説明

画像形成装置

【課題】クリーニングブレードなどのクリーニング部材の損傷、クリーニング不良をできるだけ防止して、クリーニングブレードの高寿命化、クリーニング性能の向上を図る。
【解決手段】画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成部2と、画像形成部を制御する制御部を備え、画像形成部2は、滑材を含む現像材14aによって現像された画像を担持して他に転写する像担持体(感光体11)と、転写後に像担持体に残留した前記現像剤をクリーニングするクリーニング部材(クリーニングブレード30、31、32、33)を備え、クリーニング部材は、クリーニングに際し使用の切り替えが可能な複数のクリーニング部30a、31a、32a、33aを有し、制御部は、画像情報の画像印字率に応じて前記クリーニング部の使用切り替えを行うので、クリーニング部材が高寿命化し、クリーニング性能が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成装置に関するものであり、感光体などの像担持体に残留した現像材をクリーニングするクリーニング部材を備えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ、複合機などの画像形成装置では、画像情報に基づいて画像形成部において画像を形成し、これを用紙に転写している。具体的には、図7に示すように、画像形成部10では、像担持体である感光体11を帯電器12により帯電させ、画像情報に従ってレーザダイオードなどの書き込み器13によって前記感光体11に潜像を形成する。この潜像を現像器14に収容した現像材14aによって現像し、これを転写器15によって用紙に転写する。また、感光体に形成した現像画像を一旦二次転写部材に転写し、二次転写部の画像を転写器によって用紙に転写する画像形成装置もある。カラーの画像形成装置では、各色用の感光体から二次転写部材に画像を転写し、二次転写部材から用紙に画像を転写している。上記感光体および二次転写部材は画像を担持する像担持体に相当する。
【0003】
これらの像担持体では、画像を転写した後にも、一部の現像材が像担持体表面に残留する。この残留した現像材は、次頁の画像形成を行う際に汚れなどの原因になるため、上記帯電前に、図7に示す、クリーニングブレード、クリーニングベルトなどのクリーニング部材16を感光体11などの像担持体に接触させて該像担持体に残留した現像材を除去している。クリーニングブレード16は、図8(a)にしめすように、エッジ16aが感光体11に接触し、感光体11の回転とともに移動する現像材14aを前記エッジ16aで掻きおとす。
なお、画像形成装置によっては、クリーニング部材として、一枚のクリーニングブレードなどを備えるものの他に、2枚以上のクリーニングブレードなどを備えるものがある。比較的印刷速度の速い画像形成装置では、2枚のクリーニングブレードを備えることにより、総印字枚数や総コピー動作時間などに基づいてクリーニングブレードを切り替えてクリーニングユニットのメンテナンスサイクルやクリーニングユニットの高寿命化を図っている。
【0004】
また、反発弾性率の異なる複数のクリーニングブレードを備え、これを交換使用可能にした画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。該特許文献1の画像形成装置では、環境温度と環境湿度に応じて反発弾性率の異なるクリーニングブレードを使い分けることで環境の変化に対応して良好なクリーニング性能を確保するものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−323097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、画像が担持されている像担持体から現像材を剥離しやすくして画像転写を良好に行えるように、滑材を混入させた現像材が使用されることがある。この現像材を感光体に塗布して画像形成を行う構成の画像形成装置において、画像印字率の異なる画像を形成すると、使用される現像材の量が異なるため、これに含まれる滑材の塗布量も当然変わってくる。
しかし、像担持体表面の滑材の塗布量が異なると、像担持体に残留する現像材をクリーニングブレードによって除去する際に、像担持体とクリーニングブレードとの摩擦力が変わる。そして、滑材を含む現像材を用いて画像印字率が高いJOBの実行が続くと、クリーニングブレードの寿命が短命になり、現像材のすり抜けやクリーニングブレードのエッジ破壊が起き、クリーニング不良になるという問題がある。特に高画像印字率が続いた状態で使用されたクリーニングブレードを低画像印字率のJOBに際しクリーニングに使用すると、現像材のすり抜けが顕著になり、寿命の短命化が早まる。
複数のクリーニングブレードを備える上記画像形成装置においても、メンテナンスサイクルを長くできるだけであって、上記の問題は同様に発生し、クリーニングブレードの寿命の短命化などを回避することは困難である。
【0007】
図8(b)(c)は、感光体11に塗布した現像材14aをクリーニングブレード16によって除去する際に、画像印字率の相違によりクリーニングブレード16の摩耗が異なる状態を示している。
高画像印字率の場合、感光体11表面に多くの量の現像材とともに滑材が存在するため、滑材量が多くなる。滑材量が多くなると、感光体表面が鏡面化し、クリーニングブレード16に対する摩擦力が増し、図8(b)に示すように、クリーニングブレード16の摩耗が大きくなって、クリーニングブレードの損傷も生じやすくなる。このクリーニングブレードを低画像印字率のJOBで用いると、損傷部分での現像材のすり抜けが生じやすくなりクリーニング不良となり、早期に使用不可になる。
一方、低画像印字率の場合、感光体11表面では現像材の量が少なくなるとともに滑材量が少なくなり、感光体表面の摩擦力が少なくなるため、図8(c)に示すように、低画像印字率で使用する限りはクリーニングブレードがきれいに摩耗していき、良好なクリーニング作用が得られる。
【0008】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、画像印字率が極端に異なる場合にも、クリーニング性能を良好に維持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明の画像形成装置は、画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成部と、該画像形成部を制御する制御部とを備え、
前記画像形成部は、滑材を含む現像材によって現像された画像を担持して他に転写する像担持体と、前記転写後に前記像担持体に残留した、前記滑材を含む現像材をクリーニングするクリーニング部材と、を備え、
前記クリーニング部材は、クリーニングに際し使用の切り替えが可能な複数のクリーニング部を有し、
前記制御部は、前記画像情報の画像印字率に応じて前記クリーニング部の使用切り替えを行うことを特徴とする。
【0010】
前記像担持体は、感光体または二次転写ベルトなどの二次転写部材もしくは両方が例示される。
また前記クリーニング部材は、代表的にはクリーニングブレードが例示されるが、本発明としてはこれに限定されるものではなく、クリーニング機能を有するものであればよい。クリーニング部材は、複数のクリーニング部を有するものであり、例えば、複数のクリーニング部材を備え、各クリーニング部材に設けられたクリーニング部を使い分けるようにしてもよく、また、一つのクリーニング部材に複数のクリーニング面などのクリーニング部を設けて使い分けるようにしたものであってもよい。また、複数のクリーニング部材の個々に、さらに複数のクリーニング面などのクリーニング部を有するものであってもよい。
クリーニング部の使用切り替えは、クリーニング部材の切り替えや、クリーニング面の切り替えなどによって行われる。
【0011】
上記制御部は、画像印字率に応じてクリーニング部の切り替えを行うため、通常は、一つ以上の設定印字率を定めておき、この設定印字率に対する大小(例えば高画像印字率、低画像印字率)によって前記切り替えを行う。画像印字率は、3段階以上で設定することも可能である。また、画像印字率は、例えば、所定の印刷枚数における平均印字率やJOBにおける平均印字率を算出して求めることができる。印字率の相違によるクリーニングブレードに対する摩擦力の影響は、ある程度の枚数に亘る場合に顕著になるため、上記のように平均印字率に基づいて切り替えを行っても問題はない。また、用紙サイズの相違による画像印字率を調整するため、A4などの所定サイズに換算して算出するものであってもよい。
【0012】
また、各色毎に像担持が行われるカラー用の感光体では、色毎の画像印字率によって上記切り替えの制御が行われる。また、カラー用の二次転写部材のように各色の画像が転写されている像担持体では、各色全体の印字率の平均を算出して、これを画像印字率とすることができる。
上記制御部では、画像印字率に応じてクリーニング部の切り替えを行うか否かの設定を可能にしてもよい。例えば、高画像印字率での使用頻度が低い使用状況では、該切り替えを行わないように設定しておいても良い。該設定は、操作表示部において操作者による入力により行うようにしてもよく、初期設定で切り替えを行うか否かを設定しておき、操作表示部において操作者が設定を変更できるようにしてもよい。
【0013】
クリーニング部の使用切り替えでは、例えば高画像印字率用のクリーニング部と、低画像印字率用のクリーニング部とに割り当てて使用切り替えをすることができる。
この場合、通常は、高画像印字率用のクリーニング部の方が損傷しやすい。いずれが早期に寿命に達するかは印字枚数によっても異なるが、高画像印字率用のクリーニング部が寿命に達した場合、低画像印字率用に割り当てて使用していたクリーニング部を高画像印字率用に割り当てて使用することができる。該制御は、制御部により行う。寿命に達したか否かは、寿命用の印字枚数を設定しておき、この印字枚数に達すると、制御部では寿命に達したものと判定することができる。印字枚数は、画像形成部を制御する制御部によってカウントすることができる。
【0014】
低画像印字率用に割り当てて使用していたクリーニング部は、きれいな摩耗状態にあり、これを高画像印字率用に使用しても支障がない。しかし、高画像印字率用に使用したクリーニング部は、偏摩耗や損傷などが生じやすい。このため、これを低画像印字率用に使用すると、クリーニング部の損傷が大きい上に滑材量が少ないため、現像材のすり抜けが発生して早期に使用不可になる。
したがって、3以上のクリーニング部を有する場合、高画像印字率用のものは除いて、クリーニング部は優先的に低画像印字率用に割り当てるのが望ましい。
【0015】
図9は、所定の枚数(10000枚、50000枚、100000枚)を高画像印字率で印字した後、所定の印字率で印刷をした際のクリーニングブレードの寿命を示す図である。なお、この図では、画像印字率が5%以上を高画像印字率、5%未満を低画像印字率としている。この図から明らかなように、高画像印字率で用いたクリーニングブレードを、そのまま高画像印字率で使用しても、寿命は安定しているが、高画像印字率で用いたクリーニングブレードを低画像印字率用に用いた場合、印字率が低いほど寿命が短くなっている。
【0016】
また、高画像印字率用に割り当てられたクリーニング部がない状態で、低画像印字率用として使用されたクリーニング部と未使用のクリーニング部とがある場合には、高画像印字率で印刷を行う際に、低画像印字率用に使用したクリーニング部を高画像印字率用に割り当てて使用し、未使用のクリーニング部を低画像印字率用に割り当てて使用するようにしてもよい。これにより、クリーニング性能を良好に維持してクリーニング部を効果的に使用し尽くすことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、本発明の画像形成装置によれば、画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成部と、該画像形成部を制御する制御部とを備え、
前記画像形成部は、滑材を含む現像材によって現像された画像を担持して他に転写する像担持体と、前記転写後に前記像担持体に残留した、前記滑材を含む現像材をクリーニングするクリーニング部材と、を備え、
前記クリーニング部材は、前記クリーニングに際し使用の切り替えが可能な複数のクリーニング部を有し、
前記制御部は、前記画像情報の画像印字率に応じて前記クリーニング部の使用切り替えを行うので、クリーニング部材が高寿命化し、また、クリーニング性能が向上する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態における画像形成部を示す概略図および一部拡大図である。
【図2】同じく、画像形成装置の機能ブロック図である。
【図3】同じく、操作表示部におけるクリーニングブレード切替設定画面を示す図である。
【図4】同じく、クリーニングブレードの切り替え手順を示すフローチャートである。
【図5】同じく、クリーニングブレードの切り替え手順の他例を示すフローチャートである。
【図6】同じく、クリーニングブレードの切り替え手順のさらに他例を示すフローチャートである。
【図7】従来の画像形成装置における画像形成部を示す図である。
【図8】同じく、クリーニングブレードによるクリーニング状況を示す図である。
【図9】同じく、高画像印字率で印刷した後における、画像印字率と、クリーニングベルトの寿命との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、画像形成装置1に備える画像形成部2を示す概略図である。なお、従来装置と同様の構成については同一の符号を付している。
画像形成部2では、既に説明した従来装置と同様に、帯電器12、書き込み器13、現像器14、転写部15を有している。画像形成の手順は、前記で説明した従来装置と同様である。
本発明の画像形成部2では、像担持体である感光体11をクリーニングするためのクリーニングユニット3を備えており、該クリーニングユニット3内には、図1(b)に示すように、複数のクリーニングブレード30、31、32、33がクリーニング部材として配置されている。
各クリーニングブレード30…33は、感光体11の回転軸と同方向に沿った回転軸を有する回転取付部34の外周面に、90度回転間隔で径方向に沿って取り付けられている。回転取付部34は、後述する制御部4によって制御される駆動モータ(図示しない)で90度毎に回転することができる。各クリーニングブレード30…33は、外周側エッジ30a、31a、32a、33aの一つが感光体11に接触して感光体11表面上の現像材をクリーニングすることができる。上記エッジ30a…33aは、本発明のクリーニング部に相当する。
【0020】
図2は、画像形成装置1の一部の機能ブロックを示す図である。
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、CPUを動作させるプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、データの一時保存を行うRAM(Ramdom Access Memory)を主として構成されており、画像形成装置全体を制御する。該制御部4には、前記画像形成部2が制御可能に接続されている。また、該画像形成部2では、感光体11のクリーニングを行うクリーニングユニット3が備えられて前記制御部4による制御がなされる。制御部4は、使用するクリーニングブレードに応じて、回転取付部34を回転させ、必要なクリーニングブレードが感光体に接触するように制御する。
【0021】
また、制御部4には、記憶部5が制御可能に接続されている。記憶部5には、画像形成装置1の動作パラメータなどを設定した不揮発で読み書き可能なフラッシュメモリ、図示しないスキャナ部から読み取った原稿の画像情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)などで構成されている。なお、不揮発なフラッシュメモリには、制御部4において、画像印字率に応じてクリーニングブレードの切り替えを行うための設定画像印字率が格納されている。
【0022】
前記設定画像印字率が例えば5%に設定されていると、制御部4では、5%以上の画像印字率の場合、高画像印字率と判定し、5%未満の画像印字率では低画像印字率と判定する。また、記憶部5では、高画像印字率用に割り当てるクリーニングブレードと、低画像印字率用に割り当てるクリーニングブレードの設定が可能になっており、初期設定によって、これらの割り当てを格納しておくことができる。また、制御部4では、この割り当て設定を必要に応じて変更することができる。
【0023】
また、制御部4では、画像印字率の決定方法が定められている。該決定方法は、制御部4を動作させるプログラムに組み込まれているものであってもよく、また、記憶部5に設定データとして格納され、適宜、制御部4によって読み出されるものであってもよい。
上記決定方法として、例えば、JOBにおける平均印字率を算出して画像印字率とする。JOBにおける各頁の印字率は、画像形成部2を制御する制御部4において把握されており、画像印字率の算出も速やかになされる。
【0024】
また、制御部4では、画像形成に際し、印刷枚数がカウントされており、高画像印字率の場合と低画像印字率の場合とに応じて、印刷に際し使用されたクリーニングブレードと関連付けて印刷枚数をカウントし、これを記憶部5に格納する。印刷枚数の増加に伴って記憶部5におけるカウントデータを更新し、該カウントデータを必要に応じて読み出す。
【0025】
また、記憶部5では、クリーニングブレードが寿命となる印刷枚数データが高画像印字率用、低画像印字率用として格納されており、さらに低画像印字率と高画像印字率とで併用された場合の寿命となる印刷枚数データも格納されている。
【0026】
さらに、制御部4には、操作表示部6が制御可能に接続されている。操作表示部6では、各種の情報表示が可能になっており、さらに操作者による操作入力を可能にする。
制御部4では、画像印字率に応じたクリーニングブレードの使用切り替えを行うか否かの設定を行うことができる。該設定は、上記操作表示部6によって行うことができる。図3は、該切替設定画面60を示すものであり、操作表示部6に表示されるメニュー画面などから選択して表示させることができる。
【0027】
切替設定画面60では、画像印字率に応じたクリーニングブレードの切り替え設定を問い合わせる表示がなされ、切替設定を行う「はい」釦61と切替解除の設定を行う「いいえ」釦62とが操作入力可能に表示される。切り替えの設定がなされていない場合、該切り替え設定画面60で「はい」釦61を押釦することで、切替設定がなされ、以降は、設定の変更がなされなければ、画像印字率に応じたクリーニングブレードの使用切替がなされる。また、切り替えの設定がされている場合に、該切替設定画面60で「いいえ」釦62を押釦することで、切替設定の解除がなされ、以降は、設定の変更がなされなければ、画像印字率に応じたクリーニングブレードの使用切替は行われない。ただし、印字枚数などに応じて低画像印字率の際に、使用が偏らないようにクリーニングブレードを切り替えるようにしてもよい。また、該切り替えは、画像印字率に応じた使用切り替えを行う設定においても行うようにしてもよい。
【0028】
次に、画像形成装置1における画像印字率に応じたクリーニングブレードの使用切り替えの制御について説明する。該制御は、上記制御部4によってなされるものであり、以下のその手順の一例を図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下では、クリーニングブレードとして、二つのクリーニングブレードA、Bを有するものとして説明する。
制御部4では、操作表示部6等を介した画像形成指示にしたがって、処理をスタートし、画像情報を読み込む(ステップS1)。画像情報は、画像形成装置に備えるスキャナ部(図示しない)によって原稿の読み取りを行ったり、既に記憶部5に記憶されている画像情報の読み込みを行ったりする。また、画像情報は、LANを通して外部機器から取得することも可能である。
【0029】
次いで、制御部4では、JOBにおける画像印字率の平均を算出し、記憶部5に記憶されている設定画像印字率を読み出し、算出された画像印字率と比較する。算出した画像印字率が設定画像印字率(例えば5%)以上である場合、高画像印字率と判定し、算出した画像印字率が設定画像印字率未満である場合、低画像印字率と判定する(ステップS2)。
【0030】
なお、記憶部5では、高画像印字率用としてクリーニングブレードAが割り当てられており、低画像印字率用としてクリーニングブレードBが割り当てられている。
【0031】
上記ステップS2で高画像印字率と判定される場合、上記記憶部5における設定データに基づいてクリーニングブレードAを選択し、クリーニングブレードAが使用されている場合には、そのまま使用し、クリーニングブレードAが使用されていない場合には、クリーニングブレードAに切り替えて使用するものとし(ステップS3)、画像形成をスタートする。
【0032】
一方、上記ステップS2で低画像印字率と判定される場合、上記記憶部5における設定データに基づいてクリーニングブレードBを選択し、クリーニングブレードBが使用されている場合には、そのまま使用し、クリーニングブレードBが使用されていない場合には、クリーニングブレードBに切り替えて使用するものとし(ステップS4)、画像形成をスタートする。
【0033】
次に、クリーニングブレードが寿命に達する場合のクリーニングブレードの切り替えに関する手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートにおいても、クリーニングブレードとして、二つのクリーニングブレードA、Bを有するものとして説明する。また、初期設定で、高画像印字率用としてクリーニングブレードAが割り当てられており、低画像印字率用としてクリーニングブレードBが割り当てられている。
上記手順と同様に、処理のスタートに伴って画像情報を読み込む(ステップSa1)。
次いで、制御部4において上記手順と同様に画像印字率を算出し、設定画像印字率と比較し、高画像印字率または低画像印字率と判定する(ステップSa2)。
【0034】
ステップSa2で高画像印字率と判定されると、高画像印字率用に割り当てられているクリーニングブレードAが寿命に達しているか否かの判定がなされる(ステップSa3)。
なお、記憶部5では、クリーニングブレードA、Bの寿命印刷枚数が設定されており、さらに制御部4では、クリーニングブレードAを使用した印刷枚数と、クリーニングブレードBを使用した印刷枚数とがカウントされ、逐次、記憶部5に格納される。
上記寿命判定では、記憶部5からクリーニングブレードAに関する寿命印刷枚数とクリーニングブレードAに関する印刷枚数のデータが読み出され、該寿命印刷枚数とカウントされた印刷枚数とが比較される。カウントされた印刷枚数が寿命印刷枚数に達していればクリーニングブレードAは寿命であると判定され、カウントされた印刷枚数が寿命印刷枚数に達していなければ、クリーニングブレードAは寿命に達していないと判定される。
【0035】
上記ステップSa3でクリーニングブレードAが寿命に達していないと判定される場合(ステップSa3、NO)、クリーニングブレードAの使用に切り替える(ステップSa4)。該切り替えでは、クリーニングブレードAが使用されている場合には、そのまま使用し、クリーニングブレードAが使用されていない場合には、クリーニングブレードAに切り替える。次いで、クリーニングブレードAに設定して(ステップSa5)、その寿命カウントとして印刷枚数をカウントし始める(ステップSa6)。既に高画像印字率用としてクリーニングブレードAの印刷枚数のカウントがなされている場合に、既カウント数に加算するようにしてカウントを行う。その後、画像形成をスタートする。
【0036】
上記ステップSa3でクリーニングブレードAが寿命に達していると判定される場合(ステップSa3、YES)、低画像印字率用に割り当てられているクリーニングブレードBが寿命に達しているか否かの判定がなされる(ステップSa7)。該ステップSa7でクリーニングブレードBが寿命に達していないと判定される場合(ステップSa7、NO)、クリーニングブレードBの使用に切り替える(ステップSa8)。該切り替えでは、クリーニングブレードBが使用されている場合には、そのまま使用し、クリーニングブレードBが使用されていない場合には、クリーニングブレードBに切り替える。次いで、クリーニングブレードBに設定し(ステップSa9)、その寿命カウントとして印刷枚数をカウントし始める(ステップSa10)、その後、画像形成をスタートする。
【0037】
上記ステップSa7で、クリーニングブレードBが寿命に達していると判定される場合(ステップSa7、YES)、クリーニングブレード無しの判定がなされ(ステップSa11)、クリーニングブレード交換のため、クリーニングブレードを感光体から退避される動作等を行う(ステップSa12)。次いで、操作表示部6にクリーニングブレードがないことを示すアラーム表示をし(ステップSa13)、画像形成装置の動作を停止し(ステップSa14)、クリーニングブレードの交換を可能にする。
【0038】
また、画像印字率を判定したステップSa2で低画像印字率と判定される場合、クリーニングブレードBの使用に切り替える(ステップSa15)。次いで、クリーニングブレードBの設定が高画像印字率用か低画像印字率用かの判定を行う(ステップSa16)。クリーニングブレードBの設定は、前記したように記憶部5に格納されており、制御部4によって該データが読み出されて上記判定がなされる。該判定で、クリーニングブレードBが高画像印字率用に設定されている場合、画像形成を行うことなく、上記クリーニングブレード無しの判定がなされ(ステップSa11)、クリーニングブレード交換のための動作を行う(ステップSa12)。次いで、操作表示部6にアラーム表示をし(ステップSa13)、画像形成装置の動作を停止する(ステップSa14)。
【0039】
上記判定(ステップSa16)において、クリーニングブレードBが低画像印字率用に設定されている場合、クリーニングブレード有りとして、クリーニングブレードBの使用に切り替える(ステップSa17)。該切り替えでは、クリーニングブレードBが使用されている場合には、そのまま使用し、ブレードBが使用されていない場合には、クリーニングブレードBに切り替える。次いで、クリーニングブレードBが低画像印字率用に設定され、設定データが記憶部5に格納される(ステップSa18)。次いで、クリーニングブレードBの寿命カウントとして印刷枚数をカウントし始める(ステップSa19)、その後、画像形成をスタートする。既に低画像印字率用としてクリーニングブレードBの印刷枚数のカウントがなされている場合、既カウント数に加算するようにしてカウントを行う。その後、画像形成をスタートする。
【0040】
次に、低画像印字率用から使用開始したクリーニングブレードを、次の高画像印字率の画像形成の際に、高画像印字率用として使用し、未使用のクリーニングブレードを低画像印字率用として優先して使用する手順について、図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、この形態では、画像印字率に基づくクリーニングブレードの切り替え設定がなされていない場合、初期設定では、クリーニングブレードAが優先して使用される設定になっている。
【0041】
先ず、上記手順と同様に、処理のスタートに伴って画像情報を読み込む(ステップSb1)。
次いで、クリーニングブレードの切替設定がなされているか否かの判定がなされる(ステップSb2)。該設定に関するデータは記憶部5に格納されており、制御部4によって読み出して上記判定を行う。
上記判定でクリーニングブレードの切替設定があると判定される場合、制御部4において上記手順と同様に画像印字率を算出し、設定画像印字率と比較し、高画像印字率または低画像印字率と判定する(ステップSb3)。
ステップSb3で高画像印字率と判定されると、高画像印字率用に割り当てられているクリーニングブレードAが使用されるように切り替えられ(ステップSb4)、低画像印字率と判定されると、低画像印字率用のクリーニングブレードBが使用されるように切り替えられる(ステップSb5)。その後、画像形成をスタートする。
【0042】
一方、ステップSb2で、クリーニングブレードの切替設定がなされていないと判定される場合、クリーニングブレードAに使用切り替えする(ステップSb6)。
次いで、制御部4において上記手順と同様に画像印字率を算出し、設定画像印字率と比較し、高画像印字率または低画像印字率と判定する(ステップSb7)。
ステップSb7で高画像印字率と判定されると、クリーニングブレードの切替設定有りの状態にし(ステップSb8)、高画像印字率用にクリーニングブレードAを割り当て、低画像印字率用に未使用のクリーニングブレードBを割り当てる。一方、ステップSb7で、低画像印字率と判定される場合、クリーニングブレードの切替設定を未設定の状態のままにする(ステップSb9)。その後、画像形成をスタートする。
【0043】
なお、上記各実施形態では、各JOBの平均画像印字率を算出した後、画像形成を行うものとしたが、例えば、前JOBまでの平均画像印字率を算出し、画像情報読み込み中に該算出結果に基づいてクリーニングブレードの切り替えを行うようにしてもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の説明に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 画像形成装置
2 画像形成部
3 クリーニングユニット
4 制御部
5 記憶部
6 操作表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成部と、該画像形成部を制御する制御部とを備え、
前記画像形成部は、滑材を含む現像材によって現像された画像を担持して他に転写する像担持体と、前記転写後に前記像担持体に残留した、前記滑材を含む現像剤をクリーニングするクリーニング部材と、を備え、
前記クリーニング部材は、前記クリーニングに際し使用の切り替えが可能な複数のクリーニング部を有し、
前記制御部は、前記画像情報の画像印字率に応じて前記クリーニング部の使用切り替えを行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体が、感光体または二次転写部材であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記クリーニング部材は、それぞれクリーニング部を有する複数のクリーニング部材で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載に画像形成装置。
【請求項4】
前記クリーニング部材は、1つのクリーニング部材に複数のクリーニング部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、画像印字率が予め定めた値以上である場合を高画像印字率、前記値を下回る場合を低画像印字率として、高画像印字率、低画像印字率によって前記クリーニング部の使用切り替えを行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、JOBにおける各頁の印字率を平均して前記画像印字率を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、高画像印字率用に割り当てて使用していたクリーニング部が寿命と判断される場合、低画像印字率用に割り当てて使用していたクリーニング部を高画像印字率用に割り当てて使用許可することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、高画像印字率で印刷がされた印刷枚数が予め定めた値に達すると、該高画像印字率用に割り当てて使用されたクリーニング部を寿命に達したものと判定することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、低画像印字率から使用したクリーニング部と未使用のクリーニング部とがある場合、次の高画像印字率の画像形成の際に、前記低画像印字率から使用した前記クリーニング部を高画像印字率用として優先して使用し、未使用のクリーニング部は低画像印字率用に割り当てて使用することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、クリーニング部を3つ以上備える場合、各クリーニング部を低画像印字率用として優先して割り当てて使用することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部により制御され、操作入力が可能な操作表示部を備えており、前記制御部は、前記操作表示部の操作入力に従って、前記画像情報の画像印字率に応じた前記クリーニング部の使用切り替えを行うか否かの設定を可能にすることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部により制御される表示部を備え、前記クリーニング部材が、高画像印字率用に使用したクリーニング部のみを有する場合、低画像印字率のJOBが開始されると、前記表示部に警告を表示するとともに、前記画像形成部の動作を停止することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−128305(P2011−128305A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285633(P2009−285633)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】