説明

画像動き検知装置、画像動き検知方法、プログラム及び記録媒体

【課題】 適正な感度調整を行う上で有用なしきい値の設定範囲を動画像に動きがある期間及び動きがない期間から求めるにあたって、利用者の操作によりそれらの期間を指定可能とする。
【解決手段】 利用者が動きありボタン3−4及び動きなしボタン3−5を操作することによって、表示される動画像に動きがある期間(第1の期間)と動きがない期間(第2の期間)とを指定する。すると、所定の基準画像に対する第1の期間における動画像の変化量と、当該所定の基準画像に対する第2の期間における動画像の変化量とに基づいて、しきい値の上限値及び下限値が決定され、決定されたしきい値の上限値から下限値までの範囲内において、利用者は任意のしきい値を決定することができる。このように決定されたしきい値と当該所定の基準画像に対する動画像の変化量とに基づいて動画像の動きが検知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、動画像の動きを検知するための画像動き検知装置、画像動き検知方法、プログラム及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
監視システムにおいて、画像処理により監視画像の変化を自動的に求め、変化があったときに通知をしたり画像を保存蓄積したりする機能が実用化されている。ここで動き検知感度を設定するために、動き検知処理の途中経過である画像の変化量を表示し、対話的に感度を調整する機能が実装されているものがある。
【0003】
例えば、画像の変化量を表示するインジケータを見ながら検知パラメータを調節できるものが知られている。また、特許文献1及び2には、ビデオ編集システムにおいてシーンの変化を画像処理によって求め、シーンの変化時刻と変化時の画像を編集画面上に視覚的に表示する機能を有するものが開示されている。
【0004】
一方、背景差分やフレーム間差分により画像の動き検知を行う方法において、動きのある画像と動きのない画像とを入力して、誤検知および検出漏れをなくすような最適な感度を設定する方法が特許文献3に開示されている。
【特許文献1】特開平11−032301号公報
【特許文献2】特開平9−65287号公報
【特許文献3】特開平9−200768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の動画像の動き検知機能では検知感度の設定が可能であるが、実際に設定できる値の範囲は広いことが多く、試行錯誤を繰り返して調整する必要がある。また、ビデオ編集システムにおいてカット検出によるシーン開始画像や代表画像表示機能があるが、検出強度の調整機能はないことが一般的である。一方、特許文献3に開示された発明は、動きのある画像とない画像から適正な感度の範囲を提示し、使用者が感度設定をする際の負担を軽減するものであるが、特許文献3には使用者が入力を行うための具体的なインタフェースが開示されていない。
【0006】
従って、本発明の目的は、適正な感度調整を行う上で有用なしきい値の設定範囲を動画像に動きがある期間及び動きがない期間から求めるにあたって、利用者の操作によりそれらの期間を指定可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の画像動き検知装置は、動画像を表示する画像表示手段と、利用者の操作に応じて、前記画像表示手段に表示される動画像に動きがある第1の期間と動きがない第2の期間とを指定する期間指定手段と、所定の基準画像に対する前記第1の期間における動画像の変化量と、前記所定の基準画像に対する前記第2の期間における動画像の変化量とに基づいて、しきい値の上限値及び下限値を決定する上下限値決定手段と、前記上下限値決定手段により決定されたしきい値の前記上限値から前記下限値までの範囲内において、利用者の操作に応じた任意のしきい値を決定するしきい値決定手段と、前記しきい値決定手段により決定された前記しきい値と前記所定の基準画像に対する動画像の変化量とに基づいて、動画像の動きを検知する動き検知手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明の画像動き検知方法は、動画像の動きを検知する画像動き検知装置による画像動き検知方法であって、動画像を表示する画像表示ステップと、利用者の操作に応じて、表示される動画像に動きがある第1の期間と動きがない第2の期間とを指定する期間指定ステップと、所定の基準画像に対する前記第1の期間における動画像の変化量と、前記所定の基準画像に対する前記第2の期間における動画像の変化量とに基づいて、しきい値の上限値及び下限値を決定する上下限値決定ステップと、決定されたしきい値の前記上限値から前記下限値までの範囲内において、利用者の操作に応じた任意のしきい値を決定するしきい値決定ステップと、決定された前記しきい値と前記所定の基準画像に対する動画像の変化量とに基づいて、動画像の動きを検知する動き検知ステップとを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の画像動き検知装置は、動画像を表示する画像表示手段と、感度の自動設定開始を指示する自動設定開始指示手段と、自動設定開始指示後に画像中に動きがないことを想定して、所定の基準画像に対する動画像の変化量を複数フレームわたって撮影し、求めた変化量から動き検知のためのしきい値を決定するしきい値決定手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の画像動き検知方法は、動画像を表示する画像表示ステップと、感度の自動設定開始を指示する自動設定開始指示ステップと、自動設定開始指示後に画像中に動きがないことを想定して、所定の基準画像に対する動画像の変化量を複数フレームわたって撮影し、求めた変化量から動き検知のためのしきい値を決定するしきい値決定ステップとを有することを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、前記画像動き検知方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用者の操作に応じて動画像に動きがある第1の期間及び動きがない第2の期間を指定し、所定の基準画像に対する第1の期間における動画像の変化量と、当該所定の基準画像に対する第2の期間における動画像の変化量とに基づいてしきい値の上限値及び下限値を決定するように構成したので、適正な感度調整を行う上で有用なしきい値の設定範囲を動画像に動きがある期間及び動きがない期間から求めるにあたって、利用者の操作によりそれらの期間を指定することが可能となる。
【0013】
また、感度の自動設定開始を指示し、自動設定開始指示後に画像中に動きがないことを想定して、所定の基準画像に対する動画像の変化量を複数フレームわたって撮影し、求めた変化量から動き検知のためのしきい値を決定するように構成したので、適正な感度調整を行う上で有用なしきい値を、利用者の簡単な操作のみで自動設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態では、画像間差分による動き検知処理の感度設定において、ライブ画像に対して動きがある時間と動きがない時間とを指定することにより、適正な感度範囲を自動的に計算して表示する動き検知設定の例を述べる。
【0017】
本実施形態におけるハードウェアは、カメラと接続可能なコンピュータから構成される。ここで、カメラの映像出力は、NTSC(National Television System Committee)やPAL(Phase Alternation by Line color television)の他に、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394接続による独自形式などあるが、本発明は映像出力形式には依存しない。また、コンピュータはCPU、RAM、ROM、二次記憶、モニタ、キーボード、マウス、外部入出力インタフェースを備え、カメラからの映像を入力可能な機能があればよく、市販のパーソナルコンピュータや専用のセットトップボックス、携帯情報端末、携帯電話端末などその形状は問わない。
【0018】
また、以下の説明ではカメラとコンピュータが直接接続し、コンピュータ上で設定を行う方式を説明するが、設定を別のコンピュータからネットワーク経由で行うことも可能である。また、カメラにネットワーク接続機能があり、ネットワーク経由でカメラの映像をコンピュータ取得して動き検知処理を行うことも可能である。
【0019】
次に、本実施形態におけるソフトウェアは、コンピュータ上でカメラから画像を取得し動き検知処理を行う画像処理プロセスと、画像や動き検知処理結果を表示し、設定を行うGUIプロセスから構成される。GUIプロセスをメインプロセス、画像処理プロセスをサブプロセスとする。ここでプロセスとはプログラムの実行単位であり、複数のプログラムであってもよいし、スレッドと呼ばれる単一プログラム中の実行単位であってもよい。
【0020】
次に図1を用いて差分による動き検知処理の概要を説明する。撮像部1−1は映像を入力するカメラである。カメラから取得された画像は基準画像生成部1−2において、基準画像生成に用いられる。基準画像は差分アルゴリズムによって異なる。典型的な差分処理としてはフレーム間差分や背景差分があり、フレーム間差分における基準画像は1または複数フレーム前の画像である。また背景差分であれば、例えば過去の動きのない時間帯における複数フレームの平均画像やメディアン画像が用いられる。
【0021】
次に差分処理部1−3において、入力画像と基準画像の差分処理が行われ変化量が算出される。典型的な差分処理は入力画像と基準画像との差の絶対値和を変化量とする。ここでは例えば各画素のRGB成分やYCbCr成分、あるいは、JPEGの各符号ブロックの符号量やDCT係数などが,差分演算に使用される。
【0022】
次に判別処理部1−4において、求められた差分量が「動き検知あり」の状態に相当するかどうかを判別する。ここでよく用いられるのは、差分量があるしきい値を超えた場合は動きありとみなし、しきい値以下であれば動きなしとする方法である。しきい値は設定部1−5で使用者によって設定、変更が可能である。ここでしきい値は設定部1−5では「感度」に変換されて表示し、指定することが多い。しきい値が大きいほど感度が低く、しきい値が小さいほど感度が高くなる。例えば、感度Sとしきい値Thの関係は以下のように表される。
【0023】
S=a(Thmax−Th)+b
ここでThmaxはしきい値の最大値、a、bは定数である。
【0024】
以上は典型的な差分による動き検知方式の例であるが、本実施形態は変化量としきい値から差分処理を行う方法を対象にするものなので、変化量を求める差分演算の種類に依存するものではない。
【0025】
次に図2を用いて、変化量と動画像の動きのあり・なしの指定から適正なしきい値の範囲を求めるアルゴリズムについて説明する。
【0026】
図2(a)は変化量の時間変移を示したグラフであり、横軸は時刻、縦軸は変化量である。ここで動きのない時間T1〜T2、T5〜T6、および、動きのある時間T3〜T4を指定したとする。変化量は動きが明瞭であれば、動きのあるときとないときで明らかな差があるため、動きのない時間における変化量の最大値から適正なしきい値の下限Th1が、動きのある時間における変化量の最小値から適正なしきい値の上限Th2を決定することができる。その結果、使用者はしきい値の下限Th1から上限Th2の間で適正なしきい値Thを設定すればよい。
【0027】
適正なしきい値の下限Th1と上限Th2の設定方法としては別の方法もある。図2(b)はしきい値を変更した場合の誤検知率と未検知率を表したものである。誤検知とは動きがないにもかかわらず誤って動きありと判別されることである。誤検知率曲線2−1は図2(a)における動き検知なし時間の変化量の分布から生成され、しきい値を大きくするほど低くなる。同様に未検知とは動きがあるにもかかわらず動きなしと判別されることである。未検知率曲線2−2は図2(a)における動き検知あり時間の変化量の分布から生成され、しきい値を小さくするほど低くなる。
【0028】
よって誤検知率と未検知率の和が検知全体の精度となり、図2(b)の検知率曲線2−3で示される。その結果、一定の判別精度Eを保つためのしきい値の範囲はTh1からTh2となる。この手法によれば、動きなしと指定したときの変化量分布と動きありと指定したときの変化量分布が重複していても判別が可能である。
【0029】
次に図3を用いて動き検知感度設定のGUIを説明する。図3(a)は感度設定を行うダイアログウィンドウの一例を示した図である。ダイアログはプリセット選択部3−1、画像表示部3−2、検知対象領域設定枠3−3、動きありボタン3−4、動きなしボタン3−5、変化量・判別結果表示部3−6、感度調節部3−7、決定ボタン3−8、キャンセルボタン3−9から構成される。
【0030】
プリセット設定部3−1は制御可能なカメラのパン、チルト、ズームを指定したプリセットを選択するものである。当然のことながら固定カメラの場合は不要である。動き検知対象領域3−3は画像中で差分処理の対象となる領域を指定する枠であり、その位置やサイズはマウスカーソルのドラッグ操作により変更可能である。
【0031】
動きありボタン3−4、および、動きなしボタン3−5は動きありおよびなしの開始時刻と終了時刻を指定する。両ボタンは一度押すと押下状態になり、再び押すと通常状態となる。押下時に開始時刻を指定し、押上時に終了時刻を指定する。指定後、動きのありおよびなし時間のデータはRAMや二次記憶に保存される。そして、動きありボタンを押し上げて動きありの終了を指定したときに適正なしきい値の上限が算出され、動きなしボタンを押し上げて動きなしの終了を指定したときには適正なしきい値の下限が設定される。
【0032】
変化量・判別結果表示部3−6は変化量をグラフで表示するとともに、動き有無の判別結果を色で表示する。感度調整部3−7はしきい値を感度に変換して表示し、スライダーのつまみをドラッグすることで感度を設定できる。スライダーでは図3(b)に示すように、最小適正感度S1から最大適正感度S2までの値が強調表示される。既に述べたように適正感度の最小値S1は適正しきい値の最大値Th2から求められ、適正感度の最大値S2は適正しきい値の最小値Th2から求められる。
【0033】
次に図4および図5を用いて、動き検知設定プログラムの動作手順を説明する。図4はGUIを含むメインプロセスの動作手順であり、図5は動き検知処理を行うサブプロセスの動作手順である。
【0034】
図4のメインプロセスにおいて、開始後、ステップS401で初期化処理を行い、ステップS402でサブプロセスを起動する。初期化を終了すると図3に示すようなダイアログを表示する。次にステップS403においてイベント待ちを行う。以下では本発明に係わる主要なイベントのみを説明する。
【0035】
イベントが発生すると、ステップS404においてプリセット入力処理かどうか判別する。このイベントはプリセット選択部3−1を変更すると発生する。もしそうであればY分岐し、ステップS405でプリセット設定を、ステップS406でカメラ制御を行い、ステップS403に戻って次のイベントを待つ。
【0036】
ステップS404でプリセット入力イベントでない場合にはN分岐し、ステップS407で領域変更イベントかどうか判別する。このイベントは動き検知対象領域枠3−3を変更した場合に発生する。もしそうである場合にはY分岐し、ステップS408に進んで領域変更処理を行い、ステップS403に戻って次のイベントを待つ。
【0037】
ステップS407において領域変更イベントでない場合にはN分岐し、ステップS409で動きありボタン押下イベントかどうか判別する。もしそうであればY分岐し、ステップS410で動きあり開始時刻を記録し、ステップS403に戻る。ステップS409において押下イベントでない場合にはN分岐し、ステップS411で動きありボタン押上イベントかどうか判別する。もしそうであればY分岐し、ステップS412に進んで動きあり終了時刻を記録する。次にステップS413で適正しきい値の上限値を計算し、ステップS414で感度設定表示を更新し、ステップS403に戻って次のイベント待ちを行う。
【0038】
ステップS411で動きありボタン押上イベントでない場合にはN分岐し、ステップS415に進んで動きなし押下イベントかどうか判別する。もしそうである場合にはY分岐し、ステップS416に進んで動きなし開始時刻を記録し、ステップS403に戻る。ステップS415において動きなし押下イベントでない場合にはN分岐し、ステップS417に進んで動きなし押上イベントかどうか判別する。もしそうである場合にはY分岐し、ステップS418に進んで動きなし終了時刻を記録し、ステップS419で適正しきい値の下限値を計算し、ステップS414以下の処理を行う。
【0039】
もし、ステップS417で動きなしボタン押上イベントでない場合にはステップS420に進んで検知設定更新要求かどうか判別する。このイベントは決定ボタン3−8を押下時に発生する。もしそうである場合にはY分岐してステップS421で動き検知設定値を更新する。もしそうでない場合はステップS403に戻って次のイベントを待つ。
【0040】
次に、図5を用いて画像処理を行うサブプロセスの動作原理を説明する。開始後、ステップS501で画像を1枚取得する。画像はカメラから入力したり、ネットワーク経由で取得したりする。次に、ステップS502で差分処理に必要な基準画像が存在するかどうか判別する。
【0041】
基準画像は前述したように過去の画像を少なくとも1つ使用する。このため、ステップS502において基準画像がない場合にはN分岐し、ステップS506に進んで基準画像の生成と更新を行う。ここで背景差分の場合は基準画像作成時には動きがない状態である必要があるが、設定を行うタイミングを調節することによって対応が可能である。また設定ダイアログに「設定開始」などのボタンを付けてタイミングを調節することもできるが、本発明に係わる部分ではないため説明を省略する。
【0042】
ステップS502において、もし基準画像がある場合にはY分岐し、ステップS503に進んで差分処理を行う。次にステップS504で動き判別処理、ステップS505で変化量表示更新処理を行い、ステップS506で基準画像を更新してステップS507で画面表示を更新する。画像表示の際には変化のあった領域を強調して表示することも可能である。最後にステップS508で終了指示が無ければN分岐してステップS501に戻って処理を繰り返す。
【0043】
プログラム処理にはこの他にもキャンセルボタン3−9押下時の処理があるが、キャンセルした場合には設定値は確定されずにダイアログは終了する。またオペレーションシステム固有のイベントに対する処理の説明は省略する。
【0044】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態によれば、画像の差分に基づく動き検知において、使用者が画像を見ながら動きありの開始・終了時刻と、動きなしの開始・終了時刻を指定することによって、適正なしきい値の範囲を求めるとともに、適正な感度値の上限と下限を表示し、使用者がより簡便にしきい値および感度設定を行うことができる。
【0045】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態として、蓄積映像に対して第1の実施形態と同様に動きありと動きなしの時間を入力し、適正なしきい値および感度設定を行う方法を説明する。蓄積映像に加えて変化量の時間変位グラフも同時に示すことで、動きありなし期間の設定をより分かりやすく行うこと目的とする。
【0046】
本実施形態のハードウェア構成とソフトウェア構成は第1の実施形態と同一であるので説明を省略する。本実施形態における感度設定のGUIの例を図6に示す。図6はダイアログウィンドウであり、画像表示部6−1、動き検知対象領域設定部6−2、蓄積映像選択部6−16、動きありボタン6−3、動きなしボタン6−4、変化量・動き判別結果表示部6−5、感度調整部6−6、代表画像表示部6−7、6−8、6−9、変化量変移グラフ6−10、動き時間表示バー6−12、時刻表示バー6−11、再生制御ボタン群6−13、決定ボタン6−14、キャンセルボタン6−15から構成される。なお、図6とは別に、ライブ画像画面で蓄積映像を録画するために新たにボタンを追加する必要があるが、説明を省略する。
【0047】
次に、操作方法を説明する。まず蓄積映像選択部6−16により任意の映像を選択する。すると画像表示部6−1は当該映像が表示され、再生を開始する。再生中は変化量表示部6−5に変化量が表示される。動き検知対象領域6−2はマウスのドラッグにより位置とサイズを変更して動き検知の対象となる領域を指定する。再生中に再度再生ボタンを押すと再生を停止する。
【0048】
動きありボタン6−3と動きなしボタン6−4は、第1の実施形態と同様に、再生中の適当なタイミングでボタンを操作することにより、動き有無の開始・終了時刻を指定する。ただし、本実施形態では動きありボタン6−3が押下されると変化量グラフ6−10において、動き時間表示バー6−12の表示を開始し、押上されるとバーの長さが決定する。バーの色や柄は動きありとなしが識別できるように異なっている。同時に時間表示バー6−11には開始・終了時刻を表示する。以上の処理は動き検知なしボタン6−4の押下・押上に対しても同様である。
【0049】
動き時間表示バー6−12が決定すると、バーの表示と対応して期間中の代表画像を6−7、6−8、6−9のように表示する。画像は動き検知ありの場合は変化量が最大である時刻の画像などが考えられるが、単に動きあり・なし開始時の画像でもよい。本実施形態では、動きなし期間及び動きあり期間の全てに対応する代表画像6−7、6−8、6−9を表示させているが、そのうちの何れか一を表示させるように構成してもよい。動き期間表示バー6−12は水平方向にドラッグすることで開始・終了時刻を変更できる。同じく、本実施形態では、動きなし期間及び動きあり期間の全てに対応する動き期間表示バー6−12を表示させているが、そのうちの何れか一を表示させるように構成してもよい。開始・終了時刻の変更があると、感度表示部6−6、代表画像表示部6−7〜9の表示も更新する。
【0050】
時刻制御スライダー6−11はつまみをドラッグすることで再生時刻を変更できる。また、再生制御ボタン群6−13は、再生、早送り、巻き戻しなどの操作が可能であるが、これらは一般の動画像再生ソフトと同じ動作である。
【0051】
動きありとなしの開始・終了時刻が決定すると適正なしきい値の下限と上限が決定し、感度設定スライダー6−6の強調表示部分に反映される。適正なしきい値の範囲を決定するアルゴリズムは第1の実施形態と全く同じである。変化量・判別結果表示部6−5、感度設定スライダー6−6、決定ボタン6−14、キャンセルボタン6−15の操作も第1の実施形態と同じ処理であるため説明を省略する。
【0052】
次に、図7、図8を用いて本実施形態における動き検知感度設定プログラムの動作手順を説明する。図7はメインプロセスの動作手順である。本実施形態のプロセス構成は第1の実施形態のプロセス構成と同一であり、動作も同一の点が多いため、以下では第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
【0053】
開始後、ステップS701で初期化し、ステップS702で画像処理プロセスを起動し、ステップS703でイベント待ちを行う。イベントが発生するとステップS704で再生制御イベントかどうか判別する。これは再生、早送り、巻き戻しボタン6−13、および、時刻指定バー6−11が操作された場合に発生する。もしそうであるならばY分岐し、ステップS705で再生制御処理を行う。なお、早送りと巻き戻しを行っている間は動き検知処理を行わない。
【0054】
ステップS704において、もし再生制御入力ではないのであればN分岐し、ステップS706に進んで検知領域変更入力かどうか判別する。もしそうであればY分岐し、ステップS707において検知領域変更処理として、変更された領域の場所とサイズを記録する。
【0055】
ステップS706で検知領域変更入力ではない場合はN分岐し、ステップS708で動きあり・なしボタン関連のイベントかどうか判別する。イベント処理(ステップS708)とイベント発生時の動作(ステップS709)に関しては、第1の実施形態の動作手順(ステップS409〜ステップS419)と同一であるため図示は省略する。ただし、前述したように開始、終了時刻が決定すると、時刻表示バー6−11、動き時間表示バー6−12、代表画像表示部6−7〜9の表示が更新される。また、適正なしきい値の範囲が変更し、感度設定スライダー6−6の表示も変更する。
【0056】
ステップS708で動きあり・なしボタンに関するイベントで無かった場合にはN分岐し、ステップS710において、動き時間表示バー変更イベントかどうか判別する。このイベントは動き期間表示バー6−12をマウスでドラッグすることにより位置およびサイズを変更した場合に発生する。もしそうであればY分岐し、ステップS711で動き時間表示バーの変更処理を行う。位置とサイズは開始時刻と終了時刻に変換される。開始時刻と終了時刻が変更すると、動き期間表示バー6−12、代表画像表示部6−7〜9の表示も連動して変更される。また、適正なしきい値の範囲が変更し、感度設定スライダー6−6の表示も変更する。
【0057】
ステップS710で動き期間表示バー6−12の変更イベントではない場合はN分岐し、ステップS712に進んで動き検知設定変更イベントかどうか判別する。このイベントは第1の実施形態における図4のステップS420と同じ処理であり、決定ボタン6−14を押下時に発生する。もしそうである場合にはY分岐してステップS713で動き検知設定値を更新する。
【0058】
次に、画像処理を行うサブプロセスの動作手順を図8に示す。第1の実施形態におけるサブプロセスと同一の処理を含むため、異なる点を中心に説明する。開始後、ステップS801において、停止状態かどうか判別する。もしそうであれば、Y分岐しステップS810に進んで終了指示イベントがあったかどうか判定し、もし終了指示イベントがあればY分岐して終了する。もしなければN分岐し、ステップS801に戻って処理を続ける。
【0059】
ステップS801において停止状態で無ければN分岐し、ステップS802で再生状態かどうか判定する。もしそうであればY分岐し、ステップS803において残フレームがあるかどうか判定する。もしそうであればY分岐しステップS804以下の画像差分処理を行う。ステップS804からステップS810の処理は第1の実施形態における図5のステップS502からステップS508と同一であるので説明を省略する。処理が終了するとステップS801に戻る。
【0060】
ステップS802において再生状態でない場合には早送り・巻き戻し状態であるのでN分岐し、ステップS812に進んで早送り・巻き戻し処理を行う。そしてステップS809で表示を更新しステップS810での終了判定処理に進む。またステップS803において、再生時に残りのフレームがなくなった場合、ステップS811に進んで停止状態に変更し、後はステップS809以下の処理を行う。
【0061】
本実施形態によれば、画像の差分に基づく動き検知において、使用者が蓄積映像の再生画像を見ながら動きのない時間と動きのある時間を入力することによって、適正なしきい値および感度の範囲を自動的に計算する。また、変化量の時間変位をグラフ表示し、動きありおよび動きなしの開始・終了時刻をグラフィカルに表示することによって、動きあり・なし時間の設定を簡便に行うことができる。
【0062】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態として、第1の実施形態において、動きあり時間における変化量の分布から画像上の動き検知対象領域を自動的に設定する方法を述べる。
【0063】
図9を用いて本実施形態における動き検知対象領域の自動設定の方法を説明する。図9は画像9−1上において、動きありとした時間中の変化量の和を部分領域ごとに表示したものである。ここでは大きな動きがあった領域ほど濃い色で示されている。これは時間方向のヒストグラムであり、ある一定値以上の和を持つ部分領域を抽出して、その外接矩形9−2を求めれば、それが動き検知対象領域である。
【0064】
本実施形態における動き検知設定のGUIは図10に示すように、第1の実施形態における設定GUI図(図3)に、動き検知領域を自動的に設定することを指示するためのチェックボックス10−8を追加すればよい。そして、動きありボタンを押上げたタイミングで上記アルゴリズムにより検知対象領域を決定する。
【0065】
本実施形態におけるプログラムの動作手順は、第1の実施形態と同一であり、メインプロセスの処理手順ステップS412の動きあり終了処理において、上記方法により検知対象領域を求める処理を追加すればよいため、説明を省略する。
【0066】
以上は第1の実施形態に追加した例であるが、第2の実施形態に対しても同様な方法によって、検知対象領域を自動的に設定するように機能を追加できることは言うまでもない。
【0067】
本実施形態によれば、画像の差分に基づく動き検知において、使用者が動きあり時間を指定し、動きあり時間中の変化量の統計から、動き検知対象領域を自動的に設定することができる。これにより動き検知対象領域の設定処理を簡便化できる。
【0068】
以上のように、本発明によれば、画像間の差分から得た変化量から画像の動きを検出する動き検知方法において、動きありの時間と動きなしの時間を使用者が指定することにより、適正なしきい値を計算し、適正な感度の範囲を使用者に提示するための動き検知設定を行うことができる。また、ライブ画像に加えて蓄積映像に対しても適正な感度範囲を提示することができる。さらに、動きあり時間を指定し、時間中の変化量の統計から自動的に動き検知対象領域を指定する動き検知設定方法が提供される。
【0069】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態として,画像中に動きのないときに自動感度設定開始を指示すると、数秒間の差分値の統計量から最適な感度を自動的に設定する方法を説明する。
【0070】
本実施形態のハードウェア構成およびソフトウェア構成は第1の実施形態と同一であるため説明を省略する。図11は本実施形態における感度設定画面の例である.第1の実施形態と異なる点は、動きありボタン3−4、および、動きなしボタン3−5を廃止し、その代わりに、自動設定ボタン11−4を設けたものである。また本実施形態は感度を自動的に設定するものであるため、感度設定スライダー11−7には,3−7のように感度の上限および下限は表示しない。動きがない状態で自動感度設定ボタン11−4を押下することにより,自動感度設定を開始する。
【0071】
図12を用いて自動感度設定の手順を説明する。図12は動き検知設定プログラムの自動感度設定に関する動作手順である。使用者は画面に動きがないことを確認して自動設定ボタン11−4を押下する。ここで動きがない状態とは検出対象である動きがない状態であり、樹木の揺れや水面のゆらぎなどの、検出対象外の動きが存在しても問題ない。
【0072】
動き検知設定の開始後、ステップS1201において画像取得を試みる。本実施形態では第1の実施形態で説明した基準画像は既に取得しているものとする。ステップS1202でもし画像取得が失敗した場合にはN分岐し、ステップS1203に進んで連続して失敗したかどうか判別する。連続失敗回数には上限を設け、もしこの上限値以下の場合はN分岐してステップS1201に戻って再度画像取得を行う。もし上限値を超えて連続して失敗した場合にはY分岐し、ステップS1204に進んで失敗メッセージを表示して自動設定を終了する。この場合感度の値は自動設定開始前の値のままである。
【0073】
ステップS1202において画像取得に成功した場合にはY分岐し、ステップS1205において差分処理を行う。第1の実施形態でも説明したように、本実施形態は差分処理に依存しないが、例えば連続するフレームにおいて検知領域11−3を構成する8x8画素のJPEGブロックに対し,量子化後のDCT係数の差分和を求めて差分値とする方法がある.ここで連続するフレームとは例えば現在のフレームと一つ前のフレームのことである。
【0074】
次にステップS1206で取得したフレームにおける平均差分値Dt(t=1…n)を計算する.平均を求める際には例外的な値を排除するために,差分値の上下10%程度は除外する.つぎにステップS1207で最低取得時間を経過したかどうかを判別する。最低取得時間は例えば2秒間などと固定値で定め、もし最低取得時間経過していない場合にはN分岐し、ステップS1201に戻って画像取得と差分処理を続ける。
【0075】
ステップS1207において最低取得時間を経過していた場合にはY分岐し、ステップS1208に進んで最低フレーム数以上取得したかどうか判別する。これは統計的に意味のある値を持たせるために、例えば最低5フレーム分の平均差分値を用いて最終的な平均差分値を算出するためである。
【0076】
もし最低フレーム数分画像を取得していない場合にはN分岐し、ステップS1209にて最大取得時間経過したかどうか判別する。最大取得時間は例えば10秒とする。もし最大取得時間経過した場合にはY分岐してステップS1204で失敗メッセージを表示して終了する。これは例えば10秒間待っても5フレーム取得できない、といった状況である。もし最大取得時間経過していない場合にはN分岐し、ステップS1201に戻って画像の取得と差分処理を続ける。
【0077】
ステップS1208において最低フレーム数以上取得した場合にはY分岐し、ステップS1210で全フレームにわたる平均差分値計算を行う。これは各フレームの平均差分値Dtのさらに平均Dを求めるものである。ここでも上位と下位10%の値を省くことにより雑音を除去できる.つぎにステップS1211において、差分値から感度を求める。ここでは第1の実施形態と同様の式を用いて、しきい値Dと反比例するように感度Sを求める。
【0078】
S=a(Dmax−D)+b
但し、S:感度、Dmax:最大差分値、D:平均差分値、a、bは定数。
【0079】
上式において定数bは感度を鈍くする働きをするもので、通常負の値をとる。感度計算後ステップS1212で自動感度設定の成功メッセージを表示する。そしてステップS1213で感度を新たな値に更新し、終了する。
【0080】
本方式は固定カメラのほかに、パン、チルト、ズームなどのカメラ制御を行うことが可能なカメラへの適用できることは言うまでもない。ただしこのようなカメラにおいて、自動感度設定中に画像に影響するようなカメラ制御を行った場合、自動感度設定は失敗する。このようなカメラ制御には例えば、パン、チルト、ズーム、フォーカス、ゲイン、露出、絞り、シャッタースピード、ホワイトバランスなどが含まれる。
【0081】
本実施形態では自動感度設定の開始のみを指定するため、自動感度設定を行っている間画面中に動きがないことを過程している。このため、予想に反して画面中に大きな動きが連続して生じた場合、これを雑音として除去できるとは限らずに正しい値が設定されない場合がある。しかしながら数秒間の安定した動きのない状態があれば、その間の差分量から自動的に感度を求めることができる。
【0082】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0083】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0084】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0085】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0086】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】差分による動き検知処理の概要を説明するための図である。
【図2】変化量の時間変移を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る動き検知感度設定のGUIを示した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る動き検知設定プログラムの動作手順を示したフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る動き検知設定プログラムの動作手順を示したフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る動き検知感度設定のGUIを示した図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る動き検知感度設定プログラムの動作手順を示したフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る動き検知感度設定プログラムの動作手順を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る動き検知対象領域の自動設定方法を説明するための図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る動き検知設定のGUIを示した図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係わる動き検知設定のGUIを示した図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係わる動き検知設定プログラムの動作手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1−1 撮像部
1−2 基準画像生成部
1−3 差分処理部
1−4 判別処理部
1−5 設定部
3−1、10−1 プリセット選択部
3−2、6−1、10−2 画像表示部
3−3、10−3 検知対象領域設定枠
3−4、6−3、10−4 動きありボタン
3−5、6−4、10−5 動きなしボタン
3−6、6−5、10−6 変化量・動き判別結果表示部
3−7、6−6、10−7 感度調節部
3−8、6−14、10−9 決定ボタン
3−9、6−15、10−10 キャンセルボタン
6−7〜9 代表画像表示部
6−10 変化量変移グラフ
6−11 時刻表示バー
6−12 動き期間表示バー
6−13 再生制御ボタン群
10−8 チェックボックス
11−4 自動感度設定ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像を表示する画像表示手段と、
利用者の操作に応じて、前記画像表示手段に表示される動画像に動きがある第1の期間と動きがない第2の期間とを指定する期間指定手段と、
所定の基準画像に対する前記第1の期間における動画像の変化量と、前記所定の基準画像に対する前記第2の期間における動画像の変化量とに基づいて、しきい値の上限値及び下限値を決定する上下限値決定手段と、
前記上下限値決定手段により決定されたしきい値の前記上限値から前記下限値までの範囲内において、利用者の操作に応じた任意のしきい値を決定するしきい値決定手段と、
前記しきい値決定手段により決定された前記しきい値と前記所定の基準画像に対する動画像の変化量とに基づいて、動画像の動きを検知する動き検知手段とを有することを特徴とする画像動き検知装置。
【請求項2】
前記所定の基準画像に対する動画像の変化量の変移状況を表示する変化量変移表示手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像動き検知装置。
【請求項3】
前記変化量変移表示手段により表示される前記変化量の変移状況の近傍に、前記第1の期間及び前記第2の期間の少なくとも何れか一の期間を利用者の操作に応じて変更する期間変更手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の画像動き検知装置。
【請求項4】
前記第1の期間における動画像に基づいて、前記動き検知手段の動き検知対象となる画像領域を設定する検知対象領域設定手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像動き検知装置。
【請求項5】
前記検知対象領域設定手段は、前記第1の期間における動画像から動きが検知された画像領域を、前記動き検知手段の動き検知対象となる画像領域として設定することを特徴とする請求項4に記載の画像動き検知装置。
【請求項6】
前記上下限値決定手段により決定された前記上限値及び前記下限値を表示するしきい値決定範囲表示手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像動き検知装置。
【請求項7】
前記動き検知手段は、前記所定の基準画像に対する動画像の変化量が前記しきい値以上である場合、又は、前記所定の基準画像に対する動画像の変化量が前記しきい値を超過した場合、動画像の動きを検知することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像動き検知装置。
【請求項8】
前記第1の期間及び前記第2の期間の少なくとも何れか一の期間における代表画像を表示する代表画像表示手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像動き検知装置。
【請求項9】
前記期間指定手段は、ライブ画像から前記第1の期間及び前記第2の期間を指定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像動き検知装置。
【請求項10】
動画像を蓄積する蓄積手段を更に有し、
前記期間指定手段は、前記蓄積手段に蓄積される動画像から前記第1の期間及び前記第2の期間を指定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像動き検知装置。
【請求項11】
動画像の動きを検知する画像動き検知装置による画像動き検知方法であって、
動画像を表示する画像表示ステップと、
利用者の操作に応じて、表示される動画像に動きがある第1の期間と動きがない第2の期間とを指定する期間指定ステップと、
所定の基準画像に対する前記第1の期間における動画像の変化量と、前記所定の基準画像に対する前記第2の期間における動画像の変化量とに基づいて、しきい値の上限値及び下限値を決定する上下限値決定ステップと、
決定されたしきい値の前記上限値から前記下限値までの範囲内において、利用者の操作に応じた任意のしきい値を決定するしきい値決定ステップと、
決定された前記しきい値と前記所定の基準画像に対する動画像の変化量とに基づいて、動画像の動きを検知する動き検知ステップとを含むことを特徴とする画像動き検知方法。
【請求項12】
請求項11に記載の画像動き検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
動画像を表示する画像表示手段と、
感度の自動設定開始を指示する自動設定開始指示手段と、
自動設定開始指示後に画像中に動きがないことを想定して、所定の基準画像に対する動画像の変化量を複数フレームわたって撮影し、求めた変化量から動き検知のためのしきい値を決定するしきい値決定手段と
を有することを特徴とする画像動き検知装置。
【請求項15】
前記しきい値設定手段は、各フレームにおける差分値集合の上限と下限の一定量を除いた平均値求め、さらに複数フレームにおける前記差分値の平均値の上限と下限の一定量を除いた平均差分値に一定のオフセットを加算した値を前記しきい値とすることを特徴とする請求項14に記載の画像動き検知装置。
【請求項16】
自動感度設定中にカメラパラメータが変更した場合には自動感度設定を中断する中断手段と、中断したことを表示する自動感度設定中断表示手段とをさらに有することを特徴とする請求項14または15に記載の画像動き検知装置。
【請求項17】
前記カメラパラメータとはカメラの撮影位置、パン、チルト、ズーム、フォーカス、絞り、露出、シャッタースピード、ホワイトバランスのうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項16に記載の画像動き検知装置。
【請求項18】
前記しきい値に反比例する感度を表示し、使用者が感度を設定することで間接的にしきい値を設定するしきい値設定手段をさらに有することを特徴とする請求項14乃至17の何れか1項に記載の画像動き検知装置。
【請求項19】
自動感度設定の結果を前記感度表示に反映する感度設定手段をさらに有することを特徴とする請求項18に記載の画像動き検知装置。
【請求項20】
動画像を表示する画像表示ステップと、
感度の自動設定開始を指示する自動設定開始指示ステップと、
自動設定開始指示後に画像中に動きがないことを想定して、所定の基準画像に対する動画像の変化量を複数フレームわたって撮影し、求めた変化量から動き検知のためのしきい値を決定するしきい値決定ステップと
を有することを特徴とする画像動き検知方法。
【請求項21】
請求項20に記載の画像動き検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項22】
請求項21に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2005−160017(P2005−160017A)
【公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−141239(P2004−141239)
【出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】