説明

画像形成装置

【課題】 本発明は、原稿押圧部の開閉操作性を向上する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 原稿読取装置本体100aを有する画像形成装置本体100に対して開閉可能に構成され、原稿台111に載置された原稿を押圧する原稿押圧部200aを備えたADF200を有する画像形成装置において、原稿押圧部200aを有するADF200を開閉可能に支持するADF回動支点24が、該ADF200の開放動作に連動して原稿台111を基準として、上方に移動するリンク機構7を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原稿読取装置を有し、この原稿読取装置により読み取られた原稿を出力する複写機、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿読取装置では原稿台に載置された原稿を押圧する圧板部は装置後側に設けたヒンジ部を回転支点として圧板部の手前を持ち上げることで原稿台を開放していた。
【0003】
また、原稿を自動的に搬送し読取を可能としたADF(Auto Document Feeder;自動原稿搬送装置)等の機能を有する装置の圧板部は一般的に重量があるものが多い。ヒンジ部にカムや圧縮バネにより構成された保持機構により、圧板部を任意の角度において保持する構成が一般的であった(特許文献1参照)。
【0004】
例えば、背の低いユーザや車椅子を利用するユーザ用に先端に鍵形状を有する棒状のハンドル等を圧板部に取り付けて圧板部を持ち上げる補助器具として用意したものもある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−071804号公報
【特許文献2】特開2007−078855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、背の低いユーザや車椅子を利用するユーザ等にとっては、一度持ち上げられた圧板部の先端位置は自分の背丈よりも高くなる場合があり、圧板部の開閉操作がし難いといった問題があった。
【0007】
特許文献2の技術は、この問題を解決し得る一例であり、操作力に関しては、バネやダンパ等の補助機構を付加した構成もある。一般的に従来のADFは開閉操作に大きな操作力を要するものや、圧板部の開放角度が一定角度以下になるとADFの自重を支えきれずに一気に降下するものがあった。
【0008】
特にコンビニエンスストアや図書館、学校等の公共性の高い場所に設置された画像形成装置は不特定多数のユーザに利用されることが多く、一般的により高い操作性が必要とされる場合が多い。このため、健常者に対する操作性の向上と共に、上記のハンドル等の補助器具を必要とせず、不特定多数のユーザが容易に且つ快適に操作することが可能な画像形成装置が望まれている。
【0009】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、原稿押圧部の開閉操作性を向上する画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、原稿読取装置本体に対して開閉可能に構成され、原稿台に載置された原稿を押圧する原稿押圧部を備えた原稿読取装置を有する画像形成装置において、前記原稿押圧部を開閉可能に支持する支点が、該原稿押圧部の開放動作に連動して前記原稿台を基準として、上方に移動する原稿押圧部保持手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成によれば、原稿押圧部を開閉可能に支持する支点が、該原稿押圧部の開放動作に連動して原稿台を基準として、上方に移動することで、原稿押圧部を開閉可能に支持する支点が上方に移動した分だけ原稿台上の操作スペースが拡大し、操作性が向上する。言い換えれば、同じ操作スペースを確保する場合、原稿押圧部の開放角度を小さくすることが可能となる。これにより、背の低いユーザや車椅子を利用するユーザ等が原稿押圧部を開閉操作する場合に自分の手が届く開放角度の範囲内での操作が可能となり、原稿押圧部の開閉操作性を向上することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態において、原稿押圧部を閉じた状態を示す外観斜視図である。
【図2】第1実施形態において、原稿押圧部を開放した状態を示す外観斜視図である。
【図3】第1実施形態において、原稿押圧部を閉じた状態を示す側面部分断面図である。
【図4】第1実施形態において、原稿押圧部を所定角度開放した状態を示す側面部分断面図である。
【図5】第1実施形態において、原稿押圧部を全開した状態を示す側面部分断面図である。
【図6】第1実施形態において、付勢部材の押圧力を調整する様子を示す側面部分断面図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の第2実施形態において、原稿押圧部を閉じた状態を示す外観斜視図である。
【図8】第2実施形態において、原稿押圧部を開放した状態を示す外観斜視図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の第3実施形態において、原稿押圧部を開放した状態を示す外観斜視図である。
【図10】第3実施形態において、原稿押圧部を開放した位置状態を示す外観斜視図である。
【図11】本発明に係る画像形成装置の第4実施形態の構成を示す外観斜視図である。
【図12】第4実施形態の左側リンクユニットの構成を示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図により本発明に係る画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
【実施例1】
【0014】
先ず、図1〜図6を用いて本発明に係る画像形成装置の第1実施形態について説明する。
【0015】
図1〜図6において、画像形成装置本体100の上面には読取原稿をセットする原稿台111が設けられている。原稿台111の上面にはセットされた複数の原稿を自動的に1枚づつ順次、原稿台111に搬送(自動搬送)するADF(Auto Document Feeder;自動原稿搬送装置)200が開閉可能に設けられる。
【0016】
原稿台111に載置された原稿を押圧する原稿押圧部200aを下面に備えたADF200が画像形成装置本体100の上部に設けられた原稿読取装置本体100aに対して開閉可能に設置されている。尚、本実施形態では、原稿読取装置本体100aは画像形成装置本体100の上部に一体的に設けられるため以下の説明では、ADF200が原稿押圧部保持手段となるリンク機構7を介して画像形成装置本体100に対して開閉可能に構成されているとして説明する。
【0017】
図3〜図6に示すように、画像形成装置本体100の左右側面上部にはL字形状のベース3が固定されている。そして、ベース3上に設けられたアーム回動支点21を中心にアーム1が回動可能に設けられている。アーム1上に設けられたリンク回動支点22を中心にリンク2が回動可能に取り付けられている。ADF200は、ベース3に図3の上下方向に形成された長穴3aに沿って移動し得るADF回動支点24及びアーム1に形成された長穴1aに沿って移動し得るスライダ支点23を介して該ADF回動支点24を中心に回動可能に取り付けられている。
【0018】
尚、ベース3に設けられた長穴3aに沿って移動し得るADF回動支点24は、該ADF回動支点24に設けられた軸部材が長穴3a内に挿通され、該軸部材が長穴3aに沿ってスライド自在に移動する。また、アーム1に設けられた長穴1aに沿って移動し得るスライダ支点23は、該スライダ支点23に設けられた軸部材が長穴1a内に挿通され、該軸部材が長穴1aに沿ってスライド自在に移動する。
【0019】
本実施形態では、ベース3、アーム1、リンク2によりリンク機構7を構成する。リンク機構7は原稿押圧部200aを有するADF200の画像形成装置本体100に対する開閉動作に連動する。リンク機構7は原稿押圧部200aを有するADF200を画像形成装置本体100に対して開閉可能に保持する原稿押圧部保持手段を構成する。
【0020】
リンク機構7を構成するアーム1のアーム回動支点21と反対側の端部には、原稿押圧部200aを有するADF200の自重に拮抗する付勢部材となる圧縮バネ4の一端が固定されている。圧縮バネ4の他端は、該圧縮バネ4の押圧力を調整する押圧力調整手段となる調整ネジ6の一端部に設けられた当接部材6aに当接している。
【0021】
調整ネジ6はADF200の本体フレームに設けられた雌ネジ部200bに回転自在に螺合されている。調整ネジ6には調整ダイアル5の内周面に形成された雌ネジ部が回転自在に螺合されており、調整ダイアル5は、その両端面がADF200の本体フレームに設けられた拘束片200c,200dにより位置が拘束されつつ回転自在に構成される。
【0022】
調整ダイアル5を回転させることで調整ネジ6が該調整ダイアル5の回転方向に応じて図3の右方向または左方向に移動する。その結果、圧縮バネ4がアーム1に加える押圧力の調整を可能にしている。
【0023】
尚、図3〜図6では画像形成装置本体100の左側面側に上記リンク機構7等の原稿押圧部保持手段の構成を有する一例を説明したが、該画像形成装置本体100の右側面側にも左右対称な同様の上記リンク機構7等の原稿押圧部保持手段の構成が設置されている。
【0024】
原稿押圧部保持手段を構成するリンク機構7により原稿押圧部200aを有するADF200を画像形成装置本体100に対して開閉可能に支持する。
【0025】
ADF200を画像形成装置本体100に対して開閉可能に支持するADF回動支点24は、ベース3に図3〜図5の上下方向に設けられた長穴3aに沿って上下方向に移動する。ADF回動支点24は、図3〜図5に示すように、原稿押圧部200aを有するADF200の開放動作に連動して原稿台111を基準として上方に移動する。
【0026】
ここで、ユーザが図4に示すように、ADF200を開いて図示しない原稿を原稿台111にセットする場合、ADF200の開放側の端部に設けられたハンドル201に開く力F1を加えて持ち上げる。これにより、図4に示すようにアーム回動支点21を中心にアーム1が図4の反時計回り方向に回動する。アーム1の回動によりリンク2がアーム1上に設けられたリンク回動支点22を中心に図4の時計回り方向に回動しつつベース3に図4の上下方向に設けられた長穴3aに沿ってADF回動支点24がADF200と共に押し上げられて上方に移動する。また、スライダ支点23はアーム1の長穴1aに沿って図4の右方向に移動する。
【0027】
リンク2が回動可能に取り付けられるADF回動支点24はADF200に対して固定位置に設けられている。このため、ADF200は、リンク2が上方に押し上げられるのに伴なって、図4及び図5に示すように、原稿台111を基準として上方に押し上げられながら開放される。図2及び図5に示すように、原稿押圧部200aを有するADF200を画像形成装置本体100に対して全開した状態では、原稿台111を基準として上方に操作スペースGが形成される。
【0028】
このとき、図3に示すように、予め圧縮された状態の圧縮バネ4はアーム1に図3の左方向への押圧力を加えつつ解放される。このため、圧縮バネ4の押圧力がADF200を開放するのに必要な開く力F1を軽減する方向に作用する。
【0029】
ADF200の自重は、リンク2とアーム1とを介して、常に、ADF200を閉じる方向に作用している。リンク2は一端部がアーム1上に設けられたリンク回動支点22を中心に回動可能に設けられ、他端部がADF200の側面の固定位置に設けられ、ベース3に形成された長穴3aに沿って移動し得るADF回動支点24を中心に回動可能に設けられる。
【0030】
アーム1は一端部が画像形成装置本体100の後方上部の側面に設けられたアーム回動支点21を中心に回動可能に設けられ、該アーム1に形成された長穴1aに沿ってADF200の側面の固定位置に設けられたスライダ支点23がスライド可能に設けられている。
【0031】
一方、アーム1の他端部に設けられた圧縮バネ4の押圧力は、常時、アーム1を図3の左方向に押圧している。これにより、アーム1上に設けられた長穴1aと係合するスライダ支点23が該長穴1aに沿って図3の右方向に移動するように作用するため、常時、ADF200を開く方向に作用している。
【0032】
このため、図4に示すように、ユーザがADF200を開く力F1及びADF200を閉じる力F2を共に加えない状態でも、ADF200の自重と圧縮バネ4の押圧力とを拮抗させる。これにより、図4に示す所定の開放角度でADF200の位置を停止させることが可能となる。
【0033】
圧縮バネ4は圧縮されることにより押圧力が増すため、その押圧力とバネ長との関係から予めADF200のそれぞれの開放角度においてADF200の自重と圧縮バネ4の押圧力とがバランスした設定とする。これにより、ADF200を自由な開放角度で停止させることが出来る。
【0034】
また、図6に示すように、調整ダイアル5を回転させることで調整ネジ6の位置が軸方向に移動し、圧縮バネ4の一端部に当接する当接部材6aの位置が該圧縮バネ4の軸方向に移動する。その結果、圧縮バネ4の圧縮長さが変化することで、該圧縮バネ4の押圧力の調整が可能な構成としている。このため、圧縮バネ4の押圧力を微調整することによりADF200を停止可能な開放角度を調整することを可能にしている。
【0035】
上記構成によれば、リンク機構7を介してADF200を画像形成装置本体100に対して開放する構成とし、画像形成装置本体100の後方側にADF200を開放する支点となるADF回動支点24を設ける。そして、ADF回動支点24の近傍にリンク2を介して作用点となるリンク回動支点22を設ける。
【0036】
ADF200の前方側に位置するハンドル201を操作してADF200の開閉動作を行う。この際に、アーム1上の支点となるアーム回動支点21と、作用点となるリンク回動支点22との離間距離と、該アーム回動支点21と、力点となるスライダ支点23との離間距離との比であるレバー比を所定の値に設定する。
【0037】
そして、ADF200の開放に要する操作力を低減しつつADF200を開放する支点となるADF回動支点24をベース3に設けた長穴3aに沿って上方に移動可能な構成とした。
【0038】
また、リンク機構7を構成するアーム1の画像形成装置本体100の前方側の先端部に圧縮バネ4を設置し、ADF200の開放角度が小さくなるにつれて圧縮バネ4が圧縮される構成とした。この結果、ADF200の開放角度が小さい場合、圧縮バネ4の押圧力がADF200の自重を支える力として作用する。
【0039】
ADF200の開放角度が小さくなるにつれて圧縮バネ4の反力を強く作用させる。これにより、従来例のように「ある角度」までは支えることが可能であるが「それ以上の角度」になるとADF200の自重を支える方向の力の成分が減少し、一気に降下する等の問題は解決される。
【0040】
リンク機構7によりADF200の原稿押圧部200aが原稿台111上に当接するまで支える構成が可能となった。これにより、ADF200の安定した開閉操作が可能となり、任意の開放角度でADF200の自重と、圧縮バネ4の押圧力とが拮抗して該ADF200を停止させることが可能となった。
【0041】
また、ユーザにとってはより安全に安心してADF200の開閉操作を行うことが可能となった。また、リンク機構7のアーム1の先端に配置された圧縮バネ4の仕様やバネ圧の調整機構を加えることによりADF200の自重と拮抗して停止させる開放角度を任意に設定できる。これにより、背の低いユーザや車椅子を利用するユーザ等が操作する場合に自分の手の届く範囲内の開放角度でADF200を停止させることを可能とした。
【0042】
また、図3に示すように、ADF回動支点24を上方に移動させるために必要な力をWとする。本実施形態では、ユーザが、アーム1に対して力点としてのスライダ支点23から上向きの力f1を付与する。これにより、作用点としてのリンク回動支点22に力Wを付与し、更にリンク2を介して、作用点としてのADF回動支点24に力Wを付与することで該ADF回動支点24を上方に移動させる構成となっている。
【0043】
ここで、水平方向におけるアーム回動支点21からリンク回動支点22までの距離をa、アーム回動支点21からスライダ支点23までの距離をb(b>a)とする。テコの原理により、作用点としてのADF回動支点24に力Wを作用させる力点としてのスライダ支点23から上向きの力f1は、f1=(a/b)×Wで表される。このため、このようなアーム1、リンク2によるリンク機構を有していない構成と比べてADF回動支点24を上方に移動させるために必要な操作力は小さくなり、ユーザビリティ(使い勝手)が良くなる。
【0044】
また、ADF200の開放角度が大きくなるにつれて圧縮バネ4は伸びていくので、ADF200を開放する補助力は小さくなっていく。しかし、図4及び図5に示すようにADF200の開放角度が大きくなるにつれて(a/b)の値が小さくなっていくので、力f1も小さくなっていく。これにより、圧縮バネ4による補助力が小さくなることでユーザへの負荷の増加を抑えることができる。
【0045】
また、リンク機構7の作用によりADF200の開放動作に連動して該ADF200を開放する支点となるADF回動支点24をアーム1に設けられた長穴3aに沿って上方に移動させる構成とした。これにより、ADF200の開放角度が小さい場合でもADF200が上方に移動した分、図5に示す操作スペースGが拡大し、操作性が向上する。
【0046】
言い換えれば、従来例のヒンジ部材によりADF200を開閉可能に構成した場合と同程度の操作スペースを確保する場合、本実施形態のリンク機構7を用いた場合には、ADF回動支点24が上方に移動する。これにより、ADF200の開放角度をより小さくすることが可能となる。つまり、ADF200の開放動作におけるハンドル201の移動距離(ユーザから離れていく距離)を短くすることができる。その結果、背の低いユーザや車椅子を利用するユーザ等がADF200を開閉操作する場合に自分の手の届く範囲内でADF200を開閉操作出来、操作性をより向上させることが可能となった。
【実施例2】
【0047】
次に図7及び図8を用いて本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
前記第1実施形態では、図3〜図5に示したように、ベース3に設けられた長穴3aが上下方向に形成され、ADF200に固定されるADF回動支点24が該長穴3aに沿って図3〜図5の上下方向に移動する構成とした。
【0049】
本実施形態では、図7及び図8に示すように、ベース3に設けられた長穴3aの上方が画像形成装置本体100の前方側に傾斜して形成される。そして、ADF200に固定されるADF回動支点24が傾斜した該長穴3aに沿って図7及び図8の左下から右上方向に移動する構成とした。
【0050】
本実施形態でも、前記第1実施形態と同様に、図7及び図8に示すように、画像形成装置本体100の上面に読取原稿をセットする原稿台111が設けられる。原稿台111の上面にはセットされた複数の原稿を自動的に1枚づつ順次、原稿台111に搬送するADF200が原稿押圧部保持手段となるリンク機構7により画像形成装置本体100に対して開閉可能に設置されている。
【0051】
画像形成装置本体100の後側上部にL字形状のベース3が固定されている。ベース3には図7及び図8の左下から右上方向に傾斜した長穴3aが形成されている。ベース3にはアーム回動支点21を中心に回動可能に取り付けられたアーム1が設けられている。アーム1にはリンク回動支点22を中心に回動可能に取り付けられたリンク2が設けられている。
【0052】
リンク2の一端部にはアーム1に形成された長穴3aに沿って移動し得るADF回動支点24を中心に回動可能に支持されたADF200が設けられている。また、ADF200は、アーム1に形成された長穴1aに沿って移動し得るスライダ支点23により支持されている。ADF200は、その下面に原稿押圧部200aを有する。
【0053】
アーム1の先端には圧縮バネ4が固定されており該圧縮バネ4の他端は、前記第1実施形態と同様に、調整ネジ6と調整ダイアル5を介してADF200に固定されている。調整ダイアル5の内周面には調整ネジ6と螺合する図示しない雌ネジ部が形成されており、調整ダイアル5を回転させることで調整ネジ6が該調整ダイアル5の回転方向により図7の右方向または左方向に移動する。これにより、圧縮バネ4がアーム1に加える押圧力の調整を可能にしている。尚、図7及び図8は画像形成装置本体100の左側面側に設けられたリンク機構7の構成を示したものであるが、画像形成装置本体100の右側面側にも対称的に構成されるリンク機構7が設置されている。
【0054】
ここで、ユーザが図8に示すようにADF200を開いて図示しない原稿を原稿台111にセットする場合、ADF200に設けられたハンドル201に開く力F1を加えて持ち上げる。これにより、図8に示すように、アーム回動支点21を中心にアーム1が図8の反時計回り方向に回動する。
【0055】
アーム1の回動により、リンク2がリンク回動支点22を中心に回動しつつ該リンク2の一端部に設けられたADF回動支点24がベース3に形成された長穴3aに沿ってADF200と共に図8の右上方向に押し上げられて移動する。また、スライダ支点23はアーム1の長穴1aに沿って図8の右方向に移動する。その結果、リンク2とADF回動支点24を介して固定されているADF200は図8に示すように、右斜め上方に押し上げられながら開く。
【0056】
本実施形態では、原稿押圧部保持手段となるリンク機構7により、原稿押圧部200aを有するADF200を画像形成装置本体100に対して開閉可能に支持する。ADF200を画像形成装置本体100に対して開閉可能に支持するADF回動支点24が該ADF200の開放動作に連動して原稿台111を基準として、上方で且つ該ADF200の開放側となる図8の右上方向に押し上げられて移動する。
【0057】
このとき、図8に示すように、予め圧縮された状態の圧縮バネ4はアーム1に押圧力を加えつつ解放される。その結果、圧縮バネ4の押圧力がADF200の開放に必要な開く力F1を軽減する方向に作用する。
【0058】
ADF200の自重は、ADF回動支点24を介してリンク2と、長穴1aにスライド自在に係合されたスライダ支点23を介してアーム1とを介して常にADF200を閉じる方向に作用している。
【0059】
一方、圧縮バネ4の押圧力は、アーム1を図7の左方向に加圧し、これにより、アーム1上に設けられた長穴1aと係合するスライダ支点23が該長穴1aに沿って図7の右方向に移動するように作用するため、常時、ADF200を開く方向に作用している。このため、図8において、ユーザがADF200を開く力F1及びADF200を閉じる力F2を共に加えない状態でも、ADF200の自重と圧縮バネ4の押圧力とを拮抗させることで、所定の開放角度でADF200の位置を停止させることが可能となる。
【0060】
圧縮バネ4は圧縮されることにより押圧力が増す。このため、該圧縮バネ4の押圧力とバネ長との関係から予めそれぞれのADF200の開放角度において該ADF200の自重と該圧縮バネ4の押圧力とがバランスした設定とする。これにより、ADF200を自由な開放角度で停止させることが出来る。
【0061】
また、前記第1実施形態と同様に調整ダイアル5を回転させることで調整ネジ6の位置が移動し、その結果、圧縮バネ4の押圧力の調整が可能な構成としている。このため、圧縮バネ4の押圧力の微調整によりADF200の停止可能な開放角度を調整することが出来る。
【0062】
上記構成により、原稿押圧部200aを有するADF200の画像形成装置本体100の後部側が上方で且つ画像形成装置本体100の手前側に移動する。このように画像形成装置本体100の後部側が上方向成分を持つ方向に移動することで第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、これにより、ADF200の開放角度が大きくなるにつれてハンドル201も画像形成装置本体100の手前側に移動する。このため、より背の低いユーザや車椅子を利用するユーザ等が自分の手の届く範囲内でハンドル201を操作することが出来るようになる。他の構成は、前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例3】
【0063】
次に図9及び図10を用いて本発明に係る画像形成装置の第3実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは、同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
前記各実施形態では、アーム1に設けられた長穴1aに対してADF200に固定されたスライダ支点23がスライド自在に構成した。本実施形態では、アーム1に設けられた長穴1aの略全長に亘ってラック1bが設けられ、スライダ支点23の軸部材に前記ラック1bに噛合して回転移動するピニオンギア13が設けられている。
【0065】
ピニオンギア13と同軸上には、一方向ロータリーダンパ14が設けられている。一方向ロータリーダンパ14は原稿押圧部200aを有するADF200の閉動作時に負荷を与える減衰手段である。また、一方向ロータリーダンパ14はADF200の閉動作時にのみ所定の負荷が作用し、該ADF200の開動作時には何ら負荷が作用しない一方向減衰手段である。
【0066】
図9及び図10において、前記第1実施形態と同様に画像形成装置本体100の上面には読取原稿をセットする原稿台111が設けられている。原稿台111の上面にはセットされた複数の原稿を自動的に1枚づつ順次、原稿台111に搬送するADF200が画像形成装置本体100に対して開放可能に設置されている。
【0067】
画像形成装置本体100の後方上部側面にL字形状のベース3が固定されている。ベース3にはアーム回動支点21を中心に回動可能なアーム1が設けられている。アーム1にはリンク回動支点22を中心に回動可能なリンク2が設けられている。リンク2の一端部に設けられたADF回動支点24はベース3に形成された長穴3aに沿って移動可能に設けられ、ADF200の側面に固定されている。
【0068】
アーム1に形成された長穴1aにはラック1bが形成されており、該ラック1bにはピニオンギア13が噛合されている。ピニオンギア13と同軸上に設けられた一方向ロータリーダンパ14は、図10に示す矢印D方向(図10の反時計回り方向)にピニオンギア13が回転する場合には何ら負荷なく自由に回転させる。また、ピニオンギア13が図10に示す矢印E方向(図10の時計回り方向)に回転しようとする場合には、所定の負荷を与える。ピニオンギア13はADF200の側面に回転可能に固定されている。
【0069】
ここで、図9に示すように、ユーザがADF200を開いて図示しない原稿を原稿台111にセットする場合、ADF200に設けられたハンドル201に開く力F1を加えて持ち上げる。これにより、図9に示すように、アーム回動支点21を中心にアーム1が図9の反時計回り方向に回転する。アーム1の回転によりリンク2がリンク回動支点22を中心に回動しつつADF回動支点24がベース3に設けた長穴3aに沿ってADF200と共に上方に押し上げられて移動する。また、スライダ支点23に設けられたピニオンギア13はアーム1の長穴1aに設けられたラック1bに噛合しつつ図10の矢印D方向に何ら負荷なく回転しつつ図9の右方向に移動する。
【0070】
その結果、リンク2とADF回動支点24を介して固定されているADF200は、図9及び図10に示すように、上方に押し上げられながら開く。このとき、予め圧縮された状態の圧縮バネ4はアーム1に押圧力を加えつつ解放される。その結果、圧縮バネ4の押圧力がADF200を開放するのに必要な開く力F1を軽減する方向に作用する。
【0071】
ADF200の自重は、ADF回動支点24を介して回転自在に連結されたリンク2と、スライダ支点23に設けられたピニオンギア13とラック1bとが噛合して係合されたアーム1とを介して常にADF200を閉じる方向に作用している。
【0072】
一方、圧縮バネ4の押圧力は、アーム1を図9の左方向に押圧する。これにより、アーム1上に設けられた長穴1aに設けられたラック1bと噛合するピニオンギア13が該ラック1bに沿って図9の右方向に移動するように作用する。このため、常時、ADF200を開く方向に作用している。
【0073】
また、一方向ロータリーダンパ14は、ピニオンギア13が図10に示す矢印E方向(図10の時計回り方向)に回転する場合に所定の負荷を与える。また、ピニオンギア13が図10に示す矢印D方向(図10の反時計回り方向)に回転する場合は何ら負荷を与えない。このためピニオンギア13は自由に回転する。
【0074】
ADF200を閉じる方向では、ピニオンギア13がアーム1の長穴1aに設けられたラック1bに噛合しつつ該ラック1bに沿って図9の左方向に移動するように図10の矢印E方向(図10の時計回り方向)に回転しようとする。このため、一方向ロータリーダンパ14は該ピニオンギア13の回転に所定の負荷を与える。
【0075】
このため、図9において、ユーザがADF200を開く力F1及びADF200を閉じる力F2を共に加えない状態でも、一方向ロータリーダンパ14による負荷と、圧縮バネ4の押圧力との合成力を、ADF200の自重に対して拮抗させる。これにより、所定の開放角度でADF200の位置を停止させることが可能となる。
【0076】
例えば、ADF200の停止可能な範囲を図10に示す位置Aから位置Cまでの開放角度の範囲に設定する。この範囲でADF200は外力が加わらなければ停止した状態を維持する。これにより、小柄なユーザや車椅子を利用するユーザが原稿台111上での原稿のセット等を行うに際して、ADF200の開放角度を自由な角度で操作することが可能である。
【0077】
一方、図10に示す位置Bから位置Aまでの開放角度の範囲は、ADF200の自重が、一方向ロータリーダンパ14の負荷と圧縮バネ4の押圧力との合成力よりも僅かに勝る設定をする。これにより、ADF200が所定の時間をかけてゆっくりと位置Aまで降下して停止する構成としている。
【0078】
原稿押圧部保持手段となるリンク機構7は、原稿押圧部200aを有するADF200の開閉可能範囲となる図10に示す位置Bから位置Cの範囲内(開閉可能範囲内)に原稿押圧部200aを有するADF200の中間停止位置となる位置Aを有する。
【0079】
位置Bは原稿押圧部200aを有するADF200の全開状態である。位置Bから中間停止位置となる位置Aまでの範囲にあるADF200は、外部からの付勢力が無い限り位置Aまで徐々に降下して該位置Aで停止する。
【0080】
これにより、一般的なユーザがADF200を図10に示す位置Bまで開いて使用する場合、ユーザが原稿台111上に原稿をセットするときにADF200から手を離した状態でも該ADF200がゆっくりとした降下をすることで、操作に影響が無い。仮に、ADF200を位置Bまで開放したまま放置された場合でも該ADF200が徐々に位置Aまで降下して停止する。これにより、次に使用する小柄なユーザや車椅子を利用するユーザがADF200のハンドル201に手が届かない等の不便を解消する。
【0081】
また、圧縮バネ4は圧縮されることにより押圧力が増すため、圧縮バネ4の押圧力とバネ長との関係から予めADF200のそれぞれの開放角度において該ADF200の自重とバランスした設定とする。これにより、ADF200の開放角度を自由な角度で停止が可能な構成としている。
【0082】
更に、調整ダイアル5を回転させることで調整ネジ6の位置が移動し、その結果、圧縮バネ4の押圧力の調整が可能な構成としている。このため、圧縮バネ4の押圧力の微調整によりADF200が停止可能な開放角度を調整することが出来る。
【0083】
尚、図9及び図10においては、画像形成装置本体100の左側面側にリンク機構7を設けた構成について説明したが、前記各実施形態と同様に画像形成装置本体100の右側面側にも対称的なリンク機構7が設けられている。
【0084】
また、ピニオンギア13に一方向ロータリーダンパ14を設けてピニオンギア13の一方向の回転に負荷を与えると共に、圧縮バネ4の押圧力と組み合わせることで、ADF200を任意の角度まで緩やかに降下させ、任意の角度で停止させる構成とした。更に圧縮バネ4の押圧力を調整可能とする構成としたことでADF200の停止角度の調整を可能にしている。
【0085】
また、ピニオンギア13の一方向の回転に負荷を与える一方向ロータリーダンパ14を設けたことで、一般のユーザがADF200を全開にして使用する。このときは、一方向ロータリーダンパ14の作用によりADF200をしばらくは全開状態に近い状態のまま保持することが出来る。
【0086】
その後、仮にADF200が全開状態で放置された場合でも、一方向ロータリーダンパ14の作用により徐々に所定の開放角度までADF200を降下させることが出来る。これにより、背の低いユーザや車椅子を利用するユーザがADF200のハンドル201に手が届かないといったトラブルを未然に防止することが出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例4】
【0087】
次に図11及び図12を用いて本発明に係る画像形成装置の第4実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは、同一の符号を付して説明を省略する。
【0088】
本実施形態では、原稿押圧部保持手段となるリンク機構7を図12に示すようにユニット化して左側リンクユニット8及び右側リンクユニット9を作成する。そして、該左側リンクユニット8及び右側リンクユニット9を原稿押圧部200aを有するADF200の左右側面と、画像形成装置本体100の左右側面に対して着脱可能に構成したものである。
【0089】
図11において、前記各実施形態と同様に、画像形成装置本体100の上面には読取原稿を自動的に1枚づつ順次、原稿台111に搬送するADF200が開放可能に設置されている。
【0090】
前記各実施形態と同様のリンク機構7を内蔵してユニット化した左側リンクユニット8及び右側リンクユニット9を作成する。そして、図12に示すビス30により該左側リンクユニット8及び右側リンクユニット9を画像形成装置本体100の後方上部の左右側面及びADF200の左右側面に設けられたビス孔31に締結して着脱可能に構成されている。
【0091】
尚、図12は第1実施形態のリンク機構7を内蔵してユニット化した左側リンクユニット8の一例を示す。尚、右側リンクユニット9は左側リンクユニット8と対称的なリンク機構7を内蔵してユニット化する。他に、前述した他の各実施形態のリンク機構7を内蔵してユニット化した左側リンクユニット8及び右側リンクユニット9とすることも出来る。
【0092】
画像形成装置本体100の後方上部の左右側面及びADF200の左右側面には、左側リンクユニット8及び右側リンクユニット9をビス30により締結するためのビス孔31が設けられている。従来例のヒンジ部材を用いてADF200を画像形成装置本体100に対して開閉可能に構成した状態で使用する場合は、それらのビス孔31は、カバー10,11,12,15によってそれぞれ覆われている。
【0093】
そして、リンク機構7をユニット化した左側リンクユニット8及び右側リンクユニット9を画像形成装置本体100の後方上部の左右側面及びADF200の左右側面に装着して使用する。その場合は、従来例の図示しないヒンジ部材を画像形成装置本体100及びADF200から取り外す。
【0094】
更に、カバー10,11,12,15を取り外して左側リンクユニット8及び右側リンクユニット9を装着するためのビス30用のビス孔31を露出させる。そして、左側リンクユニット8及び右側リンクユニット9をビス30により画像形成装置本体100の後方上部の左右側面及びADF200の左右側面にそれぞれ設けられたビス孔31に取り付ける。
【0095】
これにより、従来例のヒンジ部材と、リンク機構7をユニット化した左側リンクユニット8及び右側リンクユニット9とを簡単に変更可能な構成としている。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【符号の説明】
【0096】
7 …リンク機構(原稿押圧部保持手段)
24 …ADF回動支点
100 …画像形成装置本体
100a …原稿読取装置本体
111 …原稿台
200 …ADF
200a …原稿押圧部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿読取装置本体に対して開閉可能に構成され、原稿台に載置された原稿を押圧する原稿押圧部を備えた原稿読取装置を有する画像形成装置において、
前記原稿押圧部を開閉可能に支持する支点が、該原稿押圧部の開放動作に連動して前記原稿台を基準として、上方に移動する原稿押圧部保持手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
原稿読取装置本体に対して開閉可能に構成され、原稿台に載置された原稿を押圧する原稿押圧部を備えた原稿読取装置を有する画像形成装置において、
前記原稿押圧部を開閉可能に支持する支点が、該原稿押圧部の開放動作に連動して前記原稿台を基準として、上方で且つ前記原稿押圧部の開放側に移動する原稿押圧部保持手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記原稿押圧部保持手段は、前記原稿押圧部の開閉動作に連動するリンク機構を有し、
前記リンク機構は、前記原稿押圧部の自重に拮抗する付勢部材を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記付勢部材の押圧力を調整する押圧力調整手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記原稿押圧部は、複数の原稿を自動搬送する自動原稿搬送装置を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記原稿押圧部の閉動作時に負荷を与える減衰手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記減衰手段は、前記原稿押圧部の閉動作時にのみ負荷が作用する一方向減衰手段であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記原稿押圧部保持手段は、前記原稿押圧部および前記原稿読取装置に対して着脱可能に設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記原稿押圧部保持手段は、前記原稿押圧部の開閉可能範囲内に該原稿押圧部の中間停止位置を有し、前記原稿押圧部の全開状態から前記中間停止位置までの範囲にある該原稿押圧部は、外部からの付勢力が無い限り前記中間停止位置まで徐々に降下して該中間停止位置で停止することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−55437(P2013−55437A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191222(P2011−191222)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】