説明

画像処理装置およびその方法

【課題】 特定の画像情報を基にリプレイ画像を再生すること。
【解決手段】 CPU101は、電子遊戯用の情報資源を格納する外部記憶装置3に格納された画像データを処理し、この処理結果に基づいて電子遊戯の対象を表示装置4aの画面上に表示しているときに、入力装置2から指定のタイミングを基準としたリプレイ画像の再生が指令されたときには、指定のタイミングにおける画像データを記憶し、記憶した画像データを基に指定のタイミングの前後におけるリプレイ画像を生成し、生成したリプレイ画像を表示装置4aの画面上に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子遊戯の画像情報を処理して電子遊戯の画像を表示するとともに、特定のシーンのリプレイ画像を生成して表示する画像処理装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子遊戯システムにおいては、電子遊戯用の画像情報を処理し、処理結果を表示画面上に表示させる画像処理装置が設けられている。この種の画像処理装置において、電子遊戯用の画像情報として、例えば、競馬ゲームの画像情報を処理するに際しては、コース上を走行する複数のキャラクタに関する画像情報を処理し、処理結果を基に各キャラクタの走行状態を画面上に順次表示する構成が採用されている。そして、各キャラクタの走行リプレイ画像を再生するに際しては、各キャラクタの走行位置を随時記録し、記録した走行位置を基にリプレイ画像を順次生成し、生成した画像を表示画面上に表示する構成が採用されている。例えば国際公開番号WO96/00601に開示されている従来技術では、オブジェクトの3次元の位置(座標)データ、角度(方向)データを記憶部に記憶し、リプレイ処理において、これらの位置データ、角度データにより特定される位置、角度でオブジェクトを表示することで、リプレイ画像を生成する。
【特許文献1】WO96/00601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
各キャラクタの走行リプレイ画像を再生するに際して、各キャラクタの走行位置を随時記録する方法では、多量の情報を記録しなければならず、記憶部として大容量のものが必要になり、他の処理に必要な記憶容量を圧迫する問題がある。しかも、オンラインゲームなどでリプレイ画像を再生するときに、各キャラクタの走行位置を随時記録する方法を採用したのでは、通信遅延等に伴って各端末における各キャラクタの位置にずれが生じる場合があり、実際のレース結果とリプレイ画像に齟齬が生じる、等の課題がある。
【0004】
本発明の課題は、オブジェクトの仮想空間内における移動に係わる情報を基にリプレイ画像を生成するにあたり、そのための記録情報を少なく抑えつつ、実際のゲーム結果との齟齬を生じないリプレイ画像を生成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、電子遊戯用の情報資源を格納するメモリと、前記メモリに格納された情報資源に基づいて電子遊戯のための画像情報を処理する画像処理手段と、前記画像処理手段の処理結果に基づいて電子遊戯の対象を画像表示する表示手段と、前記画像処理手段に対して指定のタイミングを基準としたリプレイ画像の再生を指令する再生指令手段とを備え、前記画像処理手段は、前記再生指令手段からリプレイ画像の再生が指令されたときに、前記指定のタイミングにおけるキャラクタの位置情報を記憶し、前記記憶した情報を基に前記指定のタイミングの前後におけるリプレイ画像を生成し、生成したリプレイ画像を前記表示手段に表示させてなる画像処理装置を構成したものである。
【0006】
前記した手段によれば、リプレイ画像を再生するに際して、指定のタイミングにおけるキャラクタの位置情報情報を記憶し、記憶した情報を基に指定のタイミングの前後におけるリプレイ画像を生成し、生成したリプレイ画像を表示手段に表示させるようにしたため、多量の画像情報を記憶する必要がなく、画像記録装置として小容量のものを用いることができ、装置の小型化が可能になる。また、オンラインゲームなどでリプレイ画像を再生しても、通信遅延等に伴って再生画像にずれが生じるのを防止することができる。さらに、リプレイ画像を再生するときに、時間を軸にリプレイ画像を再生すると、リプレイ画像の早送り、巻き戻し、スロー再生などの操作を容易に行うことが可能になる。
【0007】
また、画像処理装置を構成するに際しては、再生指令手段として、画像処理手段に対して指定のフレームを基準としたリプレイ画像の再生を指令する機能を有するものを用い、画像処理手段として、前記再生指令手段からリプレイ画像の再生が指令されたときに、前記指定のフレームにおける画像情報を記憶し、前記記憶した画像情報を基に前記指定のフレームの前後におけるリプレイ画像を生成し、生成したリプレイ画像を前記表示手段に表示させる機能を有するものを用いることができる。
【0008】
さらに、画像情報として複数のキャラクタがコースを走行する画像情報を用い、再生指定手段として、画像処理手段に対して前記複数のキャラクタのコース上の指定の地点を基準としたリプレイ画像の再生を指令する機能を有するものを用い、画像処理手段として、前記再生指令手段からリプレイ画像の再生が指令されたときに、前記複数のキャラクタのコース上の指定の地点における画像情報を記憶し、前記記憶した画像情報を基に前記複数のキャラクタのコース上の指定の地点の前後におけるリプレイ画像を生成し、生成したリプレイ画像を表示手段に表示させる機能を有するものを用いることができる。この場合、画像処理手段としては、複数のキャラクタのうち一部のキャラクタがゴール地点に到達したときの各キャラクタの速度と順位に関する情報を記憶し、前記記憶した情報を基に前記ゴール地点前後における画像を推定演算(逆算)で生成する機能を有するもので構成することができる。
【0009】
また、本発明は、電子遊戯用の情報資源に基づいて電子遊戯のための画像情報を処理するとともに、リプレイ画像の再生指令に応答して、リプレイ画像を生成するための処理を実行し、各処理結果を表示手段に表示するようにした画像処理手段を備えて画像処理装置によって実行される画像処理方法において、前記画像処理手段は、指定のタイミングを基準としたリプレイ画像の再生が指令されたときに、前記指定のタイミングにおける画像情報を記憶する画像情報記憶工程と、前記画像情報記憶工程で記憶した画像情報を基に前記指定のタイミングの前後におけるリプレイ画像を生成し、生成したリプレイ画像を前記表示手段に表示させるリプレイ画像生成工程とを実行してなる画像処理方法を採用したものである。
【0010】
前記した方法によれば、リプレイ画像を再生するに際して、指定のタイミングにおける画像情報を特定の画像情報として記憶し、記憶した画像情報を基に指定のタイミングの前後におけるリプレイ画像を生成し、生成したリプレイ画像を表示手段に表示させるようにしたため、多量の画像情報を記憶する必要がなく、画像記録装置として小容量のものを用いることができ、装置の小型化が可能になる。また、オンラインゲームなどでリプレイ画像を再生しても、通信遅延等に伴って再生画像にずれが生じるのを防止することができる。さらに、リプレイ画像を再生するときに、時間を軸にリプレイ画像を再生すると、リプレイ画像の早送り、巻き戻し、スロー再生などの操作を容易に行うことが可能になる。
【0011】
前記画像情報処理方法を採用するに際しては、前記画像処理手段として、指定のフレームを基準としたリプレイ画像の再生が指令されたときに、前記指定のフレームにおける画像情報を記憶する画像情報記憶工程と、前記画像情報記憶工程で記憶した画像情報を基に前記指定のフレームの前後におけるリプレイ画像を生成し、生成したリプレイ画像を前記表示手段に表示させるリプレイ画像生成工程とを実行するものを用いることができる。また、前記複数のキャラクタのコース上の指定の地点を基準としたリプレイ画像の再生が指令されたときに、前記複数のキャラクタのコース上の指定の地点における画像情報を記憶する画像情報記憶工程と、前記画像情報記憶工程で記憶した画像情報を基に前記複数のキャラクタのコース上の指定の地点の前後におけるリプレイ画像を生成し、生成したリプレイ画像を前記表示手段に表示させるリプレイ画像生成工程とを実行するものを用いることができる。
【0012】
また、前記画像処理手段としては、前記画像情報記憶工程では、前記複数のキャラクタのうち一部のキャラクタがゴール地点に到達したときの各キャラクタの速度と順位に関する情報を記憶し、前記リプレイ画像生成工程では、前記記憶した情報を基に前記各キャラクタのゴール地点前後における画像を推定演算(逆算)で生成する機能を有するものを用いることができる。
【0013】
また、本発明は、前記画像処理手段に、前記各工程を実行させるためのプログラムを構成するとともに、このプログラムが記憶された記憶媒体を構成したものある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、多量の画像情報を記憶する必要がなく、画像記録装置として小容量のものを用いることができ、装置の小型化や、他の処理に記憶容量をまわすことが可能になる。また、オンラインゲームなどでリプレイ画像を再生しても、通信遅延等に伴って再生画像と実際のゲーム結果とにずれが生じるのを防止することができる。さらに、リプレイ画像を再生するときに、時間を軸にリプレイ画像を再生すると、リプレイ画像の早送り、巻き戻し、スロー再生などの操作を容易に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例を示す画像処理装置のブロック構成図である。図1において、画像処理装置は、電子遊戯システムの一要素として、CPUが中心となって、電子遊戯に伴う画像処理などのための情報処理を実行する。この画像処理は、三次元の空間座標系と、視点の動きに追随する三次元の視点座標系とを設定し、空間座標系に属する対象を視点から発する投影を用いて視点座標系に座標変換することにより、仮想三次元空間に配置された対象を表示画面に表示する画像表示制御を実行する。図2から図5は、表示画面の一例であり、表示画面には、コース上を複数のキャラクタが走行する状態が順次表示される。
【0016】
図1の電子遊戯システムは、ゲーム端末として、CPU101等を中心に構成される制御部1、遊戯者が制御部1に操作信号を入力するための入力装置2、オペレーティングシステム(以下、「OS」という。)やアプリケーションプログラム(ゲームプログラム)を記憶し、必要に応じてこれらプログラムを制御部1に入力するための外部記憶装置3、遊戯者に画像や音を提供するための表示装置4a、及びスピーカ4b等からなる出力装置4を備えている。また、電話回線等を介して他のコンピュータやゲーム装置とデータの送受信をするための通信装置5を備えている。なお、外部記憶装置3は、図示したCD−ROM等に限らず、制御部1からのデータを書き込み保持可能な記録媒体等であっても良い。
【0017】
ゲームを開始すべく電源が投入されると、図示しないプートプログラムローダは、ROM102に記憶されているプートプログラム(イニシャルプログラムと呼ばれることもある。)をCPU101にロードし、CPU101は、プートプログラムを実行する。CPU101は、このプートプログラムに従って、CD−ROM等に記憶されているOSの全部または必要な部分をメインメモリ103にロードし、OSを実行する。
【0018】
CPU101は、このOSの制御の下、CD−ROM等に記憶されているアプリケーションプログラム(以下、単に「プログラム」ということもある。)の全部または必要な部分をメインメモリ103にロードすると共に、必要に応じてCD−ROM等に記憶されている描画データや画像データをグラフィックメモリ104にロードし、また、サウンドデータをサウンドメモリ105にロードする。
【0019】
CPU101は、OSの制御の下、メインメモリ104に記憶されたアプリケーションプログラムを実行する。アプリケーションプログラムの実行に伴うデータは、メインメモリ104やバックアップメモリ106に必要の都度書き込まれ参照される。バックアップメモリ106は、ゲームの中断等で電源が遮断されてもそれまでの状態を保持するために、データを記憶する。なお、本実施の形態において、OSやアプリケーションプログラム等はCD−ROMから提供されるように構成しているが、例えば、ROMから供給されるように構成したり、ネットワークを介して他のコンピュータから供給されるように構成したりすることもできる。
【0020】
ビデオディスプレイプロセッサ(VDP:Video Display Processor)107は、グラフィックメモリ104に記憶されて画像表示に必要な描画データを読み出して、アプリケーションプログラムの実行によるCPU101からの命令やデータに基づき各種情報処理(画像処理)を行って、画像情報として画像データを生成する。各種画像処理としては、例えば、テクスチャマッピング、光源処理、表示優先処理等がある。
【0021】
生成された画像データを表示装置4aに表示するために、VDP107は、エンコーダ108に画像データを出力する。なお、生成された画像データは、例えば、フレームバッファメモリ等に書き込み、このフレームバッファメモリから所定のタイミングで読み出すようにしても良い。
【0022】
サウンドプロセッサ(Sound Processor)109は、サウンドメモリ105に記憶されるサウンドデータを読み出して、アプリケーションプログラムの実行によるCPU101からの命令やデータに基づき、各種情報処理(音声処理)を行う。各種音声処理としては、例えば、エフェクト処理、ミキシング処理等がある。各種音声処理が施されたサウンドデータは、D/Aコンバータ110によってアナログデータに変換され、スピーカ4bに出力される。
【0023】
バスアービタ(Bus Arbiter)111は、データ伝送路(バス)を介して接続される各ユニット間同士の制御を行う。例えば、バスアービタ111は、バスを占有するユニットを決定するために、各ユニット間の優先順位を決定したり、占有するユニットのバス占有時間の割り当てを行ったりする。
【0024】
以上のように構成された本発明の画像処理装置は、CPU101がCD−ROM等の外部記憶媒体から読み込んだプログラムを実行することにより、本発明に係る所定の機能を実現する。
【0025】
図6は、メインCPU101によって実行される、電子遊戯処理の中心的内容を説明するための概略機能ブロック図である。CPU101は、ゲームプログラムのスタート後、画像処理手段として、電子遊戯用の情報資源を格納するメモリ(外部記憶装置3)に格納された情報資源に基づいて電子遊戯のための画像情報(画像データ)を処理し、この処理結果に基づいて電子遊戯の対象を表示手段(表示装置4a)の画面上に表示しているときに、再生指令手段(入力装置2)から指定のタイミングまたは指定のフレームを基準としたリプレイ画像の再生が指令されたときには、指定のタイミングまたは指定のフレームにおける画像情報(画像データ)を記憶し、記憶した画像情報(画像データ)を基に指定のタイミングまたは指定のフレームの前後における画像情報(画像データ)をリプレイ画像として生成し、生成したリプレイ画像を表示手段の画面上に表示させる。
具体的には、図7のフローチャートに示すように、CPU101は、メモリに格納された情報資源に基づいて電子遊戯のための画像情報として、図2から図5に示すように、複数のキャラクタがコースを走行する画像データを処理し(ステップS1)、この処理結果に基づいて各キャラクタを画像表示する過程で、複数のキャラクタのコース上の指定の地点、例えば、ゴール地点を基準としたリプレイ画像の再生が指令されたときには(ステップS2)、複数のキャラクタまたは一部のキャラクタがゴール地点に到達したときの情報として、例えば、図5に示すように、一部のキャラクタがゴール地点に到達したときに、各キャラクタのコース上における位置及び/又は速度と、順位に関する情報を記憶し(ステップS3)、記憶した情報を基に複数のキャラクタのゴール地点の前後における画像、例えば、1秒間程度の画像を推定演算(逆算)でリプレイ画像として生成する(ステップS4)。例えば、図5に示す先頭キャラクタの位置と、順位を基に、各キャラクタの過去位置を推定演算し、この過去位置のデータに基づいて図2から図5の画像を生成させる。。そして生成したリプレイ画像を表示手段に表示させる処理を実行する(ステップS5)。なお、リプレイ画像として4コマ分の画像のみが示されているが、実際には、数十から数百コマ分の画像(数十フレーム分の画像)が生成されても良く、生成された画像は、例えば、スローでリプレイ画像として表示される。
【0026】
本実施例によれば、リプレイ画像を再生するに際して、一部のキャラクタがゴール地点に到達したときに、各キャラクタのコース上における速度と順位に関する情報を記憶し、記憶した情報を基に複数のキャラクタのゴール地点の前後における過去位置を逆算で求め、この過去位置に基づいてリプレイ画像を生成させる。生成した画像をリプレイ画像として表示するようにしたため、多量の画像情報を記憶する必要がなく、画像記録装置として小容量のものを用いることができ、装置の小型化が可能になる。また、リプレイ画像を再生するときに、時間を軸にリプレイ画像を再生すると、リプレイ画像の早送り、巻き戻し、スロー再生などの操作を容易に行うことが可能になる。
【0027】
図8は、本発明に係る画像処理装置をネットワークゲームシステムのテレビゲーム装置に適用したときのネットワークシステムのブロック図である。このネットワークシステムでは、各テレビゲーム装置間で共通のゲームアプリケーションプログラムが実行される。
【0028】
このネットワークシステムは、テレビゲーム装置である複数の端末装置10、10…と、複数のサーバー機を含むゲーム親局12と、この端末装置10とゲーム親局12とを接続するための通信ネットワーク14を備えている。このシステムにおいて、端末装置10が特定のゲームを実行するために定められた特定のインターネットプロバイダ16を介してゲーム親局12に接続されていて、ゲーム親局12を通して各ゲーム装置(端末装置)10、10間で共通のゲームアプリケーションプログラムを実行する。なお、ゲーム装置10は、通信ネットワーク14及び特定インターネットプロバイダ16ではないインターネットプロバイダ18を介してサーバー機に接続されても良い。
【0029】
このシステムにおいて、各ゲーム装置10は、ゲームアプリケーションプログラムを実行しているときに、遊戯者一人一人の詳細な個人情報を交換できる個人情報処理手段20を備えている。
【0030】
このシステムにおいても、各ゲーム装置10に内蔵されたCPU101は、メモリに格納された情報資源に基づいて電子遊戯のための画像情報として、複数のキャラクタがコースを走行する画像情報を処理し、この処理結果に基づいて各キャラクタを画像表示する過程で、複数のキャラクタのコース上の指定の地点、例えば、ゴール地点を基準としたリプレイ画像の再生が指令されたときには、複数のキャラクタまたは一部のキャラクタがゴール地点に到達したときの情報として、例えば、図5に示すように、一部のキャラクタがゴール地点に到達したときに、各キャラクタのコース上における位置に関する情報を記憶し、記憶した情報を基に複数のキャラクタのゴール地点の至るまでの位置を演算し、この位置を元に図2から図5の画像を生成させる。この生成画像はリプレイ画像に対応し、生成したリプレイ画像を表示手段に表示させる処理を実行することができる。
【0031】
以下、サーバ(ゲーム親局)と各ゲーム機(端末)の処理の関係について説明する。各端末から端末ID情報を含むキャラクタ情報をサーバで収集し、収集したキャラクタ情報に基づいてサーバで各キャラクタを仮想空間内で移動させ、各キャラクタの位置と速度の情報をサーバから各端末に逐次配信し、各端末においてその端末IDを持つキャラクタが仮想空間内の所定位置に達した時の(他端末のキャラクタも含めた)各キャラクタの位置情報と速度情報を保存する。その位置情報と速度情報に基づいて各端末で各キャラクタの過去位置を演算し、各端末において当該過去位置から現在位置までの各キャラクタの移動画像を生成する。すなわち、レース処理をサーバで行い、それによって得られた各キャラクタの位置と速度(及び方向)の情報を各端末に配信して、各端末で過去位置を演算・移動画像の生成を行う。レース自体はネットワーク対戦で行われ、その共通の処理結果に基づいて、各端末でレース画像を生成している。端末ごとに、自分の馬がゴールした時の情報を各端末で保存して、過去位置(リプレイ)演算の基準としている。どれか一頭がゴールした時点の位置と速度と方向を保存しておき、その時点での位置と速度(及び方向)に基づいて自分の馬がゴールするまでの移動画像を生成する。
【0032】
他の処理例として、各端末から端末ID情報を含むキャラクタ情報をサーバで収集し、収集したキャラクタ情報に基づいてサーバで各キャラクタを仮想空間内で移動させ、各キャラクタの位置と速度の情報をサーバから各端末に逐次配信し、各端末において、各キャラクタの少なくともひとつが仮想空間内の所定位置に達した時の(他端末のキャラクタも含めた)各キャラクタの位置情報と速度情報を保存する。その位置情報と速度情報に基づいて各端末で各キャラクタの過去位置を演算し、各端末において当該過去位置から現在位置まで、あるいは端末ごとの自己キャラクタ が当該所定位置に達するまでの各キャラクタの移動画像を生成する。
【0033】
すなわち、どれかの馬がゴールしたときの、遊戯者端末で操作される馬の過去の位置を演算し、その位置から現在位置まで、保存されている速度で、保存されている方向にキャラクタを移動させる。本実施例によれば、リプレイ画像を再生するに際して、一部のキャラクタがゴール地点に到達したときに、各キャラクタのコース上における速度と順位に関する情報を記憶し、記憶した情報を基に複数のキャラクタのゴール地点の前後における画像を逆算でリプレイ画像として生成し、生成した画像をリプレイ画像として表示するようにしたため、多量の画像情報を記憶する必要がなく、画像記録装置として小容量のものを用いることができ、装置の小型化が可能になる。また、オンラインゲームなどでリプレイ画像を再生しても、通信遅延等に伴って再生画像にずれが生じるのを防止することができる。さらに、リプレイ画像を再生するときに、時間を軸にリプレイ画像を再生すると、リプレイ画像の早送り、巻き戻し、スロー再生などの操作を容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施例を示す画像処理装置のブロック構成図である。
【図2】本発明に係る画像処理装置のレプレイ画像の表示例を示す図である。
【図3】本発明に係る画像処理装置のレプレイ画像の表示例を示す図である。
【図4】本発明に係る画像処理装置のレプレイ画像の表示例を示す図である。
【図5】本発明に係る画像処理装置のレプレイ画像の表示例を示す図である。
【図6】本発明に係る画像処理装置の機能ブロック図である。
【図7】本発明に係る画像処理装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明に係る画像処理装置をネットワークゲームシステムのテレビゲーム装置に適用したときのネットワークシステムのブロック図である。
【符号の説明】
【0035】
1 制御部
2 入力装置
3 外部記憶装置
4 出力装置
5 通信装置
10 ゲーム装置
12 ゲーム親局
14 通信ネットワーク
16 特定インターネットプロバイダ
101 CPU
102 ROM
103 メインメモリ
104 グラフィックメモリ
108 ビデオエンコーダ
111 バスアービタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内をオブジェクトが移動するゲーム画像を生成するためのゲームシステムであって、
ゲーム中において、前記仮想空間内における所定の時点での前記オブジェクトの現在位置データと移動方向データと速度データとを記憶する手段と、
前記記憶された所定の時点におけるオブジェクトの現在位置データと移動方向データと速度データとに基づいて、前記所定の時点から所定時間分遡った過去の時点における前記オブジェクトの前記仮想空間内での過去位置データを演算する手段と、
前記演算された過去位置データと前記現在位置データとに基づき、前記オブジェクトが前記仮想空間内を前記過去位置から前記現在位置まで移動する様子をリプレイ画像として生成する手段と、
を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
仮想空間内をオブジェクトが移動するゲーム画像を生成する画像生成手段としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
ゲーム中において、前記仮想空間内における所定の時点での前記オブジェクトの現在位置データと移動方向データと速度データとを記憶する手段と、
前記記憶された所定の時点におけるオブジェクトの現在位置データと移動方向データと速度データとに基づいて、前記所定の時点から所定時間分遡った過去の時点における前記オブジェクトの前記仮想空間内での過去位置データを演算する手段と、
前記演算された過去位置データと前記現在位置データとに基づき、前記オブジェクトが前記仮想空間内を前記過去位置から前記現在位置まで移動する様子をリプレイ画像として生成する手段と、
を含む画像生成手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項3】
請求項2記載のプログラムであって、更に、前記所定の時点における前記オブジェクトのモーションパターンを記録する手段と、
前記記録されたモーションパターンに基づいて、前記過去の時点におけるモーションパターンを演算する手段と、
を含む画像生成手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項記載のプログラムをコンピュータに実行させるように構成されたゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか一項記載のプログラムをコンピュータが実行するように構成されたゲーム装置におけるデータ処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−92179(P2006−92179A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275730(P2004−275730)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】