説明

画像形成装置

【課題】エラー検出用の特別の回路を設けることなく、FAXCPUが実行するFAX送信のエラーをメインCPUで検出することができ、各種エラーに対して適切な対応を行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】メインCPUは、FAX送信する画像データーのデーター量に基づいて送信完了予定時間Tを算出し、FAXCPUからFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、FAXCPUへのFAX送信を指示する送信開始信号の送信から送信完了予定時間Tが経過すると、FAXCPUに状態確認信号を送信し、状態確認信号に対する応答信号が受信されない場合には、FAXCPUをリセットし、状態確認信号に対して送信中を示す応答信号が受信され、FAX送信の開始から送信完了予定時間Tが経過している場合には、FAX送信の終了をFAXCPUに指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、複合機、プリンター等の画像形成装置に係り、特にFAX機能を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
FAX機能を備えた複写機、複合機、プリンター等の画像形成装置では、FAX機能はオプション機能となっていることが多い。従って、複写機、複合機、プリンター等の画像形成機能を制御するメインCPUが実装されたメイン基板とは別に、FAX機能を制御するFAXCPUが実装されたFAX基板が設けられていることが一般的であり、メインCPUからFAXCPUにFAX送信の指示を行い、FAXCPUがFAX送信を実行する。
【0003】
このような構成の画像形成装置において、メインCPUからFAXCPUにFAX送信の指示が行われた後に、静電気等が原因でFAX基板上のFAXCPUがエラー(ロック)を起こしてしまうことがあり、FAX送信が中断されても、電話回線が通話状態のまま保持され続けてしまうことがある。そこで、ビジートーンを検出するビジートーン検出回路によって相手方FAX装置による回線の切断を検出することで、FAXCPUを強制リセットさせて回線を切断させ、電話回線が通話状態のまま保持され続けてしまうことを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−112686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術においては、ビジートーン検出回路というエラー検出用の特別の回路を設ける必要があり、コスト高になってしまう。また、FAXCPUのエラー(ロック)以外にも、相手方FAX装置が原因のFAX送信のエラーもあり、従来技術のようにFAXCPUに強制リセットをかけるだけでは、何度も同じエラーが繰り返されてしまうという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来技術の問題を解決し、エラー検出用の特別の回路を設けることなく、FAXCPUが実行するFAX送信のエラーをメインCPUで検出することができ、各種エラーに対して適切な対応を行うことができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、画像形成機能の制御を行うメインCPUと、当該メインCPUの制御下でFAX機能の制御を行うFAXCPUとを有する画像形成装置であって、
前記メインCPUは、FAX送信する画像データーのデーター量に基づいて送信完了予定時間を算出し、前記FAXCPUからFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、前記FAXCPUへのFAX送信を指示する送信開始信号の送信から前記送信完了予定時間が経過すると、前記FAXCPUに状態確認信号を送信し、前記状態確認信号に対する応答信号が受信されない場合には、前記FAXCPUをリセットし、前記状態確認信号に対して送信中を示す応答信号が受信され、FAX送信の開始から前記送信完了予定時間が経過している場合には、FAX送信の終了を前記FAXCPUに指示することを特微とする。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記FAXCPUは、リトライ待機中である場合に、前記状態確認信号に対して待機中を示す応答信号と共に、送信開始予定時刻を前記メインCPUに送信し、前記メインCPUは、前記FAXCPUからFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、前記送信開始予定時刻から前記送信完了予定時間が経過すると、前記FAXCPUに状態確認信号を送信するようにしても良い。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記FAXCPUは、FAX送信中である場合に、前記状態確認信号に対して送信中を示す応答信号と共に、送信開始時刻を前記メインCPUに送信し、前記メインCPUは、前記送信開始時刻から前記送信完了予定時間が経過しているか否かを判断するようにしても良い。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記メインCPUは、前記送信開始時刻から前記送信完了予定時間が経過していない場合には、前記FAXCPUからFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、前記送信開始時刻から前記送信完了予定時間が経過すると、前記FAXCPUに状態確認信号を送信するようにしても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、メインCPUは、FAX送信する画像データーのデーター量に基づいて送信完了予定時間を算出し、FAXCPUからFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、FAXCPUへのFAX送信を指示する送信開始信号の送信から送信完了予定時間が経過すると、FAXCPUに状態確認信号を送信し、状態確認信号に対する応答信号が受信されない場合には、FAXCPUをリセットし、状態確認信号に対して送信中を示す応答信号が受信され、FAX送信の開始から前記送信完了予定時間が経過している場合には、FAX送信の終了をFAXCPUに指示するように構成することにより、エラー検出用の特別の回路を設けることなく、FAXCPUが実行するFAX送信のエラーをメインCPUで検出することができ、各種エラーに対して適切な対応を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の内部構成を示す概略模式断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すメイン制御部によるFAX送信エラー検出動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態の画像形成装置1は、複写機であり、図1を参照すると、原稿読取部2と、原稿給送部3と、本体部4と、スタックトレイ5と、操作部6とを備えている。原稿読取部2は、本体部4の上部に配設され、原稿給送部3は、原稿読取部2の上部に配設されている。スタックトレイ5は、本体部4の形成された記録紙の排出口41側に配設され、また、操作部6は、画像形成装置1の手前側に配設されている。
【0011】
操作部6には、液晶表示部61、テンキー62が設けられている。ユーザーは操作部6を操作して指示を入力することで、画像形成装置1の各種の設定をし、画像形成等の各種機能を実行させる。液晶表示部61は、画像形成装置1の状態を示したり、画像形成状況や印刷部数を表示したり、タッチパネルとして、両面印刷や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定など各種設定を行えるようになっている。その他、操作部6には、画像形成を開始するようにユーザーが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、画像形成装置1の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
【0012】
原稿読取部2は、スキャナー21と、プラテンガラス22と、原稿読取スリット23とを備える。スキャナー21は、露光ランプ及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等から構成され、原稿給送部3による原稿の搬送方向に移動可能に構成されている。プラテンガラス22は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット23は、原稿給送部3による原稿の搬送方向と直交する方向に形成されたスリットを有する。
【0013】
プラテンガラス22に載置された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、プラテンガラス22に対向する位置に移動され、プラテンガラス22に載置された原稿を走査しながら原稿を読み取って画像データーを取得し、取得した画像データーを本体部4に出力する。また、原稿給送部3により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、原稿読取スリット23と対向する位置に移動され、原稿読取スリット23を介し、原稿給送部3による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データーを取得し、取得した画像データーを本体部4に出力する。
【0014】
原稿給送部3は、原稿載置部31と、原稿排出部32と、原稿搬送機構33とを備えている。原稿載置部31に載置された原稿は、原稿搬送機構33によって、1枚ずつ順に繰り出されて、原稿読取スリット23に対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部32に排出される。なお、原稿給送部3は、可倒式に構成され、原稿給送部3を上方に持ち上げることで、プラテンガラス22の上面を開放させることができる。
【0015】
本体部4は、記録部7を備えると共に、給紙部42と、用紙搬送路43と、搬送ローラー44と、排出ローラー45とを備えている。給紙部42は、複数の給紙カセット42a1〜42anと、給紙カセット42a1〜42anから記録紙を1枚ずつ用紙搬送路43に繰り出す給紙ローラー42b1〜42bnとを備えている。給紙ローラー42b1〜42bn、搬送ローラー44及び排出ローラー45が搬送部として機能し、記録紙が搬送される。給紙ローラー42b1〜42bnによって用紙搬送路43に繰り出された記録紙は、搬送ローラー44によって記録部7に搬送される。そして、記録部7によって記録が施された記録紙は、排出ローラー45によってスタックトレイ5に排出される。
【0016】
記録部7は、感光体ドラム71と、露光部72と、画像形成部73と、転写部74と、定着部75とを備えている。露光部72は、レーザー装置やミラー等を備えた光学ユニットであり、画像データーに基づいてレーザー光を出力して感光体ドラム71を露光し、感光体ドラム71の表面に静電潜像を形成する。画像形成部73は、トナーを用いて感光体ドラム71に形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム71上に形成させる。転写部74は、画像形成部73によって感光体ドラム71上に形成されたトナー像を記録紙に転写させる。定着部75は、転写部74によってトナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる。
【0017】
画像形成装置1は、図2を参照すると、メイン制御部8が実装されているメイン基板8aと、FAX制御部9が実装されているFAX基板9aとを備えている。上述の原稿読取部2、原稿給紙部3、搬送部(給紙ローラー42b1〜42bn、搬送ローラー44、排出ローラー45)、操作部6及び記録部7は、メイン制御部8に接続され、メイン制御部8によって動作制御される。また、メイン基板8aには、メイン制御部8に接続された記憶部10と、画像処理部11とが設けられている。
【0018】
メイン制御部8は、メインCPU81と、ROM(Read Only Memory)82と、RAM(Random Access Memory)83等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROM82や記憶部10には画像形成装置1全体の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。メインCPU81は、ROM82や記憶部10に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM83上に展開させることで制御プログラムを駆動させ、画像形成機能の制御を行う。
【0019】
記憶部10は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、制御用プログラムや制御用データー、原稿読取部2によって原稿を読み取ることで取得された画像データーや、FAX通信によって受信された画像データー等が記憶される。
【0020】
画像処理部11は、専用の信号処理回路やDSP(Digital Signal Processor)等により構成され,画像データーに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、所定の印刷ジョブ記述言語で記述された印刷ジョブを画像形成に用いるビッ トマップ画像データーに変換する処理や、拡大縮小処理や、階調調整、濃度調整等の画像改善処理が行われる。
【0021】
FAX制御部9は、FAXCPU91と、ROM(Read Only Memory)92と、RAM(Random Access Memory)93等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部であり、メイン制御部8と接続され、メイン制御部8との間で画像データーの送受信や各種制御信号の送受信を行う。ROM92にはFAX送信の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。FAXCPU91は、ROM92に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM93上に展開させることで制御プログラムを駆動させ、メインCPU81の制御下でFAX機能の制御を行う。
【0022】
FAXCPU91は、メインCPU81からFAX送信を指示する送信開始信号を受信すると、FAX送信を実行して、FAX送信の成否を知らせる応答信号をメインCPU81に送信する。なお、相手方FAX装置が話し中等の理由でFAX送信が失敗に終わった場合には、FAXCPU91は、所定の間隔を開けてFAX送信をリトライし、所定の回数FAX送信を失敗すると、FAX送信の失敗を知らせる応答信号をメインCPU81に送信する。また、FAXCPU91は、メインCPU81からFAX送信を指示する状態確認信号を受信すると、FAX送信中である場合には、「送信中」であることを示す応答信号と共に、送信開始時刻を、相手方FAX装置が話し中等の理由でリトライ待機中である場合には、「待機中」であることを示す応答信号と共に、送信開始予定時刻をそれぞれメインCPU81に送信する。
【0023】
FAX基板9aには、FAX制御部9に接続された画像メモリ12と、符号化部13と、復号化部14と、モデム15と、網制御部16とが設けられている。画像メモリ12は、FAX送信を行う画像データーや、相手方FAX装置からFAX受信した画像データーが一時的に保存される記憶手段である。また、符号化部13は、送信する画像データーを規格上(例えばG3規格)定められた方式で符号化して、データー圧縮を行い、復号化部14は、相手方FAX装置から受信した画像データー(圧縮された画像データー)の復号化を行う。さらに、モデム15は、FAX送信する場合、符号化部13により符号化された画像データーの変調を行うと共に、相手方FAX装置から受信した画像データーの復調を行う。網制御部16は、交換機に対し回線の接続、相手側のFAX番号の通知、切断、通信先等の変更等の処理を行う部分であり、公衆回線に接続されている。
【0024】
次に、メインCPU81によるFAX送信エラー検出動作について図3を参照して詳細に説明する。
【0025】
まず、メインCPU81は、操作部6からの入力によってFAX送信指示を受け付けると、変数nを1にセットする(ステップS1)と共に、送信する画像データーのデーター量に基づいて、送信完了予定時間Tを算出する(ステップS2)。なお、送信完了予定時間Tは、FAX送信を開始してから終了するまでの時間の予測値である。送信完了予定時間Tの算出には、送信する画像データーのデーター量以外に、発呼に要する時間、符号化部13で符号化する際の圧縮率、回線速度等のパラメーターが必要になるが、これらパラメーターを予め設定しておくことで、送信する画像データーのデーター量に基づいて送信完了予定時間Tを概算することができる。また、発呼に要する時間と、符号化部13で符号化する際の圧縮率と、回線速度とは、実測値としてFAXCPU91によって把握可能であり、FAXCPU91からメインCPU81に実測値を通知して送信完了予定時間Tの算出に用いるようにしても良い。
【0026】
次に、メインCPU81は、FAX送信を指示する送信開始信号をFAX制御部9に送信し(ステップS3)、FAXCPU91からのFAX送信の成否を知らせる応答信号の受信を待つ(ステップS4)と共に、ステップS3の送信開始信号の送信から送信完了予定時間Tの経過を監視する(ステップS5)。
【0027】
ステップS5で送信完了予定時間Tが経過する以前に、ステップS4でFAXCPU91からの応答信号を受信した場合には、メインCPU81は、応答信号が「送信成功」を示すものであるか、「送信失敗」を示すものであるかを判断する(ステップS6)。ステップS6で応答信号が「送信成功」を示すものである場合には、メインCPU81は、操作部6の液晶表示部61にFAX送信成功のメッセージを表示させ、FAX送信成功をユーザーに報知する(ステップS7)。また、ステップS6で応答信号が「送信失敗」を示すものである場合には、メインCPU81は、操作部6の液晶表示部61にFAX送信失敗のメッセージを表示させ、FAX送信失敗をユーザーに報知する(ステップS8)。
【0028】
ステップS4でFAXCPU91からの応答信号を受信する前に、ステップS5で送信完了予定時間Tが経過した場合には、メインCPU81は、FAX送信の状態を確認する状態確認信号をFAXCPU91に送信し(ステップS9)、FAXCPU91から応答信号が受信されるか否かを判断する(ステップS10)。FAXCPU91が正常に機能している状態では、ステップS9の状態確認信号に対して、FAXCPU91は、FAX送信中である場合には、「送信中」であることを示す応答信号と共に、送信開始時刻を、相手方FAX装置が話し中等の理由でリトライ待機中である場合には、「待機中」であることを示す応答信号と共に、送信開始予定時刻をそれぞれメインCPU81に送信する。
【0029】
ステップS10で、FAXCPU91から応答信号を受信した場合には、メインCPU81は、「送信中」であることを示す応答信号か、「待機中」であることを示す応答信号かを判断する(ステップS11)。
【0030】
ステップS11で、「待機中」であることを示す応答信号である場合には、ステップS4に戻り、メインCPU81は、ステップS4で、FAXCPU91からのFAX送信の成否を知らせる応答信号の受信を待つと共に、ステップS5で、送信開始予定時刻から送信完了予定時間Tの経過を監視する。
【0031】
一方、ステップS11で、「送信中」であることを示す応答信号である場合には、メインCPU81は、送信開始時刻から送信完了予定時間Tが経過しているか否かを判断する(ステップS12)。ステップS12で、送信開始時刻から送信完了予定時間Tが経過している場合には、メインCPU81は、FAX送信の終了と、回線の切断とを指示する送信切断信号をFAXCPU91に送信し(ステップS13)、操作部6の液晶表示部61にFAX送信失敗のメッセージを表示させ、FAX送信失敗をユーザーに報知する(ステップS8)。これにより、FAXCPU91は、相手方FAX装置の問題によって、FAX送信を終了させることができない状態になっても、メインCPU81の指示によって、FAX送信の終了と、回線の切断とを強制的に実行することができる。なお、ステップS12で送信開始時刻から送信完了予定時間Tの経過を判断することで、リトライ等の理由で発呼が遅れた場合にも、送信途中で誤ってFAX送信が終了されることを防止している。
【0032】
ステップS12で、送信開始時刻から送信完了予定時間Tが経過していない場合には、ステップS4に戻り、メインCPU81は、ステップS4で、FAXCPU91からのFAX送信の成否を知らせる応答信号の受信を待つと共に、ステップS5で、送信開始時刻から送信完了予定時間Tの経過を監視する。
【0033】
ステップS10で、FAXCPU91から応答信号が受信されない場合には、メインCPU81は、FAXCPU91が静電気等の理由でエラー(ロック)を起こしたと判断し、FAXCPU91をリセットさせる(ステップS14)。次に、メインCPU81は、変数nが予め設定されている設定数Nに到達したか否かを判断し(ステップS15)、変数nが予め設定されている設定数Nに到達していない場合には、変数nをインクリメントし(ステップS16)、FAXCPU91の再立ち上げ後に、ステップS3に戻って、FAX送信を指示する送信開始信号をFAX制御部9に送信する。なお、FAXCPU91のエラー(ロック)によって電話回線が通話状態のまま保持されていても、FAXCPU91のリセットによって、FAXCPU91に接続された網制御部16も初期化されるため、電話回線を切断させることができる。
【0034】
ステップS15で、変数nが予め設定されている設定数Nに到達した場合、すなわちFAXCPU91をリセットさせたにも拘わらず、FAXCPU91のエラー(ロック)がN回繰り返された場合には、メインCPU81は、操作部6の液晶表示部61にFAXCPU91のエラーであることを示すメッセージを表示させ、FAXCPU91のエラーをユーザーに報知する(ステップS17)。
【0035】
以上説明したように本実施の形態においては、メインCPU81は、FAX送信する画像データーのデーター量に基づいて送信完了予定時間Tを算出し、FAXCPU91からFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、FAXCPU91へのFAX送信を指示する送信開始信号の送信から送信完了予定時間Tが経過すると、FAXCPU91に状態確認信号を送信し、状態確認信号に対する応答信号が受信されない場合には、FAXCPU91をリセットし、状態確認信号に対して送信中を示す応答信号が受信され、FAX送信の開始から送信完了予定時間Tが経過している場合には、FAX送信の終了をFAXCPU91に指示するように構成されている。これにより、本実施の形態では、エラー検出用の特別の回路を設けることなく、FAXCPU91が実行するFAX送信のエラーをメインCPU81で検出することができる。FAXCPU91から状態確認信号に対する応答信号が受信されない場合には、FAXCPU91に何らかのエラー(ロック)が発生したと判断して、メインCPU81は、FAXCPU91をリセットさせることができる。また、FAXCPU91からの応答がある状態で、FAX送信の開始から送信完了予定時間Tが経過している場合には、相手方FAX装置に何らかのエラー(ロック)が発生したと判断して、メインCPU81は、FAX送信を終了させることができる。このように本実施の形態では、各種エラーに対して適切な対応を行うことができる。
【0036】
さらに、本実施の形態において、FAXCPU91は、リトライ待機中である場合に、メインCPU81からの状態確認信号に対して待機中を示す応答信号と共に、送信開始予定時刻をメインCPU81に送信し、メインCPU81は、FAXCPU91からFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、送信開始予定時刻から送信完了予定時間Tが経過すると、FAXCPUに状態確認信号を送信するように構成されている。また、FAXCPU91は、FAX送信中である場合に、メインCPU81からの状態確認信号に対して送信中を示す応答信号と共に、送信開始時刻をメインCPU81に送信し、メインCPU81は、送信開始時刻から送信完了予定時間が経過しているか否かを判断するように構成されている。さらに、メインCPU81は、送信開始時刻から送信完了予定時間が経過していない場合には、FAXCPU81からFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、送信開始時刻から送信完了予定時間が経過すると、FAXCPU91に状態確認信号を送信するように構成されている。これにより、本実施の形態では、リトライ等の理由で発呼が遅れた場合にも、送信途中で誤ってFAX送信が終了されることを防止している。
【0037】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【符号の説明】
【0038】
1 画像形成装置
2 原稿読取部
3 原稿給送部
4 本体部
5 スタックトレイ
6 操作部
7 記録部
8 メイン制御部
8a メイン基板
9 FAX制御部
9a FAX基板
10 記憶部
11 画像処理部
12 画像メモリ
13 符号化部
14 復号化部
15 モデム
16 網制御部
21 スキャナー
22 プラテンガラス
23 原稿読取スリット
31 原稿載置部
32 原稿排出部
33 原稿搬送機構
41 排出口
42 給紙部
42a1〜42an 給紙カセット
42b1〜42bn 給紙ローラー
43 用紙搬送路
44 搬送ローラー
45 排出ローラー
61 液晶表示部
62 テンキー
71 感光体ドラム
72 露光部
73 画像形成部
74 転写部
75 定着部
81 メインCPU
82 ROM
83 RAM
91 FAXCPU
92 ROM
93 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成機能の制御を行うメインCPUと、当該メインCPUの制御下でFAX機能の制御を行うFAXCPUとを有する画像形成装置であって、
前記メインCPUは、
FAX送信する画像データーのデーター量に基づいて送信完了予定時間を算出し、
前記FAXCPUからFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、前記FAXCPUへのFAX送信を指示する送信開始信号の送信から前記送信完了予定時間が経過すると、前記FAXCPUに状態確認信号を送信し、
前記状態確認信号に対する応答信号が受信されない場合には、前記FAXCPUをリセットし、前記状態確認信号に対して送信中を示す応答信号が受信され、FAX送信の開始から前記送信完了予定時間が経過している場合には、FAX送信の終了を前記FAXCPUに指示することを特微とする画像形成装置。
【請求項2】
前記FAXCPUは、リトライ待機中である場合に、前記状態確認信号に対して待機中を示す応答信号と共に、送信開始予定時刻を前記メインCPUに送信し、
前記メインCPUは、前記FAXCPUからFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、前記送信開始予定時刻から前記送信完了予定時間が経過すると、前記FAXCPUに状態確認信号を送信することを特微とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記FAXCPUは、FAX送信中である場合に、前記状態確認信号に対して送信中を示す応答信号と共に、送信開始時刻を前記メインCPUに送信し、
前記メインCPUは、前記送信開始時刻から前記送信完了予定時間が経過しているか否かを判断することを特微とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記メインCPUは、前記送信開始時刻から前記送信完了予定時間が経過していない場合には、前記FAXCPUからFAX送信の成否を知らせる応答信号を受信することなく、前記送信開始時刻から前記送信完了予定時間が経過すると、前記FAXCPUに状態確認信号を送信することを特微とする請求項3記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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