説明

画像形成装置

【課題】 インサータからの挿入紙されるシートが挿入すべきシートと一致しているかを自動的にチェックし、ミスプリントを防止する。
【解決手段】 インサータから給紙された挿入紙の画像を読み取り、原稿画像と比較することで、挿入紙のみで挿入紙がユーザーの設定と合っているか確認する。
比較した画像データが異なっていれば、コピー(プリント)動作を中断すると共に警告メッセージを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成部により画像形成処理が施された記録紙に対して、トレイに積載されたインサート紙を画像形成部を経由することなく搬送してインサートするインサート技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー原稿と白黒原稿が混在した複数枚の原稿を複写する場合、カラー複写装置により、カラー原稿と白黒原稿が混在した複数枚の原稿の全てをプリントアウトさせることで、カラーページと白黒ページが混在する複写物を得ていた。
【0003】
しかし、カラー複写装置は白黒複写装置よりも画像形成処理に長時間を要し、ランニングコストも高くなる。そこで、カラー原稿と白黒原稿が混在した複数原稿のうち、白黒原稿だけは白黒複写装置にてプリントアウトし、カラー原稿はカラー複写装置にてプリントアウトすることが考えられる。
【0004】
しかし、この場合は、カラー原稿と白黒原稿が混在した複数枚の原稿について、ユーザが、まず白黒原稿とカラー原稿とに分ける必要がある。そして、白黒複写装置及びカラー複写装置にてそれぞれプリントアウトが完了したら、白黒原稿とカラー原稿とに分けた複数枚の原稿を、ユーザ自身が元の混在状態に戻さなければならず、ユーザの負担が非常に大きくなる。特に、原稿に頁番号が付されていない場合や、原稿枚数が多い場合には、白黒原稿(記録紙)とカラー原稿(記録紙)を元の混在状態に戻すのが困難である。
【0005】
また、白黒複写装置にてプリントアウトさせた記録紙と、カラー複写装置にてプリントアウトさせた記録紙を元の複数枚の原稿のように1つに纏めるには、一方の複写装置で出力させた記録紙と記録紙の間に、もう一方の複写装置で出力させた記録紙をユーザがインサート(中差し)しなければならず、手間かかかり、特に、複数部数をコピーする場合には、大変な労力を要していた。
【0006】
そこで、複数の画像をプリントアウトしたものを1つの資料にする際の煩雑さを解決する方法として、白黒の画像形成装置に装着されたインサータ装置に、予めプリントされたカラー画像出力紙を積載し、再給紙する混交制御方法がある。混交制御方法は、一般的に白黒出力に対して出力速度の点で劣るカラー画像形成装置による出力を一旦インサートトレイに格納し、カラー白黒混交を行うための諸情報、つまりプリント対象ジョブのジョブナンバーや紙サイズ、プリント部数、インサータ装置における紙の積載状態やマテリアル(普通紙や厚紙など紙の種類)などの情報を操作部などを用いて指定し、その設定に基づき、カラー画像と白黒画像との混交動作を行うものがある。
【0007】
但し、上記従来の混交制御方法を用いたコピー処理においては、ユーザの入力ミスによるミスコピーの発生や、複雑な設定による煩わしさが伴い、未だにユーザにとっては大きな負担となっている為、画像形成システムにおいて、コンピュータから出力されたジョブに基づき、カラー画像形成装置或いは白黒画像形成装置で画像形成が完了したカラー画像出力紙或いは白黒画像出力紙を格納手段に格納し、格納されたカラー画像出力紙或いは白黒画像出力紙を、格納手段に装備された記憶手段に記憶された情報に基づき、白黒画像形成装置或いはカラー画像形成装置から排出される画像形成が完了した白黒画像出力紙或いはカラー画像出力紙の間に挿入し、1グループに混交する制御を行う装置が提案(例えば、特許文献1参照)されている。
【0008】
また、画像形成を行う際に挿入紙を含む所定の情報を記録したシートを別途出力し、その出力されたシートを画像形成時に、読み込むことにより、ユーザのインサート設定に関する手間を省き、ミスコピーを防止する提案(例えば特許文献2参照)が成されている。
【特許文献1】特開2003−241459号公報
【特許文献2】特開2002−292963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記提案の画像形成装置においては、記憶手段を有した専用の格納手段を必要とする為、装置が大型化したり、また、インサータ装置にセットする挿入紙を他の格納手段に移動する際に手間が掛かるという問題や、不要なカバーシートを別途出力する必要があるなどの問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、画像形成部により画像形成処理が施された記録紙に対して、トレイに積載されたインサート紙を画像形成部を経由することなく搬送してインサートする機能を備えた画像形成装置において、前記インサート紙の画像データを含む全ての出力画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データ取得手段によって取得した画像データを記憶する第1の記憶手段と、前記インサート紙をインサートするページを指定する為のインサートページ指定手段と、前記インサートページ指定手段により、設定されたページに基づき、前記記録紙に対し、前記インサート紙を挿入するインサータ制御手段と、前記インサート紙の搬送途中で前記インサート紙の画像データを読み取る第1の読取手段と、前記第1の読取手段で読み取った画像データを記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段で記憶した画像データと前記第2の記憶手段で記憶した画像データを比較する比較手段とを持ち、前記インサートページに対応しない画像に対しては、前記画像形成部により、画像形成処理を行い、前記インサートページに対応する前記画像については、前記画像形成部による画像形成処理を行わず、前記インサータ制御手段による前記インサートページを挿入し、前記インサート紙に対し、前記比較手段により、前記第1の記憶手段で記憶した画像データと前記第2の記憶手段で記憶した画像データとが、一致しなかった場合は、画像形成処理を中断することを特長とする。
【0011】
また、前記比較手段により、前記第1の記憶手段で記憶した画像データと前記第2の記憶手段で記憶した画像データとが、一致しなかった場合は、前記インサート紙の積載状態が異常である旨を警告することを特徴とする。
【0012】
また、前記画像データ取得手段は、原稿を読み取る第2の読取手段であり、前記第2の読み取り手段によって、画像データを取得することを特徴とする。
【0013】
また、前記画像データ取得手段は、通信手段を介して外部装置から画像データを受信し、画像データを取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明に係る発明によれば、原稿読み取り手段、もしくは、外部装置からのデータ受信により、インサータ紙の情報を含む全ての出力画像データを取得し、取得したインサータページの画像データと、インサータ用紙搬送時に改めて読み込んだ画像データを比較することにより、インサータトレイへのインサート紙の積載ミスを効率的に発見できると共に、積載ミスを検出して、警告することにより、ユーザの画像形成作業を軽減することが可能となる。また、カバー紙を用いる必要が無いので、用紙の節減にもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【0016】
[第一実施形態]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明を適用した複写装置の概略構成を示す断面図である。なお、図1の複写装置は、カラー複写装置を示しているが、本発明は、白黒複写装置にも適用可能である。
【0018】
図1において、複写装置1000は、読取部101、画像形成部102、シート処理部103、及び操作部40を有している。
【0019】
読取部101は、自動原稿給送部51と、原稿上の画像を読取るための3ラインセンサ(以下、CCDという)76を有している。自動原稿給送部51は、原稿積載トレイ50にセットされた原稿Pを、原稿台ガラス78上の原稿読取位置まで1枚ずつ給送し、原稿読取位置で原稿画像が読取られると、当該原稿を排紙位置まで搬送する。なお、原稿積載トレイ50には、ユーザによりフェイスアップの状態で原稿Pがセットされる。原稿読取位置では、ランプ79により原稿Pに光が照射され、その反射光は、反射ミラー72,73,74、結像レンズ75を介してCCD76に入射される。
【0020】
CCD76は、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)のアナログ色信号を独立して得るためのカラーラインセンサ、各色毎に増幅するためのアンプ、アナログ色信号を8ビットのデジタル言号に変換するためのA/D変換器を有している。CCD76からの出力信号は、画像信号制御部77に入力される。
【0021】
画像形成部102は、記録紙の給紙・搬送機能と画像形成機能とを備えている。記録紙の給紙・搬送機能は、異なるサイズの複数の記録紙Sをそれぞれ積載した記録紙格納部53、54から記録紙Sを1枚ずつピックアップする記録紙給紙部55、56、記録紙給紙部55または56から給紙された記録紙Sをシート搬送パス57、シート搬送パス60を介して画像形成位置(後述の感光体ドラム62と対向する位置)へ搬送する複数の搬送ローラと、画像形成位置にてトナー画像が転写された記録紙Sを定着ローラ64の方向へ搬送する搬送ベルト63と、定着ローラ64によりトナー画像の定着処理がなされた記録紙Sをシート処理部103ヘ搬送する搬送ローラ65等により、実現されている。
【0022】
また、画像形成機能は、電子写真方式により実現され、具体的にはレーザスキャナ61、感光体ドラム62、現像器67、転写器68、クリーナ69、定着ローラ64等により実現されている。すなわち、レーザスキャナ61は、読取部101にて読取られ、画像信号制御部77を介して入力された原稿画像信号に基づいて、感光体ドラム62を走査するレーザ光を制御し、感光体ドラム62に静電潜像を形成させる。この静電潜像は、現像器67によりR,G,Bの各色のトナーによりトナー画像として現像される。そして、感光体ドラム62上のトナー画像は、転写器68により記録紙Sに転写され、定着ローラ64により記録紙S上に定着される。
【0023】
シート処理部(以下、フィニッシャという)103は、画像形成部102から搬送されてきた画像記録済みの記録紙Sを、各種の態様で装置外に排紙するものであり、主要な構成要素としてインサータ104、処理トレイユニット84、サンプルトレイ85、スタックトレイ86、及び各種のシート搬送機構を有している。
【0024】
インサータ104は、3段の各インサータトレイ20a,20b,20cにセットされたインサート紙Iを、画像形成部102から搬送されてきた記録紙Sと記録紙Sの間にインサート(中差し)するものである。なお、インサート紙Iは、本装置の画像形成部102にて画像形成処理が施されることなく、本装置で画像記録済みの記録紙Sと記録紙Sの間にインサートされる。
【0025】
インサータ104は、給紙ローラ21a,21b,21c、分離ローラ22a,22b,22c,搬送ローラ23a,23b,23c、インサート紙セットセンサ27a,27b,27c、給紙ソレノイド(ピックアップソレノイドともいう)43a,43b,43c(不図示)を有している。
【0026】
また、インサート紙Iの搬送パス上にはインサータパスセンサ41が設けられ、このインサータパスセンサ41の位置をインサート紙Iが通過したことが検知される。
【0027】
また、インサート紙Iの搬送パス上にはCCD90が、設けられ、パス上を通過するインサート紙Iの画像データを読取り読み取ったインサート紙Iの画像データと、前以て、読取部101内に設けられた前述のCCD76で読み取ったインサート紙Iに該当する原稿画像データとを比較することにより、インサート紙の積載ミスを検出する。
【0028】
なお、以降の説明において、各段のインサータトレイ20a,20b,20c、給紙ローラ21a,21b,21c等を区別せずに一般的に説明する場合は、例えばインサータトレイ20のように、各段を区別する為の添え字としてのa,b,cを削除した符号で示すこととする。
【0029】
給紙ローラ21は、通常、インサート紙Iから離間した位置で待機しており、後述するCPU2002により制御されるタイミングで、給紙ソレノイド43をオンすることによって、インサート紙Iに着地する。分離ローラ22は、給紙ローラ21にてピックアップされたインサート紙Iを1枚ずつ分離して給紙するためのローラであり、インサート紙セットセンサ27は、インサータトレイ20にインサータ紙Iがセットされているか否かを検知するためのセンサである。
【0030】
また、本実施形態では、インサート紙Iがインサータトレイ20にフェイスアップの状態でセットされることを前提としてインサート処理を行うように構成されており、給紙ローラ21は、最上層のインサート紙Iから順に1枚ずつフェイスアップ状態で搬送する。このフェイスアップ状態で搬送されたインサート紙Iは、搬送ローラ23、及び搬送ローラ24,26を介して、搬送ローラ2の位置へ搬送される。この搬送ローラ2の手前の搬送パスは、図示したように半円状になっているので、この半円状の搬送パスによりインサート紙Iは反転されてフェイスダウン状態となる。そして、インサート紙Iは、フェイスダウン状態のままサンプルトレイ85、又はスタックトレイ86ヘ搬送される。
【0031】
なお、インサート紙Iを専ら搬送するための上記の各種ローラは、インサータ用の1つの搬送モータ(図示省略)により回転駆動されている。また、上記の搬送ローラ2等のフィニッシヤ103内の他の搬送ローラは、他のモータ(図示省略)により駆動制御されている。
【0032】
一方、画像形成部102では、画像記録済みのフェイスアップ状態の記録紙Sをフェイスダウン状態でフィニッシャ103ヘ送り込む場合は、記録紙Sを一旦搬送ローラ66側へ送り込んだ後に、スイッチバックさせることにより、表裏反転させてフィニッシャ103ヘ送り込む。また、記録紙Sをフェイスアップ状態でフィニッシャ103ヘ送り込む場合は、搬送ローラ66側には送り込まずに(すなわち表裏反転させずに)、フェイスアップ状態の記録紙Sをそのままフィニッシャ103ヘ送り込む。
【0033】
従って、インサータ104を用いてインサート処理を行う場合、インサータ104からのインサート紙Iと画像形成部102からの記録紙Sのフェースの向きを一致させるため、画像形成部102では、記録紙Sを表裏反転させてフェイスダウン状態でフィニッシャ103の入口ローラ1ヘ送り込むようにしている。
【0034】
搬送ローラ2とその後方(出口側)の搬送ローラ3との間には、シート検知センサ31が配置されている。このシート検知センサ31は、搬送ローラ2から搬送されてくる記録紙S、またはインサート紙Iの通過を検知するための入口側のセンサとして機能する。
【0035】
また、搬送ローラ3の後方の搬送パスには、記録紙S、またはインサート紙Iの後端付近に穴あけ処理を行うパンチュニット50、比較的大口径ローラ(以下、バッファローラという)5が配置されている。このバッファローラ5の周囲には、バッファローラ5のロール面に記録紙S、またはインサート紙Iを押圧して搬送するための押付けコロ12,13,14が設けられている。
【0036】
また、バッファローラ5の後方の搬送パスは、ノンソートパス35とソートパス36とに分岐されており、ソートパス36は、さらにインサート紙Iを一時的にソートパス36から退避させるバッファパス44に分岐されている。ノンソートパス35とソートパス36との切変えは、第1の切換フラッパ11により行われ、ソートパス36とバッファパス44との切変えは、第2の切換フラッパ10により行われる。また、ノンソートパス35、ソートパス36には、それぞれのパス上の記録紙Sおよびインサート紙Iを検知するためのシート検知センサ33,32が設けられている。
【0037】
上記のように、インサート紙Iを一時的にソートパス36からバッファパス44に退避させておき、ソートパス36に画像形成部102からの記録済みの記録紙Sが搬送されてきたことをシート検知センサ32により検知した後に、バッファパス44に退避させておいたインサート紙Iをソートパス36に戻すことにより、インサート紙Iの挿入が行われる。
【0038】
また、ソートパス36には、記録紙S、またはインサート紙Iをサンプルトレイ85に排出するための排出ローラ9が設けられ、ソートパス36には、搬送ローラ6,7と、搬出ローラ83aと、処理トレイユニット84が設けられている。この処理トレイユニット84は、ステープルユニット80、中間トレイ82、整合板88、搬出ローラ83bを有している。
【0039】
中間トレイ82には、搬送ローラ6,7を介して搬送されてきた記録紙S及びインサート紙Iが一時的に集積され、この集積された記録紙S及びインサート紙Iは、整合板88により整合されてステープルユニット80によりステープルされる。そして、ステープルされた記録紙S及びインサート紙Iの束は、搬出ローラ83a,83bにより、スタックトレイ86に搬出される。
【0040】
なお、搬出ローラ83aは揺動ガイド81により揺動可能に支持され、搬出ローラ83bは固定的に支持され、揺動ガイド81が閉じ位置に来たときに搬出ローラ83aが中間トレイ82上の記録紙S及びインサート紙Iの束に当接し、この束を搬出ローラ83a,83bにより挟持してスタックトレイ86に搬出するように構成されている。また、束積載ガイド87は、スタックトレイ86、サンプルトレイ85上に積載されるシート束の後端縁(方向に対して後端縁)を突き当て支持するガイドであり、フィニッシャ103の外装を兼ねている。
【0041】
このような構成の下で、ユーザは、原稿積載トレイ50に原稿Pをセットし、操作部40にて複写装置1000に対する各種のモード設定等を行った後に画像形成処理を開始させる。複写装置1000は、設定されたモードに応じて、読取部101にて原稿Pの読取処理を行うと共に、画像形成部102にて記録紙格納部53、または54からの画像記録位置への記録紙Sの給紙を開始する。
【0042】
また、操作部40にて指示されたシートの分類、インサート紙Iの挿入動作等に必要な部数等のデータと分類動作開始信号等の制御信号フィニッシャ103に対して送出し、フィニッシャ103の動作を開始させる。
【0043】
次に、読取った原稿の画像情報に基づいて感光体ドラム62上に静電潜像を形成し、その静電潜像をトナー画像として現像して、画像記録位置に搬送された記録紙S上に転写して定着させる。そして、フィニッシャ103により、インサート紙Iの給送、シートの分類、インサート紙Iの挿入、ステープル処理を行う。
【0044】
図2は、画像信号制御部77の構成を示すブロック図である。CCD76からの出力信号は、シェーディング補正部301にて各色毎にシェーディング補正され、シフトメモリ部302にて各色間、及び画素間のずれが補正され、その後、色判定部310、及び光濃度変換のための対数補正を行うLOG変換部303に入力される。
【0045】
LOG変換部303から出力された各色の濃度信号Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)は黒生成部304に入力される。黒生成部304では、入力された各色の濃度信号に基づいて黒信号(BK)が生成される。マスキング/UCR部305では、黒生成部304から出力されるY、M、C、BK信号に対して、カラーセンサ(CCD)76のフィルタ特性、及びトナー濃度特性に関する補正を行ない、この補正処理の後、4色の信号の中で現像されるべき1色の信号を選択して濃度変換部307に出力する。
【0046】
濃度変換部307では、マスキング/UCR部305から出力された色信号に対して、プリンタ(画像形成部102)の現像特性やユーザの指示に応じた濃度変換が行われ、トリミング処理部308にてユーザの所望する区間の編集処理が行なわれた後に、画像形成部102のレーザスキャナ61に出力される。
【0047】
また、色判定部310では、シフトメモリ部302から供給された原稿Pの各色の読取画像信号の信号レベルに基づいて、原稿Pの各読取画像が無彩色(白黒画像)であるか、或いは有彩色を含んでいる(カラー画像)かを判定する。すなわち、R、G、Bの各色信号のレベル差が小さい場合は、無彩色であると判定し、レベル差が大きい場合は、有彩色と判別する。
【0048】
図3は、本実施形態の複写装置1000を制御する制御部300の構成を示すブロック図である。CPU回路部200は、メモリ2001、中央処理演算部(以下、CPUという)2002、I/O制御部2003を含んでいる。メモリ2001は、ROM、RAMなどにより構成されている。ROMには後述するフローチャートに対応するプログラム等の各種プログラムや所定のデータがプリセットされており、RAMは、ROM内のプログラムに従ってCPU2002により各種の処理を行う際にワークエリアとして利用される。また、RAMは、ICカード、フロッピーディスク等から読出したプログラムやデータの記憶媒体としても利用される。
【0049】
I/O制御部2003は、CPU回路部200と、CPU回路部200の外部の操作部制御部201、読取制御部202、画像形成制御部204、記録紙給紙制御部203、及びシート処理制御部205の間で授受される制御信号、データの入出力を制御する。なお、CPU2002は、各種の処理を行う際に、CPU2002以外の上記の全ての構成要素を統御するものである。
【0050】
読取制御部202は、操作部40の各種のキーをスキャンしたり、操作部40の表示部の表示制御を行う。また、読取制御部202は、読取部101における前述の原稿画像の読取動作を制御する。画像形成制御部204は、画像形成部102における前述の画像形成動作を制御する。記録紙給紙制御部203は、画像形成部102における前述の記録紙Sの搬送動作を制御する。また、シート処理制御部205は、シート処理部103における前述のインサート紙Iのインサート処理を含むシート処理を制御する。
【0051】
次に、操作部40について説明する。図4は、本複写装置1000の操作部40を示す図である。
【0052】
図4において、パワーランプ621は、電源が入っていることを示すためのランプであり、パワースイッチ613による電源のON/OFFの切換えに応じて点灯/消灯する。テンキー622は、画像形成(コピー)部数の設定や動作モードの設定等を行う際の各種の数値入力用、或いはファクシミリ設定モード時の電話番号入力用として使用する。
【0053】
クリアキ−623は、テンキー622で入力した設定内容をクリアする場合に使用する。リセットキ−616は、設定したコピー部数や各種の動作モード、選択した給紙段等のモードを既定値に戻すためのものである。また、スタ−トキー614を押下することで、コピー動作を開始させることができる。スタートキ−614の中央には、赤色とグリーンのLEDが設けられ、コピー動作を開始できない状態であれば赤色のLEDが点灯し、コピー動作を開始できる状態であればグリーンのLEDが点灯するように構成されている。
【0054】
ストップキー615は、コピー動作の停止を行う際に使用する。また、ガイドキ−617を押下した後に、他のキーを押下すると、当該他のキーにより設定し得る機能の説明が表示パネル620にガイダンス表示される。このガイダンス表示を解除する場合は、再度、ガイドキ−617を押下すればよい。ユーザ設定キー618は、本複写装置1000に予め設定されている規定の設定値をユーザが変更する場合に使用する。ユーザが変更できる設定内容としては、例えば、複写装置1000に対する設定を自動的にクリアするまでの時間や、リセットキ−616を押下した際にリセットされるモード等がある。また、コピー動作中に割込みキー619を押下すると、現在実行中のコピー動作が中断されて新たなコピー動作が可能となり、その新たなコピー動作の終了後に中断に係るコピー動作が再開される。
【0055】
表示パネル620は、液晶タッチパネルにより構成されており、詳細なモード設定を容易にすべく、モ−ドに応じて表示内容が切換えられ。
【0056】
図4に示した表示パネル620には、複写動作モードの設定画面が表示され、この設定画面には、複数のタッチキー624〜632が表示されている。これらタッチキーのうち、用紙選択キー627は、所望のサイズの記録紙を選択するためのタッチキーであり、縮小キー628、等倍キー629、拡大キー630は、それぞれ縮小コピー、等倍コピー、拡大コピーのモードを設定するのタッチキーである。
【0057】
応用モードキ−626は、多重動作や縮小レイアウトモード、表紙・合紙モード等の応用機能モードを設定するためのタッチキーである。この応用モードキ−626を押下することにより、各種の応用機能モードを設定するための設定画面が表示パネル620に表示されるので、この設定画面等を利用して所望の応用機能モードを設定する。
【0058】
両面動作設定キー624は、両面コピー動作に関する各種のモードを設定するためのタッチキーであり、例えば、2枚の片面原稿の画像を記録紙の両面に振分けてコピーする「片一両モード」、両面原稿の両面の画像を記録紙の両面に振分けてコピーする「両一両モード」、両面原稿の両面の画像を2枚の記録紙の片面に振分けてコピーする力する「両一片モード」等の設定を行う際に使用する。
【0059】
排紙処理キー625は、フィニッシャ103の各種動作モードの設定や画像メモリを用いた出力紙の仕分けモードの設定、インサート処理を行うためのインサートモードの設定等を行う際に使用するタッチキーである。
【0060】
インサータ原稿読取モードキー630は、原稿読取モードを設定するためのタッチキーである。
【0061】
インサータ原稿読取モードでは、原稿積載トレイ50に積載されている複数原稿Pの中にインサート紙Iに対する画像データを含む1束全ての原稿Pを読み取るモードで、コピー処理は、インサート紙Iに対する画像データ以外を抽出して行われる。
【0062】
インサータ原稿読取モードキー630が押下された場合は、タッチキーが白黒反転表示となり、インサータ原稿読取モードが設定されていることが分かるようになっている。また、反転状態のタッチキーを押下すると当該モードが解除となり、そのタッチキーは非反転表示(通常表示)となる。なお、インサータ原稿読取モードキー630のタッチキーが非反転表示の場合は、初期状態であり、原稿積載トレイ50にセットされた原稿Pの全てに対してコピー処理を行う通常読取モードが設定されていることを示している。
【0063】
上記のインサータ原稿読取モードでは、インサート紙Iを含む原稿全てに対する画像を前以て読み取り部101で読み取っておき、実際にインサート処理を行う際に、前以て読み込んでおいたインサート紙Iの画像データと実際にインサータ104から給紙され、シート処理部103内のCCD90で読み取った画像データとを比較することでインサート紙Iの積載ミスを検出する為に使用される。
【0064】
表示パネル620内に表示されているタッチキーのうち、現時点で使用できないタッチキ−については、その表示枠を点線で表紙するか、或いは表示部分全体を網掛けで表示するようにしている。また、表示パネル620内の上方箇所には、設定した複写動作の内容や現在の動作状態が表示され、図4では、表示パネル620の中央部の設定画面がコピーAの設定画面であり、コピーAに係るコピーが可能である旨等が表示されている。また、表示パネル620内の下方箇所には、その他の機能モードの動作状態が表示され、図4では、コピーBに係る画像を画像形成部102に出力中である旨が表示されている。
【0065】
図4において、コピーA機能キー601、コピーB機能キー604、ファックス機能キー607、プリンタ機能キー610は、複写動作、ファックス動作、プリンタ動作の各機能を設定すべく、表示パネル620の表示内容を切替えるために使用される機能キーである。これら機能キーのキーボタンは、半透明のキーボタンで構成されており、キーの内部にはLED等の表示ランプ(不図示)が設けられている。そして、操作された機能キーの表示ランプのみが点灯制御される。
【0066】
また、これらの機能キーの右側に配置されているグリーンのLED603、606、609、612は、各機能の動作状況を表すべく点灯制御される。例えば、コピーB機能キー604を押下し、表示パネル620にコピーBの操作画面を表示させた場合は、コピーBに係る処理がスタンバイ中であればコピーB機能キー604の右側のLED606は消灯制御される。また、図4のように、コピーBが出力動作中であれば、コピーB機能キー604の右側のLED606は点滅制御される。さらに、コピーBの画像がメモリ2001に保存されているが、コピーBのプリント動作が行われていない状態では、コピーB機能キー604の右側のLED606は点灯制御される。
【0067】
一方、コピーA機能キー601、コピーB機能キー604、ファックス機能キー607、プリンタ機能キー610の左側に配置されている赤色のLED602、605、608、611は、各機能で異常が発生した場合に点灯制御される。例えば、コピーBに係る処理の最中に紙なし中断やジャムなどの異常が発生した場合は、コピーB機能キー604の左側のLED605が点滅制御される。この状態でコピーB機能キー604を押下してコピーB機能に切替えると、表示パネル620にコピーBの異常状況の詳細が表示される。
【0068】
上述したこれらの機能キー601、604、607、610は、いずれの動作状況であってもキー操作が受理され、表示パネル620に表示させる設定画面を変更することが可能となっている。
【0069】
そして、前述したストップキー615、スタートキ−614、リセットキ−616など、表示パネル620の外部に存在するキーは、コピーA機能キー601、コピーB機能キー604、ファックス機能キー607、プリンタ機能キー610の中から選択した機能に対応づけて機能させ得るようになっている。例えば、図4のように、コピーAの操作画面を表示パネル620上に表示している時に、コピーBの複写動作を停止させるには、コピーB機能キー604を押下して操作画面をコピーBの操作画面に切替えた後に、ストップキー615を押せばよい。また、ユーザ設定キー618により変更した内容は、その変更時に選択していた機能に対して反映されているので、それぞれの機能に対して独立してユーザ設定を行うことができる。
【0070】
図5は、図4の表示パネル620内の排紙処理キー625を押下することにより切替えられた排紙処理設定画面を示した図であり、この排紙処理設定画面にて、排紙処理に関する各種の排紙モードを選択することになる。
【0071】
ソートキ−632は、ソートモードによる排紙処理の設定、ステープルキー633は、ソートした出力紙に対してステープル処理を行うモードの設定、グループキー634は、1つの原稿に対するコピーを1つのビンに排紙するためのグループモードの設定を行うために使用する。S置きインサートキー635、F置きインサートキー636は、インサート処理を行うモードの設定を行うキーである。これらS置きキー635、F置きキー636にて設定されるS置きモード、F置きモードについては、後述する。
【0072】
なお、上述した排紙処理を設定するためのソートキー632、ステープルキー633、グループキー634のタッチキーは排他的なものであって、各モードから排紙モードを選択できるようになっている。また、インサートのモードを指示するS置きインサートキー635、F置きインサートキー636のタッチキーも排他的であり、何れかのキーが選択されている場合は、異なる側のタッチキーは選択できない。
【0073】
また、図5,図6に示した取消キー637は、当該設定画面で設定したモードをキャンセルする場合に使用し、OKキー638は、該設定画面にて設定したモードを確定する場合に使用する。
【0074】
図7は、上記のS置きモードとF置きモードを説明するための図である。本明細書では、図7(a)のように、各インサータトレイ20a〜20cに一種類(同一ページ)のインサート紙Iが積載されている場合をS置きモードといい、図7(b)のように、各インサータトレイ20a〜20cに複数ページ分のインサート紙Iをページの若い順に積重ねて積載する場合をF置きモードと呼んでいる。
【0075】
[S置き/F置きモードの設定処理]
次に、これらS置きモード、F置きモードの設定処理を、図8のフローチャートに従って説明する。この設定処理は、操作制御部201から入力された信号に基づいて、CPU2002の制御の下に実行される。
【0076】
CPU2002は、まず、操作部40の表示パネル620上のインサート給紙モードが選択されたか否かを判別する(ステップS101)。その結果、インサート給紙モードが選択されなかった場合は、本設定処理を終了する。
【0077】
一方、インサート給紙モードが選択された場合は、S置きキー635が操作されたか否かを判別する(ステップS102)。その結果、S置きキー635が操作された場合は、インサータトレイ20a〜20cへのインサート紙Iの積載態様を示すモードとして、S置きモードを設定して(ステップS103)、終了する。
【0078】
一方、S置きキー635が操作されなかった場合は、F置きキー636が操作されたか否かを判別し(ステップS104)、F置きキー636が操作されなかった場合は、本設定処理を終了する。F置きキー636が操作された場合は、インサータトレイ20a〜20cへのインサート紙Iの積載態様を示すモードとして、F置きモードを設定して(ステップS105)、終了する。
【0079】
[インサータ動作制御処理]
次に、CPU2002の制御の下に行われるインサータ動作制御処理を図9,図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0080】
CPU2002は、コピーモードとしてインサート紙Iを挿入するインサートモードが設定されている場合に、スタートキー614によりコピーが指示されると(ステップS201)、インサータトレイ104に積載されているインサート紙Iの積載態様として、S置きモード、F置きモードのいずれが設定されているかを判別する(ステップS202)。
【0081】
その結果、S置きモードが設定されている場合は、ステップS203に進み、使用されているインサータトレイ20a〜21cの個数を定数kにセットする(ステップS203)。ここで、「使用されている」とは、本装置に搭載されているインサータトレイ20a〜21cの個数ではなく、使用者が実際にインサート紙Iを積載したインサータトレイの個数を意味し、この個数は使用者によって入力される。
【0082】
次に、最初にインサート紙Iを給紙するインサータトレイ20aの番号として“1”を変数iにセットする(ステップS204)。そして、インサータ給紙タイミング信号が発生されたか否か、すなわちインサート紙Iを給紙するタイミングが到来したか否かを判別する(ステップS205)。インサート紙Iを給紙するタイミングについては、図11,図12を用いて後述する。
【0083】
ここで、インサータ給紙タイミング信号が発生すると、変数iで示される番号のインサータトレイ20にインサート紙Iが積載されているか否かをインサータ104(シート処理部205)に問合わせる(ステップS206)。このインサート紙Iの積載の有無は、変数iで示される番号のインサータトレイ20のインサート紙セットセンサ27により行われる(後述のステップS218,S225も同様)。
【0084】
その結果、インサート紙Iが積載されていなければ、インサート紙Iを補給するようメッセージを表示し(ステップS207)、インサート紙有りフラグを“0”クリアして(ステップS208)、ステップS206に戻る。一方、インサート紙Iが積載されていれば、インサート紙有りフラグに“1”をセットする(ステップS209)。そして、インサータ動作要求フラグに“1”をセットして、変数iと共にインサータ104に出力する(ステップS210)。
【0085】
次に、インサート紙Iの給紙処理の完了を示す“0”のインサータ動作要求フラグがインサータ104から返送されてきたか否かを判別する(ステップS211)。その結果、まだ、返送されてこない場合は、ステップS211に戻ることにより、インサート紙Iの給紙処理が完了するのを待つ。
【0086】
“0”のインサータ動作要求フラグがインサータ104から返送されてきた場合は、変数iと定数Kが等しいか否か、すなわち現在指定されているインサータトレイ20の番号が使用中のインサータトレイ数と等しくなっているか否かを判別する(ステップS212)。その結果、等しくなっている場合には、ステップS210でのインサータ動作要求が最後のインサート紙Iの挿入要求であったか否かを判別し(ステップS213)、最後のインサート紙Iの挿入要求でなかった場合は、再度、トレイ番号“1”のインサータトレイ20からインサート紙Iを給紙すべくステップS204に戻り、最後のインサート紙Iの挿入要求であった場合は、終了する。
【0087】
一方、現在指定されているインサータトレイ20の番号が使用中のインサータトレイ数と等しくなっていなかった場合は、変数iを“1”だけインクリメントして(ステップS214)、ステップS205に戻る。従って、S置きモードが設定されている場合であっても、インサータトレイ20の段数やコピー部数が多く、用紙が無くなったインサータトレイ20に対してインサート紙Iを捕給する時間的な余裕がある場合には、ジョブを停止させることなくコンティニアスランが可能であり、インサータトレイ20の段数より多くの種類のインサート紙Iを自動的にインサートさせることも可能となる。
【0088】
ステップS202において、インサータトレイの積載態様がF置きモードであると判別された場合は、使用されているインサータトレイ20a〜21cの個数を定数kにセットする(ステップS215)。次に、最初にインサート紙Iを給紙するインサータトレイ20aの番号として“1”を変数iにセットする(ステップS216)。
【0089】
そして、インサータ給紙タイミング信号が発生されたか否か、すなわちインサート紙Iを給紙するタイミングが到来したか否かを判別する(ステップS217)。ここで、インサータ給紙タイミング信号が発生すると、変数iで示される番号のインサータトレイ20にインサート紙Iが積載されているか否かをインサータ104(シート処理部205)に問合わせる(ステップS218)。
【0090】
その結果、インサート紙Iが積載されていなければ、インサート紙Iを補給するようメッセージを表示し(ステップS219)、インサート紙有りフラグを“0”クリアして(ステップS220)、ステップS218に戻る。一方、インサート紙Iが積載されていれば、インサート紙有りフラグに“1”をセットする(ステップS221)。そして、インサータ動作要求フラグに“1”をセットして、変数iと共にインサータ104に出力する(ステップS222)。
【0091】
次に、インサート紙Iの給紙処理の完了を示す“0”のインサータ動作要求フラグがインサータ104から返送されてきたか否かを判別する(ステップS211)。その結果、まだ、返送されてこない場合は、ステップS211に戻ることにより、インサート紙Iの給紙処理が完了するのを待つ。
【0092】
“0”のインサータ動作要求フラグがインサータ104から返送されてきた場合は、ステップS222でのインサータ動作要求が最後のインサート紙Iの挿入要求であったか否かを判別し(ステップS224)、最後のインサート紙Iの挿入要求であった場合は、終了する。一方、最後のインサート紙Iの挿入要求でなかった場合は、現在、変数iで指定されているインサータトレイ20に未だインサート紙Iが有るか否かを判別する(ステップS225)。その結果、未だインサート紙Iが有る場合は、ステップS217に戻ることにより、現在指定中のインサータトレイ20からのインサート紙Iの給紙を続行する。
【0093】
一方、現在指定中のインサータトレイ20にインサート紙Iが無い場合は、次のインサータトレイ20から給紙すべく、変数iを“1”だけインクリメントする(ステップS226)。そして、変数iが定数K以下であるか否か、すなわち最後のトレイ番号のインサータトレイ20のインサート紙Iまで全て給紙し終えたか否かを判別し(ステップS227)、まだ給紙し終えていなければ、ステップS217に戻る。一方、最後のトレイ番号のインサータトレイ20のインサート紙Iまで全て給紙し終えた場合は、再度、トレイ番号“1”のインサータトレイ20からインサート紙Iを給紙すべくステップS216に戻る。
【0094】
従って、F置きモードが設定されている場合には、用紙がなくなったインサータトレイ20に対してインサート紙Iを捕給することで、ジョブを停止させることなくコンティニアスランが可能である。
【0095】
[インサータ給紙タイミング信号の発生処理]
次に、上記のインサータ給紙タイミング信号の発生処理を、図11のフローチャートに従って説明する。なお、インサータトレイ104には、挿入すべきインサート紙Iが積載され、原稿積載トレイ50には、インサート紙の画像データを含む全ての原稿が混在した状態のオリジナルの複数原稿が積載されている。
【0096】
CPU2002は、まず、インサータ原稿読取モードキー630の操作によりインサータ原稿読取モードが選択されているか否かを判別し、インサートすべきページの番号が入力されるのを待つ(ステップS301)。例えば、図7の(c)のように、原稿ページ数が8ページでインサートしたいページが4ページ、6ページ、8ページの3ページであった場合は、操作部40からそのページ番号“4”、“6”、“8”を入力すればよい。
【0097】
インサートページのページ番号が入力されると、スタートキー614の操作によりコピースタートが指示されるのを待つ(ステップS302)。次に、コピー開始時には、全ての原稿を読み取ったから否かを判別する為のフラグである原稿読取完了フラグをゼロにクリアしておく(ステップS303)。
【0098】
続いて、原稿読取完了フラグが、1にセットされていれば、既に全ての原稿に対する読み込みが完了していると判断しステップ306へ、原稿読取完了フラグが、1にセットされていなければ、まだ全ての原稿についての読み込みが完了していないと判断し、ステップ305へ進む(ステップS304)。
【0099】
ステップ304で、全ての原稿の読み取りが完了していないと判断されると、原稿を1枚給紙するとともに該原稿を読み込む(ステップS305)、続いてページカウンタを“1”だけインクリメントする(ステップS306)。そして、ページカウンタで示される原稿ページがインサートページであるか否かを判別する(ステップS307)。その結果、インサートページでなければ、画像形成処理等の一連のコピー処理を行って(ステップS308)、ステップS311に進む。
【0100】
一方、インサートページであれば、ステップS309に進む。ステップS309では、インサータ給紙タイミング信号を発生する。
【0101】
なお、上記の説明から推測できるように、インサートページのタイミングでは、原稿給紙処理だけが行われ、それ以降のコピー処理は実行されないこととなる。これは、当該インサートページに係る原稿は、インサート紙Iとしてインサータトレイ20にセットされており、インサートページについてコピー処理を行うと、同一ページをコピーしたコピー紙が重複してしまうので、その重複を回避するためである。
【0102】
次に、インサート紙有りフラグが“1”になるのを確認して(ステップS310)、給紙した原稿、またはインサートページ(インサート紙)が原稿束の最後であったか否かを判別する(ステップS311)。その結果、原稿束の最終ページでなかった場合は、ステップS304に戻る。原稿束の最終ページであった場合は、全ての原稿を読み取ったとして、原稿読取完了フラグを1にセット(ステップS312)するとともに、一束分の原稿に対する給紙動作を完了したとして、原稿ページカウンタをゼロにクリア(ステップS313)する。
【0103】
さらに最後のジョブであったか否か、すなわち、設定されているコピー部数の最後の部数に対応する原稿束の最終ページであったか否かを判別する(ステップS314)。その結果、最後のジョブであった場合は終了し、最後のジョブでなかった場合は、ステップS306に戻る。
【0104】
[インサート紙の給紙処理]
次に、インサータ104を用いたインサート紙Iの給紙処理を、図12のフローチャートに従って説明する。なお、このインサート紙Iの給紙処理は、CPU2002の制御の下にシート処理制御部205により行われるものである。
【0105】
シート処理制御部205は、CPU2002からの“1”のインサータ動作要求フラグを受信すると(ステップS401)、受信した変数iで示されるインサータトレイ20の給紙ソレノイド43(不図示)をオンすることにより、当該トレイの給紙ローラ21をインサート紙I上に着地させる(ステップS402)。そして、当該トレイ20のインサート紙Iを搬送すべく、インサータ用の搬送モータをオンして上記給紙ローラ21等のインサータ用のローラを回転させる(ステップS403)。
【0106】
次に、インサート紙Iの搬送パス上に設けられたインサータパスセンサ41が一旦オンすることを確認し(ステップS404)、後にオフしたのを確認して、すなわちインサート紙Iの後端がインサータパスセンサ41の位置を通過したことを確認して(ステップS405)、インサータ用の搬送モータをオフする(ステップS406)。なお、インサータ用の搬送モータをオフした後は、インサートIは、記録紙Sと共通の搬送パスの搬送ローラ用の搬送モータ(図示省略)によりソートパス36に搬送されて、画像形成部102から搬送されてきた記録紙Sに対してインサートされる(以下、同様)。
【0107】
次に、上記変数iで示されるインサータトレイ20のピックアップソレノイド43をオフすることによって、当該トレイ20の給紙ローラ21をインサート紙Iから離れた位置に退避させる。そして、インサータ動作要求フラグを“0”クリアしてCPU2002に返却する(ステップS408)。
【0108】
次に、インサート紙Iの画像データをCCD90で読み取る(ステップS409)。そして、読み取った画像データと先ほどの[インサータ給紙タイミング信号の発生処理]内のステップS305で読み取り部101で読み込んだインサータページの画像データとを比較する(ステップS410)。比較した画像データが同一であれば、正しくインサート処理が行われていると判断し、インサート紙の給紙処理を終了し、次のインサート紙の給紙要求に備える。一方、インサート紙Iの画像データと、前以て、読み取り部101で読み込んだインサータページの画像データとが異なっていれば、インサータトレイ20に適切にインサート紙Iがセットされていない状態であると判断し、コピー処理を中断する(ステップS412)とともに、ユーザに対し、インサート紙Iの画像データのミスマッチの通知、及び、インサート紙Iのセット状態を確認する旨の警告(ステップS413)を行い、終了する。警告方法については、以下で説明する。
【0109】
図6は、図1の複写装置の操作部の表示パネルにインサータ警告メッセージが表示された状態の一例を示す図である。
【0110】
警告メッセージ部639は、操作部40内の表示パネル620の下方に、画像形成処理の警告メッセージを表示する情報表示欄であり、例えば、図12のステップS413等の様にユーザに対し、警告メッセージを表示する際に使用される。警告メッセージを表示することにより、ユーザに対し、適切な不具合状態の通知と、適切な復帰作業指示を行うことが可能となり、ユーザビリティを向上させることが出来る。
【0111】
本実施例では、インサート紙の画像データを含む全ての原稿が混在した状態のオリジナルの複数原稿を積載し、原稿読取処理で、読み込む例を挙げたが、インサート紙Iの画像データのみを前以て原稿読取処理で読み込んでおき、インサートページをメモリ2001に保持しておき、改めて画像形成する原稿のみを読み取り、先ほどのインサートページをページ指定しインサートするコピー処理を行っても構わない。
【0112】
また、本実施例では、オリジナルの画像データを取得する為に、原稿積載トレイ50に積載した原稿Pを自動原稿給装部51により給紙搬送し、CCD76で読み取る例で説明したが、画像データは、外部装置から通信回線を介して取得しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明を適用した複写装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1の複写装置の画像信号制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の複写装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の複写装置の操作部の表示パネルに複写動作モードの設定画面が表示された状態を示す図である。
【図5】図1の複写装置の操作部の表示パネルに排紙処理設定画面が表示された状態を示す図である。
【図6】図1の複写装置の操作部の表示パネルにインサータ警告メッセージが表示された状態を示す図である。
【図7】S置きモードとF置きモードを説明する為の図である。
【図8】S置きモードとF置きモードの設定処理を示すフローチャートである。
【図9】インサータ動作制御処理を示すフローチャートである。
【図10】図9の続きのフローチャートである。
【図11】インサータ給紙タイミング発生処理を示すフローチャートである。
【図12】インサート紙の給紙処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
20a,20b,20c インサータトレイ
21a,21b,21c 給紙ローラ
22a,22b,22c 分離ローラ
23a,23b,23c 搬送ローラ
40 操作部
41 インサータパスセンサ
43a,43b,43c 給紙ソレノイド(不図示)
44 バッファパス
50 原稿積載トレイ
76 CCD(102画像形成部内)
90 CCD(103シート処理部内)
101 読み取り部
102 画像形成部
103 シート処理部
104 インサータ
205 シート処理制御部
639 警告メッセージ部
1000 複写装置
2001 メモリ
2002 CPU
I インサート紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部により画像形成処理が施された記録紙に対して、トレイに積載されたインサート紙を画像形成部を経由することなく搬送してインサートする機能を備えた画像形成装置において、
前記インサート紙の画像データを含む全ての出力画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段によって取得した画像データを記憶する第1の記憶手段と、
前記インサート紙をインサートするページを指定する為のインサートページ指定手段と、
前記インサートページ指定手段により、設定されたページに基づき、前記記録紙に対し、前記インサート紙を挿入するインサータ制御手段と、
前記インサート紙の搬送途中で前記インサート紙の画像データを読み取る第1の読取手段と、
前記第1の読取手段で読み取った画像データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段で記憶した画像データと前記第2の記憶手段で記憶した画像データを比較する比較手段とを持ち、
前記インサートページに対応しない画像に対しては、前記画像形成部により、画像形成処理を行い、前記インサートページに対応する前記画像については、前記画像形成部による画像形成処理を行わず、前記インサータ制御手段による前記インサートページを挿入し、前記インサート紙に対し、前記比較手段により、前記第1の記憶手段で記憶した画像データと前記第2の記憶手段で記憶した画像データとが、一致しなかった場合は、画像形成処理を中断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記比較手段により、前記第1の記憶手段で記憶した画像データと前記第2の記憶手段で記憶した画像データとが、一致しなかった場合は、前記インサート紙の積載状態が異常である旨を警告することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像データ取得手段は、原稿を読み取る第2の読取手段であり、前記第2の読み取り手段によって、画像データを取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像データ取得手段は、通信手段を介して外部装置から画像データを受信し、画像データを取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−102243(P2010−102243A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275555(P2008−275555)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】