説明

画像形成システム、情報処理装置、画像形成装置、およびコンピュータープログラム

【課題】 印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての付加情報を簡単に提供できるようにする。
【解決手段】 ホスト装置3は、(a)基本原稿とその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから拡張現実用付加情報を特定し、(b)その拡張現実用付加情報に対応するARタグを生成し、(c)そのARタグに関連付けてその拡張現実用付加情報をサーバー装置4に登録し、(d)ARタグを付加した基本原稿を画像形成装置1に印刷させる。そして、携帯端末装置5は、(e)そのARタグ付きの基本原稿の画像を撮像し、(f)撮像した画像からARタグを抽出し、(g)そのARタグに関連付けられている拡張現実用付加情報をサーバー装置4から取得し、(h)その拡張現実用付加情報を、撮像した画像に重畳させて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、情報処理装置、画像形成装置、およびコンピュータープログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル複合機にマーカーを設置しておき、携帯電話機で、そのマーカーを撮像すると、携帯電話機が、サーバーから、そのデジタル複合機のヘルプ情報を取得して表示するシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−219879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の技術では、予め、上述のデジタル複合機のような機器にマーカーを設置しておくことで、その機器の付加情報を得ることができるものの、印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての付加情報を簡単に提供することは困難である。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての付加情報を簡単に提供することができる画像形成システム、並びに、そのシステムで使用可能な情報処理装置、画像形成装置、およびコンピュータープログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0007】
本発明に係る画像形成システムは、画像形成装置と、画像形成装置へ画像出力要求を送信する情報処理装置と、サーバーと、携帯端末装置とを備える。情報処理装置は、(a)基本原稿とその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから拡張現実用付加情報を特定し、(b)その拡張現実用付加情報に対応するタグを生成し、(c)そのタグに関連付けて拡張現実用付加情報をサーバーに登録し、(d)そのタグを付加した基本原稿の画像出力要求を画像形成装置へ送信する。画像形成装置は、その画像出力要求に従って、タグを付加した基本原稿の画像を出力する。そして、携帯端末装置は、(e)画像形成装置により出力された、タグを付加した基本原稿の画像を撮像し、(f)撮像した画像からタグを抽出し、(g)そのタグに関連付けられている拡張現実用付加情報をサーバーから取得し、(h)その拡張現実用付加情報を、撮像した画像に重畳させて表示する。
【0008】
これにより、印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての任意の付加情報を簡単に提供することができる。
【0009】
本発明に係る画像形成システムは、画像形成装置と、サーバーと、携帯端末装置とを備える。画像形成装置は、(a)基本原稿と基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから拡張現実用付加情報を特定し、(b)その拡張現実用付加情報に対応するタグを生成し、(c)そのタグに関連付けて拡張現実用付加情報をサーバーに登録し、(d)タグを付加した基本原稿の画像を出力する。そして、携帯端末装置は、(e)画像形成装置により出力された、タグを付加した基本原稿の画像を撮像し、(f)撮像した画像からタグを抽出し、(g)そのタグを関連付けられている拡張現実用付加情報をサーバーから取得し、(h)その拡張現実用付加情報を、撮像した画像に重畳させて表示する。
【0010】
これにより、印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての任意の付加情報を簡単に提供することができる。
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、画像形成装置およびサーバーと通信可能な通信装置と、基本原稿とその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから拡張現実用付加情報を特定し、その拡張現実用付加情報に対応するタグを生成し、そのタグに関連付けて拡張現実用付加情報を、通信装置を使用してサーバーに登録し、そのタグを付加した基本原稿の画像出力要求を、通信装置を使用して画像形成装置へ送信する付加情報処理部とを備える。
【0012】
これにより、携帯端末装置などを使用して、画像形成装置により出力された原稿画像を撮像し、原稿画像内のタグに関連付けられている拡張現実用付加情報をサーバーから取得し、その拡張現実用付加情報の画像を撮像画像に重畳させることができる。したがって、印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての任意の付加情報を簡単に提供することができる。
【0013】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記の情報処理装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、付加情報処理部は、基本原稿とその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから、基本原稿内での拡張現実用付加情報の位置を特定し、タグに関連付けて拡張現実用付加情報および拡張現実用付加情報の位置情報をサーバーに登録する。
【0014】
これにより、拡張現実用付加情報の画像を撮像画像に重畳させる位置を、印刷物などの原稿を提供するユーザーが指定することができる。
【0015】
本発明に係る画像形成装置は、画像出力部と、基本原稿とその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから拡張現実用付加情報を生成し、その拡張現実用付加情報に対応するタグを生成し、そのタグに関連付けて拡張現実用付加情報をサーバーに登録し、そのタグを付加した基本原稿の画像を画像出力部に出力させる付加情報処理部とを備える。
【0016】
これにより、携帯端末装置などを使用して、画像出力部により出力された原稿画像を撮像し、原稿画像内のタグに関連付けられている拡張現実用付加情報をサーバーから取得し、その拡張現実用付加情報の画像を撮像画像に重畳させることができる。したがって、印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての任意の付加情報を簡単に提供することができる。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、付加情報処理部は、基本原稿とその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから、基本原稿内での拡張現実用付加情報の位置を特定し、タグに関連付けて拡張現実用付加情報および拡張現実用付加情報の位置情報をサーバーに登録する。
【0018】
これにより、拡張現実用付加情報の画像を撮像画像に重畳させる位置を、印刷物などの原稿を提供するユーザーが指定することができる。
【0019】
本発明に係るコンピュータープログラムは、コンピューターに、基本原稿とその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから拡張現実用付加情報を特定するステップと、その拡張現実用付加情報に対応するタグを生成するステップと、そのタグに関連付けて拡張現実用付加情報をサーバーに登録するステップと、そのタグを付加した基本原稿の画像を出力させるステップとを実行させる。
【0020】
これにより、携帯端末装置などを使用して、このコンピュータープログラムに従って出力された原稿画像を撮像し、原稿画像内のタグに関連付けられている拡張現実用付加情報をサーバーから取得し、その拡張現実用付加情報の画像を撮像画像に重畳させることができる。したがって、印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての任意の付加情報を簡単に提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての付加情報を簡単に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1におけるホスト装置のドライバーの動作を説明するフローチャートである。
【図3】図3は、基本原稿、およびその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿の一例を示す図である。
【図4】図4は、タグを付加された基本原稿の印刷物の一例を示す図である。
【図5】図5は、図1における携帯端末装置の動作を説明するフローチャートである。
【図6】図6は、図4に示す基本原稿を撮像した場合に表示される、基本原稿の画像と拡張現実用付加情報の画像の一例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
実施の形態1.
【0025】
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。図1に示すシステムでは、画像形成装置1がネットワーク2に接続されており、そのネットワーク2に、ホスト装置3およびサーバー装置4が接続されており、さらに、携帯端末装置5が、そのネットワーク2に接続可能となっている。
【0026】
画像形成装置1は、プリンター、複合機などといった、印刷などの画像出力機能を有する装置である。画像形成装置1は、通信装置11、画像出力部12、および制御部13を有する。通信装置11は、ネットワーク2を介して、ネットワーク2に接続されている他の装置とのデータ通信を行うネットワークインターフェイスである。通信装置11は、例えば、ホスト装置3からの画像出力要求を受信する。画像出力部12は、画像出力要求に従って原稿画像を出力する。この実施の形態1では、画像出力要求は、例えばページ記述言語で記述された印刷データであり、画像出力部12は、画像出力要求に従って原稿画像を印刷する。制御部13は、通信装置11により受信された画像出力要求に対して画像処理などを行い、画像処理により得られる画像データを画像出力部12に供給して、原稿画像の印刷を実行させる。なお、制御部13は、コンピューターやASIC(Application Specific Integrated Circuit)で実現される。
【0027】
ネットワーク2は、LAN(Local Area Network)および/またはWAN(Wide Area Network)を含む。
【0028】
また、ホスト装置3は、ユーザーが操作するパーソナルコンピューターなどの端末装置であって、画像形成装置1へ原稿の画像出力要求を送信するとともに、その原稿に拡張現実(AR:Augmented Reality)用付加情報を付加する。ホスト装置3は、通信装置21、記憶装置22、および演算処理装置23を有する。通信装置21は、ネットワーク2を介して、ネットワーク2に接続されている他の装置(画像形成装置1、サーバー装置4など)とのデータ通信を行うネットワークインターフェイスである。通信装置21は、例えば、画像形成装置1へ画像出力要求を送信する。記憶装置22は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置であって、演算処理装置23により実行されるプログラムやデータなどを記憶している。例えば、記憶装置22は、ドライバープログラム31を記憶している。演算処理装置23は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターであって、ROMや記憶装置22からプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することで、各種処理部を実現する。ドライバープログラム31が実行されることで、ドライバー32が実現され、図示せぬアプリケーションプログラムが実行されることで、アプリケーション33が実現される。
【0029】
ドライバー32は、基本原稿とその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから拡張現実用付加情報の画像データを生成し、拡張現実用付加情報の画像データに対応するAR(Augmented Reality)タグを生成する。また、ドライバー32は、通信装置21を使用して、そのARタグに関連付けて拡張現実用付加情報の画像データをサーバー装置4に登録するとともに、ARタグを付加した基本原稿の画像出力要求を画像形成装置1へ送信する。
【0030】
なお、拡張現実用付加情報の画像データを登録するために、ドライバー32は、登録要求とともに、ARタグ(タグ画像)から得られるそのARタグ固有の識別子(以下、タグ識別子という)とその画像データとをサーバー装置4に送信する。なお、タグ識別子は、タグ画像の特徴量、タグ画像を所定の方式でデコードして得られる値などである。
【0031】
アプリケーション33は、オフィスアプリケーションなどといったソフトウェアであって、各種原稿を作成する。アプリケーション33は、基本原稿の原稿データ、および拡張現実用付加情報を付加した原稿の原稿データを生成する。この実施の形態では、アプリケーション33は通常のアプリケーションであるので、ユーザーは、アプリケーション33で、まず、基本原稿を作成し、その基本原稿の原稿データファイルを記憶装置22に保存し、その後、その基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿を作成し、その原稿の原稿データファイルを記憶装置22に保存する。ドライバー32は、基本原稿の原稿データと拡張現実用付加情報を付加した原稿の原稿データとの差分から、拡張現実用付加情報の画像データを生成する。
【0032】
また、サーバー装置4は、ホスト装置3で生成された拡張現実用付加情報の画像データを管理する。サーバー装置4は、通信装置41、記憶装置42、および制御部43を有する。通信装置41は、ネットワーク2を介して、ネットワーク2に接続されている他の装置(ホスト装置3、携帯端末装置5など)とのデータ通信を行うネットワークインターフェイスである。記憶装置42は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置であって、拡張現実用付加情報の画像データの保存に使用される。制御部43は、通信装置41を使用して、タグ識別子と、そのARタグに対応する拡張現実用付加情報の画像データとを受信し、そのタグ識別子とその画像データとを関連付けて記憶装置42に記憶する。また、制御部43は、通信装置41を使用して、拡張現実用付加情報の画像データの送信要求を携帯端末装置5から受け付けると、その送信要求で指定されたタグ識別子に関連付けられている画像データを記憶装置42から読み出して、応答として送信する。
【0033】
携帯端末装置5は、撮像機能および画像表示機能を有する携帯可能な装置である。携帯端末装置5は、例えば所定のソフトウェアがインストールされたスマートフォンである。携帯端末装置5は、通信装置51、撮像装置52、表示装置53、および制御部54を有する。通信装置51は、ネットワーク2を介して、ネットワーク2に接続されている他の装置(サーバー装置4など)との無線データ通信を行う。通信装置51は、例えば、無線LANインターフェイスや、データ通信可能な携帯電話機のベースバンド部分である。撮像装置52は、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を有し、撮像した動画像の画像データをリアルタイムで出力する。表示装置53は、液晶ディスプレイなどであって、各種画像を表示する。制御部54は、図示せぬ操作部に対するユーザー操作に従って、(a)画像形成装置1により出力された、ARタグを付加した基本原稿の画像を撮像装置52に撮像させ、(b)撮像装置52により撮像された画像からARタグを抽出し、(c)そのARタグに関連付けられている拡張現実用付加情報の画像データをサーバー装置4から取得し、(d)その画像データによる拡張現実用付加情報の画像を、撮像された画像に重畳させて表示装置53に表示させる。
【0034】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。
【0035】
実施の形態1における、拡張現実用付加情報の登録処理と、拡張現実用付加情報の反映処理について説明する。
【0036】
(1)拡張現実用付加情報の登録処理
【0037】
図2は、図1におけるホスト装置3のドライバー32の動作を説明するフローチャートである。
【0038】
ユーザーは、アプリケーション33で、基本原稿の原稿データファイル、およびその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿の原稿データファイルを作成する。
【0039】
また、ホスト装置3において、図示せぬ操作部に対するユーザー操作があるとドライバー32が起動する。
【0040】
ドライバー32は、図示せぬ操作部に対するユーザー操作に従って、基本原稿の原稿データファイル、およびその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿の原稿データファイルを特定する(ステップS1,S2)。
【0041】
図3は、基本原稿、およびその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿の一例を示す図である。図3(A)は、基本原稿の一例を示す図である。図3(B)は、図3(A)に示す基本原稿に拡張現実用付加情報101,102を付加した原稿の一例を示す図である。拡張現実用付加情報101は、原稿内の語句「過去機種」に対応する付加情報であって、「過去機種」の機種リストであり、拡張現実用付加情報102は、原稿内の語句「本社」に対応する付加情報であって、本社周辺の地図である。
【0042】
次に、ドライバー32は、それらの原稿データファイルから、基本原稿の画像、およびその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿の画像を生成し、それらの画像の差分から、拡張現実用付加情報の画像データを生成する(ステップS3)。例えば、図3(B)における拡張現実用付加情報101,102の画像データ(JPEG(Joint Photographic Experts Group)データなど)が生成される。このとき、ドライバー32は、さらに、原稿画像内での各拡張現実用付加情報の位置を特定する。
【0043】
また、ドライバー32は、その拡張現実用付加情報の画像データに対応するARタグ(タグ画像)を生成し(ステップS4)、通信装置21を使用して、そのARタグのタグ識別子と拡張現実用付加情報の画像データおよびその位置情報とを登録要求とともに、ネットワーク2を介してサーバー装置4へ送信する(ステップS5)。サーバー装置4では、通信装置41によりその登録要求などが受信されると、制御部43は、そのタグ識別子に関連付けて拡張現実用付加情報の画像データおよびその位置情報を記憶装置42に記憶する。
【0044】
また、ドライバー32は、基本原稿にARタグ(タグ画像)を付加し、ARタグ(タグ画像)を付加した基本原稿の印刷データを生成し、画像出力要求として、通信装置21を使用して、ネットワーク2を介して画像形成装置1に送信する(ステップS6)。画像形成装置1では、通信装置11によりその画像出力要求が受信されると、制御部13は、その画像出力要求から印刷用の画像データを生成し、画像出力部12に供給し、その原稿の画像を印刷させる。図4は、ARタグを付加された基本原稿の印刷物の一例を示す図である。図4に示す印刷物では、図3(A)に示す基本原稿にARタグ121が付加されている。
【0045】
このようにして、拡張現実用付加情報の画像データがサーバー装置4に登録されるとともに、拡張現実用付加情報が存在することを示すARタグが原稿に付加されて印刷される。
【0046】
(2)拡張現実用付加情報の反映処理
【0047】
図5は、図1における携帯端末装置5の動作を説明するフローチャートである。
【0048】
そして、あるユーザーが携帯端末装置5を使用して上述のARタグ付きの印刷物を撮像する。携帯端末装置5では、制御部54は、撮像装置52から出力される印刷物の画像データを取得し(ステップS11)、その画像に基づき、撮像した動画像をリアルタイムで表示装置53に表示させる。また、制御部54は、その撮像した画像内でARタグの画像を検索する。
【0049】
制御部54は、ARタグの画像を検出すると(ステップS12)、通信装置51を使用して、そのARタグに対応する拡張現実用付加情報の画像データの送信要求を、そのARタグのタグ識別子とともに、サーバー装置4へ送信する(ステップS13)。サーバー装置4では、通信装置41によりその送信要求などが受信されると、制御部43は、そのタグ識別子に関連付けられている画像データおよび位置情報を記憶装置42から読み出し、通信装置41を使用して、その送信要求の応答として送信する。携帯端末装置5の制御部54は、通信装置51を使用して、その画像データおよび位置情報を受信する。そして、制御部54は、撮像画像内で原稿画像を特定し、その位置情報により指定された原稿画像内での位置に、その画像データによる画像を重畳させて表示装置53に表示させる(ステップS14)。
【0050】
図6は、図4に示す基本原稿を撮像した場合に表示される、基本原稿の画像と拡張現実用付加情報の画像の一例を示す図である。図6に示すように、付加情報の画像131,132が、撮像画像上に表示される。
【0051】
以上のように、上記実施の形態1によれば、ホスト装置3は、(a)基本原稿とその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから拡張現実用付加情報の画像データを生成し、(b)拡張現実用付加情報の画像データに対応するARタグを生成し、(c)ARタグに関連付けて拡張現実用付加情報の画像データをサーバー装置4に登録し、(d)ARタグを付加した基本原稿の画像出力要求を画像形成装置1へ送信する。画像形成装置1は、その画像出力要求に従って、ARタグを付加した基本原稿を印刷する。そして、携帯端末装置5は、(e)画像形成装置1により出力された、ARタグを付加した基本原稿の画像を撮像し、(f)撮像した画像からARタグを抽出し、(g)そのARタグに関連付けられている拡張現実用付加情報の画像データをサーバー装置4から取得し、(h)AR技術で、拡張現実用付加情報の画像データによる拡張現実用付加情報を、撮像した画像に重畳させて表示する。
【0052】
これにより、印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての任意の付加情報を簡単に提供することができる。
【0053】
実施の形態2.
【0054】
本発明の実施の形態2に係る画像形成システムでは、画像形成装置が、拡張現実用付加情報の画像データの登録要求をサーバーへ送信する。
【0055】
図7は、本発明の実施の形態2に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。図7に示すシステムにおいて、画像形成装置201は、コピー機、複合機などといった装置であって、通信装置211、画像出力部212、画像読取部213、記憶装置214、および制御部215を有する。
【0056】
通信装置211および画像出力部212は、図1における通信装置11および画像出力部12と同様のものである。
【0057】
画像読取部213は、原稿の画像を光学的に読み取り画像データとして出力する。
【0058】
記憶装置214は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置であって、プログラムやデータなどを記憶している。
【0059】
制御部215は、CPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターであって、ROMや記憶装置214からプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することで、各種処理を行う。例えば、制御部215は、画像読取部213を制御して、原稿画像の読取を実行させたり、画像データに対して画像処理などを行い、画像処理により得られる画像データを画像出力部212に供給して、原稿画像の印刷を実行させたりする。
【0060】
また、制御部215は、プログラム221を実行することで、AR処理部222を実現する。AR処理部222は、実施の形態1のドライバー32と同様の機能を有する。つまり、AR処理部222は、(a)基本原稿とその基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから拡張現実用付加情報の画像データを生成し、(b)拡張現実用付加情報の画像データに対応するARタグを生成し、(c)ARタグに関連付けて拡張現実用付加情報の画像データをサーバーに登録し、(d)ARタグを付加した基本原稿の画像を画像出力部212に印刷させる。
【0061】
なお、図7において、ネットワーク2、サーバー装置4および携帯端末装置5は、実施の形態1(図1)のものと同様であるので、その説明を省略する。
【0062】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。
【0063】
実施の形態2における、拡張現実用付加情報の登録処理について説明する。なお、実施の形態2における、拡張現実用付加情報の反映処理は、実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0064】
(1)拡張現実用付加情報の登録処理
【0065】
実施の形態2では、基本原稿と、基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とが予め印刷物として作成されており、画像読取部213により、それらの原稿の画像が読み取られて、それらの原稿の画像データが記憶装置214に保存される。
【0066】
そして、AR処理部222は、それらの原稿の画像データに基づいて、それらの原稿画像の差分から、拡張現実用付加情報の画像データを生成する。このとき、AR処理部222は、さらに、原稿画像内での各拡張現実用付加情報の位置を特定する。
【0067】
また、AR処理部222は、その拡張現実用付加情報の画像データに対応するARタグ(タグ画像)を生成し、通信装置211を使用して、そのARタグのタグ識別子と拡張現実用付加情報の画像データおよびその位置情報とを登録要求とともに、ネットワーク2を介してサーバー装置4へ送信する。
【0068】
また、AR処理部222は、基本原稿にARタグ(タグ画像)を付加し、ARタグ(タグ画像)を付加した基本原稿の画像データを生成する。そして、制御部215は、その画像データに基づき、画像出力部212に、その原稿の画像を印刷させる。
【0069】
このようにして、拡張現実用付加情報の画像データがサーバー装置4に登録されるとともに、拡張現実用付加情報が存在することを示すARタグが原稿に付加されて印刷される。
【0070】
以上のように、上記実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、画像形成装置201は、(a)基本原稿と基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから拡張現実用付加情報の画像データを生成し、(b)拡張現実用付加情報の画像データに対応するARタグを生成し、(c)ARタグに関連付けて拡張現実用付加情報の画像データをサーバー装置4に登録し、(d)ARタグを付加した基本原稿の画像を出力する。そして、携帯端末装置5は、実施の形態1の場合と同様に、(e)画像形成装置により出力された、ARタグを付加した基本原稿の画像を撮像し、(f)撮像した画像からARタグを抽出し、(g)そのARタグを関連付けられている拡張現実用付加情報の画像データをサーバー装置4から取得し、(h)AR技術で、拡張現実用付加情報の画像データによる拡張現実用付加情報を、撮像した画像に重畳させて表示する。
【0071】
これにより、印刷物などの原稿を提供するユーザーが、その原稿を見た者に、その原稿についての任意の付加情報を簡単に提供することができる。
【0072】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0073】
例えば、上記の各実施の形態では、拡張現実用付加情報の画像データをサーバー装置4に登録しているが、画像形成装置1,201内に同様のサーバーを設け、画像形成装置1,201内に登録するようにしてもよい。
【0074】
また、上記の各実施の形態において、ドライバー32またはAR処理部222は、拡張現実用付加情報の画像データの保管期間または保管期限の設定値を、登録要求とともに送信し、サーバー装置4の制御部43は、その設定値を画像データとともに記憶装置42に記憶し、その設定値による期限となったら、その画像データおよびその画像データに関連付けられている情報を削除するようにしてもよい。なお、記憶装置42に存在しない画像データについての送信要求が受信された場合、制御部43は、その送信要求を拒否する。
【0075】
また、上記の各実施の形態において、サーバー装置4の制御部43は、1つの拡張現実用付加情報の画像データのダウンロード回数がダウンロード回数の上限値に到達すると、その画像データについての送信要求を拒否するようにしてもよい。その場合、その画像データは削除されるようにしてもよい。また、その場合、ドライバー32またはAR処理部222は、拡張現実用付加情報の画像データのダウンロード回数の上限値を登録要求とともに送信して、指定するようにしてもよい。
【0076】
また、上記の各実施の形態において、アプリケーション33は、基本原稿の原稿データを1つのレイヤーとし、および拡張現実用付加情報を付加した原稿の原稿データを別のレイヤーとして、それらのデータを1つのデータファイルとして生成するようにしてもよい。その場合、ドライバー32は、基本原稿の原稿データと拡張現実用付加情報を付加した原稿の原稿データとを、その1つのデータファイルから得る。
【0077】
また、上記の実施の形態1,2におけるプログラム31,221は、CD−ROMなどの可搬性のある記録媒体に記録して配布することも可能性である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、例えば、印刷システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
1,201 画像形成装置
3 ホスト装置(情報処理装置の一例)
4 サーバー装置(サーバーの一例)
5 携帯端末装置
21 通信装置
23 演算処理装置(コンピューターの一例)
31 ドライバープログラム(コンピュータープログラムの一例)
32 ドライバー(付加情報処理部の一例)
101,102 拡張現実用付加情報
121 ARタグ(タグの一例)
212 画像出力部
215 制御部(コンピューターの一例)
221 プログラム(コンピュータープログラムの一例)
222 AR処理部(付加情報処理部の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、
前記画像形成装置へ画像出力要求を送信する情報処理装置と、
サーバーと、
携帯端末装置とを備え、
前記情報処理装置は、
基本原稿と前記基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから前記拡張現実用付加情報を特定し、
前記拡張現実用付加情報に対応するタグを生成し、
前記タグに関連付けて前記拡張現実用付加情報を前記サーバーに登録し、
前記タグを付加した前記基本原稿の画像出力要求を前記画像形成装置へ送信し、
前記画像形成装置は、前記画像出力要求に従って、前記タグを付加した前記基本原稿の画像を出力し、
前記携帯端末装置は、前記画像形成装置により出力された、前記タグを付加した基本原稿の画像を撮像し、撮像した前記画像から前記タグを抽出し、前記タグに関連付けられている前記拡張現実用付加情報を前記サーバーから取得し、前記拡張現実用付加情報を、撮像した前記画像に重畳させて表示すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
画像形成装置と、
サーバーと、
携帯端末装置とを備え、
前記画像形成装置は、
基本原稿と前記基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから前記拡張現実用付加情報を特定し、
前記拡張現実用付加情報に対応するタグを生成し、
前記タグに関連付けて前記拡張現実用付加情報を前記サーバーに登録し、
前記タグを付加した前記基本原稿の画像を出力し、
前記携帯端末装置は、前記画像形成装置により出力された、前記タグを付加した基本原稿の画像を撮像し、撮像した前記画像から前記タグを抽出し、前記タグを関連付けられている前記拡張現実用付加情報を前記サーバーから取得し、前記拡張現実用付加情報を、撮像した前記画像に重畳させて表示すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
画像形成装置へ画像出力要求を送信する情報処理装置において、
前記画像形成装置およびサーバーと通信可能な通信装置と、
基本原稿と前記基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから前記拡張現実用付加情報を特定し、前記拡張現実用付加情報に対応するタグを生成し、前記タグに関連付けて前記拡張現実用付加情報を、前記通信装置を使用して前記サーバーに登録し、前記タグを付加した前記基本原稿の画像出力要求を、前記通信装置を使用して前記画像形成装置へ送信する付加情報処理部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
前記付加情報処理部は、前記基本原稿と前記基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから、前記基本原稿内での前記拡張現実用付加情報の位置を特定し、前記タグに関連付けて前記拡張現実用付加情報および前記拡張現実用付加情報の位置情報を前記サーバーに登録することを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
画像出力部と、
基本原稿と前記基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから前記拡張現実用付加情報を特定し、前記拡張現実用付加情報に対応するタグを生成し、前記タグに関連付けて前記拡張現実用付加情報をサーバーに登録し、前記タグを付加した前記基本原稿の画像を前記画像出力部に出力させる付加情報処理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記付加情報処理部は、前記基本原稿と前記基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから、前記基本原稿内での前記拡張現実用付加情報の位置を特定し、前記タグに関連付けて前記拡張現実用付加情報および前記拡張現実用付加情報の位置情報を前記サーバーに登録することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項7】
コンピューターに、
基本原稿と前記基本原稿に拡張現実用付加情報を付加した原稿とから前記拡張現実用付加情報を特定するステップと、
前記拡張現実用付加情報に対応するタグを生成するステップと、
前記タグに関連付けて前記拡張現実用付加情報をサーバーに登録するステップと、
前記タグを付加した前記基本原稿の画像を出力させるステップと、
を実行させるコンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−26922(P2013−26922A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161272(P2011−161272)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】