画像形成システム
【課題】用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させること。
【解決手段】CPU401は、定着センサ18により当該紙の先端が検知されると(S82 YES)、先行紙の先端が定着センサ18により検知されてからINセンサ75により検知されるまでの時間に基づいて、切り替え爪61を当該紙の排出が可能な位置に切り替えるTONを算出し(S85,S86)、算出したTONで切り替え爪61を切り替え(S87)、定着センサ18により当該紙の後端が検知されると(S88 YES)、先行紙の後端が定着センサ18により検知されてからINセンサ75により検知されるまでの時間に基づいて、切り替え爪61を当該紙の排出が不可能な位置に切り替えるTOFFを算出し(S91,S92)、算出したTOFFで切り替え爪61を切り替える(S93)。
【解決手段】CPU401は、定着センサ18により当該紙の先端が検知されると(S82 YES)、先行紙の先端が定着センサ18により検知されてからINセンサ75により検知されるまでの時間に基づいて、切り替え爪61を当該紙の排出が可能な位置に切り替えるTONを算出し(S85,S86)、算出したTONで切り替え爪61を切り替え(S87)、定着センサ18により当該紙の後端が検知されると(S88 YES)、先行紙の後端が定着センサ18により検知されてからINセンサ75により検知されるまでの時間に基づいて、切り替え爪61を当該紙の排出が不可能な位置に切り替えるTOFFを算出し(S91,S92)、算出したTOFFで切り替え爪61を切り替える(S93)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置と画像形成装置が接続された画像形成システムの排出先トレイの切り替え制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の用紙排出装置では、用紙分岐部を配置して3方向に用紙を分岐させるため、分岐爪による用紙の行き先変更が実施されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−315668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、分岐爪の動作タイミングの規定がない。従って、画像形成装置において、画像形成された用紙の搬送される間隔(紙間)が短くなると、紙間時間のばらつきにより分岐爪が切り替わる前に用紙が突入し、ジャム(紙詰まり)が発生する場合があった。また、分岐爪の切り替わりよりも用紙の通過が遅い場合には、用紙の後端と分岐爪がぶつかり、用紙上に形成された画像に影響を与える場合があった。
【0005】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
【0007】
(1)用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、排出された用紙を積載する複数の積載部と、前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、前記用紙に先行して搬送された先行紙の先端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が可能な位置に切り替える第一タイミングを算出する算出手段と、を備え、前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の先端が検知されると、前記算出手段により算出された第一タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【0008】
(2)用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、排出された用紙を積載する複数の積載部と、前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、用紙に先行して搬送された先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が不可能な位置に切り替える第二タイミングを算出する算出手段と、を備え、前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の後端が検知されると、前記算出手段により算出された第二タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【0009】
(3)用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、排出された用紙を積載する複数の積載部と、前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、用紙に先行して搬送された先行紙の先端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が可能な位置に切り替える第一タイミングと、前記先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が不可能な位置に切り替える第二タイミングと、を算出する算出手段と、を備え、前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の先端が検知されると、前記算出手段により算出された第一タイミングで前記切り替え手段を切り替え、前記第一検知手段により用紙の後端が検知されると、前記算出手段により算出された第二タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1〜4の後処理装置と画像形成装置の構成を説明する図
【図2】実施例1〜4の後処理装置と画像形成装置の構成を説明する図
【図3】実施例1〜4の後処理装置に搭載されたCPUの接続図
【図4】実施例1〜4のタスク起動フローチャート
【図5】実施例1〜4の後処理装置における各タスクの制御を説明するフローチャート
【図6】実施例1の後処理装置における搬送タスクの制御を説明するフローチャート
【図7】実施例1の後処理装置におけるソレノイドオンタスク、ソレノイドオフタスクの制御を説明するフローチャート
【図8】実施例2の後処理装置における搬送タスクの制御を説明するフローチャート
【図9】実施例2の後処理装置におけるソレノイドオンタイミングの説明図
【図10】実施例2の後処理装置におけるソレノイドオフタイミングの説明図
【図11】その他の実施例の後処理装置と画像形成装置の構成を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を実施するための形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0013】
[後処理装置と画像形成装置の構成]
図1は実施例1の画像形成システムの構成図であり、後処理装置40の構成と、画像形成装置1の上部(後段)に接続された後処理装置40の構成を示している。画像形成装置1は、図1に示す装置を備え、以下のように画像形成を実施している。
【0014】
カセット2、5、9、20、23は用紙を保持し、ピックアップローラ3、6、10、21、24によりカセット2、5、9、20、23に保持されている用紙は給紙される。ピックアップローラ3、6、10、21、24により給紙された用紙は、重送を防止するためのフィーリタードローラ4、7、11、22、25により1枚のみが搬送路上に搬送され、給紙された用紙の給紙状態を監視する給紙センサ8を通過する。給紙センサ8を通過した用紙は、レジストローラ13で一旦停止されて用紙の斜行が矯正され、所定のタイミングで駆動を開始したレジストローラ13により搬送が再開されて、画像を書き始めるタイミングを決定するTOPセンサ14を通過する。レーザースキャナユニット34は、TOPセンサ14からの信号のタイミングに応じて動作し、形成を行う画像の画像信号に基づいてレーザーを照射する。現像カートリッジ35は、レーザースキャナユニット34から照射されたレーザーにより感光ドラム上(像担持体上)に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像を形成する。形成された可視像は搬送された用紙に転写され、トナー像が用紙に形成される。トナー像が転写された用紙は、定着器28(定着手段)に搬送され、トナー像は定着器28により用紙に定着される。
【0015】
定着器28は、定着器28を用紙が通過したことを検知する定着センサ18(第一検知手段)を有している。用紙の先端が定着センサ18を通過したときに、画像形成装置1は、用紙の先端が定着センサ18を通過した時間を後処理装置40に通知している。また、画像形成装置1は、前に定着器28に搬送された用紙(以下、先行紙)の後端が定着センサ18を通過してから先行紙の次に定着器28に搬送された用紙(以下、当該紙)の先端が定着センサ18を通過するまでの時間を例えば不図示のタイマーで計測している。そして、先行紙の後端が定着センサ18を通過してから当該紙の先端が定着センサ18を通過するまでの時間を計測することにより画像形成装置1は、画像形成装置1内の紙間時間を得ている。そして、画像形成装置1は、計測された画像形成装置1内の紙間時間を後処理装置40に通知している。また、用紙の後端が定着センサ18を通過したときに、画像形成装置1は、用紙の後端が定着センサ18を通過した時間を後処理装置40に通知している。定着センサ18を通過した用紙は、排紙ローラ15により後処理装置40に送られる。また、オペレーションパネル36が画像形成装置1を操作するために設けられている。
【0016】
また、本実施例の後処理装置40は、画像形成装置1の例えば上部に接続されている。後処理装置40は、用紙を垂直方向に搬送する搬送ローラ71〜73を備え、排紙ローラ15により搬送された用紙を搬送ローラ71で受け取っている。後処理装置40の受け取り口には、後処理装置40に用紙が搬送されたことを検知するINセンサ75(第二検知手段)がある。INセンサ75は、後処理装置40に搬送される用紙の先端通過時間、後端通過時間、先行紙の後端通過から当該紙の先端通過までの紙間時間を得るために用いられる。後処理装置40は、排出すべきトレイ番号に従って用紙の排出先を切り替える為に、排出するトレイ番号に対応した切り替え爪61〜67(切り替え手段)を動作させ、排出ローラ51〜58により用紙を複数の積載トレイ41〜48(用紙積載部)に排出している。また、搬送モータ76は、搬送ローラ71〜73を回転させるモータである。また、満載/紙無しフラグ81〜88は、積載トレイ41〜48に用紙が排出されることで動作し、積載トレイ41〜48における用紙の満載状態と紙無し状態を判断するために用いられる。
【0017】
尚、後処理装置40は、画像形成装置1の上部に接続される構成に限られない。例えば図2のように、後処理装置191が画像形成装置1の側部に接続される構成でもよい。ここで、図2において、図1と同じ又は相当する構成には同じ符号を付しており、説明は省略する。
【0018】
[後処理装置内の制御系]
図3は、本実施例の後処理装置40に搭載されたCPU401(算出手段、制御手段)の接続図である。制御基板400上にCPU401は実装され、CPU401は、コミュニケーションインターフェイス420を介して画像形成装置1に接続されている。そして、CPU401はコミュニケーションインターフェイス420を介し排紙するトレイの指定情報、用紙先端が定着センサ18を通過した時間を示す先端通過時間、用紙後端が定着センサ18を通過した時間を示す後端通過時間を画像形成装置1から受信している。また、CPU401は、コミュニケーションインターフェイス420を介し先行紙の後端が定着センサ18を通過してから当該紙の先端が定着センサ18を通過するまでの時間(画像形成装置1内の紙間時間)を画像形成装置1から受信している。
【0019】
INセンサ75は、CPU401の入力ポートに接続され、接続された入力ポートはプルアップ(Pull−UPと図示)抵抗402を介し電源電圧レベル(Vcc)に接続されている。同様に、満載センサ91〜98及び紙無しセンサ101〜108もCPU401の入力ポートに接続され、入力ポートは夫々プルアップ抵抗491〜498及び501〜508を介し電源電圧レベル(Vcc)に接続されている。満載/紙無しフラグ81〜88は、積載トレイ41〜48上の用紙が満載になったときに満載センサ91〜98により検知され、また、積載トレイ41〜48上に用紙が無いときに紙無しセンサ101〜108により検知される。具体的には、用紙が積載トレイ41〜48に排出されると、用紙先端が満載/紙無しフラグ81〜88を動作させて、まず満載センサ91〜98により検知される。用紙が排出されている間は満載センサ91〜98により検知され続け、用紙後端が満載/紙無しフラグ81〜88を抜けると紙無しセンサ101〜108により検知される。このように、用紙が満載状態でない場合は、満載/紙無しフラグ81〜88は、所定のタイミングで満載センサ91〜98と紙無しセンサ101〜108により交互に検知されることとなる。そして、各センサからの情報に基づいてCPU401が、積載トレイ41〜48の満載状態と紙無し状態を判断している。例えば、満載/紙無しフラグ81〜88が常に満載センサ91〜98により検知されている状態は、積載トレイ41〜48上の用紙が満載となった状態である。モータドライバ405は、CPU401の出力ポートに接続され、CPU401が搬送モータ76の回転を制御している。
【0020】
ソレノイドドライバ411〜417の入力ポートは、CPU401の出力ポートに接続され、ソレノイドドライバ411〜417の出力ポートは、夫々切り替えソレノイド161〜167に接続されている。そして、CPU401は、切り替えソレノイド161〜167により切り替え爪61〜67の位置を制御している。切り替えソレノイド161〜167をオンした場合は、切り替え爪61〜67は指定された積載トレイへ排出される軌道(排出可能な位置)になるように切り替えられる。一方、切り替えソレノイド161〜167をオフした場合は、切り替え爪61〜67は切り替えソレノイド161〜167をオンした場合に切り替えられた位置から元の位置(排出不可能な位置)に戻すように切り替えられる。尚、コミュニケーションインターフェイス420には、例えば、RS232C、10Base−T等のどのような通信手段を用いても構わない。
【0021】
[制御用タスクの概要と起動方法]
図4から図7までのフローチャートは、搬送された用紙を積載トレイ41に排出する場合を想定して説明している。図1に示したように切り替え爪61は、INセンサ75に最も近くに配置されている。従って、INセンサ75において用紙の先端を検知してから切り替え爪61を動作させると、切り替え爪61の切り替え動作が完了する時間よりも用紙の先端が切り替え爪61に到着する時間の方が早く、ジャムが発生する。従って、切り替え爪61の切り替え動作が完了する時間を、用紙の先端が切り替え爪61に到着する時間に間に合わせるために、搬送された用紙の先端が画像形成装置1内の定着センサ18を通過する時間を基準に切り替え爪61を動作させる必要がある。後処理装置40の搬送速度は、用紙の撓みを防止するため、画像形成装置1の搬送速度より速くされることが一般的である。そのため、画像形成装置1と後処理装置40では、用紙の搬送速度が異なる。また、実際の用紙がどのような速度で搬送されるかは、用紙とローラとのスリップの状態で決定され、スリップの状態を計測しない限り、切り替え爪61の正確な動作タイミングは決定できない。尚、スリップの状態とは、ローラニップ部におけるローラの周速度と用紙の搬送速度が異なっている状態を示している。そこで、本実施例では、実際に用紙が搬送された搬送速度を計測し、計測された搬送速度から用紙の先端がINセンサ75に到着する時間と、用紙の後端がINセンサ75を通過する時間を推測している。そして、推測された時間に基づいて、切り替え爪61を動作させ、最適なタイミングでの切り替え爪61の制御を実現している。
【0022】
図4は、本実施例の後処理装置40におけるタスク起動フローチャートである。シーケンスをスタートすると、ステップ(以下、S)30で、CPU401は画像形成装置1から、用紙の排出指定を受信したかを判断する。S30で、CPU401が用紙の排出指定を受信していないと判断した場合は、S30の処理に戻る。S30で、CPU401が用紙の排出指定を受信したと判断した場合は、用紙を積載トレイ41〜48の中どの積載トレイに排出すべきかを指示されたので、S31の処理に進む。S31でCPU401は搬送タスクを起動し、S32で、紙間ずれ時間記憶タスクを起動し、S33で、先端所要時間記憶タスクを起動する。そして、S34で、CPU401は後端所要時間記憶タスクを起動し、S35で、後端通過時刻記憶タスクを起動し、シーケンスを終了する。尚、S31〜S35の処理では、タスクの起動処理のみを行い、起動処理の後は、各タスクは、画像形成動作中は夫々並列動作を行っている。タスク起動後の各タスクの処理の概要は以下の通りである。
【0023】
S31で起動した搬送タスクは、搬送モータ76の駆動、切り替えソレノイド161〜167の動作、INセンサ75によるジャム検知処理を行う。また、S32で起動した紙間ずれ時間記憶タスクは、画像形成装置1内の定着センサ18で検知された紙間時間と後処理装置40内のINセンサ75で検知された紙間時間のずれを算出する。そして、算出されたずれをNVRAM(不揮発性RAM)に記憶する。また、S33で起動した先端所要時間記憶タスクは、画像形成装置1内の定着センサ18で用紙の先端を検知してから後処理装置40内のINセンサ75で用紙の先端を検知するまでの先端所要時間を算出する。そして、算出された先端所要時間をNVRAMに記憶する。また、S34で起動した後端所要時間記憶タスクは、画像形成装置1内の定着センサ18で用紙の後端を検知してから後処理装置40内のINセンサ75で用紙の後端を検知するまでの後端所要時間を算出する。そして、算出された後端所要時間をNVRAMに記憶する。また、S35で起動した後端通過時刻記憶タスクは、INセンサ75で用紙後端を検知した時間をNVRAMに記憶する。そして、S35で検知された用紙後端の通過時間は、次に搬送される用紙(以下、後続紙)が後処理装置40に搬送され、INセンサ75により後続紙の用紙先端が検知された際に、後処理装置40内での紙間時間を算出するために使用される。
【0024】
尚、先端所要時間は、画像形成装置1における搬送速度が支配的であり、後端所要時間は、後処理装置40における搬送速度が支配的である。従って、画像形成装置1よりも後処理装置40の搬送速度の方が大きくしてあることから、後端所要時間は先端所要時間より短くなる。尚、S32で起動している紙間ずれ時間記憶タスクと、S35で起動している後端通過時刻記憶タスクは本実施例では用いられず実施例2〜4で用いられるタスクであるが、搬送状況を確認するためのタスクをまとめて説明した。
【0025】
[搬送状況認識用のタスク]
(紙間ずれ時間記憶タスク)
図5(a)は、紙間ずれ時間記憶タスクの制御を説明するフローチャートである。紙間ずれ時間記憶タスクをスタートすると、S40で、CPU401はコミュニケーションインターフェイス420による通信により、定着センサ18を用紙先端が通過し、画像形成装置1内の紙間時間を取得したか判断する。S40で、CPU401が定着センサ18を用紙先端が通過しておらず、画像形成装置1内での紙間時間を取得していないと判断した場合はS40の処理に戻る。S40で、CPU401が定着センサ18を用紙先端が通過し、画像形成装置1内の紙間時間を取得したと判断した場合は、S41で、CPU401は、INセンサ75に用紙の先端が到着したか判断する。S41で、CPU401がINセンサ75に用紙の先端が到着していないと判断した場合は、S41の処理へ戻る。S41で、CPU401がINセンサ75に用紙の先端が到着したと判断した場合は、S42の処理へ進む。S42で、CPU401は、先行紙の後端がINセンサ75を通過した時に後述する図5(d)のS72でスタートした紙間計測タイマーの値より、先行紙の後端通過時から当該紙の先端到着時までの紙間時間(後処理装置40内の紙間時間)を計測する。S43で、CPU401は、次のようにして差分を算出する。すなわち、S42の処理で計測した後処理装置40内での紙間時間と、S40の処理で画像形成装置1から通知された画像形成装置1内での紙間時間との差分を算出する(差分=(後処理装置40内での紙間時間)−(画像形成装置1内での紙間時間))。そして、CPU401は、算出した差分を紙間ずれ時間としてNVRAMに記憶し、紙間ずれ時間記憶タスクを終了する。
【0026】
(先端所要時間記憶タスク)
図5(b)は、先端所要時間記憶タスクの制御を説明するフローチャートである。先端所要時間記憶タスクをスタートすると、S50で、CPU401は、コミュニケーションインターフェイス420による通信により、定着センサ18を用紙先端が通過した時間を取得したか判断する。S50でCPU401が定着センサ18を用紙先端が通過した時間を取得していないと判断した場合はS50の処理に戻る。S50で、CPU401が定着センサ18を用紙先端が通過した時間を取得したと判断した場合は、S51で、所要時間計測用のタイマーをスタートさせる。S52で、CPU401は、INセンサ75に用紙先端が到着したか判断する。S52で、CPU401がINセンサ75に用紙先端が到着していないと判断した場合は、S52の処理へ戻る。S52で、CPU401がINセンサ75に用紙先端が到着したと判断した場合は、S53の処理へ進む。S53で、CPU401はS51の処理の際にスタートした所要時間計測用のタイマーの値より、定着センサ18を用紙先端が通過した時からINセンサ75に用紙先端が到着した時までの時間(先端所要時間)を計測する。S54で、CPU401は、S53の処理で計測した先端所要時間をNVRAMに記憶し、先端所要時間記憶タスクを終了する。
【0027】
(後端所要時間記憶タスク)
図5(c)は、後端所要時間記憶タスクの制御を説明するフローチャートである。後端所要時間記憶タスクをスタートすると、S60で、CPU401は、コミュニケーションインターフェイス420による通信により、定着センサ18を用紙後端が通過した時間を取得したか判断する。S60で、CPU401が定着センサ18を用紙後端が通過した時間を取得していないと判断した場合はS60の処理に戻る。S60で、CPU401が定着センサ18を用紙後端が通過した時間を取得したと判断した場合は、S61で、所要時間計測用のタイマーをスタートさせる。S62で、CPU401は、INセンサ75を用紙後端が通過したか判断する。S62で、CPU401がINセンサ75を用紙後端が通過していないと判断した場合は、S62の処理へ戻る。S62で、CPU401がINセンサ75を用紙後端が通過したと判断した場合は、S63の処理へ進む。S63で、CPU401は、S61の処理の際にスタートした所要時間計測用のタイマーの値より、定着センサ18を用紙後端が通過した時からINセンサ75を用紙後端が通過した時までの時間(後端所要時間)を計測する。S64で、CPU401はS63の処理で計測した後端所要時間をNVRAMに記憶し、後端所要時間記憶タスクを終了する。
【0028】
(後端通過時刻記憶タスク)
図5(d)は、後端通過時刻記憶タスクの制御を説明するフローチャートである。後端通過時刻記憶タスクをスタートすると、S70で、CPU401は、INセンサ75を用紙先端が通過したか判断する。S70で、CPU401がINセンサ75を用紙先端が通過していないと判断した場合は、S70の処理へ戻る。S70で、CPU401がINセンサ75を用紙先端が通過したと判断した場合は、S71の処理へ進む。S71で、CPU401は、INセンサ75を用紙後端が通過したか判断する。S71で、CPU401がINセンサ75を用紙後端が通過していないと判断した場合は、S71の処理へ戻る。S71で、CPU401がINセンサ75を用紙の後端が通過したと判断した場合は、S72で、後続紙の先端到着時に紙間時間を計測(図5(a) S42参照)するために、紙間計測タイマーをスタートさせ、後端通過時刻記憶タスクを終了する。尚、連続通紙をしている際に、図5(d)のシーケンスが開始された時点で、先行紙の後端がINセンサ75をまだ通過していない場合がある。このような状況においては、先行紙の後端を検知したことを、当該紙の後端が検知されたと誤検知する可能性がある。このような状況においても、当該紙の後端を正しく検知するために、用紙の先端の検知がされた後に用紙の後端の検知がされたことにより、当該紙の後端を検知されたと認識する。よって、S70の処理を行った後に、S71の処理を行うように制御する。
【0029】
尚、図5(a)、(d)で説明した紙間ずれ時間記憶タスクと後端通過時刻記憶タスクは本実施例では用いられず実施例2〜4で用いられるタスクであるが、搬送状況を確認するためのタスクをまとめて説明した。
【0030】
[搬送制御用のタスク]
図6は、搬送タスクの制御を説明するフローチャートである。搬送タスクを開始すると、S80で、CPU401は搬送モータ76をオン(駆動)し、S81の処理へ進む。但し、搬送モータ76が既に回転中の場合は、CPU401は、S80の処理を行わず、S81の処理へ進む。S81で、CPU401は、ジャム検知タスクを起動し、INセンサ75において用紙の先端到着が遅かった場合の遅延ジャム検知と、INセンサ75において後端通過が遅かった場合の滞留ジャム検知を実行する。S82で、CPU401はコミュニケーションインターフェイス420による通信により、画像形成装置1の定着センサ18を当該紙先端が通過した時間を取得したか判断する。S82で、CPU401が定着センサ18を当該紙先端が通過した時間を取得していないと判断した場合はS82の処理に戻る。S82で、CPU401が、定着センサ18を当該紙先端が通過した時間を取得したと判断した場合は、S83で、切り替えソレノイド161をオンするタイミングを作り出すためのソレノイドオンタイマーをスタートさせる。S84で、CPU401は、INセンサ75での当該紙の先端到着時間と切り替えソレノイド161のオン時間の間隔を示す変数(TsolON)に一定値を設定する。S85で、CPU401は、先行紙の先端がINセンサ75に到着した際に先端所要時間記憶タスクによりNVRAMに予め記憶されている先端所要時間(図5(b) S54参照)を当該紙のINセンサ75での先端到着時間(Tin_on)とする。尚、本実施例では先行紙と当該紙が同じ搬送速度で搬送されていることを前提に、先行紙についての先端所要時間を用いて当該紙の先端到着時間としている。S86で、CPU401は、INセンサ75における当該紙の先端到着時間(Tin_on)からS84で設定したTsolONの時間を減算することでソレノイドをオンするタイミング(TON)(第一タイミング)を算出する。S87で、CPU401は、S83でスタートさせたソレノイドオンタイマーを参照することにより、定着センサ18を当該紙先端が通過した時間からS86で算出したTON時間経過した後に、ソレノイドをオンするためにソレノイドオンタスクを起動する。
【0031】
S88で、CPU401はコミュニケーションインターフェイス420による通信により、画像形成装置1の定着センサ18を当該紙後端が通過した時間を取得したか判断する。S88で、CPU401が定着センサ18を当該紙後端が通過した時間を取得していないと判断した場合は、S88の処理に戻る。S88で、CPU401が定着センサ18を当該紙後端が通過した時間を取得したと判断した場合は、S89で、切り替えソレノイド161をオフするタイミングを作り出すためのソレノイドオフタイマーをスタートする。S90で、CPU401は、INセンサ75での当該紙後端通過時間と切り替えソレノイド161のオフ時間との間隔を示す変数(TsolOFF)に一定値を設定する。S91で、先行紙の後端がINセンサ75を通過した際に後端所要時間記憶タスクによりNVRAMに予め記憶されている後端所要時間(図5(c) S64参照)をINセンサ75での当該紙の後端通過時間(Tin_off)とする。尚、本実施例では先行紙と当該紙が同じ搬送速度で搬送されていることを前提に、先行紙についての後端所要時間を用いて当該紙の後端到着時間としている。S92で、CPU401は、INセンサ75における当該紙の後端通過時間に、S90で設定したTsolOFFの時間を加算することでソレノイドオフタイミング(TOFF)(第二タイミング)を算出する。S93で、CPU401は、S89でスタートさせたソレノイドオフタイマーを参照することにより、定着センサ18を当該紙後端が通過した時間からTOFF時間経過した後に切り替えソレノイド161をオフするために、ソレノイドオフタスクを起動する。
【0032】
S94で、CPU401は、当該紙を積載トレイ41に排出するのに十分であると予め設定された時間だけ、搬送モータ76を回転させる。この予め設定された時間が経過した時点を搬送完了とする。S94で、CPU401が、当該紙が積載トレイ41に排出完了していないと判断した場合はS94の処理に戻り、搬送モータ76を回転させ続け、S94で、当該紙が積載トレイ41に排出完了したと判断した場合は、S95の処理へ進む。S95で、他に搬送タスクの起動要求が、画像形成装置1からされていない場合は、搬送モータ76をオフ(停止)し、搬送タスクを終了する。尚、S84でTsolONに設定した一定値と、S90でTsolOffに設定した一定値は、紙間時間を予め設定された初期値とした場合の値である。
【0033】
図7(a)は、図6のS87で起動するソレノイドオンタスクの制御を説明するフローチャートである。ソレノイドオンタスクをスタートすると、S110で、CPU401は、ソレノイドオンタイマーがTON時間経過したか判断する。S110で、CPU401は、ソレノイドオンタイマーがTON時間経過していないと判断した場合は、S110の処理へ戻る。S110で、CPU401は、ソレノイドオンタイマーがTON時間経過したと判断した場合は、S111で、切り替えソレノイド161をオンし、ソレノイドオンタスクを終了する。
【0034】
図7(b)は、図6のS93で起動するソレノイドオフタスクの制御を説明するフローチャートである。ソレノイドオフタスクをスタートすると、S120で、CPU401は、ソレノイドオフタイマーがTOFF時間経過したか判断する。S120で、CPU401は、ソレノイドオフタイマーがTOFF時間経過していないと判断した場合は、S120の処理へ戻る。S120で、CPU401は、ソレノイドオフタイマーがTOFF時間経過したと判断した場合は、S121で、切り替えソレノイド161をオフし、ソレノイドオフタスクを終了する。
【0035】
尚、図4から図7までのフローチャートは、搬送された用紙を積載トレイ41に排出する場合を想定して説明したが、搬送された用紙を他の積載トレイに排出する場合も同様なので説明は省略する。
【0036】
以上説明したように、本実施例では、先行紙と当該紙(当該紙と後続紙の場合もある)の搬送速度が同じ搬送速度であることを前提として、先行紙について計測した時間を用いてソレノイドのオン、オフのタイミングを制御している。すなわち、先行紙について計測した時間を用いて、切り替え爪の切り替え制御を行っている。尚、先行紙と当該紙(当該紙と後続紙の場合もある)の搬送速度が同じ搬送速度であることを前提としていることについては、後述する他の実施例においても同様である。CPU401は、画像形成装置1内の定着センサ18における用紙の先端通過時間と後端通過時間を取得し、後処理装置40内のINセンサ75における用紙の先端到着時間と後端通過時間を計測する。そして、搬送時間を算出しNVRAMに記憶する。そして、CPU401は、先行紙が搬送された際に既にNVRAMに記憶されている搬送時間に基づいて定着センサ18における当該紙の先端通過時間と後端通過時間から、後処理装置40内のINセンサ75における当該紙の先端到着時間と後端通過時間を算出する。そして、算出された値に従って、搬送される全ての用紙に対して切り替えソレノイド161〜167を動作させている。従って、画像形成装置1と後処理装置40の間に搬送速度差が存在し、状況により用紙の搬送速度が変化した場合も、ジャムの発生が防止され、画像への影響も防止できる。
【0037】
以上本実施例によれば、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【実施例2】
【0038】
[搬送制御用のタスク]
実施例2の後処理装置40は、実施例1で説明した後処理装置40と概ね同じであるが、実施例1の後処理装置40と異なり搬送される用紙の紙間時間に応じた切り替え爪61〜67の制御を行っている。尚、実施例1で説明した図1〜4、6は本実施例において援用する。
【0039】
図8は、本実施例の搬送タスクの制御を説明するフローチャートである。尚、図8のフローチャートはS180〜S181、S183、S186〜S190、S194〜S198の処理が図6のフローチャートの夫々S80〜S81、S83、S85〜S89、S91〜S95の処理と同じである。従って、説明を省略し、以下異なる処理のみ説明する。
【0040】
S181の処理後、S182で、CPU401は、画像形成装置1内の定着センサ18を当該紙先端が通過した時間と、定着センサ18における先行紙の後端通過から当該紙の先端通過までの紙間時間を取得したか判断する。S182で、CPU401が定着センサ18を当該紙先端が通過した時間と、定着センサ18における先行紙の後端通過から当該紙の先端通過までの紙間時間を取得していないと判断した場合はS182の処理に戻る。S182で、CPU401が、定着センサ18を当該紙先端が通過した時間と、定着センサ18における先行紙の後端通過から当該紙の先端通過までの紙間時間を取得したと判断した場合は、S183の処理へ進む。
【0041】
S183の処理後、S184で、CPU401はNVRAMに予め記憶されている紙間ずれ時間(図5(a) S43参照)と、定着センサ18において計測された紙間時間から、INセンサ75における先行紙との紙間時間(先行紙間時間)(Pb)を算出する。具体的には、定着センサ18において計測された先行紙と当該紙との紙間時間と、NVRAMから読み取った紙間ずれ時間とを加算する((後処理装置40内での紙間時間)=(画像形成装置1内での紙間時間)+差分;図5(a) S43の説明を参照)。これにより、INセンサ75における先行紙と当該紙との紙間時間Pbを算出する。尚、NVRAMに予め記憶されている紙間ずれ時間は、先行紙の先端がINセンサ75に到着した際に紙間ずれ時間記憶タスクにより算出され保存された紙間ずれ時間である。S185で、CPU401は、S184で算出した紙間時間(Pb)に基づいてINセンサ75での当該紙の先端到着時間と切り替えソレノイド161のオン時間との間隔(TsolON)を算出する。尚、実施例1では、TsolONを一定値としていた(図6 S84参照)。
【0042】
S190の処理後、S191で、CPU401は、定着センサ18における当該紙の後端通過時間から後続紙の先端通過時間までの紙間時間を画像形成装置1から取得したかどうか判断する。S191で、CPU401が画像形成装置1から定着センサ18における当該紙の後端通過時間から後続紙の先端通過時間までの紙間時間を取得していないと判断した場合は、S191の処理に戻る。S191で、CPU401が画像形成装置1から定着センサ18における当該紙の後端通過時間から後続紙の先端通過時間までの紙間時間を取得したと判断した場合は、S192の処理へ進む。但し、S191で、CPU401が、画像形成装置1から一定時間以内に紙間時間を受信しない場合は、十分に広い紙間が空いていると判断し、紙間時間に所定の最大値を入力し、S192の処理へ進む。S192で、CPU401はNVRAMに予め記憶されている紙間ずれ時間(図5(a) S43参照)と、画像形成装置1内の定着センサ18で計測された後続紙との紙間時間から、INセンサ75における後続紙との紙間時間(後続紙間時間)(Pb)を算出する。具体的には、定着センサ18において計測された当該紙と後続紙との紙間時間と、NVRAMから読み取った紙間ずれ時間とを加算する((後処理装置40内での紙間時間)=(画像形成装置1内での紙間時間)+差分;図5(a) S43の説明を参照)。これにより、INセンサ75における当該紙と後続紙との紙間時間Pbを算出する。尚、NVRAMに予め記憶されている紙間ずれ時間は、当該紙の先端がINセンサ75に到着した際に紙間ずれ時間記憶タスクにより算出され保存された紙間ずれ時間(後端紙間情報)である。S193で、CPU401は、S192で算出した後続紙との紙間時間(Pb)に基づいて、INセンサ75における後端通過時間と切り替えソレノイド161のオフ時間との間隔(TsolOFF)を算出する。尚、実施例1では、TsolOFFを一定値としていた(図6 S90参照)。
【0043】
[ソレノイドオンタイミングの決定方法]
S185の算出処理について図9で詳細に説明する。尚、図9は搬送速度333[m/sec]で用紙が搬送されている状態を示している。切り替え爪61の動作時間は、切り替えソレノイド161をオンしてから切り替え爪61の動作開始までが20ミリ秒[msec]掛かり、切り替え爪61の動作開始から動作完了までが30ミリ秒掛かる。用紙搬送時間は、INセンサ75で用紙先端を検知してから用紙先端が切り替え爪61の軌道(位置)に到着するまでに15ミリ秒掛かり、INセンサ75で用紙後端を検知してから用紙後端が切り替え爪61の軌道(位置)を通過するまでに15ミリ秒掛かる。
【0044】
Pb[msec]は、推測紙間時間で、図8のS184で算出した紙間時間を示す変数である。また、TsolON[msec]は、図8のS185で算出したINセンサ75において用紙先端を検知した時間から遡って切り替えソレノイド161をオンするまでの時間を示す変数である。TsolONを算出する計算は、以下のように推測紙間時間Pb[msec]の値に従い、場合分けして行われる。
推測紙間時間Pb[msec]が80ミリ秒未満の場合は、以下の計算式で算出される。
TsolON=(Pb−5)[msec]
推測紙間時間Pb[msec]が80ミリ秒以上で、140ミリ秒未満の場合は、以下の計算式で算出される。
TsolON=((Pb/2)+35)[msec]
推測紙間時間Pb[msec]が140ミリ秒以上の場合は、以下の値となる。
TsolON=105[msec]
尚、上述の計算式は、切り替え爪61のみに適用され、切り替え爪62〜67に適用する場合は、切り替え爪61から切り替え爪62〜67までの搬送時間を考慮して計算式を変更する必要がある。また、上述の計算式は、どの用紙サイズにおいても適用される。
【0045】
図9は、推測紙間時間Pb[msec]が、60ミリ秒から160ミリ秒まで変化した場合の、算出されたTsolONの値の変化を示している。TsolON[msec]は、INセンサ75において用紙先端を検知した時間から遡って切り替えソレノイド161をオンするまでの時間なので、時間軸の基準はINセンサ75において、当該紙の先端を検知する時間にしている。推測紙間時間Pbの変化による、TsolONの値の変化の状況を、時間軸の基準線(当該紙INセンサ先端検知)から、点線(切り替えソレノイド161オン)までの間隔(TsolONを示す線の幅)の変化で示している。推測紙間時間Pbは、先行紙の後端が切り替え爪61の軌道を通過する時間から、当該紙の先端が切り替え爪61の軌道に到着する時間までの時間として示されている。そして、切り替え爪61の動作開始は一点鎖線で示し、切り替え爪61の動作完了は二点鎖線で示している。従って、推測紙間時間Pbの中のどの位置で切り替え爪61の動作開始と動作完了が実行されるかは、一点鎖線と二点鎖線に挟まれた領域が推測紙間時間Pbの中のどの位置にあるかで示されている。
【0046】
図9で示すように、先行紙の後端が切り替え爪61の軌道を通過したことを示す線と、当該紙の先端が切り替え爪61の軌道に到着したことを示す線の間(推測紙間時間Pb)に切り替え爪61の動作時間(一点鎖線と二点鎖線に挟まれた領域)が包含されている。従って、上述の時間で切り替えソレノイド161をオンする場合は、先行紙の画像に影響がなく、かつ、当該紙のジャムが発生しないことが示されている。また、図9で切り替えソレノイド161をオンする時間は、当該紙がINセンサ75で先端検知される時間より前であることから、当該紙がINセンサ75で先端検知される時間を基準に切り替えソレノイド161をオンすることが不可能である。即ち、画像形成装置1内の定着センサ18での当該紙の先端通過を基準に切り替えソレノイド161をオンしなければならないことが示されている。
【0047】
図9において、特に重要な点としては、切り替えソレノイド161をオンする時間は、紙間時間が極端に短い60ミリ秒〜80ミリ秒未満では、極力、用紙先端とのジャムマージンを確保することを重視し計算されていることが示されている。尚、ユーザーには、画像への影響よりもジャムを回避することの方が重要なので、ジャムマージンを確保することを重視している。また、紙間時間が徐々に大きくなる80ミリ秒以上で140ミリ秒未満の間は、当該紙の用紙先端のジャムマージンと、先行紙の用紙後端の画像への影響のマージンの両方を確保し計算されていることが示されている。また、紙間が140ミリ秒以上の場合は、当該紙の用紙先端のジャムマージンも先行紙の用紙後端の画像への影響のマージンも、既に140ミリ秒において余裕をとった値となっているので、それ以降は固定タイミングで動作させることが示されている。尚、紙間時間が60ミリ秒未満となる場合は、搬送不良が発生している可能性を考慮し、ジャムとして判断する。また、ここでは搬送速度333[m/sec]を一例として、上記のような期間で場合分けを行って説明した。しかし、これに限られるものではなく、例えば搬送速度やソレノイドの駆動時間等に応じて、適切な時間で場合分けを設定することが可能であり、以降の説明についても同様である。
【0048】
[ソレノイドオフタイミングの決定方法]
S193の算出処理について図10で詳細に説明する。尚、図10は搬送速度333[m/sec]で用紙が搬送されている状態を示している。切り替え爪61の動作時間は、切り替えソレノイド161をオフしてから切り替え爪61が動作を開始するまで30ミリ秒[msec]掛かり、切り替え爪61が動作を開始してから動作が完了するまで45ミリ秒掛かる。尚、切り替え爪61は、切り替えソレノイド161をオフした場合には、不図示のバネにより切り替え爪61を動作させるので、切り替えソレノイド161をオンした場合と比較して切り替え爪61の動作開始から動作完了までの時間が長くなっている。用紙搬送時間は、INセンサ75で用紙の先端を検知してから用紙の先端が切り替え爪の軌道(位置)に到着するまでに15ミリ秒掛かり、INセンサ75で用紙の後端を検知してから用紙の後端が切り替え爪の軌道(位置)を通過するまで15ミリ秒掛かる。
【0049】
Pb[msec]は、推測紙間時間であり、図8のS192で算出した紙間時間を示す変数である。また、TsolOFF[msec]は、図8のS193で算出したINセンサ75において当該紙の用紙後端を検知した時間の後に切り替えソレノイド161をオフするまでの時間を示す変数である。TsolOFFの値がマイナスの場合は、INセンサ75において当該紙の用紙後端を検知した時間から遡って切り替えソレノイド161をオフすることを示している。すなわち、TsolOFFの値がマイナスの場合は、当該紙の後端をINセンサ75で検知する前に切り替えソレノイド161をオフしなければならず、切り替えソレノイド161のオフのタイミングについて、INセンサ75による検知を基準とできない。従って本実施例では、切り替えソレノイド161のオフのタイミングについて、定着センサ18による検知を基準としている。
【0050】
TsolOFFを算出する計算は、以下のように推測紙間時間Pb[msec]の値に従い、場合分けして行われる。
推測紙間時間Pb[msec]が80ミリ秒未満の場合は、以下の計算式で算出される。
TsolOFF=−10[msec]
推測紙間時間Pb[msec]が80ミリ秒以上で、かつ、140ミリ秒未満の場合は、以下の計算式で算出される。
TsolOFF=((Pb/2)−50)[msec]
推測紙間時間Pb[msec]が、140ミリ秒以上の場合は、以下の計算式で算出される。
TsolOFF=20[msec]
尚、上述の計算式は、切り替え爪61のみに適用され、切り替え爪62〜67に適用する場合は、切り替え爪61から切り替え爪62〜67までの搬送時間を考慮して計算式を変更する必要がある。また、上述の計算式は、どの用紙サイズにおいても適用される。
【0051】
図10は、推測紙間時間Pb[msec]が、60ミリ秒から160ミリ秒まで変化した場合の、算出されたTsolOFFの値の変化を示している。TsolOFF[msec]は、INセンサ75において当該紙の用紙後端を検知した時間の後にソレノイドをオフするまでの時間なので、時間軸の基準は、INセンサ75における当該紙の後端を検知する時間にしている。推測紙間時間Pbの変化による、TsolOFFの値の変化の状況を、時間軸の基準線(当該紙のINセンサ後端検知)から、点線(切り替えソレノイド161オフ)までの間隔(TsolOFFを示す線の幅)の変化で示している。推測紙間時間Pbは、当該紙の後端が切り替え爪61の軌道を通過する時間から、後続紙の先端が切り替え爪61の軌道に到着する時間までの時間として示されている。そして、切り替え爪61の動作開始は一点鎖線で示し、切り替え爪61の動作完了は二点鎖線にて示している。従って、推測紙間時間Pbの中のどの位置で切り替え爪61の動作開始と動作完了が実行されるかは、一点鎖線と二点鎖線にて挟まれた領域が推測紙間時間Pbの中のどの位置にあるかで示されている。
【0052】
図10で示すように、当該紙の後端が切り替え爪61の軌道を通過したことを示す線と、後続紙の先端が切り替え爪61の軌道に到着したことを示す線の間(推測紙間時間Pb)に切り替え爪61の動作時間(一点鎖線と二点鎖線に挟まれた領域)が包含されている。従って、上述の時間で切り替えソレノイド161をオフする場合は、当該紙の画像に影響がなく、かつ、後続紙のジャムが発生しないことが示されている。また、図10より切り替えソレノイド161をオフする時間は、当該紙がINセンサ75で後端を検知される時間より前になる場合もあることが示されている。従って、当該紙がINセンサ75で後端を検知される時間を基準に切り替えソレノイド161をオフすることは不可能である。即ち、定着センサ18における後端通過の検知を基準に切り替えソレノイド161をオフしなければいけないことが示されている。
【0053】
図10において、特に重要な点としては、切り替えソレノイド161をオフする時間は、推測紙間時間Pbが極端に短い80ミリ秒未満では、当該紙の用紙後端の画像への影響のマージンを確保するために、固定タイミングで動作させている。また、推測紙間時間Pbが徐々に大きくなる80ミリ秒以上で140ミリ秒未満の間は、後続紙の用紙先端のジャムマージンと、当該紙の用紙後端の画像への影響のマージンの両方を確保し計算されていることが示されている。また、紙間が140ミリ秒以上の場合は、後続紙の用紙先端のジャムマージンも当該紙の用紙後端の画像への影響のマージンも、既に140ミリ秒において余裕をとった値となっているので、それ以降は固定タイミングで動作させることが示されている。
【0054】
以上説明したように、実施例2では、推測紙間時間Pbを使用して、切り替えソレノイド161のオン時間とオフ時間を算出している。その結果、推測紙間時間Pbに従って、切り替えソレノイド161のオン動作とオフ動作が制御され、常に、最適なジャムマージンが確保され、かつ、画像への影響のマージンも確保される。
【0055】
以上本実施例によれば、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【実施例3】
【0056】
[用紙サイズに応じた制御方法]
実施例3の後処理装置40は、実施例1、2の後処理装置40と概ね同じであるが、実施例1、2と異なり用紙の紙サイズに応じた切り替え爪61〜67の制御を行っている。尚、実施例1で説明した図1〜4、6、8、9は本実施例において援用する。
【0057】
搬送ローラ71〜73の搬送速度を排紙ローラ15の搬送速度より速くすることにより、後処理装置40内の搬送速度は、画像形成装置1内の搬送速度より速くされている。また、後端所要時間は、後処理装置40における搬送速度が支配的であり、特に、用紙の搬送方向の長さが長く、用紙がニップされる搬送ローラ71〜73の数が多い状態で搬送される場合は、後端所要時間はより短くなる。従って、後端所要時間と紙間ずれ時間は、用紙サイズの影響を大きく受ける。
【0058】
例えば、用紙の排出先が積載トレイ45の場合で具体的に説明する。用紙の先端は、用紙が後処理装置40に受け渡されるまでは画像形成装置1が搬送するため、用紙サイズが変更されても先端所要時間はほぼ同一の値となる。しかし、用紙の後端については、用紙の搬送方向の長さによって次のように搬送される状況が異なる。用紙の搬送方向の長さが長い場合には、2つの搬送ローラ、すなわち搬送ローラ71と搬送ローラ72にニップされた状態となり、後処理装置40の搬送速度で搬送されることが支配的となる。その結果、後端所要時間は短くなる。一方、用紙の搬送方向の長さが短い場合は、1つの搬送ローラ、すなわち搬送ローラ71のみで搬送される。このため、画像形成装置1の搬送速度で搬送されることが支配的となる。その結果、後端所要時間は長くなる。すなわち、用紙の搬送方向の長さが長いと後処理装置40の搬送ローラに多くニップされて後処理装置40の搬送力が大きくなり、用紙の搬送方向の長さが短いと後処理装置40の搬送ローラに少なくニップされて画像形成装置1の搬送力が大きくなる。上述のように、用紙の搬送方向の長さにより搬送される状況が変化し、後端所要時間が変化する。また、後端通過時間が変化するため紙間ずれ時間も変化する。従って、本実施例の後処理装置40では、搬送される用紙サイズに応じた切り替え爪61〜67の制御を実施例1、2の後処理装置40に追加している。
【0059】
実施例1の後処理装置40に用紙サイズに応じた制御を追加した本実施例の後処理装置40では、CPU401は、後端所要時間記憶タスクにより用紙サイズごとに後端所要時間をNVRAMに保存する(図5(c) S64参照)。そして、CPU401が、後端所要時間を使用する場合(図6 S91参照)は、用紙サイズごとに保存された後端所要時間を検索して使用する。具体的には、図6のS91では、当該紙の用紙サイズにより当該紙の後端所要時間が変動するため、当該紙の用紙サイズに応じた後端所要時間を検索して使用する。
【0060】
また、実施例2の後処理装置40に用紙サイズに応じた制御を追加した本実施例の後処理装置40では、CPU401は、用紙サイズごとに、紙間ずれ時間記憶タスクにより紙間ずれ時間をNVRAMに保存する(図5(a) S43参照)。また、CPU401は、用紙サイズごとに、後端所要時間記憶タスクにより後端所要時間をNVRAMに保存する(図5(c) S64参照)。そして、CPU401が、紙間ずれ時間を使用する場合(図8 S184、S192参照)は、用紙サイズごとに保存された紙間ずれ時間を検索して使用する。具体的には、図8のS184では、先行紙の用紙サイズにより先行紙の後端所要時間が変動し、そのためINセンサ75における紙間時間も変動するため、先行紙の用紙サイズに応じた紙間ずれ時間を検索して使用する。また、図8のS192では、当該紙の用紙サイズにより当該紙の後端所要時間が変動し、そのためINセンサ75における紙間時間も変動するため、当該紙の用紙サイズに応じた紙間ずれ時間を検索して使用する。また、CPU401が、後端所要時間を使用する場合(図8 S194参照)は、用紙サイズごとに保存された後端所要時間を検索して使用する。具体的には、図8のS194では、当該紙の用紙サイズにより当該紙の後端所要時間が変動するため、当該紙の用紙サイズに応じた後端所要時間を検索して使用する。
【0061】
本実施例の後処理装置40では、先行する用紙と用紙サイズが異なった場合でも、用紙サイズに応じた紙間ずれ時間と後端所要時間を使用することにより、切り替えソレノイド161を動作させる最適なタイミングを算出することができる。
【0062】
以上本実施例によれば、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【実施例4】
【0063】
[INセンサから切り替え爪の距離に応じた制御方法]
実施例4の後処理装置40は、実施例1、2の後処理装置40と概ね同じであるが、実施例1、2と異なり、動作させる切り替え爪61〜67の位置と、INセンサ75の位置との距離(位置関係)に応じた切り替え爪61〜67の制御を行っている。尚、実施例1で説明した図1〜4、6、8、9は本実施例において援用する。
【0064】
動作させる切り替え爪61〜67とINセンサ75との位置関係により、推測ではなく実際にINセンサ75で計測された紙間時間、先端通過時間、後端通過時間をそのまま使用できる場合がある。即ち、動作させる切り替え爪61〜67とINセンサ75との距離により、用紙の先端又は後端がINセンサ75を通過した後に、通過した時間に基づいてTON又はTOFFを決定して、最適なタイミングで切り替え爪61〜67を動作できる場合がある。具体的には、INセンサ75からの距離が最も近い切り替え爪61を動作させる場合より、最も遠い切り替え爪67を動作させる場合の方が、INセンサ75で計測された紙間時間、先端通過時間、後端通過時間をそのまま使用できる場合がある。従って、本実施例の後処理装置40は、実施例1、2の後処理装置40に、予め計測しNVRAMに記憶した紙間ずれ時間、先端所要時間、後端所要時間の中からどのデータを使用して切り替え爪61〜67を制御するかを判断する制御を追加している。
【0065】
実施例2の後処理装置40では、紙間ずれ時間記憶タスクによって算出、保存された紙間ずれ時間を用いて切り替えソレノイド161〜167の動作時間の算出を行っている。しかし、本実施例の後処理装置40では以下のような制御が行われる。CPU401が、INセンサ75で計測した紙間時間をそのまま使用することができると判断した場合は、紙間ずれ時間記憶タスクにより算出、保存された紙間ずれ時間による紙間時間の算出(図8のS184、S192)は実施しない。そして、INセンサ75で計測した先行紙及び後続紙との紙間時間に基づいて切り替えソレノイド161〜167動作時間の算出を行っている。
【0066】
また、実施例1、2の後処理装置40では、先端所要時間記憶タスクにより算出、保存された先端所要時間を用いて切り替えソレノイド161〜167動作時間の算出を行っている。しかし、本実施例の後処理装置40では以下のような制御が行われる。CPU401が、INセンサ75で計測した当該紙の先端通過時間をそのまま使用することができると判断した場合は、先端所要時間記憶タスクにより算出、保存された先端所要時間による先端通過時間の算出(図6のS85、図8のS186)は実施しない。そして、INセンサ75で計測した当該紙の先端通過時間に基づいて切り替えソレノイド161〜167の動作時間の算出を行っている。
【0067】
また、実施例1、2の後処理装置40では、後端所要時間記憶タスクにより算出、保存された後端所要時間を用いて切り替えソレノイド161〜167動作時間の算出を行っている。しかし、本実施例の後処理装置40では以下のような制御が行われる。CPU401が、INセンサ75で計測した当該紙の後端通過時間をそのまま使用することができると判断した場合には、後端所要時間記憶タスクにより算出、保存された後端所要時間による後端通過時間の算出(図6のS91、図8の194)は実施しない。そして、後処理装置40のINセンサ75で計測した当該紙の後端通過時間に基づいて切り替えソレノイド161〜167の動作時間の算出を行っている。
【0068】
本実施例の後処理装置40では、必要のない推測部分が削除され、より精度の高い切り替え爪61〜67の動作が可能となる。
【0069】
以上本実施例によれば、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【0070】
[その他の実施例]
実施例1〜4では、切り替えソレノイド161〜167をオンするタイミング及びオフするタイミングの両方について、先端所要時間、後端所要時間等を用いて切り替え制御を行った。しかし、例えば切り替えソレノイド161〜167をオンするタイミングのみ先端所要時間等を用い、切り替えソレノイド161〜167をオフするタイミングについては所定の値とする構成としてもよい。また、例えば、切り替えソレノイド161〜167をオンするタイミングは所定の値とし、切り替えソレノイド161〜167をオフするタイミングのみ後端所要時間等を用いる構成としてもよい。
【0071】
また、実施例1〜4では、後処理装置40内のCPU401が、切り替えソレノイド161〜167をオン、オフするタイミングを算出した。しかし、画像形成装置1内の制御手段、例えば不図示のCPU(算出手段)が、切り替えソレノイド161〜167をオン、オフするタイミングを算出する構成としてもよい。この場合、後処理装置40内のINセンサ75による検知結果の情報は、コミュニケーションインターフェイス420を介して画像形成装置1内のCPUに送られる。また、画像形成装置1内のCPUが算出した情報は、コミュニケーションインターフェイス420を介して後処理装置40内のCPU401に送られ、CPU401による切り替え爪の切り替え制御が行われる。
【0072】
また、実施例1〜4では、定着センサ18により用紙の先端又は後端を検知したときを基準として、切り替えソレノイド161〜167のオン、オフの制御を行った。しかし、画像形成装置1内における搬送路上の用紙を検知する複数のセンサ(複数の検知手段)の中で最も下流側に配置されたセンサであれば、定着センサ18に限定されない。例えば図11に示すように、画像形成装置1が、排紙ローラ15により排紙された用紙を検知するための排紙センサ19を備える場合、用紙の搬送路上の最も下流側にあるセンサは排紙センサ19である。この排紙センサ19により用紙の先端又は後端が検知された時間を基準として、切り替えソレノイド161〜167のオン又はオフの制御を行う構成とすることができる。尚、図11において、図1と同じ又は相当する構成には同じ符号を付しており、説明は省略する。
【0073】
また、実施例1〜4では、INセンサ75により検知した先端所要時間等を用いて切り替えソレノイド161〜167のオン、オフのタイミングを算出した。しかし、後処理装置40における搬送路上の用紙を検知する複数のセンサの中で最も上流側に配置されたセンサであれば、INセンサ75に限定されない。
【0074】
以上、その他の実施例においても、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成装置
18 定着センサ
40 後処理装置
41〜48 積載トレイ
61〜67 切り替え爪
75 INセンサ
401 CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置と画像形成装置が接続された画像形成システムの排出先トレイの切り替え制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の用紙排出装置では、用紙分岐部を配置して3方向に用紙を分岐させるため、分岐爪による用紙の行き先変更が実施されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−315668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、分岐爪の動作タイミングの規定がない。従って、画像形成装置において、画像形成された用紙の搬送される間隔(紙間)が短くなると、紙間時間のばらつきにより分岐爪が切り替わる前に用紙が突入し、ジャム(紙詰まり)が発生する場合があった。また、分岐爪の切り替わりよりも用紙の通過が遅い場合には、用紙の後端と分岐爪がぶつかり、用紙上に形成された画像に影響を与える場合があった。
【0005】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
【0007】
(1)用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、排出された用紙を積載する複数の積載部と、前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、前記用紙に先行して搬送された先行紙の先端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が可能な位置に切り替える第一タイミングを算出する算出手段と、を備え、前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の先端が検知されると、前記算出手段により算出された第一タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【0008】
(2)用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、排出された用紙を積載する複数の積載部と、前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、用紙に先行して搬送された先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が不可能な位置に切り替える第二タイミングを算出する算出手段と、を備え、前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の後端が検知されると、前記算出手段により算出された第二タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【0009】
(3)用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、排出された用紙を積載する複数の積載部と、前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、用紙に先行して搬送された先行紙の先端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が可能な位置に切り替える第一タイミングと、前記先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が不可能な位置に切り替える第二タイミングと、を算出する算出手段と、を備え、前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の先端が検知されると、前記算出手段により算出された第一タイミングで前記切り替え手段を切り替え、前記第一検知手段により用紙の後端が検知されると、前記算出手段により算出された第二タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1〜4の後処理装置と画像形成装置の構成を説明する図
【図2】実施例1〜4の後処理装置と画像形成装置の構成を説明する図
【図3】実施例1〜4の後処理装置に搭載されたCPUの接続図
【図4】実施例1〜4のタスク起動フローチャート
【図5】実施例1〜4の後処理装置における各タスクの制御を説明するフローチャート
【図6】実施例1の後処理装置における搬送タスクの制御を説明するフローチャート
【図7】実施例1の後処理装置におけるソレノイドオンタスク、ソレノイドオフタスクの制御を説明するフローチャート
【図8】実施例2の後処理装置における搬送タスクの制御を説明するフローチャート
【図9】実施例2の後処理装置におけるソレノイドオンタイミングの説明図
【図10】実施例2の後処理装置におけるソレノイドオフタイミングの説明図
【図11】その他の実施例の後処理装置と画像形成装置の構成を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を実施するための形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0013】
[後処理装置と画像形成装置の構成]
図1は実施例1の画像形成システムの構成図であり、後処理装置40の構成と、画像形成装置1の上部(後段)に接続された後処理装置40の構成を示している。画像形成装置1は、図1に示す装置を備え、以下のように画像形成を実施している。
【0014】
カセット2、5、9、20、23は用紙を保持し、ピックアップローラ3、6、10、21、24によりカセット2、5、9、20、23に保持されている用紙は給紙される。ピックアップローラ3、6、10、21、24により給紙された用紙は、重送を防止するためのフィーリタードローラ4、7、11、22、25により1枚のみが搬送路上に搬送され、給紙された用紙の給紙状態を監視する給紙センサ8を通過する。給紙センサ8を通過した用紙は、レジストローラ13で一旦停止されて用紙の斜行が矯正され、所定のタイミングで駆動を開始したレジストローラ13により搬送が再開されて、画像を書き始めるタイミングを決定するTOPセンサ14を通過する。レーザースキャナユニット34は、TOPセンサ14からの信号のタイミングに応じて動作し、形成を行う画像の画像信号に基づいてレーザーを照射する。現像カートリッジ35は、レーザースキャナユニット34から照射されたレーザーにより感光ドラム上(像担持体上)に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像を形成する。形成された可視像は搬送された用紙に転写され、トナー像が用紙に形成される。トナー像が転写された用紙は、定着器28(定着手段)に搬送され、トナー像は定着器28により用紙に定着される。
【0015】
定着器28は、定着器28を用紙が通過したことを検知する定着センサ18(第一検知手段)を有している。用紙の先端が定着センサ18を通過したときに、画像形成装置1は、用紙の先端が定着センサ18を通過した時間を後処理装置40に通知している。また、画像形成装置1は、前に定着器28に搬送された用紙(以下、先行紙)の後端が定着センサ18を通過してから先行紙の次に定着器28に搬送された用紙(以下、当該紙)の先端が定着センサ18を通過するまでの時間を例えば不図示のタイマーで計測している。そして、先行紙の後端が定着センサ18を通過してから当該紙の先端が定着センサ18を通過するまでの時間を計測することにより画像形成装置1は、画像形成装置1内の紙間時間を得ている。そして、画像形成装置1は、計測された画像形成装置1内の紙間時間を後処理装置40に通知している。また、用紙の後端が定着センサ18を通過したときに、画像形成装置1は、用紙の後端が定着センサ18を通過した時間を後処理装置40に通知している。定着センサ18を通過した用紙は、排紙ローラ15により後処理装置40に送られる。また、オペレーションパネル36が画像形成装置1を操作するために設けられている。
【0016】
また、本実施例の後処理装置40は、画像形成装置1の例えば上部に接続されている。後処理装置40は、用紙を垂直方向に搬送する搬送ローラ71〜73を備え、排紙ローラ15により搬送された用紙を搬送ローラ71で受け取っている。後処理装置40の受け取り口には、後処理装置40に用紙が搬送されたことを検知するINセンサ75(第二検知手段)がある。INセンサ75は、後処理装置40に搬送される用紙の先端通過時間、後端通過時間、先行紙の後端通過から当該紙の先端通過までの紙間時間を得るために用いられる。後処理装置40は、排出すべきトレイ番号に従って用紙の排出先を切り替える為に、排出するトレイ番号に対応した切り替え爪61〜67(切り替え手段)を動作させ、排出ローラ51〜58により用紙を複数の積載トレイ41〜48(用紙積載部)に排出している。また、搬送モータ76は、搬送ローラ71〜73を回転させるモータである。また、満載/紙無しフラグ81〜88は、積載トレイ41〜48に用紙が排出されることで動作し、積載トレイ41〜48における用紙の満載状態と紙無し状態を判断するために用いられる。
【0017】
尚、後処理装置40は、画像形成装置1の上部に接続される構成に限られない。例えば図2のように、後処理装置191が画像形成装置1の側部に接続される構成でもよい。ここで、図2において、図1と同じ又は相当する構成には同じ符号を付しており、説明は省略する。
【0018】
[後処理装置内の制御系]
図3は、本実施例の後処理装置40に搭載されたCPU401(算出手段、制御手段)の接続図である。制御基板400上にCPU401は実装され、CPU401は、コミュニケーションインターフェイス420を介して画像形成装置1に接続されている。そして、CPU401はコミュニケーションインターフェイス420を介し排紙するトレイの指定情報、用紙先端が定着センサ18を通過した時間を示す先端通過時間、用紙後端が定着センサ18を通過した時間を示す後端通過時間を画像形成装置1から受信している。また、CPU401は、コミュニケーションインターフェイス420を介し先行紙の後端が定着センサ18を通過してから当該紙の先端が定着センサ18を通過するまでの時間(画像形成装置1内の紙間時間)を画像形成装置1から受信している。
【0019】
INセンサ75は、CPU401の入力ポートに接続され、接続された入力ポートはプルアップ(Pull−UPと図示)抵抗402を介し電源電圧レベル(Vcc)に接続されている。同様に、満載センサ91〜98及び紙無しセンサ101〜108もCPU401の入力ポートに接続され、入力ポートは夫々プルアップ抵抗491〜498及び501〜508を介し電源電圧レベル(Vcc)に接続されている。満載/紙無しフラグ81〜88は、積載トレイ41〜48上の用紙が満載になったときに満載センサ91〜98により検知され、また、積載トレイ41〜48上に用紙が無いときに紙無しセンサ101〜108により検知される。具体的には、用紙が積載トレイ41〜48に排出されると、用紙先端が満載/紙無しフラグ81〜88を動作させて、まず満載センサ91〜98により検知される。用紙が排出されている間は満載センサ91〜98により検知され続け、用紙後端が満載/紙無しフラグ81〜88を抜けると紙無しセンサ101〜108により検知される。このように、用紙が満載状態でない場合は、満載/紙無しフラグ81〜88は、所定のタイミングで満載センサ91〜98と紙無しセンサ101〜108により交互に検知されることとなる。そして、各センサからの情報に基づいてCPU401が、積載トレイ41〜48の満載状態と紙無し状態を判断している。例えば、満載/紙無しフラグ81〜88が常に満載センサ91〜98により検知されている状態は、積載トレイ41〜48上の用紙が満載となった状態である。モータドライバ405は、CPU401の出力ポートに接続され、CPU401が搬送モータ76の回転を制御している。
【0020】
ソレノイドドライバ411〜417の入力ポートは、CPU401の出力ポートに接続され、ソレノイドドライバ411〜417の出力ポートは、夫々切り替えソレノイド161〜167に接続されている。そして、CPU401は、切り替えソレノイド161〜167により切り替え爪61〜67の位置を制御している。切り替えソレノイド161〜167をオンした場合は、切り替え爪61〜67は指定された積載トレイへ排出される軌道(排出可能な位置)になるように切り替えられる。一方、切り替えソレノイド161〜167をオフした場合は、切り替え爪61〜67は切り替えソレノイド161〜167をオンした場合に切り替えられた位置から元の位置(排出不可能な位置)に戻すように切り替えられる。尚、コミュニケーションインターフェイス420には、例えば、RS232C、10Base−T等のどのような通信手段を用いても構わない。
【0021】
[制御用タスクの概要と起動方法]
図4から図7までのフローチャートは、搬送された用紙を積載トレイ41に排出する場合を想定して説明している。図1に示したように切り替え爪61は、INセンサ75に最も近くに配置されている。従って、INセンサ75において用紙の先端を検知してから切り替え爪61を動作させると、切り替え爪61の切り替え動作が完了する時間よりも用紙の先端が切り替え爪61に到着する時間の方が早く、ジャムが発生する。従って、切り替え爪61の切り替え動作が完了する時間を、用紙の先端が切り替え爪61に到着する時間に間に合わせるために、搬送された用紙の先端が画像形成装置1内の定着センサ18を通過する時間を基準に切り替え爪61を動作させる必要がある。後処理装置40の搬送速度は、用紙の撓みを防止するため、画像形成装置1の搬送速度より速くされることが一般的である。そのため、画像形成装置1と後処理装置40では、用紙の搬送速度が異なる。また、実際の用紙がどのような速度で搬送されるかは、用紙とローラとのスリップの状態で決定され、スリップの状態を計測しない限り、切り替え爪61の正確な動作タイミングは決定できない。尚、スリップの状態とは、ローラニップ部におけるローラの周速度と用紙の搬送速度が異なっている状態を示している。そこで、本実施例では、実際に用紙が搬送された搬送速度を計測し、計測された搬送速度から用紙の先端がINセンサ75に到着する時間と、用紙の後端がINセンサ75を通過する時間を推測している。そして、推測された時間に基づいて、切り替え爪61を動作させ、最適なタイミングでの切り替え爪61の制御を実現している。
【0022】
図4は、本実施例の後処理装置40におけるタスク起動フローチャートである。シーケンスをスタートすると、ステップ(以下、S)30で、CPU401は画像形成装置1から、用紙の排出指定を受信したかを判断する。S30で、CPU401が用紙の排出指定を受信していないと判断した場合は、S30の処理に戻る。S30で、CPU401が用紙の排出指定を受信したと判断した場合は、用紙を積載トレイ41〜48の中どの積載トレイに排出すべきかを指示されたので、S31の処理に進む。S31でCPU401は搬送タスクを起動し、S32で、紙間ずれ時間記憶タスクを起動し、S33で、先端所要時間記憶タスクを起動する。そして、S34で、CPU401は後端所要時間記憶タスクを起動し、S35で、後端通過時刻記憶タスクを起動し、シーケンスを終了する。尚、S31〜S35の処理では、タスクの起動処理のみを行い、起動処理の後は、各タスクは、画像形成動作中は夫々並列動作を行っている。タスク起動後の各タスクの処理の概要は以下の通りである。
【0023】
S31で起動した搬送タスクは、搬送モータ76の駆動、切り替えソレノイド161〜167の動作、INセンサ75によるジャム検知処理を行う。また、S32で起動した紙間ずれ時間記憶タスクは、画像形成装置1内の定着センサ18で検知された紙間時間と後処理装置40内のINセンサ75で検知された紙間時間のずれを算出する。そして、算出されたずれをNVRAM(不揮発性RAM)に記憶する。また、S33で起動した先端所要時間記憶タスクは、画像形成装置1内の定着センサ18で用紙の先端を検知してから後処理装置40内のINセンサ75で用紙の先端を検知するまでの先端所要時間を算出する。そして、算出された先端所要時間をNVRAMに記憶する。また、S34で起動した後端所要時間記憶タスクは、画像形成装置1内の定着センサ18で用紙の後端を検知してから後処理装置40内のINセンサ75で用紙の後端を検知するまでの後端所要時間を算出する。そして、算出された後端所要時間をNVRAMに記憶する。また、S35で起動した後端通過時刻記憶タスクは、INセンサ75で用紙後端を検知した時間をNVRAMに記憶する。そして、S35で検知された用紙後端の通過時間は、次に搬送される用紙(以下、後続紙)が後処理装置40に搬送され、INセンサ75により後続紙の用紙先端が検知された際に、後処理装置40内での紙間時間を算出するために使用される。
【0024】
尚、先端所要時間は、画像形成装置1における搬送速度が支配的であり、後端所要時間は、後処理装置40における搬送速度が支配的である。従って、画像形成装置1よりも後処理装置40の搬送速度の方が大きくしてあることから、後端所要時間は先端所要時間より短くなる。尚、S32で起動している紙間ずれ時間記憶タスクと、S35で起動している後端通過時刻記憶タスクは本実施例では用いられず実施例2〜4で用いられるタスクであるが、搬送状況を確認するためのタスクをまとめて説明した。
【0025】
[搬送状況認識用のタスク]
(紙間ずれ時間記憶タスク)
図5(a)は、紙間ずれ時間記憶タスクの制御を説明するフローチャートである。紙間ずれ時間記憶タスクをスタートすると、S40で、CPU401はコミュニケーションインターフェイス420による通信により、定着センサ18を用紙先端が通過し、画像形成装置1内の紙間時間を取得したか判断する。S40で、CPU401が定着センサ18を用紙先端が通過しておらず、画像形成装置1内での紙間時間を取得していないと判断した場合はS40の処理に戻る。S40で、CPU401が定着センサ18を用紙先端が通過し、画像形成装置1内の紙間時間を取得したと判断した場合は、S41で、CPU401は、INセンサ75に用紙の先端が到着したか判断する。S41で、CPU401がINセンサ75に用紙の先端が到着していないと判断した場合は、S41の処理へ戻る。S41で、CPU401がINセンサ75に用紙の先端が到着したと判断した場合は、S42の処理へ進む。S42で、CPU401は、先行紙の後端がINセンサ75を通過した時に後述する図5(d)のS72でスタートした紙間計測タイマーの値より、先行紙の後端通過時から当該紙の先端到着時までの紙間時間(後処理装置40内の紙間時間)を計測する。S43で、CPU401は、次のようにして差分を算出する。すなわち、S42の処理で計測した後処理装置40内での紙間時間と、S40の処理で画像形成装置1から通知された画像形成装置1内での紙間時間との差分を算出する(差分=(後処理装置40内での紙間時間)−(画像形成装置1内での紙間時間))。そして、CPU401は、算出した差分を紙間ずれ時間としてNVRAMに記憶し、紙間ずれ時間記憶タスクを終了する。
【0026】
(先端所要時間記憶タスク)
図5(b)は、先端所要時間記憶タスクの制御を説明するフローチャートである。先端所要時間記憶タスクをスタートすると、S50で、CPU401は、コミュニケーションインターフェイス420による通信により、定着センサ18を用紙先端が通過した時間を取得したか判断する。S50でCPU401が定着センサ18を用紙先端が通過した時間を取得していないと判断した場合はS50の処理に戻る。S50で、CPU401が定着センサ18を用紙先端が通過した時間を取得したと判断した場合は、S51で、所要時間計測用のタイマーをスタートさせる。S52で、CPU401は、INセンサ75に用紙先端が到着したか判断する。S52で、CPU401がINセンサ75に用紙先端が到着していないと判断した場合は、S52の処理へ戻る。S52で、CPU401がINセンサ75に用紙先端が到着したと判断した場合は、S53の処理へ進む。S53で、CPU401はS51の処理の際にスタートした所要時間計測用のタイマーの値より、定着センサ18を用紙先端が通過した時からINセンサ75に用紙先端が到着した時までの時間(先端所要時間)を計測する。S54で、CPU401は、S53の処理で計測した先端所要時間をNVRAMに記憶し、先端所要時間記憶タスクを終了する。
【0027】
(後端所要時間記憶タスク)
図5(c)は、後端所要時間記憶タスクの制御を説明するフローチャートである。後端所要時間記憶タスクをスタートすると、S60で、CPU401は、コミュニケーションインターフェイス420による通信により、定着センサ18を用紙後端が通過した時間を取得したか判断する。S60で、CPU401が定着センサ18を用紙後端が通過した時間を取得していないと判断した場合はS60の処理に戻る。S60で、CPU401が定着センサ18を用紙後端が通過した時間を取得したと判断した場合は、S61で、所要時間計測用のタイマーをスタートさせる。S62で、CPU401は、INセンサ75を用紙後端が通過したか判断する。S62で、CPU401がINセンサ75を用紙後端が通過していないと判断した場合は、S62の処理へ戻る。S62で、CPU401がINセンサ75を用紙後端が通過したと判断した場合は、S63の処理へ進む。S63で、CPU401は、S61の処理の際にスタートした所要時間計測用のタイマーの値より、定着センサ18を用紙後端が通過した時からINセンサ75を用紙後端が通過した時までの時間(後端所要時間)を計測する。S64で、CPU401はS63の処理で計測した後端所要時間をNVRAMに記憶し、後端所要時間記憶タスクを終了する。
【0028】
(後端通過時刻記憶タスク)
図5(d)は、後端通過時刻記憶タスクの制御を説明するフローチャートである。後端通過時刻記憶タスクをスタートすると、S70で、CPU401は、INセンサ75を用紙先端が通過したか判断する。S70で、CPU401がINセンサ75を用紙先端が通過していないと判断した場合は、S70の処理へ戻る。S70で、CPU401がINセンサ75を用紙先端が通過したと判断した場合は、S71の処理へ進む。S71で、CPU401は、INセンサ75を用紙後端が通過したか判断する。S71で、CPU401がINセンサ75を用紙後端が通過していないと判断した場合は、S71の処理へ戻る。S71で、CPU401がINセンサ75を用紙の後端が通過したと判断した場合は、S72で、後続紙の先端到着時に紙間時間を計測(図5(a) S42参照)するために、紙間計測タイマーをスタートさせ、後端通過時刻記憶タスクを終了する。尚、連続通紙をしている際に、図5(d)のシーケンスが開始された時点で、先行紙の後端がINセンサ75をまだ通過していない場合がある。このような状況においては、先行紙の後端を検知したことを、当該紙の後端が検知されたと誤検知する可能性がある。このような状況においても、当該紙の後端を正しく検知するために、用紙の先端の検知がされた後に用紙の後端の検知がされたことにより、当該紙の後端を検知されたと認識する。よって、S70の処理を行った後に、S71の処理を行うように制御する。
【0029】
尚、図5(a)、(d)で説明した紙間ずれ時間記憶タスクと後端通過時刻記憶タスクは本実施例では用いられず実施例2〜4で用いられるタスクであるが、搬送状況を確認するためのタスクをまとめて説明した。
【0030】
[搬送制御用のタスク]
図6は、搬送タスクの制御を説明するフローチャートである。搬送タスクを開始すると、S80で、CPU401は搬送モータ76をオン(駆動)し、S81の処理へ進む。但し、搬送モータ76が既に回転中の場合は、CPU401は、S80の処理を行わず、S81の処理へ進む。S81で、CPU401は、ジャム検知タスクを起動し、INセンサ75において用紙の先端到着が遅かった場合の遅延ジャム検知と、INセンサ75において後端通過が遅かった場合の滞留ジャム検知を実行する。S82で、CPU401はコミュニケーションインターフェイス420による通信により、画像形成装置1の定着センサ18を当該紙先端が通過した時間を取得したか判断する。S82で、CPU401が定着センサ18を当該紙先端が通過した時間を取得していないと判断した場合はS82の処理に戻る。S82で、CPU401が、定着センサ18を当該紙先端が通過した時間を取得したと判断した場合は、S83で、切り替えソレノイド161をオンするタイミングを作り出すためのソレノイドオンタイマーをスタートさせる。S84で、CPU401は、INセンサ75での当該紙の先端到着時間と切り替えソレノイド161のオン時間の間隔を示す変数(TsolON)に一定値を設定する。S85で、CPU401は、先行紙の先端がINセンサ75に到着した際に先端所要時間記憶タスクによりNVRAMに予め記憶されている先端所要時間(図5(b) S54参照)を当該紙のINセンサ75での先端到着時間(Tin_on)とする。尚、本実施例では先行紙と当該紙が同じ搬送速度で搬送されていることを前提に、先行紙についての先端所要時間を用いて当該紙の先端到着時間としている。S86で、CPU401は、INセンサ75における当該紙の先端到着時間(Tin_on)からS84で設定したTsolONの時間を減算することでソレノイドをオンするタイミング(TON)(第一タイミング)を算出する。S87で、CPU401は、S83でスタートさせたソレノイドオンタイマーを参照することにより、定着センサ18を当該紙先端が通過した時間からS86で算出したTON時間経過した後に、ソレノイドをオンするためにソレノイドオンタスクを起動する。
【0031】
S88で、CPU401はコミュニケーションインターフェイス420による通信により、画像形成装置1の定着センサ18を当該紙後端が通過した時間を取得したか判断する。S88で、CPU401が定着センサ18を当該紙後端が通過した時間を取得していないと判断した場合は、S88の処理に戻る。S88で、CPU401が定着センサ18を当該紙後端が通過した時間を取得したと判断した場合は、S89で、切り替えソレノイド161をオフするタイミングを作り出すためのソレノイドオフタイマーをスタートする。S90で、CPU401は、INセンサ75での当該紙後端通過時間と切り替えソレノイド161のオフ時間との間隔を示す変数(TsolOFF)に一定値を設定する。S91で、先行紙の後端がINセンサ75を通過した際に後端所要時間記憶タスクによりNVRAMに予め記憶されている後端所要時間(図5(c) S64参照)をINセンサ75での当該紙の後端通過時間(Tin_off)とする。尚、本実施例では先行紙と当該紙が同じ搬送速度で搬送されていることを前提に、先行紙についての後端所要時間を用いて当該紙の後端到着時間としている。S92で、CPU401は、INセンサ75における当該紙の後端通過時間に、S90で設定したTsolOFFの時間を加算することでソレノイドオフタイミング(TOFF)(第二タイミング)を算出する。S93で、CPU401は、S89でスタートさせたソレノイドオフタイマーを参照することにより、定着センサ18を当該紙後端が通過した時間からTOFF時間経過した後に切り替えソレノイド161をオフするために、ソレノイドオフタスクを起動する。
【0032】
S94で、CPU401は、当該紙を積載トレイ41に排出するのに十分であると予め設定された時間だけ、搬送モータ76を回転させる。この予め設定された時間が経過した時点を搬送完了とする。S94で、CPU401が、当該紙が積載トレイ41に排出完了していないと判断した場合はS94の処理に戻り、搬送モータ76を回転させ続け、S94で、当該紙が積載トレイ41に排出完了したと判断した場合は、S95の処理へ進む。S95で、他に搬送タスクの起動要求が、画像形成装置1からされていない場合は、搬送モータ76をオフ(停止)し、搬送タスクを終了する。尚、S84でTsolONに設定した一定値と、S90でTsolOffに設定した一定値は、紙間時間を予め設定された初期値とした場合の値である。
【0033】
図7(a)は、図6のS87で起動するソレノイドオンタスクの制御を説明するフローチャートである。ソレノイドオンタスクをスタートすると、S110で、CPU401は、ソレノイドオンタイマーがTON時間経過したか判断する。S110で、CPU401は、ソレノイドオンタイマーがTON時間経過していないと判断した場合は、S110の処理へ戻る。S110で、CPU401は、ソレノイドオンタイマーがTON時間経過したと判断した場合は、S111で、切り替えソレノイド161をオンし、ソレノイドオンタスクを終了する。
【0034】
図7(b)は、図6のS93で起動するソレノイドオフタスクの制御を説明するフローチャートである。ソレノイドオフタスクをスタートすると、S120で、CPU401は、ソレノイドオフタイマーがTOFF時間経過したか判断する。S120で、CPU401は、ソレノイドオフタイマーがTOFF時間経過していないと判断した場合は、S120の処理へ戻る。S120で、CPU401は、ソレノイドオフタイマーがTOFF時間経過したと判断した場合は、S121で、切り替えソレノイド161をオフし、ソレノイドオフタスクを終了する。
【0035】
尚、図4から図7までのフローチャートは、搬送された用紙を積載トレイ41に排出する場合を想定して説明したが、搬送された用紙を他の積載トレイに排出する場合も同様なので説明は省略する。
【0036】
以上説明したように、本実施例では、先行紙と当該紙(当該紙と後続紙の場合もある)の搬送速度が同じ搬送速度であることを前提として、先行紙について計測した時間を用いてソレノイドのオン、オフのタイミングを制御している。すなわち、先行紙について計測した時間を用いて、切り替え爪の切り替え制御を行っている。尚、先行紙と当該紙(当該紙と後続紙の場合もある)の搬送速度が同じ搬送速度であることを前提としていることについては、後述する他の実施例においても同様である。CPU401は、画像形成装置1内の定着センサ18における用紙の先端通過時間と後端通過時間を取得し、後処理装置40内のINセンサ75における用紙の先端到着時間と後端通過時間を計測する。そして、搬送時間を算出しNVRAMに記憶する。そして、CPU401は、先行紙が搬送された際に既にNVRAMに記憶されている搬送時間に基づいて定着センサ18における当該紙の先端通過時間と後端通過時間から、後処理装置40内のINセンサ75における当該紙の先端到着時間と後端通過時間を算出する。そして、算出された値に従って、搬送される全ての用紙に対して切り替えソレノイド161〜167を動作させている。従って、画像形成装置1と後処理装置40の間に搬送速度差が存在し、状況により用紙の搬送速度が変化した場合も、ジャムの発生が防止され、画像への影響も防止できる。
【0037】
以上本実施例によれば、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【実施例2】
【0038】
[搬送制御用のタスク]
実施例2の後処理装置40は、実施例1で説明した後処理装置40と概ね同じであるが、実施例1の後処理装置40と異なり搬送される用紙の紙間時間に応じた切り替え爪61〜67の制御を行っている。尚、実施例1で説明した図1〜4、6は本実施例において援用する。
【0039】
図8は、本実施例の搬送タスクの制御を説明するフローチャートである。尚、図8のフローチャートはS180〜S181、S183、S186〜S190、S194〜S198の処理が図6のフローチャートの夫々S80〜S81、S83、S85〜S89、S91〜S95の処理と同じである。従って、説明を省略し、以下異なる処理のみ説明する。
【0040】
S181の処理後、S182で、CPU401は、画像形成装置1内の定着センサ18を当該紙先端が通過した時間と、定着センサ18における先行紙の後端通過から当該紙の先端通過までの紙間時間を取得したか判断する。S182で、CPU401が定着センサ18を当該紙先端が通過した時間と、定着センサ18における先行紙の後端通過から当該紙の先端通過までの紙間時間を取得していないと判断した場合はS182の処理に戻る。S182で、CPU401が、定着センサ18を当該紙先端が通過した時間と、定着センサ18における先行紙の後端通過から当該紙の先端通過までの紙間時間を取得したと判断した場合は、S183の処理へ進む。
【0041】
S183の処理後、S184で、CPU401はNVRAMに予め記憶されている紙間ずれ時間(図5(a) S43参照)と、定着センサ18において計測された紙間時間から、INセンサ75における先行紙との紙間時間(先行紙間時間)(Pb)を算出する。具体的には、定着センサ18において計測された先行紙と当該紙との紙間時間と、NVRAMから読み取った紙間ずれ時間とを加算する((後処理装置40内での紙間時間)=(画像形成装置1内での紙間時間)+差分;図5(a) S43の説明を参照)。これにより、INセンサ75における先行紙と当該紙との紙間時間Pbを算出する。尚、NVRAMに予め記憶されている紙間ずれ時間は、先行紙の先端がINセンサ75に到着した際に紙間ずれ時間記憶タスクにより算出され保存された紙間ずれ時間である。S185で、CPU401は、S184で算出した紙間時間(Pb)に基づいてINセンサ75での当該紙の先端到着時間と切り替えソレノイド161のオン時間との間隔(TsolON)を算出する。尚、実施例1では、TsolONを一定値としていた(図6 S84参照)。
【0042】
S190の処理後、S191で、CPU401は、定着センサ18における当該紙の後端通過時間から後続紙の先端通過時間までの紙間時間を画像形成装置1から取得したかどうか判断する。S191で、CPU401が画像形成装置1から定着センサ18における当該紙の後端通過時間から後続紙の先端通過時間までの紙間時間を取得していないと判断した場合は、S191の処理に戻る。S191で、CPU401が画像形成装置1から定着センサ18における当該紙の後端通過時間から後続紙の先端通過時間までの紙間時間を取得したと判断した場合は、S192の処理へ進む。但し、S191で、CPU401が、画像形成装置1から一定時間以内に紙間時間を受信しない場合は、十分に広い紙間が空いていると判断し、紙間時間に所定の最大値を入力し、S192の処理へ進む。S192で、CPU401はNVRAMに予め記憶されている紙間ずれ時間(図5(a) S43参照)と、画像形成装置1内の定着センサ18で計測された後続紙との紙間時間から、INセンサ75における後続紙との紙間時間(後続紙間時間)(Pb)を算出する。具体的には、定着センサ18において計測された当該紙と後続紙との紙間時間と、NVRAMから読み取った紙間ずれ時間とを加算する((後処理装置40内での紙間時間)=(画像形成装置1内での紙間時間)+差分;図5(a) S43の説明を参照)。これにより、INセンサ75における当該紙と後続紙との紙間時間Pbを算出する。尚、NVRAMに予め記憶されている紙間ずれ時間は、当該紙の先端がINセンサ75に到着した際に紙間ずれ時間記憶タスクにより算出され保存された紙間ずれ時間(後端紙間情報)である。S193で、CPU401は、S192で算出した後続紙との紙間時間(Pb)に基づいて、INセンサ75における後端通過時間と切り替えソレノイド161のオフ時間との間隔(TsolOFF)を算出する。尚、実施例1では、TsolOFFを一定値としていた(図6 S90参照)。
【0043】
[ソレノイドオンタイミングの決定方法]
S185の算出処理について図9で詳細に説明する。尚、図9は搬送速度333[m/sec]で用紙が搬送されている状態を示している。切り替え爪61の動作時間は、切り替えソレノイド161をオンしてから切り替え爪61の動作開始までが20ミリ秒[msec]掛かり、切り替え爪61の動作開始から動作完了までが30ミリ秒掛かる。用紙搬送時間は、INセンサ75で用紙先端を検知してから用紙先端が切り替え爪61の軌道(位置)に到着するまでに15ミリ秒掛かり、INセンサ75で用紙後端を検知してから用紙後端が切り替え爪61の軌道(位置)を通過するまでに15ミリ秒掛かる。
【0044】
Pb[msec]は、推測紙間時間で、図8のS184で算出した紙間時間を示す変数である。また、TsolON[msec]は、図8のS185で算出したINセンサ75において用紙先端を検知した時間から遡って切り替えソレノイド161をオンするまでの時間を示す変数である。TsolONを算出する計算は、以下のように推測紙間時間Pb[msec]の値に従い、場合分けして行われる。
推測紙間時間Pb[msec]が80ミリ秒未満の場合は、以下の計算式で算出される。
TsolON=(Pb−5)[msec]
推測紙間時間Pb[msec]が80ミリ秒以上で、140ミリ秒未満の場合は、以下の計算式で算出される。
TsolON=((Pb/2)+35)[msec]
推測紙間時間Pb[msec]が140ミリ秒以上の場合は、以下の値となる。
TsolON=105[msec]
尚、上述の計算式は、切り替え爪61のみに適用され、切り替え爪62〜67に適用する場合は、切り替え爪61から切り替え爪62〜67までの搬送時間を考慮して計算式を変更する必要がある。また、上述の計算式は、どの用紙サイズにおいても適用される。
【0045】
図9は、推測紙間時間Pb[msec]が、60ミリ秒から160ミリ秒まで変化した場合の、算出されたTsolONの値の変化を示している。TsolON[msec]は、INセンサ75において用紙先端を検知した時間から遡って切り替えソレノイド161をオンするまでの時間なので、時間軸の基準はINセンサ75において、当該紙の先端を検知する時間にしている。推測紙間時間Pbの変化による、TsolONの値の変化の状況を、時間軸の基準線(当該紙INセンサ先端検知)から、点線(切り替えソレノイド161オン)までの間隔(TsolONを示す線の幅)の変化で示している。推測紙間時間Pbは、先行紙の後端が切り替え爪61の軌道を通過する時間から、当該紙の先端が切り替え爪61の軌道に到着する時間までの時間として示されている。そして、切り替え爪61の動作開始は一点鎖線で示し、切り替え爪61の動作完了は二点鎖線で示している。従って、推測紙間時間Pbの中のどの位置で切り替え爪61の動作開始と動作完了が実行されるかは、一点鎖線と二点鎖線に挟まれた領域が推測紙間時間Pbの中のどの位置にあるかで示されている。
【0046】
図9で示すように、先行紙の後端が切り替え爪61の軌道を通過したことを示す線と、当該紙の先端が切り替え爪61の軌道に到着したことを示す線の間(推測紙間時間Pb)に切り替え爪61の動作時間(一点鎖線と二点鎖線に挟まれた領域)が包含されている。従って、上述の時間で切り替えソレノイド161をオンする場合は、先行紙の画像に影響がなく、かつ、当該紙のジャムが発生しないことが示されている。また、図9で切り替えソレノイド161をオンする時間は、当該紙がINセンサ75で先端検知される時間より前であることから、当該紙がINセンサ75で先端検知される時間を基準に切り替えソレノイド161をオンすることが不可能である。即ち、画像形成装置1内の定着センサ18での当該紙の先端通過を基準に切り替えソレノイド161をオンしなければならないことが示されている。
【0047】
図9において、特に重要な点としては、切り替えソレノイド161をオンする時間は、紙間時間が極端に短い60ミリ秒〜80ミリ秒未満では、極力、用紙先端とのジャムマージンを確保することを重視し計算されていることが示されている。尚、ユーザーには、画像への影響よりもジャムを回避することの方が重要なので、ジャムマージンを確保することを重視している。また、紙間時間が徐々に大きくなる80ミリ秒以上で140ミリ秒未満の間は、当該紙の用紙先端のジャムマージンと、先行紙の用紙後端の画像への影響のマージンの両方を確保し計算されていることが示されている。また、紙間が140ミリ秒以上の場合は、当該紙の用紙先端のジャムマージンも先行紙の用紙後端の画像への影響のマージンも、既に140ミリ秒において余裕をとった値となっているので、それ以降は固定タイミングで動作させることが示されている。尚、紙間時間が60ミリ秒未満となる場合は、搬送不良が発生している可能性を考慮し、ジャムとして判断する。また、ここでは搬送速度333[m/sec]を一例として、上記のような期間で場合分けを行って説明した。しかし、これに限られるものではなく、例えば搬送速度やソレノイドの駆動時間等に応じて、適切な時間で場合分けを設定することが可能であり、以降の説明についても同様である。
【0048】
[ソレノイドオフタイミングの決定方法]
S193の算出処理について図10で詳細に説明する。尚、図10は搬送速度333[m/sec]で用紙が搬送されている状態を示している。切り替え爪61の動作時間は、切り替えソレノイド161をオフしてから切り替え爪61が動作を開始するまで30ミリ秒[msec]掛かり、切り替え爪61が動作を開始してから動作が完了するまで45ミリ秒掛かる。尚、切り替え爪61は、切り替えソレノイド161をオフした場合には、不図示のバネにより切り替え爪61を動作させるので、切り替えソレノイド161をオンした場合と比較して切り替え爪61の動作開始から動作完了までの時間が長くなっている。用紙搬送時間は、INセンサ75で用紙の先端を検知してから用紙の先端が切り替え爪の軌道(位置)に到着するまでに15ミリ秒掛かり、INセンサ75で用紙の後端を検知してから用紙の後端が切り替え爪の軌道(位置)を通過するまで15ミリ秒掛かる。
【0049】
Pb[msec]は、推測紙間時間であり、図8のS192で算出した紙間時間を示す変数である。また、TsolOFF[msec]は、図8のS193で算出したINセンサ75において当該紙の用紙後端を検知した時間の後に切り替えソレノイド161をオフするまでの時間を示す変数である。TsolOFFの値がマイナスの場合は、INセンサ75において当該紙の用紙後端を検知した時間から遡って切り替えソレノイド161をオフすることを示している。すなわち、TsolOFFの値がマイナスの場合は、当該紙の後端をINセンサ75で検知する前に切り替えソレノイド161をオフしなければならず、切り替えソレノイド161のオフのタイミングについて、INセンサ75による検知を基準とできない。従って本実施例では、切り替えソレノイド161のオフのタイミングについて、定着センサ18による検知を基準としている。
【0050】
TsolOFFを算出する計算は、以下のように推測紙間時間Pb[msec]の値に従い、場合分けして行われる。
推測紙間時間Pb[msec]が80ミリ秒未満の場合は、以下の計算式で算出される。
TsolOFF=−10[msec]
推測紙間時間Pb[msec]が80ミリ秒以上で、かつ、140ミリ秒未満の場合は、以下の計算式で算出される。
TsolOFF=((Pb/2)−50)[msec]
推測紙間時間Pb[msec]が、140ミリ秒以上の場合は、以下の計算式で算出される。
TsolOFF=20[msec]
尚、上述の計算式は、切り替え爪61のみに適用され、切り替え爪62〜67に適用する場合は、切り替え爪61から切り替え爪62〜67までの搬送時間を考慮して計算式を変更する必要がある。また、上述の計算式は、どの用紙サイズにおいても適用される。
【0051】
図10は、推測紙間時間Pb[msec]が、60ミリ秒から160ミリ秒まで変化した場合の、算出されたTsolOFFの値の変化を示している。TsolOFF[msec]は、INセンサ75において当該紙の用紙後端を検知した時間の後にソレノイドをオフするまでの時間なので、時間軸の基準は、INセンサ75における当該紙の後端を検知する時間にしている。推測紙間時間Pbの変化による、TsolOFFの値の変化の状況を、時間軸の基準線(当該紙のINセンサ後端検知)から、点線(切り替えソレノイド161オフ)までの間隔(TsolOFFを示す線の幅)の変化で示している。推測紙間時間Pbは、当該紙の後端が切り替え爪61の軌道を通過する時間から、後続紙の先端が切り替え爪61の軌道に到着する時間までの時間として示されている。そして、切り替え爪61の動作開始は一点鎖線で示し、切り替え爪61の動作完了は二点鎖線にて示している。従って、推測紙間時間Pbの中のどの位置で切り替え爪61の動作開始と動作完了が実行されるかは、一点鎖線と二点鎖線にて挟まれた領域が推測紙間時間Pbの中のどの位置にあるかで示されている。
【0052】
図10で示すように、当該紙の後端が切り替え爪61の軌道を通過したことを示す線と、後続紙の先端が切り替え爪61の軌道に到着したことを示す線の間(推測紙間時間Pb)に切り替え爪61の動作時間(一点鎖線と二点鎖線に挟まれた領域)が包含されている。従って、上述の時間で切り替えソレノイド161をオフする場合は、当該紙の画像に影響がなく、かつ、後続紙のジャムが発生しないことが示されている。また、図10より切り替えソレノイド161をオフする時間は、当該紙がINセンサ75で後端を検知される時間より前になる場合もあることが示されている。従って、当該紙がINセンサ75で後端を検知される時間を基準に切り替えソレノイド161をオフすることは不可能である。即ち、定着センサ18における後端通過の検知を基準に切り替えソレノイド161をオフしなければいけないことが示されている。
【0053】
図10において、特に重要な点としては、切り替えソレノイド161をオフする時間は、推測紙間時間Pbが極端に短い80ミリ秒未満では、当該紙の用紙後端の画像への影響のマージンを確保するために、固定タイミングで動作させている。また、推測紙間時間Pbが徐々に大きくなる80ミリ秒以上で140ミリ秒未満の間は、後続紙の用紙先端のジャムマージンと、当該紙の用紙後端の画像への影響のマージンの両方を確保し計算されていることが示されている。また、紙間が140ミリ秒以上の場合は、後続紙の用紙先端のジャムマージンも当該紙の用紙後端の画像への影響のマージンも、既に140ミリ秒において余裕をとった値となっているので、それ以降は固定タイミングで動作させることが示されている。
【0054】
以上説明したように、実施例2では、推測紙間時間Pbを使用して、切り替えソレノイド161のオン時間とオフ時間を算出している。その結果、推測紙間時間Pbに従って、切り替えソレノイド161のオン動作とオフ動作が制御され、常に、最適なジャムマージンが確保され、かつ、画像への影響のマージンも確保される。
【0055】
以上本実施例によれば、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【実施例3】
【0056】
[用紙サイズに応じた制御方法]
実施例3の後処理装置40は、実施例1、2の後処理装置40と概ね同じであるが、実施例1、2と異なり用紙の紙サイズに応じた切り替え爪61〜67の制御を行っている。尚、実施例1で説明した図1〜4、6、8、9は本実施例において援用する。
【0057】
搬送ローラ71〜73の搬送速度を排紙ローラ15の搬送速度より速くすることにより、後処理装置40内の搬送速度は、画像形成装置1内の搬送速度より速くされている。また、後端所要時間は、後処理装置40における搬送速度が支配的であり、特に、用紙の搬送方向の長さが長く、用紙がニップされる搬送ローラ71〜73の数が多い状態で搬送される場合は、後端所要時間はより短くなる。従って、後端所要時間と紙間ずれ時間は、用紙サイズの影響を大きく受ける。
【0058】
例えば、用紙の排出先が積載トレイ45の場合で具体的に説明する。用紙の先端は、用紙が後処理装置40に受け渡されるまでは画像形成装置1が搬送するため、用紙サイズが変更されても先端所要時間はほぼ同一の値となる。しかし、用紙の後端については、用紙の搬送方向の長さによって次のように搬送される状況が異なる。用紙の搬送方向の長さが長い場合には、2つの搬送ローラ、すなわち搬送ローラ71と搬送ローラ72にニップされた状態となり、後処理装置40の搬送速度で搬送されることが支配的となる。その結果、後端所要時間は短くなる。一方、用紙の搬送方向の長さが短い場合は、1つの搬送ローラ、すなわち搬送ローラ71のみで搬送される。このため、画像形成装置1の搬送速度で搬送されることが支配的となる。その結果、後端所要時間は長くなる。すなわち、用紙の搬送方向の長さが長いと後処理装置40の搬送ローラに多くニップされて後処理装置40の搬送力が大きくなり、用紙の搬送方向の長さが短いと後処理装置40の搬送ローラに少なくニップされて画像形成装置1の搬送力が大きくなる。上述のように、用紙の搬送方向の長さにより搬送される状況が変化し、後端所要時間が変化する。また、後端通過時間が変化するため紙間ずれ時間も変化する。従って、本実施例の後処理装置40では、搬送される用紙サイズに応じた切り替え爪61〜67の制御を実施例1、2の後処理装置40に追加している。
【0059】
実施例1の後処理装置40に用紙サイズに応じた制御を追加した本実施例の後処理装置40では、CPU401は、後端所要時間記憶タスクにより用紙サイズごとに後端所要時間をNVRAMに保存する(図5(c) S64参照)。そして、CPU401が、後端所要時間を使用する場合(図6 S91参照)は、用紙サイズごとに保存された後端所要時間を検索して使用する。具体的には、図6のS91では、当該紙の用紙サイズにより当該紙の後端所要時間が変動するため、当該紙の用紙サイズに応じた後端所要時間を検索して使用する。
【0060】
また、実施例2の後処理装置40に用紙サイズに応じた制御を追加した本実施例の後処理装置40では、CPU401は、用紙サイズごとに、紙間ずれ時間記憶タスクにより紙間ずれ時間をNVRAMに保存する(図5(a) S43参照)。また、CPU401は、用紙サイズごとに、後端所要時間記憶タスクにより後端所要時間をNVRAMに保存する(図5(c) S64参照)。そして、CPU401が、紙間ずれ時間を使用する場合(図8 S184、S192参照)は、用紙サイズごとに保存された紙間ずれ時間を検索して使用する。具体的には、図8のS184では、先行紙の用紙サイズにより先行紙の後端所要時間が変動し、そのためINセンサ75における紙間時間も変動するため、先行紙の用紙サイズに応じた紙間ずれ時間を検索して使用する。また、図8のS192では、当該紙の用紙サイズにより当該紙の後端所要時間が変動し、そのためINセンサ75における紙間時間も変動するため、当該紙の用紙サイズに応じた紙間ずれ時間を検索して使用する。また、CPU401が、後端所要時間を使用する場合(図8 S194参照)は、用紙サイズごとに保存された後端所要時間を検索して使用する。具体的には、図8のS194では、当該紙の用紙サイズにより当該紙の後端所要時間が変動するため、当該紙の用紙サイズに応じた後端所要時間を検索して使用する。
【0061】
本実施例の後処理装置40では、先行する用紙と用紙サイズが異なった場合でも、用紙サイズに応じた紙間ずれ時間と後端所要時間を使用することにより、切り替えソレノイド161を動作させる最適なタイミングを算出することができる。
【0062】
以上本実施例によれば、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【実施例4】
【0063】
[INセンサから切り替え爪の距離に応じた制御方法]
実施例4の後処理装置40は、実施例1、2の後処理装置40と概ね同じであるが、実施例1、2と異なり、動作させる切り替え爪61〜67の位置と、INセンサ75の位置との距離(位置関係)に応じた切り替え爪61〜67の制御を行っている。尚、実施例1で説明した図1〜4、6、8、9は本実施例において援用する。
【0064】
動作させる切り替え爪61〜67とINセンサ75との位置関係により、推測ではなく実際にINセンサ75で計測された紙間時間、先端通過時間、後端通過時間をそのまま使用できる場合がある。即ち、動作させる切り替え爪61〜67とINセンサ75との距離により、用紙の先端又は後端がINセンサ75を通過した後に、通過した時間に基づいてTON又はTOFFを決定して、最適なタイミングで切り替え爪61〜67を動作できる場合がある。具体的には、INセンサ75からの距離が最も近い切り替え爪61を動作させる場合より、最も遠い切り替え爪67を動作させる場合の方が、INセンサ75で計測された紙間時間、先端通過時間、後端通過時間をそのまま使用できる場合がある。従って、本実施例の後処理装置40は、実施例1、2の後処理装置40に、予め計測しNVRAMに記憶した紙間ずれ時間、先端所要時間、後端所要時間の中からどのデータを使用して切り替え爪61〜67を制御するかを判断する制御を追加している。
【0065】
実施例2の後処理装置40では、紙間ずれ時間記憶タスクによって算出、保存された紙間ずれ時間を用いて切り替えソレノイド161〜167の動作時間の算出を行っている。しかし、本実施例の後処理装置40では以下のような制御が行われる。CPU401が、INセンサ75で計測した紙間時間をそのまま使用することができると判断した場合は、紙間ずれ時間記憶タスクにより算出、保存された紙間ずれ時間による紙間時間の算出(図8のS184、S192)は実施しない。そして、INセンサ75で計測した先行紙及び後続紙との紙間時間に基づいて切り替えソレノイド161〜167動作時間の算出を行っている。
【0066】
また、実施例1、2の後処理装置40では、先端所要時間記憶タスクにより算出、保存された先端所要時間を用いて切り替えソレノイド161〜167動作時間の算出を行っている。しかし、本実施例の後処理装置40では以下のような制御が行われる。CPU401が、INセンサ75で計測した当該紙の先端通過時間をそのまま使用することができると判断した場合は、先端所要時間記憶タスクにより算出、保存された先端所要時間による先端通過時間の算出(図6のS85、図8のS186)は実施しない。そして、INセンサ75で計測した当該紙の先端通過時間に基づいて切り替えソレノイド161〜167の動作時間の算出を行っている。
【0067】
また、実施例1、2の後処理装置40では、後端所要時間記憶タスクにより算出、保存された後端所要時間を用いて切り替えソレノイド161〜167動作時間の算出を行っている。しかし、本実施例の後処理装置40では以下のような制御が行われる。CPU401が、INセンサ75で計測した当該紙の後端通過時間をそのまま使用することができると判断した場合には、後端所要時間記憶タスクにより算出、保存された後端所要時間による後端通過時間の算出(図6のS91、図8の194)は実施しない。そして、後処理装置40のINセンサ75で計測した当該紙の後端通過時間に基づいて切り替えソレノイド161〜167の動作時間の算出を行っている。
【0068】
本実施例の後処理装置40では、必要のない推測部分が削除され、より精度の高い切り替え爪61〜67の動作が可能となる。
【0069】
以上本実施例によれば、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【0070】
[その他の実施例]
実施例1〜4では、切り替えソレノイド161〜167をオンするタイミング及びオフするタイミングの両方について、先端所要時間、後端所要時間等を用いて切り替え制御を行った。しかし、例えば切り替えソレノイド161〜167をオンするタイミングのみ先端所要時間等を用い、切り替えソレノイド161〜167をオフするタイミングについては所定の値とする構成としてもよい。また、例えば、切り替えソレノイド161〜167をオンするタイミングは所定の値とし、切り替えソレノイド161〜167をオフするタイミングのみ後端所要時間等を用いる構成としてもよい。
【0071】
また、実施例1〜4では、後処理装置40内のCPU401が、切り替えソレノイド161〜167をオン、オフするタイミングを算出した。しかし、画像形成装置1内の制御手段、例えば不図示のCPU(算出手段)が、切り替えソレノイド161〜167をオン、オフするタイミングを算出する構成としてもよい。この場合、後処理装置40内のINセンサ75による検知結果の情報は、コミュニケーションインターフェイス420を介して画像形成装置1内のCPUに送られる。また、画像形成装置1内のCPUが算出した情報は、コミュニケーションインターフェイス420を介して後処理装置40内のCPU401に送られ、CPU401による切り替え爪の切り替え制御が行われる。
【0072】
また、実施例1〜4では、定着センサ18により用紙の先端又は後端を検知したときを基準として、切り替えソレノイド161〜167のオン、オフの制御を行った。しかし、画像形成装置1内における搬送路上の用紙を検知する複数のセンサ(複数の検知手段)の中で最も下流側に配置されたセンサであれば、定着センサ18に限定されない。例えば図11に示すように、画像形成装置1が、排紙ローラ15により排紙された用紙を検知するための排紙センサ19を備える場合、用紙の搬送路上の最も下流側にあるセンサは排紙センサ19である。この排紙センサ19により用紙の先端又は後端が検知された時間を基準として、切り替えソレノイド161〜167のオン又はオフの制御を行う構成とすることができる。尚、図11において、図1と同じ又は相当する構成には同じ符号を付しており、説明は省略する。
【0073】
また、実施例1〜4では、INセンサ75により検知した先端所要時間等を用いて切り替えソレノイド161〜167のオン、オフのタイミングを算出した。しかし、後処理装置40における搬送路上の用紙を検知する複数のセンサの中で最も上流側に配置されたセンサであれば、INセンサ75に限定されない。
【0074】
以上、その他の実施例においても、用紙の排出先を切り替えるための切り替え爪を最適なタイミングで動作させることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成装置
18 定着センサ
40 後処理装置
41〜48 積載トレイ
61〜67 切り替え爪
75 INセンサ
401 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、
排出された用紙を積載する複数の積載部と、
前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、
前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、
前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、
前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、
前記用紙に先行して搬送された先行紙の先端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が可能な位置に切り替える第一タイミングを算出する算出手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の先端が検知されると、前記算出手段により算出された第一タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、
排出された用紙を積載する複数の積載部と、
前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、
前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、
前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、
前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、
用紙に先行して搬送された先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が不可能な位置に切り替える第二タイミングを算出する算出手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の後端が検知されると、前記算出手段により算出された第二タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、
排出された用紙を積載する複数の積載部と、
前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、
前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、
前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、
前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、
用紙に先行して搬送された先行紙の先端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が可能な位置に切り替える第一タイミングと、前記先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が不可能な位置に切り替える第二タイミングと、を算出する算出手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の先端が検知されると、前記算出手段により算出された第一タイミングで前記切り替え手段を切り替え、前記第一検知手段により用紙の後端が検知されると、前記算出手段により算出された第二タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
前記算出手段は、前記先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記用紙の先端が前記第一検知手段により検知されるまでの時間と、前記先行紙に先行して搬送された用紙の後端が前記第二検知手段により検知されてから前記先行紙の先端が前記第二検知手段により検知されるまでの時間とに基づいて、前記第一タイミングを算出することを特徴とする請求項1又は3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記算出手段は、前記先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記用紙の先端が前記第一検知手段により検知されるまでの時間と、前記先行紙に先行して搬送された用紙の後端が前記第二検知手段により検知されてから前記先行紙の先端が前記第二検知手段により検知されるまでの時間とに基づいて、前記第二タイミングを算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記算出手段は、用紙の搬送方向の長さに応じて前記第二タイミングを算出することを特徴とする請求項2、3、5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第二検知手段と前記切り替え手段との距離に応じて前記算出手段による算出を行うか否かを判断し、前記算出手段による算出を行わないと判断した場合は、前記第二検知手段により用紙について検知した情報を用いて前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記後処理装置は、前記算出手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像形成装置は、前記算出手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項1】
用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、
排出された用紙を積載する複数の積載部と、
前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、
前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、
前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、
前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、
前記用紙に先行して搬送された先行紙の先端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が可能な位置に切り替える第一タイミングを算出する算出手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の先端が検知されると、前記算出手段により算出された第一タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、
排出された用紙を積載する複数の積載部と、
前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、
前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、
前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、
前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、
用紙に先行して搬送された先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が不可能な位置に切り替える第二タイミングを算出する算出手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の後端が検知されると、前記算出手段により算出された第二タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
用紙に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置から搬送された用紙に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、
排出された用紙を積載する複数の積載部と、
前記複数の積載部のうちの一の積載部に用紙を排出するための前記複数の積載部の夫々に対応した複数の切り替え手段と、
前記切り替え手段の切り替え動作を制御する制御手段と、
前記画像形成装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記画像形成装置における搬送路上の最も下流側に配置された第一検知手段と、
前記後処理装置における搬送路上の用紙を検知する複数の検知手段の中で前記後処理装置における搬送路上の最も上流側に配置された第二検知手段と、
用紙に先行して搬送された先行紙の先端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が可能な位置に切り替える第一タイミングと、前記先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記第二検知手段により検知されるまでの時間に基づいて、前記切り替え手段を前記用紙の排出が不可能な位置に切り替える第二タイミングと、を算出する算出手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第一検知手段により用紙の先端が検知されると、前記算出手段により算出された第一タイミングで前記切り替え手段を切り替え、前記第一検知手段により用紙の後端が検知されると、前記算出手段により算出された第二タイミングで前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
前記算出手段は、前記先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記用紙の先端が前記第一検知手段により検知されるまでの時間と、前記先行紙に先行して搬送された用紙の後端が前記第二検知手段により検知されてから前記先行紙の先端が前記第二検知手段により検知されるまでの時間とに基づいて、前記第一タイミングを算出することを特徴とする請求項1又は3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記算出手段は、前記先行紙の後端が前記第一検知手段により検知されてから前記用紙の先端が前記第一検知手段により検知されるまでの時間と、前記先行紙に先行して搬送された用紙の後端が前記第二検知手段により検知されてから前記先行紙の先端が前記第二検知手段により検知されるまでの時間とに基づいて、前記第二タイミングを算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記算出手段は、用紙の搬送方向の長さに応じて前記第二タイミングを算出することを特徴とする請求項2、3、5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第二検知手段と前記切り替え手段との距離に応じて前記算出手段による算出を行うか否かを判断し、前記算出手段による算出を行わないと判断した場合は、前記第二検知手段により用紙について検知した情報を用いて前記切り替え手段を切り替えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記後処理装置は、前記算出手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像形成装置は、前記算出手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−23310(P2013−23310A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157743(P2011−157743)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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