画像形成装置
【目的】 低解像度、或いは非清書のイメージデータから、劣化がない、または高品質のイメージ画像出力を行う画像形成装置を提供することを目的とする。
【構成】 ホストコンピュータ300から、イメージデータを入力し、文字や図形データを図形データ判定抽出メモリ103とフォントデータ抽出変換情報メモリの情報を参照して抽出し、圧縮した表現データに変換する。そして、イメージデータと圧縮した表現データを合成しイメージデータに変換してビットマップメモリ105に格納する。プリンタエンジン部107はビットマップメモリ105からイメージデータを取り出し画像記録媒体200に画像形成を行う。
【構成】 ホストコンピュータ300から、イメージデータを入力し、文字や図形データを図形データ判定抽出メモリ103とフォントデータ抽出変換情報メモリの情報を参照して抽出し、圧縮した表現データに変換する。そして、イメージデータと圧縮した表現データを合成しイメージデータに変換してビットマップメモリ105に格納する。プリンタエンジン部107はビットマップメモリ105からイメージデータを取り出し画像記録媒体200に画像形成を行う。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、画像データを処理する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来のプリンタで、イメージデータを入力した場合、そのイメージをそのまま出力装置に出力していた。従って、高解像度のイメージデータを入力すると、その高解像度の出力画像が得られ、逆に低解像度のイメージデータを入力すると、低解像度の出力画像が得られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、特に問題であるのは、例えばイメージデータが文字/記号を含む地図情報であって、これが低解像度のイメージデータで表現されている場合、文字/記号情報を認識することがユーザにとっては重要であり、その部分の品質を落とさず、あるいは品質をさらにあげることが重要であった。
【0004】しかし、従来の画像形成装置ではこの要請に応えることはできず、低解像度のイメージデータを印字すると、一般的にサイズの小さい文字記号部分の品質の劣化等が特に問題となっていた。
【0005】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、低解像度のイメージデータであっても、高品質の画像出力が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は以下の構成を備える。即ち、入力した画像データから文字/図形データを抽出し、近似する文字/図形データに変換する変換手段と、前記近似する文字/図形データと前記イメージデータを所定の拡大/縮小率で拡大/縮小して合成して、イメージデータを生成する生成手段と、前記イメージデータを画像記録媒体に出力し画像を形成する画像形成手段とを備える。
【作用】以上の構成において、変換手段が、入力した画像データから文字/図形データを抽出し、近似する文字/図形データに変換し、生成手段が、前記近似する文字/図形データと前記イメージデータを所定の拡大/縮小率で拡大/縮小して合成しイメージデータを生成し、画像形成手段が、前記イメージデータを画像記録媒体に出力し画像を形成する。
【0007】
【実施例】
(第1の実施例)以下、添付図面に従って、本発明の第1の実施例であるホストコンピュータからのデータを受信して印刷出力を行なう印刷装置について詳細に説明する。
【0008】図1は、本実施例における電子写真方式の印刷装置の構成概略を示す。
【0009】100は本実施例における印刷装置であり、印刷結果200を形成する。300は印刷データを印刷装置100に供給するホストコンピュータである。
【0010】印刷装置100には、印刷装置全体を制御するCPU101をはじめ、以下に示す構成要素を備えている。
【0011】108はホストコンピュータ300から送られてくるデータを、一旦格納する受信バッファ、102はアウトラインデータを記憶しているフォントメモリ、103はイメージデータのうちの図形データと文字データを判定・抽出する為の情報を格納してある図形データ判定抽出情報格納メモリ、106はフォントデータを抽出し、文字コード及びサイズ等の属性データに変換する為の抽出・変換情報を格納してあるフォントデータ抽出変換情報メモリ、104は受信データを格納するページバッファ、105は1ページ分のイメージデータを展開するビットマップメモリ、107はビットマップメモリ105に展開されたイメージデータに基づいて実際に印刷処理を行なうプリンタエンジン部である。プリンタエンジン部107は、例えば、図7に示すレーザビームプリンタ(LBP)のエンジン部によって構成される。
【0012】次に、図7が示すレーザビームプリンタのエンジン部と印刷装置の構成を説明する。
【0013】図7において、740はLBP本体であり、供給される文字パターンなどを元に、記録媒体である記録紙上に像を形成する。700は操作の為にスイッチ及びLED表示装置などが設置されている操作パネル、701はLBP740全体の制御及び文字パターン情報などを解析するプリンタ制御ユニットである。図1のブロック図では、エンジン部107を除いた装置本体100はこのプリンタ制御ユニット701に含まれる。レーザドライバ702は半導体レーザ703を駆動する為の回路であり、入力されたビデオ信号に応じて半導体レーザ703から発射されるレーザ光704をオン・オフ切替する。レーザ光704は回転多面鏡705で左右方向に降られて静電ドラム706上を操作する。これにより、静電ドラム706上には文字パターンの静電潜像が形成される。この潜像は静電ドラム706周囲の現像ユニット707により現像された後、記録紙に転写される。この記録紙にはカットシートを用い、カットシート記録用紙はLBP740に装着した用紙カセット708に収納され、給紙ローラ709及び搬送ローラ711とにより装置内に取り込まれて、静電ドラム706に供給される。
【0014】以上の構成で、与えられた印刷データを記録用紙上に記録する。
【0015】次に、画像情報データの処理手順の説明を、図5〜図6を用いて説明する。
【0016】ここで、図2の(a)は、ホストコンピュータから入力する入力イメージデータの一例であり、図3R>3は、印刷装置200で印刷するイメージの一例である。図5のフローチャートを用いて、本実施例での画像情報データ処理手順を説明する。
【0017】ここで、ホストコンピュータからのデータの受信は、本実施例の処理と並行して、受信バッファ108を介し、ページバッファメモリ104にデータを格納する。同様に、ホストコンピュータからのイメージデータもイメージデータの送信コマンドと共に受信バッファを介しページバッファメモリに格納される。
【0018】ステップS1では、ページバッファメモリ104より1ページ分のデータ、例えば、図2の(a)に示ようなイメージデータを読み出す。
【0019】ステップS2では、ステップ1で読み込まれたデータが、イメージデータかどうかを判定し、イメージデータであった場合には、ステップS3に進みイメージデータに対応する処理を行なう。
【0020】ステップS3では、イメージデータに対する処理を行う。この処理の詳細を図6に示す。
【0021】ステップS4では、イメージ及びその他コマンド等の解析・画像形成処理、拡大縮小・解像度変換等の処理を行ないビットマップメモリ105に展開する。拡大縮小や、解像度変換等を行うとき、文字データとしてはスケーラブルフォントまたは拡大縮小のサイズにあったフォントを用いることにより、画像の劣化が少ない出力を得ることが可能となる。図3と図4が出力例であり、図2に示すイメージデータを入力し縮小して出力したとき、図3に示すイメージでは文字が小さくつぶれており読み取りにくくなっているが、図4では文字がサイズに合ったフォントを使用して出力している為、縮小による文字の劣化が少なく読み取り易い文字となっている。図3、図4で使われている文字は単純な文字が多いが、実際の文章等で漢字が使われている場合には、この効果は大きい。
【0022】ステップS5では、1ページ分のデータ処理が終わったかどうか判断する。そして、まだ、終了していなければステップS1へ戻る。
【0023】ステップS6では、生成された1ページ分のイメージデータをプリンタエンジン部107へ出力し、印刷出力を行なう。図3に印刷の出力例を示す。
【0024】図6はステップS3での、イメージデータ処理の詳細を説明するフローチャートであり、以下このフローチャートに基づき説明する。
【0025】ステップS11では、入力したイメージデータ、例えば、図2の(a)に示すイメージデータをいくつかの部分に分割を行う。この分割の例を図2の(b)に示す。図2で、4辺形で囲んだ部分1〜11が1つの部分領域である。その際、1つの部分領域の中にさらに別の部分領域を含む場合は、その別の部分領域をマスキングすることで、独立したイメージデータの部分領域として分割する。
【0026】ステップS12では、ステップS11で分割された部分領域のデータがイメージデータが文字データかどうかを、文字データ判定抽出情報メモリ106内の情報を参照して判定する。判定の結果文字データである場合には、フォント変換を行うステップS13へ進む。
【0027】ステップS13では、フォントデータ抽出変換情報メモリ106内の情報を参照して、文字コード及びフォント属性データに変換する。
【0028】ステップS14では、イメージデータ部分領域データに対し、イメージデータ送信コマンドをヘッダ情報として添付する。
【0029】ステップS15では、全ての部分領域データに対する処理が終わったかどうかを判定し、終わってなければステップS12へ戻る。全ての部分領域データに対する処理が終わっていればイメージデータの処理を終了する。
【0030】以上説明したように、イメージデータから文字を抽出し、文字フォントのデータに変換することにより、拡大縮小等で文字部分の劣化を防ぐことができる。
【0031】なお、第1の実施例では、電子写真方式の印刷装置を出力装置としたが、本発明は、画像形成装置の種類に限定するものではなく、例えば、CRTデイスプレイであってもよい。以上説明したように、本実施例によれば以下のような効果が得られる。即ち、イメージデータから文字要素を抽出して、各々フォントデータに置き換えることによって、画像イメージの拡大/縮小や解像度変換による文字部分の品位の劣化を防止、あるいは、さらに品質をあげることが可能となる。
【0032】(第2の実施例)第1の実施例では、イメージデータ内から文字データのみを抽出する場合を説明したが、第2の実施例では、さらに、図形データを判定・抽出し、図形フォントに変換し出力する実施例について説明する。また、イメージデータ、また、そこから抽出された文字や図形データを表現する画像コマンド列にフォーマット変換した後、その画像コマンド列をホストコンピュータ300へ転送する。
【0033】図10は、第2の実施例における画像情報データの処理手順を説明するフローチャートである。以下順に各ステップの説明を行う。
【0034】ステップS21では、ページバッファメモリ104より1データ読み出す。
【0035】ステップS22では、イメージデータかどうかを判定し、イメージデータの場合には、ステップS23に進み、イメージ画像のデータ処理を行なう。
【0036】ステップS23では、イメージデータから文字データと図形データの部分の抽出を行い、文字データの場合、対応するフォントに変換し、図形データの場合は、例えば、直線/曲線/面の方程式に対して近似を行う。尚、文字や図形の抽出の位置は、例えばユーザが印刷装置100の不図示のキーボードからその座標を入力してもよいし、また、ホストコンピュータ300から予めそれらの座標データを入力してもよい。ステップS23の詳細処理を、図11のフローチャートに示す。
【0037】ステップS24では、ステップS23で処理され変換されたイメージデータを表現する描画コマンド列をホストコンピュータ300に転送するどうかの指定があるかどうかのチェックを行う。この指定は予めホストコンピュータ300から、単独に、あるいはイメージデータの転送時に一緒に送られる。また、ユーザが印刷装置100の不図示のキーボードからその指定を入力してもよい。そして、指定があれば、ホストコンピュータ300に描画コマンド列の転送処理を行うステップS25へ進む。また、指定されていなければ、ステップS26へ進む。
【0038】ステップS25では、イメージデータから抽出された文字や図形データと、残ったイメージデータ部分を表現する描画コマンド列にフォーマット変換して、ホストコンピュータに転送し処理を終了する。
【0039】ステップS26では、生成された文字や図形データやイメージデータを解析して、ビットマップメモリ105に画像イメージを展開する。
【0040】ステップS27では、1ページ分のイメージデータ処理が終わったかどうかチェックし、まだ終わっていなければステップS21に戻る。終わっていればステップS28の印刷処理に進む。
【0041】ステップS28では、ビットマップメモリ105に格納された画像イメージをプリンタエンジン部107を使って印刷出力を行なう。印刷出力が終了すると、次の1ページの処理のため、ステップS21へ戻る。
【0042】次に、ステップS23のイメージデータの処理の詳細を説明するために、第11図のフローチャートを用いて説明する。
【0043】ステップS31では、第1の実施例と同様に、入力イメージデータを、複数の部分領域に分割する。
【0044】ステップS32では、分割されたイメージデータが文字データかどうかを、フォントデータ抽出変換情報メモリ106内の情報を参照して判定する。判定の結果文字データと判断されれば、ステップS33へすすみ、フォント変換を行う。文字データでないと判定されれば、ステップS34へ進み図形の部分領域であるか判定する。
【0045】ステップS33では、フォントデータ抽出変換情報メモリ106内の情報を参照して、文字コードとフォント属性データに変換する。
【0046】ステップS34では、部分領域が図形データかどうかを、図形データ判定抽出情報メモリ103を参照して判定する。図形データと判定されたならば、ステップS35へ進み、この図形データの圧縮表現を計算する。図形データと判定されなければ、ステップS36へ進む。
【0047】ステップS35では、図形データを直線・曲線・面を表現する画像コマンド列に変換する。
【0048】ステップS36では、部分領域は、イメージデータであると判定され、イメージデータであることを示すヘッダ情報を、そのイメージデータに追加した画像コマンド列を生成する。
【0049】ステップS37では、イメージデータ内の全ての部分領域の処理が終了したかどうかチェックする。そして、まだ未処理の部分領域が残っていれば、その部分領域の処理を行うため、ステップS32に戻る。全ての部分領域の処理が終了すれば、イメージデータの処理を終了する。
【0050】以上説明したように、イメージデータ内から文字だけではなく、図形データについても抽出して、例えば、ポストスクリプト等の描画コマンド列に変換することにより、文字/図形要素の、特に曲線・斜線部分の拡大/縮小による画像の劣化を防止することが可能となる。
【0051】また、例えば、図8に示した手書きのイメージを入力し、文字/図形要素を抽出して描画コマンド列に変換し、ホストコンピュータ300に返送し、ホストコンピュータ300で返送された描画コマンド列を使ってイメージを修正・編集することにより、例えば、図9R>9に示す整った出力画像を得ることができる。
【0052】また、入力イメージデータ内の図形及び文字データを変換するかどうかは、例えば、予めホストコンピュータからのコマンド指定で設定可能である。
【0053】さらに、変換の方法を複数持ち、変換方法の指定を予めコマンドで入力しておくこおとにより、入力イメージデータに適合した変換方式を用いて変換することが可能である。
【0054】なお、第1と第2の実施例では、イメージデータからの文字及び図形データの抽出を、部分領域に分けて行なったが、抽出の方法は他の方法であってもよい。
【0055】また、抽出されたデータをフォントデータ及びコマンドへ変換する方法については、特に説明を行なわなかったが、例えば、公知の方法・市販の処理ソフトウエアを用いて、ホストコンピュータからダウンロードし実行させてもよい。
【0056】尚、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても1つの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システム或は装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。
【0057】以上説明したように、本実施例によれば以下のような効果が得られる。即ち、イメージデータから文字や図形要素を抽出して、各々フォントデータ、図形を表現する方程式に置き換えることによって、画像イメージの拡大/縮小や解像度変換による品位の劣化を防止することが可能となる。このことにより、例えば手書きのイメージ内の図形/文字データを清書して、品質の良いイメージ画像出力を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、低解像度のイメージデータであっても、高品質の画像出力が得ることができる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1、第2の実施例における印刷装置のブロック構成図である。
【図2】第1、第2の実施例における入力イメージデータの一例を示す図である。
【図3】図2に示す入力イメージデータを出力した図である。
【図4】図2に示す入力イメージデータを出力した図である。
【図5】第1の実施例における処理内容を示すフローチャート図である。
【図6】第1の実施例における処理内容を示すフローチャート図である。
【図7】レーザビームプリンタの断面図である。
【図8】第2の実施例における入力イメージデータの一例を示す図である。
【図9】図8に示す入力イメージデータの出力図である。
【図10】第2の実施例における処理内容を示すフローチャート図である。
【図11】第2の実施例における処理内容を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
101 CPU
102 フォントメモリ
103 図形データ判定抽出情報格納メモリ
104 ページバッファメモリ
105 ビットマップメモリ
106 フォントデータ抽出変換情報メモリ
107 プリンタエンジン部
108 受信バッファ
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、画像データを処理する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来のプリンタで、イメージデータを入力した場合、そのイメージをそのまま出力装置に出力していた。従って、高解像度のイメージデータを入力すると、その高解像度の出力画像が得られ、逆に低解像度のイメージデータを入力すると、低解像度の出力画像が得られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、特に問題であるのは、例えばイメージデータが文字/記号を含む地図情報であって、これが低解像度のイメージデータで表現されている場合、文字/記号情報を認識することがユーザにとっては重要であり、その部分の品質を落とさず、あるいは品質をさらにあげることが重要であった。
【0004】しかし、従来の画像形成装置ではこの要請に応えることはできず、低解像度のイメージデータを印字すると、一般的にサイズの小さい文字記号部分の品質の劣化等が特に問題となっていた。
【0005】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、低解像度のイメージデータであっても、高品質の画像出力が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は以下の構成を備える。即ち、入力した画像データから文字/図形データを抽出し、近似する文字/図形データに変換する変換手段と、前記近似する文字/図形データと前記イメージデータを所定の拡大/縮小率で拡大/縮小して合成して、イメージデータを生成する生成手段と、前記イメージデータを画像記録媒体に出力し画像を形成する画像形成手段とを備える。
【作用】以上の構成において、変換手段が、入力した画像データから文字/図形データを抽出し、近似する文字/図形データに変換し、生成手段が、前記近似する文字/図形データと前記イメージデータを所定の拡大/縮小率で拡大/縮小して合成しイメージデータを生成し、画像形成手段が、前記イメージデータを画像記録媒体に出力し画像を形成する。
【0007】
【実施例】
(第1の実施例)以下、添付図面に従って、本発明の第1の実施例であるホストコンピュータからのデータを受信して印刷出力を行なう印刷装置について詳細に説明する。
【0008】図1は、本実施例における電子写真方式の印刷装置の構成概略を示す。
【0009】100は本実施例における印刷装置であり、印刷結果200を形成する。300は印刷データを印刷装置100に供給するホストコンピュータである。
【0010】印刷装置100には、印刷装置全体を制御するCPU101をはじめ、以下に示す構成要素を備えている。
【0011】108はホストコンピュータ300から送られてくるデータを、一旦格納する受信バッファ、102はアウトラインデータを記憶しているフォントメモリ、103はイメージデータのうちの図形データと文字データを判定・抽出する為の情報を格納してある図形データ判定抽出情報格納メモリ、106はフォントデータを抽出し、文字コード及びサイズ等の属性データに変換する為の抽出・変換情報を格納してあるフォントデータ抽出変換情報メモリ、104は受信データを格納するページバッファ、105は1ページ分のイメージデータを展開するビットマップメモリ、107はビットマップメモリ105に展開されたイメージデータに基づいて実際に印刷処理を行なうプリンタエンジン部である。プリンタエンジン部107は、例えば、図7に示すレーザビームプリンタ(LBP)のエンジン部によって構成される。
【0012】次に、図7が示すレーザビームプリンタのエンジン部と印刷装置の構成を説明する。
【0013】図7において、740はLBP本体であり、供給される文字パターンなどを元に、記録媒体である記録紙上に像を形成する。700は操作の為にスイッチ及びLED表示装置などが設置されている操作パネル、701はLBP740全体の制御及び文字パターン情報などを解析するプリンタ制御ユニットである。図1のブロック図では、エンジン部107を除いた装置本体100はこのプリンタ制御ユニット701に含まれる。レーザドライバ702は半導体レーザ703を駆動する為の回路であり、入力されたビデオ信号に応じて半導体レーザ703から発射されるレーザ光704をオン・オフ切替する。レーザ光704は回転多面鏡705で左右方向に降られて静電ドラム706上を操作する。これにより、静電ドラム706上には文字パターンの静電潜像が形成される。この潜像は静電ドラム706周囲の現像ユニット707により現像された後、記録紙に転写される。この記録紙にはカットシートを用い、カットシート記録用紙はLBP740に装着した用紙カセット708に収納され、給紙ローラ709及び搬送ローラ711とにより装置内に取り込まれて、静電ドラム706に供給される。
【0014】以上の構成で、与えられた印刷データを記録用紙上に記録する。
【0015】次に、画像情報データの処理手順の説明を、図5〜図6を用いて説明する。
【0016】ここで、図2の(a)は、ホストコンピュータから入力する入力イメージデータの一例であり、図3R>3は、印刷装置200で印刷するイメージの一例である。図5のフローチャートを用いて、本実施例での画像情報データ処理手順を説明する。
【0017】ここで、ホストコンピュータからのデータの受信は、本実施例の処理と並行して、受信バッファ108を介し、ページバッファメモリ104にデータを格納する。同様に、ホストコンピュータからのイメージデータもイメージデータの送信コマンドと共に受信バッファを介しページバッファメモリに格納される。
【0018】ステップS1では、ページバッファメモリ104より1ページ分のデータ、例えば、図2の(a)に示ようなイメージデータを読み出す。
【0019】ステップS2では、ステップ1で読み込まれたデータが、イメージデータかどうかを判定し、イメージデータであった場合には、ステップS3に進みイメージデータに対応する処理を行なう。
【0020】ステップS3では、イメージデータに対する処理を行う。この処理の詳細を図6に示す。
【0021】ステップS4では、イメージ及びその他コマンド等の解析・画像形成処理、拡大縮小・解像度変換等の処理を行ないビットマップメモリ105に展開する。拡大縮小や、解像度変換等を行うとき、文字データとしてはスケーラブルフォントまたは拡大縮小のサイズにあったフォントを用いることにより、画像の劣化が少ない出力を得ることが可能となる。図3と図4が出力例であり、図2に示すイメージデータを入力し縮小して出力したとき、図3に示すイメージでは文字が小さくつぶれており読み取りにくくなっているが、図4では文字がサイズに合ったフォントを使用して出力している為、縮小による文字の劣化が少なく読み取り易い文字となっている。図3、図4で使われている文字は単純な文字が多いが、実際の文章等で漢字が使われている場合には、この効果は大きい。
【0022】ステップS5では、1ページ分のデータ処理が終わったかどうか判断する。そして、まだ、終了していなければステップS1へ戻る。
【0023】ステップS6では、生成された1ページ分のイメージデータをプリンタエンジン部107へ出力し、印刷出力を行なう。図3に印刷の出力例を示す。
【0024】図6はステップS3での、イメージデータ処理の詳細を説明するフローチャートであり、以下このフローチャートに基づき説明する。
【0025】ステップS11では、入力したイメージデータ、例えば、図2の(a)に示すイメージデータをいくつかの部分に分割を行う。この分割の例を図2の(b)に示す。図2で、4辺形で囲んだ部分1〜11が1つの部分領域である。その際、1つの部分領域の中にさらに別の部分領域を含む場合は、その別の部分領域をマスキングすることで、独立したイメージデータの部分領域として分割する。
【0026】ステップS12では、ステップS11で分割された部分領域のデータがイメージデータが文字データかどうかを、文字データ判定抽出情報メモリ106内の情報を参照して判定する。判定の結果文字データである場合には、フォント変換を行うステップS13へ進む。
【0027】ステップS13では、フォントデータ抽出変換情報メモリ106内の情報を参照して、文字コード及びフォント属性データに変換する。
【0028】ステップS14では、イメージデータ部分領域データに対し、イメージデータ送信コマンドをヘッダ情報として添付する。
【0029】ステップS15では、全ての部分領域データに対する処理が終わったかどうかを判定し、終わってなければステップS12へ戻る。全ての部分領域データに対する処理が終わっていればイメージデータの処理を終了する。
【0030】以上説明したように、イメージデータから文字を抽出し、文字フォントのデータに変換することにより、拡大縮小等で文字部分の劣化を防ぐことができる。
【0031】なお、第1の実施例では、電子写真方式の印刷装置を出力装置としたが、本発明は、画像形成装置の種類に限定するものではなく、例えば、CRTデイスプレイであってもよい。以上説明したように、本実施例によれば以下のような効果が得られる。即ち、イメージデータから文字要素を抽出して、各々フォントデータに置き換えることによって、画像イメージの拡大/縮小や解像度変換による文字部分の品位の劣化を防止、あるいは、さらに品質をあげることが可能となる。
【0032】(第2の実施例)第1の実施例では、イメージデータ内から文字データのみを抽出する場合を説明したが、第2の実施例では、さらに、図形データを判定・抽出し、図形フォントに変換し出力する実施例について説明する。また、イメージデータ、また、そこから抽出された文字や図形データを表現する画像コマンド列にフォーマット変換した後、その画像コマンド列をホストコンピュータ300へ転送する。
【0033】図10は、第2の実施例における画像情報データの処理手順を説明するフローチャートである。以下順に各ステップの説明を行う。
【0034】ステップS21では、ページバッファメモリ104より1データ読み出す。
【0035】ステップS22では、イメージデータかどうかを判定し、イメージデータの場合には、ステップS23に進み、イメージ画像のデータ処理を行なう。
【0036】ステップS23では、イメージデータから文字データと図形データの部分の抽出を行い、文字データの場合、対応するフォントに変換し、図形データの場合は、例えば、直線/曲線/面の方程式に対して近似を行う。尚、文字や図形の抽出の位置は、例えばユーザが印刷装置100の不図示のキーボードからその座標を入力してもよいし、また、ホストコンピュータ300から予めそれらの座標データを入力してもよい。ステップS23の詳細処理を、図11のフローチャートに示す。
【0037】ステップS24では、ステップS23で処理され変換されたイメージデータを表現する描画コマンド列をホストコンピュータ300に転送するどうかの指定があるかどうかのチェックを行う。この指定は予めホストコンピュータ300から、単独に、あるいはイメージデータの転送時に一緒に送られる。また、ユーザが印刷装置100の不図示のキーボードからその指定を入力してもよい。そして、指定があれば、ホストコンピュータ300に描画コマンド列の転送処理を行うステップS25へ進む。また、指定されていなければ、ステップS26へ進む。
【0038】ステップS25では、イメージデータから抽出された文字や図形データと、残ったイメージデータ部分を表現する描画コマンド列にフォーマット変換して、ホストコンピュータに転送し処理を終了する。
【0039】ステップS26では、生成された文字や図形データやイメージデータを解析して、ビットマップメモリ105に画像イメージを展開する。
【0040】ステップS27では、1ページ分のイメージデータ処理が終わったかどうかチェックし、まだ終わっていなければステップS21に戻る。終わっていればステップS28の印刷処理に進む。
【0041】ステップS28では、ビットマップメモリ105に格納された画像イメージをプリンタエンジン部107を使って印刷出力を行なう。印刷出力が終了すると、次の1ページの処理のため、ステップS21へ戻る。
【0042】次に、ステップS23のイメージデータの処理の詳細を説明するために、第11図のフローチャートを用いて説明する。
【0043】ステップS31では、第1の実施例と同様に、入力イメージデータを、複数の部分領域に分割する。
【0044】ステップS32では、分割されたイメージデータが文字データかどうかを、フォントデータ抽出変換情報メモリ106内の情報を参照して判定する。判定の結果文字データと判断されれば、ステップS33へすすみ、フォント変換を行う。文字データでないと判定されれば、ステップS34へ進み図形の部分領域であるか判定する。
【0045】ステップS33では、フォントデータ抽出変換情報メモリ106内の情報を参照して、文字コードとフォント属性データに変換する。
【0046】ステップS34では、部分領域が図形データかどうかを、図形データ判定抽出情報メモリ103を参照して判定する。図形データと判定されたならば、ステップS35へ進み、この図形データの圧縮表現を計算する。図形データと判定されなければ、ステップS36へ進む。
【0047】ステップS35では、図形データを直線・曲線・面を表現する画像コマンド列に変換する。
【0048】ステップS36では、部分領域は、イメージデータであると判定され、イメージデータであることを示すヘッダ情報を、そのイメージデータに追加した画像コマンド列を生成する。
【0049】ステップS37では、イメージデータ内の全ての部分領域の処理が終了したかどうかチェックする。そして、まだ未処理の部分領域が残っていれば、その部分領域の処理を行うため、ステップS32に戻る。全ての部分領域の処理が終了すれば、イメージデータの処理を終了する。
【0050】以上説明したように、イメージデータ内から文字だけではなく、図形データについても抽出して、例えば、ポストスクリプト等の描画コマンド列に変換することにより、文字/図形要素の、特に曲線・斜線部分の拡大/縮小による画像の劣化を防止することが可能となる。
【0051】また、例えば、図8に示した手書きのイメージを入力し、文字/図形要素を抽出して描画コマンド列に変換し、ホストコンピュータ300に返送し、ホストコンピュータ300で返送された描画コマンド列を使ってイメージを修正・編集することにより、例えば、図9R>9に示す整った出力画像を得ることができる。
【0052】また、入力イメージデータ内の図形及び文字データを変換するかどうかは、例えば、予めホストコンピュータからのコマンド指定で設定可能である。
【0053】さらに、変換の方法を複数持ち、変換方法の指定を予めコマンドで入力しておくこおとにより、入力イメージデータに適合した変換方式を用いて変換することが可能である。
【0054】なお、第1と第2の実施例では、イメージデータからの文字及び図形データの抽出を、部分領域に分けて行なったが、抽出の方法は他の方法であってもよい。
【0055】また、抽出されたデータをフォントデータ及びコマンドへ変換する方法については、特に説明を行なわなかったが、例えば、公知の方法・市販の処理ソフトウエアを用いて、ホストコンピュータからダウンロードし実行させてもよい。
【0056】尚、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても1つの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システム或は装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。
【0057】以上説明したように、本実施例によれば以下のような効果が得られる。即ち、イメージデータから文字や図形要素を抽出して、各々フォントデータ、図形を表現する方程式に置き換えることによって、画像イメージの拡大/縮小や解像度変換による品位の劣化を防止することが可能となる。このことにより、例えば手書きのイメージ内の図形/文字データを清書して、品質の良いイメージ画像出力を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、低解像度のイメージデータであっても、高品質の画像出力が得ることができる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1、第2の実施例における印刷装置のブロック構成図である。
【図2】第1、第2の実施例における入力イメージデータの一例を示す図である。
【図3】図2に示す入力イメージデータを出力した図である。
【図4】図2に示す入力イメージデータを出力した図である。
【図5】第1の実施例における処理内容を示すフローチャート図である。
【図6】第1の実施例における処理内容を示すフローチャート図である。
【図7】レーザビームプリンタの断面図である。
【図8】第2の実施例における入力イメージデータの一例を示す図である。
【図9】図8に示す入力イメージデータの出力図である。
【図10】第2の実施例における処理内容を示すフローチャート図である。
【図11】第2の実施例における処理内容を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
101 CPU
102 フォントメモリ
103 図形データ判定抽出情報格納メモリ
104 ページバッファメモリ
105 ビットマップメモリ
106 フォントデータ抽出変換情報メモリ
107 プリンタエンジン部
108 受信バッファ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像データを入力し、画像を形成する画像形成装置であって、入力した画像データから文字/図形データを抽出し、近似する文字/図形データに変換する変換手段と、前記近似する文字/図形データと前記イメージデータを所定の拡大/縮小率で拡大/縮小して合成して、イメージデータを生成する生成手段と、前記イメージデータを画像記録媒体に出力し画像を形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記変換手段は、前記抽出された文字/図形データを、対応する複数の近似する文字/図形データを備えるグループから、1つの近似する文字/図形データを選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】 前記選択手段は、前記入力手段から予め入力した選択指定データによって、前記グループ内の1つの近似する文字/図形データを指定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】前記変換手段で得られた前記近似する文字/図形データは、画像コマンド列形式であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】 前記近似する文字/図形データを、外部機器に転送する転送手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項1】 画像データを入力し、画像を形成する画像形成装置であって、入力した画像データから文字/図形データを抽出し、近似する文字/図形データに変換する変換手段と、前記近似する文字/図形データと前記イメージデータを所定の拡大/縮小率で拡大/縮小して合成して、イメージデータを生成する生成手段と、前記イメージデータを画像記録媒体に出力し画像を形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記変換手段は、前記抽出された文字/図形データを、対応する複数の近似する文字/図形データを備えるグループから、1つの近似する文字/図形データを選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】 前記選択手段は、前記入力手段から予め入力した選択指定データによって、前記グループ内の1つの近似する文字/図形データを指定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】前記変換手段で得られた前記近似する文字/図形データは、画像コマンド列形式であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】 前記近似する文字/図形データを、外部機器に転送する転送手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【図3】
【図4】
【図1】
【図2】
【図7】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図7】
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【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開平7−44687
【公開日】平成7年(1995)2月14日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−190289
【出願日】平成5年(1993)7月30日
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【公開日】平成7年(1995)2月14日
【国際特許分類】
【出願日】平成5年(1993)7月30日
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
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