説明

画像検査装置、画像形成装置、画像検査方法およびプログラム

【課題】消耗品等の消費量の削減を図りつつ用紙等の被記録媒体に形成された画像の良否を検査する。
【解決手段】画像形成装置1は、第1プロッタ111aと第2プロッタ111bによって用紙Pの第1面P1と第2面P2の順に画像形成する際に、第2面P2への画像形成前に、第2検査スキャナ205bで該第2面P2を読み取って第2面画像形成前読み取りデータG2aを取得し、該第1面P1への形成画像に関する第1面画像形成後画像データG1y及び/または第1元画像データの第1面画像情報を取得して、コントローラ201が、該第2面画像形成前読み取りデータG2aと該第1面画像情報に基づいて第2面P2に形成される予定の第2面形成予定画像の該第1面P1への第1面予想裏写り量を予測して、第2面形成予定画像の画像形成の元となる画像データと該第1面予想裏写り量に基づいて第2面P2への形成画像の良否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査装置、画像形成装置、画像検査方法およびプログラムに関し、詳細には、用紙等の被記録媒体に形成された画像の良否を検査する画像検査装置、画像形成装置、画像検査方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ装置、複写装置、複合装置等の画像形成装置で画像形成された用紙、フィルム等の被記録媒体(以下、単に、用紙という。)の用紙紙面を読み取って、以下の画像良否判定を行っている。すなわち、形成画像の画像データを取得し、形成画像の画像データと画像形成に使用した元画像データを比較して形成画像の良否を判定することが行われている。
【0003】
そして、従来、画像形成の検査精度を向上させるために、片面印刷、両面印刷に関わらず、画像データに基づいて画像形成する用紙の画像形成前後の用紙面を読み取って、検査画像を取得する。その後、該検査画像を該画像データと比較して、形成画像の良否を判定するとともに、画像形成前の用紙面の読み取り結果から該用紙の良否を判定する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記に示される従来の技術にあっては、実際に印刷して裏写りを検査しているため、両面印刷時においても、両面とも印刷した後で、裏写りの検査を実施している。このように、第1面に印刷した時点で印刷結果が不良であっても、両面に印刷した後でなければ、検査結果が分からず、両面分の画像形成動作を行なっていた。このため、画像形成部の劣化やトナーやインク量等の画像形成材の無駄な消費が発生することとなり、改良の必要があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像形成機構の劣化の抑制及び消耗品の消費量の削減を図りつつ形成画像の良否を検査することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、被記録媒体の表面となる第1面に印刷された画像の裏写り画像情報を取得する第1面裏写り画像取得部と、前記第1面に印刷される画像の裏写りの検査に用いられる裏写り上限値が記憶された裏写り検査情報記憶部と、前記第1面裏写り画像取得部で取得した前記第1面の裏写り画像情報から裏写り量を求め、この裏写り量を予め定められた前記裏写り検査情報記憶部に記憶されている前記裏写り上限値と比較し、前記第1面に画像が印刷された後の前記被記録媒体への裏写りを検査する印刷前第2面裏写り検査部と、前記第1面裏写り画像取得部で取得した前記第1面の裏写り画像情報と前記第1面の裏面である第2面に印刷される画像データとから、前記第2面に印刷する前の裏写り量を推定する印刷前第2面裏写り推定部と、前記印刷前第2面裏写り推定部の推定結果を用いて前記第1面および前記第2面について印刷後の画像の良否を検査する印刷後両面画像検査部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成機構の劣化の抑制及び消耗品の消費量の削減を図りつつ形成画像の良否を検査することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、この実施の形態にかかる画像形成装置の全体構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1における画像形成装置の主要部構成を示す説明図である。
【図3】図3は、この実施の形態にかかる画像検査装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、検査基準テーブルの一例を示す図表である。
【図5】図5は、裏写り量判定テーブルの一例を示す図表である。
【図6】図6は、第1面と第2面に画像が形成されている状態の用紙の第2面を示す説明図である。
【図7】図7は、用紙を搬送している状態の搬送ベルトの部分を示す上面図である。
【図8】図8は、この実施の形態にかかる画像検査処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明にかかる画像検査装置、画像形成装置、画像検査方法およびプログラムの一実施の形態について説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【0010】
(実施の形態)
図1は、この実施の形態にかかる画像形成装置の全体構成例を示すブロック図である。この図1において、画像形成装置1は、本体部100と画像検査部200を備えており、画像検査部(画像検査装置)200は、本体部100で用紙Pに形成した画像の良否、すなわち、画像が形成された用紙Pの裏面への裏写りの影響の度合いを検査する。
【0011】
本体部100は、コントローラ101、画像メモリ102、ハードディスク(HDD)103、NIC(Network Interface Card)104,105、スキャナ106、スキャナ補正部107、圧縮処理部108、第1伸張処理部109a、第1プリンタ補正部110a、第1プロッタ111a、第2伸張処理部109b、第2プリンタ補正部110b及び第2プロッタ111b等を備えている。また、本体部100の、コントローラ101、圧縮処理部108、第1伸張処理部109a及び第2伸張処理部109bは、汎用バス112により接続されている。
【0012】
画像検査部200は、コントローラ201、画像メモリ202、ハードディスク(HDD)203、NIC204、第1検査スキャナ205a、第1検査スキャナ補正部206a、第1圧縮処理部207a、第2検査スキャナ205b、第2スキャナ補正部206b、第2圧縮処理部207b、第3検査スキャナ205c、第3スキャナ補正部206c及び第3圧縮処理部207c等を備えている。また、画像検査部200の、コントローラ201、第1圧縮処理部207a、第2圧縮処理部207b及び第3圧縮処理部207cは、汎用バス208により接続されている。
【0013】
図2は、図1における画像形成装置1の主要部構成を示す説明図である。この図2に示すように、画像形成装置1は、本体部100に、用紙搬送部120を備えており、用紙搬送部120に、画像検査部200の第1検査スキャナ205a、第2検査スキャナ205b、第3検査スキャナ205cが配設されている。用紙搬送部120は、4つのローラ121〜124に無端ベルト状の搬送ベルト125が張り渡されており、図示しない給紙部から用紙(被記録媒体)Pがローラ121側の搬送ベルト125上に送り出されてくる。給紙部は、所定の用紙サイズの用紙Pを複数枚収納する給紙カセット、給紙カセット内の用紙P(図1参照)を最上段から1枚ずつ用紙搬送部120へ送り出す送り出し機構等を備えている。
【0014】
また、第1検査スキャナ205aと第2検査スキャナ205bとの間には、用紙Pを表面から裏面に反転する公知の用紙反転機構を有する用紙反転部130が配置されている。
【0015】
用紙搬送部120は、複数のローラ121〜124のうち少なくとも1つのローラ121〜124が図示しない駆動モータによって回転駆動されることによって搬送ベルト125を図2に矢印で示す時計方向に回転駆動させる。搬送ベルト125は、給紙部から送り出されてきた用紙Pを吸着しつつ搬送する。
【0016】
用紙搬送部120には、ローラ121とローラ122の間の搬送ベルト125に近接して第1プロッタ(画像形成機構)111aと第1検査スキャナ205aが順番に配設されている。また、ローラ123とローラ124の間に、第2検査スキャナ(第2面読み取り手段)205b、第2プロッタ(画像形成機構)111b及び第3検査スキャナ205cが順番に配設されている。
【0017】
まず、本体部100について説明する。コントローラ101は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えている。ROM内には、画像形成装置1としての基本プログラムや画像検査部200での検査結果に応じた画像形成制御処理を制御する画像形成制御プログラム等のプログラム及び必要なシステムデータが格納されている。なお、このプログラムは、その全てまたはいくつかがハードディスク103に格納されていてもよい。コントローラ101は、CPUがROM内のプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用しつつ画像形成装置1の各部、特に、本体部100の各部を制御して、画像形成装置1としての基本処理を実行するとともに、画像検査部200での検査結果に応じた画像形成制御処理を実行する。
【0018】
NIC104には、外部装置としてのパーソナルコンピュータPCが接続されており、パーソナルコンピュータPCとの間でデータやコマンド(例えば、PDL(Page Description Language:ページ記述言語)で記述された印刷設定等)の授受を行う。
【0019】
スキャナ106は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )を利用したイメージスキャナ等が利用される。スキャナ106は、原稿を主走査及び副走査して、原稿の画像を所定の解像度で読み取って、例えば、600dpiのYMCBkのデジタルデータ(デジタル画像データ)に2値化してスキャナ補正部107に出力する。
【0020】
スキャナ補正部107は、スキャナ106で読み取ったYMCBkのデジタル画像データ(デジタルデータ)に対して、画像領域の文字、線画、写真等への分類、原稿画像の地肌画像の除去等の画像処理を施して、圧縮処理部108に出力する。
【0021】
圧縮処理部108は、スキャナ補正後のYMCBk各8bit画像データを圧縮処理して、圧縮後の画像データを、汎用バス112を通して、コントローラ101に送る。なお、汎用バス112の帯域が十分に広く、画像データを蓄積するハードディスク103の容量が大きいときには、圧縮処理部108で画像データを圧縮することなく、非圧縮の状態で画像データを扱ってもよい。
【0022】
コントローラ101は、送られてきたページ単位の画像データをRAM等の半導体メモリに蓄積し、画像検査に必要な座標を算出して、算出した座標情報、書誌情報及び画像データ等を、NIC105及び画像検査部200のNIC204を通して画像検査部200のコントローラ201に送信するとともに、画像データをハードディスク103に蓄積する。
【0023】
また、画像形成装置1は、パーソナルコンピュータPCから画像データと印刷設定コマンドが送られてくると、該印刷設定コマンドを解析して、画像メモリ102を利用して画像データを印刷可能な状態にページ毎にビットマップ展開して、展開した画像データを圧縮してハードディスク103に蓄積する。また、画像形成装置1は、この蓄積動作とともに、画像検査部200で画像検査を行う際に必要な座標を算出して、算出した座標情報、書誌情報及び画像データ等を、NIC105及び画像検査部200のNIC204を通して画像検査部200のコントローラ201に送信する。
【0024】
画像形成装置1は、ハードディスク103に蓄積した画像データをパーソナルコンピュータPCに配信する場合には、すなわち、画像形成装置1は、ハードディスク103の画像データを、画像メモリ102を利用して、色変換処理、配信のモードに応じた階調変換処理及びJPEG(Joint Picture Engineering Group)やTIFF(Tagged Image File Format)等の汎用画像フォーマットへのフォーマット変換等の画像処理を行い、画像処理後の画像データを、NIC104を介してネットワーク上のパーソナルコンピュータPCに送信する。
【0025】
ハードディスク103は、コントローラ101の制御下で各種データ、特に、画像データや必要なプログラム等を記憶する。
【0026】
画像メモリ102は、コントローラ101が画像データに対して各種画像処理を施す場合に一時画像データを記憶するのに使用される。
【0027】
コントローラ101は、第1プロッタ111aで画像形成する場合、ハードディスク103から第1面(表面)P1用の画像データを読み出して、汎用バス112を介して第1伸張処理部109aに出力する。さらに第1伸張処理部109aは、圧縮処理されている画像データを元のYMCK各8bitの画像データに伸張して、第1プリンタ補正部110aに出力する。
【0028】
第1プリンタ補正部110aは、第1伸張処理部109aから送られてきた画像データに対してγ(ガンマ)補正処理、中間調処理等の補正処理を施して、第1プロッタ111aの明暗特性の補正処理や階調数変換処理を行い、第1プロッタ111aに出力する。第1プリンタ補正部110aは、その階調数変換処理において、誤差拡散やディザ処理を用いて各色8bitから2bitへと画像データの変換を行う。
【0029】
第1プロッタ111aは、所定の印刷方式、例えば、電子写真方式やインク噴射方式で、図示しないパーソナルコンピュータPCから受信した画像データやスキャナ106で読み取った画像データ(元画像データ)を、第1プリンタ補正部110aから受け取って、該画像データに基づいて画像を用紙Pの第1面(表面)P1に出力画像G1pを画像形成出力(印刷出力)する。すなわち、第1プロッタ111aは、電子写真方式で印刷処理を行う場合、図示しないが、電子写真方式で用紙Pに描画データに基づいて印刷処理を行うのに必要な部品、例えば、感光体、光書込部、現像部、帯電部及びクリーニング部等を備えており、画像データ及び制御信号により光書き込み部を動作させて感光体上に静電潜像を形成して、現像部によりトナーを感光体上に供給して現像してトナー画像を形成する。第1プロッタ111aは、給紙部から用紙Pを感光体と転写部との間に給紙して、感光体上のトナー画像を用紙Pの第1面P1に転写させ、トナー画像の転写された用紙Pを定着部に搬送して、定着部で加熱・加圧して用紙Pの第1面P1上のトナー画像を定着させることで、出力画像G1pの画像形成処理(印刷処理)を行う。
【0030】
また、コントローラ101は、第2プロッタ111bで画像形成する場合、ハードディスク103から第2面(裏面)P2の画像データを読み出して、汎用バス112を介して第2伸張処理部109bに出力し、第2伸張処理部109bは、第1伸張処理部109aと同様に、圧縮処理されている画像データを元のYMCK各8bitの画像データに伸張して、第2プリンタ補正部110bに出力する。
【0031】
第2プリンタ補正部110bは、第1プリンタ補正部110aと同様に、第2伸張処理部109bから送られてきた画像データに対してγ(ガンマ)補正処理、中間調処理等の補正処理を施して、第2プロッタ111bの明暗特性の補正処理や階調数変換処理を行い、第2プロッタ111bに出力する。
【0032】
第2プロッタ111bは、第1プロッタ部111aと同様に、所定の印刷方式、例えば、電子写真方式やインク噴射方式で、図示しないパーソナルコンピュータPCから受信する、この受信した画像データ(第2面元画像データ)やスキャナ106で読み取った画像データ(第2面元画像データ)を、第2プリンタ補正部111bから受け取って、該画像データに基づいて画像を用紙Pの第2面(裏面)P2に出力画像G2pを画像形成出力(印刷出力)する。なお、第1プロッタ111a及び第2プロッタ111bは、以下説明においては、電子写真方式で画像形成するものとする。
【0033】
図3は、この実施の形態にかかる画像検査装置の機能構成を示すブロック図である。CPU210は、印刷前第2面裏写り検査部211、印刷前第2面裏写り推定部212、印刷後両面画像検査部213、エラー処理部214を有する。また、CPU210には制御プログラムなどが格納されているROM220、ワーキングメモリとして用いられるRAM230が接続されている。また、HDD203には、後述する検査基準テーブルTb1、裏写り量判定テーブルTb2が格納されている。
【0034】
印刷前第2面裏写り検査部211は、第2検査スキャナ205b(第1面裏写り画像取得部)で取得した前記第1面の裏写り画像情報から裏写り量を求め、この裏写り量を予め定められたHDD203(裏写り検査情報記憶部)に記憶されている前裏写り上限値と比較し、前記第1面に画像が印刷された後の前記被記録媒体への裏写りを検査する。印刷前第2面裏写り推定部212は、第2検査スキャナ205b(第1面裏写り画像取得部)で取得した第1面P1の裏写り画像情報と第1面P1の裏面である第2面P2に印刷される画像データとから、第2面P2に印刷する前の裏写り量を推定する。印刷後両面画像検査部213は、印刷前第2面裏写り推定部212の推定結果を用いて第1面P1および第2面P2について印刷後の画像の良否(印刷後の裏写りのレベル)を検査する。エラー処理部214は、異常画像対応処理、例えば、以降の画像形成処理及び画像検査処理を行うことなく、用紙Pを機外に排出する等の所定のエラー処理を行う。
【0035】
次に、画像検査部200について説明する。画像検査部200のコントローラ201は、CPU210、ROM220、RAM230等を備えている。ROM220内には、画像検査用の基本プログラムや本発明の画像検査方法を実行する画像検査プログラム等のプログラム及び必要なシステムデータが格納されている。なお、このプログラムは、その全てまたはいくつかがハードディスク203に格納されていてもよい。コントローラ201は、CPU210がROM220内のプログラムに基づいてRAM230をワークメモリとして利用しつつ画像検査部200の各部を制御して、画像検査部200としての基本処理を実行するとともに、本発明の画像検査処理を実行する。
【0036】
すなわち、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている。そして、この実施の形態にかかる画像検査方法を実行するプログラムを読み込んでコントローラ201のROMやハードディスク203に導入する。これにより、後述する第2プロッタ111b等画像形成機能の劣化及び画像形成材であるトナーを削減しつつ適切に画像検査を行う画像検査方法を実行する画像検査装置である画像検査部200を搭載する画像形成装置1として構築されている。この画像検査のプログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0037】
NIC204は、本体部100のNIC105に接続されており、本体部100との間でデータやコマンドの授受を行う。
【0038】
ハードディスク203は、コントローラ201の制御下で各種データ、特に、画像データや必要なプログラム等を記憶する。
【0039】
画像メモリ202は、コントローラ201が画像データに対して各種画像処理を施す場合等に一時画像データを記憶するのに使用される。
【0040】
第1検査スキャナ205aは、例えば、CCDやCMOSを利用したイメージスキャナ等が利用される。第1プロッタ111aによって出力画像G1pの形成された用紙Pまたは第1プロッタ111aで画像形成されずに通過した用紙Pの第1面P1を光学走査して、用紙Pの第1面P1の画像を所定の解像度で読み取って、2値化して第1面P1の画像形成後読み取りデータG1yとして第1検査スキャナ補正部206aに出力する。
【0041】
第1検査スキャナ補正部206aは、第1検査スキャナ205aの読み取ったRGBの第1面画像読み取り後画像データG1y(デジタルデータ)に対して、フィルタ処理等の画像処理を施し、第1圧縮処理部207aに出力する。
【0042】
第1圧縮処理部207aは、スキャナ補正後のRGB各8bit画像データを圧縮処理して、圧縮後の画像データを、汎用バス208を通して、コントローラ201に送る。なお、汎用バス208の帯域が十分に広く、画像データを蓄積するハードディスク203の容量が大きいときには、第1圧縮処理部207aで画像データを圧縮することなく、非圧縮の状態で画像データを扱ってもよい。
【0043】
第2検査スキャナ205bは、第1検査スキャナ205aと同様の構成である。第2検査スキャナ205bは、第1プロッタ111aによって第1面P1に出力画像G1pが形成されて用紙反転部130により表裏反転され第2プロッタ111bで画像形成される前の用紙Pまたは第1プロッタ111aで画像形成されることなく表裏反転され第2プロッタ111bで画像形成される前の用紙Pの第2面P2を光学走査する。そして該第2面P2の画像(出力画像G1pの第2面P2への裏写り画像G1tとゴミ等の汚れによる画像)を読み取って、2値化してRGBの第2面画像形成前読み取りデータG2aとして第2スキャナ補正部206bに出力する。
【0044】
第2スキャナ補正部206bは、第2検査スキャナ205bの読み取ったRGBの第2面画像形成前画像データ(デジタルデータ)G2aに対して、フィルタ処理等の画像処理を施して、第2圧縮処理部207bに出力する。
【0045】
第2圧縮処理部207bは、スキャナ補正後のRGB各8bit画像データを圧縮処理して、圧縮後の画像データを、汎用バス208を通して、コントローラ201に送る。なお、汎用バス208の帯域が十分に広く、画像データを蓄積するハードディスク203の容量が大きいときには、第2圧縮処理部207bで画像データを圧縮することなく、非圧縮の状態で画像データを扱ってもよい。
【0046】
第3検査スキャナ205cは、第1検査スキャナ205aと同様の構成である。第3検査スキャナ205cは、第1プロッタ111aによって第1面P1に出力画像G1pが形成されて表裏反転され第2プロッタ111bによって出力画像G2pが形成された用紙Pまたは第2プロッタ111bで画像形成されることなく通過した用紙Pの第2面P2を走査する。そして、該第2面P2の画像(出力画像G1pの裏写り画像G1tと第2プロッタ111bによって形成された出力画像G2p及びゴミ等)を読み取って、2値化してRGBの第2面画像形成後読み取りデータG2bとして第3スキャナ補正部206cに出力する。
【0047】
第3スキャナ補正部206cは、第3検査スキャナ205cの読み取ったRGBの第2面画像形成後読み取りデータ(デジタルデータ)G2bに対して、フィルタ処理等の画像処理を施して、第3圧縮処理部207cに出力する。
【0048】
第3圧縮処理部207cは、スキャナ補正後のRGB各8bit画像データの圧縮処理を行う。そして、圧縮後の画像データを、汎用バス208を通して、コントローラ201に送る。なお、汎用バス208の帯域が十分に広く、画像データを蓄積するハードディスク203の容量が大きいときには、上記と同様に、第3圧縮処理部207cで画像データを圧縮することなく、非圧縮の状態で画像データを扱ってもよい。
【0049】
そして、コントローラ201は、第1検査スキャナ205aの読み取った第1プロッタ111aによって画像が形成された用紙Pまたは画像が形成されずにスルーした用紙Pの第1面P1の出力画像G1p、第2検査スキャナ205bの読み取った表裏反転された用紙Pの第2面P2の第2面画像形成前読み取りデータG2a及び第3検査スキャナ205cの読み取った第2プロッタ111bによって画像が形成された用紙Pまたは画像が形成されずにスルーした用紙Pの第2面画像形成後読み取りデータG2bに基づいて、画像検査を行う。
【0050】
そこで、画像形成装置1は、コントローラ201のROM220またはハードディスク203に、図4に示すような検査基準テーブルTb1及び図5に示すような裏写り量判定テーブルTb2を格納している。
【0051】
検査基準テーブルTb1は、用紙Pの第1面P1と第2面P2を、第1検査スキャナ205a、第2検査スキャナ205b及び第3検査スキャナ205cで読み取ったときに、用紙Pの第1面P1に画像がある場合と画像がない場合及び第2面P2に画像がある場合と画像がない場合の組み合わせに対して、それぞれ画像検査基準値が、「1」から「3」の範囲で設定されているテーブルとなっている。すなわち、画像形成装置1においては、用紙Pの第1面P1に画像を形成する第1プロッタ111aと第2面P2に画像を形成する第2プロッタ111bを備えており、これら第1プロッタ111aと第2プロッタ111bの動作によって、用紙Pの第1面P1に画像を形成する場合と画像を形成しない場合及び第2面P2に画像を形成する場合と画像を形成しない場合がある。検査基準テーブルTb1は、これらの第1面P1と第2面P2の画像の有無によって、用紙Pの画像の判読性及び見難さ等の画像評価が異なることを考慮して、画像検査基準値が、「1」から「3」の範囲で設定されている。
【0052】
すなわち、画像形成装置1は、例えば、搬送ベルト125上の用紙Pに、第1プロッタ111aで画像を形成した後、第2プロッタ111bに搬送して第2プロッタ111bによって画像を形成する。このように画像が形成されると、図6に示すように、用紙Pの厚さ等によって、用紙Pを第2面P2から見ると、図6に実線で示すように、用紙Pの第2面P2に第2プロッタ111bで形成された出力画像G2pだけでなく、図6に一点鎖線で示すようになる。このように用紙Pの第1面P1に第1プロッタ111aによって形成された出力画像G1pが透けた状態の裏写り画像G1tが、用紙Pの第2面P2側から見えることとなる。したがって、第1面P1の出力画像G1pがあるのか否か及び第2面P2の出力画像G2pがあるのか否かによって、用紙Pを第1面P1及び第2面P2それぞれから見た場合の画像の判読性及び見難さ等の画像評価が異なる。このため、第1面P1の出力画像G1pがあるのか否か及び第2面P2の出力画像G2pがあるのか否かによって、画像検査基準値を異ならせている。なお、図4において、画像検査基準値「1」〜「3」は、数値が小さいほど検査基準が厳しく、具体的には、第1面P1と第2面P2の両面ともに画像のある場合は、画像検査基準値が厳しい「1」が設定されていて、裏写りの検査を厳しく行う。また、片面にだけ画像があるときには、中間の厳しさの画像検査基準値「2」が設定されていて、裏写りの検査を甘く行い、両面ともに画像がないときは、画像検査基準値「3」が設定されていて、裏写りの検査を行わない。
【0053】
図5に示す裏写り量判定テーブルTb2は、紙種ごとに、出力画像G1pの網点面積率に対応した裏写り上限値を規定したものである。紙種に限られず、紙厚に応じた分類、用紙材料に応じた分類であってもよい。なお、印刷に使う用紙の種類によって裏写り上限値が異なる。実測値が裏写り上限値以下であれば正常と判定し、一方、裏写り上限値を超える場合は異常として判定する。
【0054】
裏写り量判定テーブルTb2は、画像濃度と用紙品質によって異なる複数の裏写り量U1〜U3のテーブルとなっている。すなわち、用紙Pに形成された画像の判読性及び見難さ等の画像評価を行う場合、用紙Pに形成されている画像が反対面に裏写りする裏写り量によって異なる。この裏写り量は、用紙Pの品質(紙種、紙厚等)によって異なる。このため、複数の用紙品質に対応した裏写り量U1〜U3を、実際に第1プロッタ111a及び第2プロッタ111bによって画像形成して第1検査スキャナ205a、第2検査スキャナ205b及び第3検査スキャナ205cで読み取った裏写り量を、裏写り量判定テーブルTb2として登録している。この裏写り量の単位は、形成画像と同じ網点面積率であり、裏写り量判定テーブルTb2には、形成画像の網点面積率に応じた裏写り量が網点面積率で登録されている。
【0055】
なお、上記第1検査スキャナ205a、第2検査スキャナ205b及び第3検査スキャナ205cは、図7に示すように、搬送ベルト125上を搬送される用紙Pを読み取るが、読み取った画像データから用紙Pの画像データのみを抽出するには、用紙Pと搬送ベルト125との色の相違を利用する。
【0056】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、第1プロッタ111a、第2プロッタ111bの劣化の抑制及び消耗品の消費量の削減を図りつつ形成画像の良否を検査する。
【0057】
画像形成装置1は、両面印刷機能を備えている。画像形成装置1は、スキャナ106の読み取った画像データまたはパーソナルコンピュータPCから送られてきた画像データに基づいて、印刷設定に応じて、用紙Pの片面または両面に印刷するとともに、画像検査部200で画像検査を行う。特に、画像形成装置1は、両面印刷の場合に、裏面である第2面P2に画像形成する前に、第1面P1への形成画像に基づいて、該第1面P1の出力画像G1pの良否判定及び第2面P2へ形成する予定の第2面形成予定画像の良否の事前判定を行う検査を実行する。
【0058】
すなわち、画像形成装置1は、スキャナ106で読み取って必要な画像処理を施した画像データをハードディスク103に蓄積する。また、画像形成装置1は、この蓄積動作とともに、画像検査部200で画像検査を行う際に必要な座標を算出して、算出した座標情報、書誌情報及び画像データ等を、NIC105及び画像検査部200のNIC204を通して画像検査部200のコントローラ201に送信する。また、画像形成装置1は、パーソナルコンピュータPCから画像データと印刷設定コマンドが送られてくると、該印刷設定コマンドを解析して、画像データを画像メモリ102を利用して印刷可能な状態にビットマップ展開する。そして、展開した画像データを圧縮してハードディスク103に蓄積するとともに、画像検査部200で画像検査を行う際に必要な座標を算出して、算出した座標情報、書誌情報及び画像データ等を、NIC105及び画像検査部200のNIC204を通して画像検査部200のコントローラ201に送信する。
【0059】
そして、画像形成装置1は、画像形成時、表面である第1面P1に印刷するために、本体部100のコントローラ101が、ハードディスク103から画像データを読み出して第1伸張処理部109aで伸張して第1プリンタ補正部110aで必要な補正を行った後、第1プロッタ111aに渡す。一方、画像形成装置1は、給紙部から搬送ベルト125上に用紙Pを送り出させ、搬送ベルト125上に送り出されてきた用紙Pを、搬送ベルト125に吸着させて第1プロッタ111aに搬送して、第1プロッタ111aに、第1プリンタ補正部110aから渡された画像データに基づいて、搬送ベルト125で搬送されてきた用紙Pの第1面P1に出力画像G1pを形成させる。
【0060】
次に、この実施の形態にかかる画像検査の概要について説明する。先に述べたように従来は画像検査を、両面の印刷が終了した後に表面と裏面の両方を検査していたが、それだと、仮に片面印刷の時点で異常である場合にも両面印刷を行ってからの検査になるため、もう片面の印刷に使われる消耗品などが無駄になってしまう、という課題があった。そこで、この実施の形態では、第1面P1の印刷後であって、第2面P2の印刷前に、第2面P2をスキャンして、当該スキャン結果より2つの検査を行う。その検査でNGになった場合には、エラー処理(用紙Pの機外排出など)を行う。これにより、第1面P1の印刷が終了した時点で異常であると判断した場合に、第2面P2の印刷に移行することがないため、トナーや用紙といった消耗品の無駄な使用を抑えることが可能となる。
【0061】
まず、第1の検査を実行する。ここでは表面は印刷完了しており、その後に、表面を印刷することによる裏面への「裏写り」の影響について検査をする(2つのうち1つ目の検査)。第2面P2をスキャンすることにより、裏写りの状況を取得する。裏写り判定テーブルTb2に予め判定のための閾値が設けられており、これとスキャン結果とを比較して、第1面P1を印刷したことによる「第2面P2の裏写り」に関して正常(印刷続行可)か異常(裏写りの影響が無視できないくらい大きい場合であり、印刷続行不可)かを判定する。なお、この検査は、用紙の種類などによって異常とする閾値が変わる。
【0062】
なお、この判定は、第2面P2への裏写り量の指標+第2面P2で形成するトナー量に基づく指標の合算値と閾値との比較で行うこともできる。第2面P2の判定の際、第1面P1への印刷による裏写り量が大きく、さらに第2面P2へ印刷するデータが大きいことにより使用トナー量が多い場合は、用紙Pが許容する最大トナー量を超えてしまう場合がある。このときは、その最大トナー量に係る指標を閾値として、上記(第2面P2への裏写り量の指標+第2面P2で形成するトナー量に基づく指標)との比較で正常および異常を判定するようにしてもよい。
【0063】
その次に、第2の検査(推定検査)を実行する。上記第1の検査にて用いた「裏写り量」、及び、第2面P2に印刷する印刷データとから、第1面P1への裏写り量を推測した上で、第1面P1への裏移り量を考慮した第1面P1の推定検査(2つのうちの2つめの検査)を行う。両面印刷の場合は、第1面P1への印刷による第2面P2への裏写り量と、その逆は同じと考えることができる。つまり、第1面P1への印刷データと第2面P2への裏写り量のデータとに基づいて、第2面P2へ印刷することによって第1面P1への裏写り量がどの程度発生するかが推測できることになる。
【0064】
ここで、第1面P1への印刷がある場合は、上記にて説明したとおり、第1面P1への印刷データと第2面への裏写り量のデータとに基づく裏写りの関係を求め、第2面P2への印刷データに基づいて第1面P1にどれだけ裏写りが発生するかを予測する。つまり、第2面P2への実際の裏写り量を取得できているので、予めテーブル等を設けること無く、その実際の裏写り量を用いて第2面P2への印刷による第1面P1への裏写り量を推定可能である。そして、推定した結果を用いて、(第1面P1への裏写り量の指標+第1面P1で使用済のトナー量に基づく指標)合算値とトナー最大使用量との比較で正常・異常印刷となるかの判定を行う。
【0065】
次に、画像検査処理例についてフローチャートを参照して説明する。図8は、この実施の形態にかかる画像検査処理例を示すフローチャートである。この処理が開始されると、まず、画像形成装置1は第1プロッタ111aにより印刷対象の画像を用紙Pの第1面P1への印刷を行う(ステップS101)。
【0066】
続いて、画像形成装置1は、図7に示すように、搬送ベルト125によって第1面P1に出力画像G1pの形成された用紙Pを、第1検査スキャナ205aへ搬送させて、画像検査部200の第1検査スキャナ205aによって用紙Pの第1面P1の読み取りを行わせ(ステップS102)、第1検査スキャナ205aの読み取った第1面画像形成後読み取りデータG1yを第1検査スキャナ補正部206aでフィルタ処理等の補正を施させて、必要に応じて第1圧縮処理部207aで圧縮してハードディスク203に保管する。
【0067】
次に、コントローラ201は、第1検査スキャナ205aが読み取ってハードディスク203に保管した第1面画像形成後読み取りデータG1yと本体部100から送られてきてハードディスク203に保管されている第1プロッタ111aで印刷するために補正処理を行う前の画像データ(以下、単に、第1元画像データという。)を比較して、第1プロッタ111aによって用紙Pの第1面P1に形成された画像(出力画像G1p)の良否を検査判定する(ステップS103)。
【0068】
ステップS103の画像検査においてコントローラ201は、第1面画像形成後読み取りデータG1yが第1元画像データに対して相違している程度(相違度)が予め設定されている基準相違値を超えている場合、不良画像と判断し(判断NG)、異常画像対応処理、例えば、以降の画像形成処理及び画像検査処理を行うことなく、エラー処理部214により、用紙Pを排出する等のエラー処理を行う。一方、ステップS103の画像検査において相違度が基準相違値内であると、正常画像と判断し(判断OK)、次のステップ104に進む。
【0069】
次に、ステップS104〜S107の裏写り画像検査処理を行う。この裏写り画像検査処理においては、搬送ベルト125により第1プロッタ111a及び第1検査スキャナ205aを通過した用紙Pを用紙反転部130により表裏を反転させて、第2検査スキャナ205bへ搬送して、第2検査スキャナ205bによって用紙Pの第2面(裏面)P2を読み取らせた第2面画像形成前読み取りデータG2aを第2スキャナ補正部206bで補正した後、第2圧縮処理部207bで必要な圧縮を行ってハードディスク203に蓄積させる(ステップS104)。
【0070】
続いて、コントローラ201(印刷前第2面裏写り検査部211)は、以下の検査を実行する。すなわち、印刷前第2面裏写り検査部211は、は、第2検査スキャナ205bの読み取った用紙Pの第2面P2の第2面画像形成前読み取りデータG2aに基づいて、第2プロッタ111bによって画像形成が行われる前における第1面P1の出力画像G1pの第2面P2への裏写り(裏汚れ)を検査する第2面P2の検査処理を行う(ステップS105)。
【0071】
上記ステップS105において第2面P2への裏写り(裏汚れ)が予め定めた閾値と比較して高い場合(判断NG)、エラー処理部214により、異常画像対応処理、例えば、以降の画像形成処理及び画像検査処理を行うことなく、用紙Pを排出する等のエラー処理を行う。
【0072】
一方、上記ステップS105において第2面P2への裏写り(裏汚れ)が予め定めた閾値と比較して閾値以下の場合(判断OK)、印刷前第2面裏写り推定部212は、以下の演算処理を実行する(ステップS106)。
【0073】
すなわち、ステップS106では、例えば、画像データとして、網点面積率が(50,70)の画像データがあったとする。まず第1面P1を印刷して、第1面P1に異常がないと判断すると、第2面P2を読み取り第2面P2の検査に移行する。スキャンの結果、第2面P2の裏写り量が4.0とされた場合、第1面P1を網点面積率50で印刷したときに4.0裏写りが発生していることになる。このとき裏写り量判定テーブルTb2を参照すると、用紙aなので、網点面積率50で印刷したときの裏写り上限値は5.0となる、この場合、第2面P2の裏写り量は規定値内であるといえる。よって次の検査に進む。
【0074】
本例では、第1面P1は既に網点面積率50で印刷している。ここに、網点面積率が70の画像データを第2面P2に印刷する予定なので、第1面P1の印刷状況を推測すると、例えば(70/50)×4.0=5.6の裏写り量が発生すると予測することができる。ここで、既に印刷された50と、裏写り量5.6に基づいて、第1面P1の許容最大トナー量を超えるか超えないかを判断し、超える場合は判断NG、超えない場合は判断OKとして、第1面P1の推定検査を行って(ステップS107)、実際の第2面P2への印刷へ移行する(ステップS108)。さらに、第2面P2を印刷したあとは、両面について実際の印刷状況を検査する(ステップS109,S110)。
【0075】
ステップS107では、第2検査スキャナ205bの読み取った第1面P1の出力画像G1pの第2面P2への裏写り量(第2面画像形成前読み取りデータG2a)から第2面P2に形成される出力画像G2pの第1面P1への裏写り(裏汚れ)を予測検査する第1面P1の裏写り推定検査処理を行う。
【0076】
上記裏写り画像検査処理においては、第1面P1から第2面P2への裏写り量を検査する第2面P2の裏写り検査処理と第2面P2の裏写り量から第2面P2に形成する出力画像G2pの第1面P1への裏写りを予測検査する第1面予想裏写り検査処理とを行う。
【0077】
上記第2面裏写り検査処理について説明する。図6に一点鎖線で示したように、用紙Pの第1面P1に形成された出力画像G1pは、第2面P2に裏写りして裏写り画像G2tとなる。そこで、コントローラ201は、第2プロッタ111bによって用紙Pの第2面P2へ画像が形成される前の該用紙Pの第2面P2を、第2検査スキャナ205bに読み取らせ、第1面P1の出力画像G1pの第2面P2への裏写りの裏写り画像G2tの裏写り量を測定させて、画像の良否を判定する。この画像の良否の判定については、後で詳細に説明する。
【0078】
次に、第1面P1に形成された出力画像G1pの第2面P2への裏写り量から第2面P2に形成される出力画像G2pとなる第2面形成予定画像の第1面P1への裏写り(裏汚れ)を予測検査する第1面予想裏写り検査処理について説明する。この第1面予想裏写り検査処理は、上記画像形成前の第2面P2を第2検査スキャナ205bが読み取った裏写り画像G1tと本体部100から送られてきてハードディスク203に格納されている第2面P2の画像データ(プリンタ補正前の画像データである第2面元画像データ)から、第2面P2に形成する予定の第2面形成予定画像の第1面P1への裏写りがどの程度生じるかの裏写り量を予測して画像の良否を判定する。
【0079】
まず、上記第2面裏写り検査処理における裏写り量に基づく画像の良否の判定について説明する。裏写り量は、上述のように、紙種、紙厚等の用紙品質により、規定することができるが、用紙Pの品質は必ずしも一定ではないため、用紙品質による裏写り量を考慮する必要がある。そこで、画像形成装置1は、上述のように、図5に示したような紙種、紙厚等の用紙品質毎に、第1面P1の出力画像G1pの網点面積率に応じて、複数の裏写り量を登録した裏写り量判定テーブルTb2をコントローラ201内のROM220またはハードディスク203に格納して、コントローラ201が、第1面P1の複数領域に網点面積率で画像形成した出力画像G1pに対応する領域の裏写り量を第2検査スキャナ205bで読み取った第2面画像形成前読み取りデータG2aに基づいて、該裏写り量判定テーブルTb2から、最適な裏写りテーブルを選択する。
【0080】
そして、コントローラ201は、ステップS105の第2面裏写り検査処理においては、選択した裏写り量判定テーブルTb2を使用して、第2検査スキャナ205bの読み取った裏写り量が、選択した裏写り量判定テーブルTb2の基準値よりも小さいと、第1面P1に形成した出力画像G1pが正常であると判定し、第2検査スキャナ205bの読み取った裏写り量が、選択した裏写り量判定テーブルTb2の基準値よりも大きいと、第1面P1に形成した出力画像G1pが不良であると判断する。
【0081】
次に、第1面予想裏写り検査処理における裏写り量に基づく画像良否の判定について説明する。コントローラ201は、第2面裏写り検査処理の場合と同様に、裏写り量判定テーブルTb2を選択して、選択した裏写り量判定テーブルTb2を使用して、本体部100から送られてきてハードディスク203に格納されている第2面P2の画像データ(第2面元画像データ)に基づいて第2面P2に形成する予定の第2面形成予定画像の網点面積率を求めて、該第2面形成予定画像の第1面P1への裏写り量を予測する。コントローラ201は、この予測した第2面形成予定画像の第1面P1への裏写り量に基づいて第1面予想裏写り検査を行う。すなわち、両面印刷を行う場合、第1面P1と第2面P2の裏写り量は同じであるという特性を利用している。そして、コントローラ201は、第1面裏写り検査においては、用紙P毎に定めた画像検査基準値よりも第2面画像形成前読み取りデータG2aの濃度(裏写り量)が小さいと、形成した第1面P1の出力画像G1pが正常であると判断し、用紙P毎に定めた画像検査基準値よりも第2面画像形成前読み取りデータG2aの濃度(裏写り量)が大きいと、印刷した第1面P1の出力画像G1pが不良であると判断する。
【0082】
そして、コントローラ201は、第1面予想裏写り検査処理においては、図4の検査基準テーブルTb1に示したように、第1面P1と第2面P2の画像の組み合わせに基づいて、画像検査基準値を設定して画像の良否を判定する。
【0083】
すなわち、図4に示したように、第1面P1に画像あり/画像なしの場合の2種類と、第2面P2に画像あり/画像なしの場合の2種類との組み合わせで、4種類の場合があり、以下、この4種類の場合の画像検査について説明する。なお、画像あり/画像なしの判定は、用紙Pのページ単位で行ってもよいし、所定の領域単位で行ってもよい。
【0084】
(A)第1面P1及び第2面P2ともに画像なしの場合
この場合、第1面P1にも第2面P2にも画像が形成されないため、コントローラ201は、画像検査基準値「3」に従って、裏写りの検査を行わない。すなわち、もともと紙面にゴミがあっても、印刷情報がないため、検査の必要性が少ないからである。
【0085】
(B)第1面P1に画像G1pがあり、第2面P2に画像がない場合
この場合、第1面P1に出力画像G1があり、第2面P2に画像がないため、コントローラ201は、画像検査基準値「2」という甘い画像検査基準値に従って、単純に裏写りの量で画像の良否を判定する第1面P1の出力画像G1pの第2面P2への裏写り(裏汚れ)検査を行う。すなわち、第2面P2に画像情報がないため、少々のゴミがあっても気にならないが、裏写りが多いと、前後の用紙Pにインクが付着するおそれがあるため、両面に画像がある場合の裏写りよりも甘い画像検査基準値である「2」で検査する。
【0086】
(C)第1面P1に画像なし、第2面P2に画像ありの場合
この場合、第1面P1に画像が形成されないため、裏写りがどの程度発生するか分からないため、通常通りの判定を行う。つまり、第1面P1は印刷なしのためスキャンを行わず、中間のスキャンも行わず、第2面P2を印刷したあとに、両面のスキャンを行うことで画像検査を行う。
【0087】
(D)第1面P1に画像あり、第2面P2に画像ありの場合
この場合、第1面P1にも、第2面P2にも画像があるので、コントローラ201は、第2面P2の裏写りの検査を、厳しい画像検査基準値「1」に従って、第1面P1の出力画像G1pを考慮して行う。具体的には、第2面P2の裏写りの検査においては、第2面P2に画像があると、画像のある領域は注目部分であるので、コントローラ201は、第2面P2に画像がない場合に比較して、第1面P1の裏写り(裏汚れ)を、画像検査基準値「1」という厳しい画像検査基準値に従って行う。また、第2面P2の画像濃度が濃く用紙Pへの印刷可能なトナー量の最大値に近く、第1面P1の出力画像G1pの裏写りが大きいと、印刷可能なトナー量を超えてしまうため、コントローラ201は、第2面P2の画像形成に用いるトナー量を考慮して検査する。すなわち、印刷可能なトナー量を超えると、電子写真方式の第1プロッタ111a及び第2プロッタ111bでは、機械にダメージを与えてしまい破損してしまうおそれがあり、また、一般的には、印刷可能なトナー量を超えると、色が正しく表現できなくなるだけでなく、トナーが用紙Pに載らずに、前後のページに写ってしまうおそれがある等の不具合の発生を未然に防止するために、第2面P2に画像を形成する前に、第1面P1に形成された出力画像G1pの第2面P2への裏写り(裏汚れ)の検査を行う。
【0088】
画像形成装置1は、裏写り画像検査処理を終了すると、本体部100のコントローラ101が、ハードディスク103から第2面(裏面)P2の画像データを読み出して、第2伸張処理部109b及び第2プリンタ補正部110bで必要な画像処理を施した画像データを、第2プロッタ111bに送って、第2プロッタ111bに用紙Pの第2面P2へ出力画像G2pを形成させる。
【0089】
そして、画像検査部200のコントローラ201は、第2プロッタ111bによって用紙Pの第2面P2に出力画像G2pが形成されると、第3検査スキャナ205cに画像形成後(印刷後)の第2面P2を読み取らせる。第3検査スキャナ205cが出力画像G2pを読み取った第2面画像形成後読み取りデータG2bと、第2プロッタ111bで画像形成するのに用いた画像データであって第2プリンタ補正部110bで補正する前に本体部100のコントローラ101から送られてきてハードディスク203に格納されている画像データと、を比較して、画像の検査を行う。コントローラ201は、第1面P1に画像が形成されていないときには、上記(C)の場合である第1面P1に画像なし、第2面P2に画像ありの場合の画像検査処理と同様に画像検査を行い、第1面P1に画像が形成されているときには、上記(D)の場合である第1面P1に画像あり、第2面P2に画像ありの場合の画像検査処理と同様に行う。なお、第1面P1に画像があるときには、第1面P1の画像G1pの裏写りによる影響があるため、第3検査スキャナ205cの読み取った第2面画像形成後読み取りデータG2bから第2検査スキャナ205bの読み取った第2面画像形成前読み取りデータG2aを減算して裏写りの影響を排除したり、第2プロッタ111bで形成される前のハードディスク203に蓄積されている画像データ(プリンタ補正前の画像データ)に第2検査スキャナ205bの読み取った第2面画像形成前読み取りデータG2a(第1面P1の出力画像G1pの第2面P2への裏写り画像G2tを読み取った画像データ)を加えて、裏写りの影響を排除して検査を行ってもよい。
【0090】
なお、上記説明においては、画像形成を行うプロッタとして、以下の構成を例にとっている。すなわち、第1プロッタ111aと第2プロッタ111bの2つを備え、用紙Pの検査用の画像を読み取る検査スキャナとして、第1検査スキャナ205a、第2検査スキャナ205b、第3検査スキャナ205cの3つを備えていて、搬送ベルト125がこれらの第1プロッタ111a、第1検査スキャナ205a、第2検査スキャナ205b、第2プロッタ111b及び第3検査スキャナ205cに用紙Pを順次搬送する場合について説明している。
【0091】
画像検査部200を搭載した画像形成装置1の構成としては、上記構成に限るものではない。例えば、画像を形成する画像形成部として、1つのプロッタ、このプロッタを挟んで配設されている前検査スキャナと後検査スキャナの2つの検査スキャナ及び反転搬送機構を備える構成とする。この場合、用紙Pを給紙部からプロッタに搬送して、プロッタで用紙Pの第1面P1に画像形成して該用紙の第1面P1を後検査スキャナで検査読み取りを行った後、反転搬送機構によって用紙を表裏反転させて前検査スキャナに送って、前検査スキャナによる用紙Pの第2面P2を読み取る。そしてプロッタによる用紙の第2面P2への画像形成及び後検査スキャナによる用紙の第2面P2の検査読み取りを順次行うものであってもよい。
【0092】
また、上記実施例においては、画像形成を行うプロッタ111a、111bが電子写真方式の画像形成機構を用いている場合について説明しているが、画像形成機構としては、電子写真方式のものに限るものではなく、例えば、インク噴射方式のものであってもよい。
【0093】
このように、本実施例の画像形成装置1は、第1面P1と第2面P2の順に画像形成されるシート状の用紙(被記録媒体)Pの該第2面P2への画像形成前に該第2面P2を読み取って第2面画像形成前読み取りデータG2aを出力する第2検査スキャナ205bと、該第1面P1への形成画像に関する第1面画像形成後読み取りデータG1y及び/または第1元画像データの第1面画像情報を取得する第1検査スキャナ205a及び/またはコントローラ201の第1面画像情報取得手段と、該第2面画像形成前読み取りデータG2aと該第1面画像情報に基づいて該第2面P2に形成される予定の第2面形成予定画像の該第1面P1への第1面予想裏写り量を予測するコントローラ201と、該第2面形成予定画像の画像形成の元となる第2面元画像データ(画像データ)と該第1面予想裏写り量に基づいて該第2面P2への形成画像の良否を判定するコントローラ201と、を備えている。
【0094】
したがって、第2面P2への画像形成前に、該第2面への形成画像の良否を判定することができ、画像形成機構の劣化の抑制及び消耗品の消費量の削減を図りつつ形成画像の良否を検査することができる。
【0095】
本実施の形態で実行されるプログラムは、ROM220に予め組み込まれて提供するものとしているが、これに限定されるものではない。本実施の形態で実行されるプログラムを、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0096】
また、本実施の形態で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0097】
本実施の形態で実行されるプログラムは、上述した印刷前第2面裏写り検査部211、印刷前第2面裏写り推定部212、印刷後両面画像検査部213、エラー処理部214を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU210(プロセッサ)が上記記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM230等の主記憶装置上にロードされ、印刷前第2面裏写り検査部211、印刷前第2面裏写り推定部212、印刷後両面画像検査部213、エラー処理部214が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0098】
したがって、第2面P2への画像形成前に、該第2面P2への形成画像の良否を判定することができ、画像形成機構の劣化の抑制及び消耗品の消費量の削減を図りつつ形成画像の良否を検査することができる。
【0099】
また、本実施例の画像形成装置1は、第1面P1の画像情報として、前記第1面P1への画像形成の有無の情報を取得している。
【0100】
したがって、簡単かつ容易に第1面画像情報を取得することができ、画像形成機構の劣化の抑制及び消耗品の消費量の削減を図りつつ形成画像の良否を安価かつ容易に検査することができる。
【0101】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、コントローラ201(印刷前第2面裏写り推定部212)が、用紙Pの第1面P1及び第2面P2の全体または所定の大きさの領域を判定領域として、該判定領域における第2面画像形成前読み取りデータG2aと第1面画像情報に基づいて前記第2面形成予定画像の前記第1面予想裏写り量を予測している。
【0102】
したがって、第1面P1及び第2面P2に形成される画像の濃度を考慮して第1面予想裏写り量を予測して、画像品質を判定することができ、画像良否をより一層適切に判定することができる。
【0103】
また、本実施例の画像形成装置1は、画像データに基づいて用紙Pの第1面P1と第2面P2の順に画像を形成するとともに、形成する画像の良否を検査する画像検査部200を備えている。
【0104】
したがって、第2面P2への画像形成前に、該第2面P2への形成画像の良否を判定することができ、画像形成機構の劣化の抑制及び消耗品の消費量の削減を図りつつ形成画像の良否を検査することができる。
【0105】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0106】
1 画像形成装置
100 本体部
101 コントローラ
102 画像メモリ
103 ハードディスク(HDD)
104,105 NIC
106 スキャナ
107 スキャナ補正部
108 圧縮処理部
109a 第1伸張処理部
109b 第2伸張処理部
110a 第1プリンタ補正部
110b 第2プリンタ補正部
111a 第1プロッタ
111b 第2プロッタ
112 汎用バス
120 用紙搬送部
121〜124 ローラ
125 搬送ベルト
200 画像検査部
201 コントローラ
202 画像メモリ
203 ハードディスク(HDD)
204 NIC
205a 第1検査スキャナ
205b 第2検査スキャナ
205c 第3検査スキャナ
206a 第1検査スキャナ補正部
206b 第2検査スキャナ補正部
206c 第3検査スキャナ補正部
207a 第1圧縮処理部
207b 第2圧縮処理部
207c 第3圧縮処理部
208 汎用バス
210 CPU
211 印刷前第2面裏写り検査部
212 印刷前第2面裏写り推定部
213 印刷後両面画像検査部
214 エラー処理部
220 ROM
230 RAM
P 用紙
P1 第1面
P2 第2面
G1p 出力画像
G2p 出力画像
G1t 裏写り画像
G2a 第2面画像形成前読み取りデータ
G2b 第2面画像形成後読み取りデータ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】
【特許文献1】特開2005−205853号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体の表面となる第1面に印刷された画像の裏写り画像情報を取得する第1面裏写り画像取得部と、
前記第1面に印刷される画像の裏写りの検査に用いられる裏写り上限値が記憶された裏写り検査情報記憶部と、
前記第1面裏写り画像取得部で取得した前記第1面の裏写り画像情報から裏写り量を求め、この裏写り量を予め定められた前記裏写り検査情報記憶部に記憶されている前記裏写り上限値と比較し、前記第1面に画像が印刷された後の前記被記録媒体への裏写りを検査する印刷前第2面裏写り検査部と、
前記第1面裏写り画像取得部で取得した前記第1面の裏写り画像情報と前記第1面の裏面である第2面に印刷される画像データとから、前記第2面に印刷する前の裏写り量を推定する印刷前第2面裏写り推定部と、
前記印刷前第2面裏写り推定部の推定結果を用いて前記第1面および前記第2面について印刷後の画像の良否を検査する印刷後両面画像検査部と、
を備えることを特徴とする画像検査装置。
【請求項2】
前記印刷前第2面裏写り推定部は、
前記被記録媒体の前記第1面及び前記第2面の全体または所定の大きさの領域を判定領域として、該判定領域における前記第2面の画像形成前画像データと前記第1面の画像情報に基づいて前記第2面の形成予定画像の前記第1面の予想裏写り量を予測することを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項3】
さらに、前記印刷前第2面裏写り検査部で前記裏写り上限値を超えた場合、以降の画像形成処理及び画像検査処理を行うことなく、用紙を排出する処理を含むエラー処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項4】
画像データに基づいてシート状の被記録媒体の第1面とこの第1面の裏面となる第2面の順に画像を形成する画像形成部と、
前記第1面に印刷された画像の裏写り画像情報を取得する第1面裏写り画像取得部と、
前記第1面に印刷される画像の裏写りの検査に用いられる裏写り上限値が記憶された裏写り検査情報記憶部と、
前記第1面裏写り画像取得部で取得した前記第1面の裏写り画像情報から裏写り量を求め、この裏写り量を予め定められた前記裏写り検査情報記憶部に記憶されている前記裏写り上限値と比較し、前記第1面に画像が印刷された後の前記被記録媒体への裏写りを検査する印刷前第2面裏写り検査部と、
前記第1面裏写り画像取得部で取得した前記第1面の裏写り画像情報と前記第1面の裏面である第2面に印刷される画像データとから、前記第2面に印刷する前の裏写り量を推定する印刷前第2面裏写り推定部と、
前記印刷前第2面裏写り推定部の推定結果を用いて前記第1面および前記第2面について印刷後の画像の良否を検査する印刷後両面画像検査部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
被記録媒体の表面となる第1面に印刷される画像の裏写りの検査に用いられる裏写り上限値が記憶された裏写り検査情報記憶部を有する画像検査装置で実行される画像検査方法であって、
前記第1面に印刷された画像の裏写り画像情報を取得する第1面裏写り画像取得工程と、
前記第1面裏写り画像取得工程で取得した前記第1面の裏写り画像情報から裏写り量を求め、この裏写り量を予め定められた前記裏写り検査情報記憶部に記憶されている前記裏写り上限値と比較し、前記第1面に画像が印刷された後の前記被記録媒体への裏写りを検査する印刷前第2面裏写り検査工程と、
前記第1面裏写り画像取得工程で取得した前記第1面の裏写り画像情報と前記第1面の裏面である第2面に印刷される画像データとから、前記第2面に印刷する前の裏写り量を推定する印刷前第2面裏写り推定工程と、
前記印刷前第2面裏写り推定工程の推定結果を用いて前記第1面および前記第2面について印刷後の画像の良否を検査する印刷後両面画像検査工程と、
を含むことを特徴とする画像検査方法。
【請求項6】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに被記録媒体の表面となる第1面に印刷される画像の裏写りの検査に用いられる裏写り上限値が記憶された裏写り検査情報記憶部を備え、
前記第1面に印刷された画像の裏写り画像情報を取得する第1面裏写り画像取得ステップと、
前記第1面裏写り画像取得ステップで取得した前記第1面の裏写り画像情報から裏写り量を求め、この裏写り量を予め定められた前記裏写り検査情報記憶部に記憶されている前記裏写り上限値と比較し、前記第1面に画像が印刷された後の前記被記録媒体への裏写りを検査する印刷前第2面裏写り検査ステップと、
前記第1面裏写り画像取得ステップで取得した前記第1面の裏写り画像情報と前記第1面の裏面である第2面に印刷される画像データとから、前記第2面に印刷する前の裏写り量を推定する印刷前第2面裏写り推定ステップと、
前記印刷前第2面裏写り推定ステップの推定結果を用いて前記第1面および前記第2面について印刷後の画像の良否を検査する印刷後両面画像検査ステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−99931(P2013−99931A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−188851(P2012−188851)
【出願日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】