説明

画像処理装置および撮像装置並びに画像処理方法

【課題】所望の被写体が中央に配置されたパノラマ画像を生成することが可能な画像処理装置および撮像装置並びに画像処理方法を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集する情報収集部と、前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に対応する画像データを、前記情報収集部で収集された情報に基づいて合成する画像合成部とを備える。また、撮像装置は、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集する情報収集部と、前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に含まれる被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部によって前記複数の部分視野について取得された画像データを、前記情報収集部で収集された情報に基づいて合成する画像合成部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示は、デジタルカメラなどの画像処理装置および撮像装置並びに画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パノラマ撮影を実現する手法の一つとしては、複数の静止画像の境界部分を互いに重ね合わせて繋ぎ合わせる手法がある。
【0003】
また、カメラをパンさせる際に得られるライブビュー画像から、各フレームの中央部を短冊状に切り出し、これらを順次に繋ぎ合わせていくことによってパノラマ画像を生成する手法もある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−284321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1の技法では、パノラマ撮影のためにパン操作を開始する際のカメラの向きは、利用者に委ねられている。そして、カメラのパン操作に伴って、短冊状の画像がつなぎ合わされていき、この処理によって生成される画像の横幅がパノラマ画像についての規定幅となった時点でパノラマ撮影が終了する。このため、生成されたパノラマ画像において、所望の被写体を中央に配置するためには、利用者がパノラマ画像の規定幅を考慮して、パン操作を開始する際のカメラの向きを予測する必要がある。
【0006】
本件開示は、所望の被写体が中央に配置されたパノラマ画像を生成することが可能な画像処理装置および撮像装置並びに画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的は、以下に開示する画像処理装置および撮像装置並びに画像処理方法によって達成することができる。
【0008】
一つの観点による画像処理装置は、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集する情報収集部と、前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に対応する画像データを、前記情報収集部で収集された情報に基づいて合成する画像合成部とを備える。
【0009】
また、別の観点による撮像装置は、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集する情報収集部と、前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に含まれる被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部によって前記複数の部分視野について取得された画像データを、前記情報収集部で収集された情報に基づいて合成する画像合成部とを備える。
【0010】
更に、別の観点の画像処理方法は、パノラマ撮影に先立って、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集する手順と、収集した情報に基づいて、前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に対応する画像データを収集する手順と、収集した複数の画像データを合成することにより、前記撮影視野に対応するパノラマ画像を生成する手順とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本件開示の画像処理装置および撮像装置並びに画像処理方法によれば、所望の被写体が中央に配置されたパノラマ画像を生成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】撮像装置の一実施形態を示す図である。
【図2】パノラマ撮影動作を説明する図である。
【図3】パノラマ撮影動作を表す流れ図である。
【図4】パノラマ撮影制御部の別実施形態を示す図である。
【図5】仮パノラマ撮影動作の別実施形態を表す流れ図である。
【図6】本パノラマ撮影動作の別実施形態を表す流れ図である。
【図7】画像結合処理を説明する図である。
【図8】合成制御部の一実施形態を示す図である。
【図9】ガイド表示の例を示す図である。
【図10】ガイド表示動作を表す流れ図である。
【図11】合成制御部の別実施形態を示す図である。
【図12】仮パノラマ撮影動作の別実施形態を示す図である。
【図13】合成制御部の別実施形態を示す図である。
【図14】切り出し幅補正動作を説明する図である。
【図15】短冊画像切り出し動作の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本件開示の画像処理装置および撮像装置の実施形態について詳細に説明する。
(撮像装置の実施形態1)
図1に、撮像装置の一実施形態を示す。
【0014】
図1に示した例において、撮像装置は、撮像用光学系101と撮像素子102とA/D変換部103と信号処理部104と表示制御部106と表示部107と記録制御部108と記録媒体109とメモリ110とパノラマ撮影制御部120とを備えている。
【0015】
撮像用光学系101によって、撮像素子102の光電変換面上に被写体像が形成される。この被写体像の光の強度分布は、撮像素子102により電気信号に変換される。信号処理部104は、A/D変換部103によってデジタル化された撮像素子102の出力から画像データを生成する。
【0016】
信号処理部104は、撮影制御部105からの指示に応じて、撮像素子102の出力から所定のフレームレートのライブビュー画像を生成する。生成されたライブビュー画像は、メモリ110のライブビュー画像保持部112に保持される。表示制御部106および表示部107は、このライブビュー画像を利用してファインダ表示を行う。
【0017】
図1に示したパノラマ撮影制御部120は、合成制御部121と画像収集部122と差分検出部123と画像抽出部124と画像結合部125とを備えている。合成制御部121は、撮影制御部105からの指示に従って、パノラマ撮影制御部120に備えられた各部の動作を制御する。
【0018】
合成制御部121は、例えば、撮影制御部105からパノラマ画像に対応する視野(以下、撮影視野と称する)の中央位置を指定する旨の指示に応じて、撮影視野の中央から一方の端までの範囲を特定するための情報の収集動作を制御する。
【0019】
画像収集部122は、合成制御部121からの指示に応じて、ライブビュー画像保持部112に保持されるライブビュー画像の中から複数フレームの画像データを収集する。差分検出部123は、画像収集部122で収集された複数フレームの画像データに基づいて、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央からこの撮影視野の一端までの視野の変化分を検出する。
【0020】
撮像装置をパンさせる過程で画像収集部122によって収集される複数フレームの画像データは、それぞれの時刻で撮像装置の視野に捉えられた被写体像を含んでいる。したがって、例えば、差分検出部123において、これらの画像データを互いに比較することにより、それぞれの時刻で撮像装置の視野がどのように変化しているかを示す情報を得ることができる。
【0021】
図2に、パノラマ撮影動作を説明する図を示す。図2の例では、山岳の風景を背景として二人の人物を配置したパノラマ画像を撮影する動作を説明する。なお、図2(A)から(C)において、太い実線で囲んだ範囲は、それぞれの時点で撮像装置によって捉えられている視野を示している。
【0022】
図2(A)は、撮像制御部105から撮影視野の中央を指定する旨が指示されたときの撮像装置の視野を示している。図2(A)の例では、二人の人物が撮像装置の視野のほぼ中央に捉えられている。なお、図2において、撮影視野の中央位置は、符号Pcを付した点線で示されている。図2(B)は、図2(A)に示した状態から、撮像装置を左方向にパン操作していき、撮影制御部105から撮影視野の一方の端を指定する旨が指示されたときに、撮像装置の視野に捉えられている範囲を示している。
【0023】
上述したパン操作の過程で、ライブビュー画像保持部112には、フレームごとに連続的に変化する視野に対応する画像データが保持される。そして、画像収集部122により、図2(A)に示した撮像装置の視野に対応する画像データと、図2(B)に示した撮像装置の視野に対応する画像データを含めて、複数フレームの画像データが収集される。これらの画像データを順次に比較することにより、それぞれの画像データで共通して写っている被写体の位置のズレを検出することができる。したがって、例えば、差分検出部123により、上述した位置ずれを集計することにより、撮影視野の中央位置Pcから図2(B)に示した撮像装置の視野の中央Pe1までの視野の変化分Dxを求めることができる。図2(B)に太線で囲んで示した範囲の中央Pe1は、撮影制御部105によって指定された撮影視野の左側の一端、すなわち、左端を示している。したがって、画像収集部122および差分検出部123が上述した処理を行うことにより、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央と一端とを特定する情報を収集することができる。つまり、図1に示した例では、合成制御部121と画像収集部122と差分検出部123とを含む情報収集部により、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央と一端とを特定する情報が収集されている。以下の説明では、上述したようにして撮像装置をパン操作しながら、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央と一端とを特定する情報を収集する処理を仮パノラマ撮影と称する。
【0024】
なお、合成制御部121は、例えば、撮影制御部105を介して、パノラマ撮影を行うモードが選択されていることやレリーズボタンが半押しあるいは全押しされた旨の通知を受け取ることができる。そして、パノラマ撮影モードが選択されている状態で、レリーズボタンが半押しされた旨が撮影制御部105から通知されたときに、合成制御部121は、撮影視野の中央を指定する旨が指示されたと判断することができる。つまり、合成制御部121は、この指示に応じて、画像収集部122および差分検出部123に、上述した仮パノラマ撮影処理の開始を指示する。このとき、合成制御部121は、表示制御部106および表示部107を介して、パノラマ撮影範囲の一方の端まで撮像装置をパン操作することを促すメッセージなどを利用者に提供することができる。
【0025】
また、上述した仮パノラマ撮影を経て、撮影視野の中央が指定された後に、レリーズボタンが全押しされた旨が撮影制御部105から通知されたときに、合成制御部121は、撮影視野の一端を特定する旨が指示されたと判断することができる。この指示に応じて、合成制御部121は、画像抽出部124および画像結合部125に対して、パノラマ画像の生成処理の開始を指示する。このとき、合成制御部121は、表示制御部106および表示部107を介して、仮パノラマ撮影とは逆方向に撮像装置をパン操作することを促すメッセージなどを利用者に提供することができる。
【0026】
仮パノラマ撮影を終了した位置から撮像装置を逆方向にパン操作する過程で、図2(B)に示した範囲から連続的に仮パノラマ撮影とは逆方向に視野が変化する複数フレームの画像データを含むライブビュー画像が得られる。以下の説明では、仮パノラマ撮影の終了後に、逆方向に撮像装置をパンさせながらライブビュー画像を取得する操作を本パノラマ撮影と称する。
【0027】
画像抽出部124は、合成制御部121からの指示に応じて、ライブビュー画像に含まれる複数フレームの画像データそれぞれから、例えば、画面の中央部に相当する短冊状の画像データを抽出する。画像抽出部124は、例えば、各フレームの画像データの中央部から幅X1高さY1の矩形の画像を抽出することができる。この画像抽出部124によって抽出された画像データは、撮影視野に含まれる複数の部分視野のいずれかに対応している。
【0028】
図2(B)に、撮影視野の左端を示す位置Pe1を中央とする範囲が撮像装置によって捉えられているときに画像抽出部124で抽出される短冊状の画像データの範囲を破線で囲んで示した。また、上述したようにして、撮影視野の左端を特定したことにより、図2(C)に示すように、撮影視野の中央Pcに対して線対称の位置として、撮影視野の右端を特定することができる。図2(C)に示した例では、図2(B)に示した位置Pe1と中央Pcを挟んで対称の位置Pe2に基づいて、撮影視野の右端を特定する場合を示した。つまり、本パノラマ撮影の際に、撮像装置の視野が、図2(B)に示した範囲から図2(C)に示した範囲に連続的に変化する過程で、撮影視野に含まれる複数の部分視野に対応する画像データが、それぞれ少なくとも一度は画像抽出部124によって抽出される。
【0029】
したがって、画像結合部125により、抽出された画像データの一部を重ね合わせながら結合させることにより、撮影視野に対応するパノラマ画像データを生成することができる。画像結合部125は、例えば、画像抽出部124から受け取った画像データを、重ね合わせを考慮しつつ順次にメモリ110に設けられた合成画像保持部111に格納することにより、パノラマ画像を生成することができる。
【0030】
図2(D)に、上述した本パノラマ撮影によって生成されるパノラマ画像の例を示す。図2に示した例では、パノラマ画像は、仮パノラマ撮影の過程における視野の変化分Dxの2倍に短冊画像の幅X1を加えた幅を持つ。そして、図2(B),(C)に示したように、撮影視野の両端の位置は、パノラマ画像の中央Pcを挟んで線対称の位置となる。したがって、上述した本パノラマ撮影により、仮パノラマ撮影を開始したときに撮像装置の視野に捉えられた被写体が配置されたパノラマ画像を生成することができる。つまり、図1に例示した撮像装置には、画像抽出部124と画像結合部125とを備えた画像合成部が備えられている。
【0031】
なお、図2に示した例のように、パン操作の方向が水平方向である場合は、画像抽出部124で抽出される画像データの高さは、ライブビュー画像に含まれる各フレームの画像データの高さと一致させることができる。また、画像抽出部124で抽出される短冊状の画像データの幅X1は、後述するマッチング処理で前後のフレームの画像と照合する範囲を考慮して決定することができる。また、仮パノラマ撮影で撮像装置をパンさせる方向は、図2の例で示した左方向に限らない。例えば、撮像装置を右側にパンさせながら仮パノラマ撮影を行い、本パノラマ撮影を左側にパンさせながら行うこともできる。更に、パン方向を上下方向とすることもできる。
【0032】
なお、ライブビュー画像の代わりに、撮像装置に備えられたムービー撮影機能で得られる動画像データを、メモリ110を介して画像収集部122に入力することもできる。この場合は、画像収集部122により、動画像データに含まれる各フレームの画像データの中から仮パノラマ撮影および本パノラマ撮影に必要な画像データが収集される。
【0033】
上述したような仮パノラマ撮影および本パノラマ撮影は、例えば、合成制御部121が、以下に述べるようにして各部を制御することによって実現することができる。
【0034】
図3に、パノラマ撮影動作を表す流れ図を示す。図3に示した例では、ステップ301からステップ305までが仮パノラマ撮影動作に相当し、ステップ306からステップ311までが本パノラマ撮影動作に相当する。
【0035】
合成制御部121は、例えば、パノラマ撮影を行うモードが設定された後に、レリーズボタンが半押しされた旨の通知に応じて仮パノラマ撮影動作を開始する。合成制御部121は、まず、この時点における撮像装置の視野の中央がパノラマ画像の中央として特定されたと判断する(ステップ301)。そして、ステップ302で、合成制御部121は、表示部107などを介して利用者にパン操作を促すとともに、画像収集部122および差分検出部123にそれぞれの処理の開始を指示する。
【0036】
この指示に応じて、画像収集部122により、パン操作に伴って視野が連続的に変化していく複数フレームの画像データが収集される(ステップ303)。そして、収集された画像データに基づいて、差分検出部123により、画像収集部122によって収集された最新の画像データに対応する撮像装置の視野について、ステップ302で特定されたパノラマ画像の中央からの変化量が検出される(ステップ304)。
【0037】
その後、合成制御部121は、撮影制御部105からレリーズボタンが全押しされた旨が通知されたか否かを判定する(ステップ305)。ステップ305の否定判定の場合に、処理は、ステップ303に戻って、新たな画像データの収集およびパノラマ画像の中央からの変化量の検出が行われる。一方、ステップ305の肯定判定の場合に、合成制御部121は、仮パノラマ撮影が終了したと判断する。そして、その時点における撮像装置の視野の中央に基づいて、パノラマ画像に対応する撮影視野の一端を決定するとともに、決定した一端と中央との距離に基づいて、パノラマ画像の幅を決定する(ステップ306)。
【0038】
次いで、合成制御部121は、表示部107などを介して、上述した仮パノラマ撮影とは逆方向へのパン操作を利用者に促す(ステップ307)。また、合成制御部121は、撮影制御部105からの通知に基づいて、レリーズボタンが押下された撮影状態が継続していることを確認し(ステップ308の肯定判定)、画像抽出部124および画像結合部125にそれぞれの処理の開始を指示する
この指示に応じて、画像抽出部124により、パン操作に伴って視野が連続的に変化していく複数フレームの画像データから上述した短冊状の画像データが抽出される(ステップ309)。抽出された画像データを、画像結合部125が、パノラマ画像保持部111に順次に重ね合わせて格納していくことにより、ステップ309で抽出された短冊画像に対応する部分視野までのパノラマ画像が生成される(ステップ310)。このとき、合成制御部121は、画像結合部125による結合処理過程で得られる情報などに基づいて、生成が完了したパノラマ画像の範囲を求める(ステップ311)。そして、ステップ310で求めた範囲がパノラマ画像の幅よりも小さい場合に(ステップ312の否定判定)、処理は、ステップ308に戻って、新たな短冊画像の抽出およびこの短冊画像の結合処理が行われる。一方、ステップ310で求めた範囲がパノラマ画像の幅と一致した場合に(ステップ312の肯定判定)、合成制御部121は、パノラマ画像の撮影が完了したと判断して処理を終了する。
【0039】
このように、生成したパノラマ画像の範囲が仮パノラマ撮影で決定した範囲に到達したときに、撮影動作は自動的に終了することにより、図2(D)に示したように、所望の被写体が中央部に配置されたパノラマ画像を生成することができる。このようにして生成されたパノラマ画像には、利用者の意図が忠実に反映されている。つまり、本件開示の撮像装置によれば、一度の撮影によって所望のパノラマ画像を利用者に提供できる確率が高いので、煩雑な撮りなおし作業から利用者を解放することができる。
【0040】
なお、上述した例では、レリーズボタンの操作によって、仮パノラマ撮影から本パノラマ撮影への移行を指示することができるので、利用者は自然に所望のパノラマ撮影を行うことができる。また、仮パノラマ撮影で、利用者が撮像装置をパン操作した範囲に基づいてパノラマ撮影の範囲が決定されるので、利用者が望む範囲を直感的な操作でパノラマ撮影の範囲に反映することができる。
【0041】
一方、本パノラマ撮影動作の途中でレリーズボタンの押下が解除された旨が撮影制御部105から通知された場合に、合成制御部121は、利用者の意思によって撮影状態が解除されたと判断する(ステップ308の否定判定)。この場合に、合成制御部121は、パノラマ撮影動作を終了させて、利用者の意思を撮像制御に反映することができる。
【0042】
ところで、上述した仮パノラマ撮影において、ライブビュー画像に基づいて、撮像装置の視野の変化分を検出する処理には、複数フレームの画像データを照合して共通する部分を見つけるマッチング処理を適用することができる。
(パノラマ撮影制御部の別実施形態)
図4に、パノラマ撮影制御部の別実施形態を示す。なお、図4に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
【0043】
図4に示したライブビュー画像保持部112において、新規フレーム保持部113は、信号処理部104の出力に基づいて、ライブビュー画像の最新のフレームを保持する。参照画像保持部114は、合成制御部121からの指示に応じて、新規フレーム保持部113に保持された画像データを、以降のフレームとの比較のための参照画像として保持する。
【0044】
図4に示したパノラマ撮影制御部120は、合成制御部121と画像結合部125とマッチング処理部126と移動量判定部127と移動量積算部128と短冊画像切り出し部129と画像幅保持部130とを備えている。
【0045】
マッチング処理部126は、新規フレーム保持部113に保持された現フレームの画像データと参照画像保持部114に保持された参照画像とについてマッチング処理を行う。このマッチング処理により、現フレームの画像データと参照画像とに共通して含まれている被写体像の位置の差を示す画素数が検出される。
【0046】
移動量判定部127は、マッチング処理部126によって移動量として検出された画素数を所定の閾値Thdと比較する。上述した画素数が所定の閾値Thdよりも大きい場合に、移動量判定部127は、参照フレームと現フレームとの間で視野の移動があったと判定し、当該画素数dxを出力する。また、このとき、移動量判定部127は、参照画像保持部114に参照画像の更新を指示する。なお、移動量判定部127で用いる閾値Thdの値は、例えば、短冊画像切り出し部129で切り出される短冊画像の幅X1に基づいて決定することができる。
【0047】
移動量積算部128は、移動量判定部127から受け取った画素数dxを順次に累積加算する。この累積加算で得られる総移動量Sは、合成制御部121による制御処理に用いられる。例えば、合成制御部121は、撮影制御部105からの通知に応じて、仮パノラマ撮影から本パノラマ撮影に移行する際に、上述した総移動量Sに基づいて、パノラマ画像の幅Wpを算出し、画像幅保持部130に保持することができる。このパノラマ画像の幅Wpは、例えば、上述した総移動量Sと短冊画像の幅X1とを用いて、式(1)のように求めることができる。
【0048】
Wp=2S+X1 ・・・(1)
また、短冊画像切り出し部129は、合成制御部121からの指示と移動量判定部127による上述した判定結果に応じて、新規フレーム保持部113に保持された現フレームの画像データから短冊画像を切り出す処理を行う。
【0049】
短冊画像切り出し部129によって切り出された短冊画像は、画像結合部125により、マッチング処理部126によるマッチング処理結果に基づいて、合成画像保持部111に保持されている合成画像に重ね合わせて格納される。
【0050】
図4に示した例では、マッチング処理部126と移動量判定部127と移動量積算部128とにより、上述した差分検出部123に相当する機能が実現されている。また、移動量判定部127による判定結果に応じて更新される参照画像保持部114と新規フレーム保持部113とにより、画像収集部122に相当する画像データの収集動作が実現されている。同様に、移動量判定部127の判定結果に応じて、短冊画像切り出し部129が動作することにより、画像抽出部124に相当する画像データの抽出機能が実現されている。
【0051】
図5に、仮パノラマ撮影動作の別実施形態を表す流れ図を示す。なお、図5に示した各ステップは、図3に示したステップ301からステップ306に対応している。
【0052】
合成制御部121は、撮影制御部105からの通知でレリーズボタンの半押しを検出したときに、まず、移動量積算部128に総移動量Sを初期化する(ステップ321)。また、このとき、合成制御部121からの指示に応じて、参照画像保持部114は、新規フレーム保持部113に保持されている現フレームの画像データを参照画像として保持する(ステップ322)。次いで、ステップ302と同様にして、合成制御部121により、利用者に仮パノラマ撮影のためのパン操作を促すメッセージを提供する処理が行われる。
【0053】
その後、新規フレーム保持部113に新たなフレームの画像データが入力されると(ステップ323)、マッチング処理部126により、新たに入力された現フレームの画像データと参照画像とのマッチング処理が行われる(ステップ324)。このマッチング処理により、例えば、現フレームの画像と参照画像とに共通して含まれる被写体像のパン操作方向の移動量dxが求められる。マッチング処理部126は、例えば、参照画像での位置のX成分と現フレームの画像での位置のX成分との差を示す画素数として、この移動量dxを求めることができる。なお、マッチング処理部126は、信号処理部104によって新規フレーム保持部113に画像データが書き込まれるごとに、現フレームの画像データと参照画像とのマッチング処理を行うことができる。また、マッチング処理部126は、複数フレームごとに、上述したマッチング処理を行うこともできる。
【0054】
移動量判定部127は、このようにして求められた移動量dxと閾値Thdとを比較する(ステップ325)。そして、移動量dxが閾値Thd未満である場合に(ステップ325の否定判定)、移動量判定部127は、現フレームに対応する撮像装置の視野と参照画像に対応する視野との差が小さいと判断する。この場合に、処理は、ステップ323に戻り、新たなフレームの画像データについての処理が開始される。
【0055】
一方、移動量dxが閾値Thd以上である場合に(ステップ325の肯定判定)、移動量判定部127は、この移動量dxを移動量積算部128に渡す。これに応じて、移動量積算部128により、この移動量dxが総移動量Sに加算される(ステップ326)。また、このとき、移動量判定部127からの指示に応じて、参照画像保持部114は、新規フレーム保持部113に保持されている現フレームの画像データを用いて参照画像を更新する(ステップ327)。
【0056】
その後、合成制御部121により、撮影制御部105からレリーズボタンが全押しされたことが通知されているか否かが判定される(ステップ328)。ステップ328の否定判定の場合に、合成制御部121は、仮パノラマ撮影が継続されていると判断する。この場合に、処理はステップ323に戻って、新たなフレームの画像データについての処理が開始される。
【0057】
上述したように、図4に示したパノラマ撮影制御部120の例では、移動量判定部127の判定結果に応じて、移動量積算部128による移動量dxの累積加算処理および参照画像保持部114による参照画像の更新処理が行われる。これにより、移動量として検出された画素数が所定の閾値Thdに満たないときに、参照画像の更新処理や累積加算処理を抑止することができる。つまり、例えば、手ぶれなどによる意図しない撮像装置の変位を無視することができる。
【0058】
そして、利用者による撮像装置のパン操作に伴って、上述したステップ323〜ステップ328を繰り返すことにより、移動量積算部128により、利用者が意図したパン操作に対応する視野の移動が反映された総移動量Sが得られる。
【0059】
したがって、撮影制御部105からレリーズボタンが全押しされた旨が通知されたときに(ステップ328の肯定判定)、移動量積算部128で得られた総移動量Sは、仮パノラマ撮影過程における視野の変化分Dxを示している。この総移動量Sは、ステップ329で合成制御部121に渡される。そして、合成制御部121は、この総移動量Sに基づいて、利用者が仮パノラマ撮影動作の過程で撮像装置をパンさせて示した範囲を反映したパノラマ画像幅Wpを算出する(ステップ330)。このステップ330の終了後に、合成制御部121は、算出したパノラマ画像幅Wpを画像幅保持部130に保持するとともに、仮パノラマ撮影処理を終了し、本パノラマ撮影処理を開始する。なお、図5に示したステップ328において、合成制御部121により、レリーズボタンの半押し状態が継続しているか否かを全押しされたか否かと併せて判定することもできる。そして、合成制御部121は、レリーズボタンの半押しが解除されたと判定したときに、仮パノラマ撮影処理および本パノラマ撮影処理を終了させてもよい。
【0060】
図6に、本パノラマ撮影動作の別実施形態を表す流れ図を示す。なお、図6に示す各ステップは、図3に示したステップ307からステップ312の処理に対応している。
【0061】
本パノラマ撮影処理では、まず、合成制御部121からの指示に応じて、短冊画像切り出し部129により、最初の短冊画像が切り出される(ステップ331)。この短冊画像は、画像結合部125により、パノラマ画像の一方の端に相当する部分として合成画像保持部111に格納される(ステップ332)。また、このとき、移動量積算部128により、総移動量Sに最初の短冊画像の幅に相当する初期値X1が設定される。
【0062】
次いで、図3に示したステップ307と同様にして、合成制御部121により、逆方向にパン操作を促すメッセージを利用者に提供する処理が行われる。そして、マッチング処理部126により、上述したステップ323およびステップ324と同様にして、新規フレーム保持部113に保持された画像データと参照画像とのマッチング処理が行われる(ステップ333,334)。また、ステップ325と同様に、移動量判定部127により、このマッチング処理で求められた移動量dxが閾値Thd以上であるか否かを判定する処理が行われる(ステップ335)。
【0063】
そして、移動量dxが閾値Thd未満である場合に(ステップ335の否定判定)、処理は、ステップ333に戻り、新たなフレームの画像データについての処理が開始される。 一方、移動量dxが閾値Thd以上である場合に(ステップ335の肯定判定)、短冊画像切り出し部129により、新規フレーム保持部113に保持された現フレームの画像データから短冊画像が切り出される(ステップ336)。短冊画像切り出し部129は、例えば、現フレームの画像データの中央部から幅X1高さY1の矩形の画像を切り出すことができる。各フレームの画像データの中央部は、撮影光学系101が持つ収差の影響を受けにくいので、後述する画像合成処理に適している。
【0064】
次いで、切り出された短冊画像について、画像結合部125による画像合成処理が行われる(ステップ336)。このとき、画像結合部125は、マッチング処理部126で得られたマッチング処理結果に基づいて、新たに切り出された短冊画像を既に合成画像保持部111に保持されている画像の一部を重ね合わせて格納することにより、合成画像を生成することができる。
【0065】
図7に、画像結合処理を説明する図を示す。図7に示した例では、短冊画像切り出し部129によって切り出された個々の短冊画像を、切り出された順番を示す添え字を付して、Fのように示している。なお、図7においては、パン操作方向をX方向とし、これに垂直な方向をY方向として示した。
【0066】
図7(A),(B)に、番号j番目に切り出された短冊画像Fとj+1番目に切り出された短冊画像Fj+1とを示す。図7(A),(B)において、短冊画像Fと短冊画像Fj+1とで重複している範囲は、斜線を付して示されている。
【0067】
ここで、マッチング処理部126では、上述したX方向の移動量dxに加えて、パン操作方向に垂直な方向に相当するY方向の移動量dyも検出されている。したがって、画像結合部125は、X,Y両方向の移動量dx、dyに基づいて、新たな短冊画像と既に合成画像保持部111に形成されている合成画像との重複範囲を特定することができる。そして、この重複範囲に基づいて算出された合成画像保持部111のアドレスから、新たな短冊画像を格納することにより、この新たな短冊画像を追加した合成画像を生成することができる。図7(C)に、複数の短冊画像F〜Fj+4を順次に結合される様子を示した。
【0068】
短冊画像切り出し部129によって切り出される短冊画像の幅が一定である場合は、図7から分かるように、短冊画像の結合によって合成画像に追加される画像の幅Wxは、ステップ335で肯定判定となった移動量dxに等しい。
【0069】
したがって、図6のステップ338において、移動量積算部128により、移動量判定部127から出力された移動量dxを総移動量Sに加算することにより、この総移動量Sとして、合成画像保持部111に形成済みの合成画像の幅を得ることがきる。
【0070】
次いで、ステップ327と同様にして、参照画像保持部114の参照画像が更新される(ステップ339)。なお、このステップ339の処理は、上述したステップ336〜ステップ338のいずれかの処理の前に実行することもできる。
【0071】
その後、合成制御部121は、上述した総移動量Sと画像幅保持部130に保持されたパノラマ画像幅Wpとを比較する(ステップ340)。そして、総移動量Sがパノラマ画像幅Wp未満である場合に(ステップ340の肯定判定)、合成制御部121は、本パノラマ撮影はまだ完了していないと判断する。このとき、処理は、ステップ333に戻り、新たなフレームの画像データについての処理を開始する。
【0072】
上述したように、図4に示したパノラマ撮影制御部120の例では、移動量判定部127の判定結果に応じて、移動量積算部128および参照画像保持部114の動作とともに、短冊画像切り出し部129の動作が制御される。これにより、移動量として検出された画素数が所定の閾値Thdに満たないときに、参照画像の更新処理や移動量dxの累積加算処理とともに短冊画像の切り出し処理や画像結合処理を抑止することができる。このようにして、手ぶれなどによる意図しない撮像装置の変位を無視するとともに、利用者が意図したパン操作に対応する視野の移動を反映して切り出された短冊画像を合成画像保持部111に追加していくことができる。
【0073】
利用者による撮像装置のパン操作に伴って、上述したステップ333〜ステップ340を繰り返していき、総移動量Sがパノラマ画像幅Wpに到達したときに(ステップ340の否定判定)、合成制御部121は、本パノラマ撮影が完了したと判断する。次いで、合成制御部121は、合成画像保持部111に保持された合成画像に対して、Y方向のサイズを規定のサイズに合わせるためのサイズ調整処理を行うことができる(ステップ341)。
【0074】
図7(C)に示したように、個々の短冊画像はY方向に不規則にずれながら重なり合って合成画像を形成している。これは、利用者が撮像装置をパン操作する際に、パン操作方向に垂直な方向へも撮像装置の視野が変動するためである。
【0075】
このようなY方向のずれを除去するために、合成制御部121は、まず、全ての短冊画像に共通しているY方向の範囲を特定する。そして、このY方向の範囲の幅Y2と規定のY方向のサイズY1との比に相当する係数αを用いて、合成制御部121により、合成画像の拡大処理を行うことにより、サイズ調整処理を実現することができる。
【0076】
ところで、パノラマ画像の幅Wpに対して所定の上限が設定される場合がある。このような場合に、仮パノラマ撮影中に、このパノラマ画像幅の上限に関する情報を利用者に提供する機能を備えることにより、撮像装置の利便性を向上することができる。
(合成制御部の別実施形態)
図8に、合成制御部の別実施形態を示す。なお、図8に示した構成要素のうち、図1および図4に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
【0077】
図8に示した合成制御部121は、制御指示検出部131とガイド表示生成部132と終了判定部133と幅算出部134とを備えている。制御指示検出部131は、撮影制御部105からの通知に基づいて、レリーズボタンの操作状態で示される制御指示を検出する。ガイド表示生成部132は、制御指示検出部131からの指示と、移動量積算部128の出力および画像幅保持部130に保持された値とに基づいて、後述するガイド表示を生成する。また、幅算出部134は、制御指示検出部131からの指示に応じて、移動量積算部128の出力で示される値から本パノラマ撮影で生成するパノラマ画像の幅の目標値Wpを算出する。算出されたパノラマ画像の幅の目標値Wpは、画像幅保持部130に保持される。なお、図8に示した合成制御部121の例では、移動量積算部128の出力で示される値が上述したパノラマ画像の幅の目標値Wpに到達したときに、終了判定部133が短冊画像切り出し部129の処理を停止させる。つまり、図8の例では、終了判定部133により、図7に示したステップ340の否定判定に応じて本パノラマ撮影動作を終了させる制御が行われる。
【0078】
図9に、ガイド表示の例を示す。図9の例では、撮像装置の表示部107にライブビュー画像と重ね合わせて、帯状のガイドバー136を表示している。なお、図9においては、ライブビュー画像の図示は省略した。
【0079】
図9(A),(B),(C)の例に示したガイドバー136は、中央マーク137と、現フレームマーク138とを含んでいる。図9(A),(B),(C)において、中央マーク137は、斜線を付した矩形で示されている。また、現フレームマーク138は、太い破線で囲んで示されている。
【0080】
中央マーク137は、利用者がレリーズボタンの半押し操作によって仮パノラマ撮影の開始を指示したときの撮像装置の視野に幅を示している。また、現フレームマーク138は、表示部107にライブビュー画像として表示されている現フレームの画像に対応する視野を、パノラマ画像幅の上限あるいは仮パノラマ撮影で特定されたパノラマ画像幅Wpとの関係に基づいて示している。
【0081】
図10に、ガイド表示動作を表す流れ図を示す。図10に示したステップ351〜ステップ356の処理は、仮パノラマ撮影動作の進行に伴って実行される。また、ステップ358〜ステップ361の処理は、本パノラマ撮影動作の進行に伴って実行される。
【0082】
制御指示検出部131は、まず、パノラマ画像の幅の上限に対応して予め決定された最大変位幅Dmaxを画像幅保持部130に保持する(ステップ351)。この最大変位幅Dmaxは、例えば、パノラマ画像の幅の上限Wmaxと短冊画像の幅X1と所定の係数βとを用いた式(2)により、パノラマ撮影処理の開始に先立って決定しておくことができる。なお、係数βの値は、例えば、上述したステップ341において、Y方向に画像サイズを調整するためにパノラマ画像が係数α倍に拡大されることを考慮して、0<β<1の範囲で予め決定すればよい。
【0083】
Dmax=β(Wmax−X1)/2 ・・・(2)
ガイド表示生成部132は、制御指示検出部131から受け取った最大変位幅Dmaxに基づいて、ガイドバー136および中央マーク137を表示するための表示データを生成する(ステップ352)。このとき、ガイド表示生成部132は、最大変位幅Dmaxの2倍の幅を示すガイドバー136に対応する表示データとして、例えば、表示部107の横幅に相当する長さを持つ帯状の画像を表示させる表示情報を生成することができる。また、ガイド表示生成部132は、中央マーク137に対応して、例えば、上述した帯状のガイドバー136の幅に対して、仮パノラマ撮影開始時のフレームの幅を示す矩形を、ガイドバー136の中央部に重ねて表示させる表示データを生成することができる。
【0084】
以降は、移動量積算部128により、移動量の積算結果Sが出力されるごとに、この積算結果Sを受け取って(ステップ353)、まず、ステップ354において、終了判定部133による終了判定処理が行われる。ステップ354で、終了判定部133は、移動量の積算結果Sと上述した最大変位幅Dmaxとを比較する。移動量の積算結果Sが最大変位幅Dmax以下である場合に(ステップ354の否定判定)、終了判定部133は、ガイド表示生成部132に対してガイド表示の更新処理を指示する。これに応じて、ガイド表示生成部132は、ステップ353で受け取った移動量の積算結果Sと最大変位幅Dmaxとに基づいて、現フレームマーク138を表示するための表示データを生成する(ステップ355)。ガイド表示生成部132は、例えば、現フレームから切り出される短冊画像が最大変位幅Dmaxで示される最大パノラマ画像において占める位置に対応して、現フレームマーク138を表示ガイドバー136に重ねて表示する画像情報を生成することができる。なお、現フレームマーク138の表示位置は、例えば、最大変位幅Dmaxに対する移動量の積算結果Sの比に基づいて求めることができる。図9(A)に、仮パノラマ撮影中に表示されるガイドバー136、中央マーク137および現フレームマーク138の位置関係の例を示した。
【0085】
次いで、制御指示検出部131は、撮影制御部105からレリーズボタンの全押しされた旨が通知されたか否かを判定する(ステップ356)。このステップ356の否定判定の場合に、処理は、ステップ353に戻って、移動量積算部128の新たな出力に基づく処理が開始される。
【0086】
上述したように、仮パノラマ撮影の過程で、ステップ353〜ステップ356の処理を繰り返すことにより、パン操作に応じた撮像装置の視野の変化に応じて、ガイドバー136における現フレームマーク138の位置が更新される。このようにして、現在の視野とパノラマ画像幅の上限との関係を示す情報を利用者に提供することができる。
【0087】
そして、仮パノラマ撮影の過程におけるパン操作に応じた撮像装置の視野の変化分が、上述した最大変化幅Dmax以下の範囲となっている間に、レリーズボタンが全押しされると(ステップ356の肯定判定)、本パノラマ撮影に対応するガイド表示動作が開始される。
【0088】
図9(B)に、本パノラマ撮影動作開始時に表示されるガイドバー136、中央マーク137および現フレームマークの位置関係の例を示した。図9(B)において、現フレームマーク138の表示位置は、レリーズボタンの全押しにより、本パノラマ撮影の開始が指示されたときの撮像装置の視野に対応している。なお、このとき、移動量積算部128で得られる総移動量Sで示される現フレームの視野と中央マークで示される視野との差は、仮パノラマ撮影過程における視野の変化分Dxに相当する。
【0089】
このとき、図8に示した幅算出部134により、移動量積算部128から受け取った移動量の積算結果Sと短冊画像の幅X1とに基づいて、上述した式(1)により、本パノラマ撮影で取得するパノラマ画像の幅Wpが算出される(ステップ357)。そして、算出されたパノラマ画像幅Wpは、上述した最大変化幅Dmaxに代えて、画像幅保持部130に保持される。また、このとき、移動量積算部128には、図6に示したステップ332の処理により、本パノラマ撮影開始時に切り出される短冊画像の幅X1が初期値として設定される。
【0090】
そして、このパノラマ画像幅Wpに基づいて、ガイド表示生成部132により、ガイドバー136および中央マーク137を表示するための表示データが生成される(ステップ358)。このとき、ガイド表示生成部132は、パノラマ画像幅Wpを示すガイドバー136に対応する表示データとして、例えば、表示部107の横幅に相当する長さを持つ帯状の画像を表示させる表示情報を生成することができる。また、ガイド表示生成部132は、中央マーク137に対応して、例えば、上述した帯状のガイドバー136の長さに対して、仮パノラマ撮影開始時のフレームの幅を示す矩形を、ガイドバー136の中央部に重ねて表示させる表示データを生成することができる。
【0091】
次いで、移動量積算部128から移動量の積算結果Sを受け取るごとに(ステップ359)、終了判定部133により、移動量の積算結果Sと上述したパノラマ画像幅Wpとが比較される(ステップ360)。そして、移動量の積算結果Sがパノラマ画像幅Wp以下である場合に(ステップ360の肯定判定)、終了判定部133は、ガイド表示生成部132に対してガイド表示の更新処理を指示する。
【0092】
これに応じて、ガイド表示生成部132は、ステップ359で受け取った移動量の積算結果Sとパノラマ画像幅Wpとに基づいて、現フレームマーク138を表示するための表示データを生成する(ステップ361)。ガイド表示生成部132は、例えば、現フレームから切り出される短冊画像がパノラマ画像幅Wpで示されるパノラマ画像において占める位置に対応して、現フレームマーク138を表示ガイドバー136に重ねて表示する画像情報を生成することができる。なお、現フレームマーク138の表示位置は、例えば、パノラマ画像幅Wpに対する移動量の積算結果Sの比に基づいて求めることができる。図9(C)に、本パノラマ撮影中に表示されるガイドバー136、中央マーク137および現フレームマーク138の位置関係の例を示した。
【0093】
その後、処理は、ステップ359に戻って、移動量積算部128の新たな出力に基づく処理が開始される。このように、本パノラマ撮影の過程で、ステップ359〜ステップ361の処理を繰り返すことにより、パン操作に応じた撮像装置の視野の変化に応じて、ガイドバー136における現フレームマーク138の位置が更新される。このようにして、本パノラマ撮影中にも、現在の視野とパノラマ画像幅Wpとの関係を示す情報を利用者に提供することができる。
【0094】
そして、ステップ359で受け取った移動量の積算結果Sがパノラマ画像幅Wp以上となったときに(ステップ360の否定判定)、ガイド表示生成部132は、パノラマ撮影動作を終了する旨のメッセージに対応する表示データを生成する(ステップ362)。その後、ガイド表示動作は終了する。
【0095】
図8に例示した構成を含む撮像装置によれば、仮パノラマ撮影および本パノラマ撮影を通じて、利用者に提供されるライブビュー画像に含まれる被写体がパノラマ画像において占める位置に関する情報を提供することができる。このような情報の提供により、利用者は、仮パノラマ撮影および本パノラマ撮影の進捗状況を直感的に把握する上で有用な支援を受けることができる。
【0096】
ところで、仮パノラマ撮影の際に、撮像装置が上述した最大変化幅Dmaxを超えてパン操作された場合は、パノラマ画像の幅の制限下で、仮パノラマ撮影開始時の視野の中央部に捉えられた被写体を中央に配置したパノラマ画像を生成することができない。所望の構図のパノラマ画像を生成するために、図10に示した流れ図の例のように、仮パノラマ撮影動作を中断する機能を含めることができる。図10に示した流れ図の例では、ステップ354において、移動量の積算結果Sが最大変化幅Dmaxを超えたと判定された場合に、エラーが発生したと判断して、処理が中断されている。これにより、所望の被写体が中央に配置された構図のパノラマ画像を生成可能な場合にのみ、本パノラマ撮影動作を開始させることができる。
【0097】
なお、仮パノラマ撮影の開始および仮パノラマ撮影から本パノラマ撮影への切り替えを指示する操作は、上述したレリーズボタンの操作に限られない。例えば、パノラマ撮影モードへの切り替えを指示する操作により、仮パノラマ撮影を開始することもできる。また、撮像装置がパン操作されている方向の変化を検出して、仮パノラマ撮影から本パノラマ撮影へと切り替えることも可能である。
(合成制御部の別実施形態)
図11に、合成制御部の別実施形態を示す。なお、図11に示した構成要素のうち、図4および図8に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
【0098】
図11に示した合成制御部121は、制御指示検出部131と終了判定部133と幅算出部134とに加えて、反転検出部135を備えている。なお、図11に示した合成制御部121に、図8に示したガイド表示生成部132を備えることもできる。
【0099】
反転検出部135は、移動量判定部127から参照画像に対応する視野と現フレームに対応する視野との差分を示す移動量dxを受け取る。この移動量dxはマッチング処理部126により、例えば、仮パノラマ撮影が開始されたときのパン方向をX軸の正の方向として検出されている。したがって、反転検出部135により、移動量dxの符号を調べることにより、撮像装置のパン方向の反転を検出することができる。
【0100】
反転検出部135による検出結果は、仮パノラマ撮影から本パノラマ撮影への切り替えが指示されたか否かを示す情報として、制御指示検出部131に渡される。そして、この情報によって示された本パノラマ撮影への切替指示は、制御指示検出部131により、幅算出部134、移動量積算部128、短冊画像切り出し部129および画像幅保持部130に伝えられる。
【0101】
図12に、仮パノラマ撮影動作の別実施形態を示す。なお、図12に示したステップのうち、図5に示したステップと同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
【0102】
図12に示した流れ図では、ステップ324において移動量dxが検出された後に、移動量判定部127により、この移動量dxの絶対値と閾値Thdとの比較が行われる(ステップ343)。そして、移動量dxの絶対値が閾値Thdに満たない場合に(ステップ343の否定判定)、処理は、ステップ323に戻って、新たなフレームの画像についての処理が開始される。一方、移動量dxの絶対値が閾値Thd以上である場合に(ステップ343の肯定判定)、反転検出部135は、移動量dxの符号が反転したか否かを判定する(ステップ344)。反転検出部135は、例えば、最初にステップ343から受け取った移動量dxの符号を内部で保持しておき、この符号と比較することにより、以降に渡される移動量dxの符号の反転を検出することができる。
【0103】
反転検出部135によって、移動量dxの符号の反転が検出されなかった場合に(ステップ344の否定判定)、制御指示検出部131は、仮パノラマ撮影動作が継続していると判断する。そして、ステップ326,327による移動量dxの積算処理と参照フレームの更新処理が行われた後に、処理は、ステップ323に戻って、新たなフレームの画像についての処理が開始される。
【0104】
反転検出部135によって、移動量dxの符号の反転が検出された場合に(ステップ344の肯定判定)、制御指示検出部131は、仮パノラマ撮影から本パノラマ撮影への移行が指示されたと判断する。これに応じて、ステップ329、ステップ330が実行された後、仮パノラマ撮影動作は終了する。
【0105】
このようにして、撮像装置のパン方向の反転に応じて、仮パノラマ撮影を自動的に終了して、本パノラマ撮影を開始する制御を実現することができる。このような制御を適用したことにより、利用者の操作は、仮パノラマ撮影および本パノラマ撮影に必須な撮像装置のパン操作のみに絞ることができる。このような操作の簡略化により、利用者は、撮像装置のパン操作を集中して行うことができる。
【0106】
ところで、撮像装置の撮影制御部105には、顔検出などの被写体検出機能が含まれる場合がある。このような撮影制御部105に含まれる機能による検出結果を、パノラマ撮影動作の制御に利用することも可能である。
(合成制御部の別実施形態)
図13に、合成制御部の別実施形態を示す。なお、図13に示した構成要素のうち、図4および図8に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
【0107】
図13に示した合成制御部121は、制御指示検出部131と終了判定部133と幅算出部134とに加えて、切り出し幅補正部139を備えている。なお、図13に示した合成制御部121に、図8に示したガイド表示生成部132を備えることもできる。
【0108】
切り出し幅補正部139には、マッチング処理部126による処理結果と、移動量判定部127による判定結果と、撮影制御部105による顔検出結果とが入力される。切り出し幅補正部129は、顔検出結果として、例えば、現フレームの画像データから検出された顔の位置およびその範囲を含む情報を、撮影制御部105から受け取ることができる。
【0109】
これらの入力情報に基づいて、切り出し幅補正部139は、顔検出結果を考慮した短冊画像の幅を求める。そして、求めた短冊画像の幅を短冊画像切り出し部129に通知する。この通知に応じて、短冊画像切り出し部129は、新規フレーム保持部113に保持された現フレームの画像データから、通知で指定された幅の短冊画像を切り出す処理を行う。
【0110】
また、切り出し幅補正部139は、求めた短冊画像の幅と移動量判定部127による判定結果に含まれる移動量dxとに基づいて、現フレームの画像データからの短冊画像の切り出しに伴う合成画像の追加幅Wxを求める。この合成画像の追加幅Wxは、移動量積算部128による積算処理に供される。
【0111】
図14に、切り出し幅補正動作を説明する図を示す。図14の例では、複数のフレームの画像データに共通して含まれている人物についての顔検出結果を利用して、これらの画像データから切り出される短冊画像の幅が調整される様子を示している。
【0112】
図14(A),(B),(C)に、j番目〜j+2番目に短冊画像の切り出し処理の対象となる各フレームの画像F〜Fj+2を、これらの画像に共通して含まれている人物の像の位置をそろえて示した。合成処理の際に、顔検出結果を利用した制御を行う場合を示した。なお、図14(A),(B),(C)において、幅を補正する前の短冊画像を太い破線の矩形で示した。また、図14(A),(B),(C)において、符号X1、Y1は、それぞれ補正前の短冊画像の基準幅および基準の高さを示している。
【0113】
図14(B)に示した例では、幅を補正する前の短冊画像の境界が、人物の顔のほぼ中央を横切っている。このような場合に、例えば、人物の顔全体が短冊画像に含まれるように、画像Fj+1から切り出される短冊画像の幅を補正することができる。図14(B)においては、補正後の短冊画像の範囲を点線で囲んで示した。
【0114】
このような短冊画像の幅の調整処理は、例えば、切り出し幅補正部139が、移動量判定部127によって移動量dxが出力されるごとに、次に説明するようにして短冊画像の切り出し動作を制御することによって実現することができる。
【0115】
図15に、短冊画像切り出し動作の一実施形態を示す。なお、図15に示した各ステップは、図6に示したステップ336〜ステップ338に相当する。
【0116】
図15に示したステップ371において、切り出し幅補正部139は、撮影制御部105から顔検出結果を受け取る。切り出し幅補正部139は、例えば、現フレームの画像から検出された人物の顔の部分を囲む矩形の範囲を特定する情報を、撮影制御部105から受け取ることができる。
【0117】
次いで、切り出し幅補正部139は、上述した顔検出結果に基づいて、基準幅X1を持つ短冊画像の境界付近に人物の顔が検出されているか否かを判定する(ステップ372)。例えば、切り出し幅補正部139は、顔検出結果で示された人物の顔の部分を示す矩形の範囲を、短冊画像の境界が横切っているか否かを判定することにより、このステップ372の判定を行うことができる。
【0118】
例えば、図14(A)に示した例では、破線で示された短冊画像の境界と太い実線で示した人物の顔の部分を囲む矩形とは交差していない。このような場合に、切り出し幅補正部139は、ステップ372の否定判定として、ステップ373に進む。このステップ373で、切り出し幅補正部139は、上述した基準幅X1を現フレームの画像データから切り出す短冊画像に適用する短冊幅Xnとして短冊画像切り出し部129に通知する。
【0119】
一方、図14(B)に示した例では、破線で示された短冊画像の境界と太い実線で示した人物の顔の部分を囲む矩形とが交差している。このような場合に、切り出し幅補正部139は、ステップ372の肯定判定として、ステップ374に進む。このステップ374で、切り出し幅補正部139は、例えば、図14(B)において点線で示したように、人物の顔の部分を囲む矩形が内部に含まれるまで広げた短冊画像の幅の補正値Xa1を求める。この場合は、ステップ374で求められた短冊画像の幅の補正値Xa1が、現フレームの画像データから切り出す短冊画像に適用する短冊幅Xnとして短冊画像切り出し部129に通知される(ステップ375)。
【0120】
次いで、ステップ376において、短冊画像切り出し部129により、上述したステップ373あるいはステップ375で通知された短冊幅Xnの短冊画像が、新規フレーム保持部113に保持された画像データから切り出される。そして、切り出された短冊画像は、画像結合部125により、図6に示したステップ337と同様にして、合成画像保持部111に保持されている合成画像に結合される。
【0121】
次に、切り出し幅補正部139は、ステップ376で切り出された短冊画像を合成したことによる合成画像の追加幅Wxを算出する(ステップ377)。図14から分かるように、追加幅Wxは、現フレームから切り出される短冊画像に対応する短冊幅Xnと移動量dxと参照画像から切り出された短冊画像に対応する短冊幅Xoとを用いて、式(3)のようにして求めることができる。
【0122】
Wx=(Xn+dx)−Xo ・・・(3)
図14(B)に示したように、参照画像に適用された短冊幅Xoが基準幅X1であって、現フレームの短冊幅Xnが基準幅X1から広げられた場合は、追加幅Wxは、移動量dxよりも大きくなる。逆に、図14(C)に示したように、基準幅X1から広げられた短冊幅Xoが参照画像に適用され、現フレームの短冊幅Xnが基準幅X1である場合は、追加幅Wxは、移動量dxよりも小さくなる。
【0123】
このようにして算出された追加幅Wxは、移動量積算部128に通知される。そして、この移動量積算部128により、移動量の総和Sに加算される(ステップ378)。その後、切り出し幅補正部139は、現フレームに適用された短冊幅Xnを用いて、参照画像に対応する短冊幅Xoを更新する(ステップ379)。このようにして更新された参照画像に対応する短冊幅Xoは、次に、新たな現フレームの画像データから短冊画像を切り出す処理を行う際に用いられる。
【0124】
上述したようにして、図13に例示した構成を備えた撮像装置によれば、パノラマ画像の合成に用いる短冊画像の幅に、顔検出結果を反映することができる。これにより、例えば、人物の顔を表す画像の部分では、複数のフレームの画像データが結合されないように制御することができる。そして、このような制御を適用することにより、短冊画像を合成して生成されるパノラマ画像の品質を向上させることができる。
【0125】
なお、顔検出結果に基づく短冊画像の幅の調整を実現する方法は、図14(B)に示したように、短冊画像の切り出し終了位置を変更する場合に限られない。例えば、短冊画像の切り出し開始位置を変更することによって、短冊画像の幅を調整することも可能である。また、基準幅X1の短冊画像を切り出し対象の画像データの中央からずらした位置から切り出すことによって、顔検出結果を考慮した短冊画像の切り出しを行うことも可能である。更に、顔検出以外の被写体認識技術によって得られる処理結果に基づいて、短冊画像の切り出し動作を制御することも可能である。
【0126】
また、上述したようなパノラマ画像の生成処理を、撮像装置から独立した画像処理装置によって実現することも可能である。
【0127】
以上の説明に関して、更に、以下の各項を開示する。
(付記1)
パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集する情報収集部と、
前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に対応する画像データを、前記情報収集部で収集された情報に基づいて合成する画像合成部と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(付記2)
付記1に記載の画像処理装置において、
前記情報収集部は、
任意の第1方向に連続的に視野が変化する複数フレームの画像データを、前記撮影視野の中央に配置される被写体像を含む第1フレームから順次に収集する画像収集部と、
前記画像収集部で収集される各フレームの画像データに基づいて、前記第1フレームに対応する視野からの変化分を検出する差分検出部とを備えた
ことを特徴とする画像処理装置。
(付記3)
付記2に記載の画像処理装置において、
前記差分検出部は、
前記各フレームの画像データを時系列に従って比較することにより、前記各フレームに対応する視野が移動した画素数を、当該フレームに先立つフレームに対応する視野を基準として求める移動量算出部と、
前記撮像部がパン操作される過程で撮像された画像データについて、前記移動量算出部で前記フレームごとの視野の移動について求められた画素数を累積加算する移動量積算部とを備えた
ことを特徴とする画像処理装置。
(付記4)
付記2または付記3に記載の画像処理装置において、
前記画像合成部は、
前記第1方向とは逆の第2方向に連続的に視野が変化する複数フレームの画像データから、前記複数フレームそれぞれに対応する部分視野に相当する画像データを抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部で抽出された画像データを、前記第2フレームに対応する画像データから順次に前記第2方向に沿って結合する画像結合部とを備えた
ことを特徴とする画像処理装置。
(付記5)
付記4に記載の画像処理装置において、
前記画像合成部は、
前記画像結合部によって結合される各フレームの画像データに対応する部分視野の前記第2方向の長さを累積加算した結果が前記撮影視野の前記第2方向の長さに到達したときに、画像合成処理を終了させる
ことを特徴とする画像処理装置。
(付記6)
付記2乃至付記5のいずれか一に記載の画像処理装置において、
前記情報収集部は、
前記差分検出部によって前記各フレームの画像データについて検出された視野の変化分に基づいて、前記第2フレームを特定する
ことを特徴とする画像処理装置。
(付記7)
パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集する情報収集部と、
前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に含まれる被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって前記複数の部分視野について取得された画像データを、前記情報収集部で収集された情報に基づいて合成する画像合成部と
を備えたことを特徴とする撮像装置。
(付記8)
付記7に記載の撮像装置において、
前記情報収集部は、
前記撮像部の第1方向へのパン操作に応じて、前記撮像部で得られるライブビュー画像のうち、前記撮影視野の中央に配置される被写体像を含む第1フレームから連続的に視野が変化する複数フレームの画像データを収集する画像収集部と、
前記画像収集部で収集される各フレームの画像データに基づいて、前記パン操作による前記撮像部の視野の変化分を、前記第1フレームに対応する視野を基準として検出する差分検出部とを備えた
ことを特徴とする撮像装置。
(付記9)
付記8に記載の撮像装置において、
前記差分検出部は、
前記各フレームの画像データを時系列に従って比較することにより、前記各フレームに対応する視野が移動した画素数を、当該フレームに先立つフレームに対応する視野を基準として求める移動量算出部と、
前記撮像部がパン操作される過程で撮像された画像データについて、前記移動量算出部で前記フレームごとの視野の移動について求められた画素数を累積加算する移動量積算部とを備えた
ことを特徴とする撮像装置。
(付記10)
付記8または付記9に記載の撮像装置において、
前記画像合成部は、
前記第1方向とは逆の第2方向に前記撮像部がパン操作される過程で撮像される複数フレームの画像データから、前記複数フレームそれぞれに対応する部分視野に相当する画像データを抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部で抽出された画像データを、前記撮影視野の一方の端を指定する第2フレームに対応する画像データから順次に前記第2方向に沿って結合する画像結合部とを備えた
ことを特徴とする撮像装置。
(付記11)
付記8乃至付記10のいずれか一に記載の撮像装置において、
前記情報収集部は、
前記差分検出部によって前記各フレームの画像データについて検出された視野の変化分に基づいて、前記画像収集部で収集される各フレームの画像データに対応する部分視野が前記撮影視野において占める位置を示す情報を利用者に提供する情報提供部とを備えた
ことを特徴とする撮像装置。
(付記12)
パノラマ撮影に先立って、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集し、
収集した情報に基づいて、前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に対応する画像データを収集し、
収集した複数の画像データを合成することにより、前記撮影視野に対応するパノラマ画像を生成する
ことを特徴とする画像処理方法。
【符号の説明】
【0128】
101 撮像光学系
102 撮像素子
103 A/D変換部
104 信号処理部
105 撮影制御部
106 表示制御部
107 表示部
108 記録制御部
109 記録媒体
110 メモリ
111 合成画像保持部
112 ライブビュー画像保持部
113 新規フレーム保持部
114 参照画像保持部
120 パノラマ撮影制御部
121 合成制御部
122 画像収集部
123 差分検出部
124 画像抽出部
125 画像結合部
126 マッチング処理部
127 移動量判定部
128 移動量積算部
129 短冊画像切り出し部
130 画像幅保持部
131 制御指示検出部
132 ガイド表示生成部
133 終了判定部
134 幅算出部
135 反転検出部
136 ガイドバー
137 中央マーク
138 現フレームマーク
139 切り出し幅補正部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集する情報収集部と、
前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に対応する画像データを、前記情報収集部で収集された情報に基づいて合成する画像合成部と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記情報収集部は、
任意の第1方向に連続的に視野が変化する複数フレームの画像データを、前記撮影視野の中央に配置される被写体像を含む第1フレームから順次に収集する画像収集部と、
前記画像収集部で収集される各フレームの画像データに基づいて、前記第1フレームに対応する視野からの変化分を検出する差分検出部とを備えた
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集する情報収集部と、
前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に含まれる被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって前記複数の部分視野について取得された画像データを、前記情報収集部で収集された情報に基づいて合成する画像合成部と
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記情報収集部は、
前記撮像部の第1方向へのパン操作に応じて、前記撮影視野の中央に配置される被写体像を含む第1フレームから連続的に視野が変化する複数フレームの画像データを収集する画像収集部と、
前記画像収集部で収集される各フレームの画像データに基づいて、前記パン操作による前記撮像部の視野の変化分を、前記第1フレームに対応する視野を基準として検出する差分検出部とを備えた
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
パノラマ撮影に先立って、パノラマ撮影の対象となる撮影視野の中央から一方の端までを確定するための情報を収集し、
収集した情報に基づいて、前記撮影視野に含まれる複数の部分視野に対応する画像データを収集し、
収集した複数の画像データを合成することにより、前記撮影視野に対応するパノラマ画像を生成する
ことを特徴とする画像処理方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−108778(P2012−108778A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257908(P2010−257908)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】