説明

画像形成装置および給紙装置

【課題】記録材収容部等に取り付けられ支持面から脱落した回転部材がこの支持面上へ復帰しやすい画像形成装置等を提供する。
【解決手段】第1レールR1の支持部410は、ほぼ水平に配置されるとともに第2用紙収容部121が設けられている側に縁部411を有し、第1突出部121Gの下部に設けられた回転部材320を下方から支持する。回転部材320は、第2用紙収容部121が設けられている側に第1側面321を有し、第2用紙収容部121が設けられている側とは反対側に第2側面322を有している。第1側面321および第2側面322が、回転部材320の中心部から外周縁に向かうに従い互いに接近するように配置されており、回転部材320の厚みは、中心部側よりも外周縁側の方が小さくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および給紙装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給紙トレイが、用紙の補給が可能な補給位置と、マシン内にあって給紙部により用紙を画像形成部へ送り出せる位置の2つの位置で係止可能に構成されていることを特徴とする給紙装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−171362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、記録材収容部等に取り付けられ支持面から脱落した回転部材がこの支持面上へ復帰しやすい画像形成装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、回転部材を備え、装置本体から引き出し可能に設けられた記録材収容部と、縁部を有し、前記装置本体から引き出される前記記録材収容部の前記回転部材を支持する支持面と、前記記録材収容部から供給された記録材に対し画像を形成する画像形成部と、を備え、前記回転部材は、前記縁部を超え前記支持面から一方向に向かって脱落した際に当該支持面の当該縁部に対向する対向面を有し、前記縁部に前記対向面が対向している状態にて、当該対向面には、前記一方向とは反対の方向に向かうに従い当該縁部側に接近する傾斜が付与されていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記記録材収容部は、箱状に形成され、前記支持面は、箱状に形成された前記記録材収容部の側面に対峙する領域内に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記記録材収容部は、複数の側面を有し箱状に形成され内部に記録材が収容される箱状部と、当該複数の側面のうち前記装置本体の奥側の位置する側面から突出した突出部とを有し、前記回転部材は、前記突出部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記記録材収容部は、前記回転部材が前記支持面から脱落した際に当該支持面に対して突き当たり当該回転部材の前記一方向への移動を規制する規制部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置である。
【0006】
請求項5に記載の発明は、回転部材を備え、装置本体から引き出し可能に設けられた用紙収容部と、縁部を有し、前記装置本体から引き出される前記用紙収容部の前記回転部材を下方から支持する支持面と、を備え、前記回転部材は、前記縁部を超え前記支持面から下方に向かって脱落した際に当該支持面の当該縁部に対向する対向面を有し、前記縁部に前記対向面が対向している状態にて、当該対向面には、上方に向かうに従い当該縁部側に接近する傾斜が付与されていることを特徴とする給紙装置である。
請求項6に記載の発明は、前記用紙収容部に収容された用紙のうちの最上位の用紙に接触し当該用紙を送り出す送り出し部材を更に備え、前記送り出し部材のうちの前記最上位の前記用紙と接触する箇所が、箱状に形成された前記用紙収容部の上縁部よりも下方に位置していることを特徴とする請求項5記載の給紙装置である。
請求項7に記載の発明は、前記用紙収容部は、箱状に形成され、前記支持面は、箱状に形成された前記用紙収容部の側面に対峙する領域内に設置されるとともに当該用紙収容部の底面よりも上方に設置されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の給紙装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、記録材収容部に取り付けられ支持面から脱落した回転部材がこの支持面上へ復帰しやすい画像形成装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像形成装置の寸法を小さくすることができる。
請求項3の発明によれば、変形が起こりやすい突出部に回転部材が取り付けられ支持面からの回転部材の脱落が起こりやすい場合において、脱落した回転部材の支持面上への復帰が起こりやすくなる。
請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、脱落した回転部材が支持面上により復帰しやすくなる。
請求項5の発明によれば、用紙収容部に取り付けられ支持面から脱落した回転部材がこの支持面上へ復帰しやすい給紙装置を提供することができる。
請求項6の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、給紙装置の高さ方向における寸法を小さくすることができる。
請求項7の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、給紙装置の高さ方向における寸法を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図2】上方側から眺めた場合における第2用紙収容部の斜視図である。
【図3】下方側から眺めた場合における第2用紙収容部の斜視図である。
【図4】第2用紙収容部を画像形成装置のフロント側から眺めた場合の図である。
【図5】図4におけるA部の拡大図である。
【図6】図4におけるB部の拡大図である。
【図7】回転部材の周辺を拡大して示した図である。
【図8】下方から第1突出部を眺めた場合の斜視図である。
【図9】第1レールの変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、画像形成装置1の全体構成を示す図である。この画像形成装置1は、電子写真方式を用いた所謂タンデム型のデジタルカラープリンタである。また画像形成装置1は、装置本体1Aの内部に、画像形成部として、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部20を備えている。また画像形成装置1は、装置本体1A内に設けられた各部、各装置の動作を制御する制御部60を有している。さらに画像形成装置1は、例えば不図示のパーソナルコンピュータ(PC)やスキャナ等から受信した画像データに画像処理を施す画像処理部69、処理プログラムや画像データ等が記憶される例えばハードディスク(Hard Disk Drive)にて実現される主記憶部(不図示)を備えている。
【0010】
画像形成プロセス部20には、4つの画像形成ユニット30Y,30M,30C,30K(以下、「画像形成ユニット30」とも総称する)が左右方向に一定の間隔で並列配置されている。各画像形成ユニット30は、矢印A方向に回転しながら静電潜像が形成される感光体ドラム31、感光体ドラム31の表面を帯電する帯電ロール32、感光体ドラム31上に形成された静電潜像を各色トナーで現像する現像器33、転写後の感光体ドラム31表面を清掃するドラムクリーナ35を備えている。ここで、各画像形成ユニット30は、装置本体1Aに対して交換可能(着脱可能)に配設され、例えば感光体ドラム31が寿命に達した場合等に、画像形成ユニット30単位で交換される。
【0011】
帯電ロール32は、アルミニウムやステンレス等の導電性の芯金上に、導電性弾性体層と導電性表面層とが積層されたロール部材で構成されている。そして、帯電電源(不図示)から帯電バイアス電圧の供給を受け、感光体ドラム31に対して従動回転しながら感光体ドラム31の表面を帯電する。現像器33は、画像形成ユニット30それぞれにおいて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色トナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を保持して、感光体ドラム31上に形成された静電潜像を各色トナーで現像する。ドラムクリーナ35は、ウレタンゴム等のゴム材料により形成された板状部材を感光体ドラム31の表面に接触させて、感光体ドラム31上に付着したトナーや紙粉等を除去する。
【0012】
また画像形成プロセス部20には、各画像形成ユニット30に配設された感光体ドラム31を露光するレーザ露光器26が設けられている。レーザ露光器26は、各色毎の画像データを画像処理部69から取得し、取得した画像データに基づいて点灯制御されたレーザ光により、各画像形成ユニット30の感光体ドラム31上をそれぞれ走査露光する。さらに画像形成プロセス部20には、ベルトユニット50が設けられている。ここで、ベルトユニット50は、メンテナンス等を可能とするため、また新たなベルトユニット50の装着を可能とするため、装置本体1Aに対して着脱自在に(装置本体1Aからフロント側(図中紙面の手前側)に取り外し可能に)設けられている。またベルトユニット50は、中間転写ベルト51、一次転写ロール52y,52m,52c,52k、駆動ロール53、アイドルロール54を備える。
【0013】
ここで中間転写ベルト51は、無端状のベルト部材であり、少なくともアイドルロール54と駆動ロール53とにより張架されるとともに、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動される駆動ロール53によって循環移動される。そして、この中間転写ベルト51には、各画像形成ユニット30の各感光体ドラム31上に形成された各色トナー像が多重転写される。一次転写ロール52y,52m,52c,52kの各々は、中間転写ベルト51の内側であって各感光体ドラム31と対向する位置に配置されている。そして、一次転写ロール52y,52m,52c,52kの各々は、各感光体ドラム31との間に転写電界を形成することで、各画像形成ユニット30の各色トナー像を一次転写部T1にて中間転写ベルト51に順次転写(一次転写)する。
【0014】
また画像形成プロセス部20は、ベルトユニット50の中間転写ベルト51上に転写された重畳トナー像を二次転写部T2にて記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写ロール80と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器81とを備えている。
【0015】
また画像形成装置1には、二次転写部T2に供給される用紙Pを収容する第1用紙収容部111が設けられている。この第1用紙収容部111は、箱状に形成されるとともに上部が開放され内部に用紙Pを収容する。また第1用紙収容部111は、画像形成装置1のフロント側(図中紙面の手前側)に引き出し可能に設けられている。そして本実施形態では、フロント側に第1用紙収容部111を引き出すことにより、第1用紙収容部111に対し新たな用紙Pを補充可能となっている。
【0016】
また画像形成装置1には、第1用紙収容部111に収容された用紙束のうちの最上位の用紙Pに接触しこの最上位の用紙Pを送り出す送り出しロール112が設けられている。さらに画像形成装置1には、回転可能に配置されたフィードロール113Aと回転が制限されたリタードロール113Bとによって構成され、送り出しロール112にて送り出された用紙Pを一枚ずつに捌き、捌いた一枚の用紙Pを送り出す捌き機構113が設けられている。また、捌き機構113により送り出された用紙Pを二次転写部T2に向けて搬送する搬送ロール114が設けられている。
【0017】
また本実施形態では、第1用紙収容部111の下方に第2用紙収容部121が設けられている。記録材収容部、用紙収容部の一例としてのこの第2用紙収容部121は、第1用紙収容部111と同様、箱状に形成されるとともに上部が開放され内部に用紙Pを収容する。また第2用紙収容部121は、第1用紙収容部111と同様に、フロント側に引き出し可能に設けられている。
【0018】
また本実施形態では、第2用紙収容部121に収容された用紙束のうちの最上位の用紙Pに接触しこの最上位の用紙Pを送り出す送り出しロール122(送り出し部材の一例)が設けられている。さらに、回転可能に配置されたフィードロール123Aと回転が制限されたリタードロール123Bとによって構成され送り出しロール122により送り出された用紙Pを一枚ずつに捌くとともに捌いた一枚の用紙Pを送り出す捌き機構123が設けられている。また、捌き機構123により送り出された用紙Pを上述した搬送ロール114に向けて搬送する搬送ロール124が設けられている。
【0019】
さらに画像形成装置1には、第2用紙収容部121の下方に第3用紙収容部131が設けられている。この第3用紙収容部131は、第1用紙収容部111と同様、箱状に形成されるとともに上部が開放され内部に用紙Pを収容する。また第3用紙収容部131は、第1用紙収容部111と同様に、フロント側に引き出し可能に設けられている。また上記と同様、第3用紙収容部131に収容された用紙束のうちの最上位の用紙Pを送り出す送り出しロール132、フィードロール133Aとリタードロール133Bとによって構成され用紙Pを一枚ずつに捌くとともに捌いた一枚の用紙Pを送り出す捌き機構133、捌き機構133により送り出された用紙Pを上述した搬送ロール124に向けて搬送する搬送ロール134が設けられている。
【0020】
ここで本実施形態では、不図示のPCやスキャナ等から出力された画像データは、画像処理部69によって画像処理が施され、レーザ露光器26に供給される。そして、例えばシアン(C)の画像形成ユニット30Cでは、帯電ロール32により一様に帯電された感光体ドラム31の表面が、レーザ露光器26により画像処理部69からの画像データに基づいて点灯制御されたレーザ光で走査露光され、感光体ドラム31上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器33により現像され、感光体ドラム31上にはシアン(C)のトナー像が形成される。画像形成ユニット30Y,30M,30Kにおいても、同様にして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色トナー像が形成される。
【0021】
そして、各画像形成ユニット30で形成された各色トナー像は、駆動ロール53によって図1の矢印B方向に循環移動する中間転写ベルト51上に、一次転写バイアスが印加された一次転写ロール52y,52m,52c,52kにより順次静電転写され、中間転写ベルト51上に重畳されたトナー像が形成される。そして、重畳トナー像は、中間転写ベルト51の移動に伴って二次転写ロール80と駆動ロール53とが配設された二次転写部T2に向けて搬送される。
【0022】
一方、用紙Pは、例えば送り出しロール112により第1用紙収容部111から取り出される。そして、取り出された用紙Pは、捌き機構113においてフィードロール113Aおよびリタードロール113Bにより一枚に捌かれ、さらに下流側に向けて搬送される。その後用紙Pは、搬送ロール114によって、用紙Pの位置を規制するためのレジストロール115の位置まで搬送経路R1に沿って搬送される。そして、用紙Pは、重畳トナー像が二次転写部T2に搬送されるタイミングに同期して、レジストロール115から二次転写部T2に向けて搬送される。二次転写部T2では、二次転写バイアス電圧が印加された二次転写ロール80と駆動ロール53との間に形成された転写電界の作用により、重畳トナー像が用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
【0023】
その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト51から剥離され、定着器81まで搬送される。定着器81に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器81によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部91に搬送される。なお、二次転写後に中間転写ベルト51に付着しているトナー(転写残トナー)や紙粉は、中間転写ベルト51に接触するように配置されたベルトクリーナ55によって除去され、次の画像形成サイクルに備えられる。
【0024】
なお上記では、第1用紙収容部111から用紙Pが供給される場合を一例に説明したが、第2用紙収容部121から用紙Pが供給される場合には、まず送り出しロール122により第2用紙収容部121から用紙Pが取り出される。そして、取り出された用紙Pは、捌き機構123においてフィードロール123Aおよびリタードロール123Bにより一枚に捌かれ、さらに下流側に向けて搬送されていく。その後用紙Pは、搬送ロール124、搬送ロール114、およびレジストロール115によって二次転写部T2へ搬送される。
【0025】
また第3用紙収容部131から用紙Pが供給される場合には、まず送り出しロール132により第3用紙収容部131から用紙Pが取り出される。そして、取り出された用紙Pは、捌き機構133においてフィードロール133Aおよびリタードロール133Bにより一枚に捌かれ、さらに下流側に向けて搬送されていく。その後用紙Pは、搬送ロール134、搬送ロール124、搬送ロール114、およびレジストロール115によって二次転写部T2へ搬送される。なお二次転写部T2へは、両面搬送路R2や手差し用紙保持部116に接続した搬送経路R3からも用紙Pが搬送されることがある。
【0026】
ここで第1用紙収容部111〜第3用紙収容部131について詳細に説明する。なお、第1用紙収容部111〜第3用紙収容部131はほぼ同様に構成されており、以下では、第2用紙収容部121を一例に説明する。
【0027】
図2は、上方側から眺めた場合における第2用紙収容部121の斜視図である。また図3は、下方側から眺めた場合における第2用紙収容部121の斜視図である。
図2に示すように、第2用紙収容部121は、箱状に形成されており、フロント側に位置する第1側壁121Aと、第1側壁121Aの対向位置に配置されるとともにリア側(装置本体1Aの奥側)に位置する第2側壁121Bと、画像形成装置1の奥行き方向に沿って配置された第3側壁121Cと、この第3側壁121Cに対向配置され同じく奥行き方向に沿って配置された第4側壁121Dと、底面121Eとを有している。また第2用紙収容部121の第1側壁121AにはカバーCVが取り付けられている。また第2側壁121Bの上縁部に切り欠き70が形成されている。
【0028】
また第2用紙収容部121は、図3にも示すように、第2側壁121Bの外側面からリア側に向かって突出した第1突出部121Gおよび第2突出部121Hを備えている。ここで第1突出部121Gは、第3側壁121Cの延長線上に位置するように設けられている。また第2突出部121Hは、第4側壁121Dの延長線上に位置するように設けられている。付言すると、第2用紙収容部121の幅方向(画像形成装置1の奥行き方向と直交する方向)において、第1突出部121Gは第2用紙収容部121の一方の端部側に設けられ、第2突出部121Hは第2用紙収容部121の他方の端部側に設けられている。
【0029】
また第2用紙収容部121は、図2に示すように、底面121E上をスライド可能に設けられた第1スライド部材210および第2スライド部材220を有している。ここで第1スライド部材210は、用紙Pの搬送方向に沿ってスライド可能に設けられており、用紙Pの搬送方向における後端部に対し突き当てられ用紙束における各用紙Pの揃えを行う。また第2スライド部材220は、用紙Pの搬送方向と直交する方向に沿ってスライド可能に設けられており、用紙束の側部に突き当てられ用紙束における各用紙Pの揃えを行う。
【0030】
さらに本実施形態では、第1突出部121Gの上部側に円盤状の回転部材310が設けられ(図2参照)、第1突出部121Gの下部側に同じく円盤状の回転部材320が設けられている(図3参照)。また、第2突出部121Hの上部側にも円盤状の回転部材330が設けられ(図2参照)、第2突出部121Hの下部側にも円盤状の回転部材340が設けられている(図3参照)。ここで回転部材310〜340は、第2用紙収容部121が装置本体1A(図1参照)から引き出されたり装置本体1Aに対し装着されたりする際に後述するレールにより案内され回転する。これにより本実施形態では、回転部材310〜340が設けられていない場合に比べ、第2用紙収容部121が円滑に移動するようになる。
【0031】
また本実施形態では、第1突出部121Gの下面および第2突出部121Hの下面に、この下面から突出する突起(不図示)が設けられている。この突起は、第2用紙収容部121が装置本体1Aから大きく引き出された際にこの装置本体1Aの予め定められた部位に突き当たり、第2用紙収容部121の移動を規制する。これにより、第2用紙収容部121の過度の引き出しが防止され、第2用紙収容部121の脱落などが防止される。
【0032】
なお、上記の突起は底面121Eの下部に設けることもできるが、この場合、第2用紙収容部121の引き出し可能量の最大値が小さくなってしまう。そしてこのように最大値が小さくなると、第2用紙収容部121に対する用紙Pの補充が行いにくくなる。付言すると、引き出し可能量の最大値が小さくなると、第2用紙収容部121を大きく引き出すことができなくなり、第2用紙収容部121に対する用紙Pの補充が行いにくくなる。このため本実施形態では、第1突出部121Gおよび第2突出部121Hを設けるとともに、この第1突出部121Gおよび第2突出部121Hに対し上述の突起を設ける構成としている。
【0033】
図4は、第2用紙収容部121を画像形成装置1のフロント側から眺めた場合の図である。また、図5は、図4におけるA部の拡大図であり、図6は、図4におけるB部の拡大図である。
【0034】
図4に示すように、第1突出部121Gの下部に設けられている回転部材320(図3も参照)は、第3側壁121Cよりも外側(図中左側)に設けられている。また本実施形態では、画像形成装置1の装置本体1A(図1参照)側に、第1突出部121Gに設けられた回転部材310および回転部材320を案内する第1レールR1が設けられている。また、画像形成装置1の装置本体1A側に、第2突出部121Hに設けられた回転部材330、回転部材340を案内する第2レールR2が設けられている。
【0035】
ここで図5を参照し第1レールR1について詳細に説明すると、第1レールR1は、断面がコの字状に形成されている。なお第1レールR1は、曲げ加工が施された板金により形成されている。また第1レールR1は、支持部410を備えている。この支持部410は、ほぼ水平に配置されるとともに第2用紙収容部121が設けられている側に縁部411を有し、第1突出部121Gの下部に設けられた回転部材320を下方から支持する。また支持部410は、上部側に、回転部材320を支持する支持面412を備えている。また第1レールR1は、支持部410に対向する関係で配置されるとともに第1突出部121Gの上部に設けられた回転部材310よりも上方に位置する対向部420を有している。ここでこの対向部420は、第2用紙収容部121が引き出される際などに回転部材310に接触しこの回転部材310を案内する。
【0036】
また第1レールR1は、上下方向に沿って配置され支持部410の一端部と対向部420の一端部とを接続する接続部430を有している。本実施形態では、この接続部430が装置本体1Aに固定されることで第1レールR1が装置本体1Aに取り付けられた状態となっている。また第1レールR1は、第2用紙収容部121が設けられている側に、開口460を有している。また第1レールR1は、支持部410の他端部(縁部411)に接続して設けられるとともに下方に向かって延び且つ第2用紙収容部121の第3側壁121Cに対向配置される第2対向部440を有している。ここで、支持部410と第2対向部440との接合部のうちの第3側壁121Cと対向する対向面TMは、曲率が付与され円弧を描く形状を有している。付言すると、対向面TMは、第2用紙収容部121の第3側壁121Cから離れる方向に進むに従い上方に向かう傾斜が付与された状態となっている。なお本実施形態では第2対向部440が設けられた場合を一例に説明するが、図9(第1レールR1の変形例を示した図)に示すように、第2対向部440が設けられていない構成とすることもできる。付言すると、支持部410の端部に対する曲げ加工がなく、支持部410の端部が切り落としとなる構成とすることができる。
【0037】
また本実施形態における回転部材320は、円盤状に形成されている。また回転部材320は、図5に示すように、第2用紙収容部121が設けられている側に第1側面321を有し、第2用紙収容部121が設けられている側とは反対側に第2側面322を有している。また回転部材320は、外周縁に、周方向に沿って設けられた外周面323を有している。ここでこの外周面323には、回転部材320の厚み方向において、曲率が付与されておらず、この厚み方向において平坦に形成されている。このため本実施形態では、外周面323と第1側面321との接続部に第1角部324が形成され、外周面323と第2側面322との接続部に第2角部325が形成された状態となっている。
【0038】
また回転部材320は、中心部(軸心)から外周面323に向かうに従い厚みが次第に小さくなるように形成されている。付言すると、回転部材320の厚みは、中心部側よりも外周縁側の方が小さくなっている。さらに説明すると本実施形態では、第1側面321および第2側面322が、回転部材320の中心部から外周縁に向かうに従い互いに接近するように配置されており、回転部材320の厚みは、中心部側よりも外周縁側の方が小さくなっている。また上記では説明を省略したが、回転部材320は、回転部材320の軸方向に沿って配置されたシャフトSTを有している。ここで本実施形態では、このシャフトSTが第2用紙収容部121により回転可能な状態で支持されることで回転部材320の回転が可能となっている。
【0039】
次に、図6を参照し第2レールR2について説明する。第2レールR2は、左右が反転している点を除き第1レールR1と同様の構成を有している。すなわち、第2レールR2は、板金に対し曲げ加工を施すことにより形成されるとともに断面がコの字状に形成されている。そしてこの第2レールR2は、ほぼ水平に配置され第2突出部121H(図2参照)の下部に設けられた回転部材340を下方から支持する支持部510と、この支持部510に対向する関係で配置され第2突出部121Hの上部に設けられた回転部材330よりも上方に位置する対向部520とを有している。ここでこの対向部520は、第2用紙収容部121が引き出される際などに回転部材330に接触しこの回転部材330を案内する。
【0040】
また第2レールR2は、上下方向に沿って配置され支持部510の一端部と対向部520の一端部とを接続する接続部530を有している。また第2レールR2は、第2用紙収容部121が設けられている側に、開口540を有している。また第2レールR2は、支持部510の他端部に接続して設けられるとともに下方に向かって延び且つ第2用紙収容部121に対向配置された第2対向部550を有している。ここで、支持部510と第2対向部550との接合部のうちの第2用紙収容部121と対向する対向面TMは、上記と同様に曲率が付与され円弧を描く形状を有している。
【0041】
図4を再度参照し、第2用紙収容部121について更に説明する。
本実施形態では、第4側壁121Dと回転部材320の第2角部325(図5参照)との水平方向における距離が距離L1に設定されている。また、第2レールR2の接続部530と、第1レールR1の第2対向部440(図5も参照)との水平方向における距離が距離L2に設定されている。さらに本実施形態では、距離L1>距離L2となるように各部の寸法が設定されている。ここで本実施形態では、距離L1>距離L2と設定することにより、ユーザにより第2用紙収容部121が図4における右側方向に押し付けられ第2用紙収容部121が図中右側方向に移動したとしても、第1レールR1上に回転部材320が載った状態が維持されるようにしている。
【0042】
また本実施形態では、図5に示すように、第1レールR1における支持部410が、第2用紙収容部121の第3側壁121Cの外側の側面に対峙する領域内に設けられている。また本実施形態では、支持部410が、第2用紙収容部121の底面121Eよりも上方に設けられている。これにより本実施形態では、画像形成装置1の高さ方向における寸法をより小さいものとしている。
【0043】
ここで支持部410は、図5で示す箇所よりも下方に設けることができ、また、底面121Eの下部まで達するように長さをより大きくすることができるが、この場合、この支持部410の分だけ画像形成装置の高さ方向における寸法が大きくなってしまう。特に本実施形態の画像形成装置1では、用紙収容部が複数設けられており、各々の用紙収容部にてこのような配置を行ってしまうと画像形成装置1の小型化が困難となる。このため本実施形態では上記のように、第3側壁121Cの外側の側面に対峙する領域内に支持部410を設けるとともに、第2用紙収容部121の底面121Eよりも上方に支持部410を設けている。
【0044】
また本実施形態では、各部の寸法を見直し、画像形成装置1の幅方向においても小型化を図っている。このため本実施形態では、図5に示すように、第1レールR1における縁部411から回転部材320がはみ出した状態となっている。付言すると、回転部材320の厚み方向において、回転部材320の外周面323の全域が支持部410に接触しておらず、外周面323の一部が支持部410に接触した状態となっている。
【0045】
また本実施形態では、図4に示すように、送り出しロール122が第2用紙収容部121の内部に入り込んだ状態となっている。付言すると、送り出しロール122の下端部(送り出しロール122のうち最上位の用紙Pと接触する箇所)が第2用紙収容部121の上縁部よりも下方に位置するように、送り出しロール122は配置されている。このような構成を採用することにより、画像形成装置1の高さ方向における寸法を更に小さくすることができる。なお、引き出された第2用紙収容部121が装置本体1Aに向けて押圧される際、送り出しロール122は、第2側壁121Bに形成された切り欠き70(図2参照)を通じ第2用紙収容部121の内部に入り込む。
【0046】
ここで上記にて、距離L1>距離L2となるように各部の寸法が設定されている点を説明した。これにより上記にて説明したように、第2用紙収容部121が図4における右側方向に移動したとしても、第1レールR1上に回転部材320が載った状態が維持される。ところで本実施形態における第2用紙収容部121は、樹脂により形成されており弾性変形が起こる。また第1突出部121Gおよび第2突出部121Hは、片持ち梁の同様の構造となっており変形しやすくなっている。また上記では説明を省略したが、金型の都合上、図3に示すように、第2用紙収容部121の裏面には、複数の凹部121Xが形成されている。
【0047】
このため本実施形態では、第2用紙収容部121の着脱が行われる際に、第1突出部121Gが変形し、上記回転部材320が第1レールR1から脱落するおそれがある。付言すると、回転部材320が、第2用紙収容部121が設けられている側に移動するとともに縁部411(図5参照)を超え第1レールR1から脱落するおそれがある。さらに説明すると、回転部材320が、第2用紙収容部121が設けられている側に移動するとともに縁部411を超え下方(一方向の一例)に向かって脱落するおそれがある。
【0048】
このため本実施形態では、上記のように、回転部材320を、軸心から外周面323に向かうに従い厚みが次第に小さくなるように形成している。付言すると本実施形態における回転部材320では、第1レールR1から脱落した際に縁部411(図5参照)に対向する第2側面322(対向面の一例)に対し、傾斜が付与された状態となっている。より具体的には、第2側面322には、上方(一方向とは反対の方向)に向かうに従い縁部411が設けられている側に接近するような傾斜が付与されている。この結果、本実施形態では、脱落した回転部材320が第1レールR1上に復帰しやすくなっている。
【0049】
付言すると、本実施形態では、第1レールR1から回転部材320が脱落した場合、弾性変形している第1突出部121Gの復元力によって回転部材320の第2側面322が縁部411側に押し付けられた状態となっている。そして本実施形態では、第2用紙収容部121の移動に伴い回転部材320が回転した際に、回転部材320は、上方に変位し第1レールR1上に復帰する。なお本実施形態では、上記にて説明したとおり、支持部410と第2対向部440との接合部のうちの第3側壁121Cと対向する対向面TM(図5参照)は、曲率が付与され円弧を描く形状を有している。このため本実施形態では、回転部材320の復帰がよりなされやすくなっている。また詳細な説明は省略するが、第2突出部121H側も同様であり、回転部材340(図6参照)の側面に傾斜が付与されており、第2レールR2から脱落した回転部材340は第2レールR2上に復帰しやすくなっている。なお上記対向面TMは、曲率を有さない面としてもよい。即ち、平坦な斜面とすることもできる。
【0050】
図7は、回転部材320の周辺を拡大して示した図である。図8は、下方から第1突出部121Gを眺めた場合の斜視図である。
図7および図8にて示す実施形態では、回転部材320の脱落量を低減させる低減部材121K(規制部の一例)が設けられている。この低減部材121Kは、図7に示すように、回転部材320の第2側面322と対向する箇所に設けられている。
【0051】
また図8に示すように、低減部材121Kは、板状に形成されるとともに第2用紙収容部121の奥行き方向に沿うように設けられている。またこの低減部材121Kは、回転部材320のシャフトSTを支持するための溝を有しており、この溝で回転部材320の位置決めをするとともに回転部材320の支持を行っている。ここで回転部材320の脱落が起きた場合、低減部材121Kの先端部が支持部410における支持面412に対し突き当たるようになり、これ以上の回転部材320の移動(下方への移動)が規制される。この結果、回転部材320の脱落量が低減する。そしてこのように回転部材320の脱落量が低減すると、回転部材320が第1レールR1上により復帰しやすくなる。
【符号の説明】
【0052】
1…画像形成装置、1A…装置本体、20…画像形成プロセス部、121…第2用紙収容部、121B…第2側壁、121C…第3側壁、121E…底面、121G…第1突出部、121H…第2突出部、121K…低減部材、122…送り出しロール、320…回転部材、322…第2側面、411…縁部、412…支持面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転部材を備え、装置本体から引き出し可能に設けられた記録材収容部と、
縁部を有し、前記装置本体から引き出される前記記録材収容部の前記回転部材を支持する支持面と、
前記記録材収容部から供給された記録材に対し画像を形成する画像形成部と、
を備え、
前記回転部材は、前記縁部を超え前記支持面から一方向に向かって脱落した際に当該支持面の当該縁部に対向する対向面を有し、
前記縁部に前記対向面が対向している状態にて、当該対向面には、前記一方向とは反対の方向に向かうに従い当該縁部側に接近する傾斜が付与されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記録材収容部は、箱状に形成され、
前記支持面は、箱状に形成された前記記録材収容部の側面に対峙する領域内に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記録材収容部は、複数の側面を有し箱状に形成され内部に記録材が収容される箱状部と、当該複数の側面のうち前記装置本体の奥側の位置する側面から突出した突出部とを有し、
前記回転部材は、前記突出部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録材収容部は、前記回転部材が前記支持面から脱落した際に当該支持面に対して突き当たり当該回転部材の前記一方向への移動を規制する規制部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
回転部材を備え、装置本体から引き出し可能に設けられた用紙収容部と、
縁部を有し、前記装置本体から引き出される前記用紙収容部の前記回転部材を下方から支持する支持面と、
を備え、
前記回転部材は、前記縁部を超え前記支持面から下方に向かって脱落した際に当該支持面の当該縁部に対向する対向面を有し、
前記縁部に前記対向面が対向している状態にて、当該対向面には、上方に向かうに従い当該縁部側に接近する傾斜が付与されていることを特徴とする給紙装置。
【請求項6】
前記用紙収容部に収容された用紙のうちの最上位の用紙に接触し当該用紙を送り出す送り出し部材を更に備え、
前記送り出し部材のうちの前記最上位の前記用紙と接触する箇所が、箱状に形成された前記用紙収容部の上縁部よりも下方に位置していることを特徴とする請求項5記載の給紙装置。
【請求項7】
前記用紙収容部は、箱状に形成され、
前記支持面は、箱状に形成された前記用紙収容部の側面に対峙する領域内に設置されるとともに当該用紙収容部の底面よりも上方に設置されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の給紙装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−6708(P2012−6708A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144043(P2010−144043)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】