説明

画像形成装置

【課題】給紙カセットと手差し給紙部から給紙できる画像形成装置において、給紙性能と排紙性能を両立させつつ、余分な部品を発生させない。
【解決手段】給紙カセット120からの給紙と、手差し給紙部160からの給紙ができ、印字部140でからの用紙が給紙カセット120上部の排紙部150に排紙される。排紙部150は、手差し給紙部160に用紙受け部材170を配置して構成される。用紙受け部材170は、手差し給紙部160から取り外し可能であり、取り外された用紙受け部材170は、手差し給紙部160の端部に取り付けられ、手差し給紙における用紙の補助支持を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に係り、詳しくは給紙カセットと、給紙カセットの上部に設けられ、手差しで用紙が挿入される手差し給紙部と、用紙が排出される排紙部と、を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
卓上に設置できる画像形成装置として、インクジェットプリンターやレーザープリンターが普及している。このような画像形成装置には、給紙カセットからの用紙を搬送部で画像形成部に送り、画像形成部で用紙に画像を形成し、この用紙を排紙口から排紙して用紙受け部材上に配置するようにしたものがある。
【0003】
近年、給紙および排紙を画像形成装置の手前側で操作できるように、自動給紙部の給紙カセットから搬送された用紙を搬送部でUターンさせ、給紙カセットの上部に備えられた用紙受け部材(排紙トレイ)に排出する構成が採用される。
【0004】
このような画像形成装置として、特許文献1は、装置本体のフロント側から手差し給紙を行うための手差し給紙部に、手差し給紙トレイ部と、この手差し給紙トレイ部の上方側で前記装置本体から排出される用紙を受ける排紙トレイ手段と、を備えたものを開示している。
【0005】
また、給紙カセットの上部に排紙トレイを備えた画像形成装置では、排紙部に、排紙部から給紙カセットの用紙排出位置までつながる搬送路を設け、排紙トレイを手差用の給紙トレイとして兼ねることがある。
【0006】
このような画像形成装置として、特許文献2は、手差しトレイと排紙トレイとを兼ねるトレイを手差しトレイとして用いるものを開示している。この画像形成装置は、用紙の主走査方向の位置を規定する側端部のガイド部材のガイド面を、その下部が鉛直面に沿うように形成し、その上部が上方に向かって広げるような形状としたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に記載の発明のように、手差し給紙トレイと排紙トレイを1つのトレイで兼用する画像形成装置では、1つのトレイで排紙トレイと給紙トレイの両方の機能を十分に発揮させることは難しかった。その理由は以下の通りである。
【0008】
まず、トレイが手差し給紙トレイとしての機能を発揮するためには、トレイの用紙を積載する面が平らであることが望ましい。一方、トレイが排紙トレイとして機能を発揮するためには、用紙受け部が凸形状であることが望ましい。これは、インクジェットプリンターの場合、印字濃度が高いとインクの水分により用紙の中央が浮き上がるカールが発生し、用紙受け部が平らであると、排紙済みの用紙に引っかかることで起こるページくるいや、用紙の落下などの排紙不良が発生してしまうからである。
【0009】
また、前方に手差し給紙口を備えた画像形成装置として、排紙性能を向上させるために、取り外し可能な補助トレイを備えたものがある。このタイプの画像形成装置では、補助トレイが固定式であると補助トレイが障害となり用紙の設置がしにくくなるなどの問題があるため、補助トレイを取り外し可能としていることが多い。
【0010】
このような補助トレイを備える画像形成装置は、給紙性能と排紙性能を両立させることができるものの、補助トレイを利用しない場合、取り外した補助トレイは、画像形成装置に取り付けられない余分な部品となってしまい、扱いが面倒となる問題があった。
【0011】
本発明は上述の点にかんがみてなされたものであり、自動給紙部と手差し給紙部からそれぞれ個別に給紙できる画像形成装置において、給紙性能と排紙性能を両立させつつ、排紙受けのために余分な部品を発生させることがない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、自動給紙部、手差し給紙部、これら自動給紙部あるいは手差し給紙部から給紙された用紙に画像を形成する画像形成部、該画像形成部を通過した用紙を排紙する排紙部を備えるとともに、前記排紙部に、排出された用紙を積載する用紙受け部材を備える画像形成装置において、前記用紙受け部材を、前記排紙部に取り付け、取り外し可能とするとともに、該用紙受け部材を、前記手差し給紙部に対しても取り付け、取り外し可能に構成し、前記用紙受け部材で、前記手差し給紙部から給紙される用紙を支持する構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、給紙性能と排紙性能を両立させつつ、用紙受け部材を手差し給紙時にも用紙ガイドの補助、排紙として利用でき、余分な部材を発生させなくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置の要部構成を示すものあり、(a)は用紙受け部材を排紙部に配置した状態を示す模式図、(b)は用紙受け部材を排紙部から取り外した状態を示す模式図、(c)は用紙受け部材を手差し給紙部に配置した状態を示す模式図である。
【図2】同じく画像形成装置の外観形状示すものであり、(a)は用紙受け部材を排紙部に配置した状態を示す斜視図、(b)は用紙受け部材を手差し給紙部に配置した状態を示す斜視図である。
【図3】同じく用紙受け部材を排紙部に配置した状態を示すものであり、(a)は画像形成装置の端面図、(b)は(a)中のA−A線に相当する断面図である。
【図4】同じく用紙受け部材を手差し給紙部に配置した状態を示すものであり、(a)は画像形成装置の平面図、(b)は画像形成装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図5】実施形態2に係る画像形成装置を示す平面図である。
【図6】実施形態3に係る画像形成装置を示す断面図である。
【図7】同じく画像形成装置の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明を実施するための形態(以下では単に実施形態と記載する)に係る画像形成装置を図面に基づいて説明する。
【0016】
<実施形態1>
以下、実施形態1に係る画像形成装置を図面に基づいて説明する。図1は実施形態1に係る画像形成装置の要部構成を示す模式図、図2は同じく画像形成装置の外観形状示す斜視図、図3は同じく用紙受け部材を排紙部に配置した状態を示す図、図4は同じく用紙受け部材を手差し給紙部に配置した状態を示す図である。
【0017】
画像形成装置100は、本体ケース110内に、自動給紙部を構成する給紙カセット120と、用紙を搬送する搬送部である搬送装置130と、用紙に印字を行う画像形成部である印字部140と、用紙を排出する排紙部150とを備える。給紙カセット120は、積層された用紙Pをその上面に保持する保持板121を備える。用紙Pは、分離部122と給紙ローラ123とで1枚ずつ分離されて搬送装置130により印字部140に搬出される。搬送装置130は、複数のローラ131、132に掛け渡された環状のベルト部材133を備える搬送ベルト装置134を備え、用紙Pを印字部140の下方で副走査方向に搬送する。
【0018】
印字部140は、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインク吐出ヘッド(図示していない)を備える。これらのインク吐出ヘッドは、図示していないキャリッジで用紙P上を用紙の搬送方向と直交する主走査に搬送される。
【0019】
印字部140のインク吐出ヘッドは、コンピューターなどの上位装置からの画像信号に基づいて各色のインクを用紙Pの副走査方向の移動に同期して吐出し、吐出したインクで用紙Pの上面にカラー画像を形成する。なお、図2中符号180は、操作ボタン、液晶表示パネルなどを備え、ユーザーが画像形成装置100の状態を視認し、画像形成装置100の操作を行うための操作パネルを示している。
【0020】
次に排紙部150および手差し給紙部160について説明する。排紙部150は、排紙ローラ対151、152を備える。また、排紙部150は、排紙ローラ対151、152から排出される印字済みの用紙を受けて積層する用紙受け部材170を備える。
【0021】
実施形態1に係る画像形成装置100では、給紙カセット120からの給紙の他、手差しでの給紙が行えるものとしている。このため、画像形成装置100は、手差し給紙の際、用紙を案内する手差し給紙部160を備える。手差し給紙部160は、画像形成装置100の給紙カセット120の上側に配置された手差し給紙口165(図1(a)、(b)、(c)、図3(b)参照)に用紙Pを案内する。
【0022】
そして、画像形成装置100では、用紙受け部材170を手差し給紙部160上に配置して排紙部150を構成する他、用紙受け部材170を手差し給紙部160の端部に取り付け、用紙受け部材170で手差し時に用紙の支持を行わせる。このため、用紙受け部材170は、手差し給紙部160の上側面160aから取り外せるように構成されるとともに、手差し給紙部160の反手差し給紙口165側の端部160bとに取り付けることができるよう構成される。また、用紙受け部材170は、図3(a)に示すように、その幅方向中央部に上方に向け突出した凸部171を形成している。
【0023】
手差し給紙部160は、手差しする用紙Pを載せる案内板部161と、用紙Pの幅方向の位置を決めるサイドフェンス162とを備える。サイドフェンス162は、給紙する用紙の幅寸法に応じて用紙幅方向にスライドさせることができるよう構成される。
【0024】
用紙受け部材170を手差し給紙部160の上側面160aに配置した状態で、手差し給紙部160は、排紙部150を構成し、印字され、あるいは印字されずに排出された用紙を積載できる。また、用紙受け部材170を手差し給紙部160の上側面160aに取り付けた状態で、手差し給紙部160は、排紙部150のガイド補助部材としての機能をなす。
【0025】
ここで、手差し給紙部160の上側面160aと、用紙受け部材170の下側面170aとには、両者を取り外し可能に設置する結合機構(図示していない)を形成している。また、手差し給紙部160の端部160bと、用紙受け部材170の端部170bとには、両者を取り外し可能に設置する第2の結合機構を形成している。
【0026】
これらの結合機構は、例えば手差し給紙部160側にそれぞれ形成したスリット穴と、用紙受け部材170側にそれぞれ形成したかぎ状の突起とで構成することができる。
【0027】
用紙受け部材170を手差し給紙部160の上側面160aに取り付けるときには、用紙受け部材170の下側面170aに設けた突起を手差し給紙部160の上側面160aのスリット穴に引っかけて固定する(図1(a)参照)。一方、用紙受け部材170を手差し給紙部160から取り外すときには、用紙受け部材170の突起をスライドさせて手差し給紙部160のスリット穴から外す(図1(b)参照)。
【0028】
同様に、用紙受け部材170を手差し給紙部160の端部160bに取り付けるときには、用紙受け部材170の端部170bに設けた突起を手差し給紙部160の端部160bに設けたスリット穴に引っかけて固定する(図1(a)参照)。一方、用紙受け部材170を手差し給紙部160から取り外すときには、用紙受け部材170の突起をスライドさせて手差し給紙部160のスリット穴から外すようにする(図1(b)参照)。なお、これらの締結機構は、他の機構を備えるものであってもよい。
【0029】
給紙カセット120内の用紙Pは、給紙ローラ123とこの給紙ローラ123に接触する分離部122により一番上の用紙だけ分離されて、搬送装置130に搬送される。搬送装置130に移送された用紙Pは、搬送ベルト装置134で方向転換して、印字部140で印字がなされ、その後、排紙部150に配置された用紙受け部材170上に排紙される(図1(a)中の経路S1)。
【0030】
排紙に際しては、用紙受け部材170には、凸部171が形成されているので、排出された用紙Pは、図3(a)に示すように、中央部が上方に向けて持ち上がる。このため、インクの水分によりカールが発生し、このカールした用紙が引っかかることによるページくるいや、用紙の落下などの排紙不良を防止できる。
【0031】
また、実施形態1に係る画像形成装置100では、図3(b)に示すように、用紙受け部材170を手差し給紙部160上に設置した状態で、手差し給紙口165をふさぐ。このため、排紙された用紙が手差しの給紙口に入ってしまうことを防止できる。これにより、排紙された用紙が手差し給紙口165に入り込んでしまい、一度印字した用紙に、再度印字を行ってしまう事態を防止できる。また、現在、給紙カセット120からの給紙、手差し給紙のどちらの状態で印字をしようとしているかがはっきりとわかるため、ユーザーの誤操作を防ぐことができる。
【0032】
一方、実施形態1に係る画像形成装置100で手差し給紙を行うときには、図1(b)および図2(b)に示すように、用紙受け部材170を手差し給紙部160の後端に連結して、差し込まれる用紙の後端を保持する補助部材として使用する。これにより、手差し給紙時において、図4(b)に示すように、用紙受け部材170で、用紙Pの後端部を支持して安定した手差し給紙を実現できる。
【0033】
ここで、用紙Pを手差し給紙部160にセットする際には、図4(a)に示すように、手差し給紙口165に近い用紙の先端部分をサイドフェンス162に沿わせてユーザーが手のひらHで案内する。このとき挿入する用紙Pを正しく挿入するため、案内板部161が平らである必要がある。
【0034】
しかし、用紙受け部材170は、用紙Pの後部を支えるだけであるので、全体が平らである必要はない。そのため、用紙受け部材170に凸部171を形成したとしても、用紙を支える補助部材として使用することに差し支えはない。なお、手差し給紙部160に延長機構を備えることもできるが、用紙受け部材170を手差し給紙時に取り外すことや、手差し給紙部160を構成する部品点数が増えてしまうことから適当ではない。
【0035】
用紙受け部材170および手差し給紙部160に上に配置された用紙Pは、図4中の経路S3で画像形成装置100に搬送され、経路S4に沿って排紙される。このとき、手差し給紙部160の上面と用紙受け部材170の上面とは、図4(b)に示すように、両者の接合箇所で同じ高さであるか、もしくは用紙受け部材170の上面が手差し給紙部160の上面より下側にあるのが望ましい。
【0036】
給紙時には用紙Pはすでに接合部分を乗り越えて設置されるため(図4のS3参照)、どちらが高くても低くてもあまり問題はない。しかし、排紙時には、用紙が排出される用紙受け部材170側が高い位置にあると用紙Pが引っかかりやすくなる。このため、用紙受け部材170は手差し給紙部160トレイと同じ高さか、より低い位置関係にするのが望ましい。
【0037】
もし、何らかの制限により、用紙受け部材170の上面が手差し給紙部160より高くなってしまう場合は、図4(b)に2点鎖線で示すように突起164を設けることができる。この場合、用紙Pは経路S5に沿って、両者の接合部を越えて排出される。
【0038】
<実施形態2>
次に実施形態2に係る画像形成装置200について説明する。図5は実施形態2に係る画像形成装置を示す平面図である。
【0039】
実施形態2に係る画像形成装置200において、手差し給紙部160にサイドフェンス162を配置している。サイドフェンス162のサイズは、大きいほうがユーザーにとっては操作がしやすい。しかし、サイドフェンス162の位置をユーザーが変更することがあるため、サイドフェンス162の位置によっては排紙された用紙が引っかかり、不具合がおきてしまう場合がある。これに対応して、サイドフェンスの位置を特定の場所に移動するように警告文を表示することもできるが、ユーザーは気がつかない場合もあり、その効果は十分ではない。
【0040】
そこで、実施形態2に係る画像形成装置200では、用紙受け部材170を手差し給紙部160に設置するとき、手差し給紙部160のサイドフェンス162が所定位置(図5中位置B)を超えて外側に配置されなければ設置できないようにしている。
【0041】
これは、サイドフェンス162が所定位置より内側にあるとき、サイドフェンス162が邪魔となって用紙受け部材170を設置できないよう用紙受け部材170の幅寸法を設定することにより実現できる。実施形態2に係る画像形成装置200では、ユーザーに特に意識をさせることなく、用紙受け部材170をサイドフェンス162に影響されず設置でき、確実な排紙性能を得ることができる。
【0042】
なお、サイドフェンスを手差し給紙部の下方に収納してしまい、サイドフェンスがどの位置にあっても排紙には影響させないようにすることでも前記効果を期待できる。この場合、サイドフェンスの位置を動かさなくても済むというメリットがあるが、サイドフェンスの大きさに制限が発生することや、排紙トレイのサイズが大きくなるというデメリットがあり適当ではない。
【0043】
<実施形態3>
次に実施形態3に係る画像形成装置300について説明する。図6は実施形態3に係る画像形成装置を示す断面図、図7は同じく画像形成装置の制御ブロック図である。実施形態3に係る画像形成装置300は、手差し給紙部160に用紙受け部材170を検知するセンサー310を設けた。センサー310は、用紙受け部材170で遮られる光を検出する光学素子を使用することができる。なお、センサーとしては、用紙受け部材170に設けた突起で押されてオン状態となるマイクロスイッチなど他の種類のものを使用することができる。
【0044】
図7に示すように、センサー310は、画像形成装置300の動作を制御する制御部320に接続され、制御部320には、表示パネル180および上位装置(コンピューター)330が接続される。制御部320は、センサー310の出力を受け、用紙受け部材170が手差し給紙部160上に配置されていることを検出する。ここで、制御部320は、CPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピューターで構成される。制御部320は、センサー310からの信号を処理する他、画像形成装置300全体の制御を行う。
【0045】
制御部320は、現在、画像形成装置300での給紙が、給紙カセット120からなされるのか、手差し給紙でなされるのかを判定する。そして、制御部320は、その判定した結果を表示パネル180に表示する。また、制御部320は、画像形成装置300の状態をコンピューター330に伝送する。
【0046】
実施形態3に係る画像形成装置300では、用紙受け部材170の位置を変えることによって、用紙の給紙位置を変更する。このため、用紙受け部材170の位置をセンサー310で検知して表示パネル180で表示、警告する。これにより、給紙位置の選択などの手間を減らし、ユーザーへ適切な作業を案内することができる。
【0047】
また、画像形成装置300は、用紙受け部材170の設置箇所を変更するだけで給紙状態の設定を行うことができる。このためユーザーが上位装置であるコンピューター330の設定を行う必要がなく、誤操作防止や印刷設定を行う際のユーザーの負担を減らすことができる。
【0048】
ここで、センサーは、用紙受け部材170が、手差し給紙部160の上部に配置され排紙トレイとして使用される状態と、手差し給紙部160の端部に設置され手差し給紙の補助トレイとして使用される状態の両方を検知することが望ましい。しかし、どちらか1カ所にセンサーを配置するだけでの検出であっても効果がある。実施形態3では、用紙受け部材170が排紙トレイとして使用される状態を検出している。
【0049】
これは、以下の理由による。給紙カセット120は複数枚の定形の用紙を設置できるため、主な給紙状態として使われる。一方、手差し給紙は、普段使わない種類の用紙を印刷したい場合の特殊な給紙状態として用いられることが一般的である。そのため使用頻度としては、用紙受け部材170を排紙トレイとして使用する場合が多い。
【0050】
また、近年では1台のプリンターに対して複数のユーザーが同時使用することが可能である。このため、あるユーザーが手差しトレイから給紙をしようと準備している間に、他のユーザーが印刷ジョブを送ってしまうようなことを防ぐためにも、排紙トレイの位置を検知して、排紙トレイを外すとカセットからの給紙を止めるなどする必要がある。実施形態3に係る300では、手差し給紙とカセット給紙とを明確に認識することができ、誤操作を防止することができる。
【符号の説明】
【0051】
100:画像形成装置
110:本体ケース
120:給紙カセット
121:保持板
122:分離部
123:給紙ローラ
130:搬送装置
131、132:ローラ
133:ベルト部材
134:搬送ベルト装置
140:印字部
150:排紙部
151、152:排紙ローラ対
160:手差し給紙部
160a:上側面
160b:端部
161:案内板部
162:サイドフェンス
164:突起
165:手差し給紙口
170:用紙受け部材
170a:下側面
170b:端部
171:凸部
180:操作パネル
200:画像形成装置
300:画像形成装置
310:センサー
320:制御部
330:コンピューター(上位装置)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特許第4138676号公報
【特許文献2】特開2002−68535公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動給紙部、手差し給紙部、これら自動給紙部あるいは手差し給紙部から給紙された用紙に画像を形成する画像形成部、該画像形成部を通過した用紙を排紙する排紙部を備えるとともに、前記排紙部に、排出された用紙を積載する用紙受け部材を備える画像形成装置において、
前記用紙受け部材を、前記排紙部に取り付け、取り外し可能とするとともに、
該用紙受け部材を、前記手差し給紙部に対しても取り付け、取り外し可能に構成し、
前記用紙受け部材で、前記手差し給紙部から給紙される用紙を支持する構成とした、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記手差し給紙部には、手差し挿入する用紙を設置する手差し給紙トレイを備え、前記手差し給紙トレイには、用紙の位置を案内するサイドフェンスを用紙の幅方向に移動可能に配置し、
前記用紙受け部材を、前記サイドフェンスが所定の位置に移動したときのみ設置できるよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙受け部材が前記排紙部に設置されたとき、前記用紙受け部材が前記手差し給紙部の用紙挿入口をふさぐよう構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙受け部材の設置位置を検知する検知部材を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検知部材の検知状態に基づいて、用紙の搬入位置を判定し、判定した位置情報を画像形成装置の表示手段に表示することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検知部材の検知状態に基づいて、用紙の搬入位置を判定し、判定した位置情報を上位装置に通知することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−43740(P2013−43740A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181759(P2011−181759)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】