説明

画像形成装置

【課題】本発明は、画像が形成された消去可能媒体、及び画像が形成されていない消去可能媒体が、画像形成装置を1回のみ通過することで選択的に消去する、又は画像形成する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成された消去可能媒体、及び画像形成されていない消去可能媒体のうちの少なくとも一方を含む消去可能媒体を、画像形成装置に供給するための入力部と、活動状態及び非活動状態を含み、前記画像形成された消去可能媒体を活動状態で消去する、消去サブシステムと、消去された前記消去可能媒体を選択的に冷却するための冷却サブシステムと、受け取った前記消去可能媒体に画像形成するための書込みサブシステムと、を含む、画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に画像形成に関し、より詳細には画像形成装置における消去可能媒体の消去、及び画像形成に関する。
【背景技術】
【0002】
紙文書は、しばしば読まれた後にすぐに捨てられる。紙は、比較的安価であるが、捨てられる紙文書の量は非常に多く、これらの捨てられる紙文書の処分が、重大な費用及び環境問題を引き起こす。したがって、紙文書が、再利用可能であり、費用及び環境問題の両方を最小にすることが望ましい。
【0003】
消去可能媒体は、画像を一時的に記憶するために何回も再使用可能な記録媒体であり、画像は、消去可能媒体に書き込まれ、そこから消去可能である。例えば、光発色性(photochromic)紙が、光発色性材料を利用して、画像形成可能な面を提供する。一般に、光発色性材料は、光発色性を含む層内で、光に誘起され可逆的又は非可逆的に変色する。さらに、可逆性の光誘起変色により、同じ紙に対して連続的な光発色性紙の画像形成、及び消去が可能になる。例えば、特定の波長の光源が、消去可能媒体に画像形成するために使用され、一方、熱が、画像形成された消去可能媒体の消去を誘発するために使用されてもよい。
【0004】
消去可能媒体への画像形成には、独特の要件となるため、以前は、専用装置が必要であった。具体的には、UV源が、消去可能媒体に画像形成するために必要とされ、熱が、画像形成された消去可能媒体を消去するために必要とされることがある。さらに、特定の温度パラメータが、消去可能媒体の画像形成と消去それぞれについて必要とされる。従来の画像形成装置は、消去不能媒体に従来の画像形成を行うのには適しているが、その構造は、消去可能媒体を、又は消去不能媒体と組み合わせて消去可能媒体を処理するには、適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、従来技術のこれらの問題、及び別の問題を克服し、画像が形成された消去可能媒体、及び画像が形成されていない消去可能媒体が、画像形成装置を1回のみ通過(single pass)することで選択的に消去する、又は画像形成する画像形成装置を提供することを目的としている。さらに、本発明の画像形成装置は、構成要素を相互共用し、作業を効果的に処理する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の様々な実施形態によれば、本発明は、画像形成装置を含む。画像形成装置は、消去可能媒体を画像形成装置に供給するための入力部を含み、消去可能媒体は、画像形成された消去可能媒体、及び画像形成されていない消去可能媒体のうちの少なくとも一方を含む。消去サブシステムは、活動状態、及び非活動状態を含み、消去サブシステムは活動状態において、画像形成された消去可能媒体の画像を消去する。冷却サブシステムは、消去された消去可能媒体を選択的に冷却する。書込みサブシステムは、受け取った消去可能媒体に、UV画像を形成する。
【0007】
本発明の様々な実施形態によれば、本発明はまた、画像形成装置によって連続的に消去、及び書込みをするための方法を含む。この方法では、消去可能媒体が、画像形成装置に供給され、消去可能媒体は、画像形成された消去可能媒体、及び画像形成されていない消去可能媒体のうちの少なくとも一方を含む。この方法はさらに、ジョブの種別に従って入力された消去可能媒体を選択的に消去するステップと、消去された消去可能媒体を冷却システムでUV画像形成温度まで選択的に冷却するステップと、及び書込みシステムで受け取った消去可能媒体をUV画像形成するステップと、を含み、供給される消去可能媒体は、連続的に画像形成装置を1回のみ通過するように、送りこまれる。
【0008】
本発明の第1の態様は、画像形成装置であって、画像形成された消去可能媒体、及び画像形成されていない消去可能媒体のうちの少なくとも一方を含む消去可能媒体を、画像形成装置に供給するための、入力部と、活動状態及び非活動状態を含み、画像形成された消去可能媒体を活動状態で消去する、消去サブシステムと、消去された消去可能媒体を選択的に冷却するための、冷却サブシステムと、受け取った消去可能媒体に画像形成するための、書込みサブシステムと、を含む。
【0009】
本発明の別の態様は、第1の態様の装置であって、書込みサブシステムは、UV光源を含む。
【0010】
本発明の別の態様は、第1の態様の装置であって、書込みだけのモード、及び消去/書込みモードのうちの一方を含み、書込みだけのモードは、消去サブシステムとは独立して、検出された画像形成されていない消去可能媒体のために活動する。
【0011】
本発明の別の態様は、第1の態様の装置であって、書込みだけのモード、及び消去/書込みモードのうちの一方を含み、書込みだけのモードは、検出された画像形成されていない消去可能媒体のために、活動していない消去サブシステムからの画像形成されていない消去可能媒体の供給に応答して活動する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】記録媒体上の被覆への画像の書き込み、及び被覆からの画像の消去が可能な光発色性被覆を有する、消去可能媒体の斜視図である。
【図2】本発明による画像形成装置を示す図である。
【図3】本発明による図2の画像形成装置内での消去可能媒体の例示的通過を示す概略図である。
【図4】本発明による画像形成装置を利用するための例示的方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用される「消去可能媒体」という用語は、堅い厚紙(cardstock)、及び他の重さの紙を含む、従来の紙の外観及び感触を有する一時的(transient)な材料を指す。消去可能媒体は、選択的に画像形成され消去されることができる。
【0014】
本明細書で使用される、画像形成された消去可能媒体とは、消去可能媒体上に、例えば、消去可能媒体の紫外線(UV)画像形成の結果である可視画像を有する消去可能媒体を指す。
【0015】
本明細書で使用される、画像形成されていない消去可能媒体とは、以前に画像形成されなかった消去可能媒体、又は画像が消去されUV画像形成に利用可能な消去可能媒体を指す。例示的な消去可能媒体が、図1に関連して下記に説明されている。
【0016】
本明細書で使用される「消去不能媒体」という用語は、従来技術で知られるインクジェット、ゼログラフィ、又は液体インク電子写真等、従来の画像形成に使用される種別の従来型の記録媒体を指す。消去不能媒体の例は、従来の紙のことであってもよい。
【0017】
図1は、本発明による例示的な消去可能媒体100を示す。図1に示される消去可能媒体100は、一般化された概略図であり、別の層が追加されてもよく、あるいは既存の層が取り除かれても、又は修正されてもよいことが当業者には明らかであろう。
【0018】
図1に示されるように、消去可能媒体100は、基材110、及び基材110中、又はその上に組み込まれた、光発色性材料120を含んでもよい。光発色性材料120は、基材110上に可逆的書込み(すなわち、消去可能)画像形成成分を提供する。
【0019】
基材110は、例えば、紙、木、プラスチック、織物、織物製品、高分子薄膜、金属といった無機性基材等のような、適した材料を含む。紙は、例えば、XEROX(登録商標)4024紙等の普通紙、罫線の入ったノート紙、ボンド紙、シャープ社のシリカ皮膜紙等のシリカ皮膜紙、十條製紙社の紙等を含む。1枚の紙の基材110は、白紙の外観を有する。
【0020】
本実施形態において、基材110は、柔軟性のある材料から作られてよく、透明でも不透明であってもよい。基材110は、単一層でも、各層が同じ、又は異なる材料である多層でもよく、例えば、約0.05mm〜約5mmまでの範囲の厚さを有する。
【0021】
光発色性材料120は、例えば、紙等の多孔性基材等の基材110に含浸されても、埋め込まれても、被覆されてもよい。特定の実施形態では、光発色性材料120は、基材110に一様に塗られる、及び/又は別の方法で基材に恒久的に貼り付けられてもよい。
【0022】
画像形成された消去可能媒体100の光発色性材料の1つ又は複数の部分が、消去される。目に見える画像から消去された記録媒体へ移行させるために、消去するために適した温度で、消去可能媒体100に熱が加えられる。例えば、約80℃〜約200℃までの間の温度で、消去可能100は、完全に消去される。消去された消去可能媒体100に再度画像を形成する(又は元の消去可能媒体に画像を形成する)ために、消去可能媒体100は、例えば、UV露光を使用して書き込まれる前に、約55℃〜約80℃までの間の温度に加熱される。
【0023】
光発色性紙以外の他の種別の消去可能媒体が、本明細書の例示的本実施形態と関連して使用されることを理解されたい。そのような種別の消去可能媒体は、本開示の範囲内に含まれるものとする。
【0024】
図2は、本発明による例示的画像形成装置200を示す。図2に示された画像形成装置200は一般化された概略図を表していること、及び別の構成要素が追加される、あるいは既存の構成要素が削除又は修正されてもよいことが当業者には明らかであろう。
【0025】
図2に示されるように、画像形成装置200は、記録媒体入力部220、及び記録媒体出力トレイ230を含む筐体210を含む。さらに、画像形成装置200は、プラテン215、消去サブシステム240、冷却サブシステム250、書込みサブシステム260、ユーザインタフェース270、及び制御システム280を含む。
【0026】
筐体210は、画像形成装置200の例示的構成要素を収容できる材料及びサイズからなる。特定の実施形態では、筐体210は、デスクトップ装置を含んでもよい。筐体210は、床全体で支持される装置をさらに含んでもよい。それぞれのサイズは、従来技術で知られており、本発明の範囲を制限するものではない。
【0027】
記録媒体入力部220は、画像が形成された消去可能媒体、画像が形成されていない消去可能媒体、ならびに画像が形成された消去可能媒体及び画像が形成されていない消去可能媒体の混合、のための1つ又は複数の入力トレイを含む。消去可能媒体は、画像形成装置200内の位置に従って種別間で転換されるので、図では種別に関して具体的に明示されない。本明細書で使用されるように、画像が形成されていない消去可能媒体は、以前に消去されたが、消去後すぐに画像が形成されなかった消去可能媒体を含む。消去可能媒体の別の組合せは、本開示の範囲内にあるものとする。
【0028】
特定の実施形態では、画像形成装置200に入る消去可能媒体の種別を検出するために、センサ225が提供される。センサ225は、各入力トレイ220の最も近くにあっても、入力トレイ220に組み込まれても、筐体210の内部にあってもよい。たとえば、センサ225は、画像が形成された消去可能媒体を検出する。さらに、センサ225は、制御システム280と組み合わされて、消去可能媒体を消去、冷却、及び画像を形成するために、システムを一回のみ通過するように、検出した記録媒体を導く。別の例として、センサ225は、画像が形成されていない消去可能媒体を検出し、制御システム280と組み合わされて、記録媒体をたとえばUV画像形成により画像を形成するために、システムを一回のみ通過するように、検出した記録媒体を導く。センサ225は、マイクロデンシトメータ、全幅アレイスキャンなどを含んでもよい。
【0029】
消去サブシステム240は、光発光性消去可能媒体を消去するのに適したハードウェアを含む。消去サブシステム240は、加熱機構、又はヒータを含んでもよい。本実施形態では、消去サブシステム240は、ヒートロール、加熱灯、加熱パッド、ならびに温度、及び電力の制御を含む。
【0030】
一般に、消去サブシステム240は、約80℃〜約200℃の範囲で熱を発生させるように動作する。消去サブシステム240は、さらに約90℃〜約170℃の範囲で熱を発生させるように動作してもよい。別の例示的消去温度は、約160℃である。決定された消去温度で、消去サブシステム240は、画像が形成された消去可能媒体を消去する。特定の実施形態では、消去サブシステム240は、画像が形成されていない消去可能媒体を、書込みサブシステム260において画像形成するのに適した温度まで加熱するために利用される。画像形成は、UV画像形成によるものであってもよい。
【0031】
冷却サブシステム250は、消去可能媒体の能動冷却を含んでもよく、又は、冷却サブシステム250は、消去可能媒体の受動冷却を含んでもよい。能動冷却では、冷却サブシステム250は、冷気などの冷却媒体の流れを消去可能媒体に向ける。能動冷却は、消去可能媒体の温度を周囲温度にするのに適した期間及び温度で行われる。さらに、能動冷却は、消去可能媒体の温度をUV画像形成などの画像形成温度にするのに適した期間及び温度で行われる。特定の実施形態では、冷却サブシステム250による能動冷却は、ファンを含む。特定の実施形態では、冷却サブシステム250での消去可能媒体の能動冷却は、冷却板、ローラ、凝縮装置、及び消去可能媒体に作用する、又は隣接する、同様の冷却装置を含む。
【0032】
冷却サブシステム250は、画像が形成された消去可能媒体をUV画像形成した後に冷却するために、消去可能媒体処理サイクルに組み込まれる。したがって、特定の実施形態では、UV画像が形成された消去可能媒体は、デュアルモードの画像形成装置200から出力トレイ230に排出される前に冷却される。
【0033】
特定の実施形態では、書込みサブシステム260は、UV画像形成構成要素などの画像形成構成要素を含む。書込みサブシステム260は、消去可能媒体が所定の温度に到達すると、消去可能媒体に画像を形成する。消去可能媒体の例示的UV画像形成温度は、約55℃〜約80℃の間の範囲である。具体的には、UV画像形成温度は、約65℃であってもよい。別のUV画像形成温度が、消去可能媒体の種別に従って設定されてもよく、そのような画像形成温度は、本発明の範囲内に含まれるものとする。消去可能媒体の温度は、書込みサブシステム260に組み込まれたヒータ265により、書込みサブシステム260内で確立されることが理解されよう。同様に、消去可能媒体の温度は、消去サブシステム240内で消去温度未満の温度を与えることにより、消去サブシステム240で確立される。たとえば、消去サブシステム240は、消去可能媒体を書込みサブシステム260でUV画像形成に適した温度まで加熱する。特定の実施形態では、画像形成温度にある消去可能媒体が、冷却サブシステム250を迂回し、冷却前に書込みサブシステム260に直接入る。特定の実施形態では、冷却サブシステム250の通過が、書込みサブシステム260での画像形成の前に消去可能媒体の目標温度を得るのに役立つように、消去可能媒体は、適切なUV画像形成温度を超える温度で、かつ消去温度未満の温度まで高められる。
【0034】
示されたように、書込みサブシステム260は、消去可能媒体をUV画像形成に適した温度まで加熱するための加熱機構265を含む。この例では、検出された画像が形成されていない消去可能媒体が、書込みサブシステム260に入る前に、消去サブシステム240(消去サブシステムは非活動モードにある)を通過する。あるいは、検出された画像が形成されていない消去可能媒体が、消去サブシステム240を迂回して、直接書込みサブシステム260に入る。同様に、検出された画像が形成されていない消去可能媒体が、書込みサブシステム260に入る前に、冷却サブシステム250(冷却サブシステムは非活動モードにある)を通過する。あるいは、検出された画像が形成されていない消去可能媒体が、冷却サブシステム250を迂回して、直接書込みサブシステム260に入る。いずれにせよ、1つ又は複数の消去サブシステム240及び冷却サブシステム250が利用されていようと、記録媒体は、装置を一回のみ通過して、画像形成される。
【0035】
特定の実施形態では、筐体210にユーザインタフェース270が提供される。ユーザインタフェース270は、画像形成装置200の機能を指示するために、ユーザ入力に応答する制御システム280を使って動作する。特定の実施形態では、画像形成装置200は、ユーザインタフェース270により、選択されたモードで起動するように構成される。他の動作モードが、画像が形成された消去可能媒体への消去及び画像形成、画像が形成されていない消去可能媒体への画像形成、画像が形成された消去可能媒体と画像が形成されていない消去可能媒体との混合物への消去及び画像形成を含む。あるいは、ユーザインタフェース270は、ジョブ開始時点で適切な記録媒体を確認し、ジョブ要件の種別に基づきモードを選択するように操作者に促す。ユーザインタフェース270は、さらにセンサ225及び制御システム280に応答し、センサ225及び制御システム280は、ユーザインタフェース270における入力に応答する。
【0036】
図3は、本発明による消去可能媒体の例示的通過についてシステム(画像形成装置)300を示す概略図である。図3に示された例は、一般化された概略図を表すこと、及び別の構成要素が追加される、あるいは既存の構成要素が削除又は修正されてもよいことが当業者には容易に明らかであろう。
【0037】
特定の実施形態では、図3の例示的通過は、入力部320、センサ325、消去サブシステム340、冷却サブシステム350、書込みサブシステム360、ユーザインタフェース370、及び出力330を使用する必要がある。上記で示されるように、消去サブシステム340は、光発色性消去可能媒体を消去する。さらに、書込みサブシステム360は、UV画像形成により、光発色性消去可能媒体に画像を形成する。
【0038】
たとえば、ジョブの種別に従って、画像が形成された消去可能媒体が画像形成のために使用される、又は選択される場合、画像が形成された消去可能媒体は、画像を形成する前に、まず消去される必要がある。特定の実施形態では、画像が形成された消去可能媒体(センサ325により検出されても、ユーザインタフェース370で入力されても)は、システムを一回のみ通過するように、消去サブシステム340を通って移動し、冷却サブシステム350に続き、次に、書込みサブシステム360に続く。書込みサブシステム360の後に、画像が形成された消去可能媒体は、システムから出力トレイ330に排出される。消去サブシステム340では、画像が形成された消去可能媒体は、消去可能媒体上のどんな画像も消去するのに適した温度まで加熱される。さらに、画像が形成された消去可能媒体は、消去を達成するために適した温度に対応する時間、消去サブシステム340に存在する。消去サブシステム340は、一定の消去温度で消去可能にする期間、画像が形成された消去可能媒体を収容するのに十分な長さ又は通路からなる。冷却サブシステム350では、消去された消去可能媒体は、上述されたように能動的に、又は受動的に、書込みサブシステム360においてUV画像形成するために適した温度まで冷却される。書込みサブシステム360では、冷却された消去可能媒体には、UV画像が形成される。書込みサブシステム360は、冷却された消去可能媒体の温度をUV画像形成に適した温度まで高める又は維持するための、加熱機構を含むことを理解されよう。
【0039】
画像が形成されていない消去可能媒体が、たとえばジョブの種別に従って選択又は検出された場合、画像が形成されていない消去可能媒体は、システム300を一回のみ通過するように、消去サブシステム340を通過又は迂回し、冷却サブシステム350を通過又は迂回し、次に、画像形成のために書込みサブシステム360に入る。図3では、破線が消去サブシステム340又は冷却サブシステム350を通る消去可能媒体の通過を示す。消去された消去可能媒体が、冷却サブシステム350を書込みサブシステム360まで通過する場合、冷却サブシステム350は、非活動状態となる。すなわち、冷却サブシステム350は、冷却機能ではなく、フィード機能だけを実行する。画像形成後、画像が形成された消去可能媒体は、たとえば出力部330での自動スタッキングにより、システム300から排出される。
【0040】
特定の実施形態では、システム300への入力は、画像が形成された消去可能媒体及び画像が形成されていない消去可能媒体の両方の混合物を含む。すなわち、センサ325は、たとえばジョブの種別に従って、通過する消去可能媒体の種別を検出するために利用される。さらに、制御システムは、システムを介して対応する所定のサイクルを開始する。たとえば、画像が形成された消去可能媒体が検出された場合、画像が形成された消去可能媒体は、システム300から排出される前に、一回のみ通過するように、消去サブシステム340、冷却サブシステム350、及び書込みサブシステム360を通過する。別の例として、画像が形成されていない消去可能媒体が検出された場合、画像が形成されていない消去可能媒体は、システム300から排出される前に、一回のみ通過するように、消去サブシステム340を通過又は迂回し、冷却サブシステム350を通過又は迂回し、書込みサブシステム360を通過する。センサ325は、消去可能媒体ごとに動作可能であり、それにより、混合された又は混合されていない消去可能媒体の数とは関係なく、制御システムは、一回のみ通過するように、システムを介して所定の経路を正確に使用する。
【0041】
図4は、本発明による画像形成の方法400を開示する。方法400は、一般化された概略図を表すこと、及び別の構成要素が追加される、あるいは既存の構成要素が削除又は修正されてもよいことを当業者には理解されたい。
【0042】
この方法は、ステップ410から開始される。ステップ420では、消去可能媒体が画像形成装置を1回のみ通過するものとして提供される。消去可能媒体は、画像が形成された消去可能媒体、画像が形成されていない消去可能媒体、ならびに画像が形成された消去可能媒体及び画像が形成された消去可能媒体の混合物、のうちの少なくとも一方を含む。消去可能媒体は、少なくとも1つのトレイ、プラテンなどから画像形成装置に供給される。
【0043】
ステップ430では、ジョブの種別が決定される。この決定は、消去可能媒体の最も近くに、又は消去可能媒体が通る場所に位置するセンサによって行われる。ジョブの種別はまた、ユーザの目視観測により行われてもよい。そのような場合、ユーザは、ユーザインタフェースに選択を入力し、画像が形成される記録媒体、又は消去され次に画像が形成される記録媒体の種別に関して、画像形成装置に指示する。
【0044】
ステップ440では、検出された、又はジョブで選択された消去可能媒体の種別に従って、選択的消去が行われる。具体的には、画像が形成された消去可能媒体が、検出された、又はジョブで選択された場合、画像が形成された消去可能媒体は、選択的消去により消去される。逆に、画像が形成されていない消去可能媒体が検出された、又はジョブで選択された場合には、画像形成装置により消去が選択されない。この場合、画像が形成されていない消去可能媒体は、消去サブシステムを通過し、その間消去サブシステムは非活動状態にある。
【0045】
ステップ450では、消去可能媒体が、活動している消去サブシステムにあったかどうかに従って選択的冷却が行われる。消去可能媒体が、消去された場合、消去可能媒体は、冷却サブシステムで冷却される。消去可能媒体が、消去を必要としなかった場合、消去可能媒体は、システム設計に従って冷却サブシステムを通過する、又は迂回する。通過する場合、冷却サブシステムは非活動となる。
【0046】
ステップ460では、書込みサブシステムにおいて消去可能媒体へのUV画像形成が行われる。画像形成は、消去サブシステム及び冷却サブシステムを通過した消去された消去可能媒体に対して行われる。もしくは、画像形成は、消去サブシステム及び冷却サブシステムを迂回した消去可能媒体に対して行われる。もしくは、画像形成は、消去サブシステム及び冷却サブシステムそれぞれが、それぞれその加熱機能及び冷却機能に関して非活動である間に、消去サブシステム及び冷却サブシステムそれぞれを通り過ぎた消去可能媒体に対して行われる。もしくは、画像形成は、消去サブシステムを迂回し、冷却サブシステムが非活動状態にある冷却サブシステムを通過した消去可能媒体に対して行われる。もしくは、画像形成は、非活動の消去サブシステムを通過し、冷却サブシステムを迂回した消去可能媒体に対して行われる。尚、消去可能媒体の他の別の流れが、当業者には明らかであろう。各例では、消去可能媒体がシステム全体を、1回のみ通過する。
【0047】
ステップ470で、消去可能媒体は、排出される。排出は、たとえば出力トレイへなど、システムの外部へと行われる。
【0048】
ステップ480で、この方法は終了する。しかしながら、この方法は、任意の時点に戻り、繰り返えしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
210 筐体
215 プラテン
220 記録媒体入力
225 センサ
230 記録媒体出力
240 消去サブシステム
250 冷却サブシステム
260 書込みサブシステム
265 加熱機構
270 ユーザインタフェース
280 制御サブシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成された消去可能媒体、及び画像形成されていない消去可能媒体のうちの少なくとも一方を含む消去可能媒体を、画像形成装置に供給するための、入力部と、
活動状態及び非活動状態を含み、前記画像形成された消去可能媒体を活動状態で消去する、消去サブシステムと、
消去された前記消去可能媒体を選択的に冷却するための、冷却サブシステムと、
受け取った前記消去可能媒体に画像形成するための、書込みサブシステムと、
を含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記書込みサブシステムは、UV光源を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
書込みだけのモード、及び消去/書込みモードのうちの一方を含み、
前記書込みだけのモードは、前記消去サブシステムとは独立して、検出された前記画像形成されていない消去可能媒体のために活動する、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
書込みだけのモード、及び消去/書込みモードのうちの一方を含み、
前記書込みだけのモードは、検出された前記画像形成されていない消去可能媒体のために、活動していない消去サブシステムからの前記画像形成されていない消去可能媒体の供給に応答して活動する、
請求項1に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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