説明

画像形成装置及び開閉装置

【課題】記録媒体を取り出しやすくすることができる画像形成装置、及び排出体を取り出しやすくすることができる開閉装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、用紙が排出される排出部600と、排出部600との間に空間Sを形成する原稿読取装置300と、回転軸410を中心に回転するように原稿読取装置300を画像形成装置本体30に装着し、原稿読取装置300を画像形成装置本体30の上向きの面34に支持される第1の位置と空間Sが拡張される第2の位置との間で移動可能にするヒンジ400と、原稿読取装置300を支持するアーム部材502とを有し、画像形成装置本体30は、前面38と右側面40とにまたがるように空間Sに連続する切り欠き50が形成され、アーム部材502は、他端506側が一端504側よりも前面38から離れた位置にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、用紙に画像を形成するための画像形成ユニットと、前記画像形成ユニットの上面に設けられ、前記画像形成ユニットによる画像形成後の用紙が排出される排紙トレイと、前記排紙トレイの上方に設けられ、原稿の画像を読み取る画像読取ユニットと、前記排紙トレイの上方を覆う閉位置と該排紙トレイの上方を開放する開位置との間で、前記画像読取ユニットが画像形成ユニットに対して第一の回動中心を中心として回動可能となるように、前記画像形成ユニットと前記画像読取ユニットとを連結する連結部材と、前記連結部材とは異なる位置に設けられ、前記画像読取ユニットの前記開位置を越える開放方向への回動を規制する回動規制部材と、を備えることを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、平面視にて略長方形状の箱状部材から構成されていて上部に排紙口及び排紙トレイが設けられた下側筐体を備えた、画像形成部と、平面視にて略長方形状に形成されていて前記排紙トレイを上方から覆うように前記画像形成部の上方に配置された上側筐体を備え、前記略直方体形状における外縁の近傍位置に設けられた回動中心軸を中心として回動し得るように前記下側筐体によって支持された、画像読取部と、を備え、前記下側筐体は、前記回動中心軸の一端側に設けられていて、前記上側筐体を下方から支持し得るように構成された第1側方支持部と、前記回動中心軸の前記一端側とは異なる他端側に設けられていて、前記上側筐体を下方から支持し得るように構成された第2側方支持部と、を備え、前記第1側方支持部の、前記回動中心軸から遠い側の端部は、前記上側筐体における前記回動中心軸から離隔した自由端側の角部である第1上側角部を下方から支持するように設けられ、前記第1上側角部の真下に位置する前記下側筐体の角部である第1下側角部は、前記第1側方支持部の前記端部と連続するように設けられ、前記第2側方支持部の、前記回動中心軸から遠い側の端部は、前記上側筐体における前記自由端側の角部である第2上側角部よりも前記回動中心軸側にオフセットした位置に設けられ、前記第2上側角部の真下に位置する前記下側筐体の角部である第2下側角部には、前記第2上側角部が当該第2下側角部から突出するように、凹部が形成されていることを特徴とする、画像形成装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、外部デバイスの接触部と電気的に接続するために該接触部の挿入を可能とする開口部が当該装置の外装面材に設けられてなる画像処理装置であって、上記外装面材に設けられ、少なくとも当該装置の正面から該正面に隣接するいずれかの側面に連続するように延びる凹陥部と、当該装置の筐体のうち上記凹陥部より下側を構成する下側筐体と、当該装置の筐体のうち上記凹陥部より上側を構成し、上記下側筐体に対して上下方向に分離可能な上側筐体と、当該装置の背面側を支点として上記上側筐体を上記下側筐体に対して回動可能に支持する回動機構と、を備え、上記開口部は、当該装置の正面側の上記凹陥部の奥面に設けられており、当該装置の側面側の上記凹陥部は、上記上側筐体が回動される際の持ち手を構成するものである画像処理装置が開示されている。
【0005】
特許文献4には、画像形成本体部の上方に排紙空間を介して画像読取本体部が持ち上げられて支持される胴内排紙型の画像形成装置であって、記録媒体に画像を形成するための画像形成部と、前記画像形成部の上方に設けられ、前記画像形成部で画像が形成された前記記録媒体が排出される載置部と、前記画像形成部の上方において幅方向に間隔を隔てて1対設けられる被当接部とを備える画像形成本体部と、静止された原稿の画像情報を読み取り可能な画像読取部を備え、前記画像形成本体部の上方に配置され、前記載置部が露出または被覆されるように前記画像形成本体部に対して開閉自在に設けられる画像読取本体部とを備え、前記画像読取本体部は、前記画像読取部から水平方向に突出し、前記画像読取本体部を開閉させるときに把持される第1把持部と、前記画像読取部において幅方向に間隔を隔てて1対設けられ、前記画像形成本体部に向かって下方に延び、前記画像読取本体部が閉位置にあるときに幅方向で同じ側にある前記被当接部に当接する当接部とを備え、前記載置部及び前記被当接部は、前記画像形成本体部上部に設けられ、前記排紙空間は、前記載置部の上面と前記画像読取本体部の下面とによって挟まれるとともに、前記当接部が前記被当接部に当接することで一体となった前記当接部および前記被当接部によって幅方向両側から挟まれており、前記第1把持部の端部は、前記当接部の下端縁から上方に間隔を隔てた位置に配置され、前記当接部は、その上端部から下端部までの間において、前記第1把持部の突出方向下流側へ向かって、前記下端部に把持手が届くことを防止する程度に、膨出していることを特徴とする、画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−119474号公報
【特許文献2】特許4207079号公報
【特許文献3】特許4356668号公報
【特許文献4】特許4389177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、記録媒体を取り出しやすくすることができる画像形成装置、及び排出体を取り出しやすくすることができる開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る本発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体の上向きの面に設けられ、記録媒体が排出される排出部と、前記排出部との間に空間を形成するように、前記画像形成装置本体の上方に配置された構造体と、前記画像形成装置本体に対して回転軸を中心に回転するように前記構造体を前記画像形成装置本体に装着し、前記構造体を前記画像形成装置本体の上向きの面に下方から支持される第1の位置と前記空間が拡張される第2の位置との間で移動可能にする装着機構と、前記第2の位置に配置された状態にある前記構造体を下方から支持する支持部材であって、一端側が前記構造体に装着され、他端側が前記画像形成装置本体に装着されている支持部材と、を有し、前記画像形成装置本体は、前記排出部から記録媒体が取り出される側の面と前記回転軸の方向における一方側の面とにまたがるように前記空間に連続する切り欠きが形成され、前記支持部材は、前記構造体が前記第2の位置に配置された状態で前記他端側が前記一端側よりも前記画像形成装置本体の前記排出部から記録媒体が取り出される側の面から離れた位置にある画像形成装置である。
【0009】
請求項2に係る本発明は、前記支持部材を案内する案内部をさらに有し、前記案内部は、前記構造体に設けられている請求項1記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項3に係る本発明は、前記支持部材を付勢する付勢部材をさらに有し、前記付勢部材は、前記支持部材に対して前記排出部から記録媒体が取り出される側の面と逆側に配置されている請求項1又は2記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項4に係る本発明は、当該画像形成装置の操作に用いられる操作部をさらに有し、前記操作部は、前記構造体の前記回転軸の方向における前記切り欠きの側に設けられている請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項5に係る本発明は、第1の構造体と、前記第1の構造体の上向きの面に設けられ、排出体が排出される排出部と、前記排出部との間に空間を形成するように、前記第1の構造体の上方に配置された第2の構造体と、前記第1の構造体に対して回転軸を中心に回転するように前記第2の構造体を前記第1の構造体に装着し、前記第2の構造体を前記第1の構造体の上向きの面に下方から支持される第1の位置と前記空間が拡張される第2の位置との間で移動可能にする装着機構と、前記第2の位置に配置された状態にある前記第2の構造体を下方から支持する支持部材であって、一端側が前記第2の構造体に装着され、他端側が前記第1の構造体に装着されている支持部材と、を有し、前記第1の構造体は、前記排出部から排出体が取り出される側の面と前記回転軸の方向における一方側の面とにまたがるように前記空間に連続する切り欠きが形成され、
前記支持部材は、前記第2の構造体が前記第2の位置に配置された状態で前記他端側が前記一端側よりも前記第1の構造体の前記排出部から排出体が取り出される側の面から離れた位置にある開閉装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る本発明によれば、記録媒体を取り出しやすくすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して記録媒体を取り出しやすくすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0015】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して記録媒体を取り出しやすくすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0016】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して変形しにくい画像形成装置を提供することができる。
【0017】
請求項5に係る本発明によれば、排出体を取り出しやすくすることができる開閉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を右側面から示す断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置を右側面側から一部を破断して示す図である。
【図3】図1に示す画像形成装置が有する画像形成装置本体を示し、図3(a)は左側面図であり、図3(b)は正面図であり、図3(c)は右側面図である。
【図4】図1に示す画像形成装置を示す斜視図である。
【図5】図1に示す画像形成装置が有する原稿読取装置を示し、図1におけるA―A面の断面を示す断面図である。
【図6】図5に示す原稿読取装置を示し、図1におけるB―B面の断面を示す断面図である。
【図7】図5に示す原稿読取装置に取り付けられた案内部材を示す図である。
【図8】図1に示す画像形成装置が有する緩衝装置を示し、原稿読取装置が画像形成装置本体から開いた状態にある際の緩衝装置を示す斜視図である。
【図9】図8に示す緩衝装置を示し、原稿読取装置が画像形成装置に対して閉じた状態にある際の緩衝装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2には、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、第1の構造体として用いられる画像形成装置本体30と、排出体が排出される排出部として用いられ、記録媒体が排出される排出部600と、構造体として用いられているとともに第2の構造体として用いられている原稿読取装置300と、原稿読取装置300を画像形成装置本体30に装着する装着機構として用いられるヒンジ400と、支持部材として用いられるアーム部材502、及びアーム部材502を案内する案内部として用いられる案内部材510を備えた緩衝装置500と、画像形成装置10を操作する操作部として用いられる操作パネル700とを有する。また、画像形成装置10は、例えばパーソナルコンピュータ等の外部の装置から画像データが入力されるデータ入力端子20を有する(図4参照)。
【0020】
画像形成装置10は、原稿読取装置300で読み取った画像データに基づいて記録媒体として用いられる用紙に画像を形成し、データ入力端子20から入力された画像データに基づいて用紙に画像を形成する。また、画像形成装置10は、例えば電話回線に接続可能であり、この電話回線を介して入力された画像データに基づいて用紙に画像を形成する。また、画像形成装置10は、原稿読取装置300で読み取った画像データを電話回線を介して送信し、データ入力端子20から入力されたデータを電話回線を介して送信する。
【0021】
画像形成装置本体30の前側の面には、給紙用開閉部110が設けられている。給紙用開閉部110は、ヒンジ112を用いて画像形成装置本体30に開閉することができるように装着されている。図1には、給紙用開閉部110が画像形成装置本体30に対して開かれた状態が示され、図2には、給紙用開閉部110が画像形成装置本体30に対して閉じられた状態が示されている。また、画像形成装置本体30には、画像が形成された用紙を排出するために用いられる排出孔32が形成されている。
【0022】
画像形成装置本体30内には、像形成部120と、給紙装置160とが装着されている。また、画像形成装置本体30内には、搬送路180が形成されている。像形成部120は、像保持体として用いられる感光体ドラム122と、感光体ドラム122の表面を帯電する帯電装置124と、帯電装置124によって帯電された感光体ドラム122の表面に光を照射することで感光体ドラム122の表面に潜像を形成する潜像形成装置126と、潜像形成装置126によって感光体ドラム122の表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像する現像装置128と、現像装置128による現像で感光体ドラム122の表面に形成された現像剤像を用紙に転写する転写装置130と、転写装置130による転写の後に感光体ドラム122の表面に残留する現像剤を清掃する清掃装置132と、転写装置130によって用紙に転写された現像剤像を用紙に定着する定着装置140とを有する。
【0023】
給紙装置160は、用紙を積層した状態で収納する、例えば1つの用紙収納部162と、用紙収納部162に収納された用紙を送り出す送出ロール164とを有する。一定以上の大きさの用紙を用紙収納部162に収納するには、給紙用開閉部110が開いた状態とされ、このような用紙が収納されると用紙の後端部側が画像形成装置本体30からはみ出し、用紙のはみ出した部分が給紙用開閉部110に重力方向下側から支持された状態となる。
【0024】
搬送路180は、給紙装置160から転写装置130に向けて用紙を搬送し、さらに排出部600へと用紙を搬送するために用いられる搬送路である。搬送路180に沿って、用紙の搬送方向における上流側から順に、先述の送出ロール164、搬送ロール182、レジストロール184、先述の転写装置130、先述の定着装置140、及び排出ロール186が設けられている。
【0025】
搬送ロール182は、用紙をレジストロール184に向けて搬送する。レジストロール184は、転写装置130に向けて搬送される用紙の先端部の転写装置130側に向けての移動を一時的に停止させ、感光体ドラム122に形成された現像剤像が転写装置130の位置に到達するタイミングに合致するように、用紙の先端部の転写装置130に向けての移動を再開させる。排出ロール186は、定着装置140で現像剤像が定着された用紙を排出部600に向けて搬送する。
【0026】
排出部600は、画像形成装置本体30の上向きの面34に設けられていて、用紙が排出される方向である前方向(図1における前方向)に、面34から延長自在である延長部610を有している。延長部610は、面34から用紙の排出方向に延長することができる第1の延長部材614と、第1の延長部材からさらに前方向に延長することができる第2の延長部材620とを有している。延長部610は、画像が形成された用紙の面34からはみ出した部分を重力方向下側から支持する。
【0027】
原稿読取装置300は、原稿読取装置本体302を有し、排出部600との間に空間Sを形成するように、画像形成装置本体30の上方に配置されている。
【0028】
ヒンジ400は、画像形成装置本体30に対して回転軸410を中心に回転するように原稿読取装置300を画像形成装置本体30に装着している。また、ヒンジ400は、図1に示す第1の位置と、図2に示す第2の位置との間で原稿読取装置300が移動することができるように、原稿読取装置300を画像形成装置本体30に装着している。ここで、第1の位置とは、原稿読取装置300が画像形成装置本体30の上向きの面34に下方から支持される位置である。また。第2の位置とは、原稿読取装置300が第1の位置に配置されている場合と比較して、空間Sが拡張された状態にある位置である。
【0029】
緩衝装置500は、原稿読取装置300の回転軸410を中心とする回転動作による衝撃を緩衝するために用いられていて、画像形成装置10の右側(図2における手前側)と画像形成装置10の左側(図2における奥側)とに、それぞれ1つが配置されている。これら2つの緩衝装置500のうちの右側に配置された緩衝装置500が図2に示され、左側に配置された緩衝装置500は図示が省略されている。右側に配置された緩衝装置500と左側に配置された緩衝装置500との構成は同じである。
【0030】
緩衝装置500は、先述のようにアーム部材502と、案内部材510とを有し、さらにコイルスプリング560を有する。アーム部材502は、一端504側が案内部材510を介して原稿読取装置300に装着されていて、他端506側が画像形成装置本体30に側に装着されている。また、アーム部材502は、第2の位置(図2に示す位置)に配置された原稿読取装置300を下方から支持している。案内部材510は、アーム部材502を案内する部材であり、原稿読取装置300に設けられている。コイルスプリング560は、アーム部材502を付勢する付勢部材として用いられている。緩衝装置500の詳細は後述する。
【0031】
画像形成装置10においては、原稿読取装置300が第1の位置に配置された状態で操作者が空間Sに手を挿入して排出部600に排出された用紙を取り出しても良いし、原稿読取装置300を第2の位置に移動させ、空間Sを拡張した後に操作者が空間Sに手を挿入して排出部600に排出された用紙を取り出しても良い。例えば、ハガキ等の比較的に小さい用紙を排出部600から取り出す場合、空間Sの奥側まで手を挿入することを要するため、原稿読取装置300が第1の位置にある状態で用紙を取り出すよりも、原稿読取装置300を第2の位置に移動させ、空間Sを拡張した後に用紙を取り出す方が用紙が取り出しやすい。
【0032】
図3には、画像形成装置本体30が示されている。図3に示すように、画像形成装置本体30には、排出部600から用紙が取り出される側の面である前面38と、回転軸410の方向における一方の側の面である右側面40とにまたがるように切り欠き50が形成されている。切り欠き50は、前面38よりも画像形成装置本体30の内側に形成される空間であり、右側面40よりも画像形成装置本体30の内側に形成される空間である。また、切り欠き50は、排出部600と原稿読取装置300との間に形成される空間である空間Sと連続している。
【0033】
切り欠き50は、切り欠き50を介して、空間Sに前面38の側から又は右側面40の側から例えば右手を挿入し、例えば右手を排出部600まで伸ばして排出部600に排出された用紙を前面38の側に取り出す際に用いられる。また、切り欠き50は、切り欠き50を介して、前面38の側から又は右側面40の側から例えば右手を空間Sに挿入し、第1の位置(図1参照)にある原稿読取装置300の下側を例えば右手で押し上げて、原稿読取装置300を第2の位置(図2参照)へと回移転するように移動させる際に用いられる。
【0034】
図4は、画像形成装置10を示す斜視図である。図4に示すように、操作パネル700は、例えば、ファクシミリの送信先の番号を入力する際に押圧される押圧部や、画像形成を開始する際に押圧される押圧部等を有する。また、操作パネル700は、原稿読取装置300が有する原稿読取装置300の上向きの面に取り付けられていて、画像形成装置10の前側に配置されている。また、原稿読取装置本体302の操作パネル700が設けられた位置と画像形成装置本体30との間に切り欠き50が位置している。また、操作パネル700は、原稿読取装置300の回転軸410の方向における切り欠き50の側に設けられている。
【0035】
操作パネル700を例えば右手で操作する場合、操作をしない側の手である左手を画像形成装置10に掛けることがある。この実施形態に係る画像形成装置10では、操作パネル700の下側には切り欠き50が位置しているものの、原稿読取装置300の左手が掛けられことが多い位置である左端部710側は画像形成装置本体30によって重力方向下側から支持されている。
【0036】
図5及び図6には、原稿読取装置300が示されている。原稿読取装置300は、先述のように原稿読取装置本体302を有し、原稿読取装置本体302の下向きの面には、先述の右側に位置する緩衝装置500の案内部材510と、左側に位置する緩衝装置500の案内部材510とが装着されている。また、原稿読取装置本体302は、先述のヒンジ400(図1、図2を参照)を用いて画像形成装置本体30に装着される部分である被装着部310、310を有している。
【0037】
また、図5に示すように、原稿読取装置300は、光を透過する材料からなるプラテン部材312有していて、原稿読取装置本体302が原稿の置かれる読取台として用いられている。また、原稿読取装置本体302には、原稿読取装置本体302に対して開閉可能なプラテンカバー部322が装着されている。
【0038】
原稿読取装置本体302内には、原稿に光を照射し、照射した光の原稿からの反射光に基づいて原稿を読み取る読取部330が装着されている。また、プラテンカバー部322内には、原稿Dを自動で搬送する原稿搬送装置326が装着されている。原稿読取装置300は、原稿搬送装置326により搬送中の原稿Dを流し読みする機能と、プラテン部材312上に載置された原稿Dを読み取る機能とを備えている。
【0039】
原稿搬送装置326は、読取前の原稿Dがセットされる原稿台340と、原稿を搬送する原稿搬送路350と、画像を読み取った後の原稿が排出される排出台360とを有する。
【0040】
読取部330は、光源342と、レンズ344と、光電変換素子346を有し、光源342が原稿に光を照射し、その反射光をレンズ344で集光し、集められた光を光電変換素子346が受光して信号に変換する。
【0041】
図7には、案内部材510が示されている。図7に示すように、案内部材510には案内孔512が形成されている。案内孔512には、アーム部材502(図2を参照)に形成された後述する突起536(図8、図9を参照)が挿入される。案内部材510は、突起536が案内孔512内で回転することができ、突起536が案内孔512内で移動することができるようにアーム部材502を支持する。このように突起536が案内孔512内を移動するため、アーム部材502の移動が案内部材510によって案内される。
【0042】
案内部材510は、原稿読取装置300に取り付けられている。このため、この画像形成装置10においては、画像形成装置本体30側にアーム部材502を案内する案内部材を設ける場合と比較して、空間Sの排出部600側が広くなり、空間Sに例えば右手を挿入する際の障害物が少なくなる。
【0043】
図8及び図9には、緩衝装置500が示されている。先述のように、緩衝装置500は、アーム部材502と、コイルスプリング560とを有し、さらにアーム部材502を回転することができ、移動することができるように支持する支持部材564を有する。
【0044】
アーム部材502は、互いに向かい合う2つの側板部544、側板部546と、側板部544及び側板部546と略垂直であって、側板部544と側板部546とを連結する連結部548とを有している。また、アーム部材502は、案内部材510の案内孔512(図7参照)に挿入される突起536を有する。突起536は、アーム部材502の一端504側に右側から左側に突出するように形成されている。また、アーム部材502は、コイルスプリング560の一端部側が装着されるスプリング装着部538を有する。
【0045】
また、アーム部材502は、他端506側に直線形状からなる直線部540、540を有している。直線部540は、側板部544と側板部546とにそれぞれに形成されている。画像形成装置本体30から開いた状態にある原稿読取装置300を支持する状態である図8に示す状態において、直線部540、540は、支持部材564の上向きの平面にコイルスプリング560によって押し付けられ、直線部540、540が押し付けられることで、アーム部材502が静止する。このように、アーム部材502は、画像形成装置本体30から開いた状態にある原稿読取装置300を支持し、画像形成装置本体30から開いた状態にある原稿読取装置300を支持する位置で静止するようになっている。
【0046】
アーム部材502は、原稿読取装置300が、空間Sが拡張される位置であり、画像形成装置本体30に対して開かれた位置である第2の位置に配置された状態において、他端506側が一端504側よりも画像形成装置本体30に設けられた排出部600から用紙が取り出される側の面である前面38から離れた位置にあるように傾いている(図2も参照)。このため、この画像形成装置10においては、他端506側が一端504側よりも画像形成装置本体30に設けられた排出部600から用紙が取り出される側の面である前面38に近い位置にあるように傾いている構成と比較して、空間Sの排出部600側が広くなり、空間Sに例えば右手を挿入する際の障害物が少なくなる。
【0047】
支持部材564は、コイルスプリング560の他端部が装着されるスプリング装着部566を有し、画像形成装置本体30(図1参照)に装着されている。すなわち、アーム部材502は、支持部材564を介して他端506側が画像形成装置本体30に装着されている。
【0048】
コイルスプリング560は、アーム部材502に対して排出部600から用紙が取り出される側の面である前面38と逆側に配置されている。このため、この画像形成装置10においては、コイルスプリング560がアーム部材502に対して前面38と同じ側に配置されている場合と比較して、空間Sの排出部600側が広くなり、空間Sに例えば右手を挿入する際の障害物が少なくなる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上で説明をしたように、本発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンター等の画像形成装置と、開閉装置とに適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10・・・画像形成装置
30・・・画像形成装置本体
34・・・上向きの面
38・・・前面
40・・・右側面
300・・・原稿読取装置
302・・・原稿読取装置本体
400・・・ヒンジ
410・・・回転軸
500・・・緩衝装置
502・・・アーム部材
504・・・一端
506・・・他端
510・・・案内部材
560・・・コイルスプリング
600・・・排出部
S・・・空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体の上向きの面に設けられ、記録媒体が排出される排出部と、
前記排出部との間に空間を形成するように、前記画像形成装置本体の上方に配置された構造体と、
前記画像形成装置本体に対して回転軸を中心に回転するように前記構造体を前記画像形成装置本体に装着し、前記構造体を前記画像形成装置本体の上向きの面に下方から支持される第1の位置と前記空間が拡張される第2の位置との間で移動可能にする装着機構と、
前記第2の位置に配置された状態にある前記構造体を下方から支持する支持部材であって、一端側が前記構造体に装着され、他端側が前記画像形成装置本体に装着されている支持部材と、
を有し、
前記画像形成装置本体は、前記排出部から記録媒体が取り出される側の面と前記回転軸の方向における一方側の面とにまたがるように前記空間に連続する切り欠きが形成され、
前記支持部材は、前記構造体が前記第2の位置に配置された状態で前記他端側が前記一端側よりも前記画像形成装置本体の前記排出部から記録媒体が取り出される側の面から離れた位置にある画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材を案内する案内部をさらに有し、
前記案内部は、前記構造体に設けられている請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記支持部材を付勢する付勢部材をさらに有し、
前記付勢部材は、前記支持部材に対して前記排出部から記録媒体が取り出される側の面と逆側に配置されている請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
当該画像形成装置の操作に用いられる操作部をさらに有し、
前記操作部は、前記構造体の前記回転軸の方向における前記切り欠きの側に設けられている請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
第1の構造体と、
前記第1の構造体の上向きの面に設けられ、排出体が排出される排出部と、
前記排出部との間に空間を形成するように、前記第1の構造体の上方に配置された第2の構造体と、
前記第1の構造体に対して回転軸を中心に回転するように前記第2の構造体を前記第1の構造体に装着し、前記第2の構造体を前記第1の構造体の上向きの面に下方から支持される第1の位置と前記空間が拡張される第2の位置との間で移動可能にする装着機構と、
前記第2の位置に配置された状態にある前記第2の構造体を下方から支持する支持部材であって、一端側が前記第2の構造体に装着され、他端側が前記第1の構造体に装着されている支持部材と、
を有し、
前記第1の構造体は、前記排出部から排出体が取り出される側の面と前記回転軸の方向における一方側の面とにまたがるように前記空間に連続する切り欠きが形成され、
前記支持部材は、前記第2の構造体が前記第2の位置に配置された状態で前記他端側が前記一端側よりも前記第1の構造体の前記排出部から排出体が取り出される側の面から離れた位置にある開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−93410(P2012−93410A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238342(P2010−238342)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】