説明

画像形成装置

【課題】光照射により感光体32で発生した電荷を感光体32表面へ移動させる移動力を、感光体32の周方向に沿った長い領域で付与する。
【解決手段】電極34を感光体32の外周に沿って湾曲して配置する。これにより、電極34が感光体32の接線方向に沿って直線状に形成された比較例に比べ、電極34を感光体32の外周面に近接させた近接領域が、感光体32の周方向に長く確保される。これにより、上記比較例に比べ、光照射により感光体32で発生した電荷を感光体32表面へ移動させる移動力が、感光体32の周方向に沿った長い領域で付与される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、感光体に対して、導電層から成る電極を対向配置させると共に、該電極と感光体との間に電圧を印加した状態で該感光体の電圧印加領域に画像情報を有した光照射を行い、帯電工程と露光工程とを一体化させて前記感光体表面に画像情報を有した静電荷を付与する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−101903号公報(図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光照射により感光体で発生した電荷を感光体の表面へ移動させる移動力を、感光体の周方向に沿った長い領域で付与することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、円筒状又は円柱状の感光体と、前記感光体に光を照射して前記感光体に電荷を発生させる光照射部と、前記感光体の外周に沿って湾曲して配置され、前記感光体との間に電圧が印加されることによって前記電荷を前記感光体の表面へ移動させる電極と、を備える画像形成装置である。
【0006】
請求項2の発明は、前記感光体は、回転し、前記電極は、前記感光体の回転方向上流側の端部が、前記光照射部に対する前記感光体の回転方向下流側に配置されている請求項1に記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3の発明は、前記電極は、環状に形成されると共に外周面が前記感光体に接触して配置され、前記外周面が絶縁体で構成され、内周面が導電体で構成された請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項4の発明は、前記電極は、透明電極で構成され、前記光照射部は、前記電極の内周に配置され、前記光を前記電極で透過させて前記感光体へ照射する請求項1を引用する請求項3に記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項5の発明は、前記感光体の表面には、硬化膜より成る保護層が形成されている請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項6の発明は、前記光照射部は、形成する画像情報に基づいて前記感光体に光を照射する構成とされており、前記電極によって前記感光体の表面に電荷が移動されることで、該感光体の表面に静電潜像が形成されるようにした請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項7の発明は、前記光照射部は、前記感光体における画像が形成される全範囲に光を照射する構成とされており、前記電極から電圧が印加されることによって移動された電荷で表面が帯電された前記感光体に対し、形成する画像情報に基づいて、前記感光体の表面に静電潜像が形成されるように部分的に放電する放電部をさらに備える請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の構成によれば、電極が感光体の接線方向に沿って直線状に形成された構成に比べ、光照射により感光体で発生した電荷を感光体の表面へ移動させる移動力を、感光体の周方向に沿った長い領域で付与できる。
【0013】
本発明の請求項2の構成によれば、電極が光照射部と感光体との間に配置されて光照射部からの光を透過して感光体へ到達させる構成に比べて、電極における材料選択の自由度が増す。
【0014】
本発明の請求項3の構成によれば、電極が感光体に対して非接触である構成に比べ、光照射により感光体で発生した電荷を感光体の表面へ移動させる移動力を強めることができる。
【0015】
本発明の請求項4の構成によれば、環状に形成された電極の外周に光照射部を配置した構成に比べ、画像形成装置の省スペース化を図ることができる。
【0016】
本発明の請求項5の構成によれば、感光体の表面に硬化膜より成る保護層が形成されていない構成に比べ、感光体の表面に傷がつくことが抑制される。
【0017】
本発明の請求項6の構成によれば、感光体を放電により帯電させた状態で光照射により静電潜像を形成する構成と比べ、静電潜像の形成に伴う異物の生成を抑制することができる。
【0018】
本発明の請求項7の構成によれば、帯電していない感光体表面への放電によって静電潜像を形成する構成と比べ、低いエネルギで静電潜像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】感光体の構成を模式的に示す模式図である。
【図3】感光体の構成の変形例を模式的に示す模式図である。
【図4】放電限界電圧を印加した場合におけるその間隔Gと感光体の帯電電位との関係を示すグラフである。
【図5】電圧印加時間と感光体の帯電電位との関係を示すグラフである。
【図6】第1実施形態に係る画像形成装置の構成の変形例を示す概略図である。
【図7】第2実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図8】第2実施形態に係る画像形成装置の構成の変形例を示す概略図である。
【図9】第3実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図10】感光体の構成の変形例を模式的に示す模式図である。
【図11】感光体の構成の変形例を模式的に示す模式図である。
【図12】感光体の構成の変形例を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【0021】
第1実施形態に係る画像形成装置10は、図1に示すように、用紙等の記録媒体Pが収容される記録媒体収容部(図示省略)と、記録媒体Pに画像を形成する画像形成部14と、記録媒体収容部(図示省略)から画像形成部14へ記録媒体Pを搬送する搬送部16と、画像形成部14によって画像が形成された記録媒体Pが排出される記録媒体排出部(図示省略)と、を備えている。
【0022】
画像形成部14は、円筒状に形成された感光体32を有している。感光体32は、一方向(図1において時計回り方向)へ回転するように構成されている。なお、感光体32は、円柱状に形成されていても良い。感光体32の具体的な構成は後述する。
【0023】
感光体32の周囲には、感光体32の回転方向上流側から順に、感光体32に静電潜像を形成する形成装置33と、形成装置33によって形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置38と、現像装置38によって形成されたトナー画像を感光体32から記録媒体Pへ転写するための転写部材の一例としての転写ロール26と、転写ロール26によるトナー画像の転写後において感光体32に残留する現像剤を除去する除去部材としてのブレード40と、が設けられている。
【0024】
現像装置38は、トナーを含む現像剤が収容される収容部の一例としての筐体38Aを備えている。筐体38Aには、現像剤を感光体32へ供給する現像ロール38Bが、感光体32に対向して配置されている。現像ロール38Bは、その回転により、感光体32に対向する対向位置へ現像剤を搬送し、静電力等により、現像剤を感光体32へ供給するように構成されている。
【0025】
転写ロール26は、感光体32との間が、感光体32に形成されたトナー画像を記録媒体Pに転写する転写位置とされている。搬送部16は、記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pを転写位置へ搬送する複数の搬送ロール50を備えて構成されている。転写位置より搬送方向下流側には、転写ロール26によって記録媒体Pへ転写されたトナー画像を記録媒体Pに定着させる定着装置30が設けられている。
【0026】
なお、画像形成装置としては、上記の構成に限られず、例えば、感光体32からトナー像が転写され、その転写されたトナー画像を記録媒体Pに転写する中間転写体を備える構成であっても良い。
【0027】
(感光体32の具体的な構成)
次に、感光体32の具体的な構成について説明する。図2には、感光体32の具体的な構成が模式的に示されている。
【0028】
感光体32は、図2に示すように、導電性を有する基体82と、基体82の表面に形成された感光層84と、を備えて構成されている。
【0029】
基体82における「導電性」とは、例えば、体積抵抗率が1013Ω・cm未満である性質を指す。基体82としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基材上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの;酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基材に蒸着したもの;金属箔を上記基材にラミネートしたもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基材に塗布することによって導電処理したもの等が挙げられる。
【0030】
感光層84は、光が照射されることにより電荷(電子とホールとの対)を発生させる電荷発生層84Aと、ホールを輸送する機能を有するホール輸送層(電荷輸送層の一例)84Bとが、基体82の表面にこの順で積層された積層構造で構成されている。
【0031】
なお、感光層84は、図3(A)に示すように、基体82の表面に、電子輸送層84C、電荷発生層84A、ホール輸送層84Bの順で積層された積層構造であってもよい。また、感光層84は、図3(B)に示すように、基体82の表面に、電子輸送層84C、電荷発生層84Aの順で積層された積層構造であってもよい。また、感光層84は、光が照射されることにより電荷(電子とホールとの対)を発生させる電荷発生物質と、ホールを輸送する機能を有するホール輸送物質とを含む単層構造であってもよい。
【0032】
電荷発生層84Aは、電荷発生物質をバインダー樹脂に分散させて、例えば、0.005〜2μmの厚さで形成される。電荷発生層84Aは、塗布、蒸着、スパッタリング、CVDなどによって形成される。電荷発生物質の分散方法としては、例えば、ボールミル、超音波、ホモミキサーなどが挙げられる。電荷発生層84Aを形成する際の塗布方法としては、例えば、デッピング塗工法、ブレード塗工法、スプレー塗工法などが挙げられる。
【0033】
電荷発生物質としては、光を吸収して電荷を発生するものであれば、無機物質及び有機物質のいずれであってもよい。
【0034】
無機物質としては、例えば、無定型セレン、三方晶系セレン、セレン−砒素合金、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、アモルファスシリコンなどが挙げられる。
【0035】
また、有機物質としては、一般に可視光用として、ビスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、ペリレンのような縮合環芳香族系顔料、ピリリウム塩、インジゴ顔料などが挙げられ、レーザやLD光用として、ビスアゾ/トリスアゾ顔料、金属含有あるいは無金属フタロシアニン顔料、スクワリリウム顔料、シアニン色素、ピロロピロール色素、アズレニウム色素などが挙げられる。なお、電荷発生物質及び電荷発生層84Aの形成方法は、上記のものに限定されるものではない。
【0036】
電荷輸送層(ホール輸送層84B・電子輸送層84C)は、電荷輸送物質(ホール輸送物質・電子輸送物質)を結着樹脂に分散させて、例えば、3〜50μmの厚さで形成される。ホール輸送層84B・電子輸送層84Cには、可塑剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤などが含有されていてもよい。
【0037】
電荷輸送層(ホール輸送層84B・電子輸送層84C)は、例えば、電荷輸送物質(ホール輸送物質・電子輸送物質)、結着樹脂、可塑剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤などを、適当な溶媒に溶解もしくは分散せしめて、デッピング塗工法、ブレード塗工法、スプレー塗工法などにより塗布して乾燥させることにより形成される。
【0038】
電子輸送物質としては、フルオレノン系、ジフェノキノン系、チオピラン系などの物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上混合して用いられる。
【0039】
ホール輸送物質としては、例えば、ピラゾリン系、トリフェニールアミン系、スチルベン系、ヒドラジン系、オキサジアゾール系、ブタジエン系、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリエステルカーボネートなどの高分子系の物質が挙げられる。これらのホール輸送物質は、単独又は2種以上混合して用いられる。なお、電子輸送物質・ホール輸送物質及びホール輸送層84B・電子輸送層84Cの形成方法は、上記のものに限定されるものではない。
【0040】
結着樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの樹脂の繰返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂等の絶縁性樹脂等か挙げられる。なお、結着樹脂としては、これらに限定されるものではない。
【0041】
可塑剤としては、ハロゲン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニール、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレートなどが挙げられる。なお、可塑剤としては、これらに限定されるものではない。
【0042】
酸化防止剤としては、ヒンダントフェノール、ヒンダントアミン等のフェノール又はアミン類が挙げられる。なお、酸化防止剤としては、これらに限定されるものではない。
【0043】
紫外線劣化防止剤としては、ベンゾフェノンなどのケトン類、トリアゾールなどの複素環類が挙げられる。なお、紫外線劣化防止剤としては、これらに限定されるものではない。
【0044】
また、感光層84において、下引き層を必要に応じて設けることができる。下引き層は、基体82から電荷輸送層(ホール輸送層84B・電子輸送層84C)への電荷注入を抑制することが主な機能である。
【0045】
下引き層の材料としては、ポリアミド、ポリビニールアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、N−アルコキシメチルナイロン等の樹脂をそのまま、又は酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化インジウム、有機ジルコニウム化合物、有機シラン化合物、有機チタン化合物等を前記樹脂に分散させたものが用いられる。下引き層は、例えば、蒸着、スパッタリング、CVD等により形成される。
【0046】
(本実施形態に係る形成装置33)
次に、本実施形態に係る形成装置33の構成について説明する。
【0047】
形成装置33は、感光体32に光を照射して感光体32に電荷を発生させる光照射部36と、感光体32との間に電圧が印加されることによって電荷を感光体32表面へ移動させる電極34と、を備えている。
【0048】
具体的には、光照射部36は、感光体32の電荷発生層84Aへ光を照射することにより、電荷(電子とホールとの対)を発生させるようになっている。光照射部36としては、例えば、LED、レーザ(LD)、フラッシュ露光などが用いられる。
【0049】
また、光照射部36は、制御部20から取得した画像情報に基づく光照射を行う。画像情報としては、例えば、外部装置で生成されその外部装置から制御部20が取得した画像情報、画像形成装置10において原稿等の画像を読み取ることで生成される画像情報がある。
【0050】
電極34は、感光体32の外周に沿って湾曲して配置されている。また、電極34の感光体32の回転方向上流側の端部は、光照射部36に対する感光体32の回転方向下流側に配置されている。すなわち、電極34は、光照射部36から感光体32へ照射される光の光路外に配置されており、光照射部36からの光を透過せずに感光体32へ到達させるように構成されている。
【0051】
電極34の材料としては、例えばアルミニウム、クロム、銅、金、銀、白金などの金属材料、真鍮、青銅などの金属合金、あるいは金や白金、銀、カーボンなどの導電性ペースト、あるいはポリアセチレンやポリフェニレンビニレン、ポリメチルチオフェンなどの有機導電材料などが挙げられる。なお、電極34の材料は、これらに限定されるものではない。
【0052】
電極34には、電極34側が負極性となるように、電極34と感光体32との間に電圧を印加する電圧印加部としての電源42が接続されている。これにより、感光層84に電圧を印加することで、光照射部36の光照射により電荷発生層84Aで発生したホールを感光体32の表面側へ移動させることが可能となる。電荷発生層84Aで発生したホールが感光体32の表面へ移動させることにより、感光体32の表面が光照射された部分で帯電されて静電潜像が形成される。
【0053】
感光体32は、基体82が接地(アース)されている。このため、電荷発生層84Aで発生した電子は、感光体32の基体82へ移動するようになっている。
【0054】
また、感光体32と電極34とは非接触となっており、感光体32と電極34との間隔Gは、以下のように、感光体32において必要な帯電電位から設定される。
【0055】
ここで、感光体32と電極34との間への電圧印加は、感光体32と電極34との間で絶縁破壊が生じない範囲でなされ、絶縁破壊が生じない上限の電圧(放電限界電圧)が存在する。従って、放電限界電圧を印加した場合における感光体32の帯電電位が、必要な帯電電位となるように、間隔Gが設定される。
【0056】
図4には、放電限界電圧を印加した場合におけるその間隔Gと感光体32の帯電電位との関係が、具体的に示されている。この図4における場合では、感光体32において、必要な帯電電位が200V以上であるとした場合では、間隔Gが15μm以下とする必要がある。
【0057】
また、電極34の長さ(感光体32に対向する部分の感光体32の外周に沿った長さ)Lは、以下のように、電圧印加の必要時間と、感光体32の周速度とから設定される。図5に示すように、光照射部36から光の照射を受けた感光体32に対して、電圧が印加される電圧印加時間がある時点となると、感光体32の帯電電位が最大値となり、その時点から時間が経過すると、減衰による電位の低下が生じる。すなわち、この時点に到達するまでの電圧印加時間が、光照射により発生した電荷の移動が終了する時間であり、電圧を印加する必要がある電圧印加の必要時間となる。
【0058】
この図5における場合では、電圧印加の必要時間は0.24秒である。電圧印加の必要時間は、電極34の長さLと、感光体32の周速度とによって規定される。例えば、電圧印加時間が0.24秒である場合において、感光体32の周速度が100mm/秒である場合には、電極34の長さは、24mmとなる。
【0059】
(第1実施形態に係る作用)
次に、第1実施形態に係る作用を説明する。
【0060】
第1実施形態に係る画像形成装置10では、記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが、複数の搬送ロール50によって転写位置へ送り込まれる。
【0061】
一方、画像形成部14では、まず、感光体32が一方向(図1において時計回り方向)へ回転する。光照射部36は、回転する感光体32に対して、画像情報に基づく光照射を行う。これにより、感光体32の電荷発生層84Aで電荷(電子とホールとの対)が発生する。
【0062】
感光体32において電荷が発生した発生領域が、感光体32の回転により、電極34に対向する位置に移動し、電圧が印加される。電圧が印加されることにより、発生した電荷のうちホールが感光体32の表面へ移動し、感光体32の表面に正極性の静電潜像が形成される。なお、発生した電荷のうち電子は、感光体32の基体82へ移動する。
【0063】
感光体32に形成された静電潜像は、現像装置38によって現像され、感光体32にトナー画像が形成される。感光体32に形成されたトナー画像が、転写位置にて記録媒体Pへ転写される。
【0064】
トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置30へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置30により定着される。トナー画像が定着された記録媒体Pは、記録媒体排出部(図示省略)に排出される。
【0065】
本実施形態では、電極34が感光体32の外周に沿って湾曲して配置されている。このため、電極34が感光体32の接線方向に沿って直線状に形成された比較例に比べ、電極34を感光体32の外周面に近接させた近接領域が、感光体32の周方向に長く確保される。これにより、上記比較例に比べ、光照射により感光体32で発生したホールを感光体32表面へ移動させる移動力が、感光体32の周方向に沿った長い領域で付与される。
【0066】
また、本実施形態では、電極34は、光照射部36からの光を透過せずに感光体32へ到達させる。これにより、電極34が光照射部36と感光体32との間に配置されて光照射部36からの光を透過して感光体32へ到達させる構成に比べ、電極34における材料選択の自由度が増す。
【0067】
さらに、本実施形態では、感光体32の表面に静電潜像を形成するために該感光体32の表面への放電を行うことがない。このように放電プロセスをなくすことで、静電潜像の形成に伴って放電生成物などの異物が生成されることや感光体32の表面に放電に起因する磨耗が生じることが抑制される。
【0068】
なお、本実施形態では、電極34が光照射部36からの光を透過せずに感光体32へ到達させる構成であったが、図6に示すように、電極34が光照射部36からの光を透過して感光体32へ到達させる構成であってもよい。
【0069】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る画像形成装置200について説明する。図7は、第2実施形態に係る画像形成装置200を模式的に示す図である。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、必要に応じて説明を省略する。
【0070】
画像形成装置200は、図7に示すように、第1実施形態に係る形成装置33に替えて、形成装置233を備えている。形成装置233は、感光体32に光を照射して感光体32に電荷を発生させる光照射部236と、感光体32との間に電圧が印加されることによって電荷を感光体32表面へ移動させる電極234と、を備えている。
【0071】
電極234は、環状に形成されている。具体的には、電極234は、シーム(継ぎ目)の無い無端ベルトで構成されている。なお、電極234としては、シーム有りのベルトであってもよい。
【0072】
電極234は、可とう性を有しており、感光体32の外周に沿って湾曲して外周面が感光体32に接触して配置されている。具体的には、電極234の内周側に設けられた支持部材の一例としての複数の支持ロール238によって、電極234は、その外周面が感光体32に接触するように支持されている。
【0073】
本実施形態では、複数の支持ロール238は、電極234が巻き掛けられる支持ロール238A・238B・238C・238Dで構成されている。
【0074】
支持ロール238Aは、電極234を挟んで感光体32に対向する位置(図7において感光体32に対する上方位置)に配置されている。支持ロール238Bは、支持ロール238Aに対する感光体32の回転方向下流側であって、かつ電極234を挟んで感光体32に対向する位置(図7において感光体32に対する右斜め上方)に配置されている。
【0075】
支持ロール238Cは、支持ロール238Bに対して感光体32から離れた位置(図7において支持ロール238Bに対する上方位置)に配置されている。支持ロール238Dは、支持ロール238Aに対して感光体32から離れた位置(図7において支持ロール238Aに対する上方位置)に配置されている。
【0076】
支持ロール238A・238B・238C・238Dは、電極234の内周に回転可能設けられており、支持ロール238A・238B・238C・238Dに巻き掛けられた電極234は、支持ロール238Aから支持ロール238Bまでの間を感光体32に接触させながら感光体32に従動して回転するようになっている。
【0077】
支持部材としては、支持ロール238A・238B・238C・238Dで構成される場合に限られず、例えば、2、3又は5以上の支持ロールで構成される場合であってもよく、電極234が支持されていればよい。
【0078】
また、電極234の長さ(感光体32に接触する部分の感光体32の外周に沿った長さ)Lは、第1実施形態の場合と同様に、電圧印加の必要時間と、感光体32の周速度とから設定される。なお、長さLは、電極234のうち、感光体32の光照射された部分に対して電圧を印加する部分の長さである。
【0079】
電極234は、光照射部236からの光を透過可能な透明電極で構成されている。また、電極234は、外周面が絶縁体234Aで構成され、内周面が導電体234Bで構成された二層構造とされている。
【0080】
絶縁体234Aは、少なくとも、導電体234Bよりも体積抵抗率が高く、例えば、体積抵抗率が1013Ω・cm以上とされている。導電体234Bは、例えば、体積抵抗率が1010Ω・cm以下とされている。
【0081】
絶縁体234Aは、例えば、ポリエステル、PETなどの樹脂フィルムで構成される。
【0082】
導電体234Bは、例えば、有機溶剤に導電性フィラー等を分散した塗料を絶縁体234Aに塗布し、塗布後低温乾燥することで得られる。導電性フィラーとしては、ITOなどの酸化インジウム系の導電性材料が用いられる。
【0083】
電極234の導電体234Bには、電極234側が負極性となるように、電極234と感光体32との間に電圧を印加する電圧印加部としての電源42が接続されている。これにより、感光層84に電圧を印加することで、光照射部236の光照射により電荷発生層84Aで発生したホールを感光体32の表面側へ移動させることが可能となる。ホールが感光体32の表面へ移動させることにより、感光体32が帯電されて静電潜像が形成される。
【0084】
なお、電極234の導電体234Bとの接点には、電極234との滑り抵抗を低減すべく、導電性を有する弾性材料でブラシ状に形成された端子42Aが用いられている。
【0085】
感光体32は、接地(アース)されている。このため、電荷発生層84Aで発生した電子は、感光体32の基体82へ移動するようになっている。
【0086】
光照射部236は、電極234の内周に配置されており、電極234に光を透過させて感光体32へ照射する構成とされている。
【0087】
光照射部236としては、例えば、LED、レーザ(LD)、フラッシュ露光などが用いられる。光照射部236は、画像情報を有する光照射を行う。画像情報としては、例えば、外部装置で生成されその外部装置から取得した画像情報、画像形成装置10において原稿等の画像を読み取ることで生成される画像情報がある。光照射部236の光照射により、感光体32の電荷発生層84Aで電荷(電子とホールとの対)が発生するようになっている。
【0088】
なお、光照射部236は、図8に示すように、電極234に対する感光体32の回転方向上流側に配置された構成であっても良い。
【0089】
(第2実施形態に係る作用)
次に、第2実施形態に係る作用を説明する。
【0090】
第2実施形態では、記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが、複数の搬送ロール50によって転写位置へ送り込まれる。
【0091】
一方、画像形成部14では、まず、感光体32が一方向(図7において時計回り方向)へ回転する。このとき、電極234は、感光体32の回転に従動して回転する。
【0092】
光照射部236は、回転する感光体32に対して、画像情報に基づく光照射を行う。これにより、感光体32の電荷発生層84Aで電荷(電子とホールとの対)が発生する。
【0093】
本実施形態では、感光体32において光照射部236からの光照射により電荷が発生する発生領域に対して電極234が対向しており、上記発生領域に対して電圧が印加される。
【0094】
また、上記発生領域は、感光体32の回転により、電極234に対向する領域内(電圧が印加される領域内)を移動し、電圧が印加される。電圧が印加されることにより、発生した電荷のうちホールが感光体32の表面へ移動し、感光体32の表面に正極性の静電潜像が形成される。なお、発生した電荷のうち電子は、感光体32の基体82へ移動する。
【0095】
感光体32に形成された静電潜像は、現像装置38によって現像され、感光体32にトナー画像が形成される。感光体32に形成されたトナー画像が、転写位置にて記録媒体Pへ転写される。
【0096】
トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置30へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置30により定着される。トナー画像が定着された記録媒体Pは、記録媒体排出部(図示省略)に排出される。
【0097】
本実施形態では、電極34が感光体32の外周に沿って湾曲して配置されている。このため、電極34が感光体32の接線方向に沿って直線状に形成された比較例に比べ、電極34を感光体32の外周面に接触させた接触領域が、感光体32の周方向に長く確保される。これにより、上記比較例に比べ、光照射により感光体32で発生したホールを感光体32表面へ移動させる移動力が、感光体32の周方向に沿った長い領域で付与される。
【0098】
本実施形態では、電極234が感光体32に対して接触している。このため、電極234が感光体32に対して非接触である構成に比べ、光照射により感光体32で発生したホールを感光体32表面へ移動させる移動力が強まる。
【0099】
また、本実施形態では、電極234の内周に光照射部236が配置されている。このため、電極234の外周に光照射部236を配置した構成に比べ、装置の省スペース化が図れる。
【0100】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る画像形成装置300について説明する。図9は、第3実施形態に係る画像形成装置300を模式的に示す図である。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、必要に応じて説明を省略する。
【0101】
画像形成装置300は、図9に示すように、第1実施形態に係る形成装置33に替えて、形成装置333を備えている。形成装置333は、感光体32に光を照射して感光体32に電荷を発生させる光照射部336と、感光体32との間に電圧が印加されることによって電荷を感光体32表面へ移動させる電極34と、感光体32の表面に移動された電極の一部を逆極性の放電によって選択的に中和して取り除く放電部の一例としてのイオンヘッド335と、を備えている。
【0102】
光照射部336は、感光体32における画像形成領域の全幅にわたり光を照射するようになっている。したがって、回転しながら光照射部336による光照射を受けた感光体32の表面は、電極34から電圧が印加されることによって移動されたホールで、画像が形成される全範囲が帯電される(全幅帯電される)ようになっている。光照射部336としては、例えば、LED、レーザ(LD)、フラッシュ露光などが用いられる。
【0103】
イオンヘッド335は、感光体32の表面のホールに対し放電することで、該ホールを電気的に中和するようになっている。イオンヘッド335は、制御部20から取得した画像情報に基づく光照射を行う。具体的には、感光体32の表面のホールのうち、画像のバックグラウンドとなる(画像でない)部分のホールを放電によって中和して取り除き、感光体32の表面に残ったホールにて静電潜像を形成するように、制御部20にて制御されるようになっている。画像情報としては、例えば、外部装置で生成されその外部装置から制御部20が取得した画像情報、画像形成装置300において原稿等の画像を読み取ることで生成される画像情報がある。
【0104】
(第3実施形態に係る作用)
次に、第3実施形態に係る作用を、第1の実施形態の作用と異なる部分について説明する。
【0105】
第3実施形態では、記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが、複数の搬送ロール50によって転写位置へ送り込まれる。
【0106】
一方、画像形成部14では、まず、感光体32が一方向(図7において時計回り方向)へ回転する。
【0107】
光照射部336は、回転する感光体32に対して、画像が形成される全幅に亘り光照射を行う。これにより、感光体32の電荷発生層84Aで電荷(電子とホールとの対)が発生する。
【0108】
感光体32において電荷が発生した発生領域が、感光体32の回転により、電極34に対向する位置に移動し、電圧が印加される。電圧が印加されることにより、発生した電荷のうちホールが感光体32の表面へ移動し、感光体32の表面が全幅帯電される。なお、発生した電荷のうち電子は、感光体32の基体82へ移動する。
【0109】
さらに、帯電された感光体32の表面に対し、イオンヘッド335から画像情報に基づいて放電が行われる。これにより、画像のバックグラウンドとなる部分のホールが電気的に中和され、残ったホールにて感光体32の表面に静電潜像が形成される。
【0110】
感光体32に形成された静電潜像は、現像装置38によって現像され、感光体32にトナー画像が形成される。感光体32に形成されたトナー画像が、転写位置にて記録媒体Pへ転写される。
【0111】
トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置30へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置30により定着される。トナー画像が定着された記録媒体Pは、記録媒体排出部(図示省略)に排出される。
【0112】
本実施形態では、光照射及び電圧印加によって表面が低電位で全幅帯電された感光体32に対しイオンヘッド335にて静電潜像を形成する(画像を書き込む)。このため、イオンヘッドで未帯電の感光体32表面に静電潜像を形成する構成と比較して、低いエネルギで感光体32表面に静電潜像を形成することができる。
【0113】
また、本実施形態では、光照射及び電圧印加によって表面が全幅帯電された感光体32に対しイオンヘッド335にて静電潜像を形成するため、画像情報に基づいた光照射及び電圧印加によって静電潜像を形成するものと比べ、潜像形成部とバックグラウンド部との電位差が大きくなる。これにより、出力画像に要求されるコントラストを確保しやすい。
【0114】
なお、第3実施形態では、光照射部336と電極34とイオンヘッド335とを形成装置333の主要部とする例を示したが、これに替えて、例えば、光照射部336と電極234とイオンヘッド335とを形成装置333の主要部とする構成としてもよい。
【0115】
また、第1〜第3実施形態では、電荷発生層84Aで発生した電荷のうちホールを感光体32の表面側へ移動させて、感光体32の表面に正極性の静電潜像が形成する構成であったが、電荷発生層84Aで発生した電荷のうち電子を感光体32の表面側へ移動させると共にホールを基体82に移動させて、感光体32の表面に負極性の静電潜像が形成する変形例であってもよい。
【0116】
この変形例では、図10に示すように、電極34・234には、電極34・234側が正極性となるように、電極34・234と感光体32との間に電圧を印加する電圧印加部としての電源42が接続される。また、感光体32の感光層84は、基体82の表面に、電荷発生層84A、電子輸送層84Cの順で積層された積層構造で構成されている。
【0117】
なお、この変形例では、図11(A)に示すように、感光層84は、基体82の表面に、ホール輸送層84B、電荷発生層84A、電子輸送層84Cの順で積層された積層構造であってもよい。また、図11(B)に示すように、感光層84は、基体82の表面に、ホール輸送層84B、電荷発生層84Aの順で積層された積層構造であってもよい。また、感光層84は、光が照射されることにより電荷(電子とホールとの対)を発生させる電荷発生物質と、電子を輸送する機能を有する電子輸送物質とを含む単層構造であってもよい。
【0118】
また、第1〜第3実施形態及び上記変形例では、感光体32の表面にホール輸送層84B、電荷発生層84A、電子輸送層84Cの何れかが位置する構成であったが、感光体32の表面に保護層の一例としてのオーバコート層を設けた構成であってもよい。
【0119】
図12には、この変形例の一例として、図2で示した構成にオーバコート層86を設けた構成を示している。図示は省略するが、図3(A)、図3(B)、図10、図11(A)、図11(B)に示した構成の表面にオーバコート層86を設けてもよい。ここで、オーバコート層86は、電荷(ホール)輸送能を有する硬化膜であり、上記したホール輸送層84B、電荷発生層84A、電子輸送層84Cよりも硬度が高い構成とされている。
【0120】
このようなオーバコート層86として、例えば、硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シロキサン樹脂、ウレタン樹脂等の光又は熱硬化性樹脂)と電荷輸送性材料とを含む組成物を硬化させた硬化膜、硬化性樹脂と硬化性樹脂と反応する官能基(例えば水酸基等)を持つ電荷輸送性材料とを含む組成物を硬化させた硬化膜、硬化性樹脂と導電性材料(例えば芳香族アミン化合物、金属酸化物等)とを含む組成物を硬化させた硬化膜等が挙げられる。
【0121】
さらに、図示は省略するが、ホール輸送層84Bや電子輸送層84Cのうち感光体32の表面に位置する層を、上記したオーバコート層86を構成する材料にて構成してもよい。すなわち例えば、図2、図3(A)のホール輸送層84Bをオーバコート層86として構成してもよく、また例えば、図10、図11(A)の電子輸送層84Cをオーバコート層86として構成してもよい。
【0122】
このように表面にオーバコート層86が形成された感光体32を備えた画像形成装置10、200、300では、感光体32の表面がオーバコート層86によって保護されて傷が付くことが抑制される。特に、感光体32の表面に電極234が接触する画像形成装置200では、電極34が感光体32と非接触である画像形成装置10と比べて感光体32の表面に傷がつきやすい構成とされるが、表面にオーバコート層86が形成された感光体32を備えることで、オーバコート層86が表面に形成されていない感光体32を備える場合と比較して、感光体32の表面への傷つきが抑制される。したがって、感光体32の表面にオーバコート層86を形成することにより、感光体32の表面にオーバコート層86を形成しない場合と比較して、感光体32ひいては画像形成装置200の寿命が長くなる。
【0123】
また、第1及び第2実施形態において、光照射部36を感光体32の内周に配置し、感光体32の内周側から感光層84へ光を照射する変形例であっても良い。この場合においては、基体82は、光照射部36からの光を透過する機能を有する構成とされる。具体的には、基体82は、例えば、透明な基材(例えば、ガラスやプラスチック)に、透明又は半透明な導電性材料(例えば、ITOなどの酸化インジウム系の導電性材料)を積層することにより構成される。
【0124】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成しても良い。
【符号の説明】
【0125】
10 画像形成装置
32 感光体
34 電極
36 光照射部
86 オーバコート層(保護層の一例)
200 画像形成装置
234A 絶縁体
234 電極
234B 導電体
236 光照射部
300 画像形成装置
335 イオンヘッド(放電部の一例)
336 光照射部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状又は円柱状の感光体と、
前記感光体に光を照射して前記感光体に電荷を発生させる光照射部と、
前記感光体の外周に沿って湾曲して配置され、前記感光体との間に電圧が印加されることによって前記電荷を前記感光体の表面へ移動させる電極と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記感光体は、回転し、
前記電極は、前記感光体の回転方向上流側の端部が、前記光照射部に対する前記感光体の回転方向下流側に配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電極は、環状に形成されると共に外周面が前記感光体に接触して配置され、前記外周面が絶縁体で構成され、内周面が導電体で構成された請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電極は、透明電極で構成され、
前記光照射部は、前記電極の内周に配置され、前記光を前記電極で透過させて前記感光体へ照射する請求項1を引用する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記感光体の表面には、硬化膜より成る保護層が形成されている請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記光照射部は、形成する画像情報に基づいて前記感光体に光を照射する構成とされており、
前記電極によって前記感光体の表面に電荷が移動されることで、該感光体の表面に静電潜像が形成されるようにした請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記光照射部は、前記感光体における画像が形成される全範囲に光を照射する構成とされており、
前記電極から電圧が印加されることによって移動された電荷で表面が帯電された前記感光体に対し、形成する画像情報に基づいて、前記感光体の表面に静電潜像が形成されるように部分的に放電する放電部をさらに備える請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−58321(P2012−58321A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198992(P2010−198992)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】