説明

画像形成装置

【課題】感光体ドラム外周面の磨耗を抑制しつつ、光源と感光体ドラム外周面との距離を一定に保つ。
【解決手段】梁130に荷重が加えられると、梁130は切り欠き121に沿って感光体ドラム20へ向かって移動させられる。回転部材150の弾性層152が押しつぶされ、位置決め部材140先端がベルト160を介して感光体ドラム20外周面に回転部材150外周面とともに押し当てられる。感光体ドラム20が回転すると、ベルト160外周面と感光体ドラム20外周面との摩擦抵抗によってベルト160が循環させられる。ベルト160は、その内周面が位置決め部材140先端と擦れ合いながら循環する。回転部材150は、ベルト160と同方向に回転させられる。そして、梁130と感光体ドラム20との距離が位置決め部材140によって一定に保たれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、露光用の光源から発せられた光を感光体ドラム外周面に正確に結像させるためには、光源と感光体ドラム外周面との距離を一定に保つことが必要である。そのために、例えば、特許文献1で提案されている技術では、LEDプリントヘッド(1個のLED(Light Emitting Diode)が1画素に対応するように複数のLEDが直線状に並べて設けられた露光用の光源)から感光体ドラム外周面に向けて突き出した位置決め部材を感光体ドラム外周面に押し当てるように構成されている。
【特許文献1】特開2002−361931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、位置決め部材を直接感光体に押し当てる場合と比較して、感光体の磨耗を抑制することのできる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、感光体と、感光体に光を照射する光源と、前記感光体に対する前記光源の位置を決める位置決め部材と、前記位置決め部材に掛けまわされたベルトとを有し、前記位置決め部材は前記ベルトを介して前記感光体に押し当てられることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0005】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記ベルトの周方向の長さは、前記位置決め部材の外周よりも長いことを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記ベルトの循環を補助する補助手段を有することを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記補助手段は、前記ベルトを介して前記感光体に押し当てられて回転する回転部材を有することを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記回転部材は、前記位置決め部材を挟むように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、位置決め部材を直接感光体に押し当てる場合と比較して、感光体の磨耗を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、位置決め部材とベルトの内周面との接触面積が減るから、ベルトを滑らかに循環させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、補助手段を有しない場合と比較して、ベルトの循環を安定させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、感光体の回転により容易にベルトを従動させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ベルトの蛇行を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における画像形成装置1のハードウェア構成を示す図である。まず、画像形成装置1全体の構成について説明する。
画像形成装置1各部の制御を行う制御部4は、CPU(Central Processing Unit)44、ROM(Read Only Memory)45、RAM(Random Access Memory)46からなる。記憶部5は、ハードディスク装置等の不揮発性メモリである。記憶部5にはOS(Operating System)が記憶されている。また、記憶部5は、外部から入力されたデータを記憶するためにも使用される。ROM45にはIPL(Initial Program Loader)が記憶されており、画像形成装置1に電源が投入されるとCPU44がIPLを実行し、これによってOSが記憶部5から読み出される。そして、CPU44がOSを実行することによって画像形成装置1各部の制御が行われる。RAM46は、CPU44が各種プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
【0011】
ユーザは表示部39およびキー入力部40より画像形成装置1に対する指示を入力することができる。表示部39は例えば液晶表示画面であり、メニューを表す画像を表示する。さらに表示部39は画面上でユーザが触れた領域を特定するセンサを備えており、これによってユーザが触れたメニューの項目を特定する。キー入力部40は、スタート、ストップ、リセットの各キーとテンキー等からなる。指示受付部41は表示部39およびキー入力部40から入力された指示を受け付ける。指示受付部41によって受け付けられた指示はCPU44に送られ、CPU44は送られてきた指示に従って画像形成装置1を制御する。
通信インターフェイス(以下、通信I/F)48はネットワーク(図示省略)に接続されており、画像形成装置1と他の装置との間のデータの授受を仲介する。
【0012】
画像入力部12は、原稿を光学的に読み取って信号を出力するスキャナ装置である。プラテンガラス2に載せられた原稿に対して光源13により光が照射され、この反射光がミラー14、15、16を介してレンズ17で集光され、CCD(Charge Coupled Device)等からなる受光部18で受光される。受光部18は反射光を信号に変換し、制御部4に送信する。制御部4はこの信号に基づいてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を表す画像データを生成する。
【0013】
画像出力部6は、画像形成エンジン7Y、7M、7C、7K、転写ベルト8等からなる。画像形成エンジン7Y、7M、7C、7Kは、それぞれY(Yellow)色、M(Magenta)色、C(Cyan)色、K(Black)色の各色のトナー像を形成する。各画像形成エンジンの構成は共通であるから、ここでは画像形成エンジン7Yについてのみ説明する。
画像形成エンジン7Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、帯電装置21Y、露光装置19Y、現像装置22Y、転写装置25Y等を設けて構成されている。
【0014】
感光体ドラム20Yは円筒状の感光体であり、外周面が光導電性を有している。感光体ドラム20Yはモーター等の駆動手段(図示省略)によって矢印Aの方向に所定の速度で回転駆動される。
帯電装置21Yは、感光体ドラム20Yの表面を所定の電位に帯電させる。
露光装置19Yは、感光体ドラム20Y外周面に露光用ビームLBを照射する装置である。露光装置19Yは、LEDプリントヘッド80を備え、制御部4で生成された画像データを受け取り、この画像データに基づいて露光用ビームLBを照射する。感光体ドラム20Y外周面では、露光用ビームLBが照射された部分の電位が所定のレベルまで減少し、静電潜像が形成される。
【0015】
現像装置22Yは、感光体ドラム20Y表面に形成された静電潜像をトナーによって可視像化する。トナーカートリッジ23Yにはイエローのトナーが収容されており、所定量のトナーが現像装置22Yに供給される。現像装置22Yは、このトナーを感光体ドラム20Y表面に供給し、静電潜像に付着させることによってトナー像を形成する。
転写ベルト8は、円筒状のローラー26、27、28、29に張架されており、矢印Bの方向に循環駆動される。感光体ドラム20Yの下方には、転写ベルト8を挟むように転写装置25Yが設けられており、所定の電圧が印加される。感光体ドラム20Y表面に形成されたトナー像は、転写装置25Yに印加された電圧による電界の作用によって、転写ベルト8表面に転写される(1次転写)。
クリーナ24Yは、感光体ドラム20Yに残存したトナーを除去する。
【0016】
以上が画像形成エンジン7Yの構成である。画像形成エンジン7M、7C、7Kにおいても各色に対応したトナー像が形成され、転写ベルト8に重ねて転写される。なお、これ以降、画像形成エンジン7Y、7M、7C、7Kを区別する必要のない場合には、単に画像形成エンジン7と称する。他の構成要素についても同様に、Y、M、C、Kの別を区別する必要のない場合には、Y、M、C、Kの表記を省略するものとする。
【0017】
給紙部9にはシート状の記録媒体10が収容されている。転写ベルト8表面にトナー像が形成されると、給紙ローラー33が回転駆動され、記録媒体10が1枚ずつ送り出される。送り出された記録媒体10はローラー対34、35、37によって搬送路36に沿って搬送される。
【0018】
転写ローラー30には所定の電圧が印加されている。転写ベルト8は矢印Bの方向に循環駆動され、その表面に形成されたトナー像が転写ローラー30に接近するのと同期して、転写ローラー30が所定の荷重で転写ベルト8を介してローラー29に押し当てられ、接触領域を形成する。そして、この接触領域に記録媒体10が進入する。転写ベルト8上のトナー像は、転写ローラー30に印加された電圧による電界および接触領域における加圧の作用によって、記録媒体10表面に転写される(2次転写)。
【0019】
トナー像が転写された記録媒体10は、ローラー対31によって定着装置11に導かれる。定着装置11では、記録媒体10に対して加熱および加圧が行われ、トナー像が記録媒体10表面に定着される。トナー像が定着された記録媒体10は、排紙部32に排出される。
以上が、画像形成装置1全体の構成である。
【0020】
次に、本実施形態に係る潜像形成装置の構成について詳細に説明する。潜像形成装置は、露光装置19と感光体ドラム20とから構成されている。
図2(a)は、潜像形成装置100の側面図である。同図は、潜像形成装置100を感光体ドラム20の回転軸50に平行な方向から見たものである。図2(b)は、図2(a)のC−C’線における断面図である。
【0021】
感光体ドラム20の回転軸50の両端は軸受110によって支持されており、感光体ドラム20は自在に回転できるようになっている。
規制部材120は板状の部材であり、軸受110は規制部材120に設けられている。2つの規制部材120は同一の形状を有しており、感光体ドラム20を挟んで互いに対向させて設けられている。図2における規制部材120の上端は画像形成装置1の全体を覆う筐体(図示省略)に固定されている。
【0022】
2つの規制部材120には、感光体ドラム20の回転軸50方向に延びる梁130が掛け渡されている。規制部材120には、切り欠き121が形成されている。切り欠き121は、感光体ドラム20の回転軸50と交差する方向に細長く延びた孔であり、この切り欠き121に梁130の端部が挿入されている。梁130はこの切り欠き121に沿って移動ができるようになっている。
【0023】
梁130の長手方向における2箇所には、支持部材143が設けられている。支持部材143は、2本の支柱141と、2本の支柱141に架け渡された軸142とから構成されている。軸142は、回転しないように支柱141に固定されている。軸142には、位置決め部材140が設けられている。位置決め部材140は例えば円盤状の板であり、円弧状の周面が感光体ドラム20に向かって突き出している。位置決め部材140は、回転しないように軸142に固定されている。
【0024】
各位置決め部材140に隣り合わせて回転部材150が設けられている。本実施形態では、梁130の長手方向に位置決め部材140を挟むように2つの回転部材150が設けられている。回転部材150は、芯151と弾性層152から構成されている。芯151の中心は位置決め部材140と共通の軸142に支持されており、回転部材150は自在に回転できるように軸142によって支持されている。弾性層152は、例えばスポンジ状のシリコンゴムで作成されており、弾性層152の剛性は位置決め部材140の剛性よりも低い。回転部材150の直径は、位置決め部材140の直径よりも大きい。従って、回転部材150の梁130からの突出量は位置決め部材140の梁130からの突出量よりも大きい。言い換えると、回転部材150外周面と感光体ドラム20外周面との距離は位置決め部材140先端と感光体ドラム20外周面との距離よりも短くなっている。また、芯151の直径は位置決め部材140の直径よりも小さい。
【0025】
位置決め部材140および回転部材150には、感光体ドラム20の回転軸50と交差する方向に環状のベルト160が掛け回されている。ベルト160の外周面は感光体ドラム20外周面に向けられている。ベルト160の周方向の長さは、回転部材150の外周よりも長い。そのため、ベルト160と回転部材150の間には隙間が生じるが、ベルト160が所定の剛性を有しているため、図2に示されているように回転部材150との間に隙間を空けた状態でベルト160が自立する。
ベルト160は、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)等で作成されている。
【0026】
さらに、2つの規制部材120には、梁130に沿う方向に梁170が掛け渡されている。梁170は、梁170と感光体ドラム20との間に梁130が挟まれるように位置しており、梁130が切り欠き121に沿って移動可能であるのに対して、梁170は移動できないようにその両端を規制部材120に固定されている。そして、梁130と梁170とはコイルばね171でつながれている。コイルばね171は圧縮された状態で設けられている。そのため、コイルばね171は、位置決め部材140を感光体ドラム20外周面へ押し当てる方向の荷重を梁130に与える。
なお、図2は、圧縮されたコイルばね171が伸びる前の状態を表したものである。コイルばね171が伸びた場合の作用については後述する。
【0027】
梁130の感光体ドラム20側の面には、LEDプリントヘッド80が設けられている。LEDプリントヘッド80は、感光体ドラム20外周面に静電潜像を書き込むための光源である。図3(a)は、LEDプリントヘッド80の外観を表す斜視図、図3(b)はLEDプリントヘッド80の長手方向に対して垂直な断面を表す図である。基板81には複数のLED82が直線状に並べて設けられており、画像を構成する各画素に対して1つのLED82が対応する。筐体84の上面には、各LED82に1つのレンズ83が対応するように複数のレンズ83が配列されている。レンズ83は、筐体84の上面に露出されている。また、基板81には、画像データに応じてLED82を駆動する駆動回路85が設けられている。LEDプリントヘッド80は、LED82の配列の方向が梁130の長手方向と一致するように設けられており、図2における上面を感光体ドラム20外周面に向けて設けられている。
【0028】
画像形成装置1の制御部4は、駆動回路85に画像データを1ライン分ずつ供給する。駆動回路85は、供給された画像データに応じて各LED82に対して電力を供給する。すると、電力の供給を受けたLED82が発光し、光がレンズ83を介して感光体ドラム20外周面に照射され、1ライン分の静電潜像が形成される。感光体ドラム20は矢印Aの方向に所定の速度で回転させられており、制御部4からは画像データが1ライン分ずつ所定のタイミングで駆動回路85に供給される。このようにして感光体ドラム20外周面に画像データに基づいた静電潜像が形成される。
【0029】
次に、潜像形成装置100の作用について説明する。
図4は、コイルばね171から梁130に加えられた荷重によって梁130が移動させられた状態を表す図である。図4(a)は、潜像形成装置100の側面図である。図4(b)は、図4(a)のD−D’線における断面図である。
図2の状態から図4の状態へ遷移する際の潜像形成装置100の作用は以下のとおりである。
【0030】
図2において、コイルばね171によって梁130に荷重が加えられると、梁130は切り欠き121に沿って感光体ドラム20へ向かって移動させられる。すると、まず、回転部材150外周面がベルト160を介して感光体ドラム20外周面に押し当てられ、押し当てられた部位の弾性層152が押しつぶされる。最終的に、位置決め部材140先端が、回転部材150外周面とともに、ベルト160を介して感光体ドラム20外周面に押し当てられる。この状態を表したのが図4である。
【0031】
本実施形態の画像形成装置1は、図4に示したように位置決め部材140先端がベルト160を介して感光体ドラム20外周面に押し当てられた状態で画像形成のための動作を行う。すなわち、図4に示した状態で制御部4からLEDプリントヘッド80の駆動回路85に画像データが1ライン分ずつ供給されるとともに、感光体ドラム20が図4(a)の矢印A方向に所定の速度で回転させられる。すると、ベルト160外周面と感光体ドラム20外周面との摩擦抵抗によってベルト160が矢印E方向に循環させられる。コイルばね171による荷重は、位置決め部材140と回転部材150とに振り分けられ、その結果、位置決め部材140先端とベルト160内周面との間、および、回転部材150外周面とベルト160内周面との間にそれぞれ摩擦抵抗が発生する。回転部材150は、その外周面とベルト160内周面との摩擦抵抗によってベルト160と同方向に回転させられる。
【0032】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。潜像形成装置以外の構成は第1実施形態と同じである。以下、本実施形態の潜像形成装置の第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成要素は第1実施形態と同じ符号で表している。
図5(a)は、潜像形成装置200の側面図である。同図は、潜像形成装置200を感光体ドラム20の回転軸50に平行な方向から見たものである。図5(b)は、図5(a)のF−F’線における断面図である。
【0033】
梁170の感光体ドラム20と反対側の面の長手方向における2箇所には、それぞれ2本の支柱211と、2本の支柱211をつなぐ軸212が設けられている。
環状のベルト220は、位置決め部材140、回転部材150および張架部材210に、感光体ドラム20の回転軸50と交差する方向に掛け回されている。第1実施形態のベルト160は回転部材150との間に隙間を有していたが、本実施形態のベルト220は張架部材210によって張力が生じるように掛け回されている。張架部材210は自在に回転できるように軸212によって支持されており、回転部材150および張架部材210によりベルト220の循環が補助される。
なお、図5は、圧縮されたコイルばね171が伸びる前の状態を表したものである。コイルばね171から梁130に加えられた荷重によって梁130が移動させられた状態を表したのが図6である。図6(a)は、潜像形成装置200の側面図である。同図は、潜像形成装置200を感光体ドラム20の回転軸50に平行な方向から見たものである。図6(b)は、図6(a)のG−G’線における断面図である。
【0034】
本実施形態でも第1実施形態と同様に、コイルばね171は圧縮された状態で設けられている。そのため、コイルばね171は、位置決め部材140を感光体ドラム20外周面へ押し当てる方向の荷重を梁130に与える。この荷重によって、梁130が感光体ドラム20に向かって切り欠き121に沿って移動させられる。すると、位置決め部材140先端と回転部材150外周面とがベルト220を介して感光体ドラム20外周面に押し当てられる。感光体ドラム20が回転すると、ベルト220外周面と感光体ドラム20外周面との摩擦抵抗によってベルト220が循環させられる。また、ベルト220は、その内周面が位置決め部材140先端と擦れ合いながら循環する。回転部材150は、その外周面とベルト220内周面との摩擦抵抗によってベルト220と同方向に回転させられる。
【0035】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。潜像形成装置以外の構成は第1実施形態と同じである。以下、本実施形態の潜像形成装置の第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成要素は第1実施形態と同じ符号で表している。
図7(a)は、潜像形成装置300の側面図である。同図は、潜像形成装置300を感光体ドラム20の回転軸50に平行な方向から見たものである。図7(b)は、図7(a)のH−H’線における断面図である。
【0036】
本実施形態の潜像形成装置300は、第1実施形態における梁170、コイルばね171が設けられておらず、その代わりに、梁130と軸受110とがコイルばね310でつながれている。コイルばね310は、伸長された状態で設けられている。そのため、コイルばね310は、位置決め部材140を感光体ドラム20外周面へ押し当てる方向の荷重を梁130に与える。
なお、図7は、伸長されたコイルばね310が縮む前の状態を表したものである。コイルばね310から梁130に加えられた荷重によって梁130が移動させられた状態を表したのが図8である。図8(a)は、潜像形成装置300の側面図である。図8(b)は、図8(a)のJ−J’線における断面図である。
【0037】
本実施形態では、梁130に加えられた荷重によって、梁130が感光体ドラム20に向かって切り欠き121に沿って移動させられる。すると、位置決め部材140先端と回転部材150外周面とがベルト160を介して感光体ドラム20外周面に押し当てられる。感光体ドラム20が回転すると、ベルト160外周面と感光体ドラム20外周面との摩擦抵抗によってベルト160が循環させられる。また、ベルト160は、その内周面が位置決め部材140先端と擦れ合いながら循環する。回転部材150は、その外周面とベルト160内周面との摩擦抵抗によってベルト160と同方向に回転させられる。
【0038】
<変形例>
以上説明した形態に限らず、本発明は種々の形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形した形態でも実施可能である。
【0039】
<変形例1>
上記の実施形態では、位置決め部材140に隣り合わせて回転部材150を設けた例を示したが、回転部材150を持たない構成としてもよい。図9は、潜像形成装置400の断面図である。この例では、第1実施形態の潜像形成装置100から回転部材150が取り除かれ、位置決め部材140よりも幅の広い位置決め部材410が設けられている。位置決め部材410は、回転しないように軸142に固定されている。
【0040】
<変形例2>
上記の実施形態では、各位置決め部材140を2つの回転部材150で挟む例を示したが、各位置決め部材140に対して回転部材を1つだけ設けるようにしてもよい。図10は、潜像形成装置500の断面図である。この例では、位置決め部材140が支柱141の一方に寄せて配置され、回転部材150よりも幅の広い回転部材510が設けられている。
【0041】
<変形例3>
上記の実施形態では位置決め部材140が円盤状の板である例を示したが、位置決め部材の形状はこれ以外の形状でもよい。その場合、ベルト160または220を介して感光体ドラム20に押し当てられる部位が感光体ドラム20外周面に向かって凸の曲面を有することが好ましい。
【0042】
<変形例4>
第1、第3実施形態では、ベルト160の周方向の長さが回転部材150の外周の長さよりも長い例を示したが、ベルト160の周方向の長さと回転部材150の外周の長さが同じであってもよい。
【0043】
<変形例5>
上記の実施形態では規制部材120に設けられた軸受110によって感光体ドラム20が支持されている例を示したが、軸受110は規制部材120に設けられていなくてもよい。例えば、軸受110が規制部材120とは別の部材を介して画像形成装置1の筐体に固定されていてもよい。
図11は、潜像形成装置600の断面図である。規制部材610は第1実施形態の規制部材120よりも図中上下方向の長さが短く、軸受110は規制部材610とは切り離されている。そして、軸受110は部材620によって画像形成装置1の筐体(図示省略)に固定されている。
また、上記の実施形態では梁170が規制部材120によって支持されている例を示したが、上記の軸受110の例と同様に、梁170が規制部材120とは別の部材を介して画像形成装置1の筐体に固定されていてもよい。
【0044】
<変形例6>
上記の実施形態では梁130の長手方向の2箇所に位置決め部材140が設けられている例を示したが、位置決め部材を設ける箇所は2箇所に限定されない。
図12は、潜像形成装置700の断面図である。この例では、感光体ドラム20の右端側に支持部材143、位置決め部材140、回転部材150およびベルト160の組が1組、梁130に設けられている。これに対して感光体ドラム20の左端側では、梁130の端部が規制部材120にピン710によって結合されており、これによって梁130は、ピン710を中心として回転可能になっている。
【0045】
<変形例7>
上記の実施形態では、2本の支柱141とこれらに架け渡された軸142とからなる支持部材143によって位置決め部材140および回転部材150を支持する例を示したが、支柱141を1本のみとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】画像形成装置1のハードウェア構成を示す図である。
【図2】潜像形成装置100を表す図である。
【図3】LEDプリントヘッド80を表す図である。
【図4】梁130が移動させられた状態を表す図である。
【図5】潜像形成装置200を表す図である。
【図6】梁130が移動させられた状態を表す図である。
【図7】潜像形成装置300を表す図である。
【図8】梁130が移動させられた状態を表す図である。
【図9】潜像形成装置400を表す断面図である。
【図10】潜像形成装置500を表す断面図である。
【図11】潜像形成装置600を示す断面図である。
【図12】潜像形成装置700を表す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1…画像形成装置、4…制御部、5…記憶部、41…指示受付部、48…通信インターフェイス、12…画像入力部、6…画像出力部、7Y、7M、7C、7K…画像形成エンジン、8…転写ベルト、20Y…感光体ドラム、21Y…帯電装置、19Y…露光装置、22Y…現像装置、25Y…転写装置、9…給紙部、10…記録媒体、11…定着装置、32…排紙部、100…潜像形成装置、50…回転軸、110…軸受、120…規制部材、121…切り欠き、130…梁、140…位置決め部材、141…支柱、142…軸、143…支持部材、150…回転部材、151…芯、152…弾性層、160…ベルト、170…梁、171…コイルばね、80…LEDプリントヘッド、81…基板、82…LED、83…レンズ、84…筐体、85…駆動回路、200…潜像形成装置、210…張架部材、211…支柱、212…軸、220…ベルト、300…潜像形成装置、310…コイルばね。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
感光体に光を照射する光源と、
前記感光体に対する前記光源の位置を決める位置決め部材と、
前記位置決め部材に掛けまわされたベルトと
を有し、
前記位置決め部材は前記ベルトを介して前記感光体に押し当てられる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ベルトの周方向の長さは、前記位置決め部材の外周よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ベルトの循環を補助する補助手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記補助手段は、前記ベルトを介して前記感光体に押し当てられて回転する回転部材を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記回転部材は、前記位置決め部材を挟むように設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−112071(P2008−112071A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−296063(P2006−296063)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】