説明

画像表示媒体

【課題】曲げ変形を加えた際の薄膜電極におけるクラックの発生を抑制する画像表示媒体を提供する。
【解決手段】この画像表示媒体100は、液晶等からなる表示層101と、表示層101を挟んで対向配置された、透明な第1および第2の薄膜電極102、103を有する透明な第1および第2の基板104、105と、第1および第2の薄膜電極102、103表面に形成された外部と電気的な接続を行うための第1および第2の取出電極106、107と、構成部分全体を覆うように形成された熱可塑性フィルム200と、を有して概略構成され、第1および第2の取出電極106、107は、接合端部106a、107aにおいて第1および第2の薄膜電極102、103側の角が面取りされた形状を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面全体が熱可塑性フィルムで覆われた可撓性を有する画像表示媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示媒体として、紙媒体や電子ディスプレイデバイスの他に、電子ディスプレイと紙の両者の長所を併せ持った電子ペーパーまたはデジタルペーパーと呼ばれる画像表示媒体が注目されている。
【0003】
また、この様な電子ペーパーにより表示機能を付加したICカードの開発も行われており、このICカードを外的ダメージから守るために、熱圧着により表面に熱可塑性フィルムを形成する技術がある。
【0004】
図9(a)、(b)は、従来の熱可塑性フィルムを有する画像表示媒体(電子ペーパー付きICカード)の断面図である。
【0005】
画像表示媒体100は液晶等からなる表示層101と、表示層101を挟んで対向配置された透明な第1および第2の薄膜電極102、103を有する透明な第1および第2の基板104、105と、第1および第2の薄膜電極102、103表面に形成された外部と電気的な接続を行うための第1および第2の取出電極106、107(第2の取り出し電極は図示しない)と、構成部分全体を覆うようにして表面に形成された、第1および第2の取出電極106、107に外部から接続を行うための取出孔108を有する熱可塑性フィルム200と、を有して概略構成される。
【0006】
しかし、画像表示媒体100に曲げ変形を加えると、図9(b)に示すように、第1の薄膜電極102表面の、第1の取出電極106の接合端部106aの縁が接する部分に応力が集中してクラックが生じ、断線するおそれがある。なお、曲げる方向によって、同様の理由により、第2の薄膜電極103表面にもクラックが生じる。これらのクラックの発生は画像表示媒体100の表示不良を引き起こす。
【0007】
一方、従来の画像表示媒体として、異方導電性樹脂を引き出し電極として用いることにより、曲げや外部装置との着脱の繰り返しによる引き出し電極の断線や接触不良を抑制するものがある(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−177475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、この画像表示媒体によると、引き出し電極から応力を受けて薄膜電極にクラックが発生するという問題は解決されていない。
【0009】
従って、本発明の目的は、曲げ変形を加えた際の薄膜電極におけるクラックの発生を抑制する画像表示媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、表面全体が熱可塑性フィルムで覆われた画像表示媒体において、表示層と、前記表示層を挟んで対向配置された、第1および第2の薄膜電極を有する第1および第2の基板と、前記第1および第2の薄膜電極の表面に接合され、接合面において第1および第2の薄膜電極に一部または全部が接合される第1および第2の取出電極と、を有し、前記第1および第2の取出電極の前記表示層側の端部である接合端部の前記接合面側に位置する縁が、角の落ちた形状を有することを特徴とする画像表示媒体を提供する。
【0011】
上記本発明の一態様によれば、前記第1および第2の取出電極の前記接合端部が角の落ちた形状を有するために、前記画像表示媒体に曲げ、捩り等の変形を加えた際に、前記第1および第2の薄膜電極に前記接合端部の角が接することによる応力を緩和することができ、クラックが発生しにくくなる。それにより、曲げ、捩り等の変形を加えても画像表示品質を保つことが可能となる。
【0012】
また、前記第1および第2の取出電極の前記接合端部が角の落ちた形状を有するために、製造過程において、ボンディングツールにより前記画像表示媒体に前記熱可塑性フィルムを熱圧着する際に、前記第1および第2の薄膜電極に前記接合端部の角が接することによる応力を緩和することができ、クラックが発生しにくくなる。それにより、歩留まりを向上させることが可能となる。
【0013】
前記接合端部は、前記接合面側に位置する縁が、角の落ちた円弧形状を有するものであってもよい。それにより、前記画像表示媒体に曲げ、捩り等の変形を加えた際に、前記第1および第2の薄膜電極へ加わる応力がより分散され、クラックの発生をより確実に抑えることができる。
【0014】
前記第1および第2の取出電極は、前記接合端部と、前記接合部以外の部分である主要部と、に分けられ、前記接合端部は、前記主要部と異なる材料からなるものであってもよい。また、その場合、前記接合端部は、前記主要部よりも硬度の低い材料からなるものであってもよい。それにより、前記画像表示媒体に曲げ、捩り等の変形を加えた際に、前記第1および第2の薄膜電極へ加わる応力がより分散され、クラックの発生をより確実に抑えることができる。
【0015】
前記画像表示媒体は、例えば、光書込型、トナーディスプレイ型、電気泳動方式等の電子ペーパーによる表示機能を付けたICカードであり、前記表示層は、前記画像表示媒体の種類により、それぞれ液晶、着色粒子等を有する層からなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、曲げ変形を加えた際の薄膜電極におけるクラックの発生を抑制する画像表示媒体を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1の実施の形態〕
(画像表示媒体の構成)
図1(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体の上面図および下面図であり、図2(a)、(b)は、断面図である。図2(a)、(b)は、図1の鎖線A−A’、B−B’における切断面をそれぞれ図中の矢印の方向に見た図である。
【0018】
この画像表示媒体100は、液晶等からなる表示層101と、表示層101を挟んで対向配置された、透明な第1および第2の薄膜電極102、103を有する透明な第1および第2の基板104、105と、第1および第2の薄膜電極102、103表面に形成された外部と電気的な接続を行うための第1および第2の取出電極106、107と、構成部分全体を覆うように形成された熱可塑性フィルム200と、を有して概略構成される。
【0019】
本実施の形態においては、画像表示媒体100を光書き込み型の電子ペーパーであるとして説明する。光書き込み型の電子ペーパーの場合、表示層101は、図示しないが、印加される電圧に応じて反射率(透過率)が変化する液晶層、光を吸収する光吸収層、光の照射によって抵抗値が小さくなる光導電層を表示面側から順に積層した構成、または、光吸収層、光導電層、隔離層、液晶層を表示面側から順に積層した構成した構成を有する。なお、液晶層は、例えば、コレステリック液晶が封入されたマイクロカプセルを有して構成される。また、光導電層は、電荷輸送層と、この電荷輸送層の両側に積層された一対の電荷発生層とからなる。これにより、液晶層への交流電圧の印加が可能となるため、液晶層の劣化を抑えることができ、駆動電圧の低電圧化、電子ペーパーの高寿命化を実現することができる。
【0020】
第1および第2の基板104、105は、少なくとも表示側に位置する一方が、例えば、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明な樹脂材料からなる。
【0021】
前記第1および第2の薄膜電極102、103は、少なくとも表示側に位置する一方が、例えば、50nmの酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛等からなる透明電極である。
【0022】
第1および第2の薄膜電極102、103は、両者とも全面電極の形態を有する。なお、画像表示媒体の種類により、例えば、一方が全面電極で他方が画素電極の形態、一方が走査電極で他方が信号電極の形態、一方が信号電極で他方が信号電極上を移動することにより走査する線電極の形態を有するものであってもよい。また、第1および第2の薄膜電極102、103が行電極、列電極等の複数の電極からなる場合等において、取出電極が複数となる場合は、第1および第2の取出電極106、107は、それぞれ第1および第2の薄膜電極102、103に対応する電極群から構成される。
【0023】
第1および第2の取出電極106、107は、例えば、厚さ140μmのNi等の金属からなる。
【0024】
第1および第2の取出電極106、107は、接合端部106a、107a(第1および第2の薄膜電極102、103に接合された部分の端部)において第1および第2の薄膜電極102、103側の角が角面取り(直線状に切り取る面取り)された形状を有する。
【0025】
熱可塑性フィルム200は、例えば、PET、非晶質PET(PET−G)、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、またはこれらを組み合わせて用いた透明な熱可塑性樹脂からなる。
【0026】
熱可塑性フィルム200は、後述する第1、第2および第3の熱可塑性部材201、202、203を画像表示媒体100表面にボンディングツールを用いて熱圧着することにより形成され、図1(b)に示すように、外部から第1および第2の取出電極106、107に接続するための取出孔108を有する。なお、取出孔108は、図1(a)に示す反対側の面に形成されてもよい。また、取出孔108は、画像表示媒体100表面に熱可塑性フィルム200を形成した後に設けられるものであってもよい。
【0027】
なお、図1(a)、(b)に示すように、必要に応じて、無線タグ等のICチップ111を搭載することができる。
【0028】
図3は、画像表示媒体の分解斜視図である。なお、熱可塑性フィルム200は、熱圧着前の第1、第2および第3の熱可塑性部材201、202、203として表す。第1および第2の熱可塑性部材201、202は、画像表示媒体100の表面を覆う板状の形状を有し、第3の熱可塑性部材203は、側面を覆う枠状の形状を有する。なお、第1、第2および第3の熱可塑性部材201、202、203の形状は同図に示したものに限られず、また、これらの他に、ブロック状の熱可塑性部材を用いて隙間を埋めてもよい。
【0029】
第1および第2の熱可塑性部材201、202は、例えば厚さ100μmのPETからなる母層の表面に、例えば厚さ25μmのホットメルト接着剤、共重合ポリエステル系ホットメルト接着剤等からなる溶融層を有する。溶融層は母層と比較して融点が低く、この溶融層が形成された面を画像表示媒体100表面側に向けて熱圧着を行う。
【0030】
(画像表示媒体の作製)
図4(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体の各製造工程を示した断面図である。なお、図4(a)〜(c)に示す断面は図2(a)に示した断面と同じである。
【0031】
まず、図4(a)に示すように、熱可塑性フィルム200を形成する前の画像表示媒体100を用意する。
【0032】
次に、図4(b)に示すように、画像表示媒体100を第1、第2および第3の熱可塑性部材201、202、203で覆い、台上に固定した画像表示媒体100の全体にボンディングツール(図示しない)を用いて、緩衝材を挟んで鉛直上方向から加熱(例えば、60〜150℃)、加圧(例えば、0.1〜1.0N/mm)を施す。
【0033】
なお、例えば、加熱ローラー(図示しない)を用いたラミネート法等を用いて、画像表示媒体100の裏表両面から同条件で加熱、加圧を施してもよい。
【0034】
上記の工程を経て、図4(c)に示すように、第1、第2および第3の熱可塑性部材201、202、203が熱可塑性フィルム200となって画像表示媒体100の表面を覆う。
【0035】
このとき、第1の取出電極106の接合端部106aが面取りされた形状を有するために、ボンディングツールにより画像表示媒体100に熱可塑性フィルム200を熱圧着する際に、第1の薄膜電極102に続端部106aの角が接して応力が集中することがない。
【0036】
また、図示しないが、同様に、第2の取出電極107の接合端部107aが面取りされた形状を有するために、ボンディングツールにより画像表示媒体100に熱可塑性フィルム200を熱圧着する際に、第2の薄膜電極103に接合端部107aの角が接して応力が集中することがない。
【0037】
上記の工程を経て、図4(c)に示すように、第1、第2および第3の熱可塑性部材201、202、203が熱可塑性フィルム200となって画像表示媒体100の表面を覆う。
【0038】
(使用時における画像表示媒体の変形)
図5は、画像表示媒体に曲げ変形を加えた際の様子を表す断面図である。
【0039】
第1の取出電極106の接合端部106aが面取りされた形状を有するために、画像表示媒体100に曲げ変形を加えた際に、第1の薄膜電極102に接合端部106aの角が接して応力が集中することがない。
【0040】
また、図示しないが、同様に、第2の取出電極107の接合端部107aが面取りされた形状を有するために、画像表示媒体100に曲げ変形を加えた際に、第2の薄膜電極103に接合端部107aの角が接して応力が集中することがない。
【0041】
また、捩り変形等の曲げ変形以外の変形に対しても、上記の効果を奏する。
【0042】
(第1の実施の形態の効果)
上記第1の実施の形態によれば、第1および第2の取出電極106、107の接合端部106a、107aが面取りされた形状を有するために、画像表示媒体100に曲げ、捩り等の変形を加えた際に、第1および第2の薄膜電極102、103に接合端部106a、107aの角が接することによる応力を緩和することができ、クラックが発生しにくくなる。
【0043】
また、第1および第2の取出電極106、107の接合端部106a、107aが面取りされた形状を有するために、ボンディングツールにより画像表示媒体100に熱可塑性フィルム200を熱圧着する際に、第1および第2の薄膜電極102、103に接合端部106a、107aの角が接することによる応力を緩和することができ、クラックが発生しにくくなる。
【0044】
〔第2の実施の形態〕
(画像表示媒体の構成)
図6(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示媒体の断面図である。
【0045】
本実施の形態に係る画像表示媒体1は、第1の実施の形態に係る画像表示媒体1とは、第1および第2の取出電極106、107の接合端部106a、107aの形状において異なる。他の構成部分については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
図6(a)は、曲げ変形を加える前の画像表示媒体1の状態を表す。第2の取出電極107については図示しないが、第1の取出電極106と同様である。第1および第2の取出電極106、107は、接合端部106a、107aにおいて第1および第2の薄膜電極102、103側の角が丸面取り(円弧状に丸める面取り)された形状を有する。
【0047】
図6(b)は、曲げ変形を加えた際の画像表示媒体1の状態を表す。第1の取出電極106の接合端部106aが面取りされた形状を有するために、画像表示媒体100に曲げ変形を加えた際に、第1の薄膜電極102に続端部106aの角が接して応力が集中することがない。
【0048】
また、図示しないが、同様に、第2の取出電極107の接合端部107aが面取りされた形状を有するために、画像表示媒体100に曲げ変形を加えた際に、第2の薄膜電極103に続端部107aの角が接して応力が集中することがない。
【0049】
(第2の実施の形態の効果)
上記第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するが、第1および第2の取出電極106、107の接合端部106a、107aの面取りを丸面取りとすることにより、画像表示媒体100に曲げ、捩り等の変形を加えた際に、第1および第2の薄膜電極102、103へ加わる応力がより分散され、クラックの発生をより確実に抑えることができる。
【0050】
〔第3の実施の形態〕
(画像表示媒体の構成)
図7(a)、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る画像表示媒体の断面図である。
【0051】
本実施の形態に係る画像表示媒体1は、第1の実施の形態に係る画像表示媒体1とは、第1および第2の取出電極106、107の構成において異なる。他の構成部分については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0052】
図7(a)は、曲げ変形を加える前の画像表示媒体1の状態を表す。第2の取出電極107については図示しないが、第1の取出電極106と同様である。第1および第2の取出電極106、107は、接合端部106a、107aにおいて第1および第2の薄膜電極102、103側の角が角面取りされた形状を有する。
【0053】
接合端部106a、107aは、第1および第2の取出電極106、107の他の部分とは別部材として構成され、接着されて第1および第2の取出電極106、107の一部となっている。
【0054】
接合端部106a、107aは、エポキシ等の樹脂、ゴム等の弾性材料からなるものであることが好ましい。また、接合端部106a、107aの第1および第2の取出電極106、107への接着は、例えば、接着剤の使用、熱融着等により行われる。なお、接着剤は、導電性を有するものでなくともよい。
【0055】
図7(b)は、曲げ変形を加えた際の画像表示媒体1の状態を表す。第1の取出電極106の接合端部106aが面取りされた形状を有するために、画像表示媒体100に曲げ変形を加えた際に、第1の薄膜電極102に続端部106aの角が接して応力が集中することがない。
【0056】
また、図示しないが、同様に、第2の取出電極107の接合端部107aが面取りされた形状を有するために、画像表示媒体100に曲げ変形を加えた際に、第2の薄膜電極103に続端部107aの角が接して応力が集中することがない。
【0057】
(第3の実施の形態の効果)
上記第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。また、エポキシ等の樹脂、ゴム等の弾性材料からなる接合端部106a、107aを用いることにより、画像表示媒体100に曲げ、捩り等の変形を加えた際に、第1および第2の薄膜電極102、103へ加わる応力がより分散され、クラックの発生をより確実に抑えることができる。
【0058】
〔第4の実施の形態〕
(画像表示媒体の構成)
図8(a)、(b)は、本発明の第4の実施の形態に係る画像表示媒体の断面図である。
【0059】
本実施の形態に係る画像表示媒体1は、第3の実施の形態に係る画像表示媒体1とは、第1および第2の取出電極106、107の接合端部106a、107aの形状において異なる。他の構成部分については、第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0060】
図8(a)は、曲げ変形を加える前の画像表示媒体1の状態を表す。第2の取出電極107については図示しないが、第1の取出電極106と同様である。第1および第2の取出電極106、107は、接合端部106a、107aにおいて第1および第2の薄膜電極102、103側の角が丸面取りされた形状を有する。
【0061】
接合端部106a、107aは、第1および第2の取出電極106、107の他の部分とは別部材として構成され、接着されて第1および第2の取出電極106、107の一部となっている。
【0062】
図8(b)は、曲げ変形を加えた際の画像表示媒体1の状態を表す。第1の取出電極106の接合端部106aが面取りされた形状を有するために、画像表示媒体100に曲げ変形を加えた際に、第1の薄膜電極102に続端部106aの角が接して応力が集中することがない。
【0063】
また、図示しないが、同様に、第2の取出電極107の接合端部107aが面取りされた形状を有するために、画像表示媒体100に曲げ変形を加えた際に、第2の薄膜電極103に続端部107aの角が接して応力が集中することがない。
【0064】
(第4の実施の形態の効果)
上記第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態と同様の効果を奏するが、第1および第2の取出電極106、107の接合端部106a、107aの面取りを丸面取りとすることにより、画像表示媒体100に曲げ、捩り等の変形を加えた際に、第1および第2の薄膜電極102、103へ加わる応力がより分散され、クラックの発生をより確実に抑えることができる。
【0065】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、第1および第2の取出電極106、107の接合端部106a、107aの面取りの形状は上記各実施の形態において示したものに限られない。
【0066】
また、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において上記各実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体の上面図および下面図である。
【図2】(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体の分解斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体の各製造工程を示した断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体に曲げ変形を加えた際の様子を表す断面図である。
【図6】(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示媒体の断面図である。
【図7】(a)、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る画像表示媒体の断面図である。
【図8】(a)、(b)は、本発明の第4の実施の形態に係る画像表示媒体の断面図である。
【図9】従来の画像表示媒体の断面図である。
【符号の説明】
【0068】
100 画像表示媒体
101 表示層
102 第1の薄膜電極
103 第2の薄膜電極
104 第1の基板
105 第2の基板
106 第1の取出電極
106a 接合端部
107 第2の取出電極
107a 接合端部
108 取出孔
109 ICチップ
200 熱可塑性フィルム
201 第1の熱可塑性部材
202 第2の熱可塑性部材
203 第3の熱可塑性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面全体が熱可塑性フィルムで覆われた画像表示媒体において、
表示層と、
前記表示層を挟んで対向配置された、第1および第2の薄膜電極を有する第1および第2の基板と、
前記第1および第2の薄膜電極の表面に接合され、接合面において第1および第2の薄膜電極に一部または全部が接合される第1および第2の取出電極と、
を有し、
前記第1および第2の取出電極の前記表示層側の端部である接合端部の前記接合面側に位置する縁が、角の落ちた形状を有することを特徴とする画像表示媒体。
【請求項2】
前記接合端部は、前記接合面側に位置する縁が、角の落ちた円弧形状を有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
【請求項3】
前記第1および第2の取出電極は、前記接合端部と、前記接合端部以外の主要部と、に分けられ、
前記接合端部は、前記主要部と異なる材料からなることを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
【請求項4】
前記接合端部は、前記主要部よりも硬度の低い材料からなることを特徴とする請求項3に記載の画像表示媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−279354(P2007−279354A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−105146(P2006−105146)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】