説明

画像形成装置、画像形成方法、及び、プログラム

【課題】複数のデータシートからなる入力データを印刷する際に、ユーザー所望の印刷設定を取得して柔軟且つ容易に印刷を行うことが可能な画像形成装置、画像形成方法、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】入力データに基づいて画像形成を行う画像形成装置において、この入力データが複数のデータシートを有し、データシートには、各々個別に印刷設定が含まれる場合に、指定された一のデータシートから印刷設定を取得する設定取得手段と、設定取得手段により取得された印刷設定を他のデータシートに係る印刷設定に反映させる設定反映手段と、少なくとも、設定反映手段により印刷設定が反映された他のデータシートを含むデータシートについて画像形成を行わせる印刷制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、画像形成方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セルを利用した表計算機能の利用、テーブルリストの作成、或いは、データベースとして用いられる種々の表計算ソフトウェアがある。近年、この表計算ソフトウェアをはじめとするオフィスソフトウェアの出力フォーマットを標準化する作業が進められている。表計算ソフトウェアの一つであるエクセル(MICROSOFT EXCEL:登録商標)において出力ファイル形式として用いられているOOXML(Office Open XML)は、仕様標準化されたファイル形式の一つである。出力ファイル形式の標準化により、データ互換性のある新たなソフトウェアの開発が容易になる。
【0003】
表計算ソフトウェアにより作成されたデータを保存する出力データファイルには、スプレッドシート(spreadsheet)と呼ばれる格子状にマス目が配列されたデータシートの情報を複数枚分含んで構成させることができる。表計算ソフトウェアによる作成データを印刷する場合の印刷設定は、このスプレッドシートごとに行われる。従って、複数のスプレッドシートを印刷する場合には、それぞれ個別に印刷設定を行う必要がある。
【0004】
特許文献1には、一のスプレッドシートを印刷する際に取得された印刷設定を共通印刷設定として他のスプレッドシートを印刷する際に引き継いだり、各スプレッドシートについて設定された印刷設定を無効として別途設定された印刷設定を共通設定として用いて印刷を行ったりするプリンタードライバーに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−33460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、任意のデータシートから利用したい印刷設定を取得し、所望のデータシートに対して当該印刷設定を柔軟に適用することが困難であり、複数のデータシートを効率よく印刷することが難しい場合があるという課題がある。
【0007】
この発明の目的は、複数のデータシートからなる入力データを印刷する際に、ユーザー所望の印刷設定を取得して柔軟且つ容易に印刷を行うことが可能な画像形成装置、画像形成方法、及び、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
入力データに基づいて画像形成を行う画像形成手段を備えた画像形成装置において、
当該入力データが複数のデータシートを有し、当該データシートには、各々個別に印刷設定が含まれる場合に、指定された一の前記データシートから印刷設定を取得する設定取得手段と、
前記設定取得手段により取得された前記印刷設定を他の前記データシートに係る印刷設定に反映させる設定反映手段と、
少なくとも、前記設定反映手段により前記印刷設定が反映された当該他のデータシートを含む前記データシートについて前記画像形成手段により画像形成を行わせる印刷制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記設定取得手段の動作及び前記設定反映手段の動作に係る設定情報をユーザーが操作入力するための操作手段を備え、
前記設定情報には、前記一のデータシートの指定情報が含まれる
ことを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、
前記設定情報には、前記設定反映手段が前記印刷設定を前記他のデータシートに反映させるか否かを選択する第1選択情報が含まれる
ことを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
前記設定情報には、前記設定反映手段が前記印刷設定を反映させる前記他のデータシートを選択する第2選択情報が含まれる
ことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記設定情報には、前記印刷設定のうち、前記設定反映手段が前記他のデータシートに反映させる設定部分を選択する第3選択情報が含まれる
ことを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記設定反映手段は、前記印刷設定を全ての前記他のデータシートに反映させ、
前記印刷制御手段は、前記一のデータシート及び前記全ての他のデータシートについて画像形成を行わせる
ことを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、
前記設定取得手段の動作及び前記設定反映手段の動作に係る設定情報は、前記入力データに関連付けられて入力されることにより取得され、
前記設定情報には、前記一のデータシートの指定情報が含まれる
ことを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項2〜7の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記設定反映手段は、前記印刷設定の何れかの設定部分の設定内容が前記他のデータシートに対する前記印刷設定の反映前における当該設定部分の設定内容に対して所定の基準を満たさない場合には、前記操作手段からの入力に基づいて前記設定反映手段の動作可否を判断する
ことを特徴としている。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8記載の画像形成装置において、
前記設定反映手段は、前記印刷設定における用紙サイズと、当該設定が反映される前の前記他のデータシートにおいて設定されている印刷設定における用紙サイズとの差が所定の倍率の範囲内に含まれない場合には、前記操作手段からの入力に基づいて前記設定反映手段の動作可否を判断する
ことを特徴としている。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項8記載の画像形成装置において、
前記設定反映手段は、前記印刷設定と、当該印刷設定が反映される前の前記他のデータシートにおいて設定されている印刷設定との間で、異なる設定部分の数が所定の数以上である場合には、前記操作手段からの入力に基づいて前記設定反映手段の動作可否を判断する
ことを特徴としている。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記入力データは、表計算ソフトウェアのXML形式出力データであり、
前記複数のデータシートは、当該XML形式出力データにおける複数のスプレッドシートに係るデータである
ことを特徴としている。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、
前記設定取得手段は、アクティブ設定がなされた前記スプレッドシートに係る前記印刷設定を取得する
ことを特徴としている。
【0020】
請求項13に記載の発明は、
入力データに基づいて画像形成を行う画像形成手段に画像形成を行わせる画像形成方法であって、
当該入力データが複数のデータシートを有し、当該データシートには、各々個別に印刷設定が含まれる場合に、指定された一の前記データシートから印刷設定を取得する設定取得ステップと、
前記設定取得ステップにおいて取得された前記印刷設定を他の前記データシートに係る印刷設定に反映させる設定反映ステップと、
少なくとも、前記設定反映ステップにおいて前記印刷設定が反映された当該他のデータシートを含む前記データシートについて、前記画像形成手段に画像形成を行わせる印刷制御ステップと、
を含むことを特徴としている。
【0021】
請求項14に記載の発明は、
入力データに基づいて画像形成を行う画像形成手段を備えたコンピューターを、
当該入力データが複数のデータシートを有し、当該データシートには、各々個別に印刷設定が含まれる場合に、指定された一の前記データシートから印刷設定を取得する設定取得手段、
前記設定取得手段により取得された前記印刷設定を他の前記データシートに係る印刷設定に反映させる設定反映手段、
少なくとも、前記設定反映手段により前記印刷設定が反映された当該他のデータシートを含む前記データシートについて前記画像形成手段に画像形成を行わせる印刷制御手段、
として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明に従うと、複数のデータシートからなる入力データを印刷する際に、ユーザー所望の印刷設定を取得して柔軟且つ容易に印刷を行うことが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成装置を含むネットワークシステムの構成図である。
【図2】コンピューターの内部構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】OOXML形式のエクセルファイルにおけるファイル構成を示した図である。
【図5】workbook.xmlファイルの内容例を示す図である。
【図6】sheet2.xmlファイルの内容例を示す図である。
【図7】sheet1.xmlファイルの内容例を示す図である。
【図8】第1実施形態の画像形成装置の制御部による印刷制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】タッチパネルに表示させる設定画面の例を示す図である。
【図10】第2実施形態の画像形成装置の制御部による印刷制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態である画像形成装置を含むネットワークシステムの構成図である。
【0025】
このネットワークシステムでは、画像形成装置2、2、2が回線3を介してコンピューター1、1と通信可能に接続されている。
回線3は、画像形成装置2、2、2及びコンピューター1、1によるネットワークを構成する。回線3は、コンピューター1、1及び画像形成装置2、2、2を通信可能に接続するものであればその形態を問わない。例えば、回線3は、LAN(Local Area Network)ケーブル、同軸ケーブル、光ファイバーといった有線接続回線でもよいし、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)、ワイヤレスLANといった各種の無線通信規格を用いた回線でもよく、或いは、複数の組み合わせによってもよい。また、回線3は、LAN、インターネット、その他のネットワーク規模を問わない。
【0026】
図2は、コンピューター1の構成を示すブロック図である。
コンピューター1としては、具体的には、例えば、PC(Personal Computer)、PDA(Portable Device Assistant)、携帯電話機、スマートフォンが挙げられる。
【0027】
コンピューター1は、制御部11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶部14と、操作部15と、表示部16と、通信部17とを備えている。
【0028】
制御部11は、CPUを備える。制御部11は、ROM13や記憶部14に格納されている各種プログラムやデータをRAM12に展開して種々の演算処理を行い、また、当該プログラムに基づいてコンピューター1全体の動作を統括制御する。
【0029】
RAM12は、制御部11が実行する各種プログラムやデータ等を一時的に展開し、また、各種プログラムで処理された一時データ等を記憶するための作業用メモリー空間を提供する揮発性メモリーである。ROM13には、制御部11により実行されるBIOS(Basic Input/Output System)などの制御プログラムや初期設定データが読み出し可能に記憶されている。このROM13は、フラッシュメモリーやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などでもよい。
【0030】
記憶部14には、種々のソフトウェア(プログラム)やアプリケーションデータが読み書き、および、利用可能に保存されている。この記憶部14は、本実施の形態ではハードディスクであるが、これに限られない。記憶部14は、例えば、SSD(Solid State Disk)などであってもよい。記憶部14に記憶されているソフトウェアの中には、印刷データ送信プログラム14aが含まれている。
印刷データ送信プログラム14aは、印刷対象に指定されたOOXML形式の表計算ソフトウェア出力データファイル(例えば、エクセルによる出力ファイル、以降、エクセルファイルと記す)を画像形成装置2へ送信するプログラムである。また、この印刷データ送信プログラム14aは、エクセルファイルに加えて印刷設定情報を送信することが可能であってもよい。印刷設定情報としては、後に詳述するが、指定された一のスプレッドシートの印刷設定を他のスプレッドシートの印刷設定として適用するための設定情報が含まれる。この設定情報は、印刷要求の送信の際に、又は、印刷要求の送信前に予め、ユーザーがGUI画面を介して設定する。印刷設定情報が印刷要求の送信前に予め設定される場合には、設定された印刷設定情報は、記憶部14に記憶される。
記憶部14には、その他、例えば、表計算ソフトウェアが記憶されており、作成データをOOXML形式のエクセルファイルとして保存可能である。
【0031】
操作部15は、ユーザーの操作入力を電気信号に変換して制御部11に送信する。この操作部15は、例えば、キーボードやマウスである。
表示部16は、制御部11からの指令に従って情報を表示出力する。この表示部16は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELD(Electro-Luminescent Display)からなるディスプレイである。
或いは、操作部15及び表示部16は、タッチパネルといった表示動作と入力操作の受付とを兼ね備えたものであってもよい。また、操作部15および表示部16は、ケーブル等を介して外部接続されるものであってもよいし、コンピューター1の外面に一体に設けられているものであってもよい。
【0032】
通信部17は、回線3を介して、コンピューター1と回線3に接続された他の装置及び外部ネットワークとを接続するための通信制御を行うものであり、例えば、NIC(Network Interface Card)である。
【0033】
図3は、画像形成装置2の内部構成を示すブロック図である。
画像形成装置2は、制御部21(設定取得手段、設定反映手段、印刷制御手段)と、RAM22と、ROM23と、記憶部24と、設定情報保存部25と、操作手段としてのタッチパネル26と、通信部27と、言語処理部28と、印字処理部29(画像形成手段)などを備えている。
【0034】
制御部21は、CPUを備える。制御部21は、ROM23や記憶部24に格納されている各種プログラムやデータをRAM22に展開して種々の演算処理を行い、また、当該プログラムに基づいて画像形成装置2全体の動作を統括制御する。
【0035】
RAM22は、制御部21が実行する各種プログラムやデータ等を一時的に展開し、また、各種プログラムで処理された一時データを記憶するための作業用メモリー空間を提供する揮発性メモリーである。ROM23には、制御部21により実行される制御処理のプログラムや利用される設定データが読み出し可能に記憶されている。
【0036】
記憶部24には、種々のソフトウェア、アプリケーションデータ、および、コンピューター1から送られた印刷設定情報や印刷対象となる入力データとしてのエクセルファイルが読み書き、および、利用可能に保存される。この記憶部24は、本実施の形態ではハードディスクであるが、これに限られない。記憶部24は、例えば、SSD(Solid State Disk)であってもよい。
【0037】
記憶部24に記憶されているソフトウェアの中には、印刷制御プログラム24a、および、画像形成装置2における印刷設定を行うための設定プログラム24bが含まれている。印刷制御プログラム24aは、OOXML形式のエクセルファイルの内容を印刷用中間言語データ(DL:ディスプレイリスト)に変換するための各種処理を行うプログラムである。また、設定プログラム24bは、タッチパネル26を介して印刷対象ファイルについての印刷設定を行う際に実行されるプログラムである。
なお、画像形成装置2は、これらのソフトウェアやプログラムをROM23に予め格納して搭載し、記憶部24を備えない構成であってもよい。また、印刷設定情報やエクセルファイルを記憶部24に保存させずにRAM22に記憶させて処理を行うこととしてもよい。
【0038】
設定情報保存部25は、設定プログラム24bにより設定された印刷設定データを記憶する。この設定情報保存部25は、例えば、ハードディスクであるが、これに限られない。設定情報保存部25は、例えば、フラッシュメモリーやEEPROMであってもよい。また、この設定情報保存部25は、不揮発性の記憶装置としての記憶部24の一部であってもよい。
【0039】
タッチパネル26は、制御部21の指令に基づいて印刷情報や印刷設定を行う際のメニューを表示すると共に、ユーザーの操作により設定の入力を行う入出力機器である。タッチパネル26は、ここでは、例えば、ユーザーの押下動作とその押下位置とを検出する圧力センサーとLCDとが積層された構造である。或いは、それぞれ独立に、例えば、操作部として操作キーなどを備え、表示部としてLCDや有機ELDからなるディスプレイを備えることとしてもよい。操作部は、ユーザーからの操作を受け付けて入力信号を生成し、生成した入力信号を制御部に出力する。表示部は、制御部21から出力される表示信号に従って各種設定画面、動作状況や処理結果等を表示する。
【0040】
通信部27は、画像形成装置2と外部ネットワークとを回線3を介して接続するための通信制御を行うものであり、例えば、NIC(Network Interface Card)である。
【0041】
言語処理部28は、設定情報保存部25に保存された設定データに基づいて、制御部21から送られた印刷対象の中間言語データ(DLデータ)を印刷用のラスター画像データに変換し、印字処理部29に出力する。言語処理部28は、制御部21とは独立の専用CPU及びRAMを備えて高速にラスター画像データの生成が可能となっている。或いは、言語処理部28は、制御部21のCPUを併用する構成であってもよい。また、中間言語データへの変換処理も制御部21ではなく、言語処理部28で行うこととしてもよい。
【0042】
印字処理部29(プリンターエンジン)は、言語処理部28から送られる印刷用のラスター画像データに基づいて画像形成(印刷)処理を行う。印字処理部29に採用可能な印刷方式としては、特に限られないが、例えば、電子写真方式、インクジェット方式、熱転写方式、および、オフセット等が挙げられる。
【0043】
次に、OOXML形式のエクセルファイルを印刷する際に行われる印刷設定について説明する。
図4は、OOXML形式のエクセルファイルに含まれるファイルの構成を示した図である。
【0044】
OOXML形式のエクセルファイル(拡張子が.xlsx)は、少なくとも複数のXMLファイル(拡張子が.xml)及び関連ファイル(拡張子が.rels)がZIP形式で圧縮、格納されたアーカイブファイルである。例えば、一のエクセルファイル(ここでは、サンプル.xlsx)は、[Content_Types].xmlと、_rels、xlの両フォルダーに含まれるファイルとにより構成されている。
【0045】
フォルダーxl内のファイルworkbook.xmlは、エクセルファイルにおけるワークブック全体の構成を示すファイルである。このworkbook.xmlには、ファイル内に含まれる複数のスプレッドシート(データシート)のうち、何れのスプレッドシートがアクティブに設定されているかを示す情報が含まれている。また、styles.xmlは、ワークブック全体におけるデフォルトフォント情報などを所持するスタイルファイルである。
また、フォルダーworksheetsには、ファイルsheetY.xmlが格納される。ここで、Yは、整数であり、シート番号を示す。即ち、図4に示すファイルsheet1.xml〜sheet3.xmlは、それぞれスプレッドシート1〜スプレッドシート3の内容を示すファイルであり、スプレッドシート1〜スプレッドシート3の各セルに記載されたデータが記憶されている。また、これらのファイルsheetY.xmlには、各々個別に印刷設定情報が記憶されている。
【0046】
フォルダーdrawingsには、ファイルdrawingY.xml(Yは整数、シート番号を示す)が格納される。ファイルdrawing1.xmlには、スプレッドシート1に挿入された図形やテキストボックスに係るデータが含まれている。また、このフォルダーdrawings及びサブフォルダー_relsには、スプレッドシートのヘッダーに背景画像を含めた場合に、当該背景画像を示す情報を含むファイルが作成される。
【0047】
図5は、workbook.xmlの内容の例を示す図である。
このファイルworkbook.xmlには、“bookViews”クラスのタグに含まれるプロパティ“workbookView”によって、図5(a)に示すように、ワークブックの配置及びサイズを示す属性値に加えて、アクティブ状態にあるスプレッドシートを示す属性値が記載されている。ここでは、属性activeTab=”1”との設定によりスプレッドシート2がアクティブ設定となっていることが示されている。また、図5(b)に示すように、ファイルworkbook.xmlには、“sheets”クラスのタグに含まれるプロパティ“sheet”の各属性値によって、ワークブックに含まれる各スプレッドシートの名称及び参照IDがまとめて記録されている。
【0048】
図6は、sheet2.xmlの内容の例を示す図である。
図5に示したように、ファイルsheet2.xmlは、2枚目のスプレッドシートの内容を示すデータファイルであって、また、アクティブ状態であることがファイルworkbook.xmlにおいて設定されている。このアクティブ状態に対応して、ファイルsheet2.xmlには、図6(a)に示すように“sheetViews”クラスにおいてプロパティ“sheetView”の属性値としてtabSelected=”1”が設定されている。そして、“sheetData”クラスのタグ内に記録された各セルのデータの後に、図6(b)に示すように、プロパティ“pageMargins”とプロパティ“pageSetup”とにより、各スプレッドシートの印刷設定データが記録されている。ここでは、先ず、プロパティ“pageMargins”により左右のマージンがそれぞれ0.75、上下のマージンがそれぞれ0.70、ヘッダー及びフッターのマージンがそれぞれ0.30に設定されている。また、プロパティ“pageSetup”により、用紙サイズの属性値pageSize=”9”即ちA4サイズ、用紙配置の属性値orientation=”landscape”即ち横置き、そして、解像度の属性値が垂直方向(verticalDpi)及び水平方向(horizontalDpi)で何れも300dpi(dots per inch)に設定されている。
また、スプレッドシートにおけるグリッド線の印刷設定や行番号及び列番号の印刷設定を行う場合には、プロパティ“printOptions”における属性値“gridlines”、“headings”がそれぞれ利用され、図6(b)に記載が追加される。このような表計算ソフトウェアで設定される印刷設定については、本実施形態の画像形成装置2においては、何れも読み取り可能に構成されている。
【0049】
図7は、sheet1.xmlの内容の例を示す図である。
ファイルsheet1.xmlは、1枚目のスプレッドシートのデータであることがファイルworkbook.xmlにおいて設定されている。図6(a)に示したアクティブ状態のスプレッドシートとは異なり、図7(c)に示すように、“sheetViews”クラスにおけるプロパティ“sheetView”では、アクティブ状態を示す属性値“tabSelected”が設定されていない。また、このファイルsheet1.xmlでは、図7(d1)に示すように、印刷設定を示すプロパティ“pageMargins”及びプロパティ“pageSetup”において、左右マージンの値と用紙配置とが図6に示したファイルsheet2.xmlにおける設定とそれぞれ異なっている。
【0050】
本実施形態の画像形成装置2では、図6に示した2枚目のスプレッドシートの印刷設定を他のスプレッドシートに流用することにより印刷設定の共通化と設定の簡易化を図ることができる。即ち、この場合には、図7(b)に示すように、ファイルsheet1.xmlにおける印刷設定のプロパティ“pageMargins”及びプロパティ“pageSetup”をファイルsheet2.xmlにおける印刷設定のプロパティと置き換えることで共通の印刷設定による印刷(画像形成)を行う。更に、図示略のファイルsheet3.xmlにおいて、例えば、印刷設定がなされていない場合には、ファイルsheet1.xmlにおいてなされていた印刷設定がそのままファイルsheet3.xmlの印刷設定となる。
【0051】
図8は、第1実施形態の画像形成装置2においてCPUを含む制御部21が実行する画像形成制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0052】
ここでは、ユーザー操作によりOOXML形式のエクセルファイルにおけるワークブック全体の印刷要求が取得された場合の画像形成制御処理について説明する。
【0053】
印刷要求が取得されると、制御部21は、先ず、印刷対象のデータファイルを取得する(ステップS101)。このデータファイルは、予め記憶部14に格納されているものであってもよいし、コンピューター1から印刷要求と共に送られてくるものであってもよい。
【0054】
次に、制御部21は、設定情報保存部25にアクセスして印刷設定を取得するシート番号(指定情報)を読み出し、変数“n”に代入する(ステップS102)。次いで、制御部21は、この変数“n”に対応するスプレッドシートのファイルsheetN.xml(Nは変数“n”の値)にアクセスして、記載された印刷設定情報を取得する(ステップS103)。
ここで、制御部21は、設定情報保存部25に印刷設定を取得するシート番号が記憶されていない場合や、コンピューター1から送られてきた印刷設定情報に印刷設定を取得するシート番号の情報が含まれていない場合には、印刷対象データファイルに含まれるworkbook.xmlにアクセスしてアクティブ設定されたシート番号を読み出し、変数“n”に代入する。そして、制御部21は、このアクティブ状態のスプレッドシートに係るファイルsheetZ.xmlから印刷設定情報を取得する。
なお、アクティブ設定に係る属性“activeTab”の値は0から始まり、シート番号から1ずれるので、カレントシートのシート番号を取得する際には、数値の補正を行う。
【0055】
制御部21は、ファイルworkbook.xmlを読み出して、このワークブック内に含まれるスプレッドシートの枚数を取得する(ステップS104)。制御部21は、“sheets”クラス内に含まれるプロパティ“sheet”に係るタグの数を計数して印刷対象となるスプレッドシートの枚数を取得し、変数“k”に代入する。
【0056】
それから、制御部21は、設定情報保存部25から取得された印刷設定を適用するシート番号(第1選択情報、第2選択情報)、及び、取得された印刷設定のうち適用する設定項目(設定部分)に関する設定情報(第3選択情報)を取得する(ステップS105)。
【0057】
制御部21は、変数“i”を初期値1から印刷するスプレッドシート数“k”まで1ずつ順番に増加させながらループ処理を行う(ステップS106〜S111)。先ず、制御部21は、変数“i”が印刷設定の取得先シート番号を示す変数“n”と同一でないか否かを判別する(ステップS107)。変数“i”が変数“n”と同一であると判別された場合には、制御部21の処理は、ステップS110に移行する。変数“i”が変数“n”と同一ではないと判別された場合には、次に、制御部21は、変数“i”が印刷設定を適用するシート番号に該当するか否かを判別する(ステップS108)。変数“i”が印刷設定を適用するシート番号に該当しないと判別された場合には、制御部21の処理は、ステップS110に移行する。変数“i”が印刷設定を適用するシート番号に該当すると判別された場合には、制御部21は、変数“i”に対応するスプレッドシートのデータファイルsheetI.xml(Iは変数“i”の値)に含まれる印刷設定情報のうち、適用対象の設定項目の印刷設定内容を取得された印刷設定の設定項目の内容と置き換える(ステップS109)。それから、制御部21の処理は、ステップS110へ移行する。ステップS110の処理では、制御部21は、sheetI.xmlに記憶されたデータを印刷設定データに基づいて印刷用の中間言語データに変換する。そして、ステップS106の処理に戻る。
なお、印刷設定を適用するシート番号が一つも無い場合、即ち、取得設定された印刷設定を他のスプレッドシートに反映させない場合には、ステップS107〜S109の判別処理及び印刷設定の適用処理を全て省略して、制御部21は、直ちにステップS110の処理を行うこととしても良い。
【0058】
ステップS106の処理において変数“i”が設定された値“k”より大きくなった場合には、制御部21の処理は、ループ処理を抜けてステップS112へ移行する。そして、制御部21は、得られた印刷対象ページの中間言語データをまとめて印刷用画像データに変換しながら印字処理を行う。印字処理が終了すると、制御部21は、印刷制御処理を終了する。
【0059】
図9は、設定プログラム24bの実行時にタッチパネル26に表示させる設定メニューの例を示す図である。図6及び図7を用いて説明したように、印刷設定情報は、選択されたスプレッドシートについてのデータファイルsheetY.xmlに含まれるプロパティ、即ち、“pageMargin”、“pageSetup”、及び“printOptions”に含まれる各属性値によって定められている。プロパティ“pageSetup”について規定されていて利用可能な属性値としては、図6及び図7に示した用紙サイズ、用紙配置、及び、解像度に加えて、白黒印刷を示す属性値“BlackAndWhite”、各シートの最初のページ番号を示す属性値“FirstPageNumber”、表示の拡大又は縮小のスケールを示す属性値“scale”、及び、印刷部数を表す属性値“copies”などがある。また、ヘッダーやフッター及びこれらに記載された背景画像などについても、プロパティ“headerFooter”の記載内容や関連ファイル情報などを他のスプレッドシートに反映させることで印刷時の共通設定として用いることができる。設定プログラム24bでは、一のスプレッドシートデータから取得されたこれらの要素について一括して、又は、個別に他のスプレッドシートの印刷設定として適用するか否かを設定することができる。
【0060】
具体的には、図9(a)に示すように、本実施形態の画像形成装置2では、タッチパネル26に表示させた設定画面を介したユーザーの入力操作により、指定したスプレッドシートにおいて設定されている印刷設定情報を他のスプレッドシートの印刷に適用するか否かを選択する。また、他のスプレッドシートの印刷に適用する場合には、印刷設定を取得するスプレッドシートを指定するシート番号が入力可能となっている。
【0061】
また、詳細情報の編集を指定することによって、図9(b)に示すように、詳細情報の編集場面が表示されて、例えば、用紙配置、用紙サイズ、解像度、背景、及び、マージンといった印刷項目の中から他のスプレッドシートの印刷に適用する設定項目を部分的に選択可能となっている。これらの設定画面を介して行われた印刷設定に関するデータは、設定情報保存部25に記憶される。
【0062】
以上のように、本実施形態の画像形成装置2によれば、エクセルファイルといった複数のスプレッドシートにより構成される入力データを印刷する際に、タッチパネル26を用いて予め設定されたスプレッドシートから印刷設定を取得し、当該印刷設定を他のスプレッドシートに反映して当該他のスプレッドシートを印刷することができるので、複数のスプレッドシートに対して各々印刷設定を行う必要がなく容易に当該複数のスプレッドシートの印刷を行うことができる。特に、一のスプレッドシートになされた印刷設定に基づいてブック全体の印刷を容易に行うことができる。
【0063】
また、任意のスプレッドシートの印刷設定を取得することができるので、異なる印刷設定のスプレッドシートが混ざっている場合であっても、必要な印刷設定を取得して印刷対象のスプレッドシートに適用することができる。
【0064】
また、エクセルファイル自体とは別個に、印刷の際に、又は、印刷の実行前に、予め画像形成装置2のタッチパネル26から設定情報を入力することができるので、エクセルなどのアプリケーションソフトウェアを介することなく気軽に所望のスプレッドシートを他のスプレッドシートに設定された印刷設定に基づいて印刷することができる。従って、エクセルファイルのやり取りが行われた場合などに、例えば、携帯端末からでも容易にアプリケーションソフトウェアを起動せずに必要なスプレッドシートの印刷を画像形成装置2に行わせることができる。
【0065】
また、画像形成装置2がOOXMLファイルの内容を解析して、取得された印刷設定を他のスプレッドシートの印刷に適用する機能を備えているので、プリンタードライバーを用いたり、具体的な印刷設定を改めて行ったりすることなく、画像形成装置2に接続されたどのようなコンピューター1からでも画像形成装置2に印刷要求を送信することができる。
【0066】
また、他のスプレッドシートの印刷設定を適用する必要がない場合には、印刷設定の適用をオフすることができるので、スプレッドシートごとに異なる印刷設定がなされている場合には、各々の印刷設定に従って最適な印刷を行うことができる。
【0067】
また、印刷設定を適用させる対象のスプレッドシートを設定可能とすることで、印刷設定のなされていないスプレッドシートだけをまとめて印刷させることができる。また、印刷設定のうち、適用させる設定項目を選択可能とすることで、例えば、用紙の配置だけは個別設定を用いて印刷させるというようにフレキシブルなスプレッドシートの印刷を行うことができる。
【0068】
また、ネットワークに接続された画像形成装置2に印刷要求を行う場合などで、各々タッチパネル26から印刷設定を入力することが煩わしいような場合には、印刷要求を送信する際に、印刷データと関連付けて印刷設定に係る設定情報を送信することを可能とすることで、より容易に他のスプレッドシートに一のスプレッドシートに係る印刷設定を適用して印刷を行うことができる。
【0069】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の画像形成装置について説明する。
第2実施形態の画像形成装置2は、図3に示した第1実施形態の画像形成装置2と同一の構成であり、説明を省略する。
【0070】
図10は、第2実施形態の画像形成装置2において、制御部21が実行する画像形成制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
この第2実施形態の画像形成制御処理は、第1実施形態の画像形成制御処理と比較して、ステップS108の処理に代わってステップS121〜S123の処理が行われる点を除いて同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
第2実施形態の画像形成装置2における画像形成制御処理でステップS107の処理で、シート番号“i”が印刷設定を取得したシート番号“n”と異なると判別された場合には、制御部21の処理は、ステップS121に移行する。そして、制御部21は、シート番号“n”の印刷設定と、シート番号“i”のスプレッドシートデータに記載されている印刷設定と比較して、所定の基準を満たしているか否か、即ち、両者の差が予め規定された条件の範囲内にあるか否かを判別する。
【0072】
ここで、規定された条件の範囲としては、所定の項目、例えば、印刷する用紙サイズが大きく変化せず、縮小/拡大率が所定の範囲内である場合が挙げられる。全く異なるサイズの出力データを同一のサイズの用紙に出力する結果、画像形成された文字サイズが小さすぎて内容の判別が不可能になる虞があるからである。
【0073】
或いは、規定された条件の範囲としては、一つの項目ではなく、例えば、両者の間で変更される印刷設定の項目数が所定の数以下である場合が挙げられる。シート番号“i”のスプレッドシートにおいて予め設定されていた印刷設定から一律設定の印刷設定に置き換えられる結果として、非常に多くの項目数が変更される場合には、変更の結果としてむしろ好ましくない印刷設定となる虞があるからである。
【0074】
更には、規定された条件の範囲として、これらの条件を組み合わせることも可能である。例えば、用紙のマージンが変更される場合には、6個の値が全て変更された場合であっても変更を反映させるものとするが、用紙サイズと用紙の配置が同時に変更された場合には、他の項目に変更が無くても規定された条件の範囲外となるように設定しても良い。
また、ここで、印刷設定の適用対象となるスプレッドシートにおいて印刷設定がなされていない項目については、印刷設定の変更有無の判断を省略することとしてよい。
【0075】
ステップS121の判別処理において、印刷設定の差が規定の範囲内にあると判別された場合には、制御部21の処理は、ステップS109に移行し、制御部21は、シート番号“n”の取得された印刷設定をシート番号“i”のスプレッドシートデータに反映する。一方、印刷設定の差が規定の範囲内にないと判別された場合には、制御部21は、タッチパネル26に当該差異を示す表示と、このスプレッドシートの印刷に取得されたシート番号“n”の印刷設定を利用するか利用しないかをユーザーが指示する為の選択表示とを行わせ、ユーザーからの操作入力が検出されるまで待機する(ステップS122)。
【0076】
そして、制御部21は、タッチパネル26に表示させた選択表示に対する操作入力を検出すると、その入力結果が印刷設定の適用指示であるか否かを判別する(ステップS123)。印刷設定の適用指示であると判別された場合には、制御部21は、シート番号“n”の取得された印刷設定をシート番号“i”のスプレッドシートの印刷設定として適用する(ステップS109)。そして、制御部21の処理は、ステップS110へ移行する。一方、印刷設定を適用しないとの指示であると判別された場合には、制御部21の処理は、そのままステップS110へ移行する。
【0077】
以上のように、第2実施形態の画像形成装置2における画像形成制御処理によれば、印刷設定を他のスプレッドシートに適用する設定を行った場合でも、取得された印刷設定と当該適用対象のスプレッドシートの印刷設定とが多くの点で異なっている場合などで、印刷設定を適用して印刷すると不具合が生じることが見込まれる場合などには、その旨をタッチパネル26に表示してユーザーの判断を仰ぐことが可能とすることで、例外的な設定がなされている場合に臨機応変に適宜な印刷設定を選択適用して印刷を行うことができる。
【0078】
特に、取得された印刷設定に係る印刷用紙のサイズが適用対象のスプレッドシートにおいて設定されていた印刷用紙と大きく異なることで、極端に多くの白紙部分が生じたり、文字サイズが大きく変化したりして判読不可能になったりする状況が生じうる場合に、その旨をタッチパネル26に表示してユーザーの判断を仰ぐことが可能とすることで、不具合の多い印刷設定による印刷を避けることができる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、エクセルファイルのブック全体を印刷する場合について説明したが、一部分のみを印刷する場合にも適用することができる。また、印刷設定を取得したスプレッドシートを印刷しない場合であってもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、表計算ソフトウェアとしてエクセルを例に挙げて説明したが、本発明は、他の表計算ソフトウェアを用いて作成されたファイルや、表計算ソフトウェア以外のプログラム、例えば、データベースソフトウェアで作成されたファイルをOOXML形式に変換したデータに対しても適用することができる。
【0081】
また、上記実施の形態では、OOXML形式のデータについて説明したが、ODF形式(Open Document Format)による表計算ファイルについても適用可能である。このODF形式のデータは、OOXML形式のデータとは互換性が無いが、OOXML形式のデータ同様に複数のXMLファイルをZIP形式でアーカイブしたものであり、指定されたスプレッドシートに係る印刷設定を取得して当該印刷設定を他のスプレッドシートに反映させて印刷を行わせることが可能である。
【0082】
また、本発明は、表計算ソフトウェアの出力形式によるファイルを印刷する場合に限られない。例えば、データベースの出力レコードや出力レポートをXML形式で複数出力し、一ファイル内に配置するような場合であって、それぞれの出力に対して各々印刷設定を保持させるようなファイルの印刷の際にも用いることができる。
【0083】
また、上記実施の形態では、印刷設定を他のスプレッドシートに反映させる際に、当該印刷設定を他のスプレッドシートの印刷設定と置き換えるものとして説明したが、この置き換える方法としては、スプレッドシートのデータに含まれる印刷設定を直接書き換えるものに限られない。印刷設定に基づいてスプレッドシートのデータから中間言語データを作成する際に、当該スプレッドシートの設定データを読み込む代わりに取得された印刷設定を代入することとしてもよい。
【0084】
また、上記実施の形態では、回線を介して接続されたコンピューター1から画像形成装置2に印刷データ及び印刷要求を送信することとしたが、可搬型記憶媒体を画像形成装置2に接続して印刷データを画像形成装置2に入力し、タッチパネル26から直接印刷要求を行うような構成にも本発明を適用することができる。
【0085】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDやSSDといった記憶部24やROMを使用した例を開示したが、これに限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリーなどの不揮発性メモリー、CD−ROMなどの可搬型記憶媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、動作の手順、表示内容や配置などの細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 コンピューター
2 画像形成装置
3 回線
11 制御部
12 RAM
13 ROM
14 記憶部
14a 印刷データ送信プログラム
15 操作部
16 表示部
17 通信部
21 制御部
22 RAM
23 ROM
24 記憶部
24a 印刷制御プログラム
24b 設定プログラム
25 設定情報保存部
26 タッチパネル
27 通信部
28 言語処理部
29 印字処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データに基づいて画像形成を行う画像形成手段を備えた画像形成装置において、
当該入力データが複数のデータシートを有し、当該データシートには、各々個別に印刷設定が含まれる場合に、指定された一の前記データシートから印刷設定を取得する設定取得手段と、
前記設定取得手段により取得された前記印刷設定を他の前記データシートに係る印刷設定に反映させる設定反映手段と、
少なくとも、前記設定反映手段により前記印刷設定が反映された当該他のデータシートを含む前記データシートについて前記画像形成手段により画像形成を行わせる印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記設定取得手段の動作及び前記設定反映手段の動作に係る設定情報をユーザーが操作入力するための操作手段を備え、
前記設定情報には、前記一のデータシートの指定情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記設定情報には、前記設定反映手段が前記印刷設定を前記他のデータシートに反映させるか否かを選択する第1選択情報が含まれる
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定情報には、前記設定反映手段が前記印刷設定を反映させる前記他のデータシートを選択する第2選択情報が含まれる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記設定情報には、前記印刷設定のうち、前記設定反映手段が前記他のデータシートに反映させる設定部分を選択する第3選択情報が含まれる
ことを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記設定反映手段は、前記印刷設定を全ての前記他のデータシートに反映させ、
前記印刷制御手段は、前記一のデータシート及び前記全ての他のデータシートについて画像形成を行わせる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記設定取得手段の動作及び前記設定反映手段の動作に係る設定情報は、前記入力データに関連付けられて入力されることにより取得され、
前記設定情報には、前記一のデータシートの指定情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記設定反映手段は、前記印刷設定の何れかの設定部分の設定内容が前記他のデータシートに対する前記印刷設定の反映前における当該設定部分の設定内容に対して所定の基準を満たさない場合には、前記操作手段からの入力に基づいて前記設定反映手段の動作可否を判断する
ことを特徴とする請求項2〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記設定反映手段は、前記印刷設定における用紙サイズと、当該設定が反映される前の前記他のデータシートにおいて設定されている印刷設定における用紙サイズとの差が所定の倍率の範囲内に含まれない場合には、前記操作手段からの入力に基づいて前記設定反映手段の動作可否を判断する
ことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記設定反映手段は、前記印刷設定と、当該印刷設定が反映される前の前記他のデータシートにおいて設定されている印刷設定との間で、異なる設定部分の数が所定の数以上である場合には、前記操作手段からの入力に基づいて前記設定反映手段の動作可否を判断する
ことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記入力データは、表計算ソフトウェアのXML形式出力データであり、
前記複数のデータシートは、当該XML形式出力データにおける複数のスプレッドシートに係るデータである
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記設定取得手段は、アクティブ設定がなされた前記スプレッドシートに係る前記印刷設定を取得する
ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
入力データに基づいて画像形成を行う画像形成手段に画像形成を行わせる画像形成方法であって、
当該入力データが複数のデータシートを有し、当該データシートには、各々個別に印刷設定が含まれる場合に、指定された一の前記データシートから印刷設定を取得する設定取得ステップと、
前記設定取得ステップにおいて取得された前記印刷設定を他の前記データシートに係る印刷設定に反映させる設定反映ステップと、
少なくとも、前記設定反映ステップにおいて前記印刷設定が反映された当該他のデータシートを含む前記データシートについて、前記画像形成手段に画像形成を行わせる印刷制御ステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項14】
入力データに基づいて画像形成を行う画像形成手段を備えたコンピューターを、
当該入力データが複数のデータシートを有し、当該データシートには、各々個別に印刷設定が含まれる場合に、指定された一の前記データシートから印刷設定を取得する設定取得手段、
前記設定取得手段により取得された前記印刷設定を他の前記データシートに係る印刷設定に反映させる設定反映手段、
少なくとも、前記設定反映手段により前記印刷設定が反映された当該他のデータシートを含む前記データシートについて前記画像形成手段に画像形成を行わせる印刷制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−67034(P2013−67034A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205564(P2011−205564)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】