説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】過電圧が印加されることに起因した部材の破損等の劣化を防止しつつ、ユーザによる使い勝手のよい画像形成装置を提供する。
【解決手段】電源から供給された電力により動作する画像形成装置1であって、電源からの許容電圧値を記憶するメモリ140と、電源電圧を検出する電圧検出部130と、電源電圧と、許容電圧値とを比較し、電源電圧が許容電圧値よりも高い場合に、電源からの電力により動作する負荷部材のうち予め設定された一部の第1負荷部材の動作を停止させる制御部150とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、商用電源から供給される電力により各種動作が行われるが、過電圧が投入されることにより、当該画像形成装置が備える電解コンデンサや、ハロゲンヒータ、カーボンランプ等が破損するという問題がある。
【0003】
例えば、画像形成装置を製造する工場においては、100V系と200V系の電源電圧が存在する。このため、100V系仕様の画像形成装置の製品に、200Vを投入するといった誤入力が発生する場合がある。また、電源事情の悪い国や地域では、商用電源の電源電圧の仕様値を超えて高い電圧が発生する場合がある。また、サウジアラビアのように100V系の電源電圧と200V系の電源電圧が混在している国においては、画像形成装置に誤って異なる電圧の電源が投入される場合がある。
【0004】
このような理由により、100V系仕様の製品(画像形成装置)に200V系電源が誤入力された場合には、製品仕様に対して高い電源が投入されることとなり、上述のような問題が生じてしまう。
【0005】
装置に過電圧が入力された場合に、安全に過電圧を遮断する方法としては、図5に示すように、バリスタ200とヒューズ202を直列に接続する技術が知られている。この構成により、バリスタ200に過電圧が加わった場合には、バリスタ200に大電流が流れ、ヒューズ202は溶断される。すなわち、本技術は、このようにヒューズ202を溶断することにより、過電圧による破損を最小限にするものである。
【0006】
しかしながら、IEC60950の規格改定により、バリスタの使用条件が改正され、上記のような使用はできなくなった。このため、近年の装置においては、ある程度高耐圧の電解コンデンサを用いて、ある程度の時間過電圧に耐えられるような部品が選定され、搭載されている。しかしながら、長時間過電圧状態が継続され、更にプリント動作等により、電解コンデンサへの充放電電流が多く流れた場合には、電解コンデンサの急激な劣化が発生してしまう。電解コンデンサの劣化がさらに進むと、電解コンデンサは開弁してしまい、問題となっていた。また、画像形成装置が備えるハロゲンヒータ、カーボンランプ等は、電圧に比例して急激に劣化することが知られている。また、ハロゲンヒータを駆動するトライアック等の素子に想定以上の電流が流れ、これらの素子が破損してしまうという問題があった。
【0007】
このような問題に対し、例えば特許文献1には、電力線から電源装置に供給される電力のオンオフを切り替えるサブ電源スイッチと、電力線において異常電圧が検出されると、サブ電源スイッチをオフ状態とすることにより、電源装置への電力供給を停止する電源制御部とを備えた電源制御装置が開示されている。これにより、電源装置に過電圧が印加されることを簡単かつ確実に防止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像形成装置が備える部材の中には、異常電圧が投入された場合であっても、動作可能な部材もあるものの、特許文献1の技術においては、すべての部材の動作が停止してしまい、使い勝手が悪いという問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、過電圧が印加されることに起因した部材の破損等の劣化を防止しつつ、ユーザによる使い勝手のよい画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電源から供給された電力により動作する画像形成装置であって、前記電源からの許容電圧値を記憶する記憶部と、電源電圧を検出する検出部と、前記検出部が検出した前記電源電圧と、前記許容電圧値とを比較し、前記電源電圧が前記許容電圧値よりも高い場合に、前記電源からの電力により動作する負荷部材のうち予め設定された一部の第1負荷部材の動作を停止させる制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、電源から供給された電力により動作する画像形成装置において実行される画像形成方法であって、前記画像形成装置は、前記電源からの許容電圧値を記憶する記憶部を備え、検出部が、電源電圧を検出する検出ステップと、制御部が、前記検出ステップにおいて検出した前記電源電圧と、前記許容電圧値とを比較し、前記電源電圧が前記許容電圧値よりも高い場合に、前記電源からの電力により動作する負荷部材のうち予め設定された一部の第1負荷部材の動作を停止させる制御ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、異常電圧が検出された場合には、予め設定された一部の負荷部材の動作を停止するので、過電圧が印加されることによる画像形成装置の劣化を防ぎつつ、一部の負荷部材の動作を継続することができるので、ユーザの使い勝手を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、画像形成装置1における動作を示すフローチャートである。
【図3】図3は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、画像形成装置2にかかる動作を示すフローチャートである。
【図5】図5は、従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置および画像形成方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、DC電源部100と、定着ヒータ駆動部110と、定着ヒータユニット120と、電圧検出部130と、メモリ140と、制御部150と、操作表示部160と、作像部170と、搬送部180とを備えている。商用電源10からの電源電圧は、DC電源部100、定着ヒータ駆動部110および電圧検出部130に入力される。
【0016】
DC電源部100は、DC電源を生成する。DC電源部100により生成されたDC電源は、画像形成装置1が備える負荷部材としての電装品および制御基板(いずれも不図示)に送られる。ここで、負荷部材とは、DC電源部100から供給された電力により動作する回路である。負荷部材としては、例えば本図に示す定着ヒータユニット120、制御部150、操作表示部160、作像部170および搬送部180などが挙げられるが、画像形成装置1は、これ以外にも不図示の負荷部材を備えている。
【0017】
DC電源部100は、電源スイッチ101と、ヒューズ102と、ノイズフィルタ(N/F)103と、ダイオードブリッジ104と、電解コンデンサ105とを有している。電源スイッチ101は、商用電源10と画像形成装置1の各負荷部材との接続を開閉する。ヒューズ102は、DC電源部100の故障等で異常な大電流が発生した場合に安全に遮断する。N/F103は、商用電源10からのノイズを除去する。ダイオードブリッジ104は、AC電圧を整流する。
【0018】
電解コンデンサ105は、ダイオードブリッジ104からの出力電圧を平滑する。電解コンデンサ105は、大容量コンデンサ、より具体的には、画像形成装置1の仕様の入力電圧の2倍の電圧が入力されても直ちに開弁しない程度の電解コンデンサである。DC電源生成部106は、DC電源を生成する。
【0019】
定着ヒータ駆動部110は、リレー回路111と、N/F112と、ゼロクロス検出回路113と、定着ヒータ駆動回路114とを有している。リレー回路111は、商用電源10と定着ヒータユニット120の間の接続を開閉する。N/F112は、商用電源10からのノイズを除去する。ゼロクロス検出回路113は、電源電圧の0V電圧を検出する。ゼロクロス検出回路113は、さらに0V電圧を検出すると、ゼロクロス信号を出力する。定着ヒータ駆動回路114は、定着ヒータユニット120への電力供給を制御する。
【0020】
電圧検出部130は、電源電圧の入力電圧に比例したDC電圧信号を出力する。メモリ140は、画像形成装置1の電源電圧仕様における許容電圧範囲データを記憶している。許容電圧範囲データは、画像形成装置1の仕様において許容される許容電圧値が記述されたデータである。メモリ140はまた、画像形成装置1の各種動作に必要なプログラム、画像形成装置1への設定および動作履歴などの情報を記憶している。
【0021】
制御部150は、画像形成装置1全体を制御する。制御部150は、電圧検出部130から出力されたDC電圧信号を取得する。そして、制御部150は、取得したDC電圧信号をA/D変換する。制御部150は、A/D変換により得られた電源電圧データと、メモリ140に記憶されている許容電圧範囲データに示される許容電圧値とを比較する。制御部150は、電源電圧データが許容電圧値よりも大きい場合には、画像形成装置1の動作モードを通常モードから最小動作モードに移行する。
【0022】
ここで、通常モードとは、画像形成装置1のすべての処理を実行可能なモードである。最小動作モードとは、商用電源10からの電力により動作する、画像形成装置1の一部の負荷部材の動作が停止されたモードである。なお、最小動作モードにおいて動作を停止すべき負荷部材は、予め第1負荷部材としてメモリ140に記憶されている。本実施の形態の画像形成装置1においては、定着ヒータユニット120、作像部170および搬送部180等が第1負荷部材として設定されている。なお、制御部150、操作表示部160等は、第1負荷部材として設定されておらず、これらは第2負荷部材に相当する。なお、第1負荷部材として設定される負荷部材は予め設定された任意の負荷部材であればよく、実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
制御部150は、電源電圧データが許容電圧値よりも大きい場合には、動作モードを最小動作モードに移行し、予め第1負荷部材として設定されている電装品や制御基板(本実施の形態においては、定着ヒータユニット120、作像部170および搬送部180等)の動作を停止する。制御部150は、さらに後述の操作表示部160に対し、電源電圧データが許容電圧値よりも大きい旨、すなわち電源電圧が異常である旨をユーザに通知することを指示する。
【0024】
制御部150はまた、定着ヒータ駆動部110と協働して、定着ヒータユニット120への電力供給を制御する。具体的には、制御部150は、図示せぬ温度センサから、定着ヒータユニット120が有する定着ヒータの温度を示す温度信号を取得し、電圧検出部130からDC電圧信号を取得し、ゼロクロス検出回路113からゼロクロス信号を取得する。制御部150は、温度信号、DC電圧信号およびゼロクロス信号に基づいて、定着ヒータON/OFF信号を定着ヒータ駆動回路114に出力する。定着ヒータ駆動回路114は、定着ヒータON/OFF信号に基づいて、電源電圧周波数の整数倍の一定周期期間内のDutyを制御する。これにより、定着ヒータユニット120に供給される電力が制御される。
【0025】
定着ヒータユニット130は、制御部150および定着ヒータ駆動部110の制御の下、商用電源10から供給された電力により動作する。定着ヒータユニット120が有する定着ヒータ(発熱体)は、画像形成の際に動作する定着ローラ(不図示)を加熱する。なお、発熱体としては、ハロゲンヒータ、セラミックヒータおよびカーボンヒータなどが挙げられる。
【0026】
操作表示部150は、ユーザからの入力操作を受け付けるとともに、各種情報を表示する。操作表示部150は、具体的には、液晶パネルなどのタッチパネルとハードキーとを有している。作像部160は、電子写真方式にて作像し、記録紙にトナーを転写し、記録紙にトナーを定着させる。搬送部170は、記録用紙を搬送する。
【0027】
図2は、画像形成装置1における動作を示すフローチャートである。ユーザにより画像形成装置1の電源スイッチ101がオンされると、電圧検出部130は、電源電圧を検知し、DC電圧信号を出力する(ステップS100)。次に、制御部150は、電圧検出部130から出力されたDC電圧信号をA/D変換して電源電圧データを得る。
【0028】
制御部150は、電源電圧データと、メモリ140に記憶されている許容電圧範囲データに示される許容電圧値とを比較する。比較の結果、電源電圧が許容電圧値に比べて大きい場合には(ステップS102,Yes)、制御部150は、画像形成装置1の動作モードを最小動作モードに設定し(ステップS104)、第1負荷部材の動作を停止する(ステップS106)。次に、操作表示部160は、制御部150からの指示にしたがい、電源電圧が許容電圧値に比べて大きい旨、すなわち電源電圧が異常である旨をタッチパネルに表示することによりユーザに通知し(ステップS108)、動作は終了する。
【0029】
一方、ステップS102において、電源電圧が許容電圧値以下である場合には(ステップS102,No)、制御部150は、動作モードを通常モードに設定する(ステップS110)。ユーザにより電源スイッチ101がオフされた場合には(ステップS112,Yes)、動作は終了する。電源スイッチ101がオフされない場合には(ステップS112,No)、再びステップS100に戻り、電源電圧検知を継続する。
【0030】
このように、本実施の形態にかかる画像形成装置1は、許容電圧値よりも大きい電源電圧が検出された場合には、第1負荷部材として設定された、比較的大きい電流が流れる負荷部材の動作を停止させるので、過電圧が入力された画像形成装置1の劣化を最小限に抑えることができる。すなわち、第1負荷部材として設定された定着ヒータユニット120に搭載されているハロゲンヒータ、カーボンランプに過電圧が印加されることにより急激に劣化するのを防ぎ、さらにハロゲンヒータを駆動するトライアック等の素子に過大な電流が流れることにより、破損するのを防ぐことができる。
【0031】
また、電解コンデンサ105に定格異常の電圧が印加された状態で、画像形成装置1における通常のプリントや、コピーなどの動作が行われた場合には、電解コンデンサ105は、充放電電流により異常発熱を起こし急激に劣化してしまう。さらに劣化が進むと、電解コンデンサ105が開弁(破損)してしまう。
【0032】
特に電解コンデンサ105が、アルミ電解コンデンサである場合には、アルミ電解コンデンサは、過電圧が印加されると、コンデンサの陽極箔は印加電圧に相当する酸化皮膜を形成する。この時の反応により、ガスが発生しコンデンサの内圧が上昇し、コンデンサの特性としては、静電容量の減少、損失角の正接が増加する。ガス発生量は、印加電圧が高い程、またコンデンサの周囲温度が高い程多く、これにつれてコンデンサの内圧も高くなり、劣化が進むと開弁などの現象にいたる。過電圧状態で、コピー動作等の動作を行うと電解コンデンサへのリップル電流が多く流れ、リップル電流による自己発熱も加わり劣化が加速され問題となる。
【0033】
これに対し、本実施の形態にかかる画像形成装置1においては、上述のように許容電圧
値よりも大きい電源電圧が検出された場合には、通常のプリント等の動作は停止するので
、電解コンデンサ105の劣化を防止することができる。
【0034】
また、従来の画像形成装置においては、ある程度の時間の間過電圧が印加されても耐えられるような電解コンデンサ等の部品が搭載されているため、画像形成装置に過電圧が印加されていることユーザが把握するまでの間に、電解コンデンサ等の劣化が進行してしまうという問題があった。
【0035】
これに対し、本実施の形態にかかる画像形成装置1においては、許容電圧値よりも大きい電源電圧が検出された場合であっても、許容電圧制御部150および操作表示部160の動作は継続しているので、図2のステップS108において説明したように、過電圧が検出された場合に、電源電圧が異常である旨をユーザに通知することができる。したがって、画像形成装置1においては、第1負荷部材として設定された定着ヒータユニット120、作像部170、搬送部180は動作を停止しているため、プリント等の処理を実行することができないが、ユーザは、通知を受けることにより、プリント等の処理を実行できない原因を知ることができる。したがって、ユーザは画像処理装置1に対し、適切な処置を施すことができる。
【0036】
これにより、特開2010−93900に開示された技術のように、画像形成装置1を監視し、画像形成装置1に異常な電源電圧が印加されたことを検出し、ユーザに通知するような他の機器への接続を要することなく、画像形成装置1本体において、ユーザへの通知を行うことができる。
【0037】
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2の構成を示すブロック図である。画像形成装置2は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置1の機能構成に加えて、異常電圧検出部190をさらに備えている。また、画像形成装置2のDC電源部107は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置1のDC電源部100の電源スイッチ101に相当する第1電源スイッチ108の他、第2電源スイッチ109を有している。
【0038】
本実施の形態においては、DC電源生成部106により生成されたDC電源のうちV1出力は、第1負荷部材としての、定着ヒータユニット120、作像部170および搬送部180等にDC電源を供給する出力である。また、DC電源のうちV2出力は、第2負荷部材としての、制御部150、操作表示部160等にDC電源を供給する出力である。
【0039】
第2電源スイッチ109は、DC電源生成部106のV1出力と第1負荷部材との接続を開閉する。また、本実施の形態にかかる制御部150は、第1電源スイッチ108のオフおよび第2電源スイッチ109のオンオフ(開閉)を制御する。異常電圧検出部190は、電源電圧データが許容電圧値に比べて大きい場合に、定着ヒータ駆動部110を介して定着ヒータユニット120への商用電源10の供給を遮断する。
【0040】
図4は、画像形成装置2にかかる動作を示すフローチャートである。ユーザにより画像形成装置2の電源スイッチ108がオンされると、電圧検出部130は、電源電圧を検知し、DC電圧信号を出力する(ステップS100)。ステップS102において、電源電圧が許容電圧値以下である場合(ステップS102,No)の処理は、図2を参照しつつ説明した第1の実施の形態にかかる画像形成装置1による動作と同様である。
【0041】
一方、ステップS102において、電源電圧が許容電圧値よりも大きい場合には(ステップS102,Yes)、制御部150は、まず第2電源スイッチをオフする(ステップS120)。さらに、制御部150は、操作表示部160に対し、電源電圧が異常である旨をユーザに通知することを指示し、操作表示部160は、この指示に従いユーザへの通知を行う(ステップS108)。
【0042】
次に、制御部150は、ユーザへの通知の後、予め設定された規定時間が経過するまで待機し(ステップS122,No)、規定時間が経過すると(ステップS122,Yes)、第1電源スイッチ108をオフする(ステップS124)。以上で、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2の動作が終了する。
【0043】
なお、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2のこれ以外の構成および動作は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置1の構成および動作と同様である。
【0044】
このように、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2は、許容電圧値よりも大きい電源電圧が検出された場合には、第1負荷部材へのDC電源の供給を遮断するので、第1負荷部材として設定された定着ヒータユニット120に搭載されているハロゲンヒータ、カーボンランプに過電圧が印加されることにより急激に劣化するのを防ぎ、さらにハロゲンヒータを駆動するトライアック等の素子に過大な電流が流れることにより、破損するのを防ぐことができる。
【0045】
さらに、画像形成装置2においては、許容電圧値よりも大きい電源電圧が検出された場合においても、規定時間の間は、制御部150および操作表示部160へのDC電源の供給は継続しているので、ユーザに過電圧が検出されたことを通知することができる。
【0046】
なお、画像形成装置は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機であってもよい。また、他の例としては、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1,2 画像形成装置
100 DC電源部
110 定着ヒータ駆動部
120 定着ヒータユニット
130 電圧検出部
140 メモリ
150 制御部
160 操作表示部
170 作像部
180 操作部
190 異常電圧検出部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開2010−93900号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から供給された電力により動作する画像形成装置であって、
前記電源からの許容電圧値を記憶する記憶部と、
電源電圧を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記電源電圧と、前記許容電圧値とを比較し、前記電源電圧が前記許容電圧値よりも高い場合に、前記電源からの電力により動作する負荷部材のうち予め設定された一部の第1負荷部材の動作を停止させる制御部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記電源からの電力により動作する、前記第1負荷部材と異なる第2負荷部材に含まれる通知部であって、前記電源電圧が前記許容電圧値よりも高い場合に、ユーザに前記電源電圧が前記許容電圧値よりも高い旨を通知する前記通知部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記電源電圧が前記許容電圧値よりも高い場合に、前記第1負荷部材への電力供給を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部による制御により、前記電源から当該画像形成装置への電力供給を遮断する電源スイッチをさらに備え、
前記制御部は、前記電源電圧が前記許容電圧値よりも高い場合に、前記通知部が前記電源電圧が前記許容電圧値よりも高い旨を通知した後に、前記電源スイッチを遮断することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1負荷部材は、定着ヒータを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
電源から供給された電力により動作する画像形成装置において実行される画像形成方法であって、
前記画像形成装置は、前記電源からの許容電圧値を記憶する記憶部を備え、
検出部が、電源電圧を検出する検出ステップと、
制御部が、前記検出ステップにおいて検出した前記電源電圧と、前記許容電圧値とを比較し、前記電源電圧が前記許容電圧値よりも高い場合に、前記電源からの電力により動作する負荷部材のうち予め設定された一部の第1負荷部材の動作を停止させる制御ステップと
を含むことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−101291(P2013−101291A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255240(P2011−255240)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】