説明

画像形成装置、画像形成装置における処理方法および画像形成装置に向けられたプログラム

【課題】ドキュメントなどの画像データに対して、その可読性を可能な限り維持しつつ、広告対象となる製品を示す画像データを合成することのできる画像形成装置、その画像形成装置における処理方法およびその画像形成装置に向けられたプログラムを提供する。
【解決手段】画像形成装置は、画像合成に用いられる第1の画像データを保持する記憶手段と、画像合成の対象の候補である第2の画像データを取得する取得手段と、第2の画像データのうち画像領域を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された画像領域の状況を判断するとともに、当該判断した状況に基づいて第1の画像データを抽出された画像領域に合成可能であるか否かを判断する判断手段と、判断手段による合成可能との判断に応答して、第1の画像データを第2の画像データの画像領域に合成することで、合成画像を生成する画像生成手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像合成に適した画像形成装置、画像形成装置における処理方法および画像形成装置に向けられたプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理技術のデジタル化に伴って、近年の画像形成装置(Multi Function Peripheral;以下「MFP」とも称す)には、各種の画像処理機能が実装されている。このような画像処理機能の一つとして、画像合成機能がある。
【0003】
この画像合成機能は、複数の画像データの一部または全部を適宜レイアウトして、単一の画像データとして生成するような処理である。このような画像合成機能に関しては、以下のような先行技術が存在する。
【0004】
特開2008−227813号公報(特許文献1)は、撮像画像を加工し、ユーザへの情報提供を行ったり、ユーザの楽しみを広げたり、利便性を高めるなどして、撮像画像の付加価値を高めるための構成を開示している。
【0005】
特開2007−304367号公報(特許文献2)は、原稿の所持者に適合した広告画像を検索して自動的に原稿画像と合成して出力する構成を開示している。より具体的には、広告画像管理装置が原稿の所持者を特定する所持者特定データを基にして予め記憶保持されている広告画像データを検索して出力し、画像形成装置が原稿画像を複写するときに原稿に付された所持者特定データを抽出して広告画像データの検索に供す。そして、広告画像管理装置において検索して得られた広告画像データを原稿画像と合成して出力することによって、原稿の所持者に適合した広告画像が印刷される。
【0006】
特開2007−259466号公報(特許文献3)は、画像を合成することにより効果的な広告を行なうことのできる画像形成装置を開示する。より具体的には、読取った原稿画像の中から文字領域を判別して、判別した文字領域に重ねて広告画像が印刷される。これによって、文字領域に対して画像を重ねても文字が読めなくなることはないので、より大きな広告画像を合成することができる。
【0007】
特開2007−243362号公報(特許文献4)は、広告画像が付加される複写が行われ、その広告画像付きの原稿に対して再複写が行われたとしても、広告画像がない最初の原稿画像を復元することができるようにした画像処理システムを開示する。
【0008】
特開2007−208650号公報(特許文献5)は、多数の人間に配布する文書を印刷する際の余白部分にネットワークを介して得られた広告データを合成することで、文書の余白部分を有効活用することができる画像形成システムを開示する。
【0009】
特開2004−102475号公報(特許文献6)は、コンテンツに広告を重畳する形態で挿入し、コンテンツを視聴すれば自然に広告も視聴することになる広告情報重畳装置を開示する。また、重畳する広告情報は、利用者の属性情報や、利用の際の環境に関する情報などに基づいて選択できるようになっており、利用者のニーズに応じてより広告効果の高い広告情報を重畳し、視聴させることができるようにされている。
【0010】
特開2002−287674号公報(特許文献7)は、形状が四角形以外の広告画像であっても、ホームページなどの放送あるいは通信にて提供される表示用のコンテンツ情報中に容易に挿入可能な広告挿入方法およびそれを用いた広告挿入装置を開示する。
【0011】
特開2002−027235号公報(特許文献8)は、利用者と広告提供者とが居合わせる任意の場所で、利用者の所望する背景、構図に応じて撮影した画像と、その場所に関連する広告情報とを有した画像情報を、利用者が親族や知人へその現地の状況を知らしめる手段として手間を掛けずに利用でき、その際広告媒体としての機能を失わない媒体を提供する広告付き画像情報の提供方法などを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−227813号公報
【特許文献2】特開2007−304367号公報
【特許文献3】特開2007−259466号公報
【特許文献4】特開2007−243362号公報
【特許文献5】特開2007−208650号公報
【特許文献6】特開2004−102475号公報
【特許文献7】特開2002−287674号公報
【特許文献8】特開2002−027235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のような画像合成技術の他、近年では、自社のWebページ内に本来のコンテンツに加えて、自社製品や関連製品の広告を同時に表示することで、商品のPRなどを行なう手法が一般的になっている。
【0014】
このようなWebページに広告を含ませる形態に加えて、各種のドキュメント(たとえば、プレゼンテーション資料など)に自社製品や関連製品の広告を含ませるようなニーズも高い。
【0015】
一方で、プレゼンテーション資料などは、本来的に訴求したい内容が記載されており、この内容を考慮せず製品のPRを含ませると、プレゼンテーション資料の本来的な目的を達成することができない可能性がある。すなわち、プレゼンテーション資料の可読性や可判性などの低下を招く。
【0016】
また、プレゼンテーション資料に製品のPRを含ませることができるか否か、および、いずれの位置に製品のPRを含ませるべきかといった内容を作業者がいちいち確認することは非常に手間であり、現実的ではない。
【0017】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ドキュメントなどの画像データに対して、その可読性を可能な限り維持しつつ、広告対象となる製品を示す画像データを合成することのできる画像形成装置、その画像形成装置における処理方法およびその画像形成装置に向けられたプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、画像合成に用いられる第1の画像データを保持する記憶手段と、画像合成の対象の候補である第2の画像データを取得する取得手段と、第2の画像データのうち画像領域を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された画像領域の状況を判断するとともに、当該判断した状況に基づいて第1の画像データを抽出された画像領域に合成可能であるか否かを判断する判断手段と、判断手段による合成可能との判断に応答して、第1の画像データを第2の画像データの画像領域に合成することで、合成画像を生成する画像生成手段とを含む。
【0019】
好ましくは、判断手段は、判断した状況が予め定められた条件を満足しているか否かを評価することで、合成可能であるか否かを判断する。
【0020】
さらに好ましくは、記憶手段は、1つまたは複数の第1の画像データを保持しており、予め定められた条件は、第1の画像データの各々に関連付けて定義される。
【0021】
さらに好ましくは、判断手段は、画像領域に含まれる部分領域の種別に基づいて、予め定義されたいずれかの状況と合致するか否かを判断する。
【0022】
さらに好ましくは、予め定められた条件は、対応する第1の画像データを合成すべき部分領域の定義を含み、画像生成手段は、第2の画像データの画像領域のうち指定された部分領域に第1の画像データを合成する。
【0023】
さらに好ましくは、判断手段は、第1の画像データに関連付けられている合成すべき部分領域の定義に適合する部分領域が複数存在する場合に、第1の画像データを合成すべき部分領域についてのユーザからの選択を促す。
【0024】
好ましくは、画像生成手段は、第1の画像データを合成する第2の画像データの画像領域、または、当該画像領域に含まれる部分領域に応じて、第1の画像データを調整した上で、合成処理を行なう。
【0025】
さらに好ましくは、画像生成手段は、第1の画像データについて、大きさ、角度、輝度、下地の少なくとも1つを調整する。
【0026】
本発明の別の局面に従えば、画像合成が可能な画像形成装置における処理方法を提供する。処理方法は、画像合成に用いられる第1の画像データを保持するステップと、画像合成の対象の候補である第2の画像データを取得するステップと、第2の画像データのうち画像領域を抽出するステップと、抽出された画像領域の状況を判断するとともに、当該判断した状況に基づいて第1の画像データを抽出された画像領域に合成可能であるか否かを判断するステップと、合成可能との判断に応答して、第1の画像データを第2の画像データの画像領域に合成することで、合成画像を生成するステップとを含む。
【0027】
本発明のさらに別の局面に従えば、画像合成が可能な画像形成装置に向けられたプログラムを提供する。プログラムは、画像形成装置のプロセッサを、画像合成に用いられる第1の画像データを保持する記憶手段と、画像合成の対象の候補である第2の画像データを取得する取得手段と、第2の画像データのうち画像領域を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された画像領域の状況を判断するとともに、当該判断した状況に基づいて第1の画像データを抽出された画像領域に合成可能であるか否かを判断する判断手段と、判断手段による合成可能との判断に応答して、第1の画像データを第2の画像データの画像領域に合成することで、合成画像を生成する画像生成手段として機能させる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ドキュメントなどの画像データに対して、その可読性を可能な限り維持しつつ、広告対象となる製品を示す画像データを合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に従うMFPのハードウェア構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う画像合成処理に用いられる原稿の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う画像合成処理の結果得られる印刷物(画像合成結果)の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に従うMFPに含まれる制御構造を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態に従うオブジェクト抽出用テーブルの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う状況判断処理の結果の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に従うシーン判断用テーブルの結果の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に従う合成用画像データの登録例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に従う合成条件テーブルの一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に従うMFPにおける合成用画像データの登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に従うMFPにおいて実行される画像合成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に従うMFPにおける画像合成処理によって得られた結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0031】
<A.ハードウェア構成>
本実施の形態に従う画像形成装置のハードウェア構成について説明する。以下の説明では、画像合成処理の結果得られた画像データを紙媒体にプリントする機能を備えた画像形成装置(MFP)1を典型例として説明する。但し、たとえば、汎用的なコンピュータを用いて画像合成処理までを行ない、実際の印刷処理は、当該コンピュータとは別体の印刷装置を用いて行なうようにしてもよい。このような場合であっても、本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態に従うMFP1のハードウェア構成を示す模式図である。図1を参照して、MFP1は、CPU(Central Processing Unit)10と、メモリ12と、ネットワークインターフェイス(I/F)14と、ハードディスク16と、原稿搬送機構18と、スキャナ20と、プリントエンジン22と、操作パネル24とを含む。これらの各部は、バス26を介して、互いにデータ通信可能に構成されている。
【0033】
CPU10は、メモリ12などに予め格納されているプログラムを読み出してタイミングをはかりながら各動作を統一的に制御し、たとえば、プリントエンジン22において処理されるプリントジョブを統括的に制御する。また、後述する本実施の形態に係る画像合成処理については、基本的にはCPU10がプログラムを実行することで実現される。メモリ12は、プログラムなどを格納する不揮発性メモリと、動作時のワークメモリとして使用される揮発性メモリとを含む。
【0034】
ネットワークインターフェイス14は、ネットワークLANを介してパーソナルコンピュータなどと電気的に接続する。ネットワークインターフェイス14は、画像合成の対象となる画像データを受信したり、画像合成結果42を他の装置へ送信したりする。
【0035】
ハードディスク16は、スキャナ20によるスキャン動作によって得られた画像データや、画像合成の対象となる画像データなどを格納する。また、ハードディスク16には、本実施の形態に係る画像合成処理に必要なパラメータ(設定値)などが格納される。
【0036】
原稿搬送機構18は、スキャナ20に原稿30を自動的に供給する機構であり、原稿30をセットするための戴荷台と、戴荷台にセットされた原稿30を原稿台ガラスに自動的に1枚ずつ搬送する搬送部とを含む。本実施の形態に係る画像合成処理において、原稿30から読取られた画像データが画像合成に用いられる。すなわち、原稿30は、典型的にはプレゼンテーション資料であり、このプレゼンテーション資料の画像データが取得され、当該取得された画像データの上に予め定められた条件や処理手順に従って、画像データが合成される。
【0037】
スキャナ20は、原稿30に光を照射し、その反射光を受光することで、原稿30の内容を示す画像を読取る。典型的には、スキャナ20は、原稿30を照射する露光ランプ、原稿30からの反射光の向きを変える反射ミラー、反射ミラーからの光路を変えるミラー、反射光を集光するレンズ、および、受光した反射光に応じて電気信号を発生する3列のCCD(Charge Coupled Device)などの光電変換素子を含む。
【0038】
プリントエンジン22は、物理的に画像形成処理(プリント処理)を実行する主体であり、典型的には、感光体ユニット、現像ユニット、定着器ユニット、および、搬送機構などを含む。プリントエンジン22による画像処理動作によって、紙媒体の表面に画像を形成した印刷物40が出力される。
【0039】
操作パネル24は、ユーザにMFP1の操作や状態に係る情報を通知するとともに、ユーザからの操作を受付けて、その操作に応じた命令をCPU10へ与える。この操作パネル24は、典型的には、筐体に埋め込まれた液晶ディスプレイと、液晶ディスプレイ上に配置されたタッチセンサと、液晶ディスプレイの周辺に配置された各種の操作ボタンなどを含む。
【0040】
<B.処理の概要>
次に、本実施の形態に係る画像合成処理について説明する。
【0041】
図2は、本発明の実施の形態に従う画像合成処理に用いられる原稿30の一例を示す図である。図3は、本発明の実施の形態に従う画像合成処理の結果得られる印刷物40(画像合成結果42)の一例を示す図である。
【0042】
図2に示すように、入力される資料である原稿30としては、プレゼンテーション資料などが想定される。この原稿30は、写真や絵などを含む画像領域31と、文字が記述されるテキスト領域32とを含む。
【0043】
本実施の形態に従う画像合成処理においては、主として、原稿30に含まれる画像領域31の状況を判断し、この状況の判断結果に応じて、予め登録された画像データのうち適切な画像データを選択するとともに、画像領域31内の適切な位置に合成される。
【0044】
このような画像合成処理によって得られた合成画像の一例を図3に示す。図3に示す合成画像では、MFPを示す画像データ33(以下「合成用画像データ」とも称す。)が合成されている。図2および図3に示す例では、画像領域31には、あるオフィスを写した写真が含まれている。そのため、このような状況を判断して、MFPを示す合成用画像データは、オフィスの床面に対応する位置に位置決めされる。
【0045】
以下の説明では、スキャナ20が原稿を読取って生成した画像データやMFP1に外部入力された画像データであって、本実施の形態に従う画像合成処理において合成対象となる画像データ(被合成画像データ)を「入力画像データ」とも称す。
【0046】
<C.制御構造>
次に、本実施の形態に従う画像形成装置の制御構造について説明する。図4は、本発明の実施の形態に従うMFP1に含まれる制御構造を示す模式図である。
【0047】
図4を参照して、MFP1は、その制御構造として、画像バッファ102と、画像分離部104と、画像解析部106と、登録画像蓄積部108と、画像調整部110と、画像補正部112と、画像合成部114と、画像出力部116と、テーブル格納部120とを含む。
【0048】
画像バッファ102は、入力画像データを一次的に保持する。上述したように、入力画像データの取得方法については、特に制限されることはない。すなわち、MFP1に搭載されているスキャナ20を用いて原稿を読取ることで入力画像データを取得する方法、MFP1の外部にあるパーソナルコンピュータなどから入力画像データを入手する方法などを採用することができる。すなわち、画像バッファ102は、画像合成の対象の候補である入力画像データを取得する取得手段の少なくとも一部に相当する。
【0049】
画像分離部104は、合成用画像データを合成すべき領域を特定するために、入力画像データに含まれる領域を識別する。より具体的には、画像分離部104は、図3に示すように、入力画像データを、少なくとも画像領域とテキスト領域とに分離する。なお、これらの領域に加えて、表領域やヘッダ/フッタ領域などを加えて、より詳細に区分してもよい。このような領域判別は、公知の画像処理技術を用いることで実現できる。
【0050】
画像分離部104は、領域分離の結果を画像解析部106、画像補正部112および画像合成部114へ出力する。すなわち、画像分離部104は、入力画像データのうち画像領域を抽出する抽出手段に相当する。この領域分離の結果としては、入力画像データの全体と入力画像データ内の各領域を示す座標情報との組合せ、あるいは、各部で必要な部分画像データのみの出力といった方法を採用することができる。
【0051】
画像解析部106は、画像分離部104によって分離された画像領域の内容を解析して評価する。すなわち、画像解析部106は、画像分離部104により抽出された画像領域の状況を判断するとともに、当該判断した状況に基づいて合成用画像データを抽出された画像領域に合成可能であるか否かを判断する判断手段に相当する。画像解析部106は、判断結果を画像調整部110および画像補正部112へ出力する。この判断処理の内容については、後述する。
【0052】
登録画像蓄積部108は、本実施の形態に従う画像合成処理に用いられる1つまたは複数の合成用画像データを保持する。後述するように、登録画像蓄積部108に登録される合成用画像データには、画像合成に係る条件などが関連付けられている。この画像合成に係る条件は、画像解析部106における判断処理において参照される。
【0053】
画像調整部110は、画像合成が可能と判断され、画像合成処理に用いられる合成用画像データが決定されると、当該合成用画像データを調整する。より具体的には、画像調整部110は、合成用画像データを合成する入力画像データの画像領域、または、当該画像領域に含まれる部分領域に応じて、合成用画像データを調整した上で合成処理を行なう。この調整の内容としては、合成用画像データについて、大きさ、角度、輝度、下地の少なくとも1つが調整される。
【0054】
画像補正部112は、入力画像データに対して、各種の画像補正処理を実行する。この画像補正後の入力画像データは、画像合成部114へ出力される。
【0055】
画像合成部114は、画像補正部112から入力された入力画像データと、画像調整部110から入力された合成用画像データとを合成する。すなわち、画像合成部114は、画像解析部106による合成可能との判断に応答して、合成用画像データを入力画像データの画像領域に合成することで合成画像を生成する画像生成手段に相当する。
【0056】
画像出力部116は、画像合成部114によって生成された合成画像を画像合成結果として出力する。
【0057】
テーブル格納部120は、オブジェクト抽出用テーブル121と、シーン判断用テーブル122と、合成条件テーブル123とを保持する。これらのテーブルの内容および使用方法については、後述する。
【0058】
<D.処理の詳細>
(d1:状況判断処理)
まず、画像解析部106によって実行される入力画像データの画像領域に対する状況判断処理について説明する。
【0059】
図5は、本発明の実施の形態に従うオブジェクト抽出用テーブル121の一例を示す図である。図6は、本発明の実施の形態に従う状況判断処理の結果の一例を示す図である。図7は、本発明の実施の形態に従うシーン判断用テーブル122の結果の一例を示す図である。
【0060】
画像解析部106(図4)は、入力画像データに含まれる画像領域の状況を認識するために、図5に示すようなオブジェクト抽出用テーブル121を利用する。このオブジェクト抽出用テーブル121には、画像領域に写っている被写体(オブジェクト)の種類別にそれぞれ特徴量が定義されている。図5には、「机」や「パソコン」についての特徴量が定義されている例を示す。もちろん、画像領域の状況として認識すべきオブジェクトの種類に応じて、より多くのオブジェクト抽出用テーブル121を作成することが好ましい。
【0061】
図6(a)には、画像分離部104によって抽出された入力画像データの画像領域の一例を示す。このような画像領域に対して、本実施の形態に従う状況判断処理が実行されることで、図6(b)に示すようにオブジェクト(部分領域)が抽出され、かつ、各オブジェクト(部分領域)が何であるかが判断される。
【0062】
図6(b)に示す例では、部分領域201が「照明」であり、部分領域202が「地面」であり、部分領域203が「パーティション」であり、部分領域204が「植物」であり、部分領域205が「机」であると認識されている。
【0063】
なお、本発明に係る画像合成処理は、入力画像データの画像領域の状況を判断できさえすればよいので、図5に示すようなオブジェクト抽出用テーブル121を用いる形態に限られることはない。むしろ、様々な公知の画像認識技術を用いて、入力画像データに含まれる被写体の種類などを認識すればよい。
【0064】
上述のような手順によって、入力画像データに含まれるオブジェクトが特定されると、これらの特定されたオブジェクトに基づいて、予め登録されているいずれの状況(シーン)であるかが判断される。
【0065】
より具体的には、画像解析部106(図4)は、図7に示すようなシーン判断用テーブル122を参照して、画像領域に含まれると特定されたオブジェクトとシーン判断用テーブル122に定義されている配置物の条件(配置物1〜5)とを比較する。そして、シーン判断用テーブル122に定義されているいずれかのシーンに対応する配置物の条件をすべて満足した場合には、画像領域の状況が当該シーンであると判断される。図6および図7に示す例では、シーン名「オフィス」に対応付けて定義されている配置物1〜4のすべてが特定されているので、図6(a)に示す画像領域の状況(シーン)が「オフィス」であると判断される。
【0066】
なお、シーン判断用テーブル122は、ユーザが任意に定義してもよいし、予め既知の状況(シーン)を示す画像データに対して、上述したようなオブジェクト抽出処理を行ない、その結果得られたオブジェクトを対応するシーンの配置物の条件として設定してもよい。
【0067】
なお、シーン判断用テーブル122には、各シーンについて「室内/外」の属性値が付加されている。この属性値は、入力画像データの補正および/または合成用画像データの調整に利用される。
【0068】
(d2:合成用画像データの登録処理)
次に、登録画像蓄積部108への合成用画像データの登録処理について説明する。本実施の形態に従うMFP1では、ユーザが任意の合成用画像データを予め登録することができる。この予め登録される合成用画像データの数についても複数とすることもできる。このような合成用画像データは、上述したような、自社製品のPR用の画像データなどが想定されている。
【0069】
このように1つ以上登録される合成用画像データのうち、入力画像データに応じて、いずれの合成用画像データを合成すべきという条件についても、ユーザは予め設定することができる。
【0070】
図8は、本発明の実施の形態に従う合成用画像データの登録例を示す図である。図8に示す登録例においては、MFPを示す合成用画像データ(登録画像)に関連付けて、画像合成処理に係る条件が設定される。図8に示す例では、合成用画像データに関連付けて、「登録シーン」、「サイズ」、「設置位置」などの条件(属性情報)が登録される。
【0071】
「登録シーン」の属性値としては、図7に示されるシーン判断用テーブル122に規定される「シーン」のいずれかの値が設定される。「サイズ」の属性値としては、対応する合成用画像データの実サイズ、または、入力画像データに対して合成される際のサイズが設定される。「設置位置」には、入力画像データの画像領域の状況(シーン)が判断され、当該シーンのうち、いずれの部分領域に合成すべきかが定義される。この「設置位置」の属性値としては、図5に示されるオブジェクト抽出用テーブル121に規定される「オブジェクト(配置物)」のいずれかの値が設定される。
【0072】
なお、合成用画像データの画像合成処理に係る条件については、処理を簡便化する観点から、テーブルにまとめて管理しておくことが好ましい。図9は、本発明の実施の形態に従う合成条件テーブル123の一例を示す図である。図9に示す合成条件テーブル123では、それぞれの合成用画像データ(画像データ名)に関連付けて、「縦サイズ」、「横サイズ」、「登録シーン」、「設置位置」が条件として定義される。
【0073】
この合成条件テーブル123を使用して画像合成の可否判断処理が実行される。この画像合成の可否判断処理について、以下説明する。
【0074】
(d3:画像合成の可否判断処理)
MFP1の画像解析部106(図4)は、入力画像データの画像領域について判断した状況(判断された「シーン」の属性値)が予め定められた条件を満足しているか否かを評価することで、合成可能であるか否かを判断する。すなわち、画像解析部106は、図9に示す合成条件テーブル123に定義される「登録シーン」の属性値のうち、入力画像データの画像領域について判断されたシーンの属性値と一致するものがあるか否かを判断する。
【0075】
上述したように、登録画像蓄積部108には、1つまたは複数の合成画像用データが保持されており、この画像合成に係る予め定められた条件は、これらの合成画像用データの各々に関連付けて定義されている。
【0076】
また、画像解析部106は、図7に示すようなシーン判断用テーブル122を参照して、入力画像データの画像領域に含まれる部分領域(オブジェクト/配置物)の種別に基づいて、予め定義されたいずれかの状況と合致するか否かを判断する。そして、図9に示すように、予め定められた条件である合成条件テーブル123では、対応する合成用画像データを合成すべき部分領域(配置位置)の定義を含み、画像合成部114は、入力画像データの画像領域のうち指定された部分領域(配置位置)に合成用画像データを合成する。
【0077】
すなわち、入力画像データの画像領域に対して判断された状況(シーン)が、合成条件テーブル123に定義される「登録シーン」の属性値と一致し、かつ、当該画像領域に「設置位置」の属性値として登録された部分領域が含まれる場合には、対応する合成用画像データが当該「設置位置」として定義された部分領域の位置に合成される。
【0078】
なお、合成条件テーブル123に定義される出力画像データの条件のうち、対象の入力画像データの画像領域について、複数の出力画像データの条件が適合すると判断された場合には、予め定められた優先順位に基づいて1つの出力画像データのみを合成するようにしてもよい。
【0079】
あるいは、ユーザにいずれの出力画像データを合成すべきかを選択してもらうようにしてもよい。この場合には、画像解析部106は、合成用画像データに関連付けられている合成すべき部分領域の定義に適合する部分領域が複数存在する場合に、合成用画像データを合成すべき部分領域についてのユーザからの選択を促す。
【0080】
(d4:合成用画像データの調整処理および入力画像データの補正処理)
画像調整部110(図5)は、いずれかの合成用画像データを入力画像データに合成できると判断されると、必要に応じて、合成用画像データの大きさ、角度、輝度、下地などを調整する。大きさについては、合成条件テーブル123(図9)に各出力画像データのサイズが定義されており、このサイズを用いて合成用画像データの大きさが調整される。より具体的には、入力画像データの画像領域におけるオブジェクトの大きさまたはオブジェクト間の距離と、出力画像データのサイズとの関係から、画像合成について好ましいサイズに出力画像データを調整する。たとえば、画像領域内に地面と照明とが検出された場合には、当該地面と証明との間の距離が当該場所の高さ(地面から天井までの高さ)と判断できるので、この高さと合成用画像データが表わす物体との相対的な大きさを調整することになる。
【0081】
また、角度についても、画像領域内で検出されたオブジェクトの領域などから入力画像データの傾き(回転)の度合いを評価した上で、その度合いに応じて合成用画像データを回転させることになる。
【0082】
輝度および下地については、合成対象となる入力画像データのホワイトバランス、全体的なスペクトル、画像濃度などに応じて、合成画像全体がより自然になるように、調整がなされる。この際、合成用画像データだけではなく、入力画像データについても、画像補正部112がその色属性を補正してもよい。
【0083】
<E.処理手順>
次に、本実施の形態に従うMFP1において実行される処理手順について説明する。
【0084】
(e1:合成用画像データの登録処理)
図10は、本発明の実施の形態に従うMFP1における合成用画像データの登録処理の処理手順を示すフローチャートである。図10に示す各ステップは、MFP1のCPU10がプログラムを実行することで実現される。
【0085】
図10を参照して、ユーザ指示に応答して、MFP1のCPU10は、合成用画像データの登録処理に係るメニューを操作パネル24(図1)に表示する(ステップS100)。続いて、CPU10は、何らかの方法で入力される合成画像用データを受付ける(ステップS102)。ユーザは、MFP1のスキャナ20を用いて合成用画像データを生成したり、パーソナルコンピュータから合成用画像データをMFP1へ送信したりする。
【0086】
合成用画像データが入力されると、CPU10は、入力された合成用画像データに係る条件などを入力するためのメニューを操作パネル24(図1)に表示する(ステップS104)。すなわち、合成条件テーブル123(図9)に定義される各属性値の入力をユーザに促す。
【0087】
入力された合成用画像データに係る条件などが入力されると、CPU10は、入力された合成用画像データを格納するとともに、合成条件テーブル123の内容を更新する(ステップS106)。
【0088】
そして、合成用画像データの登録処理は終了する。
(e2:画像合成処理)
図11は、本発明の実施の形態に従うMFP1において実行される画像合成処理の処理手順を示すフローチャートである。図11に示す各ステップは、MFP1のCPU10がプログラムを実行することで実現される。
【0089】
図11を参照して、ユーザ指示に応答して、MFP1のCPU10は、入力画像データを受付ける(ステップS200)。すなわち、CPU10は、画像合成の対象の候補である入力画像データを取得する。ユーザは、MFP1のスキャナ20を用いて入力画像データを生成したり、パーソナルコンピュータから入力画像データをMFP1へ送信したりする。
【0090】
入力画像データが入力されると、CPU10は、入力画像データから画像領域を抽出する(ステップS202)。すなわち、CPU10は、入力画像データのうち画像領域を抽出する。続いて、CPU10は、ステップS204〜S224の処理を実行することで、抽出された画像領域の状況を判断するとともに、当該判断した状況に基づいて合成用画像データを抽出された画像領域に合成可能であるか否かを判断する。
【0091】
すなわち、CPU10は、オブジェクト抽出用テーブル121(図5)を参照して、抽出した画像領域に含まれるオブジェクトを抽出する(ステップS204)。続いて、CPU10は、シーン判断用テーブル122に定義されている第1番目のエントリを参照して、当該エントリに定義されている配置物のすべてが画像領域から抽出されているか否かを判断する(ステップS206)。
【0092】
対象の当該エントリに定義されている配置物のすべてが画像領域から抽出されていれば(ステップS206においてYES)、CPU10は、対応するシーンを対象の画像領域についての状況であると決定する(ステップS208)。このように、CPU10は、画像領域に含まれる部分領域の種別に基づいて、予め定義されたいずれかの状況と合致するか否かを判断する。そして、処理はステップS216へ進む。
【0093】
対象の当該エントリに定義されている配置物の一部でも画像領域から抽出されていなけ(ステップS206においてNO)、CPU10は、シーン判断用テーブル122に定義されているすべてのエントリについての判断が完了しているか否かを判断する(ステップS210)。
【0094】
シーン判断用テーブル122に定義されているすべてのエントリについての判断が完了していなければ(ステップS210においてNO)、CPU10は、シーン判断用テーブル122に定義されている次のエントリを判断対象のエントリに設定する(ステップS212)。その後、ステップS206以下の処理を繰返す。
【0095】
一方、シーン判断用テーブル122に定義されているすべてのエントリについての判断が完了していれば(ステップS210においてYES)、画像合成処理が不可能であると決定し(ステップS214)、処理はステップS228へ進む。
【0096】
このように、CPU10は、判断した状況が予め定められた条件を満足しているか否かを評価することで、合成可能であるか否かを判断する。
【0097】
ステップS216において、CPU10は、合成条件テーブル123(図9)を参照して、ステップS208において決定したシーンを「登録シーン」の属性値として登録されているエントリが存在するか否かを判断する(ステップS216)。
【0098】
ステップS208において決定したシーンを「登録シーン」の属性値として登録されているエントリが存在しなければ(ステップS216においてNO)、画像合成処理が不可能であると決定し(ステップS214)、処理はステップS228へ進む。
【0099】
これに対して、ステップS208において決定したシーンを「登録シーン」の属性値として登録されているエントリが存在していれば(ステップS216においてYES)、CPU10は、ステップS208において決定したシーンを「登録シーン」の属性値として登録されているエントリが複数存在するか否かを判断する(ステップS218)。
【0100】
ステップS208において決定したシーンを「登録シーン」の属性値として登録されているエントリが複数存在していれば(ステップS218においてYES)、CPU10は、いずれのエントリに対応する合成用画像データを用いて画像合成処理を行なうかの選択をユーザから受付ける(ステップS220)。CPU10は、ユーザからの選択に対応する合成用画像データを画像合成処理に用いると決定する(ステップS222)。このように、CPU10は、合成用画像データに関連付けられている合成すべき部分領域の定義に適合する部分領域が複数存在する場合に、合成用画像データを合成すべき部分領域についてのユーザからの選択を促す。そして、処理はステップS226へ進む。
【0101】
ステップS208において決定したシーンを「登録シーン」の属性値として登録されているエントリが複数存在していなければ(ステップS218においてNO)、CPU10は、対象のエントリに対応する合成用画像データを画像合成処理に用いると決定する(ステップS224)。そして、処理はステップS226へ進む。
【0102】
続いて、CPU10は、合成可能との判断に応答して、合成用画像データを入力画像データの画像領域に合成することで、合成画像を生成する。すなわち、ステップS226において、CPU10は、合成条件テーブル123の対応するエントリの「設置位置」の属性値を参照して、対象の合成用画像データを入力画像データの指定された位置に合成する(ステップS226)。このように、CPU10は、入力画像データの画像領域のうち指定された部分領域に合成用画像データを合成する。そして、処理はステップS228へ進む。
【0103】
ステップS228において、CPU10は、画像データを出力する(ステップS228)。この出力される画像データは、上述の処理によって、画像合成処理が可能であると判断された場合には、画像合成結果が出力され、そうでなければ、基本的には入力画像データがそのまま出力される。そして、処理は終了する。
【0104】
<F.処理結果例>
図12は、本発明の実施の形態に従うMFP1における画像合成処理によって得られた結果の一例を示す図である。図12に示すように、図6(a)に示す入力画像データと比較して、MFPを示す合成用画像データ33がより自然な位置に自然な大きさで合成されていることがわかる。
【0105】
<G.作用効果>
本実施の形態によれば、合成用画像データの別に予め定められた条件を満たした場合に限って、入力画像データ内の指定された部分領域(設置位置)に合成用画像データが合成されるので、入力画像データの可読性を維持しつつ、合成用画像データの内容をユーザに訴求することができる。
【0106】
また、本実施の形態によれば、画像合成処理において、合成用画像データのサイズなどが調整された上で、入力画像データに合成されるので、画像合成結果をより自然な態様にすることができる。
【0107】
<H.その他の実施の形態>
上述したように、本発明に係る画像形成装置は、汎用コンピュータを用いて実現することもできる。このような場合には、本発明に係るプログラム(コード)を公知の方法(ネットワークを介した配信や記録媒体を通じた配布)で汎用コンピュータにインストールすることになる。このようなプログラムは、オペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼び出して処理を実行するような形態として構成してもよい。この場合、プログラム自体には上記のようなモジュールは含まれず、OSと協働して処理が実行される。
【0108】
また、本発明に係るプログラムは、他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。このような場合にも、プログラム自体には上記のような他のプログラムに含まれるモジュールは含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。
【0109】
したがって、上述のような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本発明に係るプログラムの技術的範囲に含まれる。
【0110】
さらに、本発明に係るプログラムによって実現される機能の一部または全部を専用のハードウェアによって構成してもよい。
【0111】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0112】
10 CPU、12 メモリ、14 ネットワークインターフェイス、16 ハードディスク、18 原稿搬送機構、20 スキャナ、22 プリントエンジン、24 操作パネル、26 バス、30 原稿、31 画像領域、32 テキスト領域、33 合成用画像データ、40 印刷物、42 画像合成結果、102 画像バッファ、104 画像分離部、106 画像解析部、108 登録画像蓄積部、110 画像調整部、112 画像補正部、114 画像合成部、116 画像出力部、120 テーブル格納部、121 オブジェクト抽出用テーブル、122 シーン判断用テーブル、123 合成条件テーブル、LAN ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像合成に用いられる第1の画像データを保持する記憶手段と、
画像合成の対象の候補である第2の画像データを取得する取得手段と、
前記第2の画像データのうち画像領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された画像領域の状況を判断するとともに、当該判断した状況に基づいて前記第1の画像データを前記抽出された画像領域に合成可能であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による合成可能との判断に応答して、前記第1の画像データを前記第2の画像データの前記画像領域に合成することで、合成画像を生成する画像生成手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記判断した状況が予め定められた条件を満足しているか否かを評価することで、合成可能であるか否かを判断する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、1つまたは複数の前記第1の画像データを保持しており、
前記予め定められた条件は、前記第1の画像データの各々に関連付けて定義される、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記判断手段は、前記画像領域に含まれる部分領域の種別に基づいて、予め定義されたいずれかの状況と合致するか否かを判断する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記予め定められた条件は、対応する前記第1の画像データを合成すべき部分領域の定義を含み、
前記画像生成手段は、前記第2の画像データの画像領域のうち指定された部分領域に前記第1の画像データを合成する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判断手段は、前記第1の画像データに関連付けられている合成すべき部分領域の定義に適合する部分領域が複数存在する場合に、前記第1の画像データを合成すべき部分領域についてのユーザからの選択を促す、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像生成手段は、前記第1の画像データを合成する前記第2の画像データの画像領域、または、当該画像領域に含まれる部分領域に応じて、前記第1の画像データを調整した上で、合成処理を行なう、請求項4〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像生成手段は、前記第1の画像データについて、大きさ、角度、輝度、下地の少なくとも1つを調整する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像合成が可能な画像形成装置における処理方法であって、
画像合成に用いられる第1の画像データを保持するステップと、
画像合成の対象の候補である第2の画像データを取得するステップと、
前記第2の画像データのうち画像領域を抽出するステップと、
抽出された画像領域の状況を判断するとともに、当該判断した状況に基づいて前記第1の画像データを前記抽出された画像領域に合成可能であるか否かを判断するステップと、
合成可能との判断に応答して、前記第1の画像データを前記第2の画像データの前記画像領域に合成することで、合成画像を生成するステップとを備える、処理方法。
【請求項10】
画像合成が可能な画像形成装置に向けられたプログラムであって、前記プログラムは、前記画像形成装置のプロセッサを、
画像合成に用いられる第1の画像データを保持する記憶手段と、
画像合成の対象の候補である第2の画像データを取得する取得手段と、
前記第2の画像データのうち画像領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された画像領域の状況を判断するとともに、当該判断した状況に基づいて前記第1の画像データを前記抽出された画像領域に合成可能であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による合成可能との判断に応答して、前記第1の画像データを前記第2の画像データの前記画像領域に合成することで、合成画像を生成する画像生成手段として機能させる、プログラム。

【図1】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−227702(P2012−227702A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93106(P2011−93106)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】