説明

画像形成システム、その画像形成システムに用いられる感光体の特定方法、及び画像形成方法

【課題】画像形成装置内に設置された感光体を的確に特定することができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成システムは、感光体101が設置され、該感光体を帯電、露光、現像して得られる画像を記録材106に転写する画像形成装置であって、情報格納装置と、特定装置と、を有している。画像形成装置は、分布情報測定手段111を設置可能になっている。分布情報測定手段111は、感光体の表面に形成されている微小物の分布情報を測定する。情報格納装置は、複数の感光体の各々と、該各感光体の表面に形成されている微小物の分布情報と、を対応づけたデータテーブルが格納されている。特定装置は、画像形成装置に設置された感光体101を分布情報測定手段111で測定したときの分布情報と、情報格納手段に格納されているデータテーブルの分布情報と、を比較して、画像形成装置に設置された感光体101を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真用の感光体を利用した、画像形成システム、当該画像形成システムに用いられる感光体の特定方法、及び画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真用の感光体(以下、単に「感光体」と呼ぶことがある。)を利用した画像形成装置としては、複写機、ファクシミリ装置、コンピュータの出力手段であるプリンタなどに広く利用されている。このような画像形成装置は、例えば、その画質の良さや高速なプリントアウトなどの特徴を有しているため、注目を浴びている。
【0003】
そのような画像形成装置においては、近年急速にデジタル化、カラー化が進んでいる。また、画像形成装置は、文字だけでなく、写真や絵などの画像を形成する機会が急増している。その結果、画像形成装置の高画質化への要求は、以前に増して高まっている。ここでいう「高画質」とは、例えば、高解像であること及び濃度ムラが小さいことを指している。特に、濃度ムラの判別は人の目とって容易なこともあり、濃度ムラの低減に対する要求は極めて高いものとなっている。
【0004】
濃度ムラの発生要因の一つとして、電子写真用の感光体の帯電特性や光感度特性の不均一性が挙げられる。帯電特性や光感度特性の不均一性は、感光体を構成する薄膜の品質や厚みの不均一性に起因する。
【0005】
このような課題に対して、近年においては感光体の製造方法や製造装置の改良が進み、感光体を構成する薄膜の品質や厚みの不均一性は低減され、その結果濃度ムラの低減も進んできている。
【0006】
しかしながら、未だ改善の余地を有しているのが現状である。例えば、安定性や耐久性に優れる高速複写機に使用されることが多いアモルファスシリコン(a-Si)を含んだ感光体(以下、a-Si感光体と略記する。)の場合、その製造方法として一般的にプラズマCVD法が利用される。しかし、プラズマCVD法の特色上、電子写真用の感光体として必要なサイズ全体に渡って、品質及び厚みの均一な膜を形成することは容易ではない。
【0007】
特許文献1には、このような課題に対応した画像形成装置が開示されている。特許文献1に記載の画像形成装置では、像担持体としての感光体である感光ドラムと、感光ドラムを帯電する帯電手段と、帯電された像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像を現像する現像手段と、を有している。そして、帯電手段の帯電で形成される像担持体の表面電位は、像担持体の領域ごとに変更される。
【0008】
具体的には、感光ドラムの表面電位を検出する表面電位計を設ける。そして、画像形成装置を立上げる際に、感光ドラムを一様に帯電させつつ、表面電位計により感光ドラムの表面電位を検出する。検出された表面電位に基づいて、それとは逆位相の電圧を感光ドラムに印加しつつ帯電を行うことによって、感光ドラムの表面電位を均一化する。
【0009】
また、特許文献2では、予め測定された感光ドラムの帯電特性の分布に対応した特性情報を記憶するメモリが感光ドラムに搭載された画像形成装置が開示されている。画像形成装置は、上記特性情報に基づいて、画像濃度の不均一性を抑制するように露光手段の露光動作を制御する。
【特許文献1】特開2002−207350号公報
【特許文献2】特開2005−227452号公報
【特許文献3】特開2006−251314号公報
【特許文献4】特開2001−318479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の画像形成装置においては、感光ドラムの表面電位の不均一性を測定するための電位センサが多数必要となる場合がある。さらには、電位センサを感光ドラムの回転軸に沿った方向に移動させる機構が必要となり、画像形成装置の複雑化或いはコストアップという課題がある。また、画像形成装置の起動時に表面電位を測定するために、画像形成装置の起動に必要な時間が長くなるという課題がある。
【0011】
特許文献2に記載の画像形成装置においては、画像形成装置に搭載された電子写真用感光体の識別を人の手を介して行うことなる。つまりメモリに感光体の識別番号の入力する際に誤りが生じる場合がある。したがって、新たに画像形成装置に設置された感光ドラムとは異なる感光ドラムに関する特性情報を、誤って使用してしまうことがある。このような場合、誤った特性情報に基づいて露光動作が制御されるために、画像濃度の不均一性が抑制されないだけではなく、不均一性が増大される場合がある。
【0012】
本発明の目的は上記背景技術の課題の少なくとも1つを解決できる画像形成装置、感光体の特定方法、及び画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題の少なくとも1つを解決するため、本発明の画像形成システムは、感光体が設置され、該感光体を帯電、露光、現像して得られる画像を記録材に転写する画像形成装置であって、前記感光体の表面に形成されている微小物の分布情報を測定する分布情報測定手段を設置可能な画像形成装置と、複数の感光体の各々と、該各感光体の表面に形成されている微小物の分布情報と、を対応づけたデータテーブルが格納された情報格納装置と、前記画像形成装置に設置された感光体を前記分布情報測定手段で測定したときの分布情報と、前記情報格納手段に格納されている前記データテーブルの分布情報と、を比較して、前記画像形成装置に設置された感光体を特定する特定装置と、を有している。
【0014】
また本発明に係る感光体の特定方法は、該各感光体の表面に形成されている微小物の分布情報と、を対応づけたデータテーブルを予め作成しておき、画像形成装置に感光体を設置した後、該感光体の表面に形成されている微小物の分布情報を測定し、測定された前記分布情報を前記データテーブルと参照して、前記画像形成装置に設置された感光体を特定する。
【0015】
さらに、本発明に係る画像形成方法は、感光体を帯電、露光、現像して、該感光体の表面に画像を形成した後に、該画像を記録材に転写する画像形成方法であって、複数の感光体の各々と、感光体の表面に形成されている微小物の分布情報と、該各感光体の電位分布と、を対応づけたデータテーブル、を予め作成しておき、上記の感光体の特定方法を用いて、前記画像形成装置に設置された感光体を特定し、特定された感光体に対応する前記電位分布を前記データテーブルから取得し、前記データテーブルから取得した前記電位分布に基づいて、前記画像形成装置に設置された感光体に潜像を形成する際の電位を該感光体の領域ごとに制御する。
【発明の効果】
【0016】
画像形成装置に搭載された感光体を、人手を介することなく特定することができる。また、本発明の画像形成方法によれば、適切な特性情報に基づいて画像形成時の制御を行うことが可能であり、濃度ムラを確実に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。本願に係る発明者らは、鋭意検討を行った結果、電子写真用の感光体表面に形成されている微小物の分布情報が、感光体毎に極めてユニークであることを見出し、本発明を創作するに至った。
【0018】
本実施形態に係る画像形成システムは、電子写真用の感光体が設置され、当該感光体を帯電、露光、現像して得られる画像を記録材に転写する画像形成装置と、情報格納装置と、特定装置と、を備えている。画像形成装置は、分布情報測定手段を設置可能に構成されている。
【0019】
図1は、本実施形態で用いられる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。画像形成装置は、感光体101を設置可能に構成されている。感光体101としては、回転可能なドラム型の感光体101を用いることができる。
【0020】
感光体101の表面に静電潜像が形成され、この静電潜像にトナーを付着することによって、感光体101の表面にトナー像が形成される。感光体101が設置される部分の周りには、感光体101の表面を所定の極性で一様に帯電させる帯電器102と、帯電された感光体101の表面を露光することで静電潜像を形成する露光装置103と、が設置されている。露光装置103は、感光体101の回転方向に対して、帯電器102よりも下流側の画像露光部112に光を照射する。
【0021】
本明細書において、帯電器102により一様に帯電されたときの感光体101の電位を「暗部電位」、露光装置103により一様に露光されたときの感光体101の電位を「明部電位」と呼ぶ。暗部電位及び明部電位は、例えば後述の現像器104の位置で測定される。本実施形態においては、暗部電位と明部電位との差(以下、「電位コントラスト」と呼ぶ。)を100V以上450V以下とすることにより、良好な画像濃度特性が得られる。また、電位コントラストを150V以上400V以下、代表的には350Vとすることがより好ましい。
【0022】
画像形成装置は、感光体101の露光方式として、画像が形成されない領域である非画像領域(背景領域)を露光するバックグラウンド露光方式と、画像が形成される領域である画像領域を露光するイメージエリア露光方式と、のいずれかを選択できる。バックグラウンド露光方式では、アナログ方式の装置と共通の機構や共通の現像材を使用できる点で有利である。一方で、イメージエリア露光方式では、静電潜像を形成するための露光制御がバックグラウンド露光方式と比較すると容易な場合があるため、高画質化の点でより有利である。
【0023】
画像露光部112よりも感光体101の回転方向に対する下流側には、現像器104、転写器107、分離器108がこの順に配置されている。現像器104は感光体101の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像するためのものである。転写器107は、感光体101の表面に形成されたトナー像を、搬送機構105によって搬送される記録材106に転写するためのものである。分離器108は、画像が転写された後の記録材106を、感光体101から分離するためのものである。
【0024】
さらに、画像形成装置には、記録材106に画像が転写された後の感光体101の表面をクリーニングする感光体クリーナー109と、感光体101の除電を行う除電露光装置110と、が設置されている。
【0025】
また、本実施形態に係る画像形成装置には、感光体101表面に形成されている微小物の分布情報を測定する分布情報測定手段111が設置されている場合がある。なお、図1では、分布情報測定手段111は、分離器108と感光体クリーナー109の間に配置されているが、分布情報測定手段111は、どこに配置されていても良い。これは、分布情報測定手段111が、帯電、露光、現像、転写、クリーニングからなる一連の画像形成プロセスとは独立して用いられる機構だからである。
【0026】
図2は、本実施形態で用いられる画像形成装置の別の例を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、分布情報測定手段111の配置が、図1の画像形成装置と異なっている。後述するが、分布情報測定手段111は、感光体101を本体に設置した直後に用いられる。そのために、図2に示すように、一時的に分布情報測定手段111を帯電器102に代えて設置しても良い。ここで、分布情報測定手段111は、帯電器102との配置が切り替わるように、画像形成装置に設置されていても良い。
【0027】
さらに、図示してはいないが、分布情報測定手段111を、一時的に現像器104または感光体クリーナー109の代わりに設置しても良い。この場合も、分布情報測定手段111は、その他の構成部品との配置が切り替わるように構成されていて良い。
【0028】
感光体101の表面に形成されている微小物の分布情報のユニークさ(唯一性)を確保するため、分布情報測定手段111は、感光体101の表面における可能な限り広い範囲を測定できることが好ましい。しかしながら、微小物を測定するためには、感光体101の表面に光を照射する必要がある。そのため、光の照射によって感光体の特性が変動することを防止するという観点からは、非画像領域に存在する微小物の分布情報を測定することが好ましい。
【0029】
ここで、非画像領域とは、感光体101の表面のうち、画像が形成されない領域のことをいう。非画像領域として、感光体101の端部近傍の領域を挙げることができる。感光体101が回転可能なドラム形状である場合、非画像領域としては、回転軸に沿った方向における少なくとも一方の端部近傍の領域であることが好ましい。
【0030】
画像形成システムが有する情報格納装置は、複数の感光体の各々と、当該各感光体の表面に形成されている微小物の分布情報と、を対応づけたデータテーブルを格納している。情報格納装置は、画像形成装置に内蔵されていて良い。
【0031】
また、画像形成装置の外部にハードディスク装置を設置して、当該ハードディスク装置に情報格納装置を内蔵しても良い。この場合、画像形成システムには、画像形成装置とハードウェア装置とを通信可能にする通信ネットワークが設置される。
【0032】
さらに、情報格納装置が記録媒体からなり、画像形成装置は当該記録媒体の情報を読み込み可能に構成されていても良い。
【0033】
本実施形態では、微小物の分布情報として、感光体101表面に存在する微小物の座標情報を用いる。例えば、分布情報測定手段は、感光体101を所定の間隔で周方向及び長手方向に分割して得られるセル内の、どのセルに微小物が存在するかを測定する。これにより、それぞれの微小物の位置が座標情報として検出される。この座標情報が上記のデータテーブルに、各々の感光体と対応付けて格納される。なお、分布情報は、微小物の座標情報に限られず、感光体の表面に形成されている微小物の分布パターンであってもよい。
【0034】
そして、画像形成装置に感光体101が設置された後、当該感光体101を測定して得られた微小物の分布情報と、上記のデータテーブルの分布情報と、を比較することで、画像形成装置に設置された感光体101を特定することができる。
【0035】
画像形成システムが有する特定装置は、画像形成装置に設置された感光体を分布情報測定手段で測定したときの分布情報と、データテーブルの分布情報と、を比較して、画像形成装置に設置された感光体を特定する。このような特定装置として、演算装置を用いることができる。画像形成装置に設置された感光体を特定するプログラムを、演算装置に格納しておけば、自動処理が可能であるため、人の手を介することなく正確に感光体を特定することができる。
【0036】
データテーブルに参照する際に利用される座標情報は、周方向及び長手方向の両方の座標であっても良く、どちらか一方の座標であっても良い。
【0037】
微小物の分布情報のユニークさを確保するため、分布情報測定手段111は、10μm以上の微小物を観測可能な分解能を有していれば十分である。ただし、分布情報測定手段111は、10μm以下の微小物を観測できることがより好ましい。しかしながら、5μm未満の微小物を測定する場合においては、測定精度が低下し、分布情報の再現性の点で問題が発生する場合がある。また、より小さい微小物まで測定する場合、感光体101によっては、微小物の分布情報に関するデータ量が多大になり、分布情報を処理する時間が増加する場合がある。これらの観点から、分布情報測定手段111は5μm以上の微小物の分布情報を測定することがより好ましい。
【0038】
分布情報測定手段111としては、感光体101の表面を前述した分解能で撮影できるものであれば特に制限は無く、CCDエリアセンサやCCDラインセンサなどの画像素子が挙げられる。
【0039】
また、本発明において感光体識別に利用される微小物サイズの上限に制限は無いが、極端に大きい場合においては画像欠陥として観測されることがある。そのため、微小物のサイズは15μm以下であることが好ましい。
【0040】
次に、感光体の特定方法及び画像形成方法について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0041】
『ステップ1』
製造された感光体表面の微小物の分布情報を測定し、感光体の識別番号と、微小物の分布情報とを対応づけたデータテーブルを作成する。ここで、測定される感光体は、使用直前のものに限らず、製造された感光体の全てに対して行われる。
【0042】
分布情報測定手段としては、前述したようにCCDエリアセンサやCCDラインセンサのようなCCDカメラを使用するのが好ましい。このようなCCDカメラを用いた分布情報測定手段としては、特許文献3に記載の感光体の検査工程で用いられる微小物検出器(例えば、特開2006−251314号公報参照。)を用いることができる。
【0043】
『ステップ2』
ステップ1測定した感光体と同じ感光体に対して、その帯電特性及び光感度特性を測定する。そして、感光体の識別番号と、帯電特性及び光感度特性と、を対応づけてデータテーブルに登録する。本明細書において、帯電特性とは暗部電位の電位分布のことをいい、光感度特性とは明部電位の電位分布のことをいう。
【0044】
帯電特性及び光感度特性を測定する感光体特性測定手段は、画像形成装置を特性測定用に改造した装置でも良く、或いは画像形成装置とは別に製造された装置でも良い。図4は、感光体特性測定手段の一例に対する概略構成図である。図4に示す感光体特性測定手段には、感光体101の周囲に、帯電器402、露光装置403、除電露光装置410が配置されている。帯電器402、露光装置403、除電露光装置410は、画像形成装置で用いられたものと同じものを利用することができる。
【0045】
さらに、感光体特性測定手段は、露光装置403によって露光される画像露光部112よりも感光体101の回転方向の下流側に、電位センサ401を有している。画像形成装置を改造して感光体特性測定手段とする場合、図1における現像器104の位置に、現像器104に代えて電位センサ401が配置される。
【0046】
また、静電潜像を形成する際に、感光体に所定の制御を行うため、感光体の帯電特性及び光感度特性と、感光体101の回転方向に対する基準位置(以下、「ホームポジション」と呼ぶ。)の情報と、をデータテーブルとして作成する。そして、感光体の識別番号から、対応する感光体の帯電特性及び光感度特性と、ホームポジションと、を参照可能にしておく。
【0047】
ホームポジションとしては、感光体101側面に付けられた印を用いることができる。この場合、当該印をセンサで読み取れば良い。また、ホームポジションとして、微小物の分布情報を用いることも可能である。この場合、分布情報測定手段を用いて感光体表面に存在する微小物の分布情報を測定し、その分布情報に基づきホームポジションを特定することができる。
【0048】
以上のようにして、製造された感光体の情報を予めデータテーブルとして格納しておく。なお、上述のデータテーブルをデータベース化しておいてもよい。なお、ステップ1及びステップ2は、本実施形態に係る感光体の特定方法及び画像形成方法に対する準備段階である。
【0049】
『ステップ3』
画像形成装置に感光体101を設置し、ステップ1と同様な方法により、設置された感光体101の微小物の分布情報を測定する。
【0050】
『ステップ4』
前述したデータテーブルを参照することで、ステップ3で測定された微小物の分布情報から、画像形成装置に設置された感光体101を特定する。
【0051】
データテーブルが格納させた情報格納装置を画像形成装置に内蔵されている場合、画像形成装置は、直接情報格納装置内のデータテーブルを参照することができる。この場合、画像形成装置を製造する際に、画像形成装置に組みこまれた情報格納装置にデータテーブルを記録させても良く、或いは、感光体を設置する際に情報格納装置にデータテーブルを記録させても良い。データテーブルが画像形成装置に組み込まれている場合においては、画像形成システムの構成の簡易化という点で好ましい。
【0052】
情報格納装置を記録媒体とし、データテーブルが格納されたCD−ROMのような記録媒体を利用し、当該記録媒体を読み込み可能に、画像形成装置を構成しても良い。さらには、画像形成装置の外部に設置されたハードディスク装置に情報格納装置を内蔵させておき、画像形成装置と当該ハードディスク装置とを接続する通信ネットワークを用いて、データテーブルに参照しても良い。これらの場合においては、随時更新されたデータテーブルを参照することができる点で好ましい。
【0053】
ステップ3及びステップ4により、人の手を介さず、画像形成装置に設置された感光体を的確に特定することができる。
【0054】
『ステップ5』
次に、画像形成の工程に移行する。ステップ4において特定された感光体101に対応する帯電特性及び光感度特性を、データテーブルより取得する。データテーブルへの参照は、ステップ3に記載の方法と同様に行うことができる。
【0055】
『ステップ6』
ステップ5で取得した帯電特性及び光感度特性に基づいて、画像濃度の不均一性を抑制するように画像形成時の制御を行う。以下、画像形成時の制御の一例について説明する。
【0056】
図5は、『ステップ2』で測定された帯電特性(電位分布)の一例を示すグラフである。グラフでは、回転ドラム形状の感光体において、回転軸に沿った方向の位置及び回転方向に対する位置で特定される座標と、暗部電位と、の関係が示されている。
【0057】
なお、グラフでは、回転軸に沿った方向に対する中心位置を基準とした。グラフ中、電位は、特定の一点における電位を基準として、規格化した相対値を示している。これらのことは、図6〜8においても同様である。
【0058】
図5に示す暗部電位が得られた場合、帯電器102により感光体101表面を帯電した後、図5の領域A(図中点線部)を基準電位として、他の領域の電位が基準電位に概ね揃うように露光装置103を制御する。その結果、図6に示すような電位分布を得ることができる。図6に示すように、感光体表面の電位分布は概ね一様になっている。
【0059】
また、図7は、『ステップ2』で測定された光感度特性(電位分布)を示している。この場合、帯電器102により感光体101表面を帯電した後、図7の領域B(図中点線部)を基準電位として、他の領域の電位が概ね基準電位に揃うように露光装置103からの露光量を制御する。その結果、図8に示すように、感光体の表面全体で概ね一様な光感度特性の電位分布を得ることができる。上述のように、露光装置で感光体を露光する際、光感度特性を考慮して、露光量の制御を行う。そして、電位分布のムラを低減することで、濃度ムラが低減された画像を形成することができる。
【0060】
前述したような画像形成時の制御を行うためには、感光体101の回転方向のホームポジションを特定し、ステップ2において設定したホームポジションのデータに応じて位置合わせをする必要がある。例えば、感光体101側面に印を付けておき、当該印をセンサで読み取ることで、感光体の回転方向のホームポジションを特定することができる。或いは、ステップ4で測定された分布情報に基づいて、ホームポジションを特定しても良い。
【0061】
図9は、微小物が形成されている感光体の概略断面図である。図9に示す微小物は、プラズマCVD法によって製造されたa-Si感光体に形成されている微小物の一例であり、中でも基体901上に塵902が付着したことに起因して生じた微小物の一例である。図9に示す微小物は、塵902を起点として、堆積膜が異常成長することによって形成される。堆積膜の異常成長の結果、積層される膜中には境界面903が形成され、さらに堆積膜の表面には球状突起904が形成される。
【0062】
感光体101の表面を研磨して、上記のように形成された球状突起904を平滑化することが好ましい。平滑化することにより、感光体101表面側から微小物を観察した際に、微小物の境界線が明確になり、分布情報測定手段による微小物の測定をより正確に実施することが可能となる。なお、感光体の表面を研磨する研磨方法としては、例えば特許文献4に記載されている方法を用いることができる。
【0063】
次に、アモルファスシリコンを母体とする感光体の製造装置、及び当該製造装置用いた感光体の製造方法について説明する。
【0064】
図10は、a-Si電子写真用感光体を製造する製造装置の模式図である。当該製造装置は、13.56MHzの高周波電源を用いたRFプラズマCVD法を行なう堆積膜形成装置である。
【0065】
この堆積膜形成装置は、反応容器1000と、反応容器1000内を減圧するための排気装置1001と、を有している。反応容器1000内には、アースに接続された補助基体1002に取り付けられる円筒状基体1003を加熱するための基体加熱ヒーター1004と、ガス導入管1005と、が設置されている。また、反応容器1000の側壁部は導電性材料からなる放電電極1006で構成されており、放電電極1006と反応容器1000の他の部分とは絶縁碍子1007によって絶縁されている。放電電極1006にはマッチングボックス1008を介して13.56MHzの高周波電源1009が接続されている。
【0066】
原料ガス供給手段を構成する各ボンベ(不図示)は、原料ガス導入バルブ1010を介して反応容器1000内のガス導入管1005に接続されている。反応容器1000は、排気管1011を有しており、真空計1012及びメインバルブ1013を介して排気装置1001で真空排気される構成となっている。
【0067】
以下、上記の堆積膜形成装置を用いた、a-Si電子写真用の感光体の製造方法の一例について説明する。
【0068】
まず、旋盤(不図示)を用いて、表面に鏡面加工が施された円筒状基体1003を、反応容器1000内の基体加熱ヒーター1004を取り囲むように補助基体1002に取り付け、キャップ1014を設置する。
【0069】
次に、メインバルブ1013を開いて、反応容器1000及びガス導入管1005内を排気する。真空計1012のメモリが0.67Pa以下になった時点で、原料ガス導入バルブ1010を開き、加熱用の不活性ガスをガス導入管1005から反応容器1000内に導入する。不活性ガスの一例としては、アルゴンを用いることができる。そして、反応容器1000内が所望の圧力になるように、加熱用の不活性ガスの流量と、メインバルブ1013の開口量あるいは排気装置1001の排気速度と、を調整する。
【0070】
その後、不図示の温度コントローラーを作動させて、基体加熱ヒーター1004により円筒状基体1003を加熱し、円筒状基体1003の温度を50℃〜500℃の範囲内の所望の温度に制御する。円筒状基体1003が所望の温度に加熱されたところで、不活性ガスの流量を徐々に低下させるとともに、成膜用の所定の原料ガスを反応容器1000内に徐々に導入する。原料ガスは、例えば、SiH4、Si26、CH4、C26のような材料ガスや、B26、PH3のようなドーピングガスを用いることができる。そして、不図示のマスフローコントローラーによって、原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際に、反応容器1000内を数十Paから数百Paの圧力に維持するように、メインバルブ1013の開口量あるいは排気装置1001の排気速度を調整する。
【0071】
以上の手順によって成膜準備が完了した後、円筒状基体1003の表面に堆積膜を形成する。反応容器1000内の圧力が安定したのを確認した後に、高周波電源1009を所望の電力に設定して、高周波電力を放電電極1006に供給し、高周波グロー放電を生じさせる。このとき、マッチングボックス1008を調整して、反射波が最小となるように調整し、高周波の入射電力から反射電力を差し引いた実効値が所望の値になるように制御する。この放電のエネルギーによって、反応容器1000内に導入した原料ガスが分解され、円筒状基体1003の表面に堆積膜が形成される。なお、膜を形成している間は、円筒状基体1003を、その中心軸(回転軸)を中心として所定の速度で回転させてもよい。所望の膜厚の堆積膜が形成された後に、高周波電力の供給を止め、反応容器1000内への原料ガスの流入を止めて、反応容器1000内を一旦高真空に引き上げてから堆積膜の形成を終える。以上の工程によって、a-Si電子写真用感光体を製造する。
【0072】
[実施例1]
本実施例においては、図10に示した堆積膜形成装置を使用し、前述した製造方法により、感光体101を10個製造した。なお、感光体101は、直径80mm、長358mm、厚み3mmのアルミニウム製の円筒状基体の表面に、電荷注入阻止層、光導電層、変化層、表面層がこの順に形成されてなる。表1には、各層を形成する際の各化合物の流量と、その他の堆積膜形成の条件が示されている。
【0073】
【表1】

【0074】
表1において、B26は、SiH4に対する割合が示されている。また、表中の1つのセル内に2つの数値が記載されている場合、左側の数値から右側の数値へと連続的に変化させることを意味している。
【0075】
製造した10個の感光体を、富士フイルム社製ラッピングテープLT−C2000を用い、感光体に形成されている球状突起が平坦になるように、感光体表面を研磨した。
【0076】
次に、10個の感光体を、図4に示す感光体特性測定手段を用い、上記のステップ2の方法で、感光体の暗部電位及び明部電位を感光体の回転軸方向に15点ずつ、さらに回転方向に18点ずつ測定した。つまり、感光体の暗部電位及び明部電位は、15×18点測定された。そして、暗部電位及び明部電位から得られた帯電特性(例えば、図5参照。)及び光感度特性(例えば、図7参照。)を計測し、感光体の識別番号と対応させたデータテーブルを作成した。
【0077】
さらに、10個の感光体の回転軸に沿った方向の中心位置において、以下に示す方法で光メモリを測定した。ここで、「光メモリ」とは、感光体に生じるメモリ効果のことである。本明細書では、光メモリは、非露光状態での感光体の「暗部電位」と、感光体を一旦露光した後に再度帯電した時の「暗部電位」と、の差によって定義される。
【0078】
現像器の位置における暗部電位が所定の電位になるように帯電器102を調整し、現像器104の位置における明部電位が所定の電位になるように露光装置103の光量を調整した状態で、感光体の表面電位を電位センサで測定して、光メモリの測定を行った。なお、数値が小さいほど光メモリが良好であることを意味する。
【0079】
次に、上記のステップ1に記載の方法で、感光体の微小物の分布情報を測定し、感光体の識別番号と対応させたデータテーブルを作成した。本実施例において、データテーブルはデータベース化されて、情報格納装置に格納されている。
【0080】
なお、本実施例においては、10個の感光体を任意に選択した5個ずつの2つグループに分け、当該2つのグループに対して異なる条件で測定を行った。具体的には、一方のグループに対しては下記(イ)の条件で、他方のグループに対しては下記(ロ)の条件で測定が行われた。
(イ)画像領域全体において微小物の分布情報を測定。
(ロ)非画像領域のみにおいて微小物の分布情報を測定。
【0081】
次に、感光体を図1に示す画像形成装置に設置し、上記のステップ3からステップ6までの方法で、感光体の特定及び画像形成を行った。その結果、全ての感光体において、画像濃度の不均一性(ムラ)が低減された良好な画像を得ることができた。
【0082】
次に、10個の感光体を図4に示した感光体特性測定手段に設置し、前述した方法で光メモリの測定を行った。そして、測定して得られた結果を、微小物の分布情報の測定前に予め測定していた光メモリと比較して、以下のランクに区分した。
A:分布情報の測定前の光メモリに対して90%未満
B:分布情報の測定前の光メモリに対し90%以上95%未満
C:分布情報の測定前の光メモリに対し95%以上105%未満(同等レベル)
D:分布情報の測定前の光メモリに対し105%以上110%未満
E:分布情報の測定前の光メモリに対し110%以上
測定結果を上記のランクに区分した結果を、表2に示す。
【0083】
【表2】

【0084】
なお、本実施例においては、7μm以上15μm以下の微小物の座標情報を利用して感光体の特定を行った。また、画像形成装置に情報格納装置を内蔵させた画像形成システムを用いて、各々の感光体の帯電特性及び光感度特性を特定した。
【0085】
表2によると、(イ)の条件では、微小物の分布情報の測定前後において、光メモリが大きく変化していることがわかる。一方で、(ロ)の条件では、微小物の分布情報の測定前後において、光メモリがそれほど変化していない。つまり、(ロ)の条件では、感光体の帯電特性及び光感度特性があまり変化していないといえる。
【0086】
したがって、非画像領域のみにおいて微小物の分布情報を測定することが好ましい。これにより、感光体の特性があまり変動しないため、適切な帯電特性及び光感度特性に基づいて、画像形成時の制御を行うことが可能となる。
【0087】
[実施例2]
本実施例においては、実施例1に記載の感光体と同様の感光体を10個用いて、画像形成装置に設置された感光体の特定を行った。なお、上記のステップ1及びステップ3において、分布情報測定手段が測定する微小物のサイズを、下記の(ハ)〜(ホ)の条件に合致する微小物とした。
(ハ)4μm以上15μm以下の微小物。
(ニ)5μm以上15μm以下の微小物。
(ホ)8μm以上15μm以下の微小物。
【0088】
微小物のサイズに関する上記の条件以外は、実施例1と同様の方法で、画像形成装置に設置された感光体の特定を行った。その結果、(ハ)の条件では、10個中1個の感光体において、ステップ1で測定された微小物の分布情報と、ステップ2で測定された微小物の分布情報と、が一致せず、対応する感光体を特定することができなかった。その結果、全ての感光体を特定するためには、微小物の座標情報の測定を複数回測定する必要があった。
【0089】
また、(ニ)及び(ホ)の条件では、全ての感光体を正確に特定することができた。感光体を正確に特定することができた全てのケースにおいて、上記のステップ5及び6による画像形成方法を実施すると、画像濃度ムラが低減された良好な画像を得ることができた。なお、本実施例においては、画像形成装置に情報格納装置を内蔵させた画像形成システムを用いて、各々の感光体の帯電特性及び光感度特性を特定した。
【0090】
本実施例の結果から明らかな様に、5μm以上15μm以下の微小物の分布情報を利用して感光体の特定を行うことにより、画像形成装置に設置された感光体を、人の手を介さず、正確に特定することができる。
【0091】
以上、本発明の望ましい実施形態について提示し、詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない限り、さまざまな変更及び修正が可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一例に係る画像形成システムが有する画像形成装置を示す概略図。
【図2】本発明の別の例に係る画像形成システムが有する画像形成装置を示す概略図。
【図3】感光体の特定方法及び画像形成方法を説明するためのフローチャート。
【図4】感光体特性測定手段の一例を示す概略図である。
【図5】感光体の帯電特性の一例を示す概略図である。
【図6】感光体の帯電特性の一例を示す概略図である。
【図7】感光体の光感度特性の一例を示す概略図である。
【図8】感光体の光感度特性の一例を示す概略図である。
【図9】微小物が存在する感光体の概略断面図である。
【図10】感光体の製造装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0093】
101 感光体
102、402 帯電器
103、403 露光装置
104 現像器
105 搬送機構
106 記録材
107 転写器
108 分離器
109 感光体クリーナー
110、410 除電露光装置
111 分布情報測定手段
401 電位センサ
901 基体
902 塵
903 境界面
904 球状突起
1000 反応容器
1001 排気装置
1002 補助基体
1003 円筒状基体
1004 基体加熱ヒーター
1005 ガス導入管
1006 放電電極
1007 絶縁碍子
1008 マッチングボックス
1009 高周波電源
1010 原料ガス導入バルブ
1011 排気管
1012 真空計
1013 メインバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体が設置され、該感光体を帯電、露光、現像して得られる画像を記録材に転写する画像形成装置であって、前記感光体の表面に形成されている微小物の分布情報を測定する分布情報測定手段を設置可能な画像形成装置と、
複数の感光体の各々と、該各感光体の表面に形成されている微小物の分布情報と、を対応づけたデータテーブルが格納された情報格納装置と、
前記画像形成装置に設置された感光体を前記分布情報測定手段で測定したときの分布情報と、前記情報格納装置に格納されている前記データテーブルの分布情報と、を比較して、前記画像形成装置に設置された感光体を特定する特定装置と、を有している、画像形成システム。
【請求項2】
前記分布情報は前記感光体の表面に形成されている微小物の座標情報である、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記微小物の分布情報は、前記感光体の表面の画像が形成されない領域である非画像領域に形成されている分布情報である、請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記非画像領域は前記感光体の端部近傍の領域である、請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記感光体はドラム型であり、
該感光体は画像形成装置に回転可能に設置される、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記分布情報は、5μm以上15μm以下の大きさ有する微小物の分布情報である、請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記情報格納装置には、複数の感光体の各々と、該各感光体の電位分布とを対応づけたデータテーブルが格納されており、
前記画像形成装置は、該特定装置によって特定された感光体に対応する前記電位分布に応じて、前記感光体に潜像を形成する際の電位を前記感光体の領域ごとに制御する、請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記電位分布は、前記感光体を一様に帯電させたときの電位分布と、前記感光体を一様に帯電させた後に一様に露光したときの電位分布と、の少なくとも一方の電位分布である、請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記感光体はアモルファスシリコンを含んでいる、請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記画像形成装置は、前記感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、帯電された前記感光体の表面を露光することで静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像にトナーを付着させて現像する現像器と、現像されたトナー像を記録材に転写する転写器と、をさらに有している、請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記情報格納装置が前記画像形成装置に内蔵されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記画像形成装置の外部に設置されたハードウェア装置と、
前記画像形成装置と前記ハードウェア装置とを通信可能にする通信ネットワークと、を有し、
前記情報格納装置が前記ハードウェア装置に内蔵されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記情報格納装置が記録媒体からなり、
前記画像形成装置は前記記録媒体の情報を読み込み可能に構成されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項14】
複数の感光体の各々と、該各感光体の表面に形成されている微小物の分布情報と、を対応づけたデータテーブルを予め作成しておき、
画像形成装置に感光体を設置した後、該感光体の表面に形成されている微小物の分布情報を測定し、
測定された前記分布情報を前記データテーブルと参照して、前記画像形成装置に設置された感光体を特定する、感光体の特定方法。
【請求項15】
前記分布情報は前記感光体の表面に形成されている微小物の座標情報である、請求項14に記載の感光体の特定方法。
【請求項16】
前記分布情報が、前記感光体の表面の画像が形成されない領域である非画像領域に存在する微小物の分布情報である、請求項13に記載の感光体の特定方法。
【請求項17】
前記分布情報は、5μm以上15μm以下の大きさを有する微小物の分布情報である、請求項1または2に記載の感光体の特定方法。
【請求項18】
感光体を帯電、露光、現像して、該感光体の表面に画像を形成した後に、該画像を記録材に転写する画像形成方法であって、
複数の感光体の各々と、感光体の表面に形成されている微小物の分布情報と、該各感光体の電位分布と、を対応づけたデータテーブル、を予め作成しておき、
請求項14から17のいずれか1項に記載の感光体の特定方法を用いて、前記画像形成装置に設置された感光体を特定し、
特定された感光体に対応する前記電位分布を前記データテーブルから取得し、
前記データテーブルから取得した前記電位分布に基づいて、前記画像形成装置に設置された感光体に潜像を形成する際の電位を該感光体の領域ごとに制御する、画像形成方法。
【請求項19】
前記電位分布は、前記感光体を一様に帯電させたときの電位分布と、前記感光体を一様に帯電させた後に一様に露光したときの電位分布と、の少なくとも一方の電位分布である、請求項18に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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