説明

画像形成装置

【課題】本発明は、記録媒体上に画像が形成されるとともに、画像が形成された層の表面を表面性状が異なる被覆層で被覆される画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1の刺激を与えることで硬化する第1の液を第1の移動体周面に層状に供給することで形成された第1の層にインクで画像を書き込み、その第1の層に第1の刺激を与えることで硬化させ、遅くとも、その硬化が完了する前に第1の層の記録媒体への転写を開始し、この転写により記録媒体上に第1の層を定着させる画像形成部と、第2の刺激を与えることで硬化する第2の液を、第1の移動体の周面とは異なる表面性状の周面を有する第2の移動体周面に層状に供給することで形成された第2の層に第2の刺激を与えることで硬化させ、遅くとも、その硬化が完了する前に、第2の層の、記録媒体の第1の層の上への転写を開始し、この転写により第1の層を第2の層で被覆する被覆部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外部からの刺激により硬化する硬化性材料を少なくとも含む硬化性溶液を中間転写体上に供給して硬化性溶液層を形成し、中間転写体上に形成された硬化性溶液層にインクを付与し、インクが付与された硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、硬化性溶液層を硬化させる刺激を硬化性溶液層及び記録媒体の接触直前及び接触中の少なくとも何れか一方において硬化性溶液層に供給し、中間転写体から記録媒体に硬化性溶液層を転写する記録装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−226805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、記録媒体上に画像が形成されるとともに、画像が形成された層の表面を表面性状が異なる被覆層で被覆される画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の画像形成装置は、
周回移動する第1の移動体と、
第1の刺激を与えることで硬化する第1の液を上記第1の移動体周面に層状に供給することでこの第1の移動体上に第1の層を形成する第1の層形成部と、
上記第1の移動体上に形成された第1の層にインクで画像を書き込む画像書込部と、
上記画像書込部により画像が書き込まれた後の上記第1の層に上記第1の刺激を与えることでこの第1の層を硬化させる第1の刺激付与部と、
遅くとも、上記第1の刺激付与部により与えられた上記第1の刺激を受けた上記第1の層の硬化が完了する前にその第1の層の記録媒体への転写を開始し、この転写により記録媒体上に第1の層を定着させる第1の転写部とを有する画像形成部、
上記第1の移動体の周面とは異なる表面性状の周面を有し周回移動する第2の移動体と、
第2の刺激を与えることで硬化する第2の液を上記第2の移動体周面に層状に供給することでこの第2の移動体上に第2の層を形成する第2の層形成部と、
上記第2の層に上記第2の刺激を与えることでこの第2の層を硬化させる第2の刺激付与部と、
遅くとも、上記第2の刺激付与部により与えられた上記第2の刺激を受けた上記第2の層の硬化が完了する前に、その第2の層の、上記第1の層の転写を受けた記録媒体のこの第1の層の上への転写を開始し、この転写により第1の層を第2の層で被覆する第2の転写部とを有する被覆部、および
上記記録媒体を上記第1の転写部を経由しさらに上記第2の転写部を経由する搬送経路で搬送する記録媒体搬送手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の画像形成装置は、上記第2の移動体上に形成された第2の層にインクで画像を書き込む第2の画像書込部を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3の画像形成装置は、
上記第2の層形成部に対し、上記第2の層を形成すべき第1の領域を指定する領域指定部を有し、
上記第2の層形成部が、上記第2の層を、上記第2の移動体周面の、上記領域指定部により指定された第1の領域に形成するものであることを特徴とする。
【0008】
請求項4の画像形成装置は、上記第2の移動体周面の上記第1の領域は、少なくともこの第1の領域の周囲の領域よりも上記第2の液に対する親和性が相対的に高い領域であることを特徴とする。
【0009】
請求項5の画像形成装置は、
上記第1の刺激および上記第2の刺激が紫外線であって、
上記第1の刺激付与部および上記第2の刺激付与部が、紫外線を照射するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の画像形成装置によれば、記録媒体上に画像が形成されるとともに、画像が形成された第1の層の表面を第1の層と表面性状が異なる第2の層で被覆できる。
【0011】
請求項2の画像形成装置によれば、画像が形成された記録媒体上に追加で画像を形成することができる。
【0012】
請求項3の画像形成装置によれば、記録媒体の表面のうち所望の領域を第2の層で被覆することができる。
【0013】
請求項4の画像形成装置によれば、本構成の第2の移動体を有さない場合と比較して、記録媒体の表面のうち所望の領域を第2の層で精度よく被覆することができる。
【0014】
請求項5の画像形成装置によれば、本構成とは異なる第1の刺激付与部および第2の刺激付与部を備えた場合と比較して、装置構造が簡素である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の画像形成装置の第3実施形態を示す概略構成図である。
【図4】本発明の画像形成装置の第4実施形態を示す概略構成図である。
【図5】図4に示す第2の中間転写ベルトの周面の一部分を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
【0018】
図1に示す画像形成装置1は、インクを吐出し、紙、布、フィルム等の記録媒体にインクで画像を形成する、いわゆるインクジェット記録方式の画像形成装置である。尚、インクとしては液体インクや溶融固体インクが用いられる。また、そのインクは、例えば、ノズル、スリット、或いは多孔質フィルム等から吐出される。そして、そのインクを吐出する方法については、静電誘引力を利用してインクを吐出させる、いわゆる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用してインクを吐出させる、いわゆるドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、高熱により気泡を形成、成長させることにより生じる圧力を利用してインクを吐出させる、いわゆる熱インクジェット方式等といった、各種の方式のうちから選択された方式が適用される。
【0019】
この画像形成装置1は、画像形成部10と、被覆部20と、記録媒体搬送手段30とを備えている。
【0020】
まず、画像形成部10について説明する。
【0021】
図1に示すように、画像形成部10は、第1の中間転写ベルト11と、画像書込層形成部13と、第1の画像書込部14と、第1の紫外線照射部16と、第1の転写器17と、第1のクリーニング部18とを備えている。この画像形成部10が、本発明にいう画像形成部の一例に相当する。画像書込層形成部13、第1の画像書込部14、第1の転写器17、および第1のクリーニング部18は、第1の中間転写ベルト11の周囲に、第1の中間転写ベルト11の周回移動方向(矢印A方向)における上流側からこの順に配置されている。また、第1の紫外線照射部16は、第1の中間転写ベルト11の内側かつ第1の転写器17と対向する位置に配置されている。
【0022】
第1の中間転写ベルト11は、ベルト支持ロール111,112,113および駆動ロール114によって支持され、駆動ロール114が駆動されることにより周面が矢印A方向に周回移動する、無端の帯状部材である。また、この第1の中間転写ベルト11は、基部と、この基部の外面上に形成された離型層とを有する。尚、この第1の中間転写ベルト11は、基部自体が離型性を有する材料であれば単層であってもよい。また、基部および離型層は、それぞれ複数層を有していてもよい。この離型層は、いわゆる離型性を有する材料の層である。このため、画像が記録される記録媒体60の表面の付着性よりも離型層の外面(表面)の付着性は大幅に低い。そして、離型層の外面が、第1の中間転写ベルト11の周面である。この第1の中間転写ベルト11の周面の表面性状は、具体的には、例えば平滑面である。第1の中間転写ベルト11の周面が平滑面であることにより、記録媒体60が第1の転写空間15を経由した後に高グロスの光沢記録物が得られる。この高光沢を有する第1の中間転写ベルト11が、本発明にいう第1の移動体の一例に相当する。
【0023】
ここで、第1の紫外線照射部16は、画像書込層41が第1の転写空間15で記録媒体60と第1の中間転写ベルト11とで挟み込まれている状態で、第1の中間転写ベルト11を透過してその画像書込層41に対して紫外線を照射することで、画像書込層41が硬化した硬化画像書込層42を形成するものである。尚、詳細な説明は後述するが、画像書込層41は、第1の中間転写ベルト11周面に層状に供給された第1の液40の層である。この第1の紫外線照射部16が、本発明にいう第1の刺激付与部の一例に相当する。この第1の紫外線照射部16としては、具体的には、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ディープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LEDなどが適用される。
【0024】
上述したように、第1の紫外線照射部16が第1の中間転写ベルト11の内側に設けられているため、紫外線は第1の中間転写ベルト11を透過した後に画像書込層41に対して照射される。第1の中間転写ベルト11の基部には、画像書込層41に効率よく紫外線を照射させるため、紫外線透過性の高い材料が用いられている。具体的には、第1の中間転写ベルト11の基部の紫外線透過率は、硬化用光源のピーク波長領域において50%以上となっている。例えばUV−LED(ピーク波長385nm)を第1の紫外線照射部16として用いた場合、385nmにおける透過率を測定した。同様に、第1の紫外線照射部16として適用される上記各種の光源における各ピーク波長でも透過率を測定した。透過率の測定には、日本分光株式会社の紫外可視分光光度計(型番V−560)を使用した。また、第1の中間転写ベルト11の基部は、紫外線に対する耐久性も高い。
【0025】
第1の中間転写ベルト11の基部の紫外線透過率が50%以上であることにより、第1の液40の硬化反応に必要な紫外線エネルギーが効率よく画像書込層41に供給されると共に、第1の中間転写ベルト11の基部が紫外線を吸収すること、光劣化、オゾン劣化等による第1の中間転写ベルト11の劣化が抑制される。このような第1の中間転写ベルト11の基部を形成する材料としては、具体的には、例えば、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、透明ポリイミドフィルム、ポリオレフィン系フィルム、環状オレフィン系フィルム、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム、PES(ポリエーテルスルホン)フィルム等が挙げられる。
【0026】
また、第1の中間転写ベルト11の離型層に用いられる材料としては、例えば、フッ素系樹脂材料等が挙げられ、具体的には、例えば、フッ素樹脂、フッ素変性ウレタン及びシリコーン樹脂、共重合フッ素ゴム、フッ素樹脂−共重合ビニルエーテル、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合塗料)などの粉体塗料または樹脂チューブ、PTFE(4フッ化エチレン)塗料、PTFE分散ウレタン塗料、さらにETFE(ポリテトラフルオロエチレン)チューブ、PVdF(ポリビニリデンフルオライド)、PHV(ポリテトラフルオロビニリデン)、PFA(ポリパーフルオロアルキル)樹脂材料等が挙げられる。この中でも、紫外線透過性の高い材料を用いることが好ましい。また、紫外線透過性の低い材料を用いる場合は、離型層の膜厚を薄くする方が好ましい。
【0027】
画像書込層形成部13は、紫外線が照射されることで硬化する第1の液40を第1の中間転写ベルト11周面に層状に供給することで第1の中間転写ベルト11上に画像書込層41を形成するものである。この画像書込層形成部13は、第1の液40の塗布安定上、図1に示すように、第1の中間転写ベルト11の外側かつ駆動ロール114と対向する位置に配置されている。この画像書込層形成部13が、本発明にいう第1の層形成部の一例に相当する。また、紫外線が、本発明にいう第1の刺激の一例に相当し、第1の液40が、本発明にいう第1の液の一例に相当し、画像書込層41が、本発明にいう第1の層の一例に相当する。この画像書込層形成部13としては、具体的には、例えば、公知の供給法(塗布法:例えば、ダイコータ、バーコーター塗布、スプレー方式の塗布、インクジェット方式の塗布、エアーナイフ方式の塗布、ブレード方式、コンマコーター、フローコーター方式の塗布、ロール方式の塗布等)を利用した装置が適用される。ここで、第1の液40には、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化性材料に加え、後述する第1の画像書込部14における4つのインクジェット記録ヘッド14Y,14M,14C,14Kから吐出されるインク141を固定化する材料も含まれている。インク141を固定化する材料は、例えば、インク141に対して吸液性を有する吸液性材料であって、吸液性材料としては、例えば吸液樹脂や、表面親インク性を持たせた無機粒子等が挙げられる。
【0028】
第1の画像書込部14は、画像書込層形成部13によって第1の中間転写ベルト11上に形成された画像書込層41にインク141を吐出することによって、その画像書込層41にインク141で画像を書き込むものである。この第1の画像書込部14が、本発明にいう画像書込部の一例に相当する。より詳細には、互いに異なる色の画像形成を担う4つのインクジェット記録ヘッド14Y,14M,14C,14Kが第1の中間転写ベルト11の周回移動方向(矢印A方向)に沿って配置されており、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および、ブラック(K)の各色のインク141で画像を順次に重ねて形成する。これによりカラー画像が形成される。インクジェット記録ヘッド14Y,14M,14C,14Kとしては、具体的には、例えば、複数のノズルを第1の中間転写ベルト11の周回移動方向(矢印A方向)と交わる方向に並べて配置した、画像が記録される記録媒体60の幅と同等又はそれ以上の幅を持つライン型インクジェット記録ヘッドや、第1の中間転写ベルト11の周回移動方向(矢印A方向)と交わる方向に記録媒体60の幅と同等又はそれ以上の幅に亘って走査するキャリッジにインクジェット記録ヘッドを搭載したスキャン型インクジェット記録ヘッドなどが適用される。
【0029】
第1の転写空間15は、第1の画像書込部14によってインク141で画像が書き込まれた後の画像書込層41が、記録媒体60と第1の中間転写ベルト11とに挟み込まれる空間である。
【0030】
第1の転写器17は、上述したように、第1の紫外線照射部16と対向する位置に配置されており、記録媒体60を裏面側から加圧する加圧ロール171と、加圧前後の記録媒体60を裏面側から支持する支持体172とを備えている。この第1の転写器17は、第1の転写空間15で転写を行う。即ち、画像書込層41が第1の転写空間15に進入した時点で、画像書込層41の記録媒体60への転写が開始される。このような転写開始後、第1の転写器17の加圧ロール171で記録媒体60が裏面側から加圧された状態で、第1の紫外線照射部16から画像書込層41に対して紫外線が照射される。そして、その紫外線の照射により、画像書込層41が硬化して硬化画像書込層42となるときにその硬化画像書込層42が記録媒体60の表面に固着する。その後、記録媒体60が第1の転写空間15を通過すると硬化画像書込層42は、固着した記録媒体60側に強く引き付けられる。一方で、離型層を有する第1の中間転写ベルト11への付着性は低いため、硬化画像書込層42は第1の中間転写ベルト11から分離され、記録媒体60の表面が硬化画像書込層42で被覆される。また、第1の画像書込部14で書き込まれた画像は、第1の転写器17によって硬化画像書込層42で記録媒体60の表面が被覆される結果として記録媒体60に記録される。これにより転写が完了する。この第1の転写器17と第1の転写空間15との組み合わせが、本発明にいう第1の転写部の一例に相当する。
【0031】
第1のクリーニング部18は、第1の転写器17による被覆の後に、第1の中間転写ベルト11の周面に残留した第1の液40を除去するものである。
【0032】
次に、被覆部20について説明する。
【0033】
図1に示すように、被覆部20は、第2の中間転写ベルト21と、被覆層形成部23と、第2の紫外線照射部26と、第2の転写器27と、第2のクリーニング部28とを備えている。この被覆部20が、本発明にいう被覆部の一例に相当する。被覆層形成部23、第2の転写器27、および第2のクリーニング部28は、第2の中間転写ベルト21の周囲に、第2の中間転写ベルト21の周回移動方向(矢印C方向)における上流側からこの順に配置されている。また、第2の紫外線照射部26は、第2の中間転写ベルト21の内側かつ第2の転写器27と対向する位置に配置されている。
【0034】
第2の中間転写ベルト21は、ベルト支持ロール211,212,213および駆動ロール214によって支持され、駆動ロール214が駆動されることにより周面が矢印C方向に周回移動する、無端の帯状部材である。また、この第2の中間転写ベルト21は、基部と、この基部の外面上に形成された離型層とを有する。尚、この第2の中間転写ベルト21は、基部自体が離型性を有する材料であれば単層であってもよい。また、基部および離型層は、それぞれ複数層(接着層、粘着層、コロナ放電処理層等)を有していてもよい。この離型層は、いわゆる紫外線硬化樹脂、インク、汚れ、外部付着物に対する離型性を有する材料の層である。このため、上述した画像形成部10で画像が記録された記録媒体60の硬化画像書込層42の付着性よりも離型層の外面(表面)の付着性は大幅に低い。そして、離型層の外面が、第2の中間転写ベルト21の周面である。この第2の中間転写ベルト21の周面の表面性状は、画像形成部10の第1の中間転写ベルト11の周面の表面性状とは異なる表面性状であって、具体的には、例えば凹凸面(エンボス、マット、シボ形状、レンズ形状等など)である。第2の中間転写ベルト21の周面が凹凸面であることにより、上述した画像書込層41の転写を受けた記録媒体60が第2の転写空間25を経由した後にマットやエンボス、レンズ形状などといった凹凸表面の記録物が得られる。この第2の中間転写ベルト21が、本発明にいう第2の移動体の一例に相当する。
【0035】
ここで、第2の紫外線照射部26は、被覆層51が第2の転写空間25で記録媒体60と第2の中間転写ベルト21とで挟み込まれている状態で、第2の中間転写ベルト21を透過してその被覆層51に対して紫外線を照射することで、被覆層51が硬化した硬化被覆層52を形成するものである。尚、詳細な説明は後述するが、被覆層51は、第2の中間転写ベルト21周面に層状に供給された第2の液50の層である。この第2の紫外線照射部26が、本発明にいう第2の刺激付与部の一例に相当する。この第2の紫外線照射部26としては、画像形成部10の第1の紫外線照射部16と同様に、上述した具体的な光源が適用される。尚、第1の紫外線照射部16と第2の紫外線照射部26には同種の光源が用いられてもよく、あるいは別種の光源が用いられてもよい。
【0036】
上述したように、第2の紫外線照射部26が第2の中間転写ベルト21の内側に設けられているため、紫外線は第2の中間転写ベルト21を透過した後に被覆層51に対して照射される。第2の中間転写ベルト21の基部には、被覆層51に効率よく紫外線を照射させるため、紫外線透過性の高い材料が用いられている。具体的には、第2の中間転写ベルト21の基部の紫外線透過率は、硬化用光源のピーク波長領域において50%以上、より好ましくは80%以上となっている。例えばUV−LED(ピーク波長385nm)を第2の紫外線照射部26として用いた場合、385nmにおける透過率を測定した。同様に、第2の紫外線照射部26として適用される上記各種の光源における各ピーク波長でも透過率を測定した。透過率の測定には、日本分光株式会社の紫外可視分光光度計(型番V−560)を使用した。また、第2の中間転写ベルト21の基部は、紫外線に対する耐久性も高い。
【0037】
第2の中間転写ベルト21の基部の紫外線透過率が50%以上であることにより、第2の液50の硬化反応に必要な紫外線エネルギーが効率よく被覆層51に供給されると共に、第2の中間転写ベルト21の基部が紫外線を吸収すること、光劣化、オゾン劣化等による第2の中間転写ベルト21の劣化が抑制される。このような第2の中間転写ベルト21の基部を形成する材料としては、画像形成部10の第1の中間転写ベルト11の基部を形成する材料と同様に、上述した具体的な材料が挙げられる。また、第2の中間転写ベルト21の離型層に用いられる材料としては、画像形成部10の第1の中間転写ベルト11の離型層に用いられる材料と同様に、上述した具体的な材料が挙げられる。
【0038】
被覆層形成部23は、紫外線が照射されることで硬化する第2の液50を第2の中間転写ベルト21周面に層状に供給することで第2の中間転写ベルト21上に被覆層51を形成するものである。この被覆層形成部23は、第2の液50の塗布安定上、図1に示すように、第2の中間転写ベルト21の外側かつ駆動ロール214と対向する位置に配置されている。この被覆層形成部23が、本発明にいう第2の層形成部の一例に相当する。また、紫外線が、本発明にいう第2の刺激の一例に相当し、第2の液50が、本発明にいう第2の液の一例に相当し、被覆層51が、本発明にいう第2の層の一例に相当する。この被覆層形成部23としては、画像形成部10の画像書込層形成部13と同様に、上述した具体的な公知の供給法を利用した装置が適用される。
【0039】
第2の転写空間25は、被覆層51が、上述した画像形成部10における第1の転写器17によって画像書込層41の転写を受けた記録媒体60と第2の中間転写ベルト21とに挟み込まれる空間である。
【0040】
第2の転写器27は、上述したように、第2の紫外線照射部26と対向する位置に配置されており、記録媒体60を裏面側から加圧する加圧ロール271と、加圧前後の記録媒体60を裏面側から支持する支持体272とを備えている。この第2の転写器27は、第2の転写空間25で転写を行う。即ち、被覆層51が第2の転写空間25に進入した時点で、被覆層51の、画像書込層41の転写を受けた記録媒体60の画像書込層41が硬化した硬化画像書込層42の上への転写が開始される。このような転写開始後、第2の転写器27の加圧ロール271で記録媒体60が裏面側から加圧された状態で、第2の紫外線照射部26から被覆層51に対して紫外線が照射される。そして、その紫外線の照射により、被覆層51が硬化して硬化被覆層52となるときにその硬化被覆層52が記録媒体60の硬化画像書込層42に固着する。その後、記録媒体60が第2の転写空間25を通過すると硬化被覆層52は、固着した記録媒体60側に強く引き付けられる。一方で、離型層を有する第2の中間転写ベルト21への付着性は低いため、硬化被覆層52は第2の中間転写ベルト21から分離され、記録媒体60の硬化画像書込層42が硬化被覆層52で被覆される。これにより転写が完了する。この第2の転写器27と第2の転写空間25との組み合わせが、本発明にいう第2の転写部の一例に相当する。
【0041】
第2のクリーニング部28は、第2の転写器27による被覆の後に、第2の中間転写ベルト21の周面に残留した第2の液50を除去するものである。
【0042】
次に、記録媒体搬送手段30について説明する。
【0043】
記録媒体搬送手段30は、周面が矢印B方向に周回移動する記録媒体搬送ベルト31を備えている。記録媒体搬送ベルト31は、ベルト支持ロール311,312,313,314,315,316によって支持された無端の帯状部材である。また、記録媒体搬送ベルト31は、第1の中間転写ベルト11および第2の中間転写ベルト21の外側、かつ第1の転写器17および第2の転写器27の外側に配置されている。そして、記録媒体搬送ベルト31は、記録媒体60を、第1の転写空間15を経由しさらに第2の転写空間25を経由する搬送経路で搬送する。この記録媒体搬送手段30が、本発明にいう記録媒体搬送手段の一例に相当する。
【0044】
以下、図1に示す画像形成装置1による記録媒体60への画像記録の動作および被覆の動作を説明する。
【0045】
まず、画像形成装置1の画像形成部10による記録媒体60への画像記録の動作について説明する。
【0046】
第1の中間転写ベルト11は、ベルト支持ロール111,112,113および駆動ロール114に支持された状態で、駆動ロール114が駆動されることによって矢印A方向に周回移動する。
【0047】
画像書込層形成部13によって第1の液40が第1の中間転写ベルト11周面に層状に供給されることで第1の中間転写ベルト11上に画像書込層41が形成される。
【0048】
次に、第1の画像書込部14における4つのインクジェット記録ヘッド14Y,14M,14C,14Kから、画像書込層41にインク141が吐出されることによって、その画像書込層41にインク141で画像が書き込まれる。そのように画像が書き込まれた画像書込層41は、第1の中間転写ベルト11の周回移動によって第1の転写空間15へと送られる。
【0049】
一方、図示は省略するが、画像が記録される記録媒体60が、記録媒体収容器から取り出されて第1の転写空間15まで搬送されてくる。この記録媒体60は、記録媒体搬送手段30の記録媒体搬送ベルト31の周面上に保持されて搬送され、記録媒体搬送ベルト31の周回移動に伴って第1の転写空間15を通過する。
【0050】
第1の画像書込部14によってインク141で画像が書き込まれた後の画像書込層41は第1の転写空間15で、搬送される記録媒体60と第1の中間転写ベルト11とで挟み込まれる。このとき、その画像書込層41の画像が書き込まれた面が、記録媒体60の表面と接触することとなる。また、第1の転写器17は、第1の転写空間15で転写を行う。即ち、画像書込層41が第1の転写空間15に進入した時点で、画像書込層41の記録媒体60への転写を開始する。そして、第1の転写器17の加圧ロール171により、記録媒体60が裏面側から加圧され、画像書込層41と記録媒体60が密着する。このような転写開始後、画像書込層41が記録媒体60と第1の中間転写ベルト11とで挟み込まれるとともに記録媒体60が裏面側から加圧されている状態で、第1の紫外線照射部16から、第1の中間転写ベルト11を透過して画像書込層41に対して紫外線が照射される。そして、その紫外線の照射により、硬化画像書込層42が形成される。
【0051】
画像書込層41の、記録媒体60の表面と接触する接触面には、第1の画像書込部14によってインク141で画像が書き込まれている。第1の紫外線照射部16から照射された紫外線は、第1の中間転写ベルト11を透過し、画像書込層41に供給されて硬化画像書込層42が形成される。上述したように、第1の中間転写ベルト11の基部の紫外線透過率は50%以上となっているため、第1の液40の硬化反応に必要な紫外線エネルギーが効率よく画像書込層41に供給される。
【0052】
また、上述したように、画像書込層41は記録媒体60に密着しているので、画像書込層41が硬化した硬化画像書込層42は記録媒体60に固着する。これによりインク141の画像は記録媒体60に、硬化画像書込層42によって保護された状態で安定して記録される。このような画像記録の安定性は、硬化画像書込層42と記録媒体60の密着性に依存し、インク141には依存しない。このため、この画像記録は記録媒体60の選択の自由度が高い。
【0053】
紫外線の照射後、記録媒体60および硬化画像書込層42は、記録媒体搬送ベルト31と第1の中間転写ベルト11の移動に伴って、第1の転写空間15を通過する。そして、硬化画像書込層42は第1の中間転写ベルト11から分離され、記録媒体60の表面が硬化画像書込層42で被覆される。
【0054】
上述したように、第1の中間転写ベルト11には離型層が形成されているため、記録媒体60が第1の転写空間15を通過した時点で硬化画像書込層42が第1の中間転写ベルト11から分離され、硬化画像書込層42は、第1の中間転写ベルト11の周面から記録媒体60の表面に転写される。また、画像書込層41の、記録媒体60の表面と接触する接触面には、第1の画像書込部14によってインク141で画像が書き込まれているため、第1の画像書込部14で書き込まれた画像は、第1の転写器17によって硬化画像書込層42で記録媒体60の表面が被覆される結果として記録媒体60に記録される。
【0055】
また、上述したように、第1の中間転写ベルト11の周面が平滑面であるため、記録媒体60を被覆する硬化画像書込層42の表面は、第1の中間転写ベルト11の平滑な周面が写し取られて高グロスの光沢面となる。
【0056】
第1の転写空間15を経由することで画像形成部10によって画像が記録された記録媒体60は、記録媒体搬送ベルト31の周回移動によって第2の転写空間25へと搬送される。
【0057】
また、第1の転写器17による転写の後、第1のクリーニング部18によって、第1の中間転写ベルト11の周面に残留した第1の液40が除去される。
【0058】
次に、画像形成装置1の被覆部20による被覆の動作について説明する。
【0059】
第2の中間転写ベルト21は、ベルト支持ロール211,212,213および駆動ロール214に支持された状態で、駆動ロール214が駆動されることによって矢印C方向に周回移動する。
【0060】
被覆層形成部23によって第2の液50が第2の中間転写ベルト21周面に層状に供給されることで第2の中間転写ベルト21上に被覆層51が形成される。被覆層51は、第2の中間転写ベルト21の周回移動によって第2の転写空間25へと送られる。
【0061】
一方、上述したように、第1の転写空間15を経由することで画像形成部10によって画像が記録された記録媒体60が、第2の転写空間25まで搬送されてくる。この記録媒体60は、記録媒体搬送手段30の記録媒体搬送ベルト31の周面上に保持されて搬送され、記録媒体搬送ベルト31の周回移動に伴って第2の転写空間25を通過する。
【0062】
被覆層51は第2の転写空間25で、搬送される記録媒体60と第2の中間転写ベルト21とで挟み込まれる。また、第2の転写器27は、第2の転写空間25で転写を行う。即ち、被覆層51が第2の転写空間25に進入した時点で、被覆層51の、画像書込層41の転写を受けた記録媒体60の画像書込層41が硬化した硬化画像書込層42の上への転写を開始する。そして、第2の転写器27の加圧ロール271により、記録媒体60が裏面側から加圧され、被覆層51と記録媒体60が密着する。このような転写開始後、被覆層51が記録媒体60と第2の中間転写ベルト21とで挟み込まれるとともに記録媒体60が裏面側から加圧されている状態で、第2の紫外線照射部26から、第2の中間転写ベルト21を透過して被覆層51に対して紫外線が照射される。そして、その紫外線の照射により、硬化被覆層52が形成される。
【0063】
第2の紫外線照射部26から照射された紫外線は、第2の中間転写ベルト21を透過し、被覆層51に供給されて硬化被覆層52が形成される。上述したように、第2の中間転写ベルト21の基部の紫外線透過率は50%以上となっているため、第2の液50の硬化反応に必要な紫外線エネルギーが効率よく被覆層51に供給される。
【0064】
紫外線の照射後、記録媒体60および硬化被覆層52は、記録媒体搬送ベルト31と第2の中間転写ベルト21の移動に伴って、第2の転写空間25を通過する。そして、硬化被覆層52は第2の中間転写ベルト21から分離され、記録媒体60の硬化画像書込層42が硬化被覆層52で被覆される。
【0065】
上述したように、第2の中間転写ベルト21には離型層が形成されているため、記録媒体60が第2の転写空間25を通過した時点で硬化被覆層52が第2の中間転写ベルト21から分離され、硬化被覆層52は、第2の中間転写ベルト21の周面から記録媒体60の硬化画像書込層42の上に転写される。
【0066】
また、上述したように、第2の中間転写ベルト21の周面が凹凸面であるため、記録媒体60の硬化画像書込層42を被覆する硬化被覆層52の表面は、第2の中間転写ベルト21周面の凹凸が写し取られて凹凸面となる。すなわち、記録媒体60の硬化画像書込層42を被覆する硬化被覆層52の表面に凹凸が形成され、その凹凸による表面乱反射により、マットやエンボス、レンズ形状などといった表面性状となる。表面性状は、第2の中間転写ベルト21周面の凹凸パターンの粗さによって、マットとなるかエンボスとなるかが決まる。
【0067】
第2の転写空間25を経由することで被覆部20によって硬化画像書込層42が硬化被覆層52で被覆された記録媒体60は、記録媒体搬送ベルト31によって搬送され、その後は図示は省略するが、装置外へと排出される。
【0068】
また、第2の転写器27による転写の後、第2のクリーニング部28によって、第2の中間転写ベルト21の周面に残留した第2の液50が除去される。
【0069】
以上で、本発明の画像形成装置の第1実施形態の説明を終了し、本発明の画像形成装置の第2実施形態について以下説明する。この第2実施形態は、被覆部が第2の画像書込部をさらに備えた点が上述した第1実施形態とは異なる。
【0070】
以下、第1実施形態における要素と同じ要素については同じ符号を付し、重複説明は省略して第1実施形態との相違点に着目した説明を行う。
【0071】
図2は、本発明の画像形成装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【0072】
図2に示す画像形成装置2も、図1に示す画像形成装置1と同様に、インクジェット記録方式の画像形成装置である。
【0073】
この画像形成装置2は、画像形成部10と、被覆部20と、記録媒体搬送手段30とを備えている。
【0074】
図2に示すように、被覆部20は、第2の中間転写ベルト21と、被覆層形成部23と、第2の画像書込部24と、第2の紫外線照射部26と、第2の転写器27と、第2のクリーニング部28とを備えている。この被覆部20も、本発明にいう被覆部の一例に相当する。被覆層形成部23、第2の画像書込部24、第2の転写器27、および第2のクリーニング部28は、第2の中間転写ベルト21の周囲に、第2の中間転写ベルト21の周回移動方向(矢印C方向)における上流側からこの順に配置されている。
【0075】
被覆層形成部23は、紫外線が照射されることで硬化する第2の液50を第2の中間転写ベルト21周面に層状に供給することで第2の中間転写ベルト21上に被覆層51を形成するものである。ここで、第2の液50には、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化性材料に加え、後述する第2の画像書込部24における4つのインクジェット記録ヘッド24Y,24M,24C,24Kから吐出されるインク241を固定化する材料も含まれている。インク241を固定化する材料は、例えば、インク241に対して吸液性を有する吸液性材料であって、吸液性材料としては、例えば吸液樹脂や、表面親インク性を持たせた無機粒子等が挙げられる。この第2の液50も、本発明にいう第2の液の一例に相当する。
【0076】
第2の画像書込部24は、被覆層形成部23によって第2の中間転写ベルト21上に形成された被覆層51にインク241を吐出することによって、その被覆層51にインク241で画像を書き込むものである。この第2の画像書込部24が、本発明にいう第2の画像書込部の一例に相当する。より詳細には、互いに異なる色の画像形成を担う4つのインクジェット記録ヘッド24Y,24M,24C,24Kが第2の中間転写ベルト21の周回移動方向(矢印C方向)に沿って配置されており、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および、ブラック(K)の各色のインク241で画像を順次に重ねて形成する。これによりカラー画像が形成される。インクジェット記録ヘッド24Y,24M,24C,24Kとしては、画像形成部10のインクジェット記録ヘッド14Y,14M,14C,14Kと同様に、上述したライン型インクジェット記録ヘッドやスキャン型インクジェット記録ヘッドなどが適用される。
【0077】
第2の転写空間25は、第2の画像書込部24によってインク241で画像が書き込まれた後の被覆層51を、上述した画像形成部10における第1の転写器17によって画像書込層41の転写を受けた記録媒体60と第2の中間転写ベルト21とに挟み込まれる空間である。
【0078】
第2の転写器27は、上述した画像形成部10で画像書込層41の転写を受けた記録媒体60の画像書込層41が硬化した硬化画像書込層42を被覆層51で被覆するものである。第2の画像書込部24で書き込まれた画像は、第2の転写器27によって硬化被覆層52で記録媒体60の硬化画像書込層42が被覆される結果として記録媒体60に記録される。
【0079】
図2に示す画像形成装置2の画像形成部10による記録媒体60への画像記録の動作は、上述した図1に示す画像形成装置1の画像形成部10による記録媒体60への画像記録の動作と同様であるため、説明を省略し、図2に示す画像形成装置2の被覆部20による被覆の動作を説明する。
【0080】
上述したように、第2の中間転写ベルト21は、ベルト支持ロール211,212,213および駆動ロール214に支持された状態で、駆動ロール214が駆動されることによって矢印C方向に周回移動する。
【0081】
被覆層形成部23によって第2の液50が第2の中間転写ベルト21周面に層状に供給されることで第2の中間転写ベルト21上に被覆層51が形成される。
【0082】
次に、第2の画像書込部24における4つのインクジェット記録ヘッド24Y,24M,24C,24Kから、被覆層51にインク241が吐出されることによって、その被覆層51にインク241で画像が書き込まれる。そのように画像が書き込まれた被覆層51は、第2の中間転写ベルト21の周回移動によって第2の転写空間25へと送られる。
【0083】
一方、上述したように、第1の転写空間15を経由することで画像形成部10によって画像が記録された記録媒体60が、第1実施形態における動作と同じ動作で、第2の転写空間25まで搬送されてくる。
【0084】
第2の画像書込部24によってインク241で画像が書き込まれた後の被覆層51は第2の転写空間25で、搬送される記録媒体60と第2の中間転写ベルト21とで挟み込まれる。このとき、その被覆層51の画像が書き込まれた面が、上述した画像形成部10で画像が記録された記録媒体60の硬化画像書込層42と接触することとなる。また、上述したように、第2の転写器27の加圧ロール271により、記録媒体60が裏面側から加圧され、被覆層51と記録媒体60が密着する。
【0085】
次に、第2の紫外線照射部26により、第1実施形態における動作と同じ動作で被覆層51が硬化される。また、第2の転写器27により、第1実施形態における動作と同じ動作で、被覆層51の、画像書込層41の転写を受けた記録媒体60の画像書込層41が硬化した硬化画像書込層42の上への転写を開始し、この第2実施形態でも、その転写により、記録媒体60の硬化画像書込層42が被覆層51で被覆される。ただし、この第2実施形態では、被覆層51の、記録媒体60の硬化画像書込層42と接触する接触面には、第2の画像書込部24によってインク241で画像が書き込まれているため、第2の画像書込部24で書き込まれた画像は、第2の転写器27によって硬化被覆層52で記録媒体60の硬化画像書込層42が被覆される結果として記録媒体60に記録される。すなわち、画像形成部10によって画像が記録された記録媒体60上に、追加で画像が記録される。このような追加画像としては、例えば、企業のロゴマークなどといった、複数の記録媒体60に亘って共通に記録される画像などが挙げられる。
【0086】
また、上述したように、第2の中間転写ベルト21の周面が凹凸面であるため、この第2実施形態でも、記録媒体60の硬化画像書込層42を被覆する硬化被覆層52の表面は、第2の中間転写ベルト21周面の凹凸が写し取られて凹凸面となり、その凹凸による表面乱反射により、マットやエンボス、レンズ形状などといった表面性状となる。
【0087】
第2の転写空間25を経由することで被覆部20によって硬化画像書込層42が硬化被覆層52で被覆された記録媒体60は、第1実施形態における動作と同じ動作で、記録媒体搬送ベルト31によって搬送され、その後は図示は省略するが、装置外へと排出される。
【0088】
また、第2の転写器27による転写の後、第2のクリーニング部28によって、第1実施形態における動作と同じ動作で、第2の中間転写ベルト21の周面に残留した第2の液50が除去される。
【0089】
以上で、本発明の画像形成装置の第2実施形態の説明を終了し、本発明の画像形成装置の第3実施形態について以下説明する。この第3実施形態は、被覆部が領域指定部をさらに備えた点が上述した第2実施形態とは異なる。
【0090】
以下、第2実施形態における要素と同じ要素については同じ符号を付し、重複説明は省略して第2実施形態との相違点に着目した説明を行う。
【0091】
図3は、本発明の画像形成装置の第3実施形態を示す概略構成図である。
【0092】
図3に示す画像形成装置3も、図2に示す画像形成装置2と同様に、インクジェット記録方式の画像形成装置である。
【0093】
この画像形成装置3は、画像形成部10と、被覆部20と、記録媒体搬送手段30とを備えている。
【0094】
図3に示すように、被覆部20は、第2の中間転写ベルト21と、被覆層形成部23と、第2の画像書込部24と、第2の紫外線照射部26と、第2の転写器27と、第2のクリーニング部28と、領域指定部70とを備えている。
【0095】
領域指定部70は、被覆層形成部23に対し、被覆層51を形成すべき領域を指定するものである。この領域は、例えば、第1の転写空間15を経由することで画像が記録された記録媒体60における画像の一部分に対応する領域である。すなわち、このような領域の指定により、第2の中間転写ベルト21の周面のうち、被覆層形成部23による第2の液50の供給領域が決まる。この領域指定部70が、本発明にいう領域指定部の一例に相当する。
【0096】
被覆層形成部23は、紫外線が照射されることで硬化する第2の液50を、第2の中間転写ベルト21周面の、領域指定部70により指定された領域に層状に供給することで、第2の中間転写ベルト21上に被覆層51を形成するものである。この被覆層形成部23としては、具体的には、公知の供給法(塗布法)であるインクジェット方式の塗布を利用したインクジェット記録ヘッドが適用されている。これにより、被覆層51が、第2の中間転写ベルト21周面の、領域指定部70により指定された領域に形成される。この被覆層形成部23も、本発明にいう第2の層形成部の一例に相当する。また、被覆層51も、本発明にいう第2の層の一例に相当する。
【0097】
図3に示す画像形成装置3の画像形成部10による記録媒体60への画像記録の動作は、上述した図2に示す画像形成装置2の画像形成部10による記録媒体60への画像記録の動作と同様であるため、説明を省略し、図3に示す画像形成装置3の被覆部20による被覆の動作を説明する。
【0098】
上述したように、第2の中間転写ベルト21は、ベルト支持ロール211,212,213および駆動ロール214に支持された状態で、駆動ロール214が駆動されることによって矢印C方向に周回移動する。
【0099】
被覆層形成部23によって、第2の液50が、第2の中間転写ベルト21周面の、領域指定部70により指定された領域に層状に供給されることで、第2の中間転写ベルト21上に被覆層51が形成される。すなわち、被覆層51が、第2の中間転写ベルト21周面の、領域指定部70により指定された領域に形成される。
【0100】
次に、第2の画像書込部24における4つのインクジェット記録ヘッド24Y,24M,24C,24Kから、被覆層51にインク241が吐出されることによって、その被覆層51にインク241で画像が書き込まれる。そのように画像が書き込まれた被覆層51は、第2の中間転写ベルト21の周回移動によって第2の転写空間25へと送られる。
【0101】
一方、上述したように、第1の転写空間15を経由することで画像形成部10によって画像が記録された記録媒体60が、第2実施形態における動作と同じ動作で、第2の転写空間25まで搬送されてくる。
【0102】
次に、第2の紫外線照射部26により、第2実施形態における動作と同じ動作で被覆層51が硬化される。また、第2の転写器27により、第2実施形態における動作と同じ動作で、被覆層51の、画像書込層41の転写を受けた記録媒体60の画像書込層41が硬化した硬化画像書込層42の上への転写を開始し、その紫外線の照射により、硬化被覆層52が形成される。この第3実施形態では、被覆層形成部23によって、第2の中間転写ベルト21周面の、領域指定部70により指定された領域に被覆層51が形成されているため、その転写により、記録媒体60の硬化画像書込層42が被覆層51で部分的に被覆される。また、被覆層51の、記録媒体60の硬化画像書込層42と接触する接触面には、第2の画像書込部24によってインク241で画像が書き込まれているため、第2の画像書込部24で書き込まれた画像は、第2の転写器27によって硬化被覆層52で記録媒体60の硬化画像書込層42が被覆される結果として記録媒体60に記録される。すなわち、画像形成部10によって画像が記録された記録媒体60上に、追加で画像が記録される。このような追加画像としては、例えば、追加画像部分を擦ることにより追加画像の下に記録された画像を可視化するスクラッチ画像などが挙げられる。
【0103】
また、上述したように、第2の中間転写ベルト21の周面が凹凸面であるため、この第3実施形態でも、記録媒体60の硬化画像書込層42を部分的に被覆する硬化被覆層52の表面は、第2の中間転写ベルト21周面の凹凸が写し取られて凹凸面となり、その凹凸による表面乱反射により、マットやエンボス、レンズ形状などといった表面性状となる。一方、記録媒体60の硬化画像書込層42が硬化被覆層52で被覆されることなく、上述した第1の中間転写ベルト11の平滑な周面が表面に写し取られた硬化画像書込層42が露出した部分の表面性状は、高グロスの光沢面である。
【0104】
第2の転写空間25を経由することで被覆部20によって硬化画像書込層42が硬化被覆層52で被覆された記録媒体60は、第2実施形態における動作と同じ動作で、記録媒体搬送ベルト31によって搬送され、その後は図示は省略するが、装置外へと排出される。
【0105】
また、第2の転写器27による転写の後、第2のクリーニング部28によって、第2実施形態における動作と同じ動作で、第2の中間転写ベルト21の周面に残留した第2の液50が除去される。これにより、不要な領域への第2の液50の付着が回避される。
【0106】
以上で、本発明の画像形成装置の第3実施形態の説明を終了し、本発明の画像形成装置の第4実施形態について以下説明する。この第4実施形態では、上述した第2の中間転写ベルトに替えて、周面の一部分の材質が異なる第2の中間転写ベルトを用いる点と、上述した第2の液に替えて、物性が異なる第2の液を用いる点とが上述した第3実施形態とは異なる。尚、画像形成装置の構成は上述した第3実施形態と同一である。
【0107】
以下、第3実施形態における要素と同じ要素については同じ符号を付し、重複説明は省略して第3実施形態との相違点に着目した説明を行う。
【0108】
図4は、本発明の画像形成装置の第4実施形態を示す概略構成図である。
【0109】
図4に示す画像形成装置4も、図3に示す画像形成装置3と同様に、インクジェット記録方式の画像形成装置である。
【0110】
この画像形成装置4は、画像形成部10と、被覆部20と、記録媒体搬送手段30とを備えている。
【0111】
図4に示すように、被覆部20は、第2の中間転写ベルト22と、被覆層形成部23と、第2の画像書込部24と、第2の紫外線照射部26と、第2の転写器27と、第2のクリーニング部28と、領域指定部70とを備えている。
【0112】
第2の中間転写ベルト22は、ベルト支持ロール211,212,213および駆動ロール214によって支持され、駆動ロール214が駆動されることにより周面が矢印C方向に周回移動する、無端の帯状部材である。
【0113】
図5は、図4に示す第2の中間転写ベルトの周面の一部分を示す平面図である。
【0114】
第4実施形態では、図3を参照して説明した第2の中間転写ベルト21に替えて、図5に示すような、周面の一部分の材質が異なる第2の中間転写ベルト22が用いられる。より詳細には、この第2の中間転写ベルト22は、基部と、この基部の外面上に形成された離型層とを有し、離型層は、外面に、後述する第2の液80に対する親和性が相対的に高い第1の領域22Aと、その第2の液80に対する親和性が相対的に低い第2の領域22Bとを有する。第2の領域22Bは、例えば画像形成部10の第1の中間転写ベルト11の離型層に用いられる上述した材料と同様の材料からなる離型層そのものの外面である。また、第1の領域22Aは、例えばフッ素系フィルムやオレフィン系フィルム、PET(ポリエステル)系フィルムに表面シリコーン処理したものを離型層外面に加熱プレス、鋳型加圧ロールで加熱成形プレスしたものの外面である。そして、この第1の領域22Aは、画像書込層41の転写を受けた記録媒体60の画像書込層41が硬化した硬化画像書込層42の上に被覆層81を転写すべき領域に対応した領域である。このような第1の領域22Aおよび第2の領域22Bを外面に有する離型層は、いわゆる紫外線硬化樹脂、インク、汚れ、外部付着物に対する離型性を有する材料の層であって、離型層の外面(即ち、第1の領域22Aと第2の領域22Bとを合わせた領域)が、第2の中間転写ベルト22の周面である。この第2の中間転写ベルト22の周面は、画像形成部10の第1の中間転写ベルト11の周面とは異なる表面性状の周面であって、具体的には、例えば凹凸面(エンボス、マット、シボ形状、レンズ形状等など)である。第2の中間転写ベルト22の周面が凹凸面であることにより、上述した画像書込層41の転写を受けた記録媒体60が第2の転写空間25を経由した後にマットやエンボス、レンズ形状などといった凹凸表面の記録物が得られる。この第2の中間転写ベルト22も、本発明にいう第2の移動体の一例に相当する。
【0115】
図4に戻って説明を続ける。
【0116】
領域指定部70は、被覆層形成部23に対し、被覆層81を形成すべき領域を指定するものである。上述したように、第4実施形態では、第2の中間転写ベルト22の周面のうちの第1の領域22Aが、被覆層81を転写すべき領域に対応した領域である。そのため、第4実施形態における領域指定部70は、被覆層形成部23に対し、第2の中間転写ベルト22の周面のうちの第1の領域22Aを、第2の液80を供給する領域として指定する。この領域指定部70も、本発明にいう領域指定部の一例に相当する。
【0117】
被覆層形成部23は、紫外線が照射されることで硬化する第2の液80を、第2の中間転写ベルト22周面の、領域指定部70により指定された領域である第1の領域22Aに層状に供給することで、第2の中間転写ベルト22の第1の領域22A上に被覆層81を形成するものである。第4実施形態では、第2の液80における紫外線が照射されることで硬化する材料として、紫外線硬化性の疎水性モノマーが用いられている。紫外線硬化性の疎水性モノマーとしては、例えば、アルコール/多価アルコール/アミノアルコール類のアクリル酸エステル、アルコール/多価アルコール類のメタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類等のラジカル硬化性材料;エポキシモノマー、オキセタンモノマー、ビニルエーテルモノマー等のカチオン硬化性材料;などが挙げられる。この被覆層形成部23も、本発明にいう第2の層形成部の一例に相当する。また、第2の液80も、本発明にいう第2の液の一例に相当し、被覆層81も、本発明にいう第2の層の一例に相当する。
【0118】
図4に示す画像形成装置4の画像形成部10による記録媒体60への画像記録の動作は、上述した図3に示す画像形成装置3の画像形成部10による記録媒体60への画像記録の動作と同様であるため、説明を省略し、図4に示す画像形成装置4の被覆部20による被覆の動作を説明する。
【0119】
上述したように、第2の中間転写ベルト22は、ベルト支持ロール211,212,213および駆動ロール214に支持された状態で、駆動ロール214が駆動されることによって矢印C方向に周回移動する。
【0120】
被覆層形成部23によって、第2の液80が、第2の中間転写ベルト22周面の、領域指定部70により指定された第1の領域22Aに層状に供給されることで、第2の中間転写ベルト22上に被覆層81が形成される。すなわち、被覆層81が、第2の中間転写ベルト22周面の、領域指定部70により指定された第1の領域22Aに形成される。上述したように、第1の領域22は、第2の液80に対する親和性が相対的に高い領域であるため、第2の液80が層状に供給された被覆層81は第1の領域22Aからはみ出ることなく形成される。
【0121】
次に、第2の画像書込部24における4つのインクジェット記録ヘッド24Y,24M,24C,24Kから、被覆層81にインク241が吐出されることによって、その被覆層81にインク241で画像が書き込まれる。そのように画像が書き込まれた被覆層81は、第2の中間転写ベルト22の周回移動によって第2の転写空間25へと送られる。
【0122】
一方、上述したように、第1の転写空間15を経由することで画像形成部10によって画像が記録された記録媒体60が、第2の転写空間25まで搬送されてくる。
【0123】
次に、第2の紫外線照射部26により、第3実施形態における動作と同じ動作で被覆層81が硬化される。また、第2の転写器27により、第3実施形態における動作と同じ動作で、被覆層81の、画像書込層41の転写を受けた記録媒体60の画像書込層41が硬化した硬化画像書込層42の上への転写を開始し、その紫外線の照射により、硬化被覆層82が形成される。この第4実施形態では、被覆層形成部23によって、第2の中間転写ベルト22周面の、領域指定部70により指定された第1の領域22Aに被覆層81がはみ出ることなく形成されているため、その転写により、記録媒体60の硬化画像書込層42が被覆層81で部分的に精度よく被覆される。
【0124】
第2の転写空間25を経由することで被覆部20によって硬化画像書込層42が硬化被覆層82で被覆された記録媒体60は、第3実施形態における動作と同じ動作で、記録媒体搬送ベルト31によって搬送され、その後は図示は省略するが、装置外へと排出される。
【0125】
また、第2の転写器27による転写の後、第2のクリーニング部28によって、第3実施形態における動作と同じ動作で、第2の中間転写ベルト22の周面に残留した第2の液80が除去される。これにより、不要な領域への第2の液50の付着が回避される。
【0126】
以上で、本発明の画像形成装置の第4実施形態の説明を終了する。
【0127】
尚、上述した各実施形態では、本発明にいう移動体が、中間転写ベルトである例を挙げて説明したが、本発明にいう移動体は、これに限られるものではなく、周面が周回移動するものであればよく、例えばロールなどであってもよい。
【0128】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう第1の液が、紫外線の照射によって硬化するものである例を挙げて説明したが、本発明にいう第1の液は、これに限られるものではなく、例えば電子線や熱の付与によって硬化するものなどであってもよい。また、上述した各実施形態では、本発明にいう第2の液が、紫外線の照射によって硬化するものである例を挙げて説明したが、本発明にいう第2の液は、これに限られるものではなく、例えば電子線や熱の付与によって硬化するものなどであってもよい。
【0129】
更に、上述した各実施形態では、本発明にいう第1の液および第2の液が同種の刺激によって硬化するものである例を挙げて説明したが、本発明にいう第1の液および第2の液は、これに限られるものではなく、例えば、一方が紫外線の照射によって硬化するもので、他方が電子線の付与によって硬化するものであってもよい。
【0130】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう第1の転写部が、画像書込層に紫外線が照射される前に画像書込層の記録媒体への転写を開始する例を挙げて説明したが、本発明にいう第1の転写部は、これに限られるものではなく、遅くとも、第1の層の硬化が完了する前に記録媒体への転写を開始すればよい。例えば、第1の層に硬化用の刺激で硬化し始めた後、硬化完了前に転写を開始してもよい。
【0131】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう第2の転写部が、被覆層に紫外線が照射される前に、被覆層の、画像書込層の転写を受けた記録媒体の画像書込層が硬化した硬化画像書込層の上への転写を開始する例を挙げて説明したが、本発明にいう第2の転写部は、これに限られるものではなく、遅くとも、第2の層の硬化が完了する前に、第2の層の、第1の層の転写を受けた記録媒体の第1の層の上への転写を開始すればよい。例えば、第2の層に硬化用の刺激で硬化し始めた後、硬化完了前に転写を開始してもよい。
【符号の説明】
【0132】
1,2,3,4 画像形成装置
10 画像形成部
11 第1の中間転写ベルト
111,112,113,211,212,213 ベルト支持ロール
114,214 駆動ロール
13 画像書込層形成部
14 第1の画像書込部
14Y,14M,14C,14K,24Y,24M,24C,24K インクジェット記録ヘッド
141,241 インク
15 第1の転写空間
16 第1の紫外線照射部
17 第1の転写器
171,271 加圧ロール
172,272 支持体
18 第1のクリーニング部
20 被覆部
21,22 第2の中間転写ベルト
22A 第1の領域
22B 第2の領域
23 被覆層形成部
24 第2の画像書込部
25 第2の転写空間
26 第2の紫外線照射部
27 第2の転写器
28 第2のクリーニング部
30 記録媒体搬送手段
31 記録媒体搬送ベルト
311,312,313,314,315,316 ベルト支持ロール
40 第1の液
41 画像書込層
42 硬化画像書込層
50,80 第2の液
51,81 被覆層
52,82 硬化被覆層
60 記録媒体
70 領域指定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
周回移動する第1の移動体と、
第1の刺激を与えることで硬化する第1の液を前記第1の移動体周面に層状に供給することで該第1の移動体上に第1の層を形成する第1の層形成部と、
前記第1の移動体上に形成された第1の層にインクで画像を書き込む画像書込部と、
前記画像書込部により画像が書き込まれた後の前記第1の層に前記第1の刺激を与えることで該第1の層を硬化させる第1の刺激付与部と、
遅くとも、前記第1の刺激付与部により与えられた前記第1の刺激を受けた前記第1の層の硬化が完了する前に該第1の層の記録媒体への転写を開始し、該転写により該記録媒体上に該第1の層を定着させる第1の転写部とを有する画像形成部、
前記第1の移動体の周面とは異なる表面性状の周面を有し周回移動する第2の移動体と、
第2の刺激を与えることで硬化する第2の液を前記第2の移動体周面に層状に供給することで該第2の移動体上に第2の層を形成する第2の層形成部と、
前記第2の層に前記第2の刺激を与えることで該第2の層を硬化させる第2の刺激付与部と、
遅くとも、前記第2の刺激付与部により与えられた前記第2の刺激を受けた前記第2の層の硬化が完了する前に、該第2の層の、前記第1の層の転写を受けた記録媒体の該第1の層の上への転写を開始し、該転写により該第1の層を該第2の層で被覆する第2の転写部とを有する被覆部、および
前記記録媒体を前記第1の転写部を経由しさらに前記第2の転写部を経由する搬送経路で搬送する記録媒体搬送手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の移動体上に形成された第2の層にインクで画像を書き込む第2の画像書込部を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の層形成部に対し、前記第2の層を形成すべき第1の領域を指定する領域指定部を有し、
前記第2の層形成部が、前記第2の層を、前記第2の移動体周面の、前記領域指定部により指定された第1の領域に形成するものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の移動体周面の前記第1の領域は、少なくとも該第1の領域の周囲の領域よりも前記第2の液に対する親和性が相対的に高い領域であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の刺激および前記第2の刺激が紫外線であって、
前記第1の刺激付与部および前記第2の刺激付与部が、紫外線を照射するものであることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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