画像形成装置、プログラム
【課題】形成する画像がどのような形状であっても、画像形成時間を短くする。
【解決手段】第1所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第1画像を形成し、前記第1所定回より大である第2所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第2画像を形成する画像形成手段と、前記第1画像および前記第2画像を形成するための前記画像形成手段の第1移動距離を算出する第1算出手段と、各前記第2画像ごとに、該第2画像を形成する際の移動回数を減少させた場合の前記画像形成手段の第2移動距離を算出する第2算出手段と、前記第1移動距離と、前記第2移動距離との比に基づいて、該第2画像が形成される際の前記移動回数を減少させて前記画像形成手段に形成させるか否かの決定を行なう決定手段と、を有することを特徴とする。
【解決手段】第1所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第1画像を形成し、前記第1所定回より大である第2所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第2画像を形成する画像形成手段と、前記第1画像および前記第2画像を形成するための前記画像形成手段の第1移動距離を算出する第1算出手段と、各前記第2画像ごとに、該第2画像を形成する際の移動回数を減少させた場合の前記画像形成手段の第2移動距離を算出する第2算出手段と、前記第1移動距離と、前記第2移動距離との比に基づいて、該第2画像が形成される際の前記移動回数を減少させて前記画像形成手段に形成させるか否かの決定を行なう決定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェット方式の画像形成装置では、文字画像や写真画像を印刷する印刷速度を速めるために、例えば、特許文献1記載の技術が提案されている。特許文献1では、写真画像については画質向上が求められる場合が多いことから、1ライン分の写真画像を形成するために、記録ヘッドの複数回の主走査方向の移動の際にインクを用紙に吐出することで形成していた。一方、文字画像については画質を求められる場合が少ないことから、印刷速度向上のため、1ライン分の文字画像を形成するために、記録ヘッドの1回の主走査方向の移動の際にインクを用紙に吐出することで形成していた。ここで、主走査方向とは、記録ヘッドの移動方向をいい、副走査方向とは、主走査方向と直交し、搬送手段(図示せず)により用紙が搬送される方向をいう。
【0003】
図1に特許文献1記載の技術で、用紙2に、文字領域2aに文字画像を形成し、写真領域2bに写真画像を形成する場合の記録ヘッドの移動について説明する。図1に記載の矢印は、記録ヘッドを透明化した場合の記録ヘッドの移動方向を示したものである。
【0004】
図1の例では、記録ヘッドの初期位置として、左側に記録ヘッドが待機している。また、図1に記載されている4本の矢印は、記録ヘッドの軌跡を示す。そして、図1に示すように用紙を搬送させずに、記録ヘッドは、文字領域2a上を1回、主走査方向に移動し、写真領域2b上は4回移動する(2往復)する。図1の場合には、記録ヘッドは、往路として、矢印(1)で示すように、文字領域2a、写真領域2bを移動した後に、矢印(2)で示すように、復路として、写真領域2b上を移動する。写真領域2b上を移動した後は、矢印(3)で示すように、文字領域2a上を移動せずに、再び往路として、写真領域2b上を移動する。その後、矢印(4)で示すように、復路として、写真領域2b上を移動する。この復路を移動し終わった後は、搬送手段が用紙を副走査方向に1ライン分搬送させて、記録ヘッドは、再び、矢印(1)〜(4)の移動を行なう。
【0005】
このような構成により、記録ヘッドは、文字領域2a上は1回のみの移動でよく、写真領域2b上は4回の移動を行なうことが出来る。従って、写真画像を高品質で印刷することが出来、かつ、印刷時間を短縮することが出来る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、図2に示すように、印刷される画像の領域が、文字領域2bが、写真領域2aと写真領域2cとで挟まれているような形状で構成されている場合がある。上述のように、写真領域2a、写真領域2c上は、4回移動する必要がある。しかし、文字領域2b上は、記録ヘッドは1回の移動でよいものの、写真領域2a、写真領域2c上を4回移動しなければならないので、文字領域2b上も4回移動しなければならない。従って、記録ヘッドの移動時間が長くなり、結果として印刷時間が長くなるという問題もある。
【0007】
そこで、このような問題を鑑みて、本発明では、形成する画像がどのような形状であっても、画像形成時間を短くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、第1所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第1画像を形成し、前記第1所定回より大である第2所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第2画像を形成する画像形成手段と、前記第1画像および前記第2画像を形成するための前記画像形成手段の第1移動距離を算出する第1算出手段と、各前記第2画像ごとに、該第2画像を形成する際の移動回数を減少させた場合の前記画像形成手段の第2移動距離を算出する第2算出手段と、前記第1移動距離と、前記第2移動距離との比に基づいて、該第2画像が形成される際の前記移動回数を減少させて前記画像形成手段に形成させるか否かの決定を行なう決定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置によれば、形成する画像がどのような形状であっても、画像形成時間を短くすることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来技術を説明するための図(その1)。
【図2】従来技術を説明するための図(その2)。
【図3】本実施例の画像形成装置のハードウェア構成例を示した図。
【図4】本実施例のレンダラ処理の一例を示したフローチャート図。
【図5】本実施例の制御部の機能構成例を示した図。
【図6】本実施例の画像形成装置の主な処理の流れを示した図。
【図7】本実施例のパス数の決定手法を説明するための図。
【図8】本実施例のマスク処理を説明するための概念図。
【図9】別の実施形態の画像形成装置の処理を説明するための図。
【図10】別の実施形態の画像形成装置の処理フローを示した図。
【図11】別の実施形態の画像形成装置を説明するための図。
【図12】本実施例の表示手段に表示される画面の一例である(その1)。
【図13】本実施例の表示手段に表示される画面の一例である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
画像形成装置とは例えば、プリンタ、ファクシミリ、インクジェット記録装置などの複写装置、これらの複合機などである。特に、本発明の画像形成装置は、インクジェット記録装置であることが好ましい。また、記録媒体は、例えば、基板、用紙、連続紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。また、画像形成剤とは、画像形成するために用いられるもので、例えば、インクである。以下では、記録媒体を「用紙」とし、画像形成剤を「インク」とする。
【0012】
以下に、各実施形態について説明する。また、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
[実施形態1]
実施形態1の画像形成装置10について説明する。まず、実施形態1のハードウェア構成について説明する。図3は、本発明に係る画像形成装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、画像形成装置10は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、外部記憶装置I/F部14、ネットワークインターフェース部16、入力部17、表示部18、エンジン部19を含む。
【0013】
制御部11は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部11は、主記憶部12に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0014】
主記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部11が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムや画像データを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0015】
補助記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0016】
外部記憶装置I/F部14は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体15(例えば、フラッシュメモリ、SDカードなど)と画像形成装置10とのインタフェースである。
【0017】
また、記憶媒体15に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体15に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部14を介して画像形成装置10にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは画像形成装置10により実行可能となる。
【0018】
ネットワークインターフェース部16は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する外部装置30と画像形成装置10とのインタフェースであり、画像形成装置内の構成部からの情報を取得する。
【0019】
入力部17や表示部18は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、画像形成装置10が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
【0020】
エンジン部19は、例えば、画像形成手段20や読取手段21などを駆動するものである。読取手段21とは、ユーザがセットした原稿を読み取ることで、該原稿の画像データを取得するものである。画像形成手段20とは、読取手段21が取得した画像データに基づいて、用紙にインクを吐出することで、該用紙に画像形成するものである。画像形成装置10がインクジェット記録装置である場合には、画像形成手段20とは記録ヘッドである。画像データは、ユーザが外部装置30から、ネットワークI/F部16に送信されることで、取得することも出来る。以下では、画像形成手段20を「記録ヘッド」であるとして説明する。
【0021】
図4に、読取手段21が、原稿を読み取ることや、外部装置30から送信されることで、取得した画像データの、記録ヘッド20に出力されるまでのレンダリング処理の流れを示す。レンダリング処理は、制御部11が行ってもよいし、制御部11とは独立したレンダラ(図示せず)が行なってもよい。レンダリングとは、取得した画像データを、記録ヘッド20により印刷可能にするための印刷データに変換する処理である。以下では、レンダラが、レンダリング処理を行うとする。
【0022】
まずレンダラは、ライン検出処理を行う(ステップS102)。ライン検出処理とは、印刷データを生成するために、画像データに対する印刷データ範囲の開始位置と終了位置を検出する。
【0023】
次に、レンダラは、インターレース処理を行う(ステップS104)。インターレース処理とは、出力イメージの解像度をサポートするため、記録ヘッド20のノズルピッチに対応した印刷データを生成する処理である。
【0024】
次に、レンダラは、印刷有効範囲抽出処理を行う(ステップS106)。印刷有効範囲抽出処理とは、印刷高速化のために画像処理範囲を限定する処理である。
【0025】
次に、レンダラは、パス数決定処理を行う(ステップS108)。ここで、パス数とは、1ライン分の画像を形成するために、インクを吐出しながら記録ヘッド20が主走査方向を移動する回数をいう。1ラインとは、用紙を停止させた状態で、画像形成手段20が用紙へ記録可能な副走査方向の範囲をいう。例えば、文字画像の形成は、記録ヘッド20がインクを吐出しながら、1回の主走査方向の移動で行なわれることから、「文字画像は1パスで形成される」という。また、写真画像の形成は、記録ヘッド20がインクを吐出しながら、複数回の主走査方向の移動で行なわれることから、「写真画像は複数パスで形成される」という。ステップS108では、形成される文字画像や写真画像などのパス数を決定する。ステップS108については、後述する。
【0026】
次に、レンダラは、反転処理を行う(ステップS108)。反転処理とは、記録ヘッド20が往復移動で印刷することに対応するため、印刷データを記録ヘッドの復路用印刷データに変換する処理である。
【0027】
次に、レンダラは、データ圧縮処理を行う(ステップS110)。データ圧縮処理とは、印刷データをメモリ(図示せず)に格納するために処理である。ここで、メモリとは、印刷用データが格納される箇所であり、例えば、主記憶部12(図3参照)内に設ければよい。
【0028】
そして、レンダラは、圧縮された印刷データをメモリに記憶させる(ステップS112)。
[パス数決定処理]
次に、本実施形態1のパス決定処理について説明する。「第1画像」とは、1ラインについて、記録ヘッド20が第1所定回の主走査方向の移動中にインクを吐出することで形成される画像である。つまり、第1画像は、第1所定回のパス数で形成される画像である。また、第1所定回とは予め定められる値であり、例えば「1」である。また、第1画像が形成される領域を「第1画像領域」といい、第2画像が形成される領域を「第2領域」という。
【0029】
また、「第2画像」とは、記録ヘッド20が第2所定回の主走査方向の移動中にインクを吐出することで形成される画像である。また、第2所定回とは第1所定回より大であり、例えば、「4」である。第1画像とは、例えば、「文字画像」であり、第2画像とは、例えば、「写真画像」である。以下では、第1画像を「文字画像」とし、第2画像を「写真画像」として説明する。また、初期設定として、「写真画像については4パスで形成し、文字画像については1パスで形成する」という設定がなされているとする。また、文字画像が形成される領域を「文字領域」といい、写真画像が形成される領域を「写真領域」という。
【0030】
図5に制御部11の機能構成例を示し、図6に、本実施形態のパス決定処理の流れを示す。図6の処理は、1ライン分の文字画像または写真画像を形成する処理である。
【0031】
まず、領域分離手段112は、印刷データから、第1画像データ(第1画像領域)、第2画像データ(第2画像領域)とに分離する。ここで、記録ヘッド20は、第1画像データに基づいて、第1画像を形成し、第2画像データに基づいて、第2画像を形成する。
【0032】
本実施例のパス数決定処理は、文字画像のパス数は「1」のまま固定とする。そして、写真画像のパス数を「4」のままにするか、「4」以下にするかを決定するものである。パス数を「4」のまま、写真画像を印刷すると、写真画像の画質は良いものとなるが、印刷時間が長くなる。一方、パス数を「4」より小さくして(例えば、パス数を「1」として)、写真画像を印刷すると、印刷時間は短くなるが、画質が低下する。このパス数決定処理では、印刷時間と画質とのバランスが最も良くなるような、写真画像のパス数を決定するものである。
【0033】
また、領域分離手段112が、印刷データを文字画像、写真画像とに分離するということは、領域分離手段112が、用紙に文字画像が形成される領域(以下、文字領域)の座標と、写真画像が形成される領域(写真領域)の座標と、を認識するということである。
【0034】
また、写真データと文字データとの分割手法の一例として、濃度が予め定められた閾値以上の文字が連続していれば、文字データとしてみなし、それ以外のデータを写真データとみなす。なお、写真データが2つ以上隣接している場合には、像域分離手段112は、それら2つ以上隣接している写真データをまとめて、1つの写真データであるとみなす。
【0035】
次に、判定手段120は、主走査方向の1ライン上において、文字領域、写真領域(つまり、文字データ、写真データ)が共に存在するか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4でYesということは、主走査方向の1ライン上において、文字領域と写真領域とが隣接しているということである。また、ステップS4でNoの場合については、後述する。
【0036】
次に判定手段120は、主走査方向の1ライン上において、写真領域が2つ以上存在するか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6でYesの場合には、文字領域が2つの写真領域に挟まれている場合ということである。ステップS6でYesの場合には、ステップS7に移行する。
【0037】
図7に、用紙2上の写真領域202、文字領域204、写真領域206、文字領域208、写真領域210を示す。写真領域202、206、210には、写真画像202a、206a、210aが形成され、文字領域204、208には、文字画像204a、208aが形成される。
【0038】
また、文字領域204は、主走査方向の1ライン上において、写真領域202と写真領域206とに挟まれ、文字領域208は写真領域206と写真領域210とに挟まれている。そして、図7の例では、写真領域の数は「3」であり、文字領域の数は「2」であるが、これらの数値に限られるものではない。
【0039】
そして、それぞれの写真領域に識別番号nを付加する。ここでは、写真領域202、206、210にそれぞれ、識別番号n=1、2、3を付加する。そして、初期設定として、n=1とする(ステップS7)。
【0040】
次に、第1算出手段114が、写真画像および文字画像を形成するための記録ヘッド20の第1移動距離Lallを算出する(ステップS8)。つまり、第1移動距離Lallは2往復分の距離となる。ここで、全ての画像領域上を移動するための1回の移動距離(図7の例では、写真領域202上、文字領域204上、写真領域206上、文字領域208上、写真領域210上を移動するための移動距離)をSとすると、第1移動距離Lall=4Sとなる。
【0041】
次に、第2算出手段116は、各写真画像が形成される領域(つまり、写真領域)ごとに、第2画像を形成する際の移動回数(つまりパス数)を減少させた場合の記録ヘッド20の第2移動距離を算出する(ステップS9)。換言すると、写真領域の識別情報n(n=1,2,3,...)ごとに、写真画像のパス数を減少させた場合の記録ヘッド20の第2移動距離Lnを算出する。また、ここでは、減少させるパス数を「3」とする。つまり、第2移動距離Lnは、それぞれの識別情報n(n=1,2,3,...)の写真領域のパス数を「1」とした場合の移動距離である。
【0042】
ステップS7で示したように、n=1としていることから、第2算出手段116は、n=1の写真領域に形成される写真画像を1パスで形成すると仮定したときの移動距離を第2移動距離L1を算出する。
【0043】
図7Aにn=1とした場合の記録ヘッド20の移動の軌跡を示す。図7Aの矢印(1)に示すように、記録ヘッド20の1回目の往路の移動は、インクを吐出しながら、全ての領域202〜210上を移動する。記録ヘッド20の次の復路の移動は、写真画像202aは1パスで形成されると仮定され、文字画像204aは元々、1パスで形成されることから、矢印(2)で示されるように、写真領域210上→文字領域208上→写真領域206上の順番で移動して、文字領域204の前で停止する。次の往路では矢印(3)に示すように、写真領域206上→写真領域210上→文字領域208上の順番で移動する。そして次の復路では、矢印(4)に示すように、写真領域210上→文字領域208上→写真領域206上の順番で移動する。
【0044】
3つの領域206、208、210上を移動するための距離(つまり、矢印(2)(3)(4)の移動距離)をTとすると、L1=S+3Tとなる。上述のように、Sは、全ての画像領域上を移動するための移動距離(図7の例では、写真領域202上、文字領域204上、写真領域206上、文字領域208上、写真領域210上を移動するための移動距離)である。
【0045】
次に、決定手段118は、第1移動距離Lallと、第2移動距離L1との比に基づいて、n番目の写真画像を形成する際の移動回数(パス数)を減少させて記録ヘッド20に形成させるか否かの決定を行なう(ステップS10、ステップS14)。この例では、決定手段118が、(第2移動距離L1)/(第1移動距離Lall)<第1閾値Lthであるか否かを検知して、写真画像のパス数を減少させるか(つまり、写真画像のパス数を「1」にするか)否かを決定する。第1閾値Lthは、予め定められた値であり、第1閾値Lthを「1」より小さい値とすればよい。
【0046】
ここで、(第2移動距離L1)/(第1移動距離Lall)は、n=1の写真画像を1パスにすることで、記録ヘッド20の移動時間が減少される度合いを示す減少度Mである。つまり、減少度Mが小さければ、減少される移動時間が多く、減少度Mが大きければ、減少される移動時間は少ない、ということである。つまり、減少度Mが、第1閾値Lthより小さいということは、記録ヘッド20の移動時間(つまり、印刷時間)をかなり減少させることが出来るということである。つまり、この例では、1番目の写真データのパス数を「1」とすれば、記録ヘッド20の移動時間をかなり減らすことができる。ステップS10でYesであれば、ステップS14に移行する。
【0047】
ステップS14では決定手段118がn番目の写真画像(この例では、n=1であることから、写真画像202a)を1パスで印刷することを決定する。ステップS10でYesということは、写真画像202aを1パスで印刷すると、記録ヘッド20の移動時間をかなり短縮することが出来るということなので、写真画像202aの画質の向上よりも印刷時間の短縮を優先すべきだからである。ステップS14の後は、ステップS16に移行する。
【0048】
そして、判定手段120が、全ての写真データについて終了したか否かを判定する(ステップS16)。現時点では、n=1であり、全ての写真データについての処理は終了していないことから、ステップS16はNoとなり、ステップS17に移行する。ステップS17ではnを「1」インクメントする。該インクリメント後、再び、ステップS9に戻る。
【0049】
ステップS9では、第2算出手段116は、識別情報n=2である写真画像206aを1パスで印刷すると仮定した場合の第2移動距離L2を算出する。図7Bにn=2とした場合の記録ヘッド20の移動の軌跡を示す。写真画像206aの形成を1パスで行なうように仮定しているのであるが、写真画像202aおよび写真画像210aの形成を4パスで行なう必要がある。従って、図7Bの矢印(1)〜(4)に示すように、記録ヘッド20は、5つの領域202、204、206、208、210上を4パス分(2往復)移動しなければならない。従って、第2移動距離L2=4S=Lallとなる。
【0050】
そして次のステップS10で、決定手段118は、L2/Lall<Lthであるか否かを判定する。上述のように、L2=4S=Lallであり、L2/Lall=1となるので、ステップS10ではNoとなる。
【0051】
ステップS10でNoになるということは、n=2の写真画像206aを1パスで印刷したとしても、記録ヘッド20の移動時間(印刷時間)を全く、あるいは、殆ど短縮できないということである。従って、この場合には、画質を維持するために、n=2の写真画像206aについては、1パス化させずに(つまり、ステップS14の処理を行わせずに)、4パスのままにする。
【0052】
そして、ステップS16、ステップS17の処理を経て(つまり、n=3として)、再び、ステップS8に戻る。図7Cにn=3とした場合の記録ヘッド20の移動の軌跡を示す。この場合には、n=3の写真画像210aの形成を1パスで行なうと仮定した第2移動距離L3を算出する。
【0053】
図7Cの矢印(1)に示すように、記録ヘッド20の1回目の往路の移動は、インクを吐出しながら、全ての領域202〜210上を移動する。記録ヘッド20の次の復路の移動は、n=3の写真画像210aの印刷は1パスで行なわれるが、n=1、2の写真画像202、206の印刷は、4パスで行なわれるので、矢印(2)で示されるように、全ての領域202〜210上を移動する。
【0054】
次の往路では矢印(3)に示すように、記録ヘッド20は、写真領域202上→文字領域204上→写真領域206上の順番で移動し、文字領域208上を移動する前に停止する。文字画像208、写真画像210は共に1パスで形成されるからである。
【0055】
そして次の復路では、矢印(4)に示すように、写真領域206上→文字領域204上→写真領域202上の順番で移動する。
【0056】
3つの領域202、204、206上を移動するための距離(つまり、矢印(2)(3)(4)の移動距離)をUとすると、L3=2S+2Uなる。そして、S10、S14、S16の処理が行なわれる。
【0057】
全ての写真データについての処理が終了したので、ステップS16ではYesとなり、ステップS18に移行する。次に、マスク手段122は、4パスで形成されると決定された写真画像についての写真データに対してマスク処理を行う(ステップS18)。図8に、マスク手段122のマスク処理の概念図を示す。図8に示す「□」「○」「×」「△」はそれぞれ1画素である。マスク手段122は、4パスで形成される写真画像についての写真データについては、1パス目で形成される写真画像のために、画素「○」「×」「△」の写真データをマスクし、画素「□」の写真データのみを残す。また、マスク手段122は、2パス目で形成される写真画像のために、画素「□」「×」「△」の写真データをマスクし、画素「○」の写真データのみを残す。また、マスク手段122は、3パス目で形成される写真画像のために、画素「□」「○」「△」の写真データをマスクし、画素「×」の写真データのみを残す。また、マスク手段122は、4パス目で形成される写真画像のために、画素「□」「○」「×」の写真データをマスクし、画素「△」の写真データのみを残す。マスク手段122によるマスク処理が終了すると、1ライン分の処理は終了する。なお、上述のように、文字画像についてのパス数は「1」であり、固定値である。そして、次のラインについては、再びステップS2から行なわれる。
【0058】
このマスク手段122によりマスクされた画像データに基づいて、画像形成手段20は画像形成を行なう。つまり、ステップS10の判定により、主走査方向の1ライン分の写真画像それぞれについてのパス数を決定し、該決定されたパス数で写真画像を形成する。
【0059】
また、ステップS4において、判定手段120が、文字領域、写真領域が共に存在しないと、判定すると(ステップS4のNo)、初期設定の通りに、写真画像または文字画像を形成する。つまり、写真画像は4パスで形成し、文字画像は1パスで形成する。
【0060】
また、ステップS6において、判定手段120が、写真領域が2以上存在しないと判定した場合というのは(ステップS6のNo)、文字領域が写真領域に挟まれる状況ではないということである。従って、この場合には、文字画像、写真画像ともに、初期設定のまま、印刷される。
【0061】
この実施形態1の画像形成装置によれば、写真画像ごとに減少されたパス数(上記例では1パス)で形成すると仮定することで、該写真画像を1パスで形成するか、または、初期設定のパス数(上記例では4パス)で形成するか、を決定する。この決定は、写真画像について、印刷時間の短縮を図るか、写真画像の画質維持を図るかの決定と同義である。そして、印刷時間の短縮を図る方が最適であると判断された場合には、1パスで形成されると仮定された写真画像については、1パスで形成する。一方、写真画像の画質維持を図る方が最適であると判断された場合には、1パスで形成されると仮定された写真画像については、4パスで形成する。従って、例えば、2つの写真画像により、文字画像が挟まれている場合であっても、従来と比較して、印刷時間を短縮させることが出来る。
[実施形態2]
次に、実施形態2の画像形成装置について説明する。図6のステップS10でYesと判断された場合に、ステップS14で、n番目の写真画像については1パスで形成するように、パス数を減少させると説明した。しかし、このn番目の写真画像の主走査方向の幅が広い場合には、1パスで該写真画像を形成すると、人間の眼では画質が低下したことが顕著に認識されてしまう。従って、実施形態2では、n番目の写真画像において、ステップS10でYesと判断された場合に、このn番目の写真画像の主走査方向の幅が広い場合には、該n番目の写真画像のパス数「1」から「初期設定のパス数(この例では、4回)に戻す。また、ステップS10でYesと判断された場合に、このn番目の写真画像の主走査方向の幅が狭い場合には、パス数を「1」のままにする。
【0062】
図9に、実施形態2の画像形成装置を説明するための図を示し、図10に実施形態2の画像形成装置の主な処理フローを示す。図10の処理フローは、図6の処理フローと比較して、ステップS10とステップS14との間に、ステップS12が介在されている点で異なる。従って、ステップS12のみを説明する。また、図9の記載では、図面簡略化のために、写真画像を2つとし、文字画像を1つとする。また、識別番号n=1の写真画像を写真画像212とし、識別番号n=2の写真画像を写真画像216とする。
【0063】
n=1として、ステップS10でYesの場合に、まず、第3算出手段130は、1番目の写真画像(写真領域)の主走査方向の幅W1を算出する。次に、第4算出手段132は、第1画像(文字画像)および第2画像(写真画像)の主走査方向の幅Wallを算出する。ここで、幅Wallとは、写真画像と文字画像とをまとめて「総画像」というと、総画像の両端の(主走査方向の)幅である。換言すれば、文字画像および写真画像のうち、最も両端にある画像の外側の端(写真画像212の端212bと、写真画像216の端216b)との距離である。
【0064】
そして、決定手段118は、W1とWallとに基づいて、写真画像212を1パスにするか否かを決定する。ここでは、W1/Wall<Wthであるか否かを判断する。「W1/Wall」は、写真画像の総画像に対する割合を示す値であり、この値が小さければ、写真画像の幅は短いことから、1パスで形成したほうが良いということになる。この値が大きければ、写真画像の幅が長いことから、初期設定のパス数で形成したほうが良いということになる。
【0065】
ここでは、W1/Wall>Wthであるとする。そうすると、ステップS12ではNoとなり、n=1の写真画像212については1パス化せずに(つまり、ステップS14に移行せずに)、ステップS16に移行する。
【0066】
一方、n=2の写真画像216の幅W2については、W1/Wall<Wthであるとする。そうすると、ステップS12ではYesとなり、ステップS14に移行する。つまり、n=2の写真画像216については、1パス化する。
【0067】
この実施形態2の画像形成装置であれば、実施形態1の構成に、更に、写真画像の主走査方向の幅も考慮して、該写真画像を1パスで形成するか、初期設定のパス数(4パス)で形成するか、を決定する。従って、実施形態1と比較して、更に正確なパス数の調整を行なうことができる。
[実施形態3]
次に、実施形態3の画像形成装置について説明する。実施形態3では、原稿の種類に基づいて、決定手段118による上述した決定を行なうか否かを定める。
【0068】
この実施形態3では、ユーザは、操作部17(図3参照)または、外部装置30(例えば、ユーザ端末)から、原稿の種類を示す原稿種類情報、および、画像印刷が終了された用紙の出力モードの種類を示す出力種類情報を入力することが出来る。原稿種類情報とは、例えば、原稿が文字のみで構成されているか、原稿が写真のみで構成されているか、原稿が文字および写真で構成されているか、などを示す情報である。また、出力種類情報とは、印刷された用紙の出力モードの種類を示す情報であり、例えば、画質優先モードか、標準モードか、速度優先モードか、などを示す情報である。
【0069】
図11に、原稿種類と出力モードとの対応を示す。図11中の「○」は、少なくとも、決定手段11は決定処理を行なうことを示し、少なくとも、「×」は決定手段11の決定処理を行なわないことを示す。更に説明すると、図11中の「○」は、決定手段11の決定処理、第1算出手段114の算出処理、第2算出手段116の算出処理、を全て行う。また、図11中の「×」は、決定手段11の決定処理、第1算出手段114の算出処理、第2算出手段116の算出処理、を全て行わないようにする。決定手段11の決定処理を行わせるか否かの制御は、第1指示手段124により行われる。
【0070】
図11の例では、原稿の種類が文字画像および写真画像で構成されており、かつ、出力モードが標準モード、速度優先モードである場合には、決定手段11の決定処理を行うようにし、それ以外の場合には、決定手段11の決定処理を行わないようにする。
【0071】
原稿の種類が、文字画像のみ、または、写真画像のみである場合には、図6記載のステップS4でNoとなることから、決定手段11の決定処理を行う必要がないため、第1指示手段124は、決定手段11に決定処理を行わせない。また、出力モードが標準モード、速度優先モードでない場合(つまり、画質優先モードである場合)には、n番目の写真画像を1パスで形成すると、画質が低下する可能性があるので、この場合にも決定手段による決定処理を行わせない。
【0072】
具体的な処理内容としては、第1指示手段124が、ユーザから入力された原稿種類情報、出力種類情報を取得して、決定手段118に決定処理を行わせるか否かの指示を決定手段118に送信する。
【0073】
この実施形態3の画像形成装置のように、原稿の種類や、出力モードの種類に基づいて、第1指示手段124が、決定手段11に決定処理を行わせるか否かを指示する。従って、図11記載の「×」で表されている条件の場合には、図6のような処理を行う必要はなく、処理コストを削減することが出来る。
【0074】
また、上記の説明では、第1指示手段124は、原稿種類情報および出力種類情報に基づいて、決定手段118を指示していたが、原稿種類情報のみ、または、出力種類情報のみに基づいて、決定手段118を指示するようにしても良い。
【0075】
原稿種類情報に基づいて、決定手段118に指示を行なうのは、第1指示手段124が行う。また、出力種類情報に基づいて、決定手段118が指示を行なうのは、第2指示手段126が行なう。
[実施形態4]
次に、実施形態4の画像形成装置について説明する。実施形態3の画像形成装置では、図11に示すように、○が記載されている条件であれば、自動的に、決定手段118は、決定処理を行なう。実施形態4では、図11の○が記載されている条件であっても、ユーザが、決定手段118による決定処理が行われるか否かを選択できる。
【0076】
図12に、表示部18に表示される選択画面の一例を示す。図12の例では、決定手段118が決定処理を行なうことを「最適化」としている。また、この最適化を行なうことを「最適化を許可する」といい、この最適化を行なわないことを「最適化を無効とする」という。
【0077】
そして、ユーザは、「最適化」を許可するか、または、無効とするか(許可しないか)、を選択できる。ユーザが許可する場合には、許可ボタンを押下する。また、ユーザが無効にする場合には、無効ボタンを押下する。この選択が出来ることにより、ユーザにとって、使い勝手が良いものとなる。
【0078】
また、上記では、表示部18に図12記載の画面を表示すると説明したが、外部装置30の表示部に図12記載の画面を表示させて、外部装置30から「最適化」を許可するか、または、無効とするかの情報を画像形成装置に送信させるようにしても良い。
[実施形態5]
次に、実施形態5の画像形成装置について説明する。実施形態4の画像形成装置では、図12記載の画面から、「最適化」を許可するか、または、無効とするかを選択できた。また、この最適化(決定手段118による決定処理を行なうこと)による印刷時間の縮小時間は、印刷部数に比例する。つまり、印刷部数が少ない場合には、この最適化による印刷時間はあまり短縮されず、印刷部数の多い場合に、印刷時間は大幅に短縮される。つまり、印刷部数が多い場合の方が、効率が良い。
【0079】
そこで、印刷部数が、予め定められた第3閾値より小さい場合であり、図11の○である条件である場合には、図13記載のように、許可ボタン、無効ボタンを押下しても、該押下されたことを示す信号が出力されないような画面を表示する。第3閾値は、例えば、「2」とればよく、つまり、印刷部数が「1」の場合には、図1の○である条件であったとしても、図13記載の画面を表示させる。
【0080】
このように、印刷部数が少ない場合には、仮に、最適化が選択されたとしても、印刷の短縮時間は微小である。従って、図13記載のような画面を表示して、ユーザに対して、最適化の許可、最適化の無効を選択できないようにすることで、ユーザに対する負荷を軽減することができる。
【0081】
また、印刷部数に基づいて、決定手段118に指示を行なうのは、第3指示手段128が行なう。
[プログラムについて]
また、本実施例は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0082】
また、画像形成装置の処理をコンピュータに実行させる画像形成プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよいが、具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0083】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0084】
また、上述した実施形態とは別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接このプログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
112 像域分離手段
114 第1算出手段
116 第2算出手段
118 決定手段
120 判定手段
122 マスク手段
124 第1指示手段
126 第2指示手段
128 第3指示手段
130 第3算出手段
132 第4算出手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開平10−278346号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェット方式の画像形成装置では、文字画像や写真画像を印刷する印刷速度を速めるために、例えば、特許文献1記載の技術が提案されている。特許文献1では、写真画像については画質向上が求められる場合が多いことから、1ライン分の写真画像を形成するために、記録ヘッドの複数回の主走査方向の移動の際にインクを用紙に吐出することで形成していた。一方、文字画像については画質を求められる場合が少ないことから、印刷速度向上のため、1ライン分の文字画像を形成するために、記録ヘッドの1回の主走査方向の移動の際にインクを用紙に吐出することで形成していた。ここで、主走査方向とは、記録ヘッドの移動方向をいい、副走査方向とは、主走査方向と直交し、搬送手段(図示せず)により用紙が搬送される方向をいう。
【0003】
図1に特許文献1記載の技術で、用紙2に、文字領域2aに文字画像を形成し、写真領域2bに写真画像を形成する場合の記録ヘッドの移動について説明する。図1に記載の矢印は、記録ヘッドを透明化した場合の記録ヘッドの移動方向を示したものである。
【0004】
図1の例では、記録ヘッドの初期位置として、左側に記録ヘッドが待機している。また、図1に記載されている4本の矢印は、記録ヘッドの軌跡を示す。そして、図1に示すように用紙を搬送させずに、記録ヘッドは、文字領域2a上を1回、主走査方向に移動し、写真領域2b上は4回移動する(2往復)する。図1の場合には、記録ヘッドは、往路として、矢印(1)で示すように、文字領域2a、写真領域2bを移動した後に、矢印(2)で示すように、復路として、写真領域2b上を移動する。写真領域2b上を移動した後は、矢印(3)で示すように、文字領域2a上を移動せずに、再び往路として、写真領域2b上を移動する。その後、矢印(4)で示すように、復路として、写真領域2b上を移動する。この復路を移動し終わった後は、搬送手段が用紙を副走査方向に1ライン分搬送させて、記録ヘッドは、再び、矢印(1)〜(4)の移動を行なう。
【0005】
このような構成により、記録ヘッドは、文字領域2a上は1回のみの移動でよく、写真領域2b上は4回の移動を行なうことが出来る。従って、写真画像を高品質で印刷することが出来、かつ、印刷時間を短縮することが出来る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、図2に示すように、印刷される画像の領域が、文字領域2bが、写真領域2aと写真領域2cとで挟まれているような形状で構成されている場合がある。上述のように、写真領域2a、写真領域2c上は、4回移動する必要がある。しかし、文字領域2b上は、記録ヘッドは1回の移動でよいものの、写真領域2a、写真領域2c上を4回移動しなければならないので、文字領域2b上も4回移動しなければならない。従って、記録ヘッドの移動時間が長くなり、結果として印刷時間が長くなるという問題もある。
【0007】
そこで、このような問題を鑑みて、本発明では、形成する画像がどのような形状であっても、画像形成時間を短くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、第1所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第1画像を形成し、前記第1所定回より大である第2所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第2画像を形成する画像形成手段と、前記第1画像および前記第2画像を形成するための前記画像形成手段の第1移動距離を算出する第1算出手段と、各前記第2画像ごとに、該第2画像を形成する際の移動回数を減少させた場合の前記画像形成手段の第2移動距離を算出する第2算出手段と、前記第1移動距離と、前記第2移動距離との比に基づいて、該第2画像が形成される際の前記移動回数を減少させて前記画像形成手段に形成させるか否かの決定を行なう決定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置によれば、形成する画像がどのような形状であっても、画像形成時間を短くすることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来技術を説明するための図(その1)。
【図2】従来技術を説明するための図(その2)。
【図3】本実施例の画像形成装置のハードウェア構成例を示した図。
【図4】本実施例のレンダラ処理の一例を示したフローチャート図。
【図5】本実施例の制御部の機能構成例を示した図。
【図6】本実施例の画像形成装置の主な処理の流れを示した図。
【図7】本実施例のパス数の決定手法を説明するための図。
【図8】本実施例のマスク処理を説明するための概念図。
【図9】別の実施形態の画像形成装置の処理を説明するための図。
【図10】別の実施形態の画像形成装置の処理フローを示した図。
【図11】別の実施形態の画像形成装置を説明するための図。
【図12】本実施例の表示手段に表示される画面の一例である(その1)。
【図13】本実施例の表示手段に表示される画面の一例である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
画像形成装置とは例えば、プリンタ、ファクシミリ、インクジェット記録装置などの複写装置、これらの複合機などである。特に、本発明の画像形成装置は、インクジェット記録装置であることが好ましい。また、記録媒体は、例えば、基板、用紙、連続紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。また、画像形成剤とは、画像形成するために用いられるもので、例えば、インクである。以下では、記録媒体を「用紙」とし、画像形成剤を「インク」とする。
【0012】
以下に、各実施形態について説明する。また、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
[実施形態1]
実施形態1の画像形成装置10について説明する。まず、実施形態1のハードウェア構成について説明する。図3は、本発明に係る画像形成装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、画像形成装置10は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、外部記憶装置I/F部14、ネットワークインターフェース部16、入力部17、表示部18、エンジン部19を含む。
【0013】
制御部11は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部11は、主記憶部12に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0014】
主記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部11が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムや画像データを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0015】
補助記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0016】
外部記憶装置I/F部14は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体15(例えば、フラッシュメモリ、SDカードなど)と画像形成装置10とのインタフェースである。
【0017】
また、記憶媒体15に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体15に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部14を介して画像形成装置10にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは画像形成装置10により実行可能となる。
【0018】
ネットワークインターフェース部16は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する外部装置30と画像形成装置10とのインタフェースであり、画像形成装置内の構成部からの情報を取得する。
【0019】
入力部17や表示部18は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、画像形成装置10が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
【0020】
エンジン部19は、例えば、画像形成手段20や読取手段21などを駆動するものである。読取手段21とは、ユーザがセットした原稿を読み取ることで、該原稿の画像データを取得するものである。画像形成手段20とは、読取手段21が取得した画像データに基づいて、用紙にインクを吐出することで、該用紙に画像形成するものである。画像形成装置10がインクジェット記録装置である場合には、画像形成手段20とは記録ヘッドである。画像データは、ユーザが外部装置30から、ネットワークI/F部16に送信されることで、取得することも出来る。以下では、画像形成手段20を「記録ヘッド」であるとして説明する。
【0021】
図4に、読取手段21が、原稿を読み取ることや、外部装置30から送信されることで、取得した画像データの、記録ヘッド20に出力されるまでのレンダリング処理の流れを示す。レンダリング処理は、制御部11が行ってもよいし、制御部11とは独立したレンダラ(図示せず)が行なってもよい。レンダリングとは、取得した画像データを、記録ヘッド20により印刷可能にするための印刷データに変換する処理である。以下では、レンダラが、レンダリング処理を行うとする。
【0022】
まずレンダラは、ライン検出処理を行う(ステップS102)。ライン検出処理とは、印刷データを生成するために、画像データに対する印刷データ範囲の開始位置と終了位置を検出する。
【0023】
次に、レンダラは、インターレース処理を行う(ステップS104)。インターレース処理とは、出力イメージの解像度をサポートするため、記録ヘッド20のノズルピッチに対応した印刷データを生成する処理である。
【0024】
次に、レンダラは、印刷有効範囲抽出処理を行う(ステップS106)。印刷有効範囲抽出処理とは、印刷高速化のために画像処理範囲を限定する処理である。
【0025】
次に、レンダラは、パス数決定処理を行う(ステップS108)。ここで、パス数とは、1ライン分の画像を形成するために、インクを吐出しながら記録ヘッド20が主走査方向を移動する回数をいう。1ラインとは、用紙を停止させた状態で、画像形成手段20が用紙へ記録可能な副走査方向の範囲をいう。例えば、文字画像の形成は、記録ヘッド20がインクを吐出しながら、1回の主走査方向の移動で行なわれることから、「文字画像は1パスで形成される」という。また、写真画像の形成は、記録ヘッド20がインクを吐出しながら、複数回の主走査方向の移動で行なわれることから、「写真画像は複数パスで形成される」という。ステップS108では、形成される文字画像や写真画像などのパス数を決定する。ステップS108については、後述する。
【0026】
次に、レンダラは、反転処理を行う(ステップS108)。反転処理とは、記録ヘッド20が往復移動で印刷することに対応するため、印刷データを記録ヘッドの復路用印刷データに変換する処理である。
【0027】
次に、レンダラは、データ圧縮処理を行う(ステップS110)。データ圧縮処理とは、印刷データをメモリ(図示せず)に格納するために処理である。ここで、メモリとは、印刷用データが格納される箇所であり、例えば、主記憶部12(図3参照)内に設ければよい。
【0028】
そして、レンダラは、圧縮された印刷データをメモリに記憶させる(ステップS112)。
[パス数決定処理]
次に、本実施形態1のパス決定処理について説明する。「第1画像」とは、1ラインについて、記録ヘッド20が第1所定回の主走査方向の移動中にインクを吐出することで形成される画像である。つまり、第1画像は、第1所定回のパス数で形成される画像である。また、第1所定回とは予め定められる値であり、例えば「1」である。また、第1画像が形成される領域を「第1画像領域」といい、第2画像が形成される領域を「第2領域」という。
【0029】
また、「第2画像」とは、記録ヘッド20が第2所定回の主走査方向の移動中にインクを吐出することで形成される画像である。また、第2所定回とは第1所定回より大であり、例えば、「4」である。第1画像とは、例えば、「文字画像」であり、第2画像とは、例えば、「写真画像」である。以下では、第1画像を「文字画像」とし、第2画像を「写真画像」として説明する。また、初期設定として、「写真画像については4パスで形成し、文字画像については1パスで形成する」という設定がなされているとする。また、文字画像が形成される領域を「文字領域」といい、写真画像が形成される領域を「写真領域」という。
【0030】
図5に制御部11の機能構成例を示し、図6に、本実施形態のパス決定処理の流れを示す。図6の処理は、1ライン分の文字画像または写真画像を形成する処理である。
【0031】
まず、領域分離手段112は、印刷データから、第1画像データ(第1画像領域)、第2画像データ(第2画像領域)とに分離する。ここで、記録ヘッド20は、第1画像データに基づいて、第1画像を形成し、第2画像データに基づいて、第2画像を形成する。
【0032】
本実施例のパス数決定処理は、文字画像のパス数は「1」のまま固定とする。そして、写真画像のパス数を「4」のままにするか、「4」以下にするかを決定するものである。パス数を「4」のまま、写真画像を印刷すると、写真画像の画質は良いものとなるが、印刷時間が長くなる。一方、パス数を「4」より小さくして(例えば、パス数を「1」として)、写真画像を印刷すると、印刷時間は短くなるが、画質が低下する。このパス数決定処理では、印刷時間と画質とのバランスが最も良くなるような、写真画像のパス数を決定するものである。
【0033】
また、領域分離手段112が、印刷データを文字画像、写真画像とに分離するということは、領域分離手段112が、用紙に文字画像が形成される領域(以下、文字領域)の座標と、写真画像が形成される領域(写真領域)の座標と、を認識するということである。
【0034】
また、写真データと文字データとの分割手法の一例として、濃度が予め定められた閾値以上の文字が連続していれば、文字データとしてみなし、それ以外のデータを写真データとみなす。なお、写真データが2つ以上隣接している場合には、像域分離手段112は、それら2つ以上隣接している写真データをまとめて、1つの写真データであるとみなす。
【0035】
次に、判定手段120は、主走査方向の1ライン上において、文字領域、写真領域(つまり、文字データ、写真データ)が共に存在するか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4でYesということは、主走査方向の1ライン上において、文字領域と写真領域とが隣接しているということである。また、ステップS4でNoの場合については、後述する。
【0036】
次に判定手段120は、主走査方向の1ライン上において、写真領域が2つ以上存在するか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6でYesの場合には、文字領域が2つの写真領域に挟まれている場合ということである。ステップS6でYesの場合には、ステップS7に移行する。
【0037】
図7に、用紙2上の写真領域202、文字領域204、写真領域206、文字領域208、写真領域210を示す。写真領域202、206、210には、写真画像202a、206a、210aが形成され、文字領域204、208には、文字画像204a、208aが形成される。
【0038】
また、文字領域204は、主走査方向の1ライン上において、写真領域202と写真領域206とに挟まれ、文字領域208は写真領域206と写真領域210とに挟まれている。そして、図7の例では、写真領域の数は「3」であり、文字領域の数は「2」であるが、これらの数値に限られるものではない。
【0039】
そして、それぞれの写真領域に識別番号nを付加する。ここでは、写真領域202、206、210にそれぞれ、識別番号n=1、2、3を付加する。そして、初期設定として、n=1とする(ステップS7)。
【0040】
次に、第1算出手段114が、写真画像および文字画像を形成するための記録ヘッド20の第1移動距離Lallを算出する(ステップS8)。つまり、第1移動距離Lallは2往復分の距離となる。ここで、全ての画像領域上を移動するための1回の移動距離(図7の例では、写真領域202上、文字領域204上、写真領域206上、文字領域208上、写真領域210上を移動するための移動距離)をSとすると、第1移動距離Lall=4Sとなる。
【0041】
次に、第2算出手段116は、各写真画像が形成される領域(つまり、写真領域)ごとに、第2画像を形成する際の移動回数(つまりパス数)を減少させた場合の記録ヘッド20の第2移動距離を算出する(ステップS9)。換言すると、写真領域の識別情報n(n=1,2,3,...)ごとに、写真画像のパス数を減少させた場合の記録ヘッド20の第2移動距離Lnを算出する。また、ここでは、減少させるパス数を「3」とする。つまり、第2移動距離Lnは、それぞれの識別情報n(n=1,2,3,...)の写真領域のパス数を「1」とした場合の移動距離である。
【0042】
ステップS7で示したように、n=1としていることから、第2算出手段116は、n=1の写真領域に形成される写真画像を1パスで形成すると仮定したときの移動距離を第2移動距離L1を算出する。
【0043】
図7Aにn=1とした場合の記録ヘッド20の移動の軌跡を示す。図7Aの矢印(1)に示すように、記録ヘッド20の1回目の往路の移動は、インクを吐出しながら、全ての領域202〜210上を移動する。記録ヘッド20の次の復路の移動は、写真画像202aは1パスで形成されると仮定され、文字画像204aは元々、1パスで形成されることから、矢印(2)で示されるように、写真領域210上→文字領域208上→写真領域206上の順番で移動して、文字領域204の前で停止する。次の往路では矢印(3)に示すように、写真領域206上→写真領域210上→文字領域208上の順番で移動する。そして次の復路では、矢印(4)に示すように、写真領域210上→文字領域208上→写真領域206上の順番で移動する。
【0044】
3つの領域206、208、210上を移動するための距離(つまり、矢印(2)(3)(4)の移動距離)をTとすると、L1=S+3Tとなる。上述のように、Sは、全ての画像領域上を移動するための移動距離(図7の例では、写真領域202上、文字領域204上、写真領域206上、文字領域208上、写真領域210上を移動するための移動距離)である。
【0045】
次に、決定手段118は、第1移動距離Lallと、第2移動距離L1との比に基づいて、n番目の写真画像を形成する際の移動回数(パス数)を減少させて記録ヘッド20に形成させるか否かの決定を行なう(ステップS10、ステップS14)。この例では、決定手段118が、(第2移動距離L1)/(第1移動距離Lall)<第1閾値Lthであるか否かを検知して、写真画像のパス数を減少させるか(つまり、写真画像のパス数を「1」にするか)否かを決定する。第1閾値Lthは、予め定められた値であり、第1閾値Lthを「1」より小さい値とすればよい。
【0046】
ここで、(第2移動距離L1)/(第1移動距離Lall)は、n=1の写真画像を1パスにすることで、記録ヘッド20の移動時間が減少される度合いを示す減少度Mである。つまり、減少度Mが小さければ、減少される移動時間が多く、減少度Mが大きければ、減少される移動時間は少ない、ということである。つまり、減少度Mが、第1閾値Lthより小さいということは、記録ヘッド20の移動時間(つまり、印刷時間)をかなり減少させることが出来るということである。つまり、この例では、1番目の写真データのパス数を「1」とすれば、記録ヘッド20の移動時間をかなり減らすことができる。ステップS10でYesであれば、ステップS14に移行する。
【0047】
ステップS14では決定手段118がn番目の写真画像(この例では、n=1であることから、写真画像202a)を1パスで印刷することを決定する。ステップS10でYesということは、写真画像202aを1パスで印刷すると、記録ヘッド20の移動時間をかなり短縮することが出来るということなので、写真画像202aの画質の向上よりも印刷時間の短縮を優先すべきだからである。ステップS14の後は、ステップS16に移行する。
【0048】
そして、判定手段120が、全ての写真データについて終了したか否かを判定する(ステップS16)。現時点では、n=1であり、全ての写真データについての処理は終了していないことから、ステップS16はNoとなり、ステップS17に移行する。ステップS17ではnを「1」インクメントする。該インクリメント後、再び、ステップS9に戻る。
【0049】
ステップS9では、第2算出手段116は、識別情報n=2である写真画像206aを1パスで印刷すると仮定した場合の第2移動距離L2を算出する。図7Bにn=2とした場合の記録ヘッド20の移動の軌跡を示す。写真画像206aの形成を1パスで行なうように仮定しているのであるが、写真画像202aおよび写真画像210aの形成を4パスで行なう必要がある。従って、図7Bの矢印(1)〜(4)に示すように、記録ヘッド20は、5つの領域202、204、206、208、210上を4パス分(2往復)移動しなければならない。従って、第2移動距離L2=4S=Lallとなる。
【0050】
そして次のステップS10で、決定手段118は、L2/Lall<Lthであるか否かを判定する。上述のように、L2=4S=Lallであり、L2/Lall=1となるので、ステップS10ではNoとなる。
【0051】
ステップS10でNoになるということは、n=2の写真画像206aを1パスで印刷したとしても、記録ヘッド20の移動時間(印刷時間)を全く、あるいは、殆ど短縮できないということである。従って、この場合には、画質を維持するために、n=2の写真画像206aについては、1パス化させずに(つまり、ステップS14の処理を行わせずに)、4パスのままにする。
【0052】
そして、ステップS16、ステップS17の処理を経て(つまり、n=3として)、再び、ステップS8に戻る。図7Cにn=3とした場合の記録ヘッド20の移動の軌跡を示す。この場合には、n=3の写真画像210aの形成を1パスで行なうと仮定した第2移動距離L3を算出する。
【0053】
図7Cの矢印(1)に示すように、記録ヘッド20の1回目の往路の移動は、インクを吐出しながら、全ての領域202〜210上を移動する。記録ヘッド20の次の復路の移動は、n=3の写真画像210aの印刷は1パスで行なわれるが、n=1、2の写真画像202、206の印刷は、4パスで行なわれるので、矢印(2)で示されるように、全ての領域202〜210上を移動する。
【0054】
次の往路では矢印(3)に示すように、記録ヘッド20は、写真領域202上→文字領域204上→写真領域206上の順番で移動し、文字領域208上を移動する前に停止する。文字画像208、写真画像210は共に1パスで形成されるからである。
【0055】
そして次の復路では、矢印(4)に示すように、写真領域206上→文字領域204上→写真領域202上の順番で移動する。
【0056】
3つの領域202、204、206上を移動するための距離(つまり、矢印(2)(3)(4)の移動距離)をUとすると、L3=2S+2Uなる。そして、S10、S14、S16の処理が行なわれる。
【0057】
全ての写真データについての処理が終了したので、ステップS16ではYesとなり、ステップS18に移行する。次に、マスク手段122は、4パスで形成されると決定された写真画像についての写真データに対してマスク処理を行う(ステップS18)。図8に、マスク手段122のマスク処理の概念図を示す。図8に示す「□」「○」「×」「△」はそれぞれ1画素である。マスク手段122は、4パスで形成される写真画像についての写真データについては、1パス目で形成される写真画像のために、画素「○」「×」「△」の写真データをマスクし、画素「□」の写真データのみを残す。また、マスク手段122は、2パス目で形成される写真画像のために、画素「□」「×」「△」の写真データをマスクし、画素「○」の写真データのみを残す。また、マスク手段122は、3パス目で形成される写真画像のために、画素「□」「○」「△」の写真データをマスクし、画素「×」の写真データのみを残す。また、マスク手段122は、4パス目で形成される写真画像のために、画素「□」「○」「×」の写真データをマスクし、画素「△」の写真データのみを残す。マスク手段122によるマスク処理が終了すると、1ライン分の処理は終了する。なお、上述のように、文字画像についてのパス数は「1」であり、固定値である。そして、次のラインについては、再びステップS2から行なわれる。
【0058】
このマスク手段122によりマスクされた画像データに基づいて、画像形成手段20は画像形成を行なう。つまり、ステップS10の判定により、主走査方向の1ライン分の写真画像それぞれについてのパス数を決定し、該決定されたパス数で写真画像を形成する。
【0059】
また、ステップS4において、判定手段120が、文字領域、写真領域が共に存在しないと、判定すると(ステップS4のNo)、初期設定の通りに、写真画像または文字画像を形成する。つまり、写真画像は4パスで形成し、文字画像は1パスで形成する。
【0060】
また、ステップS6において、判定手段120が、写真領域が2以上存在しないと判定した場合というのは(ステップS6のNo)、文字領域が写真領域に挟まれる状況ではないということである。従って、この場合には、文字画像、写真画像ともに、初期設定のまま、印刷される。
【0061】
この実施形態1の画像形成装置によれば、写真画像ごとに減少されたパス数(上記例では1パス)で形成すると仮定することで、該写真画像を1パスで形成するか、または、初期設定のパス数(上記例では4パス)で形成するか、を決定する。この決定は、写真画像について、印刷時間の短縮を図るか、写真画像の画質維持を図るかの決定と同義である。そして、印刷時間の短縮を図る方が最適であると判断された場合には、1パスで形成されると仮定された写真画像については、1パスで形成する。一方、写真画像の画質維持を図る方が最適であると判断された場合には、1パスで形成されると仮定された写真画像については、4パスで形成する。従って、例えば、2つの写真画像により、文字画像が挟まれている場合であっても、従来と比較して、印刷時間を短縮させることが出来る。
[実施形態2]
次に、実施形態2の画像形成装置について説明する。図6のステップS10でYesと判断された場合に、ステップS14で、n番目の写真画像については1パスで形成するように、パス数を減少させると説明した。しかし、このn番目の写真画像の主走査方向の幅が広い場合には、1パスで該写真画像を形成すると、人間の眼では画質が低下したことが顕著に認識されてしまう。従って、実施形態2では、n番目の写真画像において、ステップS10でYesと判断された場合に、このn番目の写真画像の主走査方向の幅が広い場合には、該n番目の写真画像のパス数「1」から「初期設定のパス数(この例では、4回)に戻す。また、ステップS10でYesと判断された場合に、このn番目の写真画像の主走査方向の幅が狭い場合には、パス数を「1」のままにする。
【0062】
図9に、実施形態2の画像形成装置を説明するための図を示し、図10に実施形態2の画像形成装置の主な処理フローを示す。図10の処理フローは、図6の処理フローと比較して、ステップS10とステップS14との間に、ステップS12が介在されている点で異なる。従って、ステップS12のみを説明する。また、図9の記載では、図面簡略化のために、写真画像を2つとし、文字画像を1つとする。また、識別番号n=1の写真画像を写真画像212とし、識別番号n=2の写真画像を写真画像216とする。
【0063】
n=1として、ステップS10でYesの場合に、まず、第3算出手段130は、1番目の写真画像(写真領域)の主走査方向の幅W1を算出する。次に、第4算出手段132は、第1画像(文字画像)および第2画像(写真画像)の主走査方向の幅Wallを算出する。ここで、幅Wallとは、写真画像と文字画像とをまとめて「総画像」というと、総画像の両端の(主走査方向の)幅である。換言すれば、文字画像および写真画像のうち、最も両端にある画像の外側の端(写真画像212の端212bと、写真画像216の端216b)との距離である。
【0064】
そして、決定手段118は、W1とWallとに基づいて、写真画像212を1パスにするか否かを決定する。ここでは、W1/Wall<Wthであるか否かを判断する。「W1/Wall」は、写真画像の総画像に対する割合を示す値であり、この値が小さければ、写真画像の幅は短いことから、1パスで形成したほうが良いということになる。この値が大きければ、写真画像の幅が長いことから、初期設定のパス数で形成したほうが良いということになる。
【0065】
ここでは、W1/Wall>Wthであるとする。そうすると、ステップS12ではNoとなり、n=1の写真画像212については1パス化せずに(つまり、ステップS14に移行せずに)、ステップS16に移行する。
【0066】
一方、n=2の写真画像216の幅W2については、W1/Wall<Wthであるとする。そうすると、ステップS12ではYesとなり、ステップS14に移行する。つまり、n=2の写真画像216については、1パス化する。
【0067】
この実施形態2の画像形成装置であれば、実施形態1の構成に、更に、写真画像の主走査方向の幅も考慮して、該写真画像を1パスで形成するか、初期設定のパス数(4パス)で形成するか、を決定する。従って、実施形態1と比較して、更に正確なパス数の調整を行なうことができる。
[実施形態3]
次に、実施形態3の画像形成装置について説明する。実施形態3では、原稿の種類に基づいて、決定手段118による上述した決定を行なうか否かを定める。
【0068】
この実施形態3では、ユーザは、操作部17(図3参照)または、外部装置30(例えば、ユーザ端末)から、原稿の種類を示す原稿種類情報、および、画像印刷が終了された用紙の出力モードの種類を示す出力種類情報を入力することが出来る。原稿種類情報とは、例えば、原稿が文字のみで構成されているか、原稿が写真のみで構成されているか、原稿が文字および写真で構成されているか、などを示す情報である。また、出力種類情報とは、印刷された用紙の出力モードの種類を示す情報であり、例えば、画質優先モードか、標準モードか、速度優先モードか、などを示す情報である。
【0069】
図11に、原稿種類と出力モードとの対応を示す。図11中の「○」は、少なくとも、決定手段11は決定処理を行なうことを示し、少なくとも、「×」は決定手段11の決定処理を行なわないことを示す。更に説明すると、図11中の「○」は、決定手段11の決定処理、第1算出手段114の算出処理、第2算出手段116の算出処理、を全て行う。また、図11中の「×」は、決定手段11の決定処理、第1算出手段114の算出処理、第2算出手段116の算出処理、を全て行わないようにする。決定手段11の決定処理を行わせるか否かの制御は、第1指示手段124により行われる。
【0070】
図11の例では、原稿の種類が文字画像および写真画像で構成されており、かつ、出力モードが標準モード、速度優先モードである場合には、決定手段11の決定処理を行うようにし、それ以外の場合には、決定手段11の決定処理を行わないようにする。
【0071】
原稿の種類が、文字画像のみ、または、写真画像のみである場合には、図6記載のステップS4でNoとなることから、決定手段11の決定処理を行う必要がないため、第1指示手段124は、決定手段11に決定処理を行わせない。また、出力モードが標準モード、速度優先モードでない場合(つまり、画質優先モードである場合)には、n番目の写真画像を1パスで形成すると、画質が低下する可能性があるので、この場合にも決定手段による決定処理を行わせない。
【0072】
具体的な処理内容としては、第1指示手段124が、ユーザから入力された原稿種類情報、出力種類情報を取得して、決定手段118に決定処理を行わせるか否かの指示を決定手段118に送信する。
【0073】
この実施形態3の画像形成装置のように、原稿の種類や、出力モードの種類に基づいて、第1指示手段124が、決定手段11に決定処理を行わせるか否かを指示する。従って、図11記載の「×」で表されている条件の場合には、図6のような処理を行う必要はなく、処理コストを削減することが出来る。
【0074】
また、上記の説明では、第1指示手段124は、原稿種類情報および出力種類情報に基づいて、決定手段118を指示していたが、原稿種類情報のみ、または、出力種類情報のみに基づいて、決定手段118を指示するようにしても良い。
【0075】
原稿種類情報に基づいて、決定手段118に指示を行なうのは、第1指示手段124が行う。また、出力種類情報に基づいて、決定手段118が指示を行なうのは、第2指示手段126が行なう。
[実施形態4]
次に、実施形態4の画像形成装置について説明する。実施形態3の画像形成装置では、図11に示すように、○が記載されている条件であれば、自動的に、決定手段118は、決定処理を行なう。実施形態4では、図11の○が記載されている条件であっても、ユーザが、決定手段118による決定処理が行われるか否かを選択できる。
【0076】
図12に、表示部18に表示される選択画面の一例を示す。図12の例では、決定手段118が決定処理を行なうことを「最適化」としている。また、この最適化を行なうことを「最適化を許可する」といい、この最適化を行なわないことを「最適化を無効とする」という。
【0077】
そして、ユーザは、「最適化」を許可するか、または、無効とするか(許可しないか)、を選択できる。ユーザが許可する場合には、許可ボタンを押下する。また、ユーザが無効にする場合には、無効ボタンを押下する。この選択が出来ることにより、ユーザにとって、使い勝手が良いものとなる。
【0078】
また、上記では、表示部18に図12記載の画面を表示すると説明したが、外部装置30の表示部に図12記載の画面を表示させて、外部装置30から「最適化」を許可するか、または、無効とするかの情報を画像形成装置に送信させるようにしても良い。
[実施形態5]
次に、実施形態5の画像形成装置について説明する。実施形態4の画像形成装置では、図12記載の画面から、「最適化」を許可するか、または、無効とするかを選択できた。また、この最適化(決定手段118による決定処理を行なうこと)による印刷時間の縮小時間は、印刷部数に比例する。つまり、印刷部数が少ない場合には、この最適化による印刷時間はあまり短縮されず、印刷部数の多い場合に、印刷時間は大幅に短縮される。つまり、印刷部数が多い場合の方が、効率が良い。
【0079】
そこで、印刷部数が、予め定められた第3閾値より小さい場合であり、図11の○である条件である場合には、図13記載のように、許可ボタン、無効ボタンを押下しても、該押下されたことを示す信号が出力されないような画面を表示する。第3閾値は、例えば、「2」とればよく、つまり、印刷部数が「1」の場合には、図1の○である条件であったとしても、図13記載の画面を表示させる。
【0080】
このように、印刷部数が少ない場合には、仮に、最適化が選択されたとしても、印刷の短縮時間は微小である。従って、図13記載のような画面を表示して、ユーザに対して、最適化の許可、最適化の無効を選択できないようにすることで、ユーザに対する負荷を軽減することができる。
【0081】
また、印刷部数に基づいて、決定手段118に指示を行なうのは、第3指示手段128が行なう。
[プログラムについて]
また、本実施例は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0082】
また、画像形成装置の処理をコンピュータに実行させる画像形成プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよいが、具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0083】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0084】
また、上述した実施形態とは別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接このプログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
112 像域分離手段
114 第1算出手段
116 第2算出手段
118 決定手段
120 判定手段
122 マスク手段
124 第1指示手段
126 第2指示手段
128 第3指示手段
130 第3算出手段
132 第4算出手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開平10−278346号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第1画像を形成し、前記第1所定回より大である第2所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第2画像を形成する画像形成手段と、
前記第1画像および前記第2画像を形成するための前記画像形成手段の第1移動距離を算出する第1算出手段と、
各前記第2画像ごとに、該第2画像を形成する際の移動回数を減少させた場合の前記画像形成手段の第2移動距離を算出する第2算出手段と、
前記第1移動距離と、前記第2移動距離との比に基づいて、該第2画像が形成される際の前記移動回数を減少させるか否かの決定を行なう決定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記第1画像および前記第2画像の前記主走査方向の長さと、前記第2画像の前記主走査方向の長さと、の比に基づいて、前記決定を行なうことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
原稿の種類に基づいて、前記決定手段に前記決定を行なわせるか否かを指示する第1指示手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成手段により画像形成される記録媒体の出力モードに基づいて、前記決定手段に前記決定を行なわせるか否かを指示する第2指示手段を有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成手段により画像形成される記録媒体の部数に基づいて、前記決定手段に前記決定を行なわせるか否かを指示する第3指示手段を有することを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
第1所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第1画像を形成し、前記第1所定回より大である第2所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第2画像を形成する画像形成手段を有する画像形成装置を、
前記第1画像および前記第2画像を形成するための前記画像形成手段の第1移動距離を算出する第1算出手段と、
各前記第2画像ごとに、該第2画像を形成する際の移動回数を減少させた場合の前記画像形成手段の第2移動距離を算出する第2算出手段と、
前記第1移動距離と、前記第2移動距離との比に基づいて、該第2画像が形成される際の前記移動回数を減少させて前記画像形成手段に形成させるか否かの決定を行なう決定手段、として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
第1所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第1画像を形成し、前記第1所定回より大である第2所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第2画像を形成する画像形成手段と、
前記第1画像および前記第2画像を形成するための前記画像形成手段の第1移動距離を算出する第1算出手段と、
各前記第2画像ごとに、該第2画像を形成する際の移動回数を減少させた場合の前記画像形成手段の第2移動距離を算出する第2算出手段と、
前記第1移動距離と、前記第2移動距離との比に基づいて、該第2画像が形成される際の前記移動回数を減少させるか否かの決定を行なう決定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記第1画像および前記第2画像の前記主走査方向の長さと、前記第2画像の前記主走査方向の長さと、の比に基づいて、前記決定を行なうことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
原稿の種類に基づいて、前記決定手段に前記決定を行なわせるか否かを指示する第1指示手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成手段により画像形成される記録媒体の出力モードに基づいて、前記決定手段に前記決定を行なわせるか否かを指示する第2指示手段を有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成手段により画像形成される記録媒体の部数に基づいて、前記決定手段に前記決定を行なわせるか否かを指示する第3指示手段を有することを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
第1所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第1画像を形成し、前記第1所定回より大である第2所定回の主走査方向の移動中に画像形成剤を吐出することで第2画像を形成する画像形成手段を有する画像形成装置を、
前記第1画像および前記第2画像を形成するための前記画像形成手段の第1移動距離を算出する第1算出手段と、
各前記第2画像ごとに、該第2画像を形成する際の移動回数を減少させた場合の前記画像形成手段の第2移動距離を算出する第2算出手段と、
前記第1移動距離と、前記第2移動距離との比に基づいて、該第2画像が形成される際の前記移動回数を減少させて前記画像形成手段に形成させるか否かの決定を行なう決定手段、として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−143953(P2012−143953A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3640(P2011−3640)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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