
具体的には、ステップS102において、フィルタ処理が必要な画像に基づいて周波数領域フィルタの画像フィルタ方向におけるエイリアシング効果関数を取得する。
【0025】
ここで、エイリアシング効果関数は、フィルタ処理が造り出すエイリアシング効果の空間領域上の変化を表す関数である。
【0026】
例えば、画像のフィルタ方向が1次元の場合(例えば、3次元画像におけるX方向、Y方向又はZ方向上でフィルタリングする場合)、該画像に基づくエイリアシング効果関数は、該画像のフィルタ方向(例えば、3次元画像におけるX方向、Y方向又はZ方向)における1次元関数である。又は、画像フィルタ方向が2次元(例えば、3次元画像におけるX方向とY方向上でフィルタリングする場合)又は多次元の場合、該画像に基づくエイリアシング効果関数は、該画像のフィルタ方向(例えば、3次元画像におけるX方向とY方向)における2次元関数又は多次元関数である。
【0027】
1つの好適な例として、医用画像の応用場面において、画像フィルタ方向は、例えば3次元画像におけるZ軸方向とすることができる。このような状況下において、エイリアシング効果関数は、該医用画像のZ軸上の関数である。ここで、前記医用画像は、医用画像診断装置により取得された被検体データに基づいて生成された画像である。この医用画像診断装置は、X線診断(X-Ray Diagnostic:XR)装置、超音波診断(Ultrasonic Diagnostic:UL)装置、コンピュータ断層診断(Computed Tomography:CT)装置、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging)装置、ポジトロン断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)装置等を含むが、これに限定されない。
【0028】
エイリアシング効果関数の取得方法は、他にもある。
【0029】
例えば、画像のフィルタリング前後の変化を分析することにより、エイリアシング効果関数を得ることもできる。
【0030】
又は、外部から(例えば、各フィルタのエイリアシング効果関数を記憶させているメモリの中から)直接フィルタのエイリアシング効果関数を得るようにしても良い。
【0031】
続いて、ステップS104において、画像の補充サイズを確定する。
【0032】
具体的には、エイリアシング効果関数に基づいて画像の補充サイズを確定する。
【0033】
エイリアシング効果関数は、周波数領域のフィルタ処理の際に発生するエイリアシング効果の空間領域における変化を表すので、エイリアシング効果関数に基づいてエイリアシング効果を見落とさない程度まで十分に制限できる空間領域上の補充サイズを確定する。
【0034】
エイリアシング効果関数に基づいて補充サイズを確定することにより、空間領域上で画像を長すぎるサイズまで拡張させる必要はない。そのため、画像のフィルタ処理における長すぎる画像サイズに起因する大きな計算量を減らすことができる。また、エイリアシング効果の影響を考慮しているので、エイリアシング効果の影響をほとんど除去することができ、画質を保証することができる。
【0035】
本実施形態の一例において、画像のフィルタ処理前後の変化を分析してエイリアシング効果関数を得ることができる。
【0036】
具体的には、フィルタを画像(例えば、フィルタ処理を必要とする画像のフィルタ方向において同じサイズの画像)に作用させることにより、該画像のフィルタ処理前後の変化に基づいてフィルタが造り出すエイリアシング効果の大きさを表すエイリアシング効果関数を得る。
【0037】
図2は、本実施形態の一例に基づく周波数領域フィルタのエイリアシング効果関数を得る処理を示すフロー図である。
【0038】
図2に示すように、ステップS202において、テスト画像を構築する。
【0039】
具体的には、空間領域においてフィルタ処理を必要とする画像と同じサイズの画像を構築してテスト画像とする。
【0040】
このテスト画像は、いかなる形式の画像でもよく、空間領域上でフィルタ処理を必要とする画像と同じサイズであればそれで良い。例えば、ある状況下において、フィルタ処理を必要とする画像を直接テスト画像としても良い。
【0041】
本実施形態の一好適例において、前記テスト画像は、フィルタ方向において矩形波関数(impulse function)形式の画像を呈し、計算を簡易化することができる。
【0042】
更に好適な実施形態において、前記テスト画像は、例えば、フィルタ方向において(例えば、1次元フィルタの状況下でのZ軸)、前記画像の第一位置での画像値が単位強度(例えば、1)でその他の位置での画像値は0となるような画像で良い。
【0043】
引き続き、図2に示すように、ステップS204では、構築したテスト画像に基づいてフィルタ処理を行う。
【0044】
具体的には、先にフーリエ変換により該テスト画像を周波数領域へ変換する。
【0045】
続いて、周波数領域においてテスト画像に対してフィルタ処理を行う。
【0046】
例えば、フィルタ関数をテスト画像の関数と周波数領域で掛け合わせ(空間領域で循環畳み込みを行うことと等価である)て、フィルタ処理を実現する。
【0047】
そして、フィルタ処理が行われたテスト画像は、フーリエ逆変換によって空間領域へ戻す変換が行われても良い。
【0048】
こうして、周波数領域においてテスト画像に対するフィルタ処理が実行される。
【0049】
続いて、ステップS206において、画像のフィルタ処理前後のテスト画像の変化に基づいてエイリアシング効果関数を得る。
【0050】
明らかに、周波数領域においてフィルタ処理を行わない場合、逆変換後のテスト画像は変化が生じない(例えば、依然として矩形波関数の形式である)。
【0051】
ただし、テスト画像に対して周波数領域においてフィルタ処理を行った場合、フィルタ処理はテスト画像を平滑化できる。一方、フィルタ処理において発生するエイリアシング効果は逆変換して空間領域へ戻した場合、逆変換後のテスト画像を空間領域における異なる位置での画像値を変化させる。
【0052】
そのため、フィルタ処理後のテスト画像の空間領域における異なる位置での画像値の変換に基づいて、周波数領域でのフィルタ処理によって造り出されるエイリアシング効果の空間領域における変化を表すためのエイリアシング効果関数を確定することができる。
【0053】
上記のように、テスト画像が矩形波関数形式である状況下において(ここで、該テスト画像の第一画素の強度は単位強度1であり、その他の画素は0と取る)、逆変換後のテスト画像は、画像の異なる位置の画像フィルタ処理前後の変化を直観的に反映している。そのため、このような変化に基づいて簡単に直観的にエイリアシング効果関数を得ることができる。
【0054】
以上、矩形波関数形式のテスト画像を利用してエイリアシング効果関数を確定する例を示したが、本実施形態はこれに限定されない。結局のところ、前記テスト画像はいかなる形式でも良い。
【0055】
例えば、その他の形式のテスト画像を採用する状況下において、テスト画像における各位置の画像値のフィルタ処理前後の変化に基づいてエイリアシング効果関数を確定しても良い。
【0056】
具体的には、先にテスト画像における各位置の画像値のフィルタ処理前後の変化を計算し、その後、数学的処理(例えば、解析処理等)によりエイリアシング効果関数を確定する。
【0057】
図3は、本実施形態の一例に基づく、バターワースフィルタ(Butterworth filter)により得られたエイリアシング効果関数を示す図である。
【0058】
なお、図3に示すエイリアシング効果関数は単なる一例に過ぎず、本実施形態はこれに限定されない。結局のところ、バターワースフィルタに基づくエイリアシング効果関数もその他適切な形式を採用することができ、それはエイリアシング効果の大きさの空間領域における分布を反映すればそれで良い。
【0059】
図3に示すエイリアシング効果関数は、エイリアシング効果の大きさの空間領域における分布を表しており、その横軸は空間領域のフィルタリングされた画像部分からの異なる距離の所の画像部分を表し、縦軸は各画像部分に対応するエイリアシング効果の大きさを表し、曲線と横軸に囲われる面積はエイリアシング効果の大きさと関係する。
【0060】
そのため、図3に基づいて異なる距離に対応するエイリアシング効果の大きさを確定し、画像を相応する距離まで拡張し、相応する位置で適切な値を補充する(例えば、0の値とする)ことにより、周波数領域のフィルタ処理により造り出されたエイリアシング効果を除去することができる。
【0061】
従来技術では、画像を、フィルタと同じサイズまで拡張し、拡張位置に対して0の画像値を充当することにより、現れたエイリアシング効果を完全に除去でき、エイリアシング効果を除去することができる。
【0062】
しかし、このような方法でエイリアシング効果を除去できたとしても、拡張後の画像に対するフーリエ変換とフーリエ逆変換は大きな計算量を伴う。
【0063】
これに対し、本実施形態は、得られたエイリアシング効果関数に基づいて、エイリアシング効果をほとんど除去できるような補充サイズを確定するものである。このような比較的短い補充サイズで画像を拡張してフィルタ処理を行うことにより、フィルタ処理により生じるエイリアシング効果をほとんど除去することができ、計算量も有効に減少させることができる。
【0064】
エイリアシング効果関数に基づいて補充サイズを確定する処理については、各種適切な方法を用いて実現することができる。
【0065】
図4は、本実施形態の一例に基づく、エイリアシング効果関数に基づいて補充サイズを確定する処理を示すフロー図である。
【0066】
図4に示すように、ステップS402において、エイリアシング効果関数に基づいてトータルのエイリアシング効果の大きさを計算する。
【0067】
例えば、エイリアシング効果関数が図3に示すような形式である状況下において、エイリアシング効果関数の全体画像サイズの範囲(例えば、フィルタ画像のサイズに対応するサイズ範囲)で積分することによりトータルのエイリアシング効果の大きさを得ることができる。
【0068】
続いて、ステップS404において、エイリアシング効果関数に基づいて画像における異なる位置(即ち、フィルタリングされた画像部分から異なる距離の所)で発生するエイリアシング効果の大きさを計算できる。
【0069】
例えば、エイリアシング効果関数が図3に示すような形式である状況下において、画像の異なる位置(即ち、フィルタリングされた画像部分から異なる距離の所)で発生するエイリアシング効果を計算することができる。
【0070】
具体的には、エイリアシング効果関数の画像における異なる位置に関して積分を行うことによって相応位置でのエイリアシング効果の大きさを得ることができる。
【0071】
続いて、ステップS406において、各画像位置に対応するエイリアシング効果とトータルに占めるエイリアシング効果の比率に基づいて前記補充サイズを確定する。
【0072】
具体的には、先に各画像位置に対応するエイリアシング効果とトータルのエイリアシング効果の比率を計算し、その比率が予め定めた閾値を超えた時の距離を前記補充サイズとする。ここで、予め定めた閾値は、状況に基づいて予め確定した数値であり、例えば、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%等である。
【0073】
例えば、図3に示す実施形態によれば、6箇所の位置で発生したエイリアシング効果はすべてのエイリアシング効果の95%を占めることがわかる。したがって、前記閾値が95%に設定された場合、画像の補充サイズを6と確定でき、その後、画像を6の位置へ拡張し、各拡張位置を0の値に設定し、このように拡張後の画像は周波数領域へ変換された時この6箇所の位置で造出されたエイリアシング効果は0となる。そのため、フィルタ処理において発生するエイリアシング効果の95%を除去することができ、それにより周波数領域のフィルタ処理において造出されるエイリアシング効果をほとんど除去できる。
【0074】
上記処理によって、画像を画像全体の長さまで広げずに、エイリアシング効果(例えば、上述の実施形態では95%)を実質的に排除できる補充サイズを確定することができ、その結果、その後のフィルタ処理における、計算の量を減少させることができる。
【0075】
本実施形態では、上述した方法を画像の補充サイズを確定するために用いることで、計算量を効果的に減少させて、実質的にエイリアシング効果を排除できる画像処理方法をさらに提供する。
【0076】
図5は、本実施形態の一例に基づく画像処理方法を示すフロー図である。
【0077】
図5に示すように、ステップS502において、画像の補充サイズを確定する。
【0078】
例えば、上記実施形態に基づいて画像の補充サイズを確定する方法により画像の補充サイズを確定できる。
【0079】
続いて、ステップS504において、前記補充サイズに基づいて画像を拡張する。
【0080】
具体的には、空間領域において、前記補充サイズに従って画像フィルタ方向において画像が終わる所の位置から画像を拡張し始めて補充を行う。
【0081】
ここで、画像の拡張位置の画像値は0として補充される。このような状況において、拡張された画像位置の画像フィルタ処理において発生するエイリアシング効果の大きさを0とする。
【0082】
たとえ以上の記載において画像の拡張位置の画像値を0と設定したとしても、以上の記述はただ例として示したに過ぎず、本実施形態はこれに限定されない。拡張位置としてその他の適切な画像値を設定することもでき、エイリアシング効果の影響を有効に減少できればそれで良い。
【0083】
例えば、本実施形態の他の例において、画像の拡張位置の画像値は、画像の拡張エッジ部の画像値に設定されても良い。このような状況において、画像拡張位置で造出するエイリアシング効果は0とならない。ただし、画像の拡張位置が拡張エッジ部のエッジ値で補充されるので、エイリアシング効果の作用は、結局のところ画像のエッジ部で強くなり、画像の主要な部分に対して干渉は起こらない。そのため、この状況下では、エイリアシング効果の影響を有効に減少することができる。
【0084】
この他、上記の画像値は任意の適切な画像パラメータ値で良い。例えば、グレイスケール値等で良い。
【0085】
続いて、ステップS506において、拡張後の画像に対してフィルタ処理を行う。
【0086】
対照的に画像に対して拡張を行うので、拡張の画像に対してフィルタ処理を行うとき、エイリアシング効果をほとんど減少させることができ、計算量も減少させることができる。
【0087】
図6は、本実施形態の一例に基づくフィルタ処理を示す具体的フロー図である。
【0088】
図6に示すように、ステップS602では、フーリエ変換により前記補充サイズに基づく拡張後の画像を周波数領域へ変換する。
【0089】
本実施形態では、短い補充サイズが事前に決められ、その補充サイズに従って画像が拡張されるので、計算量を減少させることができる。
【0090】
そして、ステップS604では、周波数領域において、画像に対して周波数領域フィルタを用いてフィルタ処理が行われても良い。
【0091】
ここで、本実施形態に基づいて比較的短い補充サイズを予め確定し、画像に対してこの補充サイズに基づいて拡張を行うので、周波数領域でのフィルタ処理において、大部分のエイリアシング効果は除去される。つまり、フィルタ処理において、エイリアシング効果はほとんど発生しない。
【0092】
続いて、ステップS606において、フーリエ逆変換によりフィルタ処理後の画像を空間領域へ戻す。
【0093】
明らかに、本実施形態に基づいて、比較的短いサイズを予め確定して、画像に対してそのサイズに基づいて拡張を行うので、フーリエ逆変換において、計算量は減少させることができる。
【0094】
そのため、上記実施形態の画像処理方法に基づいて、エイリアシング効果をほとんど発生させずに計算量を少なくした状態で、画像に対するフィルタ処理を実現できる。
【0095】
以上の記述は、画像フィルタのための画像処理方法の一例に過ぎず、本実施形態はこれに限定されない。例えば、本実施形態の他の一例に基づく画像フィルタのための画像処理方法において、画像を拡張する処理が必要か否かを判断することを含むことができる。
【0096】
具体的には、画像の補充サイズを確定する処理の後に、確定された補充サイズに基づいて画像を拡張する処理が必要が否かを判断する。
【0097】
図7は、本実施形態の一例に基づく、画像の拡張が必要か否かを判断する処理を含む画像処理方法を示すフロー図である。
【0098】
図7に示すように、ステップS702において、画像の補充サイズを確定する。
【0099】
例えば、任意の上記実施形態の方法に基づいて、画像のフィルタ方向における補充サイズを確定する。
【0100】
続いて、ステップS704において、確定されたサイズに基づいて、画像を拡張してエイリアシング効果を回避することが必要か否かを判断する。
【0101】
具体的には、エイリアシング効果は実質的に、画像の周波数領域でフィルタ処理を行う場合(空間領域で循環畳み込みを行う場合と等価)、画像の終わりの部分の画像の頭の部分に対する相互干渉により造出されるものである。そのため、エイリアシング効果を造出する各画像部分と干渉される各画像部分との間の相似性が閾値を超えるか否かに基づいて、画像を拡張することによりエイリアシング効果を回避する必要があるか否かを判断する。ここで、この閾値は経験値と実際の要求に基づいて設定することができる。
【0102】
図7に示すように、ステップS704において拡張は必要ないと判断された場合、ステップS708へ進み、直接フィルタ処理を実行する。
【0103】
一方、ステップS704において拡張が必要と判断された場合、ステップS706において拡張サイズに基づいて画像を補充する。
【0104】
続いて、ステップS708において、画像に対してフィルタ処理を行う。
【0105】
ここで、ステップS702、S706、S708での処理は上記図5で記述した実施形態におけるS502、S504、S506に類似するものであり、ここでは改めて説明することは割愛する。
【0106】
上記の方法により、補充が不要な画像に対して、補充サイズを確定した後に更に画像拡張が不要と判断することができるので、更に演算量を減少させることができる。
【0107】
図8は、本実施形態の一例に基づく、補充サイズに基づいて画像の拡張が必要か否かを判断する処理を示すフロー図である。
【0108】
図8に示すように、ステップS802において、画像の2つの部分の間の相似性を計算する。具体的には、エイリアシング効果を造出する画像部分とエイリアシング効果により干渉される画像部分との間の相似性を計算する。
【0109】
更に具体的には、本実施形態では、確定した大部分のエイリアシング効果を造出する補充サイズに対応する画像部分を、エイリアシング効果を造出する画像部分と見なす。この他、エイリアシング効果は、周波数領域の処理においてフィルタ関数と画像関数とを掛け合わせる(空間領域において循環畳み込みを行うことと等価)ことによって造出されるものであり、そのため、エイリアシング効果の影響を最も大きく受ける画像部分は、空間領域のフィルタ方向(例えば、Z軸フィルタ処理時のZ軸)における第1の画像部分である。そのため、本実施形態において、フィルタ方向における(例えば、Z軸フィルタ処理時のZ軸)の第1画像部分は、エイリアシング効果の影響を受ける画像部分と見なすことができる。
【0110】
明らかに、エイリアシング効果を造出する画像部分と干渉される画像部分との間の相似性が高い(閾値を超える)場合、これらの画像間のそれぞれの干渉(即ち、エイリアシング効果)は小さく、そのため、拡張処理が必要か否かを判定することができる。一方、エイリアシング効果を造出する画像部分と干渉される画像部分との間の相似性が高くない(閾値より小さい)場合、これらの画像間には比較的強い干渉(即ち、エイリアシング効果が高い)が存在し、そのため、空間領域における拡張処理によるエイリアシング効果の除去が必要か否かを判断することができる。
【0111】
例えば、図3に示す実施形態では、画像の6つの位置における画像部分に起因するエイリアシング効果は、全体のエイリアシング効果の95%を占めると測定される。すなわち、それら6つの位置における画像部分が、エイリアシング効果を引き起こすものであるとみなすことができる。したがって、画像を拡張する必要があるか否かは、6つの位置における画像部分と第1の位置における画像部分との間の相似性に応じて、決めることができる。
【0112】
図8を参考にして説明する。ステップS804において、相似性に基づいて画像の拡張が必要か否かを判断する。具体的には、相似性が閾値より大きいか否かに基づいて画像を拡張する必要があるか否かを判断する。
【0113】
例えば、画像拡張を行う前に、画像における第1位置での画像部分と確定された6箇所の中の各位置での画像部分との相似性が閾値を超えているか否かに基づいて画像を拡張する必要があるか否かを判断する。
【0114】
周波数領域のフィルタ処理は、空間領域における循環畳み込みと等価であるので、空間領域上でみて、図3において確定された95%造出のエイリアシング効果のこの6箇所の位置は実質的に画像の空間領域における最後の6箇所の位置である。
【0115】
そのため、画像における第1の位置での画像部分と画像における最後の6箇所の位置の中の各位置での画像部分の相似性がすべて閾値を超えている場合、画像における最後の6箇所の位置での画像部分と画像における第1の位置での画像部分は相似しており、且つこれらが造出するエイリアシング効果は小さく、そのため、ステップS806において拡張処理が必要か否かを判定することができる。
【0116】
その他、画像における第1の位置での画像部分と画像における最後の6箇所の位置の中の1つの又は複数の位置での画像部分の相似性が閾値より小さい場合、画像における最後の6箇所の位置において画像に対して造出されるエイリアシング効果の部分が存在し、そのため、ステップS808において拡張処理が必要か否かを判定することができる。
【0117】
加えて、画像の第1の位置における画像部分を、上述した説明でエイリアシング効果の大部分を引き起こす各画像部分(補充サイズに対応する画像部分)と比較してもよい。なお、上述した説明は本発明の一例にすぎず、本発明を限定するものではない。
【0118】
例えば、医用画像への応用において、医用画像を考えれば、フィルタ方向において、大体が連続的に緩やかに変化するものであり、そのため、大部分のエイリアシング効果を造出する画像部分(図3に示す例では、最後の6箇所の位置での画像部分)を近似的に同じものと見なす。そのため、画像における第1位置での画像部分とこの6箇所の位置での画像部分の中の任意の一部分(より好適には、最後の1つの位置での画像部分である)の間の相似性をただ計算するだけで、この比較結果に基づいて画像を拡張する必要があるか否かを判断することができる。このような方法により相似性を計算することで、更に計算量を減少させることができ、効率をアップさせることができる。
【0119】
上述の処理において、各種方法を採用することで画像の2つの部分の相似性を計算することができる。
【0120】
例えば、画像が2次元画像でフィルタ方向に(例えば、X方向フィルタの状態)という状況下において、計算が必要な2つの画像部分は2次元のX方向において切断して得られる2つの画像帯である。
【0121】
再び例えば、画像が3次元画像でフィルタ方向に1次元(例えば、Z方向フィルタの状況)の状況下(例えば、医用画像の状況下)において、計算が必要な2つの画像部分は、3次元画像のZ方向において切断され得られる2つの画像片である。
【0122】
2つの画像部分に基づいて相似性を計算する方法はいろいろある。例えば、以下のような式により2つの画像片の相似性を計算することができる:
【0123】
【数1】

【0124】
上記の式において、Sは2つの画像片の相似性を表し、Nは各画像片における画素数を表し、gは第1の画像片における第i番目の画素のパラメータ値を表し、sは第2の画像片における第i番目の画素のパラメータ値を表す。上記のように、前記パラメータは、例えば画素のグレイスケール値である。
【0125】
上述では、画像片に基づいて相似性を計算する例として記述したものであるが、本実施形態はこれに限定されない。上記の式は、同様に画像帯に対しても相似性を計算することができるが、ここでは改めて詳細に説明することを割愛する。
【0126】
また、本実施形態では、対応する装置も提供する。
【0127】
図9は、本実施形態の一例に基づく、画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する補充サイズ確定装置を示す図である。
【0128】
図9に示すように、本実施形態に基づく画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する補充サイズ確定装置900は、エイリアシング効果関数取得部902と補充サイズ確定部904を有する。
【0129】
具体的には、エイリアシング効果関数取得部902は、前記画像に基づいて周波数領域のフィルタのエイリアシング効果関数を取得する。補充サイズ確定部904は、前記エイリアシング効果関数に基づいて画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する。ここで、上記のように、エイリアシング効果関数は、周波数領域のフィルタ処理の画像に対して造出されるエイリアシング効果の空間領域における変化を表す関数である。
【0130】
エイリアシング効果関数取得部902は、各種の方法でエイリアシング効果関数を得ることができる。
【0131】
例えば、エイリアシング効果関数取得部902は、フィルタ処理によって引き起こされる画像の変化を分析することで、エイリアシング効果関数を得ることができる。
【0132】
または、エイリアシング効果関数取得部902は、外部(例えば、各フィルタのエイリアシング効果関数が格納される記憶装置)から直接、フィルタのエイリアシング効果関数を得てもよい。
【0133】
補充サイズ確定部904は、エイリアシング効果関数に基づいて画像の補充サイズを確定する。更に具体的には、補充サイズ確定部904は、エイリアシング効果関数に基づいてエイリアシング効果を見落とさない程度に十分なまでに制限できる空間領域上の補充サイズを確定する。
【0134】
上記実施形態に基づく画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定するための装置は、エイリアシング効果関数に基づいて補充サイズを確定し、空間領域上で画像を長すぎるサイズまで拡張させる必要はない。そのため、画像のフィルタ処理における長すぎる画像サイズに起因する大きな計算量を減らすことができる。また、エイリアシング効果の影響を考慮しているので、エイリアシング効果の影響をほとんど除去することができ、画質を保証することができる。
【0135】
本実施形態の一例において、エイリアシング効果関数取得部902は、画像のフィルタ前後の変化を分析することにより、エイリアシング効果関数を得る。
【0136】
図10は、本実施形態の一例に基づく、エイリアシング効果関数取得部の構成を示す図である。
【0137】
図10に示すように、本実施形態に基づくエイリアシング効果関数取得部1000は、テスト画像構築部1002、エイリアシング効果関数生成部1004を有する。
【0138】
具体的には、テスト画像構築部1002は、該画像のサイズと同じサイズのテスト画像を構築し、エイリアシング効果関数生成部1004は、テスト画像のフィルタ処理前後の変化に基づいてエイリアシング効果関数を得る。
【0139】
ここで、前記テスト画像は任意形式の画像でよく、空間領域においてフィルタ処理が必要な画像と同じサイズであれば良い。例えば、ある状況下において、フィルタ処理が必要な画像を直接テスト画像とすれば良い。
【0140】
本実施形態の一好適例において、前記テスト画像は、フィルタ方向において矩形波関数形式の画像を呈し、計算を簡易化することができる。
【0141】
更に好適な実施形態において、前記テスト画像は、例えば、フィルタ方向において(例えば、1次元フィルタの状況下でのZ軸)、前記画像の第一位置での画像値が単位強度(例えば、1)でその他の位置での画像値は0となるような画像で良い。
【0142】
テスト画像に基づいて、エイリアシング効果関数生成部1004は、前記テスト画像の画像フィルタ処理前後の変化に基づいて、エイリアシング効果を得る。具体的には、エイリアシング効果関数生成部1004は、フィルタ処理後のテスト画像の空間領域における異なる位置での画像値の変化に基づいて、周波数領域でのフィルタ処理によって造り出されるエイリアシング効果の空間領域における変化を表すためのエイリアシング効果関数を確定することができる。
【0143】
上記のように、テスト画像が矩形波関数形式である状況下において(ここで、該テスト画像の第一画素の強度は単位強度1であり、その他の画素は0と取る)、逆変換後のテスト画像は、画像の異なる位置の画像フィルタ処理前後の変化を直観的に反映している。そのため、このような変化に基づいて簡単に直観的にエイリアシング効果関数を得ることができる。
【0144】
以上、矩形波関数形式のテスト画像を利用してエイリアシング効果関数を確定する例を示したが、本実施形態はこれに限定されない。結局のところ、前記テスト画像はいかなる形式でも良い。
【0145】
例えば、その他の形式のテスト画像を採用する状況下において、エイリアシング効果関数生成部1004は、テスト画像における各位置の画像値のフィルタ処理前後の変化に基づいてエイリアシング効果関数を確定しても良い。
【0146】
具体的には、先にテスト画像における各位置の画像値のフィルタ処理前後の変化を計算し、その後、数学的処理(例えば、解析処理等)によりエイリアシング効果関数を確定する。
【0147】
図9における補充サイズ確定部の実現方法は、他にもたくさんある。
【0148】
図11は、本実施形態の一例に基づく、補充サイズ確定部1100の構成を示す図である。
【0149】
図11に示すように、補充サイズ確定部1100は、エイリアシング効果大小計算部1102、部分エイリアシング効果計算部1104、補充サイズ確定処理部1106を有する。具体的には、エイリアシング効果大小計算部1102は、エイリアシング効果関数に基づいてトータルのエイリアシング効果の大きさを計算する。部分エイリアシング効果計算部1104は、エイリアシング効果関数に基づいて画像における異なる位置に対応するエイリアシング効果の大きさを計算する。補充サイズ確定処理部1106は、異なる位置に対応するエイリアシング効果とトータルのエイリアシング効果の比率に基づいて前記補充サイズを確定する。
【0150】
例えば、エイリアシング効果関数が図3に示すような形式である状況下において、エイリアシング効果大小計算部1102は、エイリアシング効果関数の全体画像サイズの範囲(例えば、フィルタ画像のサイズに対応するサイズ範囲)で積分することによりトータルのエイリアシング効果の大きさを得ることができる。
【0151】
部分エイリアシング効果計算部1104は、エイリアシング効果関数を画像における異なる位置に関して積分を行うことにより相応位置でのエイリアシング効果の大きさを得ることができる。
【0152】
補充サイズ確定処理部1106は、先に各画像位置に対応するエイリアシング効果とトータルのエイリアシング効果の比率を計算し、その比率が予め定めた閾値を超えた時の距離を前記補充サイズとする。ここで、予め定めた閾値は、状況に基づいて予め確定した数値であり、例えば、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%等である。
【0153】
例えば、図3に示す実施形態によれば、フィルタ処理された画像部分からの距離が6となる場合に発生したエイリアシング効果はすべてのエイリアシング効果の95%を占めることがわかる。したがって、前記閾値が95%に設定された場合、補充サイズ確定処理部1100は、画像の補充サイズを6と確定でき、この6箇所の位置で造出されるエイリアシング効果を除去するために0とする。そのため、エイリアシング効果の95%という高いレベルで除去することができ、それにより周波数領域のフィルタ処理において造出されるエイリアシング効果をほとんど除去できる。
【0154】
上記実施形態において、エイリアシング効果をほとんど(例えば、上記実施形態における95%)除去できる補充サイズを確定することができ、画像拡張を画像サイズの全体にまで拡張する必要はなく、後に続くフィルタ処理における計算量を減少させることができる。
【0155】
さらに、上述した画像フィルタ方向における画像の補充サイズを確定するための補充サイズ確定装置に基づいて、上述した装置を含み、計算量を効果的に低減させるとともに、実質的にエイリアシング効果を除去することができる画像処理装置を提供する。
【0156】
図12は、本実施形態に基づく画像処理装置1200の構成を示す図である。
【0157】
図12に示すように、画像処理装置1200は、補充サイズ確定装置1202、画像拡張部1204及びフィルタ1206を有する。
【0158】
具体的には、補充サイズ確定装置1202は、任意の上記実施形態に基づく画像の補充サイズを確定するための装置である。
【0159】
画像拡張部1204は、前記補充サイズに従って画像フィルタ方向において画像が終わる所の位置から画像を拡張し始めて補充を行う。
【0160】
ここで、画像の拡張位置の画像値は0として補充される。このような状況において、拡張された画像位置の画像フィルタ処理において発生するエイリアシング効果の大きさを0とする。
【0161】
たとえ以上の記載において画像の拡張位置の画像値を0と設定したとしても、以上の記述はただ例として示したに過ぎず、本実施形態はこれに限定されない。拡張位置としてその他の適切な画像値を設定することもでき、エイリアシング効果の影響を有効に減少できればそれで良い。
【0162】
例えば、本実施形態の他の例において、画像の拡張位置の画像値は、画像拡張エッジ部の画像値に設定されても良い。このような状況において、画像拡張位置が造出するエイリアシング効果は0とならない。ただし、画像拡張位置が拡張エッジ部のエッジ値で補充されるので、エイリアシング効果の作用は、結局のところ画像エッジ部で強くなり、画像の主要な部分に対して干渉は起こらない。そのため、この状況下では、エイリアシング効果の影響を有効に減少することができる。
【0163】
この他、上記の画像値は任意の適切な画像パラメータ値で良い。例えば、グレイスケール値等で良い。
【0164】
フィルタ1206は、前記拡張後の画像に対して周波数領域におけるフィルタ処理を行う。
【0165】
対照的に画像に対して拡張を行うので、拡張の画像に対してフィルタ処理を行うとき、エイリアシング効果をほとんど減少させることができ、計算量も減少させることができる。
【0166】
以上の記載は、単に画像フィルタ処理のための画像処理装置の一例を示したに過ぎず、本実施形態はこれに限定されない。例えば、本実施形態の他の例に基づく画像フィルタ処理のための画像処理装置において、更に前記補充サイズにもとづいて画像を拡張する必要があるか否かを判断する判断部を有する。
【0167】
図13は、本実施形態に基づく画像処理装置1300の構成を示す図である。
【0168】
図13に示すように、画像処理装置1300は、補充サイズ確定装置1302、画像拡張部1304、フィルタ1306及び判断部1308を有する。
【0169】
ここで、補充サイズ確定装置1302、画像拡張部1304、フィルタ1306の具体的技術内容については、図12で記述した補充サイズ確定装置1202、画像拡張部1204、フィルタ1206を参照できるので、ここでは詳細な説明については割愛する。
【0170】
判断部1308は、補充サイズ確定装置1302による補充サイズに基づいて画像を拡張する必要があるか否かを判断する。
【0171】
判断部1308が画像を拡張する必要があると判断した場合、画像拡張部1304へ通知し、画像拡張部1304は該補充サイズに従って画像を拡張し補充する。一方、判断部1308が画像を拡張する必要がないと判断した場合、画像拡張部1304へ通知し、画像拡張部1304は画像に対して拡張を行わず、画像をフィルタ1306へ提供してフィルタ処理を行う。
【0172】
補充が不要な画像に対して、本実施形態に基づく画像処理装置1300は、補充サイズを確定した後更に画像拡張が不要であることを判断するので、演算量を更に減少させることができる。
【0173】
上記実施形態における判断部は、多くの適切な実施方法を有する。
【0174】
図14は、本実施形態に基づく一例の判断部を示す構成図である。
【0175】
図14に示すように、本実施形態に基づく判断部1400は、相似性計算部1402及び判断処理部1404を有する。
【0176】
ここで、相似性計算部1402は、エイリアシング効果を造出する画像部分とエイリアシング効果によって干渉される画像部分の間の相似性を計算する。
【0177】
本実施形態の一例として、確定した大部分のエイリアシング効果を造出する補充サイズに対応する画像部分を、エイリアシング効果を造出する画像部分と見なし、フィルタ方向における(例えば、Z軸フィルタ処理時のZ軸)第1の画像部分をエイリアシング効果の影響を受ける画像部分と見なす。相似性計算部1402は、フィルタ方向における(例えば、Z軸フィルタ処理時のZ軸)第1の画像部分と補充サイズに対応する画像部分の中の各画像部分との間の相似性を計算する。
【0178】
なお、上述した説明では、相似性計算部1402は、画像の第1の位置における画像と、エイリアシング効果の大部分を引き起こす各画像部分(補充サイズに対応する画像部分)と比較した。しかし、これは本発明の一例にすぎず、本発明を限定するものではない。
【0179】
例えば、医用画像への応用において、医用画像を考えれば、フィルタ方向において、大体が連続的に緩やかに変化するものであり、そのため、大部分のエイリアシング効果を造出する画像部分(図3に示す例では、最後の6箇所の位置での画像部分)を近似的に同じものと見なす。そのため、相似性計算部1402は、画像における第1位置での画像部分とこの6箇所の位置での画像部分の中の任意の一部分(より好適には、最後の1つの位置での画像部分である)の間の相似性をただ計算するだけで、この比較結果に基づいて画像を拡張する必要があるか否かを判断することができる。このような方法により相似性を計算することで、更に計算量を減少させることができ、効率をアップさせることができる。
【0180】
相似性計算が終了した後、判断処理部1404は、算出された相似性に基づいて判断を行う。
【0181】
具体的には、例えば、図3に示す実施形態によれば、画像における第1の位置での画像部分と画像における最後の6の位置の中の各位置での画像部分の相似性がすべて閾値を超えている場合、画像における最後の6箇所の位置での画像部分と画像における第1の位置での画像部分は相似しており、且つこれらが造出するエイリアシング効果は小さく、そのため、ステップS806において拡張処理は不要と判定することができる。
【0182】
一方、画像における第1の位置での画像部分と画像における最後の6箇所の位置の中の1つ又は複数の位置での画像部分の相似性が閾値より小さい場合、画像における最後の6箇所の位置で画像に対して造出されるエイリアシング効果の部分が存在するので、ステップS808において拡張処理が必要と判定することができる。
【0183】
各種方法を採用して画像の2つの部分の相似性を計算することができる。
【0184】
例えば、画像が2次元画像でフィルタ方向に1次元(例えば、X方向フィルタの状態)という状況下において、計算が必要な2つの画像部分は2次元のX方向において切断して得られる2つの画像帯である。
【0185】
再び例えば、画像が3次元画像でフィルタ方向に1次元(例えば、Z方向フィルタの状況)の状況下(例えば、医用画像の状況下)において、計算が必要な2つの画像部分は、3次元画像のZ方向において切断され得られる2つの画像片である。
【0186】
2つの画像部分に基づいて相似性を計算する方法はいろいろある。例えば、以下のような式により2つの画像片の相似性を計算することができる:
【0187】
【数1】

【0188】
上記の式において、Sは2つの画像片の相似性を表し、Nは各画像片における画素数を表し、gは第1の画像片における第i番目の画素のパラメータ値を表し、sは第2の画像片における第i番目の画素のパラメータ値を表す。上記のように、前記パラメータは、例えば画素のグレイスケール値である。
【0189】
以上の記述において、画像片に基づいて相似性を計算する例を紹介したが、これに限定されない。上述の式は、似たようにして画像帯等に基づいて相似性を計算することができるが、ここでは詳細な説明については割愛する。
【0190】
この他、装置の具体的記述については、本明細書における説明を簡潔にするために、方法の説明の中ですでに詳細な記述をした内容については、重複して説明せずに省略した。そのため、装置の更に具体的な技術的詳細な説明は、その前方にて方法の説明として記述した説明内容を参考にすることができる。
【0191】
また、本文における各種例示は単なる一例であり、これに限定されるものではない。本明細書において“第1”、“第2”等の表現は、単に記述する特徴を文字上で区別するためのものであり、これにより、本発明を明確に記述している。そのため、それは決して具体的何かを限定する定義ということではない。
【0192】
上述方法の各ステップ及び上述装置の各構成及び/又は部分はソフトウエア、ファームウエア、ハードウエア又はそれらの組み合わせとして実施しても良い。ソフトウエア又はファームウエアを介して実現した場合、上述方法のソフトウエアプログラムを実施するため、メモリ媒体又はネットワークを介して専用のハードウエア構造のコンピュータ(例えば、図15に示す汎用コンピュータ1500)へダウンロードして構成することができ、該コンピュータに各種プログラムがダウンロードされた状態で、各種機能等を実施することができる。
【0193】
図15において、演算処理部(即ち、CPU)1501は、読み出し専用メモリ(ROM)1502の中に記憶されているプログラム、又は、メモリ部1508から読み書き兼用メモリ(RAM)1503へ書き込まれたプログラムに基づいて、各種処理を実施する。RAM1503では、必要に応じて、CPU1501が各種処理等を実施するときに必要なデータも記憶しておく。CPU1501、ROM1502及びRAM1503は、綜合ライン1504を経由してそれぞれ接続されている。入力/出力インターフェース1505も、綜合ライン1504につながっている。
【0194】
下記の各部は、入力/出力インターフェース1505に接続されている:入力部1506(キーボード、マウス等を含む)、出力部1507(モニタ、例えば、ブラウン管(CRT)、液晶モニタ(LCD)等や、スピーカ等を含む)、メモリ部1508(キーボードを含む)、通信部1509(ネットワークインターフェースカード、例えば、LANカード、モデム等)。通信部1509は、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信処理を実施する。必要に応じて、駆動器1510も入力/出力インターフェース1505に接続可能である。取り外し可能な媒体1511は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、MO、半導体メモリ等であって、必要に応じて駆動器1510に装着され、必要に応じてコンピュータプログラムを読み出して、メモリ部1508へダウンロードされる。
【0195】
ソフトウエアを介して上述システム処理を実施する場合、ネットワーク(例えば、インターネット)又は記憶媒体(例えば、取り外し可能な媒体1511)からプログラムをダウンロードしても良い。
【0196】
当業者においては、このような記憶媒体は、図15に示すような、プログラムを記憶し、装置とは離れたところからユーザにプログラムを提供する取り外し可能な媒体1511に限らない。取り外し可能な媒体1511の例としては、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク(CD−ROMやDVDを含む)、磁気光ディスク(MiniDisc(MD、登録商標)を含む)らを含む。また、記憶媒体はROM1502であっても良く、メモリ部1508に含まれるハードディスク等、その中にプログラムが記憶され、それらを含む装置からユーザへプログラムが送られる形態でも良い。
【0197】
本実施形態では、更に、メモリとして、機器読み取り可能なコマンドコードを記憶しているプログラム製品でも応用でき、前記コマンドコードが機器を介して読み取られると、本実施形態の実施例における方法が実施される。
【0198】
上述機器読み取り可能なコマンドコードを記憶しているプログラム製品を受け入れるための記憶媒体も本実施形態に適用できる。その記憶媒体は、ハードディスク、光ディスク、磁気光ディスク、メモリカード、メモリスティックには限定されない。
【0199】
最後に説明すべきは、技術用語の“含む”又はその他のいかなる同義語も非排他的な“含む”に包含され、その意味の中に一連の構成のステップ、方法、物品又は装置はそれらの構成を含むだけではなく、明確に列挙していない他の構成をも含む、又は、これらのステップ、方法、物品又は装置に固有の構成をも含むものである。この他、更に多くの制限がない状況下において、“1つを含む・・・”の用語が限定する要素に基づいて、それらの構成のステップ、方法、物品又は装置を含む中において他の同様な構成が存在することを排除しない。
【0200】
以上、図面を参照しながら本発明の本実施形態を詳細に述べてきたが、上記では、ただ本発明の好適な実施形態を述べたに過ぎず、これによって本発明の保護範囲が制限されることはなく、本発明を逸脱しない範囲で、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する技術者が成す変更や追加も本発明の権利範囲に含まれるものである。これにより、本発明は開示された実施形態に制限されることなく、特許請求の範囲の記載に基づくものであって、本発明の特許請求の範囲に対する均等物もまた、本発明の保護権利の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0201】
900 補充サイズ確定装置
902 エイリアシング効果関数取得部
904 補充サイズ確定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する画像処理装置であって、
周波数領域フィルタ処理が造り出すエイリアシング効果の空間領域上の変化を表す関数である周波数領域フィルタのエイリアシング効果関数を前記画像に基づいて取得するエイリアシング効果関数取得部と、
前記エイリアシング効果関数に基づいて前記画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する補充サイズ確定部と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記エイリアシング効果関数取得部は、
前記画像のサイズと同じサイズであるテスト画像を構築するテスト画像構築部と、
フィルタ処理前後の前記テスト画像の変化に基づいてエイリアシング効果関数を得るエイリアシング効果関数生成部と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記テスト画像は、画像フィルタ方向の第一位置での画像値を単位として、その他の位置での画像値をゼロとするような形式の画像であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記補充サイズ確定部は、
前記エイリアシング効果関数に基づいてトータルのエイリアシング効果の大きさを計算するエイリアシング効果大小計算部と、
前記エイリアシング効果関数に基づいて、画像における異なる位置に対応するエイリアシング効果の大きさを計算する部分エイリアシング効果計算部と、
異なる位置に対応するエイリアシング効果とトータルのエイリアシング効果の割合に基づいて前記補充サイズを確定する補充サイズ確定処理部と
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像は、医用画像診断装置により得られたデータに基づいて生成された医用画像であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項6】
空間領域において前記補充サイズに基づいてフィルタ方向へ画像を拡張する画像拡張部と、
拡張後の画像に対してフィルタリングを実行するフィルタ部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記補充サイズに基づいて画像の拡張の要否を判断する判断部をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記判断部は、
エイリアシング効果の影響を受ける各画像部分とエイリアシング効果を造り出す前記補充サイズの画像部分に対応する各画像部分との間の相似性を計算する相似性計算部と、
算出された相似性に基づいて判断を行う判断処理部と
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
以下の式又はその数学的変換により2つの部分の相似性を計算し、ここで、Sは相似性を表し、Nは各部分の画素数を表し、gは1つの画像部分における第i番目の画素のパラメータ値を表し、sは他の画像部分における第i番目の画素のパラメータ値を表すことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【数1】

【請求項10】
前記パラメータ値は、グレイスケール値を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記画像は、医用画像診断装置により得られたデータに基づいて生成された医用画像であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項12】
画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する画像処理方法であって、
周波数領域フィルタ処理が造り出すエイリアシング効果の空間領域上の変化を表す関数である周波数領域フィルタのエイリアシング効果関数を前記画像に基づいて取得するステップと、
前記エイリアシング効果関数に基づいて前記画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定するステップと
を含んだことを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する画像処理プログラムであって、
周波数領域フィルタ処理が造り出すエイリアシング効果の空間領域上の変化を表す関数である周波数領域フィルタのエイリアシング効果関数を前記画像に基づいて取得する手順と、
前記エイリアシング効果関数に基づいて前記画像の画像フィルタ方向における補充サイズを確定する手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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