説明

画像処理装置および画像処理プログラム

【課題】各端末に応じて画質調整を行うことができるようにする。
【解決手段】クライアント情報取得手段12は、クライアント端末の固有情報を予め取得する。クライアント識別手段13は、アプリケーションの起動要求に含まれるクライアント端末の識別情報から、クライアント端末を識別する。起動プログラム決定手段14は、識別されたクライアント端末に適したプログラム群を決定する。調整プログラム決定手段17は、決定されたプログラム群に基づいて、調整プログラム記憶手段18に記憶されている画質調整プログラムの中から、クライアント端末に適した画質調整プログラムを決定する。画質調整手段19は、決定された画質調整プログラムを実行し、クライアント端末の固有情報の画質調整値を算出する。調整結果送信手段20は、算出された画質調整値を画質調整結果としてクライアント端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理プログラムに関し、特に、シンクライアント環境において、各端末に応じて画質調整を行うことができるようにした画像処理装置および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
シンクライアントシステムにおいて、クライアントサーバには、全てのデータと、このデータをクライアント端末からの要求に従って処理するためのアプリケーションとが記憶され、クライアント端末には、クライアントサーバにアプリケーションを実行させるとともに、その実行結果を閲覧するためのブラウザソフトウェアが記憶されている。
【0003】
このようなシンクライアントシステムは、医療分野においても利用されており、操作者は、どのクライアント端末からでも同じアプリケーションを使用することができる。
【0004】
しかしながら、病院、診療所、読影センタなどで使用される端末は、機種、CPU(Central Processing Unit)速度、およびモニタ解像度などがそれぞれ異なっており、どの端末でも同じ画質を得るためには、それぞれに適した調整が必要となる。
【0005】
また一方で、モダリティやアプリケーションの種別に応じて画質調整の目的が異なる。例えば、内視鏡のカラー画像では、色から生理情報(粘膜病変)を把握するため、赤みや黒みといった色を強調するような調整が行われるのに対し、X線のモノクロ画像では、コントラストを強調するような調整が行われる。
【0006】
そこで、特許文献1には、撮影機種や撮影条件に応じた画像処理を行う技術が提案されており、特許文献2には、画像の付帯情報から適切な表示方法を判断する技術が提案されており、特許文献3には、画像処理条件を画像の付帯情報として記憶させる技術が提案されている。
【特許文献1】特開2001−209785号公報
【特許文献2】特許第286239号公報
【特許文献3】特許第2614230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1乃至3の技術では、シンクライアントシステムに適用することが考慮されていないため、画像を表示させるクライアント端末を識別し、識別したクライアント端末に適した画質調整を行うことができない課題があった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、シンクライアント環境において、各端末に応じて画質調整を行うことができるようにした画像処理装置および画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明の特徴は、クライアント端末とネットワークを介して接続される画像処理装置において、クライアント端末の固有情報を取得するクライアント情報取得手段と、クライアント情報取得手段により取得された固有情報、および、クライアント端末からのアプリケーション起動要求に含まれるアプリケーション種別から、クライアント端末に応じた画質調整を行う画質調整手段とを備える。
【0010】
請求項4記載の発明の特徴は、クライアント端末とネットワークを介して接続される画像処理装置が備えるコンピュータに、クライアント端末の固有情報を取得するクライアント情報取得ステップと、クライアント情報取得ステップにより取得された固有情報、および、クライアント端末からのアプリケーション起動要求に含まれるアプリケーション種別から、クライアント端末に応じた画質調整を行う画質調整ステップとを実行させることである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シンクライアント環境において、各端末に応じて画質調整を行うことができるようにした画像処理装置および画像処理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明を適用したシンクライアントシステムの構成例を示す図である。
【0014】
図1に示すシンクライアントシステムは、クライアントサーバ1とクライアント端末2−1乃至2−3がネットワーク3を介して接続されることによって構成される。
【0015】
クライアントサーバ1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびHDD(Hard Disc Drive)などを実装したコンピュータシステムで構成される。クライアントサーバ1は、クライアント端末2−1乃至2−3からネットワーク3を介して取得した画像データを画像データ記憶手段1aに記憶させるとともに、その画像データの画像付帯情報を画像付帯情報記憶手段1bに記憶させ、一括管理する。
【0016】
画像データ記憶手段1aには、画像ピクセルデータが記憶され、画像付帯情報記憶手段1bには、画像表示パラメータ、および、画像データに付帯する画像付帯情報などが記憶される。これら画像データ記憶手段1aと画像付帯情報記憶手段1bは、別の構成要件として図示しているが、1つの記憶手段として構成するようにしてもよい。
【0017】
またクライアントサーバ1は、さまざまなアプリケーションを一括管理し、クライアント端末2−1乃至2−3からのアプリケーション起動要求に応じて、アプリケーションを実行する。
【0018】
例えば、クライアントサーバ1は、クライアント端末2−1乃至2−3からアプリケーションの起動要求を受けた場合、クライアント端末2−1乃至2−3を識別し、起動するプログラム群を決定する。このプログラム群には、オペレーティングシステムやミドルウェアなど、目的のアプリケーションを実行するために必要となるプログラムが含まれる。
【0019】
クライアントサーバ1は、決定したアプリケーションを実行するにあたって、アプリケーションや各クライアント端末に適した画質調整を行い、画質調整結果をクライアント端末2−1乃至2−3に送信する。
【0020】
またクライアントサーバ1は、クライアント端末2−1乃至2−3から画質の再調整値を取得した場合、取得した再調整値に基づいて画質の再調整を行い、再調整結果をクライアント端末2−1乃至2−3に送信する。
【0021】
クライアント端末2−1乃至2−3は、病院などの医療施設に設置される装置であり、X線装置、CT(Computed Tomography)装置、超音波画像診断装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、またはPACS(Picture Archiving Communication System)などで構成される。
【0022】
クライアント端末2−1乃至2−3は、操作者による指示に応じて、クライアントサーバ1で管理されているアプリケーションを実行するように要求する。クライアント端末2−1乃至2−3は、クライアントサーバ1で処理された画質調整結果を取得し、取得した画質で画像を表示する。またクライアント端末2−1乃至2−3は、操作者により表示画像の画質が再調整されると、その調整値を、ネットワーク3を介してクライアントサーバ1に送信する。
【0023】
ネットワーク3は、公衆回線網、ローカルエリアネットワーク、またはインターネットなどのネットワーク、デジタル衛星放送といった、有線または無線のいずれのものでもよい。
【0024】
以下において、クライアント端末2−1乃至2−3を個々に区別する必要が無い場合、単にクライアント端末2と称する。また、クライアント端末2の数は任意であり、図1に示されるように3つに限られるものではない。
【0025】
図2は、クライアントサーバ1の機能構成例を示すブロック図である。
【0026】
アプリケーション起動要求取得手段11は、クライアント端末2からネットワーク3を介して送信されてきた、アプリケーションの起動要求を取得する。このアプリケーションの起動要求には、クライアント端末2の識別情報、および、起動が要求されたアプリケーションの種別を表す情報が含まれる。アプリケーション起動要求取得手段11は、取得したアプリケーション起動要求をクライアント識別手段13に供給する。
【0027】
クライアント情報取得手段12は、ネットワーク3を介して、クライアント端末2の固有情報を予め取得する。固有情報には、例えば、クライアント端末2のモニタ情報である、輝度、コントラスト、色温度、色の濃さ、色合い、ガンマ、ゲインなどの画質パラメータが含まれている。クライアント情報取得手段12は、取得したクライアント端末2の固有情報をクライアント識別手段13および画質調整手段19に供給する。
【0028】
クライアント識別手段13は、予め操作者によって登録された、クライアント端末2の識別情報を保持する。またクライアント識別手段13は、クライアント情報取得手段12から供給されたクライアント端末2の固有情報を保持する。すなわち、クライアント識別手段13は、どのクライアント端末2からも均一な画質が得られるように調整することを目的として、クライアント間の固有情報を対応付ける機能を有する。
【0029】
例えば、図1に示すようにクライアント端末2−1乃至2−3の3台が存在し、クライアント端末2−1が読影センタ、クライアント端末2−2が病院、クライアント端末2−3が診療所であるものとする。クライアント端末2−1において、クライアント端末2−2で撮影された画像データを取得して表示させる場合には、クライアント端末2−2の設定に対応する画質に調整する。また、クライアント端末2−1において、クライアント端末2−3で撮影された画像データを取得して表示させる場合には、クライアント端末2−3の設定に対応する画質に調整する。
【0030】
クライアント識別手段13は、アプリケーション起動要求取得手段11から供給されたアプリケーション起動要求に含まれるクライアント端末2の識別情報に基づいて、起動が要求されているアプリケーションの起動許可または起動不可を判断する。詳細には、クライアント識別手段13は、起動が要求されたクライアント端末2の識別情報が操作者によって予め登録されている場合にはアプリケーションの起動を許可し、クライアント端末2の識別情報がまだ登録されていない場合にはアプリケーションの起動を許可しない。
【0031】
クライアント識別手段13は、アプリケーションの起動を許可すると判断した場合、アプリケーション起動要求を起動プログラム決定手段14に供給する。
【0032】
起動プログラム決定手段14は、仮想OS(オペレーティングシステム)決定手段14a、ミドルウェア決定手段14b、およびアプリケーション決定手段14cを備えており、クライアント識別手段13から供給されたアプリケーション起動要求に基づいて、クライアント端末2に適したプログラム群を決定する。すなわち、仮想OS決定手段14aは、クライアント端末2に適した仮想OSを決定し、ミドルウェア決定手段14bは、仮想OS決定手段14aで決定された仮想OS上で動作するミドルウェアを決定し、アプリケーション決定手段14cは、クライアント端末2から起動が要求されたアプリケーションを決定する。
【0033】
起動プログラム決定手段14は、アプリケーション決定手段14cで決定されたアプリケーションを起動し、そのトリガを画像データ取得手段15に供給するとともに、仮想OS決定手段14aで決定された仮想OSの種別を表す情報、ミドルウェア決定手段14bで決定されたミドルウェアの種別を表す情報、およびアプリケーション決定手段14cで決定されたアプリケーションの種別を表す情報を調整プログラム決定手段17に供給する。
【0034】
本実施の形態において、アプリケーション決定手段14cで決定されるアプリケーションとは、画像表示を伴うものであり、その画像表示を伴うアプリケーションに該当する画質調整プログラムを実行するために、アプリケーションの種別などを調整プログラム決定手段17に供給する。
【0035】
通常、クライアント端末2に対してOSやミドルウェアは固定であるが、OSやミドルウェアの組み合わせを複数保持しておき、クライアント端末2を操作する操作者に、その組み合わせを選択させるようにしてもよい。
【0036】
画像データ取得手段15は、起動プログラム決定手段14でアプリケーションが起動された後に、クライアント端末2で操作者が指定した画像データを、画像データ記憶手段1aから取得する。画像データ取得手段15は、取得した画像データを画像付帯情報取得手段16に供給する。
【0037】
画像付帯情報取得手段16は、画像データ取得手段15から供給された画像データに基づいて、該当する画像付帯情報を画像付帯情報記憶手段1bから取得する。画像付帯情報には、表示上必要となる付帯情報、画像の種別を表す情報、輝度変換情報、画像回転位置情報、関心領域(Region Of Interest)の情報などが含まれる。画像付帯情報取得手段16は、画像データ取得手段15から供給された画像データとともに、画像付帯情報記憶手段1bから取得した画像付帯情報を調整プログラム決定手段17に供給する。
【0038】
調整プログラム決定手段17は、アプリケーション決定手段14cから供給されたアプリケーションの種別を表す情報、または、画像付帯情報取得手段16から供給された画像付帯情報に含まれる画像の種別を表す情報に基づいて、調整プログラム記憶手段18に記憶されている画質調整プログラムの中から、クライアント端末2に適した画質調整プログラムを決定する。調整プログラム決定手段17は、決定した画質調整プログラムを、画像付帯情報取得手段16から供給された画像データとともに画質調整手段19に供給する。
【0039】
調整プログラム記憶手段18には、アプリケーションの種別または画像の種別に応じて画質調整プログラムが対応付けられ、それが対応テーブルとして記憶されている。この対応テーブルは、予め操作者によって対応付けられたものが記憶されるが、新規アプリケーションが作成された場合には、操作者が調整プログラムを追加することも可能である。また操作者は、調整プログラムが使用する調整ロジックおよびパラメータを更新することも可能である。
【0040】
さらに、調整プログラム記憶手段18には、画質調整プログラムが使用するキャリブレーション用のテストデータも記憶するようにしてもよい。このテストデータを記憶させておくことにより、画質調整プログラムのキャリブレーションをスムーズに行うことができる。
【0041】
画質調整手段19は、調整プログラム決定手段17から画質調整プログラムが供給されると、その画質調整プログラムを実行し、クライアント情報取得手段12から供給されたクライアント端末2の固有情報の画質調整値を算出する。画質調整方法としては、輝度補正、階調処理、周波数処理、ヒストグラム解析、およびウィンドウレベル処理などが行われる。
【0042】
例えば、内視鏡画像のアプリケーションをクライアント端末2−1から起動した場合には、アプリケーション種別から内視鏡画像に適した輝度補正および階調処理が行われ、クライアント情報取得手段12から供給された固有情報に含まれるクライアント端末2−1のモニタ特性が微調整される。
【0043】
画質調整手段19は、画質調整された画質パラメータを画質調整結果として、調整結果送信手段20を介してクライアント端末2に送信する。この画質調整結果を受信したクライアント端末2は、画質調整結果を表示部(不図示)に表示させることができる。操作者は、表示されている画質調整結果を確認し、入力部(不図示)を用いて再調整することができる。
【0044】
再調整値取得手段21は、ネットワーク3を介してクライアント端末2から送信されてきた、操作者による画質の再調整値を取得する。再調整値取得手段21は、取得した画質の再調整値を調整プログラム更新手段22に供給する。
【0045】
調整プログラム更新手段22は、再調整値取得手段21から供給された画質の再調整値に基づいて、調整プログラム記憶手段18に記憶されている画質調整プログラムを更新する。
【0046】
調整プログラム更新手段22によって更新された画質調整プログラムは、再調整が行われたクライアント端末2の固有のものとされ、クライアント端末2の識別情報と対応付けて調整プログラム記憶手段18に記憶される。このように、クライアント端末毎に画質調整パラメータを管理することにより、各クライアント端末2に適した画質調整値で画像を表示することが可能となる。
【0047】
次に、図3のフローチャートを参照して、シンクライアントシステムにおける画質調整処理について説明する。なお、クライアント端末2は、クライアントサーバ1によってアプリケーションの起動が許可されているものとする。
【0048】
ステップS1において、クライアントサーバ1のクライアント情報取得手段12は、クライアント端末2の固有情報を予め取得する。
【0049】
クライアント端末2は、操作者により図示せぬ入力部が操作されてアプリケーションの起動が指示されると、ステップS11において、クライアントサーバ1に対して、アプリケーションの起動を要求する。
【0050】
ステップS2において、クライアント識別手段13は、アプリケーションの起動要求に含まれるクライアント端末2の識別情報から、クライアント端末2を識別する。
【0051】
ステップS3において、起動プログラム決定手段14は、ステップS2の処理で識別されたクライアント端末2に適したプログラム群を決定する。ステップS4において、調整プログラム決定手段17は、ステップS3の処理で決定されたプログラム群に基づいて、調整プログラム記憶手段18に記憶されている画質調整プログラムの中から、クライアント端末2に適した画質調整プログラムを決定する。
【0052】
ステップS5において、画質調整手段19は、ステップS4の処理で決定された画質調整プログラムを実行し、ステップS1の処理で取得されたクライアント端末2の固有情報の画質調整値を算出する。
【0053】
ステップS6において、調整結果送信手段20は、ステップS5の処理で算出された画質調整値を画質調整結果としてクライアント端末2に送信する。
【0054】
ステップS12において、クライアント端末2は、クライアント端末2から受信した画質調整結果を図示せぬ表示部に表示させる。これにより、例えば、図4に示すようなモニタ画質調整確認画面W1が表示される。
【0055】
図4に示すモニタ画質調整確認画面W1には、画質調整が実施された旨を表すメッセージと、手動調整を行う場合に操作される「手動調整」のボタンB1、メッセージを確認し後に操作される「OK」のボタンB2、画質調整を無効にする場合に選択される「デフォルトに戻す」のボタンB3が配置されている。操作者は、このモニタ画質調整確認画面W1を確認し、手動調整を行いたい場合、画質調整の種類である、「階調」、「バランス、色相」、「鮮やかさ」のいずれかを選択して「手動調整」のボタンB1を押下することにより、例えば、図5に示すような調整画面W2を表示させることができる。
【0056】
図5に示す調整画面W2は、画質調整の種類として「階調」が選択され、「手動調整」のボタンB1が押下された場合の表示例である。調整画面W2には、明るさ、コントラスト、およびガンマ値を調整することが可能になされており、手動調整を確定する場合に操作される「OK」のボタンB11、手動調整をキャンセルする場合に操作される「キャンセル」のボタンB12が配置されている。操作者は、この調整画面W2により、明るさ、コントラスト、およびガンマ値などを容易に調整することができる。
【0057】
ステップS13において、クライアント端末2は、操作者によって手動調整が選択されたか否か、すなわち、図4に示すモニタ画質調整確認画面W1で画質調整の種類が選択されて「手動調整」のボタンB1が押下されたか否かを判定し、手動調整が選択されたと判定した場合、ステップS14に進む。
【0058】
ステップS14において、クライアント端末2は、図5に示した調整画面W2を表示部に表示させる。ステップS15において、クライアント端末2は、手動調整が行われたか否か、すなわち、図5に示す調整画面W2で手動調整が行われて「OK」のボタンB11が押下されたか否かを判定し、手動調整が行われるまで待機する。そして、クライアント端末2は、手動調整が行われたと判定した場合、ステップS16に進み、操作者により入力された再調整値をクライアントサーバ1に送信する。
【0059】
一方、ステップS13において、クライアント端末2は、手動調整が選択されていない、すなわち、図4に示すモニタ画質調整確認画面W1で「OK」のボタンB2が押下されたと判定した場合、ステップS17に進む。
【0060】
ステップS17において、クライアント端末2は、画質調整されたアプリケーション実行画面を表示する。
【0061】
ステップS7において、クライアントサーバ1の再調整値取得手段21は、クライアント端末2から再調整値を受信したか否かを判定し、再調整値を受信したと判定した場合、ステップS5に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。これにより、画質調整手段19によって画質の再調整が行われる。
【0062】
ステップS17において、クライアントサーバ1の再調整値取得手段21は、クライアント端末2から再調整値を受信していないと判定した場合、処理は終了される。
【0063】
以上のように、シンクライアントシステムにおいて、クライアントサーバ1は、クライアント端末2に適した画質調整を行うことができる。またクライアント端末間の対応情報を持つことにより、どのクライアント端末からも均一な画質を得ることが可能となる。
【0064】
さらに、画質調整されたクライアント端末2で画質の再調整が行われた場合、再調整された結果は、そのクライアント端末2の固有の調整値と判断し、クライアント識別情報と対応付けて調整プログラム記憶手段18に記憶させるようにすることも可能である。これにより、該当するクライアント端末2で画像表示アプリケーションが実行された場合には、調整プログラム記憶手段18に記憶されている、クライアント識別情報に対応付けられた画質調整値を反映させることができる。
【0065】
なおこの発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したり、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせたりすることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】シンクライアントシステムの構成例を示す図である。
【図2】クライアントサーバの機能構成例を示すブロック図である。
【図3】画質調整処理を説明するフローチャートである。
【図4】モニタ画質調整確認画面の例を示す図である。
【図5】調整画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 クライアントサーバ
2−1乃至2−3 クライアント端末
11 アプリケーション起動要求取得手段
12 クライアント情報取得手段
13 クライアント識別手段
17 調整プログラム決定手段
18 調整プログラム記憶手段
19 画質調整手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末とネットワークを介して接続される画像処理装置において、
前記クライアント端末の固有情報を取得するクライアント情報取得手段と、
前記クライアント情報取得手段により取得された前記固有情報、および、前記クライアント端末からのアプリケーション起動要求に含まれるアプリケーション種別から、前記クライアント端末に応じた画質調整を行う画質調整手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記アプリケーション種別に応じた画質調整プログラムを記憶する調整プログラム記憶手段と、
前記アプリケーション起動要求に含まれるアプリケーション種別に基づいて、前記調整プログラム記憶手段に記憶されている前記画質調整プログラムの中から所定の画質調整プログラムを決定する調整プログラム決定手段と
をさらに備え、
前記画質調整手段は、前記調整プログラム決定手段により決定された前記画質調整プログラムを実行して、前記固有情報の調整値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画質調整手段は、前記クライアント端末から送信されてきた調整値に基づいて、画質の再調整を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
クライアント端末とネットワークを介して接続される画像処理装置が備えるコンピュータに、
前記クライアント端末の固有情報を取得するクライアント情報取得ステップと、
前記クライアント情報取得ステップにより取得された前記固有情報、および、前記クライアント端末からのアプリケーション起動要求に含まれるアプリケーション種別から、前記クライアント端末に応じた画質調整を行う画質調整ステップと
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−113455(P2010−113455A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284265(P2008−284265)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】